キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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レス数が950を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
【高頭を】TSUBASA DUNK12【解雇する】

1 :TSUBASA DUNK:2009/11/01(日) 12:43:42 ID:???
キャプテン森崎のスピンアウト作品で、「SLAM DUNK」の世界で翼がバスケットボール選手
として成長していく物語です。基本は本編と同様に、選択肢の中から第三者(ロムしている人)が
どれかひとつを選ぶ事によって進んでいきます。また必要に応じてトランプを引いてもらったり、
ダイスを転がしてもらったりします。

※ローカルルール
カードを引いたりダイスを転がしたりする際、> やスペースが文章の前にあった場合も無効になります。
ご了承ください。なお、行の上下に書き込みがあるものについては有効とします。

中の人はバスケ未経験者です。知識についておかしいところがあったらどんどんご指摘ください。
随時修正いたします。

〜あらすじ〜
中学サッカー界のスター、大空翼は度重なる激戦により「サッカー筋」を損傷してしまう。
2度とサッカーのできない体となった翼は、未練を残しながらも医者の勧めでバスケをすることに。
しかし、超高校級プレーヤー達との出会いから、次第にバスケの面白さ、奥深さに魅せられていく。
進学した海南大付属高校でレギュラーの座を掴み、県大会決勝リーグに乗り込むがまさかの2連敗!
もはや崖っぷちどころの騒ぎではなくなった海南……いったいどうなってしまうんだ!?

875 :TSUBASA DUNK:2010/03/02(火) 11:10:24 ID:BYkE80NY
その日の放課後は、きちんと相撲部に出た。

ドルジ(あの畑山って奴にまた変なこと書かれて、相撲部とサッカー部に迷惑かけるのも悪いし)

柱に向かって一心不乱に張り手を打つ。

主将(アイツは出ればきちんと練習するんだよな。それに……)

入部して3週間だが、たったそれだけの期間で体つきがたくましくなっている。

主将(陰で努力しているんだろうな。それを見せないだけで)

だが、実力のある者が見えるところで努力することで他の者を引っ張ることができるのも事実で
あり、やはりそれを見せてほしいと主将は思ったのだった。

876 :TSUBASA DUNK:2010/03/02(火) 11:11:44 ID:BYkE80NY
次の日、登校してきたドルジは下駄箱に封筒が入っていることに気付いた。中身を取り出すと
便箋が入っていた。

ドルジ「なになに?『放課後、旧校舎の裏で待つ』……こ、これは!?」


A 告白に違いない!当然、行く!!
B 嫌な予感がする。行かない。
C 何か分からないけど、呼ばれたからには行ってみる。
先に1票入った選択肢で続行します。(投票はsageでも構いません)

877 :森崎名無しさん:2010/03/02(火) 12:45:03 ID:???
A

878 :TSUBASA DUNK:2010/03/02(火) 14:10:48 ID:BYkE80NY
>A 告白に違いない!当然、行く!!

ドルジ(こ、これは……もしかしなくてもジャパニーズ『恋文』ってやつではないか?)

シャイで、奥ゆかしくあるべきことを義務付けられた日本人女性が唯一、男性への想いを伝える
ための手段として与えられた権利、それが『恋文』。ドルジはモンゴルでそう習った。

ドルジ(当然、行くぞ!!)



その日の放課後……

ドルジ(俺のことを好きと言ってくれるのはどんな子だろう?美人かな?それともかわいい系?)

ドルジは小走りで旧校舎に向かう。

??(ふっふっふっ。動いたか。やけにテンションが高いのが意味不明だが)

旧校舎は海南大付属高校が設立した当初からある建物である。今では校舎としては使われては
いないが、中には設立当時の資料などがあり、建物も県の文化財に指定されている。もっとも
現在の生徒にとっては入る用事もなく、何の思い入れもない建物であり、近づくことさえないが。

ドルジ「まだかな?」

??「ふっふっふっ。よくきたな」

ドルジ「!?(きた!!でも、声が太い??)」

879 :TSUBASA DUNK:2010/03/02(火) 14:11:56 ID:BYkE80NY
ドルジの目の前に現れた人物。それは……

ドルジ「お前は確か……畠山!?」

畑山「畑山だ。二度と間違うな、色々と危ないから」

ドルジ「ま、まさか、あの手紙はお前が?」

畑山「ああ」

ドルジ「ってことはお前、ホモだったのか!?」

畑山「はあ??」

ドルジ「だって、あのラブレター……」

畑山「あれはラブレターじゃねえ!」

ドルジ「へ??」

畑山「お前をボコボコにするために、ここに呼び出したんだよ!どこをどう読んだらラブレターに
   なるんだよ!?」

ドルジ「……て、てめえ。許せねえ!!」

畑山「それはこっちも同じこと!昨日はよくも恥をかかせてくれたな!!」

ドルジ「お前が俺をボコボコにできると思ってんのか?」

畑山「ボコボコにするのは俺じゃねえ。こいつらだ!!」

畑山は指をパチンと鳴らす。

880 :TSUBASA DUNK:2010/03/02(火) 14:13:05 ID:BYkE80NY
現れたのは俗に言うヤンキーだった。

ヤンキーA「この中国人をボコれば金くれるんだな?へへっ、ボロい商売だぜ」

畑山「油断するなよ。アイツは相撲部のホープだぜ」

ヤンキーA「ケッ、相撲なんて踊りみたいなもんだろ?」

ドルジ「俺はモンゴル人だ。そして、相撲は踊りじゃねえ……格闘技だ!」

そう言ってヤンキーの人数を確認する。

ドルジ(いち、にい……)


先着1名で
相手は何人?→ ! dice
と(!とdiceの間の)スペースを削除して書き込んで下さい。

なお、> やスペースが文章の前にあった場合も無効になります。ご了承ください。
行の上下に書き込みがあるものについては有効とします。

ダイスの目が……
1〜3→3人 4→4人 5→5人 6→6人

881 :森崎名無しさん:2010/03/02(火) 14:56:33 ID:???
相手は何人?→  6
流石ミツルは小物

882 :森崎名無しさん:2010/03/02(火) 15:00:22 ID:???
おっと、ミツルじゃなくてヒデ(ry

883 :森崎名無しさん:2010/03/02(火) 17:44:29 ID:???
はた山も合わせたら、ハッチ人だねw

884 :TSUBASA DUNK:2010/03/02(火) 20:15:15 ID:BYkE80NY
>>881-883
みんな、やく……おっと、畠……いやいや畑山のことが大好きですねえ。
というか、>>883がやけに上手いと思います。

***
>相手は何人?→  6 人

ドルジ「6人か……」

ヤンキーA「へへへっ、逃がさねえぞ」

ヤンキーB「覚悟するんだな」

畑山(けっけっけっ。これだけの人数で囲めばさすがのドルジも勝てまい)

ヤンキーA「いくぞ!!」


先着2名で
ドルジの戦闘力→ ! card+30
ヤンキー6人→ ! card+(5×6人)30
と(!とcardの間の)スペースを削除して書き込んで下さい。

(ドルジ)−(ヤンキー)が……
≧2→ドルジがヤンキーを圧倒!しかし……
−1〜1→互角の戦い……しかし!
≦−2→ヤンキーがドルジを圧倒!しかし……

885 :森崎名無しさん:2010/03/02(火) 20:17:59 ID:???
ドルジの戦闘力→  クラブ7 +30

886 :森崎名無しさん:2010/03/02(火) 20:18:12 ID:???
ヤンキー6人→  スペード3 +(5×6人)30

887 :TSUBASA DUNK:2010/03/02(火) 21:19:25 ID:BYkE80NY
>ドルジの戦闘力→  クラブ7 +30
>ヤンキー6人→  スペード3 +(5×6人)30
>(ドルジ)−(ヤンキー)が≧2→ドルジがヤンキーを圧倒!しかし……

次々に襲い掛かってくるヤンキーをひとりひとり上手くあしらう。

ヤンキーA「ちっ!攻撃が当らねえ!?」

ヤンキーB「コイツ、強えぞ!?」

ドルジ(人数は多いが、しょせんは烏合の衆。連携が全く取れていない。これなら1人ずつ
    順番に相手してるのと変わりない)

ドルジは自分から攻めることはせず、ひたすらヤンキーに攻めさせる。人数に差があるので
まずは疲れさせようという算段である。

カシャッ!!

突如、視界が光に包まれ、シャッター音が鳴り響く。

畑山「ドルジ、相撲部員が喧嘩していいのか!?証拠の写真は押さえたぞ!!」

ドルジ「!!(くっ……俺が喧嘩している写真が教師の目に入ったら相撲部に迷惑がかかる)」

畑山「そうだ。大人しく殴られな」

ヤンキーA「悪い奴だぜ、畑山はよォ。ケケケッ」

畑山「ふんっ、お前らがだらしないからだろう」

888 :TSUBASA DUNK:2010/03/02(火) 21:20:33 ID:BYkE80NY
ドルジ「ちっ……好きにしな」

抵抗することを止め、棒立ちになる。ヤンキーたちはチャンスとばかりに距離を詰めてくる。

ヤンキーA「ちょっと痛いけど、目をつぶっていればすぐに終わるからな」

ヤンキーB「なんか言い方がいやらしいな」

ヤンキーC「ケケケッ」

畑山「さっさとやっちまえよ。あと、最後の一発は俺に殴らせろよ」

ドルジ「クズが」

ヤンキーAが拳を握り、腕を振り上げる。その時……

??「こらァ!!そこで何をやってる!?」

大きな体をした男が2人やってくる。カメラのフラッシュを不審に思ったのだろう。

ヤンキーA「ゲッ、あいつらは……」

ヤンキーB「ちっ、逃げるぞ」

ヤンキーたちは慌ててその場を去る。

畑山「お、おい!なんだってんだよ!?どこに行くんだよ……ちっ!!」

悔しそうにドルジを睨みつけながら、ヤンキーたちを追いかけて畑山も走っていく。

??「なんだ、あいつら?」

889 :TSUBASA DUNK:2010/03/02(火) 21:22:24 ID:BYkE80NY
??「おい、大丈夫か?」

ドルジ「あ、ああ。アンタらは?」

??「俺か?俺はバスケ部の高砂だ。コイツは牧。ランニング中にこっちで何か光ったんでな。
   気になってちょっと様子を見にきたんだ」

ドルジ「バスケ部……監督さんですか?」

高砂「部員だ!俺もコイツも2年だよ!!」

牧「老け顔は大変だな、高砂」

高砂「お前も同類だぞ、きっと。な、キミもそう思ってるんだろ?」

牧「いや、俺は普通に部員に見えるだろ。お前だけだよ。な、キミもそう思ってるんだろ?」

ゴツイ体で老け顔の2人組がそんなことで詰め寄ってくる姿に思わずドルジは吹き出す。

ドルジ「プッ……アハハッ!!」

高砂と牧もそれを見て笑い出す。

高砂・牧「「はははっ」」

ドルジ(日本にきてからこんなに笑ったのは初めてかもしれないな。ちょっと変だけど面白い
    人たちだ)

