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【サッカーも】キャプテン岬3【ゲームも好き】


[204]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:20:12 ID:kpfY5ppE
あずみ「あたし達、勝ったんだ」
岬「うん、間違いなく勝ったんだよ」

どうしたの、という言葉を喉の奥に呑み込ませてから、当たり障りのない答えを返した。
彼女の表情は他のように澄んだ響きがなく、どこかくぐもっている。

あずみ「今度勝つときは、誰よりも一番喜べるような、活躍をするからね」
岬「(やっぱり前半、上手くできなかったのを気にしてたか)」

言葉の内容こそ再挑戦の意思を示している。だがどこか引きつった感じがする。 省21

[205]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:21:22 ID:kpfY5ppE
果たして支払うだろうか。敵陣を見やってみると、まさかの敗戦に呆然としていた面々の表情に、下卑た色が浮かんでいた。

クレベーユ「ダマれ、クズどもが!」
セルビー「誰が金など……!」
デュイソン「こうなったらセンコーもろとも、蹴って殴って口止めじゃあ!」
岬「(マズい!)」

このままでは喧嘩沙汰だ。異国のならず者相手に賭け事をするには根回しが足りな……



聖薇「どういうことですかっ!!」





[206]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:22:43 ID:kpfY5ppE
            3.2話『聖薇と、聖薇らしき者』



空気をビンビンに響かせる怒声が、シュッセ運動場へ鳴り響く。
あずみちゃんの大声と敵チームの罵声から、事態を察してしまったらしい。

聖薇「か、か、賭け事なんてっ!なんて不道徳な!それも心身を鍛え上げるためのスポーツで!」

小学生で風紀委員長になろうとする子だ。相当に潔癖らしく、
細い眉が鉄のようにピシリと硬く引き締まって、怒りをぶつけている。

亜美「ね、ねーちゃん」 省21

[207]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:24:14 ID:kpfY5ppE
周囲の反応を見た聖薇は、相手の方へ向き直そうとする。その途中で僕と目線があった瞬間、
ハッとした顔になり、次に困惑がかかった顔で、問い質した。

聖薇「岬君は、知っていたのですか!?」

火を噴くような勢いで向かってきた。だがそれも、話を重ねていくたびに怒りよりも不安の色が、顔にも声にも表れてきた。

聖薇「知らなかったのですよね?私は、岬君がこんな事に関わっていたなんて、聞きたくありません……」
省22

[208]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:25:31 ID:kpfY5ppE
再び怒りが噴き上がってきたようだ。見るからに分かる荒くれ者達に、お構いなしに断言した。

聖薇「あなた達の思惑が分からないでと思っていたのですか!
   分かりました、あなた達が岬君達を追い込んで、賭けをせざるを得ないようにしむけたのでしょう!
   よくもこの、ペテン師、泥棒、チンピラ、ゴロツキ、最低の屑、犯罪者!!」
デュイソン「なんだとォ!?」

怒りの感情をひたすらにぶつけた罵声に、傍目にも分かるほど 省26

[209]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:26:57 ID:kpfY5ppE
ボールは先生から見て死角の位置、近くに他の味方もなく聖薇が振り向いた時はもう目の前だ。

聖薇「あっ!」
岬「(ダメだ!)」

間に合わない。あの勢いでぶつかったら、当たり所によってはヒドイ怪我をしかねない。そう思った時。


バシイッ!!


乾いた衝撃音が運動場に響く。右手で日差しを遮るような形で聖薇がボールを受け止めている。少しも怪我はしていない。

聖薇?「……フン」
省28

[210]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:28:12 ID:kpfY5ppE
ただ1人で向かって平然としているどころか、大勢のならず者を歯牙にもかけず
敵の気を呑んでしまった度量のある姿は、自分の知る聖薇とは思えなかった。

聖薇?「ところで、おフランスの紳士諸君よ」

今もかすかに薄笑いを浮かべながら、先生から離れ並みいる「紳士」達を挑発しだしている。

聖薇?「サッカーは紳士のスポーツだと聞く。
    わざわざ野蛮に暴力でケリつけるより、か弱い乙女をエスコートしてやりゃ、
    男の株も上がるってもんよ」
省24

[211]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:29:19 ID:kpfY5ppE
敵3人がまさに奪い取らんとした瞬間、少女から咆哮が響く。

クレベーユ「ぐわっ!」
セルビー「どべえっ!」
デュイソン「ぐわああっ!」

次の瞬間、彼らは空を飛んでいた。
タックルに向かった足が、ドリブラーの勢いに負けて吹き飛ぶ。サッカーでは相当な破壊力を持つ選手しかできない荒業が、
相手より2周りも小さい少女によって引き起こされているのだ!

「「な、なにィィィィィッ!!」」
省21

[212]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:30:40 ID:kpfY5ppE
聖薇?「昔を思い出すねえ」
テナルディエ「ぐわっ!」

一番槍のテナルディエがFW達に続き宙を舞う。

聖薇?「青葉台のうらなり達がこうして球けりしてたもんだ」
フォンテーヌ「どわっ!」
モンモランシー「げえっ!」

続くMF2人は苦も無く薙ぎ払われる。

聖薇?「俺も少しはやっとけばよかったぜ、なんせ」
ドレセーヌ「う、うそおおおおおっ!?」
ブリュイ「いってえええっ!」

捨て身で飛びかかったDF2人の勇気は報われず、
省8

[213]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:35:04 ID:kpfY5ppE
聖薇?「最後は、たしかキーパーっていうんだったか?そこのキーパーさんよ、
    か弱い乙女からのプレゼント、受け取ってくれな!」
ギャロス「ふ、ふざけんな!キサマなんかに……」
聖薇?「言い忘れたが、返送不可だ、行くぜ!」


ドクン!


岬「(な、なんだこの感じは!?)」


バギュウウウウンッ!


先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で以下のように書き込んでください。 省24


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0ch BBS 2007-01-24