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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】


[724]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/29(金) 02:01:04 ID:???

妖夢「私は勿論、この試合で満足などしていない。……私は、成果を挙げていない。
    だが、少なくとも負けなかった。惨めな思いをし続けたが、鈴仙。今のあなたほど、私は惨めじゃない」

そう話す彼女の横顔は複雑だった。しかし、ある程度の安堵を抱いている事は、鈴仙も読み取れた。

鈴仙「…………」

鈴仙は、何も話せなかった。本当は、色々と聞きたい事、言いたい事があったのに。
今はまだその時ではない。そう運命が示しているからか、
単純に敗北のショックが想像以上に大きく、何も思いつかないだけなのか。

妖夢「鈴仙。敗北は辛い。無力さを実感させられるのは辛い。私と同様、鈴仙もまた、感じた筈だ。
    キャプテンであり、エースストライカーでありながら、1点も決められず、チームを敗北に導いた、自分の無力さを」

鈴仙「……………」

鈴仙は、もう強がれなかった。これまでのように前向きな言葉を紡げずに、無言を続けてしまう。
そして――道を違えた友人は、鈴仙を置いて、更なる遠くを見据えながら、こう続けた。

妖夢「今日の試合も、これまでも。迷う事が沢山あった。だけど今日は、勝つ事が出来た。
    そして鈴仙。私と道を違えたあなたは――負けた。でも」

妖夢はここで一拍置いて、

妖夢「でも。もしかしたら、鈴仙も、もう負けないようになれるかもしれない。
    私と同じようになれば。――つまり、『ハイパーカンピオーネ』の一員となれさえすれば」

鈴仙「…………!」

鈴仙にそう告げた。


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