高砂「俺はバスケ部の高砂。キミは相撲部のドルジだろ?何か困ったことがあったらバスケ部を
   訪ねるといい。俺もコイツも校内じゃ顔が利く方だからな」

890 :TSUBASA DUNK:2010/03/02(火) 21:23:33 ID:BYkE80NY
そう言って高砂と牧はその場から走っていった。

ドルジ「バスケ部の……高砂さんと牧さんか」



それからドルジは相撲部の練習を行っている道場に行き、退部届を提出した。

主将「お、おい!どういうことだ!?なんでいきなり!?」

主将が慌てて訳を聞こうとするがドルジは「もう決めたことですから」の一点張りで他に何も
言わない。

主将「……決意は固いようだな。仕方あるまい。だが、相撲部はいつでもお前の帰りを待って
   いるからな」

ドルジ「スンマセンした!!(そして、今までありがとうございました!!)」


***
今日はここまでです。

891 :森崎名無しさん:2010/03/02(火) 21:54:04 ID:???
ええはなしや(´;ω;`)ブワッ

続きがたのしみ

892 :TSUBASA DUNK:2010/03/03(水) 22:25:12 ID:y99QgOP+
>>891
ありがとうございます!
今日はちょっと色々あって更新を休もうかと思いましたが、その言葉で頑張れました!!
どうかご期待に応えられますように……

***
次の日、ドルジは自分がされたことと同じ方法で畑山を呼び出す。

ドルジ「えっと、2年のやく……ん?なんだ、『やく』って違うだろう。畠山だ!」

しかし、2年生用の昇降口の下駄箱に『畠山』という下駄箱はない。

ドルジ「あ、畑山だ!間違っちゃったよ、てへっ☆」

畑山の下駄箱に『放課後、第2体育館にてスクープ事件が発生する模様』と書いた便箋の入った
封筒を入れる。

ドルジ「こういう手口をする奴は自分がされるとは思っていないらしいから引っかかるだろう」

ちなみに第2体育館という場所に理由はない。強いて理由を挙げるなら、広い校内でドルジが
校門から昇降口に歩いていく途中にある建物だったことだろう。

893 :TSUBASA DUNK:2010/03/03(水) 22:27:02 ID:y99QgOP+
その日の夕方……

畑山「さぁて、どんなスクープが待っているやら?」

畑山は昨日のドルジと同じように楽しげなステップで指定された場所に向かう。

ダムダム……

第2体育館ではどこかの運動部が練習を始めたようだ。キョロキョロとスクープの種を待つ
畑山の後ろからドルジが声をかける。

ドルジ「待たせたな」

畑山「お、お前は!?」

ドルジ「今まで随分、好き勝手やってくれたな。俺だけならまだしも、相撲部やサッカー部に
    迷惑をかけたことは許せない。いや、それも漫研としての最低限のルールを守っていた内は
    よかった。だが、昨日のお前は自分自身のルールさえ失った」

畑山「な、何を言っているんだ?俺自身のルールってなんだよ!?」

自分を見つめるドルジの冷たい目に、畑山の足はすくんで動かない。

ドルジ「漫研のお前が昨日はカメラを使っただろう?」

畑山「そ、そんなことで!?」

ドルジ「相撲にだって禁じ手ってのがある。どんなスポーツにだって反則がある。お前の新聞も
    そうだと思っていた。だからこそ許してきたが……もう勘弁できない」

894 :TSUBASA DUNK:2010/03/03(水) 22:28:04 ID:y99QgOP+
畑山「だからって、俺を殴っていいと思ってるのか?お前は相撲部員だろ?俺が口外したら
   お前だけじゃなく、相撲部も大会に出場できなくなるんだぞ!?」

ドルジ「相撲部なら辞めてきた」

畑山「!?」

ドルジ「サッカー部にも金輪際、近づくつもりはない」

畑山「そこまで!?」

ドルジ「停学も覚悟の上だ。初めての暴力沙汰だ。2〜3週間で済むだろう」

畑山(く、くそっ!逃げ道は……どこか逃げ道はないか?)

ガクガク震えて動かない足をなんとか立たせたまま、視線で助けてくれそうな人を探す。

ダムダム……

畑山(そうだ、体育館ではどこかの部活が練習しているはず!)

体育館から響いてくる音に一筋の光明を見つける。

畑山「た、助けてくれ!!」

ドルジ「ちっ、黙れ!どこまでも腐った奴め!!」

口を塞ごうと、慌てて距離を詰めるドルジ。しかし、体育館から数名の生徒が出てくる。

部員A「おい、どうした!?」

部員B「喧嘩か?」

895 :TSUBASA DUNK:2010/03/03(水) 22:29:25 ID:y99QgOP+
畑山「違う!喧嘩じゃないんだ……コイツが!!」

??「お前らは練習に戻れ!ここは俺が預かる!!」

体育館裏に出てきた部員たちの後方から声が聞こえる。声に促されるまま、部員たちは体育館に
引き返していく。

畑山「え!?あれ!?」

??「フッ。2日続けて会うとは、お前らとは何かあるとしか思えんな」

ドルジ「……確か、高砂さん?」

そこにいたのはバスケ部の高砂だった。

高砂「悪いが、話は一部始終聞かせてもらった。だが、どんな覚悟があろうが一方的に殴るのは
   正義とは言えんぞ」

ドルジ「でも!」

畑山「(よし、この人は俺の味方だ!)そ、そうですよね!!」

ドルジ「くっ!!」

高砂「ここはタイマンで勝負といこうじゃないか」

畑山「そうだ!タイマンだ!!……えっ!?えええええええええっ!?」

ドルジ「えっ!?」

高砂はドルジにだけ見えるようにウインクしてみせる。とても不器用でカッコいいウインクでは
なかったが、ドルジにはそれがとてもまぶしかった。

896 :TSUBASA DUNK:2010/03/03(水) 22:30:49 ID:y99QgOP+
高砂「どちらが勝ってもやり過ぎないよう、俺が立ち会ってやる。部活にも早く戻りたいんで
   さっさと始めろ」

ドルジ「さあ、覚悟はいいな(ニヤリッ)」

ドルジは相撲が始まる時のように腰をずっしりと下ろす。

畑山「ち、ちくしょう!俺だって格闘技(漫画)をかじったことがあるんだ!!やってやらぁ!!」


先着2名で
ドルジの戦闘力→ ! card+30
畠山の戦闘力→ ! card+16
と(!とcardの間の)スペースを削除して書き込んで下さい。

(ドルジ)−(畑山)が……
≧1→ドルジが畑山を一発で倒す!!
0→なんと、互角の戦い!!
≦−1→まさかの畑山勝利!?

【補足・補正】
畑山のマークがダイヤの時、「ペンは剣よりも強し」が発動し数値に+0されます。
畑山のマークがハートの時、「漫画殺法」が発動し数値に+0されます。
畑山のマークがスペードの時、「スクリーントーン乱舞」が発動し数値に+0されます。
畑山のマークがクラブの時、「ジャンピング土下座」が発動し数値に+0されます。

897 :森崎名無しさん:2010/03/03(水) 22:31:35 ID:???
ドルジの戦闘力→  ハート2 +30

898 :森崎名無しさん:2010/03/03(水) 22:35:15 ID:???
畠山の戦闘力→  ダイヤA +16

899 :森崎名無しさん:2010/03/03(水) 22:39:16 ID:???
畠山の戦闘力→ ! card+16

↑あっ

900 :TSUBASA DUNK:2010/03/03(水) 23:09:06 ID:y99QgOP+
>>899 バレました!?自分も書き込んでから気付きました。

***
>ドルジの戦闘力→  ハート2 +30=32
>畠山の戦闘力→  ダイヤA +16+(ペンは剣よりも強し)0=17
>(ドルジ)−(畑山)が≧1→ドルジが畑山を一発で倒す!!

畑山(そうだ!確か、内ポケットにペンが入っていたはず!!アレを武器に……)

ペンを持とうと制服の内ポケットに手を入れる。しかし……

ドルジ「どすこい!!」

ドンッ!!

畑山の手がペンを握る前に、勢いよく立ち上がったドルジのぶちかましが炸裂した。

畑山「どふっ!!!!!」

畑山の体が数メートル吹き飛ぶ。

畑山「相撲……恐るべし……ガクッ」

ドルジ「……」

伸びてる畑山に近づくとドルジは拳を握る。そして、気を失っている畑山に……

ガシッ!!

その手を高砂が掴む。

高砂「そこまでだ。もういいだろう」

901 :TSUBASA DUNK:2010/03/03(水) 23:10:08 ID:y99QgOP+
ドルジ「……スンマセン」

ドルジの腕から力が抜ける。高砂も安心して腕を掴んでいた手を離す。

高砂「起きろ」

ペチペチと畑山の頬っぺたを叩いて起こす。

畑山「……んん」

高砂「目が覚めたか」

畑山「〜〜〜ッ!!ド、ドルジ!!覚えてろよ!!」

視界にドルジが入った瞬間、畑山が吠え出す。

ぐいっ

畑山「なっ!?」

高砂が畑山の襟首を掴み、持ち上げる。

高砂「いいか。今日からドルジはバスケ部員だ。もし、これから先、こいつにちょっかいを
   出すようなことがあれば、学校中の運動部員がお前の敵になると思え」

ドスの利いた声で凄む。

畑山「ひっ!!」

高砂「返事は『ひっ』じゃないだろ?」

畑山「は、はい!はいぃいいい!!」

902 :TSUBASA DUNK:2010/03/03(水) 23:12:24 ID:y99QgOP+
高砂「分かったらさっさと帰れ」

高砂は襟首を持ち上げたまま畑山を立ち上がらせてやる。高砂が手を離すと、畑山は一目散に
逃げていった。

高砂「こんなもんでいいだろ?」

自分の手の届かないところで全てが決着してしまい、呆然と立ち尽くすドルジに高砂が声を
かける。

ドルジ「う、うっす……」

高砂「そういうことで、今日からお前はバスケ部員だ!」

ドルジ「え、あれってマジだったんすか?」

高砂「どうせ他にやることはないんだろう?お前のような奴がスポーツもやらんでパワーを
   余らせているのは問題だ。そのうち不良になっちまうぞ」

ドルジ(まあ、やることがないのは確かだし……いいか)

高砂「さっき、ここにきた部員がいただろう?アイツらがお前と同じ1年だ。仲良くやりな。
   喧嘩の件は口外しないように俺から言っておいてやるからさ」

ドルジ「スンマセン」

高砂「相撲部とサッカー部の部長にも俺から説明しておいてやるよ。顔が利くのも本当なんだ」

こうして、ドルジはバスケ部に入ることになった。

903 :TSUBASA DUNK:2010/03/03(水) 23:15:02 ID:y99QgOP+
そして、物語は現在に戻る。あの時と同じ、体育館の裏に設置された水飲み場。

ドルジ「で、俺はバスケ部に入ったんだ」

翼「そんなことがあったんですか」

ドルジ「相撲もサッカーも出来なくなっちまったけど、後悔はしてねえ」

翼「バスケ好きですか?」

ドルジ「ああ」

翼「相撲やサッカーより?」

ドルジ「お前はどうなんだよ?サッカーが出来なくなってバスケ始めて、今でもサッカーの方が
    好きか?」

翼「それは……」

ドルジ「俺もお前と同じだと思うぜ」

翼「そうですよね」

ドルジ「さあて、また練習するとすっかな。お前もまだ練習していくんだろ?」

翼「はい!」

空がすっかり赤く染まっていたのは、夕日のせいではなく、彼らの青臭いやりとりがあまりに
照れくさいからだったのかもしれない……

          TSUBASA DUNK外伝〜青き龍の目覚める朝〜 完

904 :森崎名無しさん:2010/03/03(水) 23:36:18 ID:???
王道っていいよね
だから王道って言うんだな、うん

905 :森崎名無しさん:2010/03/03(水) 23:37:19 ID:???
あ 邪道も好きですけどね、うん

906 :TSUBASA DUNK:2010/03/04(木) 00:34:32 ID:???
>>904-905 コメントありがとうございます。王道も邪道も面白ければアリですよね。


ドルジの物語も無事に終わりました。ありがとうございます。
残りのスレは以前書いたとおり、キャプテン羽田共という翼視点でのキャプ森を描きたいと思います。
1000までに終わればいいのですが、さてどうなるやら……

907 :TSUBASA DUNK:2010/03/05(金) 19:09:38 ID:???
フジテレビにやくみつる氏が出てますね。だからどうしたという訳ではないんですが。
やくみつる氏とウチのスレは全く関わりありませんし。

「羽田共」はもう少しお待ちください。1000までに終わるように調整しております。

908 :森崎名無しさん:2010/03/05(金) 21:20:13 ID:???
それはきっと厄光子なるツンデレマネージャーその2誕生の布石

909 :ペンネーム?の由来:2010/03/05(金) 22:36:35 ID:???
むしろ猪狩か舘嶋の麻雀編にヤク満の畑山として出てきたりしてw

910 :スレ末連載『キャプテン共』:2010/03/05(金) 23:25:04 ID:ZHdKCp92
>>908 光子ですとォ!?扱いきれる自身がありません!!

