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【サッカーも】キャプテン岬3【ゲームも好き】


[291]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/29(水) 14:52:14 ID:m5u4zQgk
A もう少し都合のいいタイミングを見計らって声をかける
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
岬「(もう少し待ってみよう。集中している時に声をかけて気分を悪くさせたら後々面倒だ。
   まだ出だしのあたりだし、声をかけるかかけないかはその時に考えても遅くない)」

そう思い定めてもうしばらく、聖薇の読書を眺めている事にした。

そうしてジッと話を追っていくうちに、物語は1つ目の山場に入ってきた。
この物語のヒロイン、公爵令嬢ジナイーダが主人公と下僕たち、
もといジナイーダに片想いの紳士方を自宅に呼び寄せ、「罰金ごっこ」や「縄まわし」に歌舞音曲……
様々な遊びの中で主人公を含めた恋の下僕たちは
ジナイーダに振り回され、道化にされながらもそれによって歓喜に打ち震えているといったあり様だった。
そうしていく中である興味深い影響を読み取る事ができた。これらの遊びの冒頭、「罰金ごっこ」の時だ。
ジナイーダが手に持つ男物の帽子の中にクジが入っており、その中に1枚だけ「キス」
と書かれた紙を引き当てた者は、想い人の手にキスができるという。



『「キス!」と、わたしは思わず大声を上げた。
「ブラヴォー!この人に当ったわ」と、令嬢がすかさず引取って――「まあ嬉しい!」――
そして椅子を下りると、なんともいえず晴れやかな甘い顔つきで、じっとわたしの眼をのぞきこんだので、
私の心臓はワッとばかり踊り立った。
「あなたは嬉しくって?」と、彼女は私にきいた。

ジナイーダは私の前に立つと、私を一層よく見ようとするかのように首を少し横にかしげ、いとも荘重に片手を差しのべた。
私は眼の中が暗くなった。片膝をつこうとしたが、べったり両膝ついてしまって、おそろしく不器用に唇をジナイーダの指に触ふれたので、
むこうの爪つめで自分の鼻さきに、かるい引っかききずをこしらえてしまったほどだった』


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0ch BBS 2007-01-24