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【サッカーも】キャプテン岬3【ゲームも好き】


[288]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/27(月) 21:21:00 ID:L9IjP/7s
             第5話 『あのひとにとって、わたしはなんだろう?』



『わたしからほんの五、六歩離はなれた所――青々したエゾ苺の茂しげみに囲まれた空地に、
 すらりと背の高い少女が、縞の入ったバラ色の服を着て、白いプラトークを頭にかぶって立っていた。
 そのまわりには四人の青年がぎっしり寄り合って、そして少女は順ぐりに
 青年たちのおでこを、小さな灰色の花の束たばで叩たたいているのだった。青年たちはさも嬉うれしそうに、てんでにおでこを差出す。
 一方少女の身振りには(わたしは横合いから見ていたのだが)、
 実になんとも言えず魅惑的な、高飛車な、愛撫するような、あざ笑うような、しかも可愛かわいらしい様子があったので、
 わたしは驚きと嬉しさのあまり、あやうく声を立てんばかりになって、
 自分もあの天女のような指で、おでこをはじいてもらえさえしたら、
 その場で世界じゅうのものを投げ出してもかまわないと、そんな気がした……』



そっと聖薇の傍に座り、夢中になっている本を盗み見る。彼女が読み進める本の装丁は
図書館の奥深くに整然と備わっているような荘重なものだ。

岬「(主人公が相手にぞっこんになっている……恋愛小説かな?)」

しいんと秋の穏やかなひかりがあたたかくつつむ中、すっかり本の世界に入ってしまっているようだ。


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0ch BBS 2007-01-24