キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【真・東洋の】キャプテン森崎36【守護神】

1 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/27(土) 12:17:08 ID:thPpn4g/
キャプテン森崎は、高橋陽一氏作のサッカー漫画「キャプテン翼」の二次創作です。
大空翼に代わって主人公になった森崎有三を読者の投票によって操作していき、
他のキャラクター達と交流を深めながらサッカー選手として大成するのが目的の
読者参加型企画です。いわゆるゲームブックを想像して頂ければ分かり易いかも。

基本は毎回出る選択肢の中から読者が投票によってどれかひとつを選ぶ事によって
森崎の各数値が上下したり結果が分岐し、その結果によって森崎が活躍したり
しなかったりして物語が進んでいく…といった展開です。例えば敵にシュートを撃たれたら、
森崎の能力値+ある程度のランダム要素によってゴールを守れたり守れなかったりします。

投票や判定では2ch式(注:似ているだけで2chとは別サーバー)の掲示板で
ID付の投票書き込みを行ったりスクリプトでカードやダイスを引いてもらったりします。

過去スレのログはこちらのまとめページで見られます↓
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/11.html

ミス指摘、質問以外の雑談は下のURLの雑談スレでお願いします。
本スレでも更新毎に30レス程度までの反応レスなら問題無しとしています。
尚、30レスを超え雑談スレへの誘導が始まったら速やかに誘導に従って下さい。それがルールです。
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1266421492/l50
2ちゃんねるとは別の場所の板なので、ブラウザによっては外部板登録が必要です。
なんらかの理由で雑談スレが落ちている時は、本スレでも遠慮なく雑談をどうぞ。

【前スレまでの簡単なあらすじ】
第一回フランス国際Jrユース大会でMVPとなった若き日本サッカー界の星、森崎有三!
サッカー王国ブラジルのプロへの登竜門と言われる大会、リオカップへ挑んだ彼は
宿敵大空翼率いるサンパウロFCに1−4と言う大敗を喫してしまった。森崎はリベンジの為に
全日本ユースに合流しジャパンカップで強敵ウルグアイユースを撃破し決勝戦に駒を進める。
しかし決勝戦の相手は翼とサンパウロFCではなく、彼らを倒したハンブルガーSV!
森崎の怨敵若林源三が守るゴールを破れず、全日本ユースは前半30分0−1で苦戦中。
…こんな感じで話は進んでいます。

233 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 21:14:25 ID:TgR3hYQS
>C 山森に合わせさせる。

超モリサキ「(んー…得点の確率が高いのは日向と三杉だが、この二人は後数分間
守備に使った方が良いかも知れん。警戒もされているだろうし…警戒されていない山森を使ってみるか。
正直望みは薄いが、あいつは入ったばっかりでケガもしていないし)」

超モリサキは予め決めておいたサインで「山森」と指示した。
三杉はほんの僅かだけ頷いてからチームメイトに向き直る。

三杉「僕と日向と山森と岬くんはシュートを狙うべきだと思う。キッカーは…蹴った後すぐに守備に戻れる中里を推奨する」

中里「む?拙者でゴザルか?」

三杉「シュートを撃てと言う訳じゃないんだ。正確に蹴る事位なら出来るだろう?」

中里「ふむ。それ位なら…」

岬「それは良いんだけど、誰に合わせるの?」

三杉「それも考えてある。敵を騙すには味方からと言う事で…中里、耳を貸して」

ボソボソ…

中里「(森崎からの指示でゴザルか…三杉は同室になってから森崎の信頼を勝ち得たのだろうか?)了解でゴザル」

日向「(ケッ、ここでもコーチ兼選手の特権発動か。しかもどうやら森崎に媚を売ったっぽいな)」

次藤「攻撃はそっちに任せるけん、ワシらは守りば固めるばい」

早田「定石通り下がりながら守ろうぜ」

234 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 21:14:39 ID:TgR3hYQS
全日本がFKの打ち合わせをしている頃、ハンブルグ側も誰が誰につくかを小声で決めていた。

若林「(三杉は俺とリンツで防ぐ。日向はマイヤー達だ。この二人さえ抑えておけば失点の危険性は無い)」

マイヤー「(これ以上一点たりともやるものか!)」

メッツァ「(僕はフォローに専念っと)」

放送「どうやら全日本側も相談がまとまった様です。壁を作らないと言う奇策に出てきた
ハンブルガーSVに対し彼らはどんな手を打つつもりなのでしょうか?」

当然と言えば当然だが、ハンブルガーSVはこれまで得点してきた三杉と日向を最も警戒していた。
試合前から集めたデータからしてもこの二人が全日本で一番得点力が高いのは明白だった。
今の彼らに途中出場で入ったばかりの山森を警戒しろなどと言うのは無理な相談だろう。

ピィッ!
ダダダダダッ!!

審判が笛を吹くのとほぼ同時に走り出したのは5人だった。
PAに三方向から駆け込む日向、三杉、岬の3人。
FKを蹴る為にボールに向かって走り出す中里。
そしてその中里を追い越す形で前に駆け込む山森。

若林「(来た!)」

カルツ「(誰で来る!?)」

ブンッ…
ポンッ。

235 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 21:14:52 ID:TgR3hYQS
若林「な…なにィ!?」

カルツ「ヤマモリだと!」

ハンブルグメンバー「えっ、あいつか!?」「しまったノーマークだ!」

中里が蹴ったのは前の3人に合わせるには明らかに弱すぎる緩い球だった。

バッ!

だがワンテンポ遅れた後方から飛び込む山森が合わせるには絶好の球だった。
完全に予想の裏をかかれたハンブルグの選手達は動揺してしまい、
また日向と三杉のマークでPAの外側に動かされていた為反応出来るのは若林だけだった。

放送「ここで撃ちに行くのは…山森くんだァ!伏兵が飛び出してきた!
しかもこのフォームはジャンピングボレー!山森くんの得意技の一つです!」

琴音「きゃー山森くんだわ!山森くんファイトーッ!!」

葵「いっけー、山森くん!」

超モリサキ「お、山森の奴何時の間にあんな技を」

若林「(裏をかいてきやがったか!だがあいつのシュートはそんなに強くない筈!)」

山森「いっけぇえええ!!」

バシュウウウウウウウウッ!!

236 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 21:15:03 ID:TgR3hYQS
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★山森 ジャンピングボレー (!card) 73+(!dice + !dice)=★
★若林 キャッチ (!card) 78+(!dice + !dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→山森のジャンピングボレーがハンブルグゴールに突き刺さる!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(三杉がねじこみに)(日向がねじこみに)(クラウスと岬が競り合いに)
≦−2→若林、キャッチング。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
若林:ダイヤかハートで「とめる!(+3)」

237 :創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 21:17:10 ID:sy4azk9T
ねいさん!
ポブルセンの言葉、ものすごく気になるので後で教えて下さい
「放せ、このクソ審判を殺させろーッ!!」と「何だとこの野郎!」と推測してるのですが、どうでしょう?

238 :創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 21:18:22 ID:zlapmP89
ケンカさんにある人からの怨念フラグが立ったかw

239 :創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 21:23:22 ID:Dzd2sGbX
おねぃさんのノートにまた新たな名前が・・・

240 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 22:11:06 ID:TgR3hYQS
>>237
大当たりです。
実際に口を押さえてそう言ってみると大体そんな感じだと思うので。

>>238-239
琴音は無害ですよ(笑)?精々当たる保障の無いタロット占いと
山森限定の念写しか出来ませんから。

241 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 22:42:20 ID:TgR3hYQS
★山森 ジャンピングボレー ( スペード6 ) 73+( 3 + 6 )=82★
★若林 キャッチ ( クラブQ ) 78+( 5 + 3 )=86★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】≦−2→若林、キャッチング。
-----------------------------------------------------------------------------
ヒュゥウウウウウウウン…!

山森のジャンピングボレーはハンブルグの裏をかくのには効果的だった。

若林「…舐めるな!この程度のシュートがこの俺に通用するか!」

バッ!
ガシッ!

山森「うっ…」

超モリサキ「ありゃ、やっぱりダメだったか。まあいい、どうせもうすぐタイムアップだ」

ただ、いかんせん若林と言う壁を突破するには役不足だった。

放送「しかし若林くんしっかりとキャッチ!3失点したもののその凄さにはやはり疑い様もありません!」

観客「あー…駄目か」「山森も世界レベルで見ると大した事は無いのかな」

琴音「えーーーっ!?なんでなんでなんでーっ!折角山森くんが撃ったのにーっ!」

早苗「(実力差でしょ…そもそも山森くんはガンガン点を狙いに行くタイプじゃないし)」

242 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 22:42:37 ID:TgR3hYQS
若林「俺は守ったぞ!走れグズどもーっ!!」

ダダダッ、バッコォオオン!!

放送「そして若林くんロングキック!既に走り出していたポブルセンくんに渡しました!」

ポブルセン「てめえに俺をグズ扱いする資格はねえ!黙って見ていろ!!」

ダダダダッ!

早田「来やがったぜ!」

中山「プレッシャーを維持しながらラインを下げるんだ!」

次藤「分かっとる!」

石崎「この野郎!さっさとマーダーでもなんでも撃ってこい!」



フライハイト「クライマックスだな」

シュナイダー「1点だけでも入れて欲しいが…」

243 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 22:43:03 ID:TgR3hYQS
見上「(後少し…後少しだ)」

ハンブルグ監督「(意地を見せろ、皆!)」



カルツ「持ちすぎるなポブルセン!ワシもカペロマンも居るんだぞ!」

ポブルセン「失敗しかしねえ奴らは黙っていやがれ!」

カペロマン「お前だって失敗しているだろうが!」

騒々しく怒鳴りあいながら迫り来るハンブルグの三人に対し全日本ユースは
前線の味方が戻る時間を稼ぐつもりでゆっくりとDFラインを下げていった。
しかしやはりPA内でシュートを狙いに行った4人は距離があり過ぎて間に合いそうになく、
止むを得ず早田と中里が全日本陣内真ん中辺りでポブルセンに向かっていく。

中里「追いついたでゴザルよ!」

早田「これ以上行けると思うなよ!」

ポブルセン「どけっ!どかんと殺すぞォ!」

放送「中里くんと早田くんが止めに行った!ポブルセンくんの爆走を止められるか!?」

244 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 22:43:17 ID:TgR3hYQS
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★ポブルセン ドリブル (!card) 71+(!dice + !dice)=★
★中里 タックル (!card) 67+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★早田 タックル (!card) 70+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→ポブルセン、ドリブル突破。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(カペロマンがフォロー)(カルツがフォロー)(次藤がフォロー)
≦−2→全日本ボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
ポブルセン:ダイヤかハートで「フレームドリブル(+4&吹飛係数1)」
中里:ダイヤかハートで「疾風迅雷脚(+2)」
早田:ダイヤかハートで「カミソリタックル(+2)」

245 :創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 23:10:51 ID:zlapmP89
やはり誠さんは格が違った

246 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 23:26:21 ID:TgR3hYQS
★ポブルセン ドリブル ( クラブ3 ) 71+( 2 + 5 )=78★
★中里 タックル ( ダイヤ2 ) 67+( 3 + 4 )+(人数補正+1)+(疾風迅雷脚+2)=77★
★早田 タックル ( ハートA ) 70+( 1 + 5 )+(人数補正+1)+(カミソリタックル+2)=79★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】=−1→ボールはこぼれ球に。そして次藤がフォロー。
-----------------------------------------------------------------------------
ガガッゴッゴッ!!

ポブルセン「ぐ…おおっ!?」
中里「ぬああっ!」
早田「うおりゃーっ!!」

ポーン!

放送「またしてもクロスプレイ!ポブルセンくんの突破ならず!」

今回のポブルセンのドリブル突破は失敗した。如何に効果的な攻撃パターンと言えど
それを何度も繰り返せば余程の実力差が無い限り相手に対処されてしまう。
もしポブルセンがここでカペロマンにパスをする、カルツとのワンツー突破を試みるなどの
選択肢を思いついていれば展開は違っていたかも知れないが、彼はそうしなかった。

一重に彼の弱さ故である。

そしてこの弱さを見て歯軋りせずには居られなかった者が居た。



若林「(結局貴様も失敗続きじゃないか…バカ野郎…!)」

遂にこの時、若林は己の内面から湧き上がる呪詛を抑えきれなくなった。
誰にも気付かれない内に彼の瞳が絶望の黒い炎に焼き焦がされ、溢れる激情で全身が震えだす。

247 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 23:26:50 ID:TgR3hYQS
こんな筈ではなかった。

超モリサキを圧倒した翼に勝った時、彼は確かに超モリサキと言う過去の呪縛を完全に切り払った筈だったのだ。

実際にこの試合の前半までは上手く行っていた。先制点を早い段階で奪い試合を優位に進めていたのだ。
終了間際には日向と三杉にたて続けにシュートされて崩れてしまったが、これに関して彼を責められる者は居ないだろう。

だが後半から全てがおかしくなった。

PKと言う彼にはどうしようもない不運な出来事で失点したのはまだ良い。
味方フィールダー達が悉く失態を重ね、有利だった筈の中盤を制され、得点チャンスをフイにし続けたのは
完全に計算外だったが、それでも彼が鉄壁の守りを維持すればなんとかなっていたかも知れない範囲だ。

しかし3点目はどうにも言い訳のしようがなかった。絶対にやってはいけないダメ押し点を
日向との真っ向勝負で与えてしまったのだ。この瞬間味方の怠慢が敗因ではなくなってしまった。

若林「(どうしてこうなった…!どうしてこうなった…!)」

中里、岬、早田などの絶好調ぶりが試合展開に与えた影響が大きかったかも知れない。
前線に頼れるFWが居ると言う意味で全日本の方がチームバランスが良かったのかも知れない。
この試合を分析する評論家達はそう言った要素に注目するだろう。

だがどんな理屈を持ってしても彼の3失点を超モリサキの1失点よりも小さくする事は出来ない。
この試合だけでは超モリサキ>若林と断定するには早いと主張する者は出てくるかも知れないが、
少なくとも若林を超モリサキより高く評価する者など現れはしないだろう。

若林「(俺は…俺は森崎を蹴落としたんじゃなかったのか…また森崎に負けると言うのか…!!)」

最早ほんの僅かとなった試合時間と限りなく100%に近くなった敗北の気配に飲み込まれ、
若林は今まで押さえ込んでいた絶望と恐怖の渦に人知れず捕らわれていた。

248 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 23:27:04 ID:TgR3hYQS
そんな若林の無言の慟哭も今ボールを追っている者達には知る由も無い。
攻める側も守る側もただただ最善を尽くしているだけだ。

中山「次藤、俺に渡せ!前線に戻す!」

次藤「おう、任せるタイ!」

バコッ!

放送「こぼれ球は次藤くんがフォロー!次藤くんすかさず中山くんに回します」

中山「(岬に届ける!そうすればもう俺達の勝ちだ!)」

グワアッ…

カルツ「まだだァアアアアアッ!!」

ダダダダッ!

