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【サッカーも】キャプテン岬3【ゲームも好き】
[198]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI
:2019/11/18(月) 22:12:52 ID:vgotj2u+
シュートに向かう脚の軌道をとっさにかえ、ボール越しに芝をかすめるようにシュートを放つ。
ギャロス「(このスピードなら間に合う!バウンドしたところを!)」
岬「(ここで!)」
視線がボール上を交差する。このままの軌道では通常、ボールが地面に衝突し、反発してゴールに飛んでいくはずだ。
岬「(キャッチさせるか、ボールよ、跳べ!)」
ボールが地に着く。そして勢い良く右に跳ねた。
ギャロス「なにィ!」
岬「(右だ!)」
省16
[199]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI
:2019/11/18(月) 22:14:33 ID:vgotj2u+
丸山『き、決まったー!!2点、2点目だあーっ!
叩きつけたボールをバウンドさせてのシュートというトリッキーなプレイ!凄いぞ岬君!
そして日本、フランスに逆転成功!残り時間が差し迫ってきてくれている現在、
日本人学校にようやく、勝利の女神が舞い降りようとしていると言っていいでしょう!』
中江「勝つ!?」黒田「俺達が!?」永井「20連敗していた俺達が!」西園寺「夢じゃないぞ!」
金子「嘘でもない、本当だ!」藤田「岬がいれば勝てない敵はいねえ!」
省32
[200]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI
:2019/11/18(月) 22:16:12 ID:vgotj2u+
そう品定めをして、倒れたまま呆然としている相手の元に近づき、膝をついて話しかけた。
岬「大丈夫ですか?」
手を差し伸べる。起き上がる時に掴みあげての手伝いを申し出てみた。その途端。
ギャロス「この……ヤロウ!」
憎々しげにギロリと目玉をこっちに向けながら、助けを借りず膝に自身の手を押し当てて起き上がった。
ギャロス「そのクサった笑顔をどかせ!
『よく頑張ったけど、ボクには勝てなくて残念だったね』と言いたげなツラぶらさげやがって!」
省23
[201]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI
:2019/11/18(月) 22:17:39 ID:vgotj2u+
無念、いや怨念を叩きつけるような叫び。
ギャロス「覚えとけ!今は、今は無理だが必ず!お前をフィールド上でねじ伏せてやるッ!!」
岬「(……それにしても、どうかしている)」
相手の咆哮を耳にしながら、僕の意識は自分が取った選択へと飛んでいた。
岬「(誰からも恨まれる事なく皆に好人物として好かれる事が一番最善のはずなのに)」
何となくだが、こうなって欲しいというものを感じたような気がする。
省22
[202]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI
:2019/11/24(日) 19:17:33 ID:kpfY5ppE
ピイイイイイッ!!
笛が鳴り、ボールが蹴られ試合が再開した。とはいえ、試合は決したも同然だった。
大杉「うおりゃっ!」
デュイソン「こ、このヤロウ……!」
後が無くなった相手はしゃにむに攻め立ててくるが、やっとつかめる勝利を前に、チームメイトは奮闘して攻撃を防いでくれた。
テナルディエ「ええい、俺達もいくぞ!」
ロスタイムに入っていよいよ窮地極まり、ガッチリとしたマークを解いてまで全員攻撃に入るが、それこそ僕の思うつぼだった。
省17
[203]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI
:2019/11/24(日) 19:18:40 ID:kpfY5ppE
試合が、終わった。
天ヶ瀬「やったぜえええええっ!」
天ケ瀬が天高く拳を突き上げる。同時に発した号砲を口火として、
日本人学校チームから次々と歓喜の砲火が、ブローニュの森中に鳴り響いていった。
中江「やった!」
黒田「やったぞ!」
永井「勝ったぞ!」
西園寺「勝った!?俺達が!?」
金子「ああそうだ!」
大杉「俺はシュートを3本も止めた!」
塩野「たった1人でも止めてみせたぞ!」
藤田「イイイイイャッホオオオオオッ!!」
省9
[204]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI
:2019/11/24(日) 19:20:12 ID:kpfY5ppE
あずみ「あたし達、勝ったんだ」
岬「うん、間違いなく勝ったんだよ」
どうしたの、という言葉を喉の奥に呑み込ませてから、当たり障りのない答えを返した。
彼女の表情は他のように澄んだ響きがなく、どこかくぐもっている。
あずみ「今度勝つときは、誰よりも一番喜べるような、活躍をするからね」
岬「(やっぱり前半、上手くできなかったのを気にしてたか)」
言葉の内容こそ再挑戦の意思を示している。だがどこか引きつった感じがする。
省21
[205]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI
:2019/11/24(日) 19:21:22 ID:kpfY5ppE
果たして支払うだろうか。敵陣を見やってみると、まさかの敗戦に呆然としていた面々の表情に、下卑た色が浮かんでいた。
クレベーユ「ダマれ、クズどもが!」
セルビー「誰が金など……!」
デュイソン「こうなったらセンコーもろとも、蹴って殴って口止めじゃあ!」
岬「(マズい!)」
このままでは喧嘩沙汰だ。異国のならず者相手に賭け事をするには根回しが足りな……
聖薇「どういうことですかっ!!」
[206]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI
:2019/11/24(日) 19:22:43 ID:kpfY5ppE
3.2話『聖薇と、聖薇らしき者』
空気をビンビンに響かせる怒声が、シュッセ運動場へ鳴り響く。
あずみちゃんの大声と敵チームの罵声から、事態を察してしまったらしい。
聖薇「か、か、賭け事なんてっ!なんて不道徳な!それも心身を鍛え上げるためのスポーツで!」
小学生で風紀委員長になろうとする子だ。相当に潔癖らしく、
細い眉が鉄のようにピシリと硬く引き締まって、怒りをぶつけている。
亜美「ね、ねーちゃん」
省21
[207]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI
:2019/11/24(日) 19:24:14 ID:kpfY5ppE
周囲の反応を見た聖薇は、相手の方へ向き直そうとする。その途中で僕と目線があった瞬間、
ハッとした顔になり、次に困惑がかかった顔で、問い質した。
聖薇「岬君は、知っていたのですか!?」
火を噴くような勢いで向かってきた。だがそれも、話を重ねていくたびに怒りよりも不安の色が、顔にも声にも表れてきた。
聖薇「知らなかったのですよね?私は、岬君がこんな事に関わっていたなんて、聞きたくありません……」
省22
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0ch BBS 2007-01-24