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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】


[64]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/11/07(火) 00:37:07 ID:???
鈴仙「こ、これが……これが、ストラット君の。サンパウロの実力……?」

観客席がストラットが提示した怪異を前に騒然とする中で。
鈴仙は、ストラットのシュートを前に震えを隠せないでいた。彼のシュート力は、間違いなく自分や佳歩よりも、高い。
勿論鈴仙とて、決定率だけで言えばストラットに負けない自信はあったし、
純粋な威力にしても、佳歩の渾身のシュート――『ラビットダイブ』は、あれに肉薄していると思った。
それでも、鈴仙はストラットが恐ろしかった。
彼の発する恐ろしいまでの気迫、そして『失点する』との覚悟を強いる、呪いめいた威圧感。
それが、彼女を――コリンチャンスを縛り付けていた。

鈴仙「(弱気になっちゃいけないのは分かってる。だけど、どうしても震えてしまう……。
     サンパウロには、あのストラット君と同格かもっとヤバい選手が沢山居ると思うと、勝てないとさえ思ってしまう!)」

近くを見ると、佳歩もまた鈴仙と同じく顔を青ざめさせ震えている。
恐らく、他の選手達も大なり小なりこうした恐怖を抱えているのだろう。
そんな様子に鈴仙が安堵する事は無い――何故なら、そんな消沈し切った士気を取り戻す事こそが、
鈴仙に課せられた難題であり、その難題に対する答えが全く見えないのだから。



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