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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】


[322]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/11/25(土) 19:40:40 ID:???

そうして鈴仙は、残り少ないハーフタイムを前に、色々な事へと思いを馳せる。
これまでのブラジルでの生活。出会ったライバル達。サッカーを滅ぼすと宣言したアヤソフィア。
サンパウロとの、妖夢との決着。そして――ここに至るまで、セクハラも程々に、多くの事を教えてくれたコーチの事を。

鈴仙「(コーチ……本当にどうしちゃったんだろう。なんで、未だに来ないんだろう)」

周囲の仲間と違い、鈴仙は知っている。あの堕落した老人が、その裏で如何なる壮絶な人生を歩んで来たか。
どれだけ高邁な夢を抱き、追い続けて来たか。だからこそ、彼がおふざけで試合を放棄するとは考えていなかった。

鈴仙「(最初は敵を油断させる為の、いつものフリかと思ってたんだけど。ここまで来ないのは妙よね……)」

考えても結論が出ない事を考えても仕方ない。合理的な永琳やパチュリーならばそう言うだろうが、
鈴仙はどうしても悶々と何でも考えてしまう方だった。

鈴仙「(こんなんじゃあダメ、ダメ。もっとシャキっとしないと!)」

スクッ! ――ブチッ……。

とはいえ、重要な試合の途中にそんな様子ではいけない。鈴仙は邪念を振り払って、勢いよく立ち上がり。
思考を無理やりにでも、数分後に迫った後半戦のキックオフへと向ける事にした。
そして、その過程で――鈴仙は捨象してしまっていた。
鈴仙が愛用していたスパイクのヒモの一部が、音を立てて切れてしまった事を。


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