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【SSです】幻想でない軽業師


[257]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:31:03 ID:???
そこまで言ってから、妖夢は「どう思う?」と、視線でシェスターに問いかけた。
シェスターはその意図に気づき、しばらく無言で腕を組み、唸っていたが……。

シェスター「ヨームがしたい道を選ぶのが1番。 1番だけど……」
妖夢「だけど?」
シェスター「……ヨームはここでするサッカーが楽しいって言ったよね?」
妖夢「? うん」
シェスター「……楽しくないサッカーっていうのも、知るべきかもしれない」

次に口を開いて出た言葉に、妖夢は思わずすぐ反応出来なかった。

妖夢「……楽しくないサッカー?」

そして、反応がようやく出来ても――それはただの鸚鵡返しとなってしまう。
だが、シェスターはそんな妖夢の反応にも真剣にコクリと頷き返した。

――無論、妖夢もサッカーをしていて楽しい以外の感情を抱いた事はある。何度もある。
例えばそれはドリブルやシュートが失敗をした時。
例えばそれは試合に負けてしまった時。
例えばそれは他の強者に居場所を奪われ、ベンチから試合を見つめるしかなかった時。

しかし、シェスターは妖夢がそんな気持ちを抱いた事があるのも知っている筈だ。
ならばきっと、楽しくないサッカーというのは、そういったものとはまた違うものなのだろう。
では、何故そんなものを『知るべき』だというのか。

シェスター「ヨームはパルパルズでのサッカーが楽しいって言ったよね?
      でも……外のサッカーは、楽しいだけじゃ出来ない」
妖夢「? 楽しいだけじゃ出来ない?」
シェスター「少なくとも、楽しむと強くなるを両立するのは難しい。 俺はそう思う」


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