>>909 そ、そっちならなんとか!

***
古尾谷監督 「集計結果を発表する……」

思わず翼と森崎、あとついでに来生の喉から「ごくり」という音が漏れる。

古尾谷監督「森崎、47ポイント。翼……45ポイント。来生、5ポイント。よって僅差ながら、
      新キャプテンは森崎とする!」

監督の言葉に部室全体がざわつく。

石崎「な……なにィ!?」

高杉「そ……そんなァ!?」

骨川「やりましたね、森崎先輩!!」

森崎「フ、フフフ……歩の無い将棋は負け将棋。当たり前の結果さ」

長野「こ、言葉の意味は良くわからんが、すごい自信があったってことなのか?」

来生「う……うわあああああああ!!インチキだ!不正だ!何か裏取引があったに違いない!!
   そんな馬鹿なァァ!!!」



森崎 「と、とにかく これで念願のアイスソードを……いやキャプテンの称号を手に入れたぞ!!」

911 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/05(金) 23:26:22 ID:ZHdKCp92
石崎「お、おい……どうするんだよ、翼!森崎がキャプテンになっちまったぞ!それでもお前は
   いいのかよ!?」

色々な声が聞こえてはいたが、翼にはどの言葉も理解することが出来なかった。

石崎「翼、聞いてるのか?どうするんだよ、森崎がキャプテンになっちまったんだぞ」

翼「そう、関係ないね」

搾り出すように、それでも冷静を出来る限り装って、答える。

石崎「関係ないね……って、おまえ柴田恭兵じゃあるまいし……」

高杉「まあ待て、石崎。一応キャプテンは森崎という事になってしまったがポイントを見ても
   わかるとおり、その差は僅か。つまり、森崎と同じ程度の支持を翼も集めているって事だ。
   黙っていてもそのうち森崎のことだ、何かヘマをやらかしてキャプテンの資格を剥奪……
   って事になるに決まってるさ。」

石崎「そ、それもそうだな。よし、こうなったら翼がキャプテンになれるように、俺たちは
   引き続き翼を盛り上げていくぞ!」

高杉「うむ!」

何やら石崎と高杉が盛り上がっていたが、翼は話に入ろうという気にはとてもなれなかった。

翼「……」

そして、翼は自分の殻に閉じこもった。

912 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/05(金) 23:27:29 ID:ZHdKCp92
翼の意識は自身の奥に向かっていく。

そこは何もない無限に広がる空間。漆黒の闇のようでもあり、また眩しいばかりの光に包まれた
明るい世界のようにも感じた。今の翼を包んでいるものは、冷たい空気であり、暖かい水のよう
でもあった。

翼『ここは……』

???『ここはお前の心の中だ』

翼『キミは……?』

???『俺はもうひとりのお前だ』

翼『もうひとりの?』

???『多重人格って知ってるか?』

翼『言葉は』

???『なら、話は早いな。お前、小さい頃に交通事故に遭ったことがあるだろう?あの時に
    恐怖から逃れるために分かれた人格が俺ってことさ』

翼『……へえ。今までに人格が入れ替わったことってあるの?実感が全くないんだけど』

???『(思ったより冷静だな。選挙に負けてテンションが下がってるからか?)ないよ。お前は
    主人格にして、サッカーをつかさどっている。お前の気持ちがサッカーから離れた時に
    俺という人格が発動するようになっていたんだ』

翼『そっか。俺の気持ちは……サッカーから離れているのか』

913 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/05(金) 23:28:39 ID:ZHdKCp92
???『今のお前は道を見失っているだけだ。ただただサッカーに打ち込んでいれば、何でも
    手に入れられると信じてやってきたのに報われなかった』

翼『そうさ。俺は誰よりサッカーに真剣に打ち込んできたはずだった。それなのに森崎なんかに
  負けた。あんなふざけた奴に』

???『安心しろ。俺がお前を引っ張り上げてやる。お前に足りないものを教えてやる』

翼『でも、キャプテンは決まってしまった』

???『お前のサッカーは中学で終わりか?もっと先につながっているんだろう?サッカーしか
    能がないお前に他に道はないんだ。挽回のチャンスは何度でもある。その時にまた森崎に
    負けるつもりか?」

翼『分かったよ。俺、やってみるよ』

???『よし、契約成立だ』

翼『キミのことはなんて呼べばいい?』

???『キミでも不便ではないが……そうだな、俺のことは共(とも)、羽田共とでも呼んでくれ』

翼『オッケー。よろしく、共』



          〜 番外編『キャプテン羽田共』 スタート 〜

914 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/05(金) 23:31:30 ID:ZHdKCp92
その日の部活を無難にやり過ごし、家に帰ってから再び自分の中の『共』に話しかける。

翼『ねえ、聞こえてる?』

共『ああ、聞こえてる。俺とコンタクト取るコツが掴めたみたいだな』

翼『俺はこれからどうすればいい?』

共『そうだな……』


A まずは敵を知ることだ。森崎について考えよう。
B 森崎以外の部員について考えよう。
C 古尾谷監督について考えよう。
D 他のチームについて考えよう。
E その他(何かやりたいことがあればご自由にどうぞ)
先に2票入った選択肢で続行します。(投票はageでお願いします)

***
序盤のやりとりは本スレから転用させていただきました。1さん事後報告で申し訳ありません。
この方が物語の導入として自然だと思ったので。

915 :森崎名無しさん:2010/03/05(金) 23:33:41 ID:lzFBHwTU
A

916 :森崎名無しさん:2010/03/05(金) 23:38:13 ID:JJ02YBZQ
A

917 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/05(金) 23:47:26 ID:ZHdKCp92
>A まずは敵を知ることだ。森崎について考えよう。

共『まずは敵を知ることだ。森崎について考えよう』

翼『森崎について、か』

共『お前の目から見た森崎はどんな奴だ?』

翼『森崎は1年の時から南葛のレギュラーのGKで、俺といっしょに2年連続で全国制覇を
  経験している。GKとしてはそれなりに使えるけど、オーバーラップとかの不必要で
  非合理的なプレーが多い。正直、なんであんな奴がキャプテンになれたのか分からない』

共『今のお前の言葉から森崎についてもう少し深く考えてみようか』


(どの言葉について考えますか?)
A 南葛のレギュラーのGKで、俺といっしょに2年連続で全国制覇を経験している
B GKとしてはそれなりに使えるけど、オーバーラップとかの不必要で非合理的なプレーが多い
C 正直、なんであんな奴がキャプテンになれたのか分からない
先に2票入った選択肢で続行します。(投票はageでお願いします)

918 :森崎名無しさん:2010/03/05(金) 23:51:44 ID:lzFBHwTU


919 :森崎名無しさん:2010/03/06(土) 00:10:00 ID:tSRY+YGg
C

920 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/06(土) 00:36:22 ID:G98ybcD+
>C 正直、なんであんな奴がキャプテンになれたのか分からない

共『なんでキャプテンになれたのか、か。まず、分かっていることはそれだけ森崎に投票した
  奴がいたってことだ』

翼『それが分からないんだよなあ。誰がなんで森崎なんかに入れたんだろう?』

共『言っておくが、レギュラーでお前に確実に票を入れたのは石崎と高杉の2人だけだぞ』

翼『えっ!?他の部員は俺と森崎で五分だと思っているってこと!?』

共『そうだろう?お前は負けているんだぞ。それくらい森崎が支持されていていると思って
  間違いない。まずはそれを認めることから始めるんだ』

翼『……うん』

共『問題はどうやってそれだけの支持を集めたか、だが……』


A 何かしら恩を売ったんだろう。
B きっといい参謀がいるに違いない。
C 弱みを握っているんだろう。
D どしゃぶりの雨の日に、ずぶ濡れの小犬を助けているところを見せ付けたんだろう。
E その他(何か言いたいことがあればご自由にどうぞ)
先に2票入った選択肢で続行します。(投票はageでお願いします)

***
といったところで今日はここまで。遅くまでお付き合いいただきありがとうございました。

921 :森崎名無しさん:2010/03/06(土) 00:38:34 ID:M5RnKQqo
D

922 :森崎名無しさん:2010/03/06(土) 00:47:18 ID:tSRY+YGg
A

こんな感じの話になるとは思わなかった
面白いw

923 :森崎名無しさん:2010/03/06(土) 00:52:08 ID:0WB2cXEQ


924 :森崎名無しさん:2010/03/06(土) 01:58:44 ID:U7RUsJjQ
A

925 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/06(土) 12:22:42 ID:???
これはなんとも奇妙な物語。
本格的な外伝じゃないのが惜しい位興味深いコンセプトですね。

926 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/07(日) 01:11:56 ID:???
>>922 いい感じで予想を裏切れましたかね?やった!

