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【希望は】鈴仙奮闘記42【魔界より】


[47]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/13(土) 01:56:05 ID:hwgZKHu+

……そして、翌日。エスパーニャが話した”社長杯”の決勝戦がやって来た。
エスタディオ・ネオアステカスタジアムには無数の観客がごったがえしており、
誰もが今日の試合を待ちわびていると分かる。

エスパーニャ「へへっ。これで勝ったらボーナス弾むだろうなァ」

星「(この大会は、かつてのメヒコ・ユースリーグに代わって創設された、
   国内の若手サッカー選手にとって大きな大会。鈴仙が挑んでいるリオカップと同じようなこの大会で勝てば。
   何はともあれ、私の目標は達成できるでしょう。でも……本当に、これで良いのでしょうか)」

陽気に観客からの声援に手を振り返すエスパーニャとは裏腹に、星は未だ迷いを断ち切れないでいた。
自分は確かに強くなった。そして、今日の戦いでの勝利はその証明となるだろう。
しかし、今の状況に甘んじ続けることは。溢れる富を享受し、その裏の病める者、貧する者を救わずにいる事は。
自分が考える『正義』とは、あまりにかけ離れているのではないか。

星「(もしも、聖がここに居たならば。この輝ける空中都市の影にいち早く気付き、
   その法力を以て、強引にでも全てを平らにしてしまっているでしょうね。
   ですが、命蓮寺の皆と。ナズーリンやにとりさんと離れて気付きました。
   私には……やはり、そこまでの勇気が無い。自分一人では、不安で声を出せない)」

白蓮にも負けぬ理想家でありながら、優柔不断さと不器用さを持ち合わせた星は結果として。
理想と現実との耐えがたい格差に気付きつつも、変える力が無いままに苦しみ続ける。
――力を得れば、何かが変わる。自分も白蓮のような、皆の希望となれる。
星はずっとそう思っていたし、実際に、過去には鈴仙との出会いやヒューガーとの戦いによって、
肝心な場面でシュートを撃てない弱さを克服する事が出来た。だが……まだまだ、自分は弱い。
星はメキシコで腕を磨きながらも、そうした自己嫌悪に駆られており。

彼女が自らの無力さにあえぐ事となる大きな原因は、この都市そのものにあった。


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0ch BBS 2007-01-24