中山「なっ…!」

249 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 23:27:18 ID:TgR3hYQS
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★中山 パス (!card) 67+(!dice + !dice)=★
★カルツ パスカット (!card) 69+(!dice + !dice)+(本気モード+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→岬、パスキャッチ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(超モリサキがフォロー)(赤井がフォロー)(カペロマンがフォロー)
≦−2→ハンブルグボールに。

250 :創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 23:41:48 ID:yW7VMHWA
どうしてこうなった

251 :創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 23:48:16 ID:Rn8M4Laf
中山とカルツの気迫の差か・・・

252 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 23:54:16 ID:TgR3hYQS
★中山 パス ( ハート6 ) 67+( 1 + 1 )=69★
★カルツ パスカット ( ハート3 ) 69+( 6 + 6 )+(本気モード+1)=82★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】≦−2→ハンブルグボールに。
-----------------------------------------------------------------------------



カルツ「ドイツ人を…舐めたら…あかんぜよぉおおおおおおっ!!」

バシイッ!

中山「そ、そんな…!」



放送「なっ…こ、これはカルツくん直接足下から奪い取るかの様な強引なパスカット!
中山くんが蹴った筈のボールがそのままカルツくんの足に吸い込まれていったかの様です!
諦めていない!カルツくんはまだ諦めていません!」

観客「な、なにィ!」「す、すげえ根性だ!」「もう勝負は決まっているのに…!」

シュナイダー「!」

フライハイト「良い闘志だ」

ハンブルグ監督「それでこそうちのキャプテンだ…!」

カペロマン「カルツゥ!」

253 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/18(木) 23:54:34 ID:TgR3hYQS
石崎「なんだとォ!?いい加減に諦めやがれ!」
次藤「往生際が悪いにも程があるタイ!」
赤井「(こっちはケガしているってのに…)」

カルツ「じゃかあしい!今のワシのジャマをするなァーッ!!」

ダダダダッ!

放送「カルツくんPA内に切り込んだ!最後の最後まで諦めずに2点目を狙いに行く〜!」
-----------------------------------------------------------------------------
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★カルツ ドリブル (!card) 71+(!dice + !dice)+(本気モード+1)=★
★石崎 タックル (!card) 62+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★次藤 タックル (!card) 67+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★赤井 タックル (!card) 71+(!dice + !dice)+(人数補正+1)+(軽傷LV2ペナ-2)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→カルツ、ドリブル突破。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(カペロマンがねじこみに)(中里がフォロー)(超モリサキがフォロー)
≦−2→全日本ボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
カルツ:クラブ以外で「ハリネズミドリブル(+3&吹飛係数2)」
石崎:ダイヤかハートで「山猿タックル(+2)」
次藤:ダイヤかハートで「パワータックル(+2&吹飛係数4)」
赤井:ダイヤかハートで「クリムゾンタックル(+2)」

254 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/19(金) 00:04:41 ID:HXIYP/AF
★カルツ ドリブル ( スペード10 ) 71+( 5 + 4 )+(本気モード+1)+(ハリネズミドリブル+3)=84★
★石崎 タックル ( クラブ10 ) 62+( 6 + 2 )+(人数補正+1)=71★ *負傷発生!*
★次藤 タックル ( クラブ7 ) 67+( 4 + 5 )+(人数補正+1)=77★
★赤井 タックル ( ダイヤ3 ) 71+( 4 + 3 )+(人数補正+1)+(軽傷LV2ペナ-2)+(クリムゾンタックル+2)=79★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】≧2→カルツ、ドリブル突破。
-----------------------------------------------------------------------------
カルツ「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

ドガッ!
ドガッ!
ドガッ!

石崎「ぐべああっ!」
次藤「ぬがああっ!」
赤井「ちっくしょー!」

放送「カルツくんDF達を蹴散らしたァアア!!ここに来て尚冴えを増すハリネズミドリブルで
とうとう森崎くん以外守りが無くなってしまった!ここでゴールしてハンブルガーSVキャプテンの面子を保つのでしょうか?」

超モリサキ「やれやれ…最後に俺の出番か!」

A ドリブルに備える!
B シュートに備える!

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/3/19 00:20:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  10  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

255 :創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 00:15:37 ID:SP/M1n5M
ねいさん、先程はありがとうございました
密かにポブルセン好きなのでセリフを知る事が出来て俺は超歓喜!

256 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/19(金) 00:27:07 ID:HXIYP/AF
>B シュートに備える!

超モリサキ「…引導を渡してやるよ、カルツ!」

ダダッ!

カルツ「モリサキィ!一矢報わせてもらうぜよ!」

放送「ロスタイム突入と同時に両チームのキャプテンが最後の直接対決!
カルツくんの執念が実るか!森崎くんの貫禄が保たれるか!どっちだ!?」
-----------------------------------------------------------------------------
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★カルツの選択→!card ダイヤかハートでドリブル、スペードかクラブでシュート★
★カルツ ドリブル/ロビングシュート (!card) 71/74+(!dice + !dice)+(本気モード+1)=★
★超モリサキ そなえる (!card) 77+(!dice + !dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→カルツ、ゴールイン!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(カペロマンがねじこみに)(ゴールラインを割り、ハンブルグの右CKに)(早田がフォロー)
≦−2→全日本ボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
カルツ:ドリブル時にダイヤかハートで「ハリネズミドリブル(+3&吹飛係数2)」

257 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/19(金) 00:28:07 ID:HXIYP/AF
訂正。ハリネズミドリブルの発動条件はクラブ以外です。

258 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/19(金) 00:35:01 ID:HXIYP/AF
超モリサキが最後の最後でファインセーブを見せた所で今日はここまで。
また明日お会いしましょう。



今日のキャプ森に関係ない事。
某焼肉の王子様を見ていて思ったのですが、沖縄の人たちって
あれだけ方言バリバリにしゃべるんでしょうか?
若い人たちは標準語の方が使いやすいとかそう言う事情はないのかな…

259 :創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 00:38:36 ID:r5kSb4wP
>>247

___   ⌒)_
/ || ̄ ̄|| γ ̄  `i
|.....||__||  リ     |  どうしてこなた・・・
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
|    | ( ./     /

 ___   ⌒)_  
/ || ̄ ̄|| γノリリハ `i  
|.....||__|| (=ω=.ハ   どうしてこなた!?
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
|    | ( ./     /


260 :創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 00:40:52 ID:wGfV7MAI
優勝乙でした!

大食い競争でデコに肉乗せたら失格になるのは何故だww

261 :創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 12:33:36 ID:eDP80jMW
あれは肉が乗った熱さで外に飛び出して躓いてコケてリタイアだった気がする。

まさか全日本ユースも焼き肉で祝勝会を?!

262 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/19(金) 17:40:10 ID:HXIYP/AF
>>259
そ、そんなAAまであるんですか!(笑)
しまった、シリアスなシーンなのにセリフの選択を間違えた…

>>260
多分高麗胡椒をふりかけて焼いていたんでしょう。
熱いだけじゃなく超肌に悪い激辛ソースがおでこにひっついたら…
まあ、大食いなんかやれなくなるんじゃないでしょうか(笑)

>>261
ネタとしては将来使えるかも?と思いましたが…
乾汁を作ってくれそうなキャラが居ないんですよね。

263 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/19(金) 17:40:35 ID:HXIYP/AF
★カルツの選択→ スペード3  ダイヤかハートでドリブル、スペードかクラブでシュート★
★カルツ ロビングシュート ( ダイヤ4 ) 74+( 4 + 3 )+(本気モード+1)=82★
★超モリサキ そなえる ( ハート8 ) 77+( 6 + 1 )+(読み当たり+2)=86★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】≦−2→全日本ボールに。
-----------------------------------------------------------------------------
ブゥン…

カルツの足がごく自然なモーションで溜めを作り、流れる様な動きで振り抜かれる。

ポーン…

ボールもそれに応える様に軽やかな動きで宙を舞った。

ガバッ!

だがそれがたどり着く先は超モリサキの手中だった。

パシッ!



ビキッ!



超モリサキ「(ぐおおっ!?)」

ズキン!ズキッ!ズキズキズキ…

264 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/19(金) 17:40:48 ID:HXIYP/AF
その時超モリサキの腰は限界を訴えた。今までに無い程鋭い痛みが一瞬にして
全身を走り、すぐに止む筈の痛みが断続的に後を引く。

超モリサキ「(い…いてえ!さ、最後なんだ…堪えろ!我慢しやがれ!大丈夫だ!)」

超モリサキは必死に自分の心と体に訴えた。これが最後なんだ、もう痛んでも良い。
後は休ませてやれる。だからここで俺を裏切るな、ボールを離すなと。

スタッ…

超モリサキの足が地についた時、ボールは彼の手の中のままだった。
ボールをゆっくりと胸に抱き込む動作によって露になった彼の顔は脂汗をかいていたが、
そこに浮かんでいた物は勝利の笑み。ゆっくりと伏せっていくカルツの顔に浮かぶ諦めの表情とは
実に対照的な、自信と達成感に満ち満ちた会心の笑顔だった。

ズキ…ズキ…

超モリサキ「フ…フフ…ざまあみやがれ」

カルツ「………無念だ」

超モリサキ「(痛みが…消えた。大丈夫、俺の腰は大丈夫だ。俺は勝ったんだ!)」



超モリサキガッツ:740→680

265 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/19(金) 17:41:09 ID:HXIYP/AF
放送「森崎くんキャッチ成功!サンパウロ戦で決勝ゴールとなったカルツくんのロビングシュートを
素晴らしい反応でジャンピングキャッチ!両チームのキャプテンの意地の張り合いは
最終的に森崎くんが勝利を収めました!正に日本の、いや、東洋の守護神!森崎有三!!」

ゥゥゥゥゥウウォワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

観客「やった!防いだぞ!」「今度は自分の力で防いだんだ!」「やっぱり森崎は頼りになるぜ!」
『もっりさき!もっりさき!もっりさき!もっりさき!もっりさき!もっりさき!もっりさき!』

琴音「(あー流石森崎くんねー。はーもーどうでもいーわー)」だらだら

賀茂「翼との再試合が実現しなくなった時はどうなる事かと思ったが…
なかなかどうして森崎の奴もしっかり自分を鍛えなおしてきたじゃねえか」

片桐「森崎の最大の強さはあの精神力ですからね。ここに来て集中力を増したのは大した物です」



チャ「…防ぎやがったか。憎らしい程の固さだぜ」

イ「日本にはあの若林と同等以上のGKが居る…頭が痛くなる話だ」



李邦内「森崎有三に死角はないな…」

李邦坤「スタミナが弱点って聞いてたんだけど、ガセだったのか?」

呉「ガセではない。ただ、もっともっと苛烈に攻め続けなければいけないんだろう」

飛「大丈夫かな、俺のヘディングじゃ通用しないんじゃ…」

王「ええい、その弱気癖いい加減直せよ飛!」

266 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/19(金) 17:41:26 ID:HXIYP/AF
オワイラン「この試合を見た事は僕達に取ってかけがえの無い経験だ。自分で日本に来て良かった」

バルカン「打倒全日本ユースの為の情報を山ほど得られたな!」



フライハイト「満足できたか?シュナイダー」

シュナイダー「…ある程度はな。カルツの振る舞いとプレイに不満は無い。だが…」

フライハイト「だが?」

シュナイダー「やはりモリサキとは、そして全日本ユースとは自分で戦いたい。見ているだけなのは拷問だ」

フライハイト「…そうだな。俺も全日本ユースと戦いたくなってきた」

シュナイダー「ワールドユースのクジ運に期待するとしよう」



見上「(森崎は明らかに痛みに顔をゆがめていた。だがプレイに支障は出ていなかった。結局最後まで判断の難しい状態だったな)」

中山「(森崎…やはり、今の俺じゃ力になれなかったんだな。すまない…)」

石崎「(くそっ…なんでこんなに差が開いたんだろう。昔は俺並に下手だったのに)」

次藤「(やれやれ、助かったばい。やはり日本の守護神はわい以外考えられんとね)」

赤井「(いや〜、助かった。この人がGKならマジで世界だって狙えそうだ)」

267 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/19(金) 17:42:05 ID:HXIYP/AF
*ドラマチックなタイミングで1対1のピンチを防いだ為中山、石崎、次藤、赤井の感情値が1上がりました。

超モリサキチーム内支持率:54→56

-------------------------------------------
☆現在のキャプテン候補に対する各選手感情値☆
名前 || 森崎 || 大空 || 若林 || 日向
−− ++ −− ++ −− ++ −− ++ −−
政夫 || − 2 || + 3 || + 1 || − 2
和夫 || − 2 || + 3 || + 1 || − 2
新田 || − 3 || + 1 || + 1 || + 1
反町 || + 3 || + 4 || + 2 || − 2
来生 || − 2 || + 3 || + 5 || − 1
  滝 || + 4 || + 2 || + 5 || − 1
  岬 || + 2 || + 5 || + 2 || + 3
三杉 || + 4 || + 2 || ± 0 || + 1
松山 || + 1 || + 5 || + 2 || ± 0
沢田 || + 1 || + 2 || + 2 || + 5
山森 || + 4 || + 4 || + 2 || − 1
井沢 || + 1 || − 1 || + 5 || − 1
  葵 || + 3 || + 4 || + 2 || + 2
次藤 || + 5 || + 3 || + 2 || + 2
早田 || + 4 || + 4 || + 2 || + 1
中里 || + 5 || + 3 || + 1 || + 3
石崎 || − 3 || + 5 || + 3 || ± 0
高杉 || − 4 || + 3 || + 5 || − 1
赤井 || + 4 || + 2 || + 1 || ± 0
中山 || + 5 || + 4 || + 3 || ± 0
若島 || ± 0 || + 1 || + 1 || + 5
−− ++ −− ++ −− ++ −− ++ −−
総合 || 3 0 || 6 2 || 4 8 ||  1 1
-------------------------------------------
−5〜+5まであります。+5で全面的支持、−5で明確な敵意と言う状態です。

268 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/19(金) 17:43:56 ID:HXIYP/AF
いったんここまで。
もう勝利は確定しているので、後は試合終了のシーンになります。

269 :創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 21:49:48 ID:K4oTmGad
>琴音「(あー流石森崎くんねー。はーもーどうでもいーわー)」だらだら

なんというデジャヴ

270 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 09:12:14 ID:pfL6302H
ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

放送「試合終了〜〜〜!!4分間もあったロスタイムも何事もなく終わり
全日本ユースが3−1でハンブルガーSVを下しました!3年半前のフランス国際Jrユース大会で
まさかの優勝を成し遂げ世界を驚かせた黄金世代は今尚も健在です!
ウルグアイユース、サンパウロFC、ハンブルガーSVと言った堂々たる強豪チームを抑えて
優勝したこの結果は日本の初のワールドユース出場に向けた大きな自信となるでしょう!」

ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

観客「やった!勝った!」「黄金世代は本物だ!」「こいつらなら本当にアジアの壁を乗り越えてくれる!」
「日本サッカーの曙だ!」「森崎が率いる全日本ユースは絶対強い!」「ここに翼が加わればもう無敵だぜ!」
『ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!』

賀茂「翼が森崎に勝って、若林が翼に勝って、森崎が若林に勝った。俺達にとっては理想の展開だな」

片桐「そして他の選手達も驕る事無く力の差を埋めようと努力してくれるでしょう。有難い事です」

早苗「(ホッ…とりあえず勝ててよかった。今頃翼くんはどうしているのかな)」

長野「前半は本気で負けるかと思ったが、後半になって一気に波が変わったな」

岩見「PKやカルツの枠外と言うとんでもないラッキーがあったからな」

小田「いや、皆が頑張った結果だよ!そうでなきゃ逆転なんて出来ないさ!」

弥生「(ご主人様…おめでとうございます…)」

美子「岬さまァ〜ん♪」

あずみ「(あーウザい。だけど今は賭け金の回収回収っと)」

琴音「(山森くんチョッピリしか出てこなかったな〜…がっかり…)」

271 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 09:12:45 ID:pfL6302H
激戦続きの大会でファンの期待に応える結果を出した全日本ユースとそのメンバーに惜しみない賞賛が降り注ぐ。
疲れと痛みを飲み込んで戦い続けた森崎にとって嫌な光景の筈が無い。

シュゥウウウ…
ズキッ!