>>925 スレの残りの都合で駆け足になりますが興味を持って読んでいただけると嬉しいです。

927 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/07(日) 01:13:23 ID:eqB59LiE
>A 何かしら恩を売ったんだろう。

共『何かしら恩を売ったとは考えられないか?』

翼『恩?』

共『ああ。森崎との付き合い方が以前と明らかに変わった奴がいる……滝だ』

翼『滝が?』

共『それに滝ほどではないが井沢や来生も昔とは違い森崎に嫌々付き合わされているという
  感じがしなくなったように思う』

翼『そうかな?』

共『あと、今日になって森崎に対しての雰囲気が良くなったのが長野だ。おそらく、昨日の内に
  森崎が手を打ったんだろう。自分に票を確実に入れさせるように』

翼『そんなことをしていたのか。森崎の奴、汚いぞ!』

共『ばーか。お前が甘いんだよ。サッカーの実力は確かに森崎より翼の方が上だろう。だが、
  それに胡坐をかいて部員との交流を怠っていた。実力があれば仲間が勝手に後ろをついて
  くるなんて思い上がりだぜ。……お前がなりたい世界一の選手ってどんな選手だ?』

翼『そりゃあ、いちばん上手い選手だよ』

共『世界一の選手ってのは「世界でいちばん賞賛される選手」だ。上手いだけじゃなく、他の
  選手や観客たちの心を掴むことが出来なければ認めてもらうことも出来ない。このままじゃ
  お前はいずれ誰にも見向きされない選手になっちまうぞ』

928 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/07(日) 01:14:26 ID:eqB59LiE
翼『そ、そんなァ……』

共『(ちょっと大袈裟かもしれんが……これくらい言っておかないとコイツは分からんからな)
  いいか、これからはなるべく他の部員と話をしろ。サッカー以外のこともだぞ』

翼『うん、やってみる』

共『あと、試合の時は不自然じゃない程度に優先的にパスを選択しろ。アシスト数を増やすんだ』

翼『でも、俺がシュートを撃った方が確率はいいと思うんだけど……』

共『普通のGKが相手なら来生や長野、滝、井沢あたりでも得点できるだろ?若島津あたりと
  対戦する時だけ強引でも自分でいけ。そうしないと信頼を失うぞ。去年もMFでチームの
  得点王だったんだろ?アシストよりゴールが遥かに多いとか、おかしいと思わないのか?』

翼『だって、自分でボールを奪って、ドリブルして、シュートするのがいちばん確実なんだもん』

共『絶対にそんなこと口にするなよ』

翼『分かったよ。で、他にはどうやって恩を売るの?』

共『機会があったら俺が教えてやる。それまでは今、言ったことを意識して行動しておけよ』

翼『うん』

そして、最初のターニングポイントは県大会決勝にあった。

929 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/07(日) 01:15:33 ID:eqB59LiE
試合に勝った南葛が、3年連続で全国大会への切符を手に入れた。テレビ局のアナウンサーが
翼にマイクを向ける。

アナ「では、これから閉会式に移りますが、その前に見事、決勝ゴールを決めた大空翼くんに
   話を伺ってみましょう!見事、県大会優勝を決め、これから全国大会に挑むわけですが……」

翼「はい」

アナ「いま一番、対戦してみたい選手は誰ですか?」

翼「対戦してみたい選手ですか……?(やっぱり……岬くんかな?)」

翼が口を開こうとした時、脳内に声が響く。もうひとつの人格、共である。

共『待て。ここでどうせ放映された映像を見られない岬を選んでも得はない。ここは俺の言う
  とおりにしゃべれ』

翼『うん、分かった。任せるよ』

頭の中の声に従って翼が口を動かす。

翼「今、一番戦ってみたい選手は……三杉くんです」

中継を見ていた三杉「えっ!?」

アナ「三杉くんというと、武蔵中学の?」

翼「はい。皆さんご存知のとおり、三杉くんは心臓病のせいで、全力でプレーをすることが
  できません。小学生の頃に対戦した時、今も一緒にプレーをしているチームメイトたちの
  おかげで試合には勝てたけど、俺個人としてはまだまだ未熟と思い知らされました」

930 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/07(日) 01:16:40 ID:eqB59LiE
井沢「チームメイトのおかげ?」

滝「あいつ、そんな風に思っていてくれたのか」

来生「フッ、当然だな」

翼「中学で俺も成長したので、今度こそ全力の三杉くんと戦って勝ちたいです。ですが……」

翼は左手の人差し指で左右の目の下をなぞる。指でぬぐいきれなかったのか、涙が頬を伝う。

翼「先ほども言ったとおり、三杉くんはまだ心臓病が完治していません。完全に治すには多額の
  治療費がかかるそうです。普通の家庭にはどうやっても払えないくらいの」

アナ「……」

翼「そんなことで彼の才能がつぶされていいのでしょうか?俺は絶対に日本をワールドカップで
  優勝させてみせます!でも、そのためには三杉くんの力が必要なんです!!」

アナ「つ、翼くん。落ち着いてください!」

翼「……すみません。ですが、この放送をご覧のみなさん。日本のサッカーの未来のために、
  三杉くんのために、善意を分けていただけないでしょうか?お願いします!!」

涙を流し、深々と頭を下げる翼の姿に会場中から拍手が巻き起こる。

観客「俺も出すぞ、手術費!……そんなにいっぱいは出せないけどよ」「俺も!」「私も!」

翼「みなさん!ありがとうございます!でも実はこの話、三杉くんには了承を取ってないんです。
  連絡先を知らないんで、テレビ局の方で連絡取ってもらえませんか?」

931 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/07(日) 01:17:49 ID:eqB59LiE
その後、テレビ局は三杉の家族と連絡を取り、この話を美談として大々的に特集を組んだ。

三杉(ありがとう、翼くん。おかげで僕の計画はだいぶ早まったよ。この件のお礼はこれから
   協力していくってことでいいのかな?)


なお、翼が流した涙には秘密があった。あの時、翼の指にはメンソレータムが塗ってあり、目の
下をこすることで自然と涙が流れるように細工されていたのである。

共『よくやった、翼。さっき、見上ってオッサンが言ってた全日本中学生選抜チームとやらで
  大きなアドバンテージを得られたぞ』

翼『なるほど、こうやるんだね』


***
三杉の感情が 三杉→(恩人)→翼 に変化しました。
井沢、滝、来生の感情値がそれぞれ+1されました。
感動的なスピーチで世間を巻き込み、支持率が+3されました。

932 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/07(日) 01:36:06 ID:eqB59LiE
そして、全国大会が始まった。誰もが注目する、昨年王者の南葛中学の初戦の相手は大阪代表、
東一中だった。試合前のミーティング……

森崎「東一中は侮れないチームらしい」

石崎「あん?」

イチャモンをつけてきそうな表情の石崎が口を開く前に森崎は一枚のノートを取り出し、皆に
説明しだした。

森崎「骨川に調べさせた所、東一中は先制逃げ切りを得意とする守備型のチームだと分かった。
   守備型なだけあって攻撃面のタレントに欠ける。前線の主力は、はっきり言って大した
   事は無い」

岩見「なんだ、それじゃあ結局カウンター狙いの弱小チームじゃないのか?」

森崎「ここまでならな。守備型と言っただろう?フォーメーションこそうちと同じく4−3−3だが
   むしろ実質的に4−5−1と言って良い位FW・MFが積極的に守備参加し、遅攻を得意と
   するチームなんだ。しかもチーム全員がDFとして通用する程守備が上手い。GKの辻も
   俺には劣るだろうが中々の実力者と聞く。実際に大阪県予選では全試合無失点で 優勝した
   そうだ」

滝「なるほど…それは確かに厄介そうだな。焦って攻め過ぎると不味い事になりかねない」

森崎「まだあるんだ。リベロの早田誠……こいつが一番の曲者だ。東一中でもダントツの守備力を
   持ち、かつ抜群の運動量を生かしてガンガンオーバーラップをしかけ、ミドルシュートを
   得意とする。DFだが実質的なエースと見て良いだろう。一見モタクタしていて中々攻めて
   こない東一中に焦れて相手チームがフォーメーションを崩した途端、奴が凄い勢いで駆け
   上がってきてそのまま得点してしまう……と言うのが東一中の必勝パターンの様だ」

933 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/07(日) 01:37:30 ID:eqB59LiE
森崎「これで先制されて、後は逃げ切られてしまったり、無理やり攻めて更にカウンターを
   喰らったりして負けていったチームが多い。これを見てみろ、大阪県予選のデータだ」

長野「どれどれ…ホントだ。0−1とか0−2とかで負けてるチームばっかだ。早田って奴の
   得点も多いな。リベロらしいリベロって言えるかも」

森崎「東一中のデータは以上だ。骨川、ご苦労だった」

骨川「いえいえ、僕も南葛中の一員ですから(笑)」

森崎「総括すると、今日の試合はどちらが先に一点取るかで大きく変わってくると言う事だ。
   うちが先制出来れば良し、逆に先制されると相手に逃げ切りを図られやりにくくなる。
   大した事ないなんて言ってる場合じゃないんだよ、石崎(笑)」

石崎「ぐぐぐ……(怒)」

古尾谷「そうだ、皆、油断しているヒマなど無いぞ。とにかく大事なのはまずこの緒戦を勝つ事だ!
    皆そろそろ体を動かしておけ!!」

森崎たち「はい!!」

その時、翼の頭の中で声が響く。

共『翼、ここだ!ここでいうべきことがある!!』

翼『共!!なんて言えばいい!?』

934 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/07(日) 01:40:57 ID:eqB59LiE
A 東一中のキーマンが早田なら、マークを決めておこう!
B 俺が囮になって早田を引きつけるよ!
C この試合、俺にボールを集めるんだ!
D その他(何かやりたいことがあればご自由にどうぞ)
先に2票入った選択肢で続行します。(投票はageでお願いします)

***
ということで今日はここまでです。

この物語はこんな感じで本スレのストーリーに沿いながら、選択肢を選ぶことで翼の運命を少しずつ
変えていくことが目的です。最終的な目標はジュニアユースで全日本のキャプテンになることです。
1000までに終わらせるためにだいぶ駆け足になると思いますが、どうぞお付き合いくださいませ。

935 :キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw :2010/03/07(日) 01:49:17 ID:Ta625fCI
B

面白い視点ですね。
つばだんさんのスレ末連載は全部面白くて熱い、見習いたいくらいっす。


936 :森崎名無しさん:2010/03/07(日) 02:45:13 ID:lwH59mfg
B 黒いけど カッコイイ翼 最高に、敵に回したくねぇw

937 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:09:09 ID:9PMez4l6
>>935
三杉さん、過大な褒め言葉ありがとうございます。
ですが、三杉さんのスレなんてここから見習うことなどないくらい面白いじゃないですか。

>>936
これまた過大な褒め言葉ありがとうございます!!
***
>B 俺が囮になって早田を引きつけるよ!

翼「みんな、待ってくれ!」

ベンチを出て、フィールドに向かおうとするメンバーを翼が止める。

森崎「おいおい、もう試合が始まっちまうぞ」

翼「すまない、森崎。時間がないのは分かっているが、ひとつだけ聞いてほしいんだ」

森崎「ちっ、早くしろよ(そして空気を読まずに余計なことを言って支持率を下げやがれ!)」

翼「みんな、今日の試合だけど……」

井沢(どうせ俺に集めれば早田を抜いてシュートを決めてやるよ、とか言うんだろ?)

