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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】


[74]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/11/07(火) 23:38:19 ID:0q19D/7Y

鈴仙は豊富なスペースを利用した、左サイドアタックを考える。
ストラットという壁はあるものの、それを越えてしまえば、
鈴仙やパチュリーは広く攻勢に出る事ができ、結果として攻撃の幅が広がるだろう。
幸いにも鈴仙達には、その起点となるべき頼れる選手を知っている。
彼女の力があれば――更に言えば、彼女と鈴仙との連携技さえあれば、
コリンチャンスは充分に二度目のリードを狙う事は容易だ。
鈴仙は内心で彼女の――因幡てゐの名前を呼ぶ。

鈴仙「(次の攻撃の起点は……てゐよ。あいつのドリブルなら、ストラットは避けられる。
    あいつのパスがあれば、大空翼も怖くない。……よし)」

……そこまで考え、鈴仙は彼女に声を掛けようとして――


てゐ「……次は私かな、鈴仙」

鈴仙「――てゐ……!」

――言わずもがな、と言った様子でてゐが振り返って応じた。

鈴仙「良く分かったわね。私の考えてる事がわかるなんて、さとりさんに弟子入りでもしたのかしら?」

てゐ「それも面白そうだけど、別に。そんな事しなくても、鈴仙ったらずっと難しい顔で私を見てたからなァ。
    ――ま。期待されてんなら、やるっきゃないよね。それがワザ師の仕事ってヤツだしさ」

二人のやりとりは一見すると素っ気ない。
しかし知る者が見ると、二人の間には強固な絆があり、気の利いた言葉など不要である事が伺える。
長年の戦友にして悪友にして、親友。そんな呼び方が、二人には相応しかった。



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