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【倒れるまで】鈴仙奮闘記43【戦え】


[469]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/04/01(日) 01:55:28 ID:1S6s2eaQ

その質問に対して、つかさは、……すぐに答えが出なかった。
自分は一体何故、何のために。ここまで身を削り続けるのか。
子どもらしい感情を解き放たず、淑女然とした立ち振る舞いに徹しようとしているのか。

つかさ「――私、は。私の事を姉のように慕ってくれた、Dちゃんの為に……」

そこで気付く。自分がこれまで後回しにして来た宿題の大きさに。
自分のこれまでの努力の全てが、その宿題から逃げる為の、怠惰な自己満足に過ぎなかったという事に。

つかさ「……ルナティックスに居た頃は単純でした。簡単でした。
     私は、自分の大好きな物を守る為だけに戦えば良かった。傍には、守るべき子が……Dちゃんが、居てくれた。
     でも、今は――分からなくなっていました。強くなりたいという思いは、一緒です。
     目指すべき目標、競うべきライバルもいます。……でも、強くなってから、どうするかを考えていなかった」

てゐ「そこまで分かれば、まずは上出来だね」

憑き物が取れたような表情のつかさをみやり、てゐは……次に、サッカーボールを取り出した。
赤と青、二つの月の光に照らされて、柔らかい藤色に光るボールが暗い地面に転がる。

てゐ「……自分を虐めたって、守るべき物はあんたの許にはやって来ない。
    だからさ。とりあえず――お姉ちゃんと一緒に、練習してみよっさ?」

外見通りの、悪戯好きの子どもっぽい満面の笑みで。
つかさよりも数千年、数万年の永くを生きた”姉”が、そう手を差し伸べてくれていた。
つかさは、大きな眸に涙を浮かべ。

つかさ「――うん。その……お、お姉ちゃん」

本当の彼女の年齢に相応しく、そう答えて――てゐの手を握り取った。



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