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【神話に】鈴仙奮闘記44【挑むもの】
[361]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2018/09/08(土) 15:25:46 ID:tqpzT/YE
〜イタリア・山奥の塔〜
霊峰モンテ・ローザの中腹に位置する古びた館。
その中央には高さ829メートルもの超高層の尖塔が建てられている。
今や歴史にすら残されていない、古代人によるロストテクノロジーの産物であるその塔の頂上で、
秘神降臨の儀式を終えた豊聡耳神子は唇を歪めた。
神子「(これが。後戸の神であり、障碍の神であり、能楽の神であり、宿神であり、星神であり。
……八雲紫の盟友として、幻想郷を創りし賢者の秘儀)」
神子は身体に力を籠め、自らの肉体を改めて確認する。
外見は変わっていないが、その中身はこれまでの自分と比べても明らかに異なる。
全知全能に近いまでの叡智。天空に輝ける星々からの加護。そしてその全てを意のままに制御できる力。
青娥「なるほど。これがマタラの御力というものなのですね。
只でさえ賢者に匹敵する力と才能を持った太子様でしたが。
今はもはやそれをも超えて――唯一神にも等しき偉大さと畏れを感じさせますわ」
神子「世辞は要らぬ。……ただでさえ、この圧倒的な力を前に、震えているのだから」
普段では決して見せない弱気な言葉を従者に投げかけながら、神子はふう、と儀式場から離れた場所にある椅子に座る。
神子「聖徳太子時代の我が配下であった秦河勝。国を乱す新興宗教の一団を単騎で制圧した時に、奴に宿させた力だ。
元々、当てはあったとはいえ――これは手間がかかる。敵に勘付かれぬよう振る舞う必要があったが……。
結果として、上手く行ったと言えようか」
彼女はそう独り言ちる。
幻想郷の動乱に乗じて、人間を中心とした社会を築き上げる為の一連の計画は概ね順調に進んでいる。
旧体制の支配者である八雲紫は『プロジェクト・カウンターハクレイ』潰しに躍起となっており、
むしろ人里の人間の不満封じとして、神子による統治を追認している体たらく。
また、『プロジェクト・カウンターハクレイ』側も未だ一枚岩では無いようで、紫率いる全幻想郷選抜代表を抑えうる勢力にはなっていない。
そんな中で、『ハイパーカンピオーネ』――神子を中心とした幻想郷乗っ取り計画は、ほぼ放置されてきた。
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0ch BBS 2007-01-24