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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】
[754]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2018/01/03(水) 23:38:35 ID:???
〜ドイツ・シュツットガルトスタジアム〜
中山「……何だって、鈴仙さんが銃撃を受け意識不明だと!?」
全日本代表メンバーに選ばれた後、協会の意向により、ドイツでサッカー修行を積んでいた中山もまた、
鈴仙が凶弾に倒れた事実を知っていた。――勿論、魔法等ではなく、リオカップ終了後の朝刊を見たためだ。
中山「リオカップは2−3でサンパウロが勝利。その後のウイニングラン中、コリンチャンスの鈴仙・優曇華院・イナバ選手が
目から血を流して倒れて救急搬送。幸い、命に別状はないが目の損傷が激しく、失明は免れず、選手生命は絶望的……」
国外の、しかも無名なサッカー選手の負傷事件故にドイツ国内での扱いはそう大きく無かったが、
その中身は充分にショッキングでかつ絶望的なものだった。
当然の事ながら、視力を失ったサッカー選手が再び現役に戻れる事は100%あり得ない。
一度失った視神経を再生させる技術など、今の医学界において存在しないからだ。
中山「(永琳さんのような名医が居れば……いや、それも難しいか。
今、幻想郷では豊聡耳神子が市長として政治を行っており、裏では八雲紫が手を引いていると聞いているが、
そのどちらもが、鈴仙さんに対立する存在だ。恐らくだが、永琳さんも助けを出そうにも、この二人を牽制する事が手一杯で、
そこまで手が行き届かないに違いない)」
加えて、そうした一般的な常識を超えた医師の存在も中山は知っていたが、
同時に、聡明な彼は、彼女の助けを借りる事は難しいという事実も、何となくではあるが推察出来ていた。
中山「(もはや、打つ手はないのか? 鈴仙さん……)」
中山は思い出す。自分や森崎と違って弱く、しかしひた向きな芯の強さと優しさを持つ少女の横顔を。
中山「(いや。大丈夫だ。鈴仙さんは……強い。そして彼女は、俺には無い、”何か”を持っている。
祈るんじゃあない。信じよう。鈴仙さん……まさか、そこで諦める気じゃあ、ないだろうな?
勿論、君は前に進み続ける筈だ。八方ふさがりの壁があっても、道を切り開くんだ……って、さ)」
これまでの鈴仙の強さと弱さを知る中山は、人知れず鈴仙を信じることにした。
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0ch BBS 2007-01-24