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【希望は】鈴仙奮闘記42【魔界より】


[110]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 22:15:31 ID:???
どうやら彼女は率先して面倒な作業を引き受けていたらしい。
トモダチが欲しいがためのいじらしい行動に、鈴仙は何とも言えない感情を抱きつつも、周囲を眺める。
――視力は無いが。妖力を凝らして空間の広さを察知しようとする。

鈴仙「(……結構広いのね。でも、元はお寺だったから当たり前か)」

そんな鈴仙の察知能力は正確だったようで。

穣子「この位広かったら、みんなで暮らす事も出来るねぇ〜」

星「ええ。元々命蓮寺でした訳ですし。最悪何かあれば、ここで雨風を凌ぐ事は出来ますよ」

丁度同じ事を、穣子と星が話しているのが聞こえた。

コーチ「フォフォ……。となると。早速行ってしまうのかな、魔界に……寂しくなるのう」

鈴仙「コーチ……」

鈴仙の傍で老コーチが呟く。ブラジルに降り立って以来、迷惑もかけられたが、
この老コーチのお蔭で鈴仙もまた一回り強くなれたのは確かだ。

さとり「にとりさん達の話を聞くに、私達はよからぬ勢力に狙われているようですから。
    あまり長くブラジルにとどまって、ご迷惑をおかけする訳にはいきません」

お燐「……ま、死んだ時はいつでも言ってよ。死体なら、あたいが持ち去ってあげるしさ」

さとり「あんたはやめなさい、お燐」

近くでさとりが補足をしながら、お燐がいつも通りの冗談(と信じたい)をかましている。
コーチは少しだけ、何かを逡巡するような表情を見せ(髭だらけで分かりづらいが)――。
鈴仙にとって、意外に思える事を提案した。


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