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【SSです】幻想でない軽業師


[362]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/07(水) 00:40:14 ID:???
ただ、そのお燐の答えも予想をしていたのか……勇儀は盃をクイと傾け一口呷り、
酒気を帯びた息を吐きながらも笑みを浮かべて解決策を述べた。

勇儀「問題ない。 あんたの代役についちゃ妖怪の山の天狗どもにお願いするつもりだからね」
お燐「は……はァ!?」

星熊勇儀は、かつて妖怪の山でぶいぶい言わせていた鬼でもある。
今ではこの地底に住まい、隠遁生活をしているようなものだが、今でもその威光は妖怪の山で通用し、
そこに働きかけて追加の人材を呼び寄越すくらいは簡単なものだ。
特に、この解決策は妖怪の山の天狗に頼む――という点が秀逸であった。
妖怪の山の社会組織は、地霊殿のそれよりもよっぽど人間社会のそれに近い管理体制である。
そこで働いている天狗がお燐の代理を務めるのならば、不慣れであろうともすぐ慣れる事が出来るだろう。

しかし、お燐が驚き声を上げたのはそんな事が理由ではない。

お燐「妖怪の山って……勇儀の姐さん、あんた……そんな性格だっけ?」

かつて、と言ったように……勇儀が妖怪の山にいたのは遠い昔の話である。
元山の四天王として名を馳せていた彼女は、しかし今は旧地獄街道で毎日酒盛りをしているただ一介の鬼。
良く言えば単純で豪快、悪く言えば短気で粗野で融通が利かない性格の彼女。
元来権力や過去の栄光というものを振りかざし、昔の部下に無理難題を突き付けるような性格ではない。
というよりも、むしろそういった権力をかざして命令する者を毛嫌いするようなタイプである。

そんな勇儀が何故そこまでするのか、とお燐が疑問を持つのは当然であり。
それに対して勇儀はどこか苦々しくしながらも返答する。

勇儀「……まぁ、私もあんまりこういった手は使いたかぁなかったんだがね。
   ただ……地霊殿にゃあ借りもある」
お燐「借り?」
勇儀「ああ。 より正確に言えば……お宅のご令嬢にゃあ、大層失礼をこいたからね」


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0ch BBS 2007-01-24