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【倒れるまで】鈴仙奮闘記43【戦え】


[239]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/03/04(日) 21:55:35 ID:gtk6V0Ak
★法界おせち横丁→ クラブ6 ★
クラブ→魔界クラーケンの酢漬けの屋台

アリス「あ。ここ、ここ。ここに一辺、行ってみたかったのよ」

アリスが指差した店は……お世辞にも、衛生的とは言えない屋台だった。
というか、アリスの案内が無ければたぶん、見落としていた。
美しい白亜の街並みも、裏通りに入ればどうしても煤けた印象は否めないのだが、
この屋台はその中でも取り分け煤けた様子であり、看板も何も掲げておらず、
窓口ににゅっと顔を出している、高齢の魔界人男性がむっつりとした顔でこっちを眺めているだけだった。

鈴仙「だ、大丈夫なのよね……この店」

つかさ「パンフレットにも載ってないんですけど……どうやって知ったんですの……?」

アリス「現地の人にとっては、知る人ぞ知る珍味を出す少ない店として知られているのよ。
    魔界の海にはクラーケンは出るけれど、多くの魔界人は、好き好んで食べたりしないからね」

よく見ると、屋台の手前には酢や酒の匂いがする樽と一緒に、
ピクピクと動く蛸の触手のようなものが陳列されている。……恐らく、これらが材料なのだろう。
確かに新鮮かもしれないが、グロテスクな外見をこうも見せつけられると、逆に食欲が減退するような。
鈴仙はあわよくば、隣にあった美味しい栗きんとん屋に入ってみる事を提案しかけるが――。


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0ch BBS 2007-01-24