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【SSです】幻想でない軽業師
[321]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To
:2018/02/27(火) 23:56:27 ID:???
今はまだ自宅に話を持ち帰ってじっくり考えてくれと言われただけであるが、
しばらくすれば嫌でも留学に向かう選手として、正式に決定してしまうだろう。
社会において考えておいてくれという言葉は、放っておけば了承を示したものと受け止められてしまうのである。
文「(誰か他に適当な、サッカーが出来る者……妖怪の山にいて、それでいてフリーで……。
って、そんな珍しい選手はもう大体いないか。
今や大体の選手は所属するチーム自体が決まっているし、それこそ最近出てきた新参選手くらいしか……っ!?)」
と、そこまで考えていた文は――ふと机の上に散らばっていた新聞に目をやり、思考を停止させる。
思わずそれを引っ掴み、あまり乗り気ではないもののパラパラと捲っていく。
自分が執筆をした新聞――文々。新聞とは違うそれは、文が他の記者がどのような記事を書くかの研究用に入手したものである。
『文から見れば』稚拙で面白味も無く、そもそも事実無根の妄想ばかりが書き連ねられたような記事ばかり。
おまけに記事の内容自体が、今更フランス国際Jrユース大会の結果や経緯などが書かれたものだった。
あれから既に数週間は経過している。
スピードが命であると考え、その通りに帰郷後即座に新聞を発行をした文からしてみれば、
あまりにも遅すぎるその発刊速度。更には実際に大会に参加をした文に比較をし、外から見ていただけのそれは酷く抽象的だ。
以前、実際にこの感想を記者に素直に文は告げ――その記者は酷く立腹していたのだが。
文「(ただ、それと同時にやっぱり実体験するしかないのかと凹んでたし。
……サッカーの腕も、最近始めたばかりにしちゃ悪くない)」
一手遅れているその記者は、やはりサッカーも最近始めたばかりの新参であった。
当然ながら文には到底敵わない程度の実力しか持たず、おまけに性格にも難があってどのチームにも所属はしていない。
だが、それでも文が知る限りでは留学に行かせられるだけの実力者でフリーの人材というのはその『彼女』くらいしかいない。
文「(駄目で元々だしね。 割と世間知らずだし、上手く話を運べば乗ってくれるでしょう)」
名案と思しきものがが思い付くと、すぐさま行動に移るのが射命丸文という少女である。こういう面でも彼女はスピーディだった。
彼女は立ち上がるとお供の鴉を呼び出し、我が家を出てその記者の住まうねぐらへと向かう。
家を出た際、閉じたドアの風圧でペラペラと捲れていく新聞――その紙面には、『花果子念報』と記されてあった。
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0ch BBS 2007-01-24