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【希望は】鈴仙奮闘記42【魔界より】


[146]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/16(火) 23:44:33 ID:???

――そうして鈴仙とパチュリーが、今後の戦略について議論に花を咲かせている内に……。

アリスさん「はぁ、はぁ……。疲れたわ……。でも、無事に……魔界に着いたわよ……!!」

パチュリーの分も魔法的な調整作業を担ってくれていたアリスさんが、肩で息をしながら部屋に入って来る。
紫の魔女は「ご苦労様」と無感情にかつての友人を労いつつ。

パチュリー「……私、魔界って行った事無いのよね。本で見ただけで」

そう言い残して、一人そそくさと甲板へと向かっていった。……ひょっとしたら、地味に楽しみだったのかもしれない。

アリスさん「鈴仙も行きましょうよ。魔界の空気はエーテルに満ちている。人間にとっては害をなす瘴気だけど。
       私達のような人外の物にとっては、とっても有益な物質だもの。一緒にエーテルの風を浴びましょうよ!」

アリスさんは、残された鈴仙の手を引いて、甲板まで介助してくれる。
鈴仙はその気遣いに甘んじて、船の外。甲板に繋がるドアを開いて――。

ゴオオオオッ……!

鈴仙「――暖かい。でも、涼しい……!」

盲目による暗闇を蒼く照らすような、心地よい風を感じた。


〜魔界・法界上空〜


青い雲に赤い空。赤い海。……夕暮れ時の海の中に潜り込んだような絶景が、甲板の外一面に広がっていた。




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