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【SSです】幻想でない軽業師


[278]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/20(火) 23:26:02 ID:???
輝夜「これが駄目だったらいよいようちも終わりよねー」
てゐ「他の勢力はどんどんメンバー吸収してるからね。
   うちなんか酒商店の奴らとか人里の連中くらいしかそういうのいなさそうだけど」
輝夜「あーあ……昔のサッカー界だったら、永琳1人でも大会で優勝とか出来たのにねぇ」

幻想郷Jrユースとして戦ったうどんげとてゐは、ろくすっぽ試合にも出れぬその他大勢要員。
アルゼンチンJrユースに参加をした永琳は、その幻想郷と対戦しまさかの大敗。
そして、幻想郷に帰ってきてみればその永琳しかほぼ見るべき選手がいない――。
現在の世情を考えれば時代錯誤とも言える典型的なワンマンチームである。

既にその名は失墜し、更には這い上がる事も困難。
辛うじて強豪と呼ばれるだけの知名度はあるものの、それだけである。

だからこそ、彼女たちはこの留学の話に乗らざるを得なかった。
そして彼女たちは信じるしかない。
うどんげがしっかりと成長をして、この永遠亭に帰ってくる事を。

永琳「(うどんげにはポテンシャルがある……切っ掛けさえあれば、それが発揮されれば……。
    必ず、どのチームにも引っ張りだこになるだろう程のものが。
    ……問題は、彼女がそのポテンシャルについてまるで気づいていなさそうな事だけれど)」

小さく溜息を吐き、小窓から見える満月を見上げる永琳。
それに気付けた時、あの情けなく鈍くさくその癖プライドだけは一人前で割と打たれ弱いバカ弟子は、
きっとサッカーの実力面だけでなく精神的な面でも大きく成長をする事が出来るのだろう。

師匠の心配をよそに、有頂天になり――人生のライン際で飛んで跳ねる幸せ兎。
跳ねて跳ねて飛び跳ねて、その手が月に届くのか。
それとも転んでラインの外に飛び出してしまうのか。

それもまた誰にもわからない。


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0ch BBS 2007-01-24