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【希望は】鈴仙奮闘記42【魔界より】


[748]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/02/08(木) 00:56:02 ID:KYrSgkSw
ゴオオオオッ……!

佳歩のシュートが今、ゴールネットにつき刺さらんと猛進している。

にとり「………………」

にとりはもう動かない。何も反応しない。瞳孔反射すら起きていない。その代わり、彼女はただ立ち続けていた。
……命尽きた今も、ゴールキーパーとしての仕事を果たさなくてはならない。
一時期ヒューガーに入社していたにとりは、徹底した社内研修(研修なので賃金ゼロ)によりその事を叩きこまれていた。

にとり「……株式会社ヒューガー社訓。第30条の33の2第6項の2第1号の3のイ。
    『死んだ時は牛の如し。まだ健康な臓器を売り払って会社に寄付しよう』……!」

にとりはこれまでの走馬燈で、その教えを思い出していた。
そうだ。自分はまだ死んではいない。――いや、死んだとしても、まだ出来る事はある。
そう思い立った彼女は、たち所に身体を硬直させて――。

バシュッ……ガイイイイインッ!

にとり「…………」

佳歩「そ、そんな……弾かれた!?」

――鈍い金属音を立てながら、にとりはその身体をポストとしてボールを弾き返した。

ナズーリン「ば、バカな……まだ生きていたのか!?」

てゐ「いや、それは無い。完全に心臓が停止していた筈だ……! あいつは死んでいる!!」

アリスさん「じゃあ、一体なぜ……!? ハッ!? ま、まさか……そんな常軌を逸したセービングがあるなんて……!!」

コーチ「(……なるほど、な)」


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