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【SSです】幻想でない軽業師


[426]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/03/22(木) 01:07:35 ID:???
佐野「(あれ? あのブルノって奴どこいった?)」

そう、GKであるブルノの姿が見えなかった。
先ほどまではセービングの構えを見せていた彼の姿が佐野の視界からは消え去っていたのである。
これは一体どうしたことかと逆さまの世界の中で佐野は一瞬混乱をしたのだが……。

ブルノ「ふう、ふう……ちょっと待ってくれ。 今上るから」
佐野「なっ……何やってんだアイツー!?」

彼の声が聞こえそちらへと視線を向けた瞬間、思わず佐野は叫んでいた。
ブルノは考えた。彼は常に真剣であり、例えレクリエーションといえど負けるつもりは毛頭ない。
むしろ新入りである佐野達に自分たちレッチェの実力というものを見せつけてやろうと、
カルネバーレ同様並々ならぬ覚悟でこの試合には臨んでいた。
そんな彼は佐野のローリングオーバーヘッドを見た瞬間、考え、動いた。
高い所から放たれるオーバーヘッドキック――佐野のジャンプ力と上背からしてみればそこまで高所という訳ではないが、
それでも通常のヘディングなどに比較をすればかなりの高度である。

角度をつけて放たれたオーバーヘッドを止めるのは至難の業。
ならばと彼は発想の逆転をし、自分もまた佐野と同じだけの高度を手に入れればいいのだと考えた。
ではどうやって同じ高度を手に入れるか。普通にジャンプをしただけでは到底届かないし、
そもそも今からでは飛び出しても佐野との距離を考えれば到底競り合いには向かえない。
そこでブルノは思いついた。

ブルノ「(ゴールバーに乗れば同じ高さ……いや! 俺の方が高くなる!! これはいける!!)」

正しくそれは天啓であり。悪魔的発想であり。逆転の閃きであった。
思いついたが即座に行動をしたブルノは、一気にゴールポストに駆け寄ると登り棒の要領で登ろうとする。

ブルノ「ふう、ふう……(しかしこれ辛いな。ポスト足引っかけるトコ無いから登りにくいぞ)」


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0ch BBS 2007-01-24