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【倒れるまで】鈴仙奮闘記43【戦え】


[584]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/04/16(月) 00:44:03 ID:+bk24tF2
パチュリー「鈴仙。明日は何があろうと、自由に戦いなさい。私達は貴女に期待はするし、実力を高く評価はしているけれど。
       その事と、貴女に無理を強いる事とは別として考えたいからね……」

鈴仙「――ど、どうしたんですかマスターまで。私、そんなに緊張してます?
    た、確かに勝つか負けるか分からない中で宅飲みの企画を練ったりしてて、
    負けたらどうしようかなぁ、とか考えてましたけど」

その時のパチュリーのぶっきらぼうな言葉に、幾許かの気配りが滲んでいた事に気づき、鈴仙は驚いてそう返す。

パチュリー「……その様子だと気付いてないようだから、言うけれど。
       本来のあんたは、ここで皆とサッカーできるような状況には無いのよ。
       あんたは能力の拠り所である”瞳”を失い、同時に視力も失った。
       今こうして、一見普通に暮らせているのも、妖力を超音波のように飛ばして、
       おおよその風景や障害物を察知しているだけ。生来目を持たない蝙蝠みたいにね」

鈴仙「……………」

パチュリー「その努力は正直、驚嘆せざるを得ないわ。いくらあんたが妖で、
        元々波長を利用した気配察知や気配操作に優れているとはいえ、
        たった数日の訓練で、視力の代替を行えるようになるまでに至るのは困難の筈だもの」

パチュリーの囁くような声の他には、先に寝入ってしまったルームメイトのアリスの寝息しか聞こえない。
鈴仙が黙っている中。……パチュリーは、静かに警鐘を鳴らす。

パチュリー「鈴仙。……今の貴女は、強い。だけど……だからこそ、危うい。
       でも何よりも恐ろしいのは、誰もが、貴女自身さえも、その危うさに気付いていない事」

鈴仙「パチュリーさん。だから、気にし過ぎですってば。
    私はそんなに無理してないし、どーしても辛い時は皆と相談して……」

パチュリー「鈴仙」


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0ch BBS 2007-01-24