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【倒れるまで】鈴仙奮闘記43【戦え】


[451]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/03/25(日) 23:11:16 ID:kPTPIhvQ
にとり「ここ、ここ」

一見すると古びた、しかしちょっとした蔵くらいの大きさはある納戸に辿り着いた。
にとりがガラリと引き戸を開けると、油や塗料のにおいが鼻をつく。
彼女は勝手知ったる雰囲気で納戸に入り、照明スイッチらしき物を押したところ。

鈴仙「……ガラクタだらけね。掃除したら?」

にとり「開口一番の感想がそれ!? もっと科学への高揚感とか醸し出そうよっ!?」

……そこには納戸に本来あるべきであろう荷物は隅に追いやられ、
代わりに無数のねじ、ボルト、モーター、エンジン……機械類が散乱していた。

ナズーリン「妖術を使えば、機械など不要だろうに。河童の嗜好は良く分からないね」

にとり「あーいやだねー! そーいう合理論で片づけるヤツ! いいかい! 機械はさ……えっと、カッコ良いんだよ!
    魔法とか妖術とか法力とか、そんなんは時代遅れ! 我々河童はメカで世界を支配するのさ!」

にとりの主張の是非はおいといて、確かに納戸もといラボは興味深いと言えば興味深かった。
幻想郷ではおよそ関わり合いがなく、魔法が発達した魔界でも同様で、
外の世界では良く見かけたような機械――を、模倣したような物品が無数に転がっている。
もしもこれがにとりの独力で再現し作ったのであれば、彼女の技術力はどうして侮れない。

にとり「んっふっふ〜。さーぁどうかな我がラボメンよ! そろそろ科学の万能性に気付いたのではないかなァ?」

ナズーリン「どうやら、ここに入った時点で私達は勝手にラボメンバー扱いされざるを得ないようだな……」

ナズーリンは観念した様子で、しかし彼女もまた無縁塚に居を構えて良く宝さがしをしているからか、
中の機械類には全く食指が湧かない、という訳ではなさそうだった。
そしてそれは、月の科学を知る鈴仙も同様であったため。


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0ch BBS 2007-01-24