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【倒れるまで】鈴仙奮闘記43【戦え】
[793]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2018/04/30(月) 01:48:35 ID:aova2yG+
ロブソン「(なんという精度。そしてスピードだ……! とても視力にハンデのある者が放ったシュートとは思えん!)」
――やがて、シュートはロブソンの胸元まで迫っていた。
胸に風穴を空ける為ではない。その胸元をごく至近距離で潜り抜け躱して、
ゴールネットへと滑りこませる為のシュート。それを、ロブソンは防がなくてはならない。
ロブソン「αδαμ……!!」
ロブソンは三度詠唱し、全身の強度を神話級へと引き上げんとする。
しかし――詠唱の前に、ロブソンの肉体が限界に達した。
ロブソン「グォ、ォオオオオォォ……!」
神話の力を人間が引き出そうとなると、相応の代償が発生するのは至極当然の摂理である。
タルタロスを模した地獄の瘴気に苛まれ、ロブソンの肉体は朽ちて砕けようとしていた。
ロブソン「ま、まだだ。まだ、俺は……死なぬ……!」
――とはいえ、その肉体は瞬時に再生し、十代の少年らしい、若く瑞々しいものに戻る。
超越者特権。神話を根拠とする一度切りの転生を認められた”ゴッドハンド”クラスの能力が発動し、
尽きかけた彼の体力は再び最大値へと戻る。そしてそれだけでなく、
ロブソン「――ガァァァァァァァァアァァァッ!」
ガシッ!
巨体を力強く動かし、シュートの軌道に喰らい付いた。肉体の崩壊と再生が同時に行われる中、
ロブソンはシュートを防がんと、その身体をボールに差し出そうとしていた。
体内で鉄が溶けるような熱さを感じながら、しかし彼はその痛みを厭わない。
『パワーブロック』。数多く存在するブロック技の中でもごく基礎的ではあるが、
ロブソンはその地獄の痛みの中で発動してみせたのだ。しかし――それでも、鈴仙には及ばない。
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0ch BBS 2007-01-24