森崎「(ぐっ、まだ時々痛むな…だがもう終わったんだ。次の試合までに治せば良い。
さ〜て、これで俺の全日本ユース正GKとキャプテンの座はほぼ安泰だ。負け犬さんでもからかってやるとするかね)」

だが森崎には観客の賞賛以上に楽しみな光景があった。憎い敵の悔しがる様子である。
万歳を繰り返し喜ぶ味方たちを横目で見ながらフィールドの中央に向かって歩いていると、
まず最初に目があったのはこの試合の終始に渡って彼に身に覚えの無い敵意を向けてきたポブルセンだった。

森崎「(おっ、良いねえその悔しそうな表情…ってあれ?)」

ポブルセン「………」ギリッ

ザッザッザッザッ…

森崎「(なんだ逃げるのかよ、つまらないな。あいつは結局何がしたかったんだ?)」

ところがポブルセンは彼を歯軋りしながら睨みつけただけで、すぐに背を向けて離れて行った。
傷口に塩をなすりこんでやろうと考えていた森崎としては残念な事だが、
すぐにもっと大きな魚が二種類かかってきた為気にならなくなった。

カルツ「いやあ…負けた負けた。まいったわい」

若林「何故だ…」

疲れているが何処か気楽そうに見えるカルツと、まるで末期ガンを宣告された様な表情の若林である。

272 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 09:13:05 ID:pfL6302H
森崎「よう、お疲れさん」

若林「…何故だ」

森崎「何がだ?」

若林「何故俺はお前に勝てん!何故お前が俺に負けんのだ!」

若林の声は喉の奥から搾り出してきた様な重く低い声であり、
その瞳はこの世の全てを拒絶せんばかりに暗い暗い色になっていた。

若林も分かっていた。彼の呪詛は森崎への勝利のファンファーレであり、
彼の怨念は森崎にとって勝利の美酒にしかなり得ない。
この試合の結果が逆だったら若林が森崎の敗北に酔いしれる事が出来たのだから。

それが分かっていても尚森崎に恨みをぶつけずには居られない。
これが若林源三の今の精神状態だった。

森崎「フッ…」

A 「ナイスゲーム。PKが無ければ危ない所だったぜ」思いっきり皮肉を込めて爽やかに微笑む。
B 「おい、ここを見てみろよ。それからお前の腕を見てみろ」自分のキャプテンマークを誇示する。
C 「敵が親切に敗因を指摘してくれると思うか?だからお前は甘いんだよ」突き放す。
D 「まあそう言うな。俺が出られない試合は頼むぜ?サブキーパーさん」挑発する。
E 「これで決着はつけたぜ。全日本はハンブルガーSVを超えた!」無視してカルツに話しかける。
F 「……………」敗者にかける言葉は無い。腕組みをしてひたすら睨み倒す。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/3/20 10:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  20  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

273 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 17:32:40 ID:pfL6302H
>B 「おい、ここを見てみろよ。それからお前の腕を見てみろ」自分のキャプテンマークを誇示する。

森崎「おい、ここを見てみろよ」

若林「………?」

森崎「それからお前の腕を見てみろ」

森崎は自分の右腕に巻かれた腕章を指差し、それから訝しむ若林の腕を指差した。
無論そこにカルツの腕に巻かれているキャプテンマークなどある筈が無い。
だが若林には森崎の意図が伝わらなかったらしく彼の顔は苛立ちと混乱に覆われる。

若林「何が言いたい…」

森崎「これだけ言っても分かんないのか?それとも調査不足か?
俺はパルメイラスでもキャプテンをやってたんだよ。お前はそうじゃないだろうが」

若林「うっ…!?」

カルツ「そういえばそうだったのう。外国人でキャプテンに選ばれるのは難しかったろうに」

若林「う…う…!」

ならばと森崎が言葉を足すと、ようやく若林は雷に打たれた様な顔になって硬直した。
追い討ちをかける様にカルツが顎を撫で森崎に賛同すると若林は更に衝撃を受けて仰け反る。

森崎「キャプテンってのはなるべく奴が自動的になるんじゃない、なるべく奴が努力してなるんだよ。
俺はそれが分かっていた。お前はそれが分かっていなかった。最初から勝負になっていなかったんだよ」

カルツ「ま、そう言う事だな。GKとしてはともかく、お前さんがキャプテンシーでモリサキを超える事はあるまいよ」

若林「……………」

274 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 17:33:48 ID:pfL6302H
ザッザッザッザッ…

やがて若林は帽子を目が隠れる程深く被り直し無言で去っていった。
その大柄な筈の後姿は森崎にはやけに小さく見えた。

森崎「フン…あいつと言いポブルセンと言い、負けた途端に尻尾を巻いて逃げるのかよ。
もっとみっともなく負け犬の遠吠えでもしてみせろってんだ」

カルツ「…お前さんも大概だのう」

森崎「ほっとけ。お前こそ自分のチームのGKをわざと落ち込ませる様な事言って良いのか?」

カルツ「なあに、あいつはああやって突き落としておいた方が伸びる性格だからのう。
もうしばらくは同じチームで付き合う羽目になりそうだし、また面倒を見てやるさ」

森崎「フン。最初こそ引き分けだったが、これからは何回やっても同じだぜ」

カルツ「やだやだ、ワシはもうお前らとはやり合いたくないぜよ。言い訳がましいのは覚悟の上で言うが、
全日本とやると何かツキが無くなるみたいだからのう。もう3回もやったんだし、4回目は勘弁だ」

森崎「違うぜカルツ。俺達が相手だと運が悪くなるんじゃない、運が悪いから俺達が相手になるんだ」

カルツ「どっちでも良いっての。それじゃ、達者でな。お互いプロとして頑張ろうぜ」

そしてカルツも短い砕けた会話の後にベンチに向かって歩き去った。
そのあまりに屈託の無い気楽な態度には森崎も矛を収めざるを得なかった。

森崎「ふぅ、もうちょっと誰かからかいたかったモンだが…疲れたからもう良いか。
後は表彰式を終えて…あ、記者会見もあるかな?面倒臭いけどやらなきゃな」

275 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 17:34:05 ID:pfL6302H
森崎がカルツ、若林、ポブルセンと言ったハンブルグの主力たちを相手にしている時
彼らとは少し離れた場所でカペロマンは独自に全日本の選手達数人と交流していた。

カペロマン「やれやれ…まさかここまで試合から消されるとはな。
サッカー後進国と侮っていたが、お前らやるじゃないか」

中山「俺も人の事は言えん出来だったが、随分態度がでかいじゃないか」

早田「フン。シュートだけの奴なんか撃たせなければ良いだけの話だ」

次藤「その肝心のシュートも大してごつくなかっちゃおとろしくなかとね」

カペロマン「もっともだ。だから次があればお前達が何も出来なくなる様に
全面的にパワーアップしておいてやろう。ドリブルも、パスも、勿論シュートもな」

メッツァ「カペロマン〜、負けたんだからさっさと帰ろうよ〜」

ただカペロマンの態度は友好的ながら不敵と言う器用な物で、
中山らDF達も喧嘩腰に対応していた。お互いが挑発しあいながら
談笑する変わった光景に頭痛を覚えたメッツァが引き上げを促す。

カペロマン「お前こそ少しは闘争心を見せたらどうだメッツァ。
言っておくが、この試合の敗因はお前にだってあるんだぞ」

メッツァ「分かってるからもう帰ろうって。これ以上負けた相手にケンカ売る必要ないでしょ」

カペロマン「全く…チームメイトが腰抜けだから暇させてもらうぜ。さらば、全日本」

メッツァの嘆願は程なく功を成し、カペロマンは尊大でマイペースなまま離れて行った。
後に残された全日本ユースの選手達は顔を見合わせ肩をすくめて呆れ返るしかない。

276 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 17:34:26 ID:pfL6302H
中里「彼奴め、敗者の態度ではなかったのう」

岬「まあ、チームメイトが彼を活かせていなかったのも事実だけどね」

石崎「それにしてもあいつと言いポブルセンと言い、ハンブルグって変な奴ばっかだな!」

松山「確かに。あのチームでキャプテンをやっているカルツは苦労しているだろうなあ」



フィールドの更に別所では山森が新田から労われていた。
二人の表情はお世辞にも明るい物ではなかった。

新田「ほら、タオルだ」

山森「サンキュー。汗らしい汗をかく機会も無かったけどな」

新田「…会心のジャンピングボレーだったのに、あっさり止められたな」

山森「…そういう事なんだろ。俺達の出番の少なさが全てを物語っている」

新田「確かに…今日俺が出ていてもなんの役にも立たなかっただろうな…」

山森「世界は広い。よーく分かったよ」

二人は先日の合宿とこの大会を通じて思い知らされた事があった。
それは即ち、今の自分達は世界レベルでは有象無象に過ぎない事である。
このままではこの先全日本ユースがどんな栄光を掴もうとも、
自分達はそれを見ているだけの側に回ってしまうだろうと気付かされていた。

277 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 17:34:40 ID:pfL6302H
葵「山森く〜ん!お疲れ様!」

赤井「おい待て!俺用のタオルだろうがそれ!」

葵「あ、ゴメンゴメン。赤井もお疲れ様」

赤井「ついでみたいに言いやがって…」

そこに彼らにとって眩しく羨ましい存在である同年代の二人、葵と赤井がやってくる。
二人ともこの大会の主役とは言えないまでも今後のスタメンが高確率で期待出来るプレイを見せていた。
期待の年下組と言う立ち位置を奪われた山森と新田は心中穏やかでは居られない。

新田「なんだかんだ言って仲良いなお前ら」

赤井「いや、俺は好きでこいつとつるんでるんじゃないぞ!?」

葵「うえっ、ひっどい!なんでそんな事言うんだよ赤井!」

山森「騒がしいって所でそっくりだよ。気が合うんだろ」

葵「え?そうかな、えへへ…」

赤井「褒められてねえよ!どっちかっつうとバカにされたんだ!」

新田「(ノリが良くて憎めない連中だけど、俺達にだってこの年代だったら誰にも負けないって言うプライドがある)」

山森「(このままで終わるつもりは無いぞ。今に見ていろよ、葵、赤井)」

片桐達の思惑通りこの大会は多くの選手達に更なる成長を促していた。

278 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 17:34:52 ID:pfL6302H
だが成長を促す事は出来ても、それが原因で計算外の行動に出ようとしている者も居た。
他者との輪に入らず一人でベンチに戻ろうとしていた日向である。

日向「………ダメだ」

日向は万感の思いを込め小さく呟いた。彼は今、人生で初めて誰にも促される事無く自らを否定していた。

日向「(どうやら俺も甘かったらしい。このままじゃ世界なんか絶対に獲れやしねえ…
もっと力が必要だ。どんなGKも捻じ伏せられるシュートが。世界を俺の前に屈服させる力が!)」

今まで彼が自分を脅かす危険性があると認めたストライカーは西ドイツのカール・ハインツ・シュナイダーだけだった。
だがこの大会に現れたラモン・ビクトリーノ、火野竜馬、クリストフ・ポブルセン、チェザーレ・ストラットらは
間違いなく彼と同等以上のストライカーだった。日向小次郎は世界一のストライカーではなかったのだ。

この大会は日向に自らを鍛え直す必要を切実に感じさせある決意を固めさせた。
そしてその決意に基づき彼は周りの存在を無視しロッカールームへ向かいだした。

見上「むっ。どうした日向、何処へ行く」

日向「憂さ晴らしをしてきます。どうせ俺が居ない方がマスコミ受けは良いでしょう?
問題児日向小次郎、また身勝手な独断行動。高まるファンの顰蹙、とか言ってさ」

見上「同時に私の管理能力も問われるのだがな…まあいい、この大会の閉会セレモニーは
ささやかな物で後はキャプテンがトロフィーを掲げる表彰式だけだ。みつからない様に帰れよ」

日向「寛大な処置どうも」

若島津「(何か企んでいるな、あの目は)」

沢田「(日向さん…)」

反町「(やれやれ。今度は何をしでかすんだか)」

279 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 17:37:44 ID:pfL6302H
いったんここまで。
ここからは判定・選択無しのシーンが多くなります。

280 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 18:26:30 ID:pfL6302H
十数分後、森崎は表彰台の上に立っていた。
満員の観客の前で優勝トロフィーを受け取り、それを観客席に向かって掲げ上げる。
実に森崎好みのシチュエーションである。

観客「カッコ良いぞ森崎ー!」「この調子でアジア予選なんかか〜るく突破しちゃってくれよ!」
「お前が活躍すればする程日本サッカーが盛り上がるんだ!」「森崎くん素敵ー!こっち向いてー!」
『もっりさき!もっりさき!もっりさき!もっりさき!もっりさき!もっりさき!もっりさき!』

森崎母「本当に立派になって…ううう、日本一どころか世界一なんて!」

森崎父「母さん気が早いぞ。あの子の世界挑戦はまだまだこれからさ」

放送「間も無く大会運営委員会会長の卯蔵武曽氏から優勝カップが森崎くんの手に渡されます!
誇らしい笑みと共に堂々と歩む森崎くん!彼の未来には一体どんな栄光が待ち受けているのでしょうか?
森崎有三の伝説はまだまだ始まったばかりです!彼と全日本ユースの更なる躍進が待ち遠しい!」

観客席に密かに座る両親が涙を流し、かつての学友達が狂喜乱舞し、
程度の差はあれどチームメイト達も祝福を送ってくれる。
更にライバル達も熱い視線を注ぎ、マスコミ関係者達が先を争う様に記録を残し、
実況と観客が我が事の様に言葉を惜しまず賞賛の雨を降らせてくれる。

誰にも咎められる事無く有頂天になりながら優勝カップを見せ付けられる。スポーツマン冥利に尽きる瞬間である。

森崎「(ふっふっふ、翼にリベンジできなかったのは残念だが…終わりよければ全て良しだ。
もう若林が俺の地位を脅かす事は無い。日向はとっくに捻じ伏せた。そして翼も今ここには居ない。
リオカップで負けた分はしっかり取り返した。この優勝カップがその証だ!見ろ!これは俺のもんだ!)」

ガシッ!
グイッ!