翼「俺が囮になって早田を引きつけるよ!」

森崎・井沢「な、なにィ!?」

古尾谷「どういうことだ、翼?」

翼「骨川、さっき森崎が見ていたデータを貸してもらえるか?」

骨川「は、はい」

938 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:10:09 ID:9PMez4l6
有無を言わさぬ翼の迫力に、骨川もノートを渡す。

翼「……やっぱり。データによれば早田の得点が多い」

森崎「それはさっき言っただろ」

翼「それだけじゃない。早田以外の得点は、ほとんどのアシストに早田の名前が並んでいる」

森崎「!?」

翼「つまり守備の要である早田は、同時に攻撃の起点であり、エースストライカーなんだ!」

古尾谷「なるほどな。翼が早田を引き付けることで東一中のペースを攻守に渡って乱せると」

翼「はい。そしていくら東一中の守備が堅いとは言え、キーマンの早田抜きならウチの攻撃陣の
  方が絶対に上です!……ということで、ゲームメイクは任せたよ、井沢」

井沢「お、おう!そうだよな。これからも翼のマークはキツくなるだろうし、俺たちだけで
   点が取れないようじゃ優勝なんて狙えないもんな」

翼「そういうこと。信じているよ(最後は俺においしいところが回ってくることをね。ニコッ)」

古尾谷「確かにいい作戦だ。よし、それでいこう。しかし、よく気が付いたな、翼」

翼「いえ、これもデータを詳細にまとめてくれた骨川のおかげですよ。ありがとう、骨川」

骨川「え、あ……はい!!」

そして、今度こそ南葛のメンバーがベンチをあとにする。

939 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:11:18 ID:9PMez4l6
放送「さぁ大観衆がみまもる仲注目の一戦、南葛対東一中の試合がまもなく開始されます」

南葛応援団「フレー、フレー、南葛!!」

東一中応援団「かっせ、かっせ、一中!!」

森崎「よし行くぞ皆!!」

南葛メンバー「「「おう!!!」」」

早田「よし、いくか!!」

放送「選手達が入場してきました!両チームとも気合の入った表情です!」

来生「見ろよ、今日も応援団の皆が頑張ってくれてるぜ」

南葛応援団「フレー、フレー、南葛!!王者の誇りを見せてやれ!」

石崎「おう任しとけ!」

小学生時代からの付き合いである応援団員に向かって応える石崎。しかしそんな彼の上機嫌を
ぶち壊しにする男が現れた。

早田「おいてめえら、浮かれてねえで早くしねえか!」

石崎「なにぃ!」

早田「フッ。前回前々回チャンピオンだからってうだうだやってんじゃねえよ。さっさと整列
   しろってんだよ」

石崎「なんだとてめえ!!」

940 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:12:31 ID:9PMez4l6
森崎(ん……顔写真が一致する。あいつが早田か。いきなりな奴だな)」

翼「キミが早田か?」

早田「そうだ。お前は大空翼だな?実際に見てみっと大してでかくねえな。あんたのマークは
   俺がするからよろしくな」

翼「死にもの狂いでマークすることを勧めるよ。無謀にも勝つ気ならならね。どっちにしても
  無駄な努力だけどさ。はははっ」

早田(カチン!)

東一中のメンバー「「「なんやとクラァ!ブッ殺すぞ、手羽先アタマァ!!」」」

主審「やめなさい!キミたち!!」

早田「大空翼。今日の試合、お前の見せ場は絶対につくらせねえぞ」

翼(これで早田が俺のマークから離れることはないだろう。あとは修哲トリオあたりが頑張って
  くれればいいんだけど……それだけがちょっと不安なんだよなァ)

井沢(翼、そこまでして早田を自分に引きつけようと!?俺、お前のことを誤解していたのかも)

早田「おっと、もうひとり挨拶しなくちゃいけない奴がいたな。おい、森崎!キャプテンなのに
   雑魚っぽい顔していやがるな。今日はお前から絶対にゴールを奪ってみせるぜ!俺の全国
   デビューの踏み台としては丁度良い獲物だ」

森崎「……どーも!森崎屋の有三でーすっ!」

941 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:13:42 ID:9PMez4l6
そこから突然、森崎と早田による(面白くない)漫才が繰り広げられ、翼が作った殺伐とした
雰囲気は台無しになった。

森崎「よろしく。良い試合をしよう!」

早田「全力で行くぜ!覚悟しとけ!」

翼(……早田、さっきのやり取り忘れていなけりゃいいんだけど)

※森崎と早田の関係が「魂の兄弟」になりました。
※しかしチームメイト達がひいてしまい、支持率が下がりました。
 森崎チーム内支持率 52→50
※翼の味方を活かす作戦とそのための行動が台無しになりました。支持率の変化はありません。

井沢「も、森崎…あいつが、要注意人物、なんだよな…?」

森崎「おう、攻撃の際はあいつに気をつけろ」

爽やかな笑みを保ったまま言う森崎に、井沢はそれ以上何も言えなかった。

放送「コイントスによりボールは南葛が取った模様です。そして選手がグラウンドに散らばり……
   参加各校注目の第一戦全国中学サッカー大会オープニングゲーム南葛対東一中の試合が……」

ピィイイイイイイィィ!

放送「今開始されましたァ!さあ今ボールを持つこの大空翼くんを先頭に史上初の全国制覇
   三連覇を目指し南葛中学は今その第一歩を踏み出したのです!」

942 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:14:44 ID:9PMez4l6
試合開始直後、滝のパスが早田にパスカットされる。

翼(やっぱり!早田の奴、俺とのやり取りをすっかり忘れてる!!)

ボールを奪った早田は、そのまま南葛陣内に切り込み、左ウイングの井出にパスを出す。井出は
左サイドを駆け上がり、マイナスのクロスを上げる。ペナルティエリア中央に走りこんできた
小野寺に小田と高杉が詰め寄るが……

放送「あっ、小野寺くんこれをスルー!」

高杉・小田「なにぃ!」

早田「よし!いけぇカミソリシュート!!」

ビシィッ!と炸裂音を立て早田の脚から放たれる強烈なミドルシュート。それはギュルギュルと
空を切りつつ南葛ゴールへ迫っていった。

放送「あ〜〜っ、これをオーバーラップした早田くんがシュートだァ!」

放送「キーパー森崎くんとびつく!」

森崎「よし、これなら…なにぃ!?」

ダイブした森崎をあざ笑うかの如く彼の手先から逃げていくボール。一瞬後、ズバァッと大きな
音を立て南葛のゴールネットが揺らされていた。

放送「き…きまったァ!ボールは大きく弧を描き抉る様にゴール右スミに突き刺さったァ!
   これが早田くんのカミソリシュートだ!前半5分王者・南葛早くも先取点を許す結果に
   なってしまいました!!」

943 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:16:04 ID:9PMez4l6
ゴール前に南葛の選手たちが集まる。

森崎「済まん、皆……集めたデータに頼って油断してしまった」

神妙な顔で頭を下げる森崎。ちょうど野次ろうとしていたのか、石崎と高杉が口を開けたまま
固まってしまった。

森崎「あれだけ自信を持ってデータを説明しておきながら、このザマだ……くそっ」

長野「森崎……」

中里「いや、森崎殿ひとりのせいではないでござるよ。拙者達DFも早田をノーマークにして
   むざむざ秘密兵器を出させてしまった責任があるでござる。気に病むことはないでござる」

小田「中里の言う通りだと思う。今のは止められなくても仕方が無いよ」

滝「ああ。俺もボールを取られて相手にカウンターのチャンスを与えちまったしな」

森崎「みんな……」

仲間達の暖かい言葉にグッと来た森崎だが……

翼「そうそう、気にする事は無いさ!1点や2点くらい、丁度良いハンデじゃないか!ハハハ!」

当然、翼が黙っている訳は無かった。

森崎(グッ……それは俺がもう1点取られるって言いたいのか!?)

石崎「そうだぜ!こんな1点何でもない!」

岩見「ああ。すぐに取り返してやろうぜ!」

944 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:17:15 ID:9PMez4l6
翼「そう、その意気だよ!さっきの作戦どおり、俺が囮になるからみんなで2点取ってくれ!」

一同「「「おう!!!」」」

森崎(うぐぐ……翼にいいところ持っていかれちまったじゃないか!!)

放送「さぁでだしに躓いた南葛、エースの翼くんの言葉で気合を入れ直した様です。そして
   例によってボールを持ちゲームを組み立てるのはゼッケン10番大空翼くんです!この
   翼くんをマークに行くのは先ほど1点目のゴールを決めた早田くん!」

南葛応援団「頼むぞ、翼ーっ!」

早田「へへ、1点取りゃ後はお前をマークするだけだ!そしてこの試合は俺達の勝ちよ!」

翼「(よし、きた!)それっ」

早田「くそっ」

南葛メンバー「よし行くぞ!」

放送「早田くんの執拗なマークに会う翼くん。しかし上手くパスを出した!」

古尾谷「(この大会どのチームも徹底した翼マークに来る。それを翼がどうかわし、そしてウチの
    ほかの選手がどう動くかだ)」

岩見「いくぞ!南葛は翼だけじゃない所を見せてやる!」

小田・長野「おう!」

その直後、作戦が功を奏し井沢のボレーシュートで同点に追いつく。

945 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:18:31 ID:9PMez4l6
その後は、両チーム点を得られないまま試合時間はロスタイムを残すのみとなった。

放送「ボールを奪った東一中ですが……おっと、またしてもパス回し!最早点を取る力は残って
   いないのか、PK戦に逃げ込もうとしています!」

長野「あちゃあ……時間稼ぎかよ」

井沢「まあ、これはこれで安心してプレスをかけ……つ、翼ぁ!?」

放送「おおっと南葛早くもパスカット!翼くんが凄いダッシュ力を見せてボールを奪いました!」

翼『共!ここまで我慢したけど、もういいよね!?』

共『ああ、よく我慢した!思いっきりぶっ放せ!!』

翼「うぉおおおおおおおおお〜〜〜っ!!」

ドガッ!!ギュゥゥゥゥン!!!!

早田は飛んだ。今までの努力を無駄にしてなるものかと。山田と辻も飛んだ。俺達はこんな風に
負ける為にここに来たんじゃないと。しかし……現実は残酷だった。

ズバァッ!

放送「……は……はいった!ああっ!この翼くんのシュートゴール頭上をはるかに越えるかと
   思われましたが鋭いドライブ回転がかかりボールは間違いなく間違いなくゴールイン!
   ゴールネットにつきささりましたァ!!」

翼「はいった……」

946 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:19:42 ID:9PMez4l6
来生「あ……や……やったんだ翼!」

石崎「ついに決まったぞ!」

高杉「やった、やった!」

岩見「遂に逆転したぜ!」

南葛応援団「決まったんだ!翼のドライブシュートが遂に入ったんだ!」

翼「やったぞぉおおおおおお!」

その後、わずかな残り時間で東一中は諦めずに攻めたが……

ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイ!

岩見「よし勝ったぞ!」

来生「ふ〜っ、苦戦したな」

小野寺「負けた……」

井手「……」

古尾谷「ふ〜っ、よし。なんとか初戦を飾ったぞ」

決勝点をもぎ取った翼のもとに南葛の選手たちが集まる。

来生「結局、おいしいところだけ持っていきやがって!」

翼「ごめんよ。残り時間が少しだったからPKになる前になんとしても1点ほしかったんだ」

947 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:21:02 ID:9PMez4l6
井沢「謝るなよ。俺たちこそ翼が信じてくれたのに勝ち越せなくて悪かったよ」

翼「そうだね。そこはちょっと困ったよ」

井沢「うっ……(やっぱり翼は翼か)」

翼「だから、宿舎に戻ったらみんなでもう一度連携の確認をしよう!初戦で緊張していたから
  練習どおりのことが出来なかったこともあるだろうし、おさらいだよ!」

岩見「本当にお前って……」

長野「サッカー馬鹿だな」

一同「「「……はははっ」」」

一方、森崎は……

放送「おっとここで激戦を演じた森崎くんと早田くんがユニフォームを交換しています。戦いを
   通じて育まれた友情!これぞ少年スポーツの美しさでしょう!会場からも拍手が降って
   きています!またこの二人の対決を見てみたい物です」

パチパチパチパチパチ……

早田「ちくしょう負けちまったぜ!皆メソメソすんな!胸張って帰ろうぜ!」

東一中メンバー「「「おう!」」」

早田(森崎、すごいキーパーだ。そして、大空翼。アイツの挑発に乗ったせいで攻守のリズムも、
   俺のペース配分も乱されちまった。やるじゃねえか……)

***
東一中戦、終わり。

948 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:37:02 ID:9PMez4l6
そして、南葛中は全国大会を順調に勝ち進み……

ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイ!!

