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【SSです】幻想でない軽業師
[294]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To
:2018/02/24(土) 00:11:23 ID:???
おくう「(さとり様が留学に行ってくれたら、今よりもっと強くなってくれる!
そして今度こそ、あの意地悪な人間を倒すんだ!!)」
さとり「………………」
心を読む覚り妖怪――古明地さとりには、おくうの心が透けて見える。
今、おくうの中にあるのは、純粋にさとりがこの留学に行き、
意地悪な人間――反町を今度こそシャットアウトするのだという確信。
そんなおくうの心から……しかし、目を逸らすようにしてさとりは矛先を変える。
さとり「お燐はどう?」
お燐「にゃっ……あ、あたいですか?」
火焔猫燐……彼女は幻想郷Jrユースに一時期選出されながらも、合宿でリタイアするという憂き目にあっていた。
ドリブルを得意とし、そのネコ科特有の俊足としなやかさを持った技術は高いレベルではあったのだが、
しかし、如何せん幻想郷Jrユースには彼女以外にも大勢のドリブラーがいた事が運のつきだった。
召集される以前の大会で負傷をしたパルスィが、驚異の回復力で実力を合宿中に取り戻した事も不運である。
結果的に、役割の被る選手が大勢いたが為に彼女は主人や友人が外の世界で戦う中、
寂しくこの地霊殿で帰りを待っていたのだった。
それだけに、今以上の力を手に入れたいという欲求はおくう以上のものであろう。
さとりの問いかけに対して、しかしお燐は困ったように俯く。
お燐「(あたいだって行きたいのは山々さ……でも、一番はさとり様に行ってもらいたいんだ。
でも……)」
さとり「………………」
彼女もまた、さとりに留学に行ってもらいたいと願う1人であった。
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0ch BBS 2007-01-24