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【SSです】幻想でない軽業師


[276]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/20(火) 23:23:19 ID:???
輝夜「いやいや……まあ、やる気は十分だったみたいだし平気でしょ……多分」

輝夜もまた、不安そうに溜息を吐いていた。
うどんげの事を腐そうとするてゐに対し諌めるような発言もするが、そんな彼女の口元も引きつっている。
言っている彼女自身も、完全に浮かれているうどんげに不安があるのだろう。

永琳「とはいえ、うどんげしか送るものがいないのも事実だし……こればかりは」

そして、うどんげが敬愛するお師匠様――永琳もまた、それはそれは盛大な溜息を吐く。
何のことはない。
うどんげは大きな期待をされて留学選手に選ばれた訳ではなかった。ただそれだけの話である。

永遠亭という組織は、決して大きな勢力ではない。
主要とされる人物は4名であり――まず、当主である輝夜はこの屋敷を離れる訳にはいかない。
その輝夜の従者でもある永琳もまた、離れられる筈もない。この時点で2名に絞られる。
うどんげかてゐの二択となった時、どちらが永遠亭に残らないと影響が大きいか。
うどんげにとって悲しい事に、てゐの方が永遠亭に与える影響が大きい。

先にも述べた通り、配下のウサギたちが言う事を聞くのは、てゐの命令のお蔭である。
普段うどんげがやっている家事雑事なども、ぶっちゃけ誰でも出来る事だ。
てゐがその分を請け負っても――てゐの負担は大きいが問題無い。
つまりはうどんげが今やっている事はてゐにも大体出来る事だが、
てゐが今やっている事はうどんげにはとても出来ない事なのである。

よって、留学に行かせるのはもううどんげしか選択肢が無い状態であったのだ。

とはいえ、それを正直に言った所でうどんげがショックを受けるだけ。
だからこそ、こうして4人揃って会議のような形で言い渡したのである。
……正直な所を言えば、少し考えればうどんげ自身でも自分の立ち位置というものに気づき、
選ばれた理由にも察しがつくかもしれないが――残念ながら彼女は完全に有頂天となっていた為、気づく事が無かったという。


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0ch BBS 2007-01-24