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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】


[586]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/17(日) 23:13:52 ID:???
――それは……寄せ書きの集まった一つのサッカーボールだった。
鈴仙が永遠亭ルナティックスから離れ、新チームの一員として広い外界へ漕ぎ出す際に、
仲間達から餞別として貰った思い出の一品だった。……貰った直後、自動車事故で行方不明になっていたが。
(参考:capmori

コーチ「逆境を乗り越え、今の舞台に立ったのはワシだけではない筈じゃ、鈴仙。
     誰もが――お主もが、仲間に支えられ、厳しい現実に立ち向かい、
     そうしてこの場所に至っている。……それを思い出すのだ!」

その寄書には色んな事が書いてある。誠意を籠めて書かれた物、手短に言葉を伝えてある物、
適当な事を書きなぐっている物。……言葉の表面だけ見ると分からない事もあるが、
彼らを、彼女らを良く知る鈴仙なら分かる。この言葉には、多くの思い出が込められている事を。

コーチ「民衆の心はいとも容易く移ろう。信頼すべき仲間達の心すらも、厳しい出来事を前にしては揺らぐ。
     しかし、それに絶望し悲観しているだけでは、いつまで経っても大人になれない。ではどうすべきか。
     ――まずは、そなた自身の中にある、仲間達の。家族たちの想いを信じる事から始めよ。
     自分自身の中にある、仲間への想いは決して揺るがぬぞ!!」

鈴仙「……!(そうだ。私は、ただなんとなく、ここに来たんじゃない。
    ここに至るまでに、様々な試練や逆境があって。それを乗り越えてやって来たんだ!
    皆が私を信じてくれたから、ここまで来た。だったら、私も、皆を……何より自分を信じないと!)」

ここで幾百の同じような言葉を投げかけられても、鈴仙の心は動かなかっただろう。
それを察していたからこそ、コーチは恐らくボールを抱えてここまで来てくれたのだ。

コーチ「さあ。ワシは詳しい作戦とか戦術とかは知らんゾイ。後は、お主らで考えるんじゃ。
     大丈夫、キャプテンである鈴仙。そなたが希望を捨てぬ限り、仲間達もまた、きっと立ち上がる。
     リオカップの戦いも後一歩じゃぞ、キャプテン鈴仙よ! ……グヒョヒョ……」


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0ch BBS 2007-01-24