放送「試合終了!南葛、ふらのを下し決勝進出決定!ついにV3へ向けて王手をかけました!」

南葛応援団「勝ったんだ!俺達は勝ったんだ!」

松山「負けた…(皆ともっとサッカーがしたかった……)」

ふらのメンバー(これじゃキャプテンのせいに出来ないよ〜)
(あ〜あ、敗因は個人レベルの戦力差って事にされるんだろうな)
(もうサッカーなんかやらないぞ)(あ〜疲れた、これでやっと帰れる)(早く帰って寝よっと)

グラウンドに手をつき、悲嘆にくれるふらのの選手達。キャプテンと彼のチームメイトたちの
心境は相変わらず平行線だった。

森崎「ツッ……痛みがぶり返してきやがった……明日まで直さないとな」

左肩を抑えながら引き上げる森崎。それを見た松山は、素早く彼に駆け寄った。

松山「森崎、待ってくれ」

森崎「あん?なんだ、俺はさっさとケガの手当てがしたいんだが」

松山「俺の北国シュートでケガをしたんだからな……使い古しで悪いが、これを包帯にでも
   使ってくれ」

自分の鉢巻を差し出し、森崎に渡す松山。それを見てベンチの藤沢美子が声にならない悲鳴を
上げていたが、彼が気付く由も無かった。

949 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:38:07 ID:9PMez4l6
森崎「フン、お前の鉢巻か……折角だから貰っておくか」

松山「随分長い間考え込んだな?」

森崎「洗濯しないと使えないモンをよこされてもなあ」

松山「とことん腹ただしい奴だ……まあいい、これで貸し借りは無しだ。次は必ずお前に勝って
   みせるぞ!」

森崎「ヘイヘイ。そのセリフはもう耳にタコが出来る位聞き飽きたぜ」

最後まで憎まれ口を叩きつつ立ち去った森崎を見送ってから、松山はチームメイト達の方に
向き直った。

松山「さァ、立てみんな!今まで応援してくれたスタンドのみんなに最後の挨拶だ」

小田「えっ……」

加藤「そ、それは止めた方が良いんじゃ……」

松山「何を言っている。さァ、みんな!」

先陣を切って観客席に向かった松山。そんな彼を迎えたのは……

ふらの応援団「この道産子の面汚しめ〜!!」

松山「えっ!?」

ふらの応援団「10人の相手に反則しまくった挙句、逆転されただけで諦めやがって!」
「わざわざ北海道から応援に来た俺達を裏切りやがったなァ!!」

950 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:39:10 ID:9PMez4l6
観客「よくも井沢くんの甘いマスクを傷物に!」「なにがふらのの爽やか旋風よ!」
「あれだけ反則してなんでレッドカードが出ないんだ!」「翼と森崎までケガさせやがって!」
「南葛が東邦に勝てなかったらお前らのせいだからな!」

ビュッ!ヒュッ!カンッ!カキンッ!

松山「い、いてっ、いててっ!わああ〜、なんでこうなるんだあ〜!?」

放送「皆様、フィールドに物を投げ込むのはお止め下さい!繰り返します、フィールドに物を
   投げ込むのはお止め下さい!」

弥生「あ、あわわわ……なんてことに」

三杉「不可抗力と言っても、あの試合内容じゃねえ……集団心理とは恐ろしい」

日向「おっ良いぞ!おい反町、もっとコーラ缶買ってこい!」

反町「ちょっ、参加する気ですか!?」

会場の異常な雰囲気に、南葛の他の選手と同じように翼も呆気に取られる。

翼「な、なんだァ!?」

951 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 18:40:13 ID:9PMez4l6
翼『と、共!どうすればいい!?』

共『そうだな……』


A しょうがねえ。松山を助けてやるか。
B 巻き込まれるのも面倒だ。さっさと帰るぞ。
C その他(何かやりたいことがあればご自由にどうぞ)
先に2票入った選択肢で続行します。(投票はageでお願いします)

952 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 18:42:01 ID:0VHHIlA6
C そんなことより石崎君が心配だ

953 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 18:44:40 ID:6pRShW1c
A

954 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 18:49:31 ID:TxinMR9A
C参加する

955 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 18:50:05 ID:QY+Rv+lE
A

956 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 18:51:56 ID:eIPx0Bh2
C そんな事より森崎の(精神的な)状態が心配だ。

957 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 20:06:14 ID:EOHfGUN+
A

958 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 20:11:00 ID:9PMez4l6
>A しょうがねえ。松山を助けてやるか。

共『しょうがねえ、松山を助けてやるか。アイツは味方にしておいて損はない』

翼『うん』

共『松山のところに行って、俺の言うとおりにしゃべるんだ。物が飛んでくるからぶつかって
  怪我するようなマヌケなことはするなよ』

共に言われたとおり松山の前まで走っていき、両腕を広げて立つ。

翼「やめてください!みんな、落ち着いてください!!」

松山「つ、つばさ……」

翼「確かに、ふらののプレーは荒っぽかったかもしれない!でも、俺たち南葛だって反則を
  犯している!反則して相手を止めることはもちろんいいことじゃない!だけど、反則には
  きちんと制裁が行われる、審判の手で!そこでお互いに切り替えなくちゃいけないんだ!」

翼の言葉に観客の汚いヤジは半分くらいになる。

翼「それに、北海道代表のふらのが全国でベスト4まで進むことがどれだけ大変なことなのか
  みなさんは分かっていますか!?秋の終わりから春先までグラウンドを雪に覆われてしまう
  悪環境の中、自分たちで工夫してここまできたんだ!彼らの努力は褒められこそすれ、誰も
  責めることなんて出来ないはずだ!」

松山「翼、お前……」

松山の頬を涙が伝う。

959 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 20:12:18 ID:9PMez4l6
翼「みなさんもサッカーのファンなら、そしてふらのの応援団ならば拍手で彼らを見送って
  あげようじゃありませんか!!」

観客「……そうだよな」「全国ベスト4まできてブーイングじゃかわいそうだわ」
「言われてみればベスト4ってすごいもんなぁ」「ああ、よっぽど努力しなくちゃこられないよな」

パチパチパチパチ……

観客席のブーイングが拍手に変わる。

翼「みなさん、ありがとう!!」

松山「翼、ありがとう」

涙を流した松山が、翼に握手を求める。

翼「気にしないで。俺はサッカーを愛する仲間が理不尽に罵られるのが嫌だったんだ。それに
  松山くんはいい奴だしさ(ニコッ)」

松山「翼ぁあああああ!!!!!!!」

翼が握手に応えようとした手を無視して松山が抱きついてくる。

翼「はははっ、松山くん。俺にはそういう趣味はないよ」

松山「あ、悪い。つい……」

改めて握手をかわす2人に観客席からもう一度大きな拍手が送られる。

松山(ありがとう……翼!)

960 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 20:13:38 ID:9PMez4l6
観客席の一角……

反町「コーラ買ってきましたァ!!」

日向「もう遅いんだよ!このノロマ!!」

反町(だったら自分で買ってくればいいじゃねえか、この黒肌豚野郎!!)

日向「さっさと寄越せ!」

反町から缶コーラを1本奪い取り、プルタブを上げ、飲み口を開ける。

プシュゥウウッ!!

日向「ぶべらっ!!」

盛大に泡が吹き出し、日向の顔面に思い切り炸裂する。

日向「……反町ィ!!」

反町(だって、走ってきたんだからしょうがないじゃないか!!)

日向「全くもって使えん!!」

反町(いつか覚えてろよ!でも、出来れば俺はさっさと忘れてしまいたい)

こうして南葛対ふらのの試合は多少のトラブルもあったがなんとか収集をつけ幕を閉じた



かに思われたが……

961 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 20:15:19 ID:9PMez4l6
場面は変わって南葛ベンチ。満身創痍の選手達がぐったりとなっていた。

その中で、森崎は松山にもらった鉢巻を調べていた。


[>どうぐ

[>まつやまのはちまき

[>つかう

もりさきは まつやまのはちまき をつかった!
はちまきには しろいいとで めだたないししゅうが
ほどこされていた。

I LOVE YOU

とぬってある…

でろでろでろでろでろで〜ろ♪

[>どうぐ

[>まつやまのはちまき

[>すてる

もりさきは まつやまのはちまき をなげすてた。

※森崎の松山に対する感情が「変態!」になりました。

962 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 20:16:44 ID:9PMez4l6
その様子をこっそり見ていた者がいた。翼である。

共『翼、見たか?』

翼『うん。森崎が松山くんにもらったハチマキを捨ててたね』

共『何かあるぞ。帰るのを最後にして、あのハチマキを調べよう』

翼『了解!』

そして他の部員が片づけを終え、その場からいなくなったのを見計らい翼は床に落ちている
ハチマキを手に取った。

翼『こ、これは!?』

真っ白なハチマキには白い糸で「I LOVE YOU」と刺繍されていた。

翼『どういうこと?』

共『ふーん……これは面白くなってきたな』

963 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 20:17:46 ID:9PMez4l6
翼『どうする?』

共『ここは……』


A ハチマキを証拠に松山はホモで、森崎とデキてると噂を流す。
B ハチマキを持って行って、松山にこの刺繍について教えてやる。
C 森崎に「忘れ物だよ。モテる男は大変だねえ」と言いながら渡してニヤニヤする。
D その他(何かやりたいことがあればご自由にどうぞ)
先に2票入った選択肢で続行します。(投票はageでお願いします)

964 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 20:18:32 ID:0VHHIlA6
A

965 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 20:22:27 ID:6pRShW1c
B

966 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 20:23:26 ID:eIPx0Bh2
D ふらののマネージャーに「松山君にはもっとハッキリ言わないと伝わらないよ」とアドバイスする

967 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 20:26:01 ID:EOHfGUN+
B


966も捨て難いが

968 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 20:26:16 ID:TxinMR9A
B

969 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 21:27:45 ID:9PMez4l6
>B ハチマキを持って行って、松山にこの刺繍について教えてやる。

共『この刺繍、誰がしたか分かるか?』

翼『え、松山くんじゃないの?松山くんがホモで、森崎に愛の告白をしたんじゃ?』

共『ハァ……翼、「ば」で始まって「か」で終わる2文字の言葉って分かるか?』

翼『ば……か……バカ?』

共『お前のことだ。自分でそんな刺繍をしたハチマキを、森崎に渡すためとはいえ試合の間、
  自分で巻いてると思うか?』

翼『……考えにくいね』

共『そもそも昨日、松山と会った時にアイツが森崎を嫌ってるのは分かっただろう?』

翼『うん。っていうか、そういう風に話をもっていったんだよね』

共『これは松山に好意を持っているマネージャーがこっそり刺繍しておいたってところだろ』

翼『じゃあ、松山くんは……』

共『ああ。気付いていなかったんだろうな。このままじゃ松山は乙女心を踏みにじった最低な
  奴として地元で酷い目に遭う』

翼『いや、そこまではないんじゃ……』

共『ああ、さすがにそれは冗談だ。でも、これを返してやればまた恩が売れるって話さ』

970 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 21:29:04 ID:9PMez4l6
会場をあとにするふらのの選手たちの集団に走って追いついた翼は松山を呼び止める。

