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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】


[767]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/05(金) 00:06:14 ID:???
鈴仙「……はい」

不思議に、恐怖や悲しみは感じなかった。未だ尚、あらゆる事に実感が持てていないからかもしれない。

コーチ「鈴仙。……君は視力を失った。少なくともここブラジルの、いや、この世界のあらゆる医学の粋を尽くしても、
     君が再び元の光を戻す事は……無い、だろう」

コーチの発言も、何となく予想出来ていた。しかし、それは自分自身に対して宣告された物ではないと、
さしたる重要な事象では無いのだと、鈴仙は何故かそう思っていた。
妖力を使っての気配察知を応用すれば、不便さこそあれども生活には困らないだとか、実用的な側面もあったが。
現実からの浮遊感。まるで夢であるかのような違和感。そんなものが、鈴仙を支配し続けていた為だった。

ガチャッ。

??「お邪魔するよ」

……そうなるのは、視力を失った事よりも重大で、かつ、差し迫った辛い現実があったからかもしれない。
そう無骨に、しかし底知れぬ気配を纏い部屋に入って来た女性の声は、鈴仙にその事を思い出させてくれた。

星「あ、貴女は……!」

??「ああ、寅丸……お前さんも、何とかここまでやって来れたんだね。しかし残念だ。
    あんたの努力や苦労は、このままじゃあ水の泡になっちまうかもしれない」

コーチ「……言っておくが、患者は今、絶対安静じゃぞ?」

??「言うねぇ。あたしがここに来るまでは、アトラスの見方すら忘れていた耄碌ジジイが、立派になったモンさ」

かくも竹を割ったような語り口をする鈴仙の知り合いは、そう多くない。
とりわけ、視力を失っている影響か、聴覚と記憶力が高まっている鈴仙は、自信を持って彼女の名を呼んだ。

鈴仙「あなたは……魅魔さん、ですね」


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0ch BBS 2007-01-24