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【SSです】幻想でない軽業師


[424]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/22(木) 01:05:07 ID:???
キュッ! タンタンッ!! ズダダッ!!

マンチーニ「うっ!?」
お燐「悪いけどあたいのドリブルはそう簡単には止められないよっ!」

踊るようなステップを踏みながら、小刻みにボールを扱い翻弄するお燐。
縦、横、斜め、あらゆる方向へとフェイントを駆使しながらドリブルをするお燐を前に、
マンチーニの足は空を切ってしまう。
その"ランダム"に繰り出したフェイントでお燐はマンチーニをかわしてしまうと、
既に邪魔者はいなくなったとばかりに更に快速を飛ばしてサイドを完全に抉り切った。

佐野「(俺もあれくらいのフェイントが出来ない訳じゃねーけど……あそこからの急加速は無理だな。
    っと、ともかくチャンスだ!)よし、お燐ここは……」
ブルノ「DF、逆サイドだ! あの俊足の新入りに気を付けろ! 奴に上げてくるぞ!!」
佐野「んん?」

お燐の突破に感心していた佐野は彼女にフィニッシュの指示を出そうとし……しかし、その耳に聞こえてきた敵GK――。
ブルノの指示を聞いて首を捻る。
彼の指示を受けてDF達は素直にはたてへのパスコース、
及びボールを受け取ってもすぐに奪いに行けるようにマークにつくのだが、佐野としてはそもそも彼女に合わせる意図は無い。
はたてに決定力が恐らくないであろう事は、パスですらへろへろでまるでキック力が無い事からもわかりきっている事だからである。

佐野「(……そういやこいつ、さっきの時もはたてにプレスかけるように指示出してたな。結果的にDFはあっさり振り切られてたし……。
    ……いやまぁ、あいつの実力を知らなかったから仕方ないっちゃ仕方ないし、
    その後結局はパスが失敗してカウンターになったとはいえ)」

しかし、はたてからボールを奪おうとした――というのは、やはり誤った判断だったと言えるだろう。
マンチーニが好判断からはたてのパスコースを遮断していなければ、
佐野のシュートチャンスが来ていたのは明白である。


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0ch BBS 2007-01-24