森崎の腰が弾けたのはその瞬間だった。

281 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 18:26:52 ID:pfL6302H



                      グッギィイイイイイイイイイイン………



                  森崎「(あれ…なんだ今の音。なんか腰が凄く痛えぞ…

              でもなんか変だな。ズキズキするんじゃなくて燃えて溶けていくみたいだ…

             あれ?なんだか周りまでおかしくなってるぞ。なんか…世界が回っていないか?

              クラクラする…脚…俺の脚はどうなってるんだ。脚までおかしくなったのか?

                  あ、地面だ。まさか俺、表彰台から落ちているのか?

                おいおいヤバイぞ、折角の優勝カップが割れちまうじゃないか!

                 もっと高く持ち上げて…あいたっ!デコ!俺のデコがいてえ!

               ったく、地面にぶつけちまったのか?カッコわりーな、こんな大舞台で…

                  あれ?暗いな。もう夜なのか?何も見えないじゃないか。

                  何も見えない…何も聞こえない…何も…考え…ら…れ…)」

282 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 18:41:51 ID:pfL6302H
〜静岡県南葛市、大空家〜

その時翼は一人で何も映っていないテレビとそのリモコンを交互にぼんやりと眺めていた。
彼の母と弟は買い物に行っておりここには居ない。父は何時もの様に何処かの海の上なのだろう。

翼「…そろそろ終わったかな…」

やがて衝動に耐え切れなくなった翼はのろのろとリモコンに手を伸ばしテレビの電源を入れた。
ちょうどスポーツ番組のチャンネルに合わせてあったテレビはすぐに表彰式の様子を映し出した。

テレビ「間も無く大会運営委員会会長の卯蔵武曽氏から優勝カップが森崎くんの手に渡されます!
誇らしい笑みと共に堂々と歩む森崎くん!彼の未来には一体どんな栄光が待ち受けているのでしょうか?
森崎有三の伝説はまだまだ始まったばかりです!彼と全日本ユースの更なる躍進が待ち遠しい!」

翼「そうか…森崎が勝ったんだ…」

自分でも判別出来ない程複雑な感情と共に力無く呟く翼。
しかし彼が無気力で居られたのはそこまでだった。

アップで映っていた森崎が突如激痛に顔を歪め、優勝カップを手に持ったまま前に倒れたのだ。

翼「…えっ!?」

テレビ「こ、これはどうした事でしょうか!?森崎くんが、森崎くんが表彰台から倒れ落ちました!
そしてそのままピクリとも動きません!周囲に人が集まっていますが何の反応も無い様です!
ああっ、ただいまタンカが運ばれてきました!場内は大パニックで凄まじい騒音です!
え?何?ちょ、そりゃ無いでしょ!こんなタイミングで時間切れだなんて!このままじゃお茶の間の皆さんが…」

テレビ越しでも聞こえるとてつもない騒音。職務を忘れる程興奮した実況の叫び声。
それらは放送時間と言う制限によってすぐに消えてなくなり、大空家の居間には静寂が帰ってきた。

そして翼は無意識に呟いた。自分でも聞き取れない程小さな声で。

翼「なんだよこれ…」

283 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/20(土) 18:46:04 ID:pfL6302H
急展開を盛大にぶちかました所で今日はここまで。また明日お会いしましょう。

あらかじめ宣言しておきますが、森崎の引退も能力の強制ダウンもありません。
また不可避イベントだったので「あの選択肢を選んでいれば」等と悔やむ必要はありません。
あくまで物語のアップ&ダウンの為のイベントであって、
プレイヤーのやる気を削ぐ危険性があるシステム処理では無いのでご安心を。

284 :創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 18:50:08 ID:4RXusC97
ついにか

285 :創る名無しに見る名無し:2010/03/21(日) 03:07:20 ID:aLocYVeZ
>>283
2ねぃさんが抱きしめてくれれば安心します

286 :創る名無しに見る名無し:2010/03/21(日) 14:49:56 ID:2Udy6cT1
おねいさんブリーカー!死ねぇ!

287 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/21(日) 16:03:25 ID:kymYUcZl
能力値公開スレにハンブルガーSVのデータを公開しました。

>>285
私だと十分に抱擁出来そうにないので、ロシアのレッド竜巻(仮名)さんにお願いしておきますね♪

288 :創る名無しに見る名無し:2010/03/21(日) 17:57:57 ID:aLocYVeZ
>>287
              r,''ヘ_  
              _,,,,_⊂-くノ`ヽ,
          _  〆_゙'ir''⌒"  )
         ξ⊂!  っ》`   く ∠___
         .\ノ''‐`` i、 ,ノ  │,-ヽ7=、、 ,,rー'"`-、
           \_゙l、,,,_,/i゙、 ,ノ 〈 ゛  `ヌ⌒ )/=i、 l
                 `゙゙'"`'ミ--/-,_  ´ /"  `
                        \ .,,、`lニン-゛
                      \__ノ
      ___
    _ ┐  /
    / 'rlご ┥ .,,,、 
    |  |゙ `jエ |〈゙',) 
    ゙l,,,i´ /,/,ノ"r
   ,r_,ノ''こ!、,,┴.
   |  ‘''く′ ,/ │
  .r'ヘ,、  `'イ゙>'"
  .厂|,`'-,,  .|'ヽ、


289 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 00:36:47 ID:ShjjSqVH
森崎有三、腰の負傷で入院
2月19日 共同新報

 サッカー全日本ユースキャプテンであるGK森崎有三が今月15日〜18日にかけて開催されたジャパンカップの
決勝戦で腰を痛め緊急入院した。詳しい容態は不明。
 同チームの見上監督に寄ると「森崎は大会前から腰に時々痛みが走るのを自覚していたが、本人が気にせず
プレイにも支障が見られなかった事から出場させていた」との事。氏の選手管理が問われるのは避けられない。
 森崎有三の腰の状態次第では確実視されていた全日本ユースのワールドユースアジア予選突破に黄信号が点きそうだ。



森崎有三再起不能!?
2月21日 東都スポーツ

 今月中旬に開催されたジャパンカップにおいて負傷したサッカー全日本ユースキャプテンのGK森崎有三の
腰は重傷と判明した。数ヶ月絶対安静が必要で、更に数ヶ月リハビリを経なければ復帰できない。
 全日本ユースは今年10月にワールドユースアジア予選に挑む。この予選に同選手が間に合うかは微妙で、
間に合った場合も即戦力として機能する可能性は絶望的と見られる。全日本ユース監督の見上氏は
「現段階ではどうとも言えない。回復具合を見て検討していく」とコメントした。



全日本ユースアジア予選現地入り。チーム内の秩序は大丈夫か?
10月3日 月刊サッカーファイト

 サッカー全日本ユースが今朝ワールドユースアジア予選の開催地、インドネシア首都ジャカルタに到着した。
彼らはこれより合宿を経た後アジア予選に挑む。
 実力的にはかつてない程強いと言われる今回の全日本ユースだが、不安材料もかなりある。
最大の懸念はやはり前キャプテンの森崎有三のリタイヤである。リハビリの甲斐無く今予選に参加できなかった
彼の代わりにキャプテンを勤めるのはMF大空翼だが、前任者とのやり方の差を支持する選手と反目する選手に
チームが分裂している雰囲気があり窮地に陥った場合致命的な事態になりかねない。

290 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 00:37:36 ID:ShjjSqVH
森崎「フザけんな!全日本ユースのキャプテンは俺だァアアア!!」



ガバッ!



森崎「ハアッ…ハアッ…ん?」

ジャパンカップ決勝の翌日、森崎が目を覚ましたのは病室のベッドの上だった。
腰にはこれでもかと言う程堅苦しいコルセットが着けられており、
不自然につるつるで着心地が悪い患者服が今彼が置かれている現状を否応無く確認させてくれた。

森崎「くそっ、夢か…」

そしてベッドの側の机には悪夢の原因となった「森崎有三、腰の負傷で入院」の見だし付きの
共同新報の新聞が置かれていた。今朝院内の売店で買った物である。

森崎「今のが正夢になったら…うう、想像したくもない。おちおち二度寝も出来ねえや」

291 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 00:39:02 ID:ShjjSqVH
短いですが今日はここまで。
また明日お会いしましょう。

292 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 07:20:40 ID:ShjjSqVH
発表し忘れていましたが、試合終了直後の両チームのガッツはこうなっていました。

残り/最大
430/700 三杉 なおりかけ
700/850 山森
285/900 日向
725/750 中里
850/850 岬
615/700 石崎 軽傷LV1未治療
715/800 次藤
630/700 赤井 軽傷LV2未治療
740/750 中山
785/800 早田
695/835 森崎

900 葵(交代済&軽傷LV2治療済)
850 松山(交代済&軽傷LV1治療済)
800 政夫、和夫、若島津
750 新田、沢田
700 反町、井沢
650 滝、高杉
600 来生



残り/最大
700/700 ヤラ
505/850 ポブルセン
700/700 クラウス
640/750 メッツァ
800/800 カペロマン
325/800 カルツ
700/700 マイヤー
650/650 ゴンゲルス
650/650 リンツ
835/900 若林

650 ハーネス(退場済)

293 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 07:28:46 ID:ShjjSqVH
次のシーンはもうちょっと後で。

294 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 09:11:36 ID:ShjjSqVH
〜静岡県掛川市、ヤマハリゾートつま恋〜

同時刻、ジャパンカップを終え合宿場に戻っていた全日本ユースは二つの事件のせいで大騒ぎになっていた。
一つは森崎の入院、そしてもう一つは…



全日本メンバー『なにィ〜〜〜!!?日向が居ないだとォ〜〜〜!!』



日向の失踪である。

見上「何を考えているんだあいつは!」

会議室に集まった選手達の前で見上が不機嫌そうに叫び、次に視線を日向と関わりのある3人に向ける。
それに釣られて選手達の目も沢田反町若島津の3人に集まった。沢田は居心地が悪そうに縮こまり、
反町は目を閉じて黙ったまま首を振り、最後に若島津が淡々と喋りだす。

若島津「本社に問い合わせてみましたが、緘口令が敷かれていて俺の権限では聞きだせませんでした」

見上「そうか…」

若島津「ですが規律面以外の問題は無いでしょう?もう合宿は今日で終わりなのだから」

見上「いや…この合宿は後1週間続く」

全日本メンバー「えっ?ジャパンカップは終わったのに?」「なんでですか?」「もう試合は無いんでしょ?」

295 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 09:11:49 ID:ShjjSqVH
見上「いや…試合はもう一つあるのだ。我々は一週間後にオランダユースと戦う」

全日本メンバー「ええっ!?オランダ?」「オランダユース…なんでまた」

事情を聞いた見上が深々とため息をつき、それを訝しむ様に若島津が日向の弁護を試みる。
だが次に見上が口を開き説明をすると皆焦りを持ち始めた。

岬「後たったの1週間?なんでそんなに急なんですか?(多分ナメられているんだろうけど)」

見上「…ゴネられたんだよ。申し込んだのはこっちだが、交渉を始めてから散々色んな理由で
返答を引き伸ばしてきてな。だが昨日、ジャパンカップの優勝が決まった直後に
日本サッカー協会にOKの電話をしてきた。お陰で片桐くんは今徹夜で走り回っている」

中山「それはまた…随分身勝手な対応ですね。なんでそんな横柄な態度を取ってきたんでしょうか?」

見上「仕方が無い。日本はサッカー弱小国だ。実績でも、FIFA内の政治力でもな」

早田「なんですかそりゃ!要はナメられたって事じゃないですか!」

石崎「そうですよ!大体オランダなんてJrユース大会に出ていなかったじゃないですか!」

次藤「西ドイツを倒したワシ等相手にそがん自信満々っちゃ、どぎゃしこ自惚れちょる奴らへ?」

更に不審に思った岬が問いかけ、それに対する見上の説明を聞くと今度は怒りが全日本ユースの面々を満たす。

赤井「あの〜…それが、オランダって…」

葵「どうしたんだ赤井?」

赤井「お前知らないのかよ!?オランダユースは二ヶ月前、西ドイツユースを4−1で倒しているんだよ!」

全日本メンバー『な…なにィイイイイイイ!!?』

しかしオランダユースの強さが明らかになるとそれは怒りから焦りに変わった。

296 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 09:12:36 ID:ShjjSqVH
松山「監督!今赤井が言った事は本当なんですか!」

見上「本当だ。オランダユースは練習試合で西ドイツユースを4−1と圧倒した。
西ドイツ側はデューター・ミューラーを連絡がつかず召集出来なかったと言う事情もあったらしいが、
それでもオランダユースの強さには疑問の余地は無い」

政夫「あ、あのシュナイダーが1点しか取れない様なチーム…?」

和夫「冗談じゃないぜ、とんでもない強敵じゃんか!」

山森「そんな強敵が相手なのに、森崎さんも日向さんも居ないなんて…」

石崎「こ、こりゃ〜翼と若林頼みになっちゃうかな、アハハ…」

見上「…凶報ばかりで嫌になるだろうが、翼と若林はこの試合加われん」

高杉「えええええええっ!?な、なんでですか!」

見上「オランダユースにゴネられた影響でサンパウロFCとハンブルガーSVとの交渉が失敗した。
若林は今頃機上だろうし、翼の休暇も明日で終わりだ。つまりここに居る戦力だけで戦わねばならない」

沢田「そ、そんなァ…」

反町「こう言っては何ですが…勝ち目はかなり薄そうですね」

シ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン………

過去全日本を散々苦しませたカール・ハインツ・シュナイダー率いる西ドイツが
1−4と言う大差で負けたと言うのは並大抵のショックではなかった。
そして一縷の望みを見出そうとした石崎の発言まで否定されると、いよいよ選手達は顔を青くし静まり返った。

三杉「…予選リーグ第三試合目だ」

ここで三杉がリーダーシップを発揮した。

297 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 09:12:53 ID:ShjjSqVH
来生「へ?何の予選だ?」

三杉「例え話さ。次のシチュエーションを想像して欲しい。来年のワールドユース本大会の予選リーグで…
そうだな、パラグアイ、エジプト、オランダと同組に入ったとしよう。対戦順もその順番で」

井沢「…それから?」

三杉「第一試合、僕らはパラグアイに引き分け、第二試合ではエジプトに勝った。しかしその2チームのラフプレイで
森崎、翼くん、日向、若林の4名は負傷し第三試合のオランダ戦に出られなくなった」

滝「他のチームの結果は?」

三杉「パラグアイとオランダも引き分け、更にエジプトは全敗したとしよう。
この時点で日本、オランダ、パラグアイの3チームがそれぞれ勝ち点4で並ぶ。
そうするとこのリーグの行方は最後の日本対オランダの結果に委ねられる事になる」

新田「えっと…そうなると勝った方は無条件で決勝トーナメント進出で、負けた方はパラグアイと
得失点差の比べあいになりますよね。あ、でも引き分けなら日本とオランダ両方が勝ち点5で勝ちあがれるんじゃ?」

三杉「そうなるね。ただ、この組み合わせならオランダの世論は恐らく1位突破以外は恥とするだろう。
よってオランダは主力数人が負傷して出られず弱っている日本を全力で倒しに来る。
そして僕達は得失点差の関係上2点差以上で負けると予選敗退になる…想像できたかい?」

岬「うん。つまり、今回の練習試合はそう言った”ベストメンバーが揃っていない時に
格上に当たってしまった”場合の絶好の予行練習になると言う事だね」

三杉「そうさ。それともう一つ…主力が居なくなればそれだけで諦めてしまう敗北主義者を炙り出すチャンスでもあるね」

早田「なんだと!」

次藤「三杉、んは何時も何時も人ばせびらかせんば気が済まんっちゃ!?」

298 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 09:13:26 ID:ShjjSqVH
三杉「おや、気の強い君達が怒るとは意外だね。てっきり僕と一緒に臆病者を
奮い立たせる側に回ってくれると思っていたんだが、ひょっとして逆の側だったのかい?」

次藤「んが!?…こ、この…!」

早田「性根腐った言葉遊びしてんじゃねえ!」

松山「三杉、お前な〜…途中までは良い話だったのに…」

葵「(うう〜、うちってなんでこうもギスギスしているんだろう)」

中山「…だけど言っている事は正しいな。森崎達が居ないから勝てません、なんて口が裂けても言えない」

三杉「そういう事さ。皆、やる気が出てきた良い顔になったじゃないか」

若島津「…なるほどな。森崎とウマが合う訳だよ、お前」

三杉「どう致しまして」

全日本メンバー「褒めてねえ!」「いや、今のセリフもわざとだろ」「全くムカつくぜ!やりゃあいいんだろやりゃ!」

仮定のシナリオを描写し、それに基づいた意義と目的を説く。
しかもそれをわざと上からの目線でやる事で反骨心を煽り、格上に挑戦する気力を湧き上がらせる。
この態度は見事功を成し、選手達は怒り混じりの勇気を取り戻した。

見上「…やる気はある様だな。ではオランダユース戦に向けて合宿を続ける。三杉、代理キャプテンはお前にする。
その悪知恵と度胸をオランダユースにぶつけて日本の為に役立ててくれ(さて、3点差以内で負けられれば御の字だが)」

三杉「お褒めに預かり光栄です。任せて下さい」

その功績を認め、見上は真新しいキャプテンマークを三杉に渡した。密かな諦めと共に。

全日本ユース対オランダユースまで後1週間…

299 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 09:13:49 ID:ShjjSqVH
いったんここまで。

300 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 10:27:46 ID:tAyEHimT
オランダユース戦も判定・選択なしになるのかな?