翼「松山くん!よかった、間に合った」

松山「翼……」

翼「ちょっと時間あるかな?」

ふらのの選手たちの列から松山を連れ出すと松山にハチマキを渡す。

松山「これは俺が森崎に渡したハチマキ……なんで翼が?」

翼「そんなことはどうでもいいんだ。それよりこれ」

ハチマキに白い糸で刺繍された「I LOVE YOU」の文字を見せる。

松山「なにィ!?」

翼「全く、これに気付かないなんて松山くんはドジだね」

少し離れたところにいたマネージャーに聞こえるように大きな声で翼が言う。

松山「あ、ああ。気が付かなかったよ」

翼「もっと大きい声で言った方がいいよ。マネージャーに聞こえるようにね。誤解を解かないと」

松山「ああ。『こんな刺繍、気が付かなかった!!』」

翼「うん。これでもう大丈夫なはず。これからはもう少し周りに気を使った方がいいよ」

共『自分のことを棚に上げてよく言うぜ』

971 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 21:36:55 ID:9PMez4l6
数分後、レギュラー+主なベンチ要員がレギュラー用の寝室に集まっていた。

森崎「全員集まったか?ん、小田が居ないな?」

岩見「探したけど居なかったんだ」

井沢「旅館の受付の人が外に行くのを見たってさ」

森崎「ふーん。まあ居ない奴はしょうがないな。じゃあミーティングを始めるぞ……」

ゴクリ、と皆が唾を飲み込む。

森崎「いよいよ決勝戦だ……ここまで強敵ばかりだったが、東邦は更に強いと思って良いだろう」

滝「サッカー雑誌を立ち読みしてきたんだけど、大抵は互角か6−4で東邦有利って予想してたぜ」

高杉「日向の存在がな……あいつとやるとそれだけで怪我人が出るっていうのに、こっちは
   既に怪我人続出してるし」

長野「俺は今日休ませてもらった分、明日はバッチリの状態で行けるぜ」

来生「後は若島津だよなー。俺か翼以外だと正直、点を取れる可能性は低いだろ」

山森「中盤は沢田だけですからうちが支配出来ると思うんですが……日向さんが守備参加したら
   余裕は無くなりそうですね」

中里「反町の存在も忘れてはならんでゴザル。奴は中々の実力者と見た」

翼「一番の問題は、日向くんが登場した事で準々決勝以前のデータが何の役に立たなくなった事だ。
  まるで別のチームになってしまった……ビデオでも無い限り、細かい対策を練れない」

972 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 21:38:00 ID:9PMez4l6
森崎「嘆いていても意味が無い。付け焼刃で何処まで出来るかわからないが、俺達のコンビ
   ネーションを高めるしかないだろう」

岩見「……あるぞ。付け焼刃でもコンビネーションを大幅に高められる方法が」

えっ、と言う雰囲気と共に岩見に視線が集まる。これまで以上に真剣な表情をしている岩見は
ゆっくりと切り出した。

岩見「森崎……翼……お前らなら分かっているだろう。何をすればいいか、何をするべきか」


A 「俺と森崎に手を組めってこと?」
B 「……」森崎の出方を見る。
C その他(何かやりたいことがあればご自由にどうぞ)
先に2票入った選択肢で続行します。(投票はageでお願いします)

973 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 21:44:00 ID:EOHfGUN+
B

974 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 21:44:20 ID:6pRShW1c
A

975 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 22:01:07 ID:io81LfTE


976 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 22:46:44 ID:9PMez4l6
>B 「……」森崎の出方を見る。

翼「……」

森崎「俺と翼に手を組めってのか?」

南葛メンバー「!!!!」

禁断の話題に移った事で、場に稲妻の様な緊張感が走った。だが岩見はあくまでも落ち着いて
続けた。

岩見「お前らが小学生時代から仲が悪いのは俺だって知っている。だが、日向に負けるのと
   どっちが良い?日向に日本一を横取りされ、V3をフイにされ、この大会の後のJrユース
   選抜ででかい顔をされるのとどっちが良い?何も親友になれって言う訳じゃない。ただこの
   試合に限り、わだかまりを捨ててベストの選択肢を選べって事だ」

翼・森崎「……」

岩見「……俺は優勝したい。それは皆も、そして毎日応援してくれた応援団も同じだろう。南葛の
   優勝を見たい人たち……南葛の全生徒。先輩達に後輩達。観客の中の南葛ファン……そして、
   今まで戦ってきたライバル達の為にも、俺は優勝したい。今まで我関せずの態度を取ってきた
   俺が言うのは虫が良いと分かっているが…頼む!森崎、翼!東邦を倒す為にはお前達の協力が
   絶対に必要なんだ!」

畳に打撃音が響く程勢い激しく土下座する岩見。寝室内にどよめきが走った。

山森「い、岩見先輩、そこまでしなくても!?」

977 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 22:48:15 ID:9PMez4l6
岩見「いいや!俺は森崎と翼が協力関係を結ぶまで頭を上げないぞ!」

南葛メンバー「岩見、お前……」「そこまでして……」「も、森崎!翼!」

森崎「……だ、そうだが?翼」

翼『……どうする、共?』

共『そうだな……』


A 「コンビプレイの練習をしよう、森崎」と言わせる
B 「日向くんに負けるよりはまだマシか…」と言わせる
C 「お互いの邪魔をしない。それが最大限の譲歩だよ」と言わせる
D 「駄目だ。無理に協力しようとしたって逆効果だ」と言わせる
E その他(何かやりたいことがあればご自由にどうぞ)
先に2票入った選択肢で続行します。(投票はageでお願いします)

978 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 22:50:55 ID:HM6upNaQ


979 :森崎名無しさん:2010/03/08(月) 22:54:10 ID:OuNgOIFY
A

980 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 23:12:36 ID:9PMez4l6
>A 「コンビプレイの練習をしよう、森崎」

共『翼、お前はこう答えればいい』

翼「コンビプレイの練習をしよう、森崎」

オオオオオオオオ…寝室内がざわめいた。

森崎「お前とコンビプレイねえ……」

翼「ある意味、俺達ほどお互いをよく理解しているコンビは居ないと思うよ」

森崎「フン、しょうがない。今回だけ力を貸してやる。夕飯の一時間後、近所の公園で練習だ」

ガシッと手を握り合う二人。勿論握力は全開だったが、それでも二人が握手したのは事実だった。

岩見「有難う、森崎、翼!」

森崎「さて……それじゃ、後はおおまかな作戦だけでも決めておくか…」

チームメイト達の方へ向き直る森崎。そこに早苗がやってきた。

早苗「みんな、取り込み中悪いんだけれど……お客さんよ」

森崎「ん?」

翼「誰なんだい?マネージャー」

三杉「僕だよ」

早苗の後ろから現れたのは誰であろう、三杉淳その人であった。三杉は打倒・東邦、打倒・日向の
策を南葛に授けにきたのである。

981 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/08(月) 23:15:15 ID:9PMez4l6
作戦会議が終わり、小田が実家の寿司屋から届けてもらった特上寿司20人前を全員で食べると
翼は宿舎を出て近くの公園に向かう。

翼・森崎「「……」」

公園で予定通り出会った森崎と翼は、しばらく沈黙を保っていた。

森崎「フン」

翼「今更言う事も無いだろう?」

森崎「いや……あるさ。俺はてめぇが大嫌いだ」

翼「奇遇だね。俺もお前の事が目障りで仕方が無いよ」

森崎「……練習を始めるか」

翼「ああ…あまりハードな物は出来ないけどね」

ポンッ、ポンッ、ポンッ、ポンッ。

日が落ちた公園に、軽快なパスの音が響いていった……



チュンチュン……チチチ……

決戦の日は来た。

***
分岐がありませんが、今日はここまでです。お付き合いありがとうございました。
1000までにどうやって終わらせるか考えるので。出来れば990くらいで終わらせたいですねえ。

982 :森崎名無しさん:2010/03/09(火) 00:35:42 ID:???
乙でした!!

983 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/09(火) 22:09:40 ID:eSkm1TkM
>>982 乙感謝です。

***
古尾谷「皆、おはよう。体調は良い様だな。さて、作戦会議はもう自主的に行ったらしいな。
    ならばワシから言う事は何も無い。相手は東邦学園、そして日向小次郎が出てくる。だが
    お前たちならば必ず勝てると確信している。自信を持て、我々は王者・南葛なのだ。さァ
    今日も全力で行こう!」

南葛メンバー「「「はい!」」」

古尾谷「森崎、キャプテンとして最後に何か無いか?」

森崎「そうですね……」

森崎は部員たちの方に向き直す。

森崎「大友中、東一中、花輪、比良戸、ふらの。数々の強敵たちが俺たちの覇権を脅かさんとし、
   そして敗れて行った。何故だ?それは俺達が最強だからだ!誰よりも強く、決して負けない!
   それが最強無敵の唯一の証明手段だ!俺は負けない!だから南葛も負けないんだ!今日も
   それは変わらない、東邦もまた俺達の前に破れる!歴史は勝者によって作られる。さあ、
   伝説を築きに行くぞ!敵は全て倒す!日本サッカーは俺達が支配するんだ!」

南葛メンバー「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」

森崎と共に拳を突き上げる選手達。勿論、高杉、石崎などは渋々であったが。

古尾谷(森崎らしいスピーチだな……野心とそれを満たす為の自信。それは多くの敵を作って
    いくだろう。だが敵を恐れない勇気でもある。あいつが何処まで行けるのか……直接
    見守れるのは今日が最後か)

森崎の演説で士気を高めた南葛は堂々と戦場へ向かった!

984 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/09(火) 22:11:06 ID:eSkm1TkM
共『翼、今の森崎の演説は覚えておくといい。自信と演出が過剰ぎみだが、それでも聞く者の
  心に訴えるものがある。スポーツをやっている者なんて誰でも人より少しでも上にいって
  やろうという野心の持ち主。だからこそ、さっきの森崎みたいな言葉が心をとらえる』

翼『……うん』

共『フッ。不満そうだな。大嫌いな森崎の真似をしろって言われたのがそんなに気に入らないか?』

翼『……別に』

共『森崎を嫌うのは構わん。だが、アイツから学べることは全て学び、盗めるものは残さず盗め。
  それをそのまま使えと言っているんじゃない。お前の中で昇華して自分のものにするんだ』

翼『……』

共『小学生の頃はいるのかいないのか分からないような奴だった森崎が、いつの間にかお前から
  キャプテンの座を奪うまでに成長した。翼が森崎を嫌うように、アイツもお前のことを
  嫌っている』

翼『光栄だね』

共『だからこそ、森崎はお前のことを観察し、お前の真似をしたり、お前に足りないものを
  自ら取り入れたりしていった。そして、今の森崎がいる』

翼『……』

共『お前だって頭のどこかではもう分かっているはずだ。自分の最大のライバルが森崎だって。
  だが、つまらないプライドが邪魔をしてそれを認められない。このままじゃいつになっても
  森崎の「上」には立てないぞ』

985 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/09(火) 22:12:09 ID:eSkm1TkM
翼『森崎の「上」……そうか、今の俺は森崎の「下」にいるんだよな』

共『(まあ、あんまり上とか下とかは意味がないことだと思うが、翼には厳しくしておかんと。
  最近は色々と上手くいき過ぎていたしな)そうだ。それを認めよう』

翼『うん』

共『そして這い上がろう』

翼『うん』

共『身近に超えるべき壁がある。こんなに嬉しいことはないと思わないか?』

翼『……うん、そうだね。よし、俺は森崎を超える!そのためにこれからも色々と教えてくれよ!』

共(これからも……か)

翼『共?』

共『あ、ああ!厳しくしてやるから覚悟しておけよ!っていうか、俺にばっかり頼ってないで
  たまには自分で考えろよな』

翼『これでも自分では色々考えてるつもりなんだけどなぁ……』

共『考えていても、お前はアレだからな?アレってなんだか分かるか?』

翼『バで始まってカで終わる2文字の言葉だろ?ひどいなぁ』

共『はははっ。少しは利口になったじゃないか』

翼『ちぇっ』

986 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/09(火) 22:13:53 ID:eSkm1TkM
南葛対東邦の決勝戦は日向のキックオフゴールで幕を開ける。その後、南葛が追いついては
東邦が引き離し、再び南葛のゴールで同点になったところで前半が終了する。後半になっても
どちらのチームもなかなか主導権を握れなかったが……

後半15分、森崎のオーバーラップから南葛にチャンスが巡ってくる。

超モリサキ「翼ァ!こっちへ来やがれ!」

喧嘩腰に翼を呼び寄せる森崎。それだけで翼は森崎が何をしたいのか分かった。

翼「良いだろう……タイミングは俺が合わせる!やるぞ、森崎!」

ダッ!

