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【倒れるまで】鈴仙奮闘記43【戦え】


[262]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/03/05(月) 23:41:05 ID:tZ7lj6dk
佳歩「これまでの街並みも真っ白な石と、緑の植物が調和しててキレイでしたけど、
    この辺りはもっともっとキレイですね……!」

――一行は、おとぎの国に迷い込んだ。
石畳の街道はそのままに、しかし周囲の風景がまた更に一風変わっている。
これまでの白亜の街並みもまた、よそ者である鈴仙にとっては珍しく美しいものだったが、
ここの景色はそれ以上だった。

アリス「この辺は、500年前の建築様式が主流みたいね。白石だけじゃなくて、
     橙や緑、青や赤のカラーストーンが壁に組み込まれているの。
     まるで積み木細工みたいで、素敵じゃない?」

夕暮れのような緋色の空に、パステル調の背の低い家々が整然と並んでいる。
その通りには如何にも長い歴史を感じさせる看板を下げた酒場や宝石屋、
服屋になんと武器屋まで揃っており、文字通り異世界ファンタジーの世界に入って来たような錯覚を覚えた。

鈴仙「(反町くん辺りに言わせれば、幻想郷の時点で充分異世界ファンタジーなんだろうけど。
     実際にその世界に住んでる私ら的には、こんくらい景色が違わないと、異世界感が出ないのよねぇ……)」

つかさ「紅魔館の御屋敷も凄いですけれど。この辺りの景色はそれをもっと不思議にして、
     バーっと地平線まで広げたみたいです。……あのオブジェとか、時計塔とか。
     ものすごく精緻に紋様が彫られています。花と月でしょうか」

鈴仙「あ。えっと……このマークは、当時この大陸を治めていた王国の紋章らしいわね。
    法界の聖なる力を利用して、慎ましくも美しい国を築いていたそうよ」

アリス「今は王国は無いけれど、この地方都市を統治する議会には、その末裔も何人か居るらしいわ。
     ……さて。このエリアにもお店や観光名所は一杯ある。
     ぐずぐずしてると、時間が足りなくなっちゃうわよ?」

そう言っているアリスもまた、内心では周囲を駆けまわり歩き回りたい様子が見え見えだった。
そしてそれは、鈴仙達も全く同じである。


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0ch BBS 2007-01-24