301 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 11:57:43 ID:ShjjSqVH
うわっ…雑談スレで指摘されて気付きましたが、三杉の考えた
シチュエーションではパラグアイは三試合で勝ち点5ですね。
なんと恥ずかしいエラー…穴があったら入りたい(赤)

>>297


三杉「パラグアイとオランダも引き分け、更にエジプトは全敗したとしよう。
この時点で日本、オランダ、パラグアイの3チームがそれぞれ勝ち点4で並ぶ。
そうするとこのリーグの行方は最後の日本対オランダの結果に委ねられる事になる」



三杉「パラグアイはオランダに負けたがエジプトに勝ち、更にエジプトはオランダに引き分けたとしよう。
この時点で日本、オランダ、パラグアイの3チームがそれぞれ勝ち点4で並ぶ。
そうするとこのリーグの行方は最後の日本対オランダの結果に委ねられる事になる」

に脳内変換して下さい。書き直しが出来ないのが2ちゃんねるの怖さ…!

302 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 11:59:19 ID:ShjjSqVH
>>300
はい。森崎が全く参加できないので完全に判定・選択なしです。

303 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 13:25:56 ID:F2bPm3s9
だがそれがいい

304 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 13:31:29 ID:ShjjSqVH
〜静岡県南葛市、南葛中学〜

森崎の入院、日向の失踪、若林の敗走。
全日本ユースのキャプテン候補者達が次々と苦難に道を閉ざされる中、
最後のキャプテン候補も一つの試練を迎えようとしていた。

この日の昼翼は母校の門前に立っていた。高校に進学せず中卒でブラジルに渡った翼にとって南葛高校は馴染みが無く、
小学生時代は何回か引越ししていた為3年間通い続け思い入れが出来た学校はここだけである。
帰国して以来何故か自分の部屋で落ち着けなかった翼は気晴らしになればと思ってここに散歩に来ていた。

翼「(俺の居た頃よりサッカーの設備は立派になっている…のかな?
でもサンパウロFCに慣れちゃうと凄く貧相な環境に見えるや。あ、部室のドアに何か貼り付けてあるな…
”目標全国制覇!取り戻せ南葛中最強伝説!”…そうか、もう日本一じゃないんだ)」

塀越しに見た母校の様子は何処か見覚えがあるものの記憶の中の物とは明らかに違っており、
翼は少しの懐かしさとその倍程の寂しさを感じずには居られない。
そんな彼にためらいがちに近づく者が居た。

早苗「あのう…翼くんだよね?」

翼「えっ…?さ、早苗ちゃん!」

翼と浅からぬ縁である少女、中沢早苗だ。

早苗「やっぱり…良かった、人違いかと思っちゃった」

翼「どうしてここに…?」

早苗「昔が懐かしくなったの(本当はおばさまが電話で教えてくれたんだけど)」

305 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 13:31:52 ID:ShjjSqVH
翼「そうか、アッハハハ。凄い偶然だね(早苗ちゃん綺麗になったなァ)」

思わぬ嬉しいサプライズに翼は朗らかに笑うが、早苗は後ろめたい事もあって僅かに苦笑しただけだった。
サッカー以外ではお世辞にも鋭いとは言えない翼はそれに気付く事も無く会話を続ける。

翼「でも人違いだなんて…そんなに変わったかな?顔も体格もほとんど変わらないと思うんだけど」

早苗「うん、顔と体格は昔とほとんど同じだったから分かったんだけど…その格好、何?」

ちなみに今の二人の格好は以下の通りである。

早苗はカーディガン、ワンピース、ストッキング、パンプスと言うカジュアルな私服だが
どれもさりげなくお洒落な代物であり、入り過ぎない程度に気合が入った格好である。

対する翼はシャツと長ズボンとスニーカーまでは良かったが、それに加えてロングコート、サングラス、キャスケットを
装着している為何処か不審な印象を与えかねないいでたちだった。
しかも足下には当たり前の様にサッカーボールがある為ますます悪い意味での注目を集めやすい。

翼「これ?顔出してるとしょっちゅうサインを求められたから着ているんだけど…何処か変?」

早苗「う〜ん…普通で居るならともかく、中学校を塀越しに覗き込む時はちょっと…その…」



少し離れた女子生徒達「誰あの怪しい男?」「まさか露出狂!?」「先生を呼んできた方が良いんじゃ…」



翼「ば、場所変えようか…(俺この学校のヒーローの筈なのに…)」

早苗「そ、そうね!私良い場所知っているわ!」

306 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 13:33:18 ID:ShjjSqVH
いったんここまで。

307 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 14:29:15 ID:F2bPm3s9
変質者フラグwwwwwwwwwwwwwww

308 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 15:03:28 ID:4+eV3PfU
初登場時のロベルトファッションじゃないのかこれw

309 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 15:13:33 ID:ShjjSqVH
>>308
いいえ、WY編の若島津ファッションです。

310 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 15:32:10 ID:J85nDBvQ
その一方では
琴音「念願の山森君ユニホームを手に入れたわ!」

311 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 15:34:18 ID:k2fTkON3
>>310 ふっとばしてでも うばいとる

312 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 15:46:09 ID:4+eV3PfU
>>309
ああ、あのどう見ても不審者の…… 納得しましたw

313 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 15:53:52 ID:Sas6fB79
若島津は昔からなんだかおかしなセンスしてるからなあ
Jrユース終了後、静岡県の新人戦を見に来た時もかなりひどいものだったw

314 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 16:59:09 ID:PTIHz2fJ
あのサスペンダーのついたアレかw

315 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:10:06 ID:ShjjSqVH
約二十分後、翼は早苗に連れられ南葛市を見下ろせる小山に来ていた。
ここは翼が南葛市に引っ越してきた直後に石崎に案内された場所で、
若林邸に挑戦状代わりのサッカーボールを蹴り込んだのもここからである。

翼「うわあ、懐かしいなこの場所も!やっぱり良い眺めだ」

早苗「あら、知ってたの?ランニングで来た事があるとか?」

翼「ううん、ここは南葛市に引っ越してきた日に石崎くんに連れられてきた場所なんだ。
懐かしいなあ…あの後若林くんと勝負して、その後修哲少との対抗戦があって…」

思い出の場所とその光景に翼は頬を緩ませ見るからに機嫌が良くなった。
分かりやすい反応に早苗もクスクスと笑う。

早苗「小学校の頃なのに良く覚えているのね」

翼「そりゃあ、楽しかったし…早苗ちゃんは覚えていないの?」

早苗「いいえ、私もはっきりと覚えているわ。ある日突然転校してきたサッカーの
天才少年が当時全国ナンバー1の修哲少に挑戦状を叩きつけたんだもの。それに…」

翼「それに?」

早苗「それに…その対抗戦が翼くんと出会ったキッカケだし…」

翼「…そ、そうだね。俺も覚えているよ、俺の名前が描かれた手作りの大きな旗を
振り回す女の子が観客席に現れた時は凄くビックリしたし…」

早苗「うっ…と、当時の私って今から考えてみると凄く恥ずかしい事していたのね…」

翼「いや、その…俺も、恥ずかしかったけど嬉しかったよ?」

早苗「そ、そう?それならやった甲斐があったわ」

316 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:10:20 ID:ShjjSqVH
そのまま二人は甘酸っぱい会話に勤しみ、時に笑いを交わし時に顔を赤らめ
三年ぶりの二人きりの時間を楽しむ。今ここに居るのは翼と早苗とサッカーボールだけだった。

翼「南葛少と言えば、あの頃の皆は今どうしている?学とか」

早苗「皆受験したり就職活動をしたり様々だわ。小田くんみたいに実家の稼業を継いだ人も居るし」

翼「そうか…もうサッカーしていないのかな?」

早苗「大学でもやるって言っているのは南葛高に進んだ長野くんと岩見くんだけね。
大川くんも高校ではサッカーをやっていなかったし、4月からは普通のサラリーマンよ」

翼「ううん、長野と岩見だけなのか…日本にプロリーグがあれば皆も
プロ選手になれたかも知れないのに(世界には通用しないだろうけど)」

早苗「そうね。今の所は翼くんみたいに海外でプロになるしかないみたい」

翼「…そうだね。日本にプロリーグが出来るにはまだ数年かかるらしいよ。
日本サッカー協会の人に聞いた話では水面下で色々進めているらしいけど…」

早苗「(………あら?)」

翼「…?どうかしたの、早苗ちゃん?」

早苗「え?い、いえ、なんでもないわ(翼くんだったらブラジルのプロリーグがどれだけ素晴らしいか
凄い勢いで話し始めると思ったのに…なんだか顔が曇っている?)」

だが二人の青春丸出しの語らいは徐々に明るくなくなっていった。
話題が現実的になってきたせいもあるが、それ以上に何故か
翼の顔から微笑みが徐々に消え早苗がそれに違和感を感じ始めたのだ。

317 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:10:54 ID:ShjjSqVH
早苗「…ねえ。ブラジルのプロって、やっぱり凄い?」

翼「うん、それは勿論。中学卒業前に実業団のチームの練習に混ぜてもらっていた事があったけど
ブラジルに渡ってから実際にプロの試合を見てみたら、実業団の人たちには悪いけど
日本のレベルの低さが恥ずかしくなる位だったよ。これじゃ日本がサッカー後進国なのも当然だってね」

早苗「…そこまで?(昔から実力主義だったけど、そこまでハッキリ言うなんて…)」

翼「うん。日本人って言うだけでバカにされる環境だったよ。だから努力し続けたんだ。
練習は辛くて苦しくて嫌だったけど、バカにされるのはもっと嫌だったから…」

早苗「(れ、練習が辛くて苦しくて…嫌だった?翼くんが…大好きなサッカーの練習が嫌だった!?)」

話題が翼自身のサッカーに移ると、いよいよ早苗は驚きを隠せなくなった。
彼女が一度も見た事も無い程鋭く固い表情の翼から、翼の口から出たとは思えない言葉が出てくる。

翼「その甲斐あって俺をバカにする奴は居なくなったよ。日本人はサッカーが出来ない、
なんて言う奴らも居なくなった。まあ、これは同じ時期に森崎も活躍していたのもあるんだろうけど…」

早苗「(何か相槌、相槌…)森崎くんが…そう言えばリオカップって言う大会で森崎くんに勝ったのよね?」

翼「…うん。ブラジルの強豪チームを複数倒して勝ちあがってきた森崎を大差で倒し、
俺は名実共にブラジルリーグの若手ナンバー1として認められたんだ。マスコミもファンも大騒ぎしてくれた」

早苗「(な…なんで…楽しい話題の筈なのになんで…)」

翼「クラブも手放しで褒めて凄い高額のプロ契約をしてくれたんだ。俺は来月からプロとして戦う。
引退するまでの長い長い戦いの舞台に立てるんだ…なのに」

早苗「(子供の頃の夢が叶ったんでしょう?思う存分サッカーが出来るんでしょう!?
なのに…なのになんでそんなに怖い顔をしているのよ、翼くん!)」

318 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:11:53 ID:ShjjSqVH
話が進む毎に翼の顔と声は固く重くなっていき、それは最早叶い始めた夢を追う若者ではなく
終わりが見えない戦争に徴兵された若者の様な姿だった。三年間思い描いてきた前向きで凛々しい翼とは
あまりにも違うその様子に早苗は恐怖で竦み上がり声が出せなくなってしまう。

翼「なのに…(なのに、なんだか不愉快で堪らないんだ。森崎に勝ってプロ選手になれたのに、念願をいくつも叶えたのに)」

早苗「(つばさ、くん、よね…?私が好きな翼くんなのよね?)」

翼「(…ってこんな事早苗ちゃんに言えないよ!何考えているんだ俺!…あれ?)早苗ちゃん?どうしたの?」

ようやく翼が我に返った時、早苗は自分を抱きしめながらガタガタ震えていた。
慌てた翼が普段の顔と声に無意識に戻り、それを見た早苗も怯えが収まる。



だが二人の破滅はここからだった。



翼「ゴ、ゴメン!俺、何か傷つける様な事言ったの!?」

早苗「う、ううん。そうじゃないの。ちょっと怖かっただけ…」

それは、早苗にとってはなんでもない一言だった。



翼「怖かった?お、俺が?」

早苗「うん…さっきの翼くん、なんだか凄く張り詰めた表情と声で…」

目の前の恐怖から解放されて深く考えずに出した素直な一言だった。

319 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:12:14 ID:ShjjSqVH
翼「そんなに?確かにサンパウロでもそんな事を言われた事はあったけど…」

早苗「きっと私の知らなかった翼くんなんだわ。でも当然よね、私達二人とも大人になったんだもの」

だがそれは翼にとって呪いの一言となる。



翼「そうなのかな…俺、そんなに変わった?」

早苗「うん。そういえば、ジャパンカップでプレイを見た時も、あれ?って思っていたわ」

サッカーと共に育ち、サッカーを愛し、サッカーに人生を捧げるのが当たり前だった翼に。



                     早苗「今の翼くんって、まるでサッカーが好きじゃないみたい」

                          彼女はその一言を言ってしまった。



翼「………え?」

傍目には翼は驚きで固まった様にしか見えなかっただろう。
早苗もそう判断し、慌てて弁解を試みた。だがそれが翼の心に届く事は無かった。

早苗「あ、ごめんなさい!私バカな事言ったわね」

翼「(サッカーが…好きじゃない…?)」

320 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:12:46 ID:ShjjSqVH
いったんここまで。