放送「おっと、翼くんPAの外へ出ました。ドライブシュートを再度撃つ気か?しかしボールは
   依然森崎くんがキープしています」

日向「翼の奴、森崎と何をする気だ?」

放送「森崎くんボールを蹴り上げた…がこれはパスではありません、位置をほとんど変えずに落ちて…あああっ!?!」

吉良「そ、そんな話は聞いておらんぞォ!?」

日向「う、うそだっ!!」

合わせ鏡の様に対になった森崎と翼が、全く同時にそれぞれ右足と左足を振り上げる……!

森崎「翼!位置取りが甘いっつってんだろうが!俺まで蹴るつもりか!?」

翼「俺にタイミングを計ってもらっている癖に文句言うな!」

987 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/09(火) 22:15:12 ID:eSkm1TkM
〜回想シーン・昨夜の公園〜

パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ!

並木の間にボールを通し、ノートラップワンツーを続けながらダッシュする二人。見事な高速
コンビネーションが展開されていたが、翼はまだまだ余裕そうなのに対し森崎は汗だくで息が
切れていた。

森崎「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」

翼「どうした森崎。もうヘバったのか?(そうだ、凡人のお前が天才の俺についてこれる訳が
  無いんだ。なのに……)」

パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ!

森崎「ふ、ふざけんな。俺は……ハァッ、ハァッ、生温過ぎて退屈しているんだよ」

翼「そうか、じゃあテンポを上げるぞ(なのに何故お前は俺に勝とうとするんだ?何故俺の下に
  つく事を良しとしない?)」

森崎「の、望む、ハァッ、所、だ……!」

パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ!

翼「そろそろ決めるぞ……このボールを浮かせろ!(何時か聞き出してみよう。お前を屈服
  させた時に……!)」

森崎「お、おれに命令すんじゃねぇ……キャプテンは俺だ!」

森崎によって上げられたボールが、二人の間の位置にゆっくりと落ちてきた……

988 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/09(火) 22:16:56 ID:eSkm1TkM
合わせ鏡の様に対になった森崎と翼が、全く同時にそれぞれ右足と左足を振り上げる……!

〜回想シーン終了〜

バシュウウウウウウウウウウウウウッ!!

放送「ふ、ふ、二人同時にシュートだァ〜〜〜っ!!森崎くんと翼くんのまさかのコンビプレイ〜っ!!」

若島津「や、やっぱりィ〜〜〜ッ!?」

ズバァッ!ドタッ…

横に一回転させられ崩れ落ちる若島津を他所に、ボールはゴールネットを貫いてからようやく
止まった。

ピィイイイイイイイイイイ!!

放送「ゴ、ゴール、ゴールゴールゴォオオオオオオオオオル!!翼くんと森崎くんがほぼ同時に
   放ったシュートが東邦の守備網ごとゴールネットを突き破り3点目を南葛に与えましたァ!!
   逆転!2度リードされながら2度追いついた南葛が遂に反撃に成功!後半15分、3−2!
   3−2です!し、しかしこれはどちらのゴールと言う形になるのでしょうか?」

超モリサキ「……くそっ……」

翼(俺の方がキック力があるからな……その差はカーブとして現れるし、俺がタイミングを
  合わせている分、蹴るのも後になるんだ)

989 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/09(火) 22:19:27 ID:eSkm1TkM
放送「ただいまVTRで確認しました!スローモーションでチェックした所、僅かに翼くんが
   一瞬遅れて蹴っています!これは翼くんのゴール、森崎くんのアシストとなります!」

超モリサキ「ちっ、結局おいしいところはお前が持っていくのかよ」

翼「どっちの得点とか関係ないよ。俺たち南葛が東邦からリードを奪った。今、意味があるのは
  それだけだ。ここから逆転されれば、負けたチームのただの悪あがきの1点になるんだからね」

超モリサキ「お前はバカだな。この俺様が東邦ごときに3点目を奪われるわけねえだろ」

翼「そうだね。……信じてるよ、森崎」

超モリサキ「拍子抜けだな。バカとか言われて食ってかかってくるかと思ったけど」

翼「へへっ、『バカ』なら言われ慣れてるからね」

超モリサキ「ハァ???」

翼「いや、なんでもないよ。早く戻ろう。これ以上は遅延行為と取られかねない」

超モリサキ「ふんっ、指図すんじゃねえぇ……キャプテンは俺だ!」

翼「はいはい、分かりましたよ。キャプテン殿」

超モリサキ「分かればよろしい」

共(そうだ、翼。それでいいんだ……これで俺は……)

この1点が決勝点となり、東邦を下した南葛中がV3の偉業を成し遂げたのだった。表彰式で
森崎が受け取った優勝旗を、心から誇らしいものに思えたことが翼には嬉しかった。

翼(以前の俺だったら悔しい気持ちであの優勝旗を見つめていたんだろうな……)

990 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/09(火) 22:20:51 ID:eSkm1TkM
そして、大会のMVPは……

放送「今大会のMVPは……南葛中MF、大空翼くんです!!」

森崎「んなっ……なにィ〜〜!!?」

驚愕に目を見開く森崎。

翼(森崎、これでひとつ借りは返したよ。そして、ジュニアユースでは俺がキャプテンの座を
  掴みとってみせる!!)

翼は、森崎にキャプテンの座を奪われて以来、自分が『共』といっしょに重ねてきた努力が
間違っていなかったという確かな手応えを感じていた。

翼『ここで手放しで喜んでいちゃダメだよね、共?これからが本番だろ?』

頭の中のもうひとりの自分に語りかける翼。

翼『……共?』

しかし、彼からの返事はない。

翼『寝てるのかな?まあ、いいや。あとで話そう……』

こうして全国大会は見事、南葛中のV3で幕を閉じた。

991 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/09(火) 23:10:50 ID:eSkm1TkM
その日の深夜。V3の興奮も落ち着き、ようやく眠りにつきそうだった翼の意識は、自身の奥に
向かっていく。

翼(この感覚は……そうだ、共と初めて会った時と同じだ……)

そこは何もない無限に広がる空間。漆黒の闇のようでもあり、また眩しいばかりの光に包まれた
明るい世界のようにも感じた。今の翼を包んでいるものは、冷たい空気であり、暖かい水のよう
でもあった。

共『聞こえるか、翼?……聞こえているな』

翼は返事をしたかったが言葉が出てこない。

共『とりあえず、優勝とMVPおめでとう。よくやったな』

祝いの言葉をかけられているはずなのに、そのいつもと違う優しい口調に翼はなぜか不安になる。

共『今日の決勝戦、お前は最高の精神状態で臨めていたと思う。南葛というチームの、ひとりの
  選手として、自分の役割を全うしようとプレーし、実践できた』

次第に翼はこれが『共』との別れになるだろうことを理解してきた。

共『そして、結果がついてきた。こんなに嬉しいことはないよな?』

何か言わなくちゃ……そう思っても今までのように『共』に話しかけることが出来ない。

共『今のお前ならきっと自分が目指す世界一のサッカー選手になれる。俺と過ごした時間を
  忘れるなよ』

992 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/09(火) 23:34:10 ID:eSkm1TkM
翼『忘れないよ!!』

ようやく翼も言葉を発せられるようになる。

翼『忘れないけど、まだ一緒にいてくれよ。俺はもっと教わらなくちゃいけないことがたくさん
  あるはずだろう?俺はバカだから何も分からないよ』

共『甘えるなよ』

突き放すような言葉だが、その口調はとても優しい。

共『元々は俺とお前は同じ存在だったんだ。俺に出来ることはお前にも出来る。俺が見ていた
  ものはお前が見ていたもの、俺が聞いていたことはお前が聞いていたことなんだ』

翼『……』

共『今のお前なら大丈夫。他の選手とも上手くやれるし、フィールドの外でも誰にも負けない。
  最高の選手を目指すなら、これからは自分ひとりの力で頑張れよ』

翼『元々、共と俺は同じ存在だったんだろ?だったら2人でひとりみたいなもんじゃないか……』

共『……確かにそうかもな。はははっ。まさかお前に言い負かされる日がくるとはな。成長した
  じゃないか』

翼『じゃあ!?』

共『だが、さよならだ。これ以上、俺がいるとお前の体に大きな負担になってしまう。2人の
  心を1つの体に入れるってのは大変なことなんだぜ』

993 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/09(火) 23:35:13 ID:eSkm1TkM
翼『俺の体なら大丈夫だよ!頑丈だし……』

共『ワガママを言うな。何かあってからじゃ遅い。世界一のサッカー選手になるなら体が最大の
  資本だろ?』

翼『で……も……』

再び翼は言葉を発せられなくなる。

共『全国大会の疲れだな。こうやって俺と話をするだけでもかなりの体力を使うんだ。もう体が
  耐えられないってサインを出してるんだよ』

「そんなことない!」と叫びたかったが翼はもう何も言えない。

共『お前といた数ヶ月、楽しかったぜ。弟が生まれたらこんな感じなのかもな』

次第に『共』の声が遠くなっていく。

共『ここ……まで……みたい……だな……翼……さよなら……だ……』

その瞬間、翼の意識は睡眠という暗闇に落ちていった。



次の日、翼はいつもより早い時間に目を覚ました。体は軽い。どうやら試合の疲れはすっかり
取れたようだ。そのせいか、心もいつもより軽い気がする。何か大切なことを忘れている気も
するがきっと気のせいだろう。朝食にはまだ時間がある。翼はボールを抱えると部屋を出た。

翼「母さん、朝ご飯までちょっと練習してくるね。いってきまーす!(いってきます、共!)」

994 :スレ末連載『キャプテン羽田共』:2010/03/09(火) 23:36:20 ID:eSkm1TkM


   『キャプテン羽田共』 〜完〜

995 :森崎名無しさん:2010/03/09(火) 23:40:14 ID:???
  ∧∧ ミ ドスッ
  (  ) _n_
  /  つ 乙 |
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      ゙゙゙゙

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