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【倒れるまで】鈴仙奮闘記43【戦え】


[291]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/03/11(日) 21:50:52 ID:3BZe2B9w
つかさ「――だって、私は。何も、守れていないから。私は、弱いから……」

今日一日の行動を通して、つかさはこれまで以上に鈴仙に心を開いてくれていた。
そんな彼女が漏らした言葉。それは間違いなく、彼女の本音に違いなかった。

つかさ「私はアルゼンチンで、Dちゃんに会って戦いました」

その話自体は聞いていた。鈴仙がブラジルで修行を積んでいる間、つかさは佳歩やてゐと共にアルゼンチンで修練を積み。
そこで、つかさが妹同然に可愛がっていたウサギDと再開。月の重鎮である稀神サグメの策謀の下、大きく実力を伸ばしていた事を。

つかさ「Dちゃんは私が居なくても、とても強くなっていました。
     私が守らなくても、あの子は、一人で強くなる力を持っていた……」

しかしそれは、つかさにとって喜ばしい事であると同時に、疑問を投げかけていた。
『果たして自分は、ウサギDを守れていたのか? 守ろうとする意味はあったのか?』と。
つかさの独白は続く。

つかさ「それだけじゃありません。そこからの、サンパウロ戦でもそうでした。
     私は途中まで試合に出れず、そして、穣子さんに代わって試合に出ても、シュートを何一つ、防げませんでした。
     私と同じタイプのブロッカーであるフラメンゴのチルノや、サンパウロの石崎了は、
     そのガッツを燃やし尽くして、試合に貢献していたのに……!」

鈴仙「つかさ……」

鈴仙はつかさ異常なまでの自傷行為の理由の一部を理解した。
そう。彼女は焦っていたのだ。守るべき対象は自らに寄らず自立して、
新たな守るべきチームには貢献できていない。取り分け、周囲のライバルとも比べると尚更だ。

鈴仙「(……思えば私は、まだまだ子供な佳歩とかと違って大人だからと、つかさの面倒を余り見てなかったのよね。
     だけど。ホントはもっと色々と、つかさの事を気にしてあげるべきだったのかもしれない。
     ……でも。それは今からでも遅くない筈。私が、つかさに出来る事と言えば……)」


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0ch BBS 2007-01-24