321 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 18:28:40 ID:ShjjSqVH
その概念は今まで翼の意識下に眠っていた。

早苗「自分からサッカーバカって認めちゃう翼くんがサッカーを楽しんでいないなんて事、有り得ないのに…クスッ」

翼「(俺は…サッカーが好きじゃない…?)」

翼の心の中に何時の間にか根付き、宿主に気付かれる事無く成長し続け奥底から心を少しずつ蝕んでいた。

早苗「一生貴方を応援し続けるって決めたのに、こんな事を言うなんて…私もまだまだね」

翼「(そんな筈無い。俺はずっとサッカーをやってきたんだ)」

翼はひょっとしたら気付いていたかも知れない。自分の心に走る痛みとその原因に。

早苗「…翼くん?どうしたの?」

翼「(俺がサッカーを嫌っているって?馬鹿げている!)」

だがその概念の存在を認めるのが怖くて翼はそれを放置し続けた。

早苗「つばさくん…?」

翼「俺がサッカーが好きじゃないなんて…そんなの…」

早苗の言葉が水となった今、その概念は一気に芽を出した。



             翼「 そ ん な の ウ ソ だ ぁ あ あ あ あ ー ー ー っ ! ! 」




322 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 18:28:59 ID:ShjjSqVH
翼は叫んでいた。何時の間にか立ち上がって叫んでいた。

早苗「きゃあっ!?」

早苗がショックで仰け反り倒れ、弾みで側にあったサッカーボールを転がしてしまう。

翼「………!!」

この時翼は早苗より傾斜の下の位置に居た為、ボールは翼の方にゆっくりと転がり始めた。

自分に近づいてくるボールとその向こうから自分を見つめてくる早苗を見た時、翼は走り出していた。

気がついたらまるで殺人鬼に追われている様に走っていた。

鍛えに鍛えた脚と肺が彼の望み通り速度を提供し続け、目に映る光景が
次々と絵の具の様に流れて消えていく。後ろの方で彼の名を呼ぶ声が聞こえた気がしたが、
翼は振り返らなかった。振り返られなかった。もっともっと速く走っていた。

ぜいぜいと息を吐く音が聞こえる。それが自分の息だと理解した時、
翼は実家の玄関に辿りついていた。笑う膝と破裂しそうな肺を叱咤し鍵をかけ、
ようやく翼は一息をつき僅かながら落ち着きを取り戻した。

ただ、その僅かな落ち着きも長持ちしなかった。

翼「な、何を…やっているんだ俺は…早苗ちゃん、置いてきちゃったな…
後で電話をかけて、謝らなきゃ…でもその前に、横になろう…」

翼は安息を求め自室に向かった。

そしてまた絶叫を上げそうになった。

323 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 18:30:01 ID:ShjjSqVH
翼「あ…ああ…あ…!」

壁と窓ガラスにはマラドーナなど名選手のポスターに様々のサイズのサッカーボールやクラブロゴのシール。
柱には中学生時代に刻んだ「おれたちの夢全国制覇V3!」の文字。
本の類はサッカーに無関係な物など殆ど見当たらず、子供の頃遊んだおもちゃもサッカー関連の物ばかり。
勿論サッカーボールは部屋中にいくつも転がっており、ユニフォームや運動着が大半を占める
衣装箪笥の底にも使えなくなったサッカーボールの残骸がどっさり。
安息を求めに来た筈のベッドのかけ布団まで水玉模様ならぬサッカーボール模様である。

大空翼と言う一人の人間のこれまでの生き様が凝縮された部屋。
数え切れない程の思い出を積み上げてこうしてきた自室。

それは今の翼には恐怖しかもたらさなかった。

翼「か…帰ろう…じゃなくて、戻ろう…」

這う様に自室から遠ざかりながら翼は自分に言い聞かせる様に呟いていた。
だが今の彼に自分を安心させられる言葉は何も思いつかなかった。

翼「ブラジルへ戻ろう…寮の部屋はあんなになっていないから…ブラジルに戻って…戻って…
何をするんだ…トップチームに混ざって、サッカーを…サッカーをしに、戻る…」

彼は今、怯えていた。サッカーが好きではないと言う概念に。その概念を否定できない事に。

翼「嫌だ…嫌だ…サッカーが嫌いだなんて…嫌だ。そんなの、嫌だ…」



ピンポーン。




324 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 18:30:19 ID:ShjjSqVH
大空家のインターホンが鳴ったのはその時だった。
そしてそれを押したのは勿論今翼がもっとも会いたくない人物だった。

早苗「ハァ…ハァ…つ、翼くん、居る…?居るよね…靴が外に脱ぎ捨ててあるし…ハァ…ハァ…」

インターホン越しの早苗の息は荒かった。翼の脚についてこようと相当無理をしたのは明らかだった。

早苗「フゥフゥ…スゥ…ごめんなさい!私、プロデビューを控えた翼くんの心を乱す様な事を…」



翼「帰ってくれ!」



気が付いたら翼はまた叫んでいた。気が付いても止まらなかった。

翼「(えっ、今俺はなんて…)」

早苗「え?つ、翼く…」

翼「帰ってくれよ!どうしてあんな事を俺に言えるんだ!(違う!早苗ちゃんは悪くない!)」

早苗「つば、さ…く、ん…」

翼「(止めろ!止めるんだ大空翼!)酷いじゃないか!君のせいでサッカーが嫌いになったんだよ!」

早苗「つ………」

翼「(頼むから誰か止めてくれーーーっ!!)頼むから帰ってくれーーーっ!!」

325 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 18:30:42 ID:ShjjSqVH
早苗「……………」

翼「ゲホッ!ゲホゲホゲホッ…」

あまりに甲高く叫びすぎて翼は咳き込みそれ以上声を出す事が出来なくなった。
しばらく痛々しく咳き込む音だけが響いた後、早苗の涙ぐんだか細い声が翼の耳に届いた。

早苗「ごめん、なさい…わたしが、よけいな、こと…」

翼「(違う、違うんだ!君は悪くなんかない、全部俺のせいなんだ!)」

早苗「きょうは、かえるね…あした、ううん、あさってまたくる…」

翼「(明後日?それじゃダメなんだ、俺は明日の便でブラジルに戻るから…)」

早苗「かえさないと、いけないものが、あるから…」

翼「(返さないといけない物…?俺があげたプレゼントとか?)」



早苗「さよ、うなら…」



翼「(立て!何をやっているんだ翼、今すぐ追いかけて謝るんだ!お前は今とても
大切な物を失おうとしているんだぞ!早く立て!頼むから立ってくれーーーっ!!)」



翌日翼はブラジル行きの飛行機に乗っていた。壮絶な疲れを堪えている表情で。

その次の日早苗が大空家を訪れた時、翼は当然そこには居なかった。

326 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 18:33:26 ID:ShjjSqVH
今日はここまで。

たまには厨二っぽい展開も良いかなと思いました。
なんだか厨二の解釈を間違えている気もしますが。

327 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 18:41:40 ID:x5c9QXVQ
乙です

ていうかお前早苗に何かプレゼントしたことあんのかいw

なんて野暮なツッコミは置いといて
厨二展開ごちそうさまでした
これもまた青春
しかし2ねいさんは早苗の影が薄いとか言ってたから
油断してたらまさかこんな役回りにw

328 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 18:45:49 ID:F2bPm3s9
なんだろう、翼ざまぁとしか思えない俺は病んでいるな

329 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 18:58:46 ID:J85nDBvQ
なんかこの翼の方が好感持てるんだが・・・
まぁ翼ざまあは変わらないけど

330 :創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 19:22:55 ID:WuvepcBd
翼ざまぁよりあねご可哀想のが強い

331 :創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 17:05:46 ID:+aFuhJ9Q
なんというサッカーサイボーグ

332 :創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 18:15:15 ID:23D2B1tB
さすがに翼に同情するぜ
森崎みたいに最初からひねくれていたらある意味楽だったろうに…

333 :創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 23:15:21 ID:EkC7NTxb
あねごの傷心はかなり酷そうだな
普通に彼氏に言われただけでも相当ショックな言葉なのに
日本期待のエースの立場にある選手から
お前のせいでこの競技嫌いになったとか言われたら
個人の感情越えた責任感つか罪悪感みたいなものまで芽生えそうだ

334 :創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 23:21:54 ID:jxYpGtnX
これで翼に再会する前にアネゴが事故に遭ったら韓流ドラマだなw

335 :創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 23:48:58 ID:dk0AZ2xn
これ乗り越えて元のサッカー好きに戻ったら
キャプテン争いとか執着しなくなりそうだなー

336 :創る名無しに見る名無し:2010/03/24(水) 00:01:44 ID:0lDzQtTZ
いや、逆に「森崎くん、勝負だ!(キラッ」みたいなテンションになりそう

337 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 00:13:12 ID:kMe4/qku
〜東京都のとある病院〜

入院三日目、森崎は申し訳なさそうな顔の医者の前で口を開けて呆然としていた。
更に彼の周りには見上と賀茂も居り、二人もまた顔を顰めていた。

曰く、森崎の腰はかなりのダメージが溜まっている。

曰く、今の痛みは1週間もコルセットをつけていれば消えるが運動をすればその日の内にぶり返す。

曰く、腰の筋と骨を半年は休ませないと再び痛み無しに運動出来る状態にはならない。

曰く、その半年後もリハビリと腰の補強に費やさないと今後の腰の負傷は予防できない。

医者「…と、言う訳でだ。私が薦めるのは自宅で安静にして療養する事なんだ」

森崎「冗談じゃないですよ…俺、日本代表なんですよ?後ちょっとでプロにもなれるんですよ?
それが半年も安静にしていたら腕が錆びるなんてモンじゃないです!
来年の春にワールドユースがあるってのに、それに出られなかったら俺の将来お先真っ暗ですよ…」

医者「うむ。いやあ実は私もサッカーファンでね、なんとかならないかと知り合いの
スポーツドクターに片っ端から連絡を取っているんだが…皆言う事は一緒だ。
大きな施設で専門の医者をつけ、毎日診断を繰り返しながら腰を痛めない
リハビリプログラムを早期から組めばなんとかなる見込みはあるってね」

森崎「…えっと、それ、どんだけの金がかかるんですか?」

医者「…どれだけ低く見積もっても、千万以下では済まないだろうね…」

森崎「いっせんまんえん…」

338 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 00:13:34 ID:kMe4/qku
見上「森崎。お前の親御さんは千万円を出せるか?」

森崎「…日本サッカー協会の負担でパルメイラス行きが決まった時、親父もお袋もお前はなんて孝行息子なんだって
泣いて喜びましたよ。俺の高校進学の為に溜めておいたお金をローンの返済に使えるって…」

見上「そうか…」

絶望しかもたらさない医者の説明に焦れた見上が口を挟んでも事態は好転しなかった。
森崎は決して金持ちの家の子ではなく、千万円を用意しろと言われてもはいそうですかと出せる訳が無い。

見上「賀茂、協会の方でなんとかならんか?」

賀茂「今朝片桐が会議に出ている筈だが…望み薄だろうな」

森崎「………そうですか………」

医者「あの、私もなんとかならないか知り合いにかけあってきますので。それではまた後程」

流石の森崎もこの状況では空元気も出せず、見かねた見上も珍しく親身になって賀茂に
相談するが色よい返事は返ってこない。居心地が悪くなった医者が部屋から出て行き、
それと入れ替わる様に片桐が入ってくると3人の視線は彼に集まった。

片桐はサングラス越しでも分かる程濃いクマを目の下に作っており、何時もはビシッと決まっている服装も
今はまるで徹夜の飲み会帰りの中年サラリーマンの様にヨレヨレになっていた。

賀茂「…ダメだったか」

片桐「無理でした。協会内には”せっかくブラジルに行かせてやったのに結果はこれか!”と
森崎を責める声もありまして…更に見上さんの責任論まで出ていました」

339 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 00:13:55 ID:kMe4/qku
見上「フン。日本のユース代表監督なぞ大して儲かる仕事でもないのに身勝手な責任論だ」

片桐「今回はそれが逆に作用して見上さんの立場は守れましたよ。
ただ、やはり森崎にそこまでの金は出せないと言う結論は覆せませんでした」

賀茂「まーそりゃーしょうがないわな。どんな事情があったにせよ、森崎にもっと金をかけなきゃいけなくなるってのは
協会としちゃ無理難題だ。プロリーグの設立構想、W杯招致活動、アジア予選の準備…
金がいくらあっても足りゃあしねえ。この状況で更に一選手に金をかけるのは大問題だろうよ」

見上「しかも若林が居るからな。贔屓だと非難されてまで森崎を救済する必要は無い。合理的だ」

森崎が側で聞いているのもお構いなしに裏事情を語り合う大人3人。
最初は大人として扱っていてくれているのかな、などと現実逃避していた森崎も
話が進むに連れ黙ってはいられなくなった。

森崎「…するってえとなんですか?俺は日向に泣きつく位しか選択肢が無いって事ですか?」

見上「その選択肢すら無いぞ。一昨日から日向は行方不明だ」

森崎「は!?なんですかそりゃ!もうすぐオランダユースとやるんでしょ?」

見上「それを伝えられる前に居なくなってしまったのだ。若島津達でも何処に居るかは分からん」

森崎「マジですか…こうなったら若林…つってもあいつん家は日向ほどの金持ちじゃないし、
あいつは半ば勘当気味な三男坊らしいし…例えあいつが協力的でも無理っぽいな。
じゃあ翼は確か親父が船の船長で…滅多に家に帰ってこないから話もできそうにないか。
それ以前に若林も翼ももう日本に居ないじゃねーか!ああもう八方塞かよ!」

ガシガシガシッ!

340 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 00:14:11 ID:kMe4/qku
事態は最早森崎がプライドを投げ捨ててもどうにかなる状態ではなく、
世知辛すぎる問題に彼は髪をかきむしらずには居られなかった。
必要ならどんな事でもすると言う方針でここまで辿りついた森崎にとって
何も出来る事が無いと言う状況はあまりにも過酷な物だった。

賀茂「こうなったら募金でもしてみるかあ?確か三杉もそれで心臓病の手術費を稼いだんだろ?」

森崎「…上手く行ったとしても、何ヶ月かかるんですかねそれ」

賀茂「さあなあ…あいつは小学生時代から女子ファンクラブがあって、その会員達が
芸能人に金をつぎ込む勢いで貢ぎまくっても半年以上かかったそうだからなあ…
テレビでさらし者になったとしても、1ヶ月2ヶ月で足りるかどうか」

森崎「意味無いじゃないですかそれじゃ!俺はまとまった金が今すぐ必要なんですよ!」

片桐「落ち着け森崎。気持ちは分かるが賀茂さんに食って掛かっても問題は解決しないぞ」

森崎「…畜生!ここまで来たってのに…」

見上「………」

本音を隠さず荒れて嘆く森崎の姿に大人たち3人もかける言葉がみつからなくなる。
彼らも皆志半ばのまま現役を退いた元サッカー選手であり、今の森崎の境遇に共感せずには居られないが
金ばかりはそう簡単に都合がつけられる物ではない。地獄の沙汰も金次第なのである。

だが捨てる神あれば拾う神あり。森崎の運はまだ尽きていなかった。

ガチャッ。

陽子「失礼します!森崎くん、とびっきりの救世主を連れてきたわよ!」

森崎「へ?陽子さん…と…な、なにィ!貴方は!」

341 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 00:15:38 ID:kMe4/qku
いったんここまで。今夜中にもう一回更新出来るかな?

