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【神話に】鈴仙奮闘記44【挑むもの】


[31]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/05/01(火) 23:54:40 ID:???
ビュンッ! ――ズバァァァァッ!

反町が気付いた時にはもう遅い。第二の刃撃が彼の首を切り落とそうとしていた。
その刃は反則武器ではない。――サッカーボールだ。

リチャード「サッカーボールは球形だが、強い衝撃を与えると当然形は歪む。
       だったら、後は単純な理屈だ。歪むのならば、殺人に適した形に歪めてしまえば良い」

リチャードはその脚力でサッカーボールを変形させ、刃渡り30センチ程のナイフのような形状へと変えていた。
そしてそのナイフ越しに足を振り落とし、反町の首を切断しようとする。
これが単なるリチャードの足技によるものであれば、当然彼はレッドカードで一発退場だ。
しかし、サッカーのルール上、ボール越しの行為は反則とは呼べない。
――ならば、ボールをナイフへと変形させて、その上で”ボール越し”に人を殺してしまっても、反則とならない。
彼はサッカーのルールの穴を的確に突く事で、荒唐無稽な殺人サッカーを現実に成立させてきた。

反町「(こ、殺される……!?)」

反町は必殺のタックル――『ネオポイゾナスタックル』を放棄して、残された両腕で首を庇う。
当然、その程度の防御など焼け石に水である。これは反町一樹という生命の本能だった。

静葉「――危ないッ!」

―――キンッ! ガキンッ!

リチャード「……チッ! 殺すのはお預けかッ!」


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