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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】


[740]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/12/30(土) 23:29:14 ID:???
鈴仙「…………」

鈴仙は決して、妖夢を追い詰める為にこう話している訳ではない。
それは、かつて道を違えた友人を慮りたいという純粋な想い。
妖夢が真剣に、鈴仙を『ハイパーカンピオーネ』へと勧誘したのと同じく、
鈴仙もまた、妖夢を強く想うからこそ、言葉を交わし、――更に、こう続けるのだった。

鈴仙「身近にあんたを慕ってくれる後輩君がいるのに手を払い除けて背を向けて。
    ――強さを追い求める前に、一度じっくり考えてみたら?」

鈴仙は、妖夢が本当に一人ではない事を奇しくも知っていた。
決勝前に出会った一人の少年――新田瞬との交流を通じて、
本当の妖夢らしさを。彼女の本当の強さと弱さを知る者が居るという事を。
だから、鈴仙は諭すようにそう付け加える。
……道は違えど、友人には健やかなる道を歩んでほしかったから。

妖夢「……………」

鈴仙「……………」

妖夢は、何も答えない。熱狂が。狂気が最高潮に達するスタジアムの中で、
二人はまるで、そこから切り離されたかのように静かに互いを見つめていた。



妖夢「――鈴仙。私は……」



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