342 :創る名無しに見る名無し:2010/03/24(水) 00:21:26 ID:thQkbHHv
クッ!なんて気になるヒキをしてくれるんだ…

343 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 01:02:18 ID:kMe4/qku
流石に間に合いませんでした。今日はここまで。



今日のキャプ森に関係無い事。
モスクワの本田、凄いですね。中田、中村、小野以上の
選手として大成して欲しいものです。
平山みたいなオチは勘弁…

344 :創る名無しに見る名無し:2010/03/24(水) 01:18:07 ID:urOt/C29
世紀末救世主乙でしたー

345 :創る名無しに見る名無し:2010/03/24(水) 03:45:12 ID:kvKqfp0W
乙です!
平山にも期待してあげて下さいw
出戻りしたとはいえ代表クラスのFW、学年も本田と一つしか違わないんだから…

346 :創る名無しに見る名無し:2010/03/24(水) 05:07:36 ID:4esORPPI
平山というとどうしてもダメギが(

347 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 08:53:20 ID:kMe4/qku
>>345
平山はホームシックで帰っちゃったと言うメンタルの弱さが…
勝てば官軍負ければ賊軍のストライカーがそんなんでやっていけるか!と
当時リアルタイムで相当ガッカリした思い出があるんですよ。
実力と才能は疑い様が無いぶん余計ガッカリで…
それでも活躍してくれれば良いんですが、果たしてどうなるやら。

348 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 08:55:14 ID:kMe4/qku
ルーカス「HI!久しぶりですね、モリサキ!」

森崎「ルーカスさん!」

バウミール・ルーカス。3年前森崎をスカウトしたパルメイラスのスカウトである。

ルーカス「ジャパンカップ優勝おめでとうございます。そして今大変な事になっている様ですね」

森崎「ええ、そりゃもう…ってそれを知った上で日本に来たって事はまさか!」

ルーカス「YES! THAT’S RIGHT!」

ここでルーカスは深呼吸をしてから朗々とした声で宣言した。



ルーカス「ユーゾー・モリサキ!SEパルメイラスは貴方に2年契約をオファーします!」



森崎「…おいくら程で?(こういう時、真っ先に値段を聞くのは失礼じゃないよな。多分)」

ルーカス「はい、それはこちらの書類に」

降って湧いた様な話に森崎は興奮を必死に抑えながらルーカスの差し出した書類を確認する。
そこにあった額は森崎の治療とリハビリ代を差し引いても尚余りある物だった。

賀茂「ほう!これだけありゃ余裕じゃねえか!」

森崎「…有難うございますルーカスさん。これが無ければ俺はどうなっていたか…」

陽子「良かったわね森崎くん!」

349 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 08:55:43 ID:kMe4/qku
こうして森崎の金銭的問題は予想していなかった方向からあっさり解決した。
天の助けとばかりに喜ぶ森崎だったがルーカスは釘を刺す様な話を続けた。

ルーカス「HAHAHA、お礼は必要ありませんよ。私はあくまでパルメイラスの為にビジネスをしているのです。
君を見捨てるよりも君に投資した方が将来のリターンが大きいと判断した為オファーしたんですよ。
実際に上層部は満場一致で決めた訳ではなく、本来なら4年契約を結び後で移籍金を
ガッポリ稼ぐつもりだったんですが君がリハビリの甲斐無く腕を落としてしまった場合も考えて
2年契約に変えたんです。その場合君は本当にゴミの様に捨てられ見向きもされなくなりますよ?」

森崎「そりゃそうでしょうね(エベルトン監督も上手い事を言ったもんだぜ。
俺達サッカー選手はより良い牧場に買われる為に日夜努力する家畜か…ヘッ、上等だ)」

見上「(これでなんとかなるか…ここに来て森崎がキャプテンから降りていたらどんな混乱が
発生していた事か。後に復帰した場合は更にややこしい事になっていただろうしな)」

ルーカス「それともう二つ。これは契約条件ではありませんが、私から二つリクエストを」

森崎「はい?」



ルーカス「まず一つ。必ず来年のワールドユースで活躍して下さい。出るだけじゃダメですよ」



森崎「…任せて下さいよ。例えダメって言われてもMVPを掴んでやりますよ」

見上「あまり大口を叩くな。GKがMVPを取るとなると大会通算失点率をかなり低くしないといけないぞ?」

賀茂「まあ意気込みとしてはブルってるより良いんじゃねえか?Jrユース大会では実際にMVPだったんだしな」

350 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 08:55:58 ID:kMe4/qku
悩み事が解決された森崎が立ち直るのは速かった。出世払いの様な物だと促されても
平気で巨大な目標をぶち上げ、周りが苦笑しても全く悪びれようともしない。

ルーカス「良いメンタルです。何時までも勇敢なキーパーのままで居て下さいよ」

森崎「当然!で、もう一つのリクエストはなんです?」

ルーカス「ええ、こちらの方がより大事なリクエストなのですが…」

それも束の間の事で、ルーカスがより真剣な表情になると森崎も笑顔を引っ込めた。
ただならぬ様子に見上、賀茂、片桐兄妹までも沈黙したのを見計らい、ルーカスは口を開き…



ルーカス「ギロッポンのGEISHAガールと遊びたいので良いお店を紹介してください」



ニマーっとお世辞にも上品ではない笑みを浮かべた。

森崎「ぎ…ぎろっぽん?何ですかそれ?」

ルーカス「おや?トーキョーのミナトクと言う地域にそういう名前の繁華街があると聞いていたのですが…」

陽子「東京の港区…六本木の事ですか?」

ルーカス「OH!ロッポンギと言うのですか。間違えて覚えていた様ですね、HAHAHAHA!」

陽子「(どうやったら間違えられるのかしら…)」

大真面目な話をしていた筈なのに突然下卑た話題になり、日本人5人は目が点になった。

351 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 08:56:17 ID:kMe4/qku
森崎「…えーっと、要はエッチな事が出来る飲み屋に行きたいって事で良いんですか…?」

ルーカス「YES, YES!」

陽子「(なんてワクワクした顔…子供みたいに瞳を輝かせてるし…)」

森崎「(そういや旅先での浮気が趣味だったなこの人…)ルーカスさん、
日本の飲酒年齢は20歳からなんですよ。俺今18歳なんで、そういう店には行けません」

ルーカス「WHAT?それは残念ですね。ではどなたか別の人に案内を…」

年齢の都合で森崎が頼みを断るとルーカスは後ろの4人に視線を向けた。
たちまち同じく未成年でありそれ以前に女である陽子が顔を背け、残りの3人が醜い押し付け合いを始める。

片桐「私はオランダユース戦の準備で忙しいので、見上さんお願いします」

見上「私だって合宿を監督せねばならん!賀茂、ここは頼んだぞ」

賀茂「待て、俺はお前らと違って貧乏人なんだ!金持ちの片桐が行けよ!」

片桐「無理です!私はそんな店に行ったら…私の家庭の事情はご存知でしょう!」

見上「私なんか妻子持ちだ!家庭を崩壊させろと言うのか!」

賀茂「汚えぞてめえら!いくら裏方だからって汚れ役を全部引き受けて堪るか!」

ルーカス「ホッホッホ、遠慮せずに4人で行きましょうよ。皆で楽しく命の洗濯をしましょう」

片桐・見上・賀茂『そういう訳にはいかないんですよ!』

352 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 08:56:31 ID:kMe4/qku
陽子「キャバクラの案内を押し付けあう日本サッカー協会の役員達…な、情けないわ」

森崎「つーかルーカスさん、俺がワールドユースのMVPを取るよりも女遊びが大事なのかよ…」

呆れて見ていられなくなった森崎と陽子は廊下に退散し、そのまま病院の庭に出た。
冬を超えて春に備えている桜の木を見ると恥ずかしい気持ちも無くなり二人に笑顔が戻る。

陽子「なにはともあれ、お金の工面がついて良かったわね森崎くん」

森崎「全くだぜ。世の中金だって思い知った。この大事な時期を逃していたらと思うとゾッとするぜ」

A 「ところでさっき片桐さんが言ってた家庭の事情って何なんだ?」
B 「とは言っても、リハビリもしっかりやらないと腕が落ちちまうな」
C 「有難う陽子さん。マジで救世主だったよ、助かった」
D 「ここで一句詠むか。枝折れど 尚も華咲く 森の先」
E 「元気になったらまた海にでも行こうぜ、陽子さん」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/3/24 11:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

353 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 08:58:07 ID:kMe4/qku
投票期間を☆2010/3/24 10:00:00☆からに訂正します。


354 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 12:27:34 ID:kMe4/qku
>C 「有難う陽子さん。マジで救世主だったよ、助かった」

陽子「どういたしまして。でも実際に助けに来てくれたのはルーカスさんとパルメイラスよ。
私はただの連絡員だからあんまり胸を張れた事でも無いわ」

森崎「まあ、そうなんだけどさ。連絡が遅れていたらそれだけで俺どんどん嫌な気持ちになっていただろうよ。
それに上司…じゃないけど敬わないといけないおっさん4人に囲まれていたらそれだけで気がめいるし」

早苗「あら、森崎くんはまだ良いわよ。私なんかそういうおじさん達と日常的に顔を会わせているんだから。
いやらしい目で見られる事も珍しくないんだから、ホントいやんなっちゃう」

森崎「そりゃあ、陽子さんのナイスバディじゃなあ…」

陽子「あら、硬派な学生時代を過ごした森崎くんとは思えないセリフね」

森崎「俺だって女に興味はあるさ。っていうか俺の学生時代まで調べているのか?
(まさか俺が覗き好きだって言うのまではバレていないよな…)」

陽子「あくまで学校側の報告を聞いた程度よ。浮ついた話が無く、更にかなり腕白だったらしいわね?
パルメイラス時代もGK達と殴り合いをした事があったって聞いているわよ」

森崎「ちぇっ。有名税って奴かよ」

森崎と陽子はしばし散歩しながら他愛の無い会話に花を咲かせた。
しかし病院の庭は狭く、見られる物も少ない。

森崎「そろそろ中に戻るか?」

陽子「う〜ん…兄さん達がまだまだケンカしていそうでちょっとイヤね…」

355 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 12:27:50 ID:kMe4/qku
森崎「確かに…って言うか片桐さんこんな所でノンビリしていて良いのか?
オランダユース戦が急に決まったから不眠不休で走り回っているって聞いたけど」

陽子「それは今朝までの事よ。もう60時間くらい寝ていないそうだけど、それだけ
頑張った甲斐あって急ピッチで手続きが進んだんだって。今日の午後からは明日の朝まで休みよ」

森崎「そうか。しかしこんだけ迷惑をかけるなんてオランダユースもふてえ奴らだな」

陽子「全くね。ただ、彼らはそれだけ自惚れる資格のある強さを持っているかも知れないわよ」

森崎「西ドイツユースを4−1で倒したってアレか?一体どうすればそんな事が出来るんだか…」

陽子「私もビデオを見た事が無いから詳しい事は分からないんだけれど…
どうやら彼らはトータルフットボールと言う戦術を使い、試合の主導権を握ったそうよ」

森崎「トータルフットボール…?」

陽子「私はその単語を聞く事自体初めてでどんな戦術か知らないんだけど…森崎くんは知ってる?」

森崎「なんか何時かのオランダ代表がワールドカップで使っていた戦術…だったと思うが詳しい事は知らん」

陽子「そう…試合で実物を拝むしかなさそうね」

二人の会話は自然とサッカー関係の物に移り数日後に行われる全日本対オランダの話題になる。
例え森崎が参加出来ない試合であっても、二人が安息を得られる時ではなかった。



ちなみにルーカスの案内は結局マスコミに見られてもスキャンダルの心配が無い賀茂が
金は見上と片桐が半分づつ出すと言う条件付で押し付けられる事になった。
「クノイチは何処ですか?」などと日本文化誤解を繰り返すルーカスにさぞや手を焼いたとの事である。

356 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 12:28:28 ID:kMe4/qku
いったんここまで。

357 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 15:52:16 ID:kMe4/qku
そして試合の三日前、オランダユースは来日した。
彼らは試合前の二日間を都内の練習場で調整に費やした後試合前日の夕方に記者会見を開いた。
ただでさえジャパンカップの成功でサッカー熱が高まっている時期に
間違いなく強豪国と言えるオランダがやってきた為マスコミの注目度は高く、
記者会見にはスポーツ関係に限定されない大手新聞やテレビの記者が詰め掛けた。

記者会見に出席したのはデニス・クラマー監督とキャプテンのブライアン・クライフォート。
全日本ユースも見上と暫定キャプテンの三杉が出席した。

まずはオランダユース側へのインタビューが行われた。

記者A「クラマー監督、日本の印象はどうでしょうか?」

クラマー「実はわしは以前何度か日本に来た事がありまして、これが一度目では無いんですよ。
日本は過ごしやすくて良いですね。ラッシュアワーの電車だけは疲れますが」

記者A「ではクライフォートくん、君は日本は初めてかな?」

クライフォート「ええ。感想を言うと…ハシが使いにくくてしょうがありませんね。テンプラは気に入りましたが」

記者B「来年のワールドユースに向けて、ヨーロッパ予選を突破出来る自信はありますか?」

クラマー「それは勿論。予選にも強いチームは沢山出てきますが、我々は一位突破を目指します。
皆さんが来年の4月ブラジルに赴けば、そこで凄く強いオランダユースを見られると思いますよ」

最初は当たり障りの無い質問から始まり、クラマーとクライフォートもニコニコと友好的に答える。
だが質問が明日の試合に関係する様になると途端に二人の態度は豹変した。

358 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 15:52:30 ID:kMe4/qku
記者C「お二人両方に答えて頂きたいのですが、全日本ユースの選手で特に注目している選手は居ますか?」

クラマー「そうですね。やはりツバサ・オオゾラ、ユーゾー・モリサキ、ゲンゾー・ワカバヤシの3人でしょうか。
この3人がいずれもそれぞれの事情で今回の試合に出れないと知って大変残念に感じました」

クライフォート「正直言ってこの3人の内誰も居ないんじゃ負ける気はしませんね」

三杉「!」

ォオオオオオオオオオ…

記者D「で、では他には脅威に感じる選手は全く居ないと…?」

クラマー「前述の3人には劣りますが、コジロー・ヒューガ、シンゴ・アオイ、トメヤ・アカイの3人も中々ですね。
ただヒューガも出場しないそうですし、アオイとアカイはジャパンカップの怪我から回復したてだと聞いております」

