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【道は】鈴仙奮闘記41【違えど】
[769]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2018/01/06(土) 15:24:00 ID:???
魅魔「ああ、そうさ。大変な事に巻き込まれたみたいだね、鈴仙」
……彼女の名は魅魔。『プロジェクト・カウンターハクレイ』の監督役にして、
鈴仙や仲間達を海外へと派遣した張本人でもある彼女は、中性的な低い声でそう答えた。
魅魔「『ハイパーカンピオーネ』は、勝利の為には何でもやる集団だ。
だけど、妖夢にせよ、鈴仙にせよ。あそこまで明け透けに、邪魔者を潰しにかかるとは思わなかった。
あのやり口は豊聡耳神子というよりは、邪仙の霍青娥っぽい。彼奴が勝手に手を回したのかもしれないな。
まあ……どっちみち、あたし達の立場じゃあ、推測する事しか出来ないんだが」
鈴仙が伏すベッドの脇にあるパイプ椅子をひったくると、彼女はどっかりと座り、一通り話した後、大きく溜息を吐く。
盲目の鈴仙にはその表情は見えないが、魅魔は大分参っているようだった。
そしてその原因は、鈴仙の負傷や『ハイパーカンピオーネ』の暗躍ではなく、もっと根本的な所にあった。
魅魔「……しかし、それにしてもだ。あたしらにとって最大の予想外は、あんた達の――コリンチャンスの敗北だよ」
鈴仙「……すみません。折角、期待して頂いたのに」
魅魔はやれやれと肩を竦め、夜の帳のようなローブから煙管を取り出し、指で弄んでいる。
魅魔「修行を始める前に言った通り。あんたに課せられたミッションは、コリンチャンスの立て直しと、リオカップの優勝だった。
前者については、あの無気力老人だったコーチが、こうもシャンとしている以上、まあ成功だと言える。
しかし後者についてはどうだい? あんた達の実力は、サンパウロと拮抗していた――一部ではサンパウロより優れていたし、
実際、前半戦はリードを得る事が出来ていた。しかし、後半になると、翼やストラットと言った一流の選手を前に太刀打ちできず、
チャンスを何度も何度も棒に振り、同点。そして逆転負けを喫した」
鈴仙には返す言葉も無い。自分達は全力でやって、しかし、それでも勝てなかった。その事実は何が起きても覆りようがない。
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0ch BBS 2007-01-24