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【SSです】幻想でない軽業師


[273]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/20(火) 23:18:53 ID:???
彼女も勿論、永遠亭の者たち――そして、生活自体が嫌いな訳ではない。
月の戦争が嫌で嫌で、思わず逃げ出した臆病兎。
そんな彼女を受け入れてくれた永遠亭に、感謝の気持ちはある。あるが――。
地上の人間は穢れているというエリート意識と、そんな地上で毎日あくせく働いている自分へのストレス。
それらはいかんともしがたい問題として、うどんげの心中に存在をしていた。

元々、彼女自身――サッカーについても弾幕ごっこについてもリアルガチの戦闘力でもそこまで低いものではない。
無論高い方ではないのだが、幻想郷全体の尺度で考えれば、まぁ、ギリ上位から数えた方が早いんじゃないかなというレベルである。
にも関わらず、彼女は自身が軽んじられていると感じていた。

部下のウサギは自分の言う事をまるで聞かないし(ウサギからの人望はてゐの方がある)、
里に薬売りに出かけてもあまり人は買ってくれないし(単純にうどんげの営業がド下手であるだけ)、
家事全般など雑事は全部丸投げされるし(輝夜は姫なのでしない。永琳も色々忙しい。てゐが手伝う筈もない)、
おまけにサッカーではそこそこの実力があるにも関わらず何故かいつも伏兵呼ばわりである。
名無しばかりのチームに行けば、自分だってエースになれる実力はある筈だ、とうどんげは自負していた。
――誰だって名無しばかりのチームに行けばエースになれるとは言ってはいけない。

なにはともあれ、彼女は現状に対して小さくない不満を抱いていたと言える。
しかし、これもサッカーが上達すれば――きっと事態も好転をする筈だと考えてもいた。


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0ch BBS 2007-01-24