クライフォート「そしてそこに居るジュン・ミスギもテクニックは素晴らしい物がありますが…それだけです。
所詮はプロサッカーに縁の無い日本育ちの選手。既にアヤックスの一軍でプレイしている俺の敵ではありません」

三杉「………」

いきなり慇懃無礼になった二人の発言に記者達はどよめき、同席している三杉は目を冷たく光らせる。
更にクライフォートは立ち上がって腕を広げ、黙り込んでしまった記者達にスピーチをする様に堂々と宣言をした。

クライフォート「今のやり取りを聞いて皆さんはどんな感想を抱いたでしょうか?自信過剰、大言壮語、無礼千万…
そう言った単語で集約できる感想でしょう。3年前フランス国際Jrユース大会を制した日本を侮ったら後悔するぞ…と。
しかし明日その思いは裏切られ、今我々が言った事はただのシンプルな事実であったと理解出来るでしょう。
我々オランダユースは全日本ユースを敬意を持って大差で倒しますので、一方的な虐殺ゲームをぜひぜひお楽しみ下さい」

359 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 15:52:43 ID:kMe4/qku
ザワザワザワ…

記者達「(な、なんて傲慢な…)」「(いくら自信があってもそこまで言うか?)」「(監督もニコニコしてて咎めようともしないなんて!)」

スタッフ「で、ではオランダユースへの質問を終わりにします!続きまして全日本ユースへの質問をどうぞ!」

親善試合に来たとは思えない態度での大勝宣言に場内に不穏な空気が流れ始める。
それを敏感に察したスタッフによってオランダ側への質問時間は打ち切られ、日本側への質問が始まった。
だがスタッフの配慮も空しく記者達はオランダ側の態度に関した質問を我先にと飛ばす。

記者C「見上監督!今のオランダ側の発言をどう思いますか!」

見上「自信があると言う事でしょう。こちらにも自信はあります。自信の無いチーム同士で戦っても意味がありませんから」

記者D「しかし、実際に主力選手が何人も欠けているこの状態では勝利は難しいのでは…」

見上「戦力と勝率が落ちたのは事実です。それをなんとかするのが私の仕事です」

記者E「具体的にはどうするんですか?」

見上「それを今ここで言っては敵に塩を送ってしまうでしょう。明日まで秘密ですよ」

幸い見上は模範的な対応で上手く煙に巻き、自分やチームの立場を危うくする失言を一切しなかった。
それでも特ダネが欲しい記者達は今度は矛先を三杉に向ける。

記者A「三杉くん!クライフォートくんは君の事を格下だと思っている様だけど?」

三杉「その様ですね。実際に実績とコンディションから見れば
僕達全日本ユースはオランダユースにとってかませ犬にちょうど良いでしょう」

クライフォート「(ほう…)」

360 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 15:52:57 ID:kMe4/qku
記者B「そ、それは最初から勝利を諦めているって事!?」

三杉「全然違います。かませ犬にはかませ犬なりの戦い方があります。そして明日の試合に勝つ為に
まず必要な事は相手が格上だと認めておく事。次に格下らしく大物食いを狙いに行く事ですよ」

記者達「れ、冷静だ…」「流石貴公子、三杉淳」「こりゃあ良い記事になるぞ!」

クライフォート「(この程度の挑発には乗らないか。頭は良い様だな)」

三杉「ブライアン・クライフォート」

スクッ。

三杉もまた見上同様失言を避けたが、同時にマスコミ受けが良くなる味付けをしたコメントをした。
更に三杉はドラマ性を求めて先ほどのクライフォートに対抗する様に立ち上がりオランダ側を向く。

スクッ。

クライフォート「何かな?」

三杉「明日は良い試合にしよう」

クライフォート「…フフフ、それは勿論。我々サッカー選手はスポーツマンであると同時にエンターテイナーでもある。
明日はお客さん達を退屈させない試合にしよう…それがどんな結果であってもな」

ガシッ。

見上「(似た者同士だな)」

クラマー「(同類嫌悪で絶対に仲良くできない二人だな)」

冷笑に満ちた記者会見は両チームのキャプテンの握手で幕を閉じた。

361 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 15:55:57 ID:kMe4/qku
いったんここまで。

362 :創る名無しに見る名無し:2010/03/25(木) 01:23:31 ID:RMYY27zW
>>354
あねご・・・いつの間に
流石にキャプ翼2の2Pキャラといえようw

363 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/25(木) 22:15:17 ID:5aKhpk8M
〜東京都新宿区、国立霞ヶ丘陸上競技場〜

観客「頑張れ全日本ー!」「今度も勝てよー!」「傲慢なオランダの目に物を見せてやれ!」
「森崎と日向が居ないからって負けるなよ!」「三杉ー!クライフォートなんかに負けんな!」

放送「ジャパンカップに続き今日も超満員のここ国立霞ヶ丘陸上競技場からお茶の間の皆様にお届けします!
今日の相手は前日の記者会見で大胆極まる大勝宣言をぶち上げたオランダユース!
森崎くんと日向くんを欠いている全日本ユースもここまで言われては負けられません!」

試合当日の会場は雨が降りそうな曇り具合だったにも関わらず盛況だった。
世界への夢を見せてくれたこの世代の日本代表がバカにされた事でオランダユースに対する敵意は高く、
森崎と(マスコミはヒューガーに関わろうとしないので勝手な推測が飛び交っている)日向が
居なくても全日本ユースの勝利を期待していた。

だが現場レベルではそう楽観的にはなれなかった。
全日本ユースのミーティングの空気は真剣そのもので、誰もがピリピリした表情になっていた。

見上「作戦は以上だ。苦しく不利な戦いになるだろうが、そういう時こそ本当の強さが問われるぞ」

全日本メンバー『はいっ!!』

若島津「(こんな形でスタメンが回ってくるとはな…だが、作戦通りやればきっと無失点に抑えきれる!)」

中山「(森崎が負傷したのは俺が何の役にも立っていなかったせいもある。今日こそは…!)」

葵「(ハンブルグ戦では完全にチームに迷惑をかけちゃった。ここで挽回だ!)」

三杉「(オランダユースの戦力はしっかりと分析した。逆に彼らは僕らを侮って油断している。そこに勝機はある)」

主力抜きで強豪相手に何処まで出来るのか。その答えが間も無く出ようとしている。

364 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/25(木) 22:15:35 ID:5aKhpk8M
全日本ユース 5−3−2
−−−−−
−J−H− J政夫 H和夫
−−−−−
F−I−G F中里 I三杉 G葵
−−−−−
−E−D− E早田 D赤井
−ACB− A石崎 C次藤 B中山
−−@−− @若島津

オランダユース 4−3−3
J−H−F Jカイザー Hイスラス Fレンセンブリンク
−−−−−
−−−−−
G−I−E Gクリスマン Iクライフォート Eスルバラン
−−−−−
A−−−B Aオーゴ Bキクサリ
−C−D− Cリブタ Dディック
−−@−− @ドールマン

365 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/25(木) 22:16:36 ID:5aKhpk8M
いったんここまで。
さて、試合展開の詳細を決めなくては…

366 :創る名無しに見る名無し:2010/03/25(木) 23:20:52 ID:DCfswkJk
ここからが本当の地獄だ……

367 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/25(木) 23:52:48 ID:5aKhpk8M
中途半端に書くよりも今夜はここまでとします。
また明日お会いしましょう。



今日のキャプ森に関係ない事。
初めて闘神伝をプレイした時の様な胸のドキドキをもう一度味わいたい…

368 :創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 00:00:13 ID:yc86iG4C
闘神伝2を二晩ぶっ通しで対戦し続けたあの若かりし日よ…

369 :創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 02:32:08 ID:R6266FAs
エリス「2ねいさんのバカー!」

370 :創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 07:21:09 ID:EGqdSKWK
にとうしんでん……だと?

371 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 19:42:15 ID:LAco4xJk
>>368
なんと熱い思い出。ヴァーミリオンは禁止でしたか?

>>369
ごめんねエリス、1では簡単で強力すぎるチェインコンボが嫌いで、
2以降では弱体化していたのが嫌いだったの。ごめんね。

>>370
それはやってません。VFキッズと違ってクソゲーっぽかったので。

372 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 19:43:25 ID:LAco4xJk
ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

放送「さあ試合開始です!オランダボールでキックオフ!彼らが使うと言う
トータルフットボールなる戦術は一体どんな物なのか、そして全日本ユースはそれにどう対抗するのか?」

クライフォート「(5バックか、最善の選択をしてきたな。だがそれも無駄となる)」

バコッ!

放送「キャプテンのクライフォートくん、まずはクリスマンくんにパス。
三杉くんが向かっていましたが、いきなりのキャプテン対決は実現しない様です」

三杉「おや、意外だな。すぐに僕の自信をへし折りに来ると思ったんだが」

クライフォート「焦るな。ダンスパーティは始まったばかりさ」



放送「クリスマンくんが中心になったパスワークで徐々に攻め入るオランダ!
全日本は5バックを使っている事もあってこれをカット出来なさそうです。
ハンブルガーSV戦同様カウンターアタックを仕掛けるチャンスは巡ってくるのでしょうか?」

森崎「(今日も5バックか…実際に三杉と葵しか世界で通用するMFが居ないから
しょうがないが、FWは日向抜きで立花兄弟だな…もし勝てるとしたら1−0だけだな。
まあ俺抜きで勝たれても困るが…今はそれよりも)運チャン!まだかよ!」

運転手「いや〜すまんね。なんか工事中で渋滞していて…」

その頃森崎はラジオ中継を聞きながらタクシーで国立霞ヶ丘競技場に向かっていたが、
しかし運悪く交通事情で時間通りに辿りつけずに居た。

373 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 19:43:46 ID:LAco4xJk
森崎「なんでだよ、こんな時に…あ、前空いたぞ!」

運転手「いや、空いたっつっても赤信号だから」

森崎「畜生!もうすぐそこまで見えているってのに…ええいもう良い!
ここからは歩いていくから降りる!運チャンいくらだ?」

運転手「(なんて態度のデカいガキだ…)え〜、4780円だよ」

森崎「ほら、5千円札!釣りは要らないから早くドア開けてくれ!
(くそっ、コルセットのせいで走れないってのに!)」

結局この後森崎は観客席にたどり着くまで約10分かかった。



早田「てやっ!」

バチィッ!

スルバラン「オーケー!」



葵「このっ!」

ボコッ!

カイザー「おっとっと」

374 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 19:44:05 ID:LAco4xJk
放送「全日本ユースの堅守!なんとかボールを奪い返そうと必死に守りを固め
今の所決定的なチャンスを作らせていません!しかしこぼれ球を確保する余裕まではなく、
ここまでずっとオランダユースが一方的に攻めています!」

観客「あいつらデカい口を叩くだけの実力はあるぞ!」「踏ん張れ日本!この程度はピンチじゃないぞ!」

前半の序盤は主導権を握ったオランダの攻めを全日本がじっくりと耐えると言う展開になった。
相手が間違いなく強敵でありながら全日本の逆襲が期待出来る試合の流れの観客も喜び盛んに声援を送る。
しかし全日本側のベンチは相変わらず楽観的になれず、それどころか一部の選手が早くも不安を監督に訴えかけていた。

松山「あの、監督…」

見上「なんだ?」

松山「その…何か違和感を感じませんか?この展開」

見上「…感じない事も無いが、思い当たるフシは一つではない。お前は何を感じているのだ?」

松山「ええと、なんて言ったら良いか。すみません、上手く言葉に出来ないんですが
俺はオランダユースの戦い方に何かデジャヴの様な物を感じて…それが気になって」

見上「では私がそれを言葉にしてやろう。お前が無意識に理想としていた
サッカーと重なるのだろう?オランダのトータルフットボールが」

松山「えっ!?」



放送「ここで中里くんがボールを確保!ようやく反撃のチャンスがやってきました!」

375 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 19:44:34 ID:LAco4xJk
早田「よっしゃ行けェ中里!」

中山「自慢の俊足を見せてやれ!!

中里「応!」

ダダダダッ!

レンセンブリンク「させん」

スルバラン「はっ!」

バチッ!

中里「くっ、ぬかった…!?」

クリスマン「ナイスだレンセン、スルバラン!」

放送「しかし中里くんレンセンブリンクくんとスルバランくんに止められた!
このこぼれ球はクリスマンくんがフォロー!またしてもオランダユースの攻撃となります!」

松山「なっ…ちょっと待て!あのクリスマンって奴は逆サイドのSMFじゃなかったのか!?」

見上「そうだ。だがこの絶好のタイミングで必要な場所に居たのだ」

岬「松山。オランダは優れた個人技と組織プレイを併せ持つスタイルで有名なんだ」

松山「そ、そうなのか(なんなんだこれ…デジャヴみたいな感覚がますます強く…)」

クラマー「うむうむ、良いぞクリスマン」

三杉「(なるほど…初めて体感するが、これがトータルフットボールか)」

376 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 19:44:56 ID:LAco4xJk
そして試合は動いた。早い時間帯で。

クライフォート「…そろそろやれ、イスラス!俺が許可する!」

バコッ!

放送「クライフォートくんパスを出しました。これはイスラスくんに渡り…」

若島津「(あいつは確かドリブラータイプのFWだったな。だが5バックならそう簡単には…)」

イスラス「良いだろう待ちくたびれていた所だオランダユースの切り込み隊長たる
このアーロン・イスラスが先制点を獲得させてもらう勝負だ全日本ユース!」

政夫「あれ?なんだあいつ、ボールを持った途端急に早口に…」



ビュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!



和夫「キ…キキャーッ!?(な…なんだありゃあああ!?)」

中里「せ、拙者よりも速いだと!?」

放送「こ、これは!?イスラスくん突如凄い速さで走り出しました!
信じられないスピードであっと言う間にバイタルエリアに…」

早田「な、なんだこいつは!」

赤井「やべっ、早くチェックを…」

377 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 19:45:13 ID:LAco4xJk
イスラス「遅い遅い遅すぎるもっと真面目にやれそれでもタックル自慢か!」

ビュワァッ!!

早田「な…なにィ!?」

赤井「げええっ!!」

三杉「(速いだけじゃない!上手い!あのスピードを全く落とさず高等技術を連発している!)」

放送「な、何が起きているのか!?早田くんと赤井くんが棒立ちのままで抜かれ…」

次藤「いかん!PKでもかんまん、止めるタイ!」

中山「このまま通させて堪るか!」

石崎「う、うぉおおおおっ!!」

ズザザザーッ!!

イスラス「甘いぞそんな腑抜けたタックルでこの俺は止められないぞそれが何故分からん
もっと速くもっと上手く守れ歯応えがなさ過ぎて逆に侮辱された気分だ!」

ヒュンッ!
ヒュンッ!
ヒュンッ!

若島津「な…何が…」

イスラス「誰も俺についてこれないのかフランス国際Jrユース大会を制したのは
やはりマグレだったのか俺を失望させるな全日本ユースよ!」

378 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 19:45:42 ID:LAco4xJk
若島津「何が起こっているんだーーーっ!?」

バッ!
ササッ!

イスラス「やはりこんな物か僅かでも期待してここに来たのは間違いだった様だ!」

バサッ。



イスラスの嘆きに満ちたゴールの直後、競技場は静寂に満ちた。
ほぼ同じタイミングで昇降口を出て観客