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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】


[625]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/25(水) 00:08:28 ID:dpsnoAm+
妖夢「(……私でも、翼君の力にだけは敵わない。いや。誰もが彼の異常なまでに純粋で、狂った力には敵わない。
    彼は、サッカーのみを自らの精神の拠り所として、修羅の如く実力を磨き続ける、一種の求道者。
    ――誰にも、止める事は出来ない)」

妖夢もまた、右サイドを駆け上がりながら翼の勝利を確信していた。
――元々、試合開始からの一連の流れは、翼の実力の高さを生かした上での陽動作戦でもあった。

新田「(翼さんが目立つプレーをして注目を稼いでいる中、足の速い俺と姉御が右サイドを駆け上がる。
     そして、痺れを切らした選手を1、2人程いなしてから、悠々と右サイドにボールを流して。
     ……そして、姉御かストラットさんにボールを繋ぐ、速攻作戦。これが、俺達の狙いだ。
     この作戦のリスクは、翼さんが早々に敗れる事だけど――それは、あり得ない)」

新田は妖夢の背中を追いながら続く。彼もまた、翼の実力と強さを信頼していた。
……が。同時に彼は心の奥底でこうも思っていた。
それは他のサンパウロの選手では到底思いつきようのない、
少しだが鈴仙と特訓を共にし、彼女の持つ『何か』を知る彼だからこそ閃いた、別の意味で狂気的な考えだった。

新田「(――いや。でも。もしかしたら、鈴仙さんだったら……壊してしまうのかもしれない。
    俺達が絶対に勝てないとあきらめてしまっていた、翼さんという、圧倒的な個を……)」

結果として、新田の予想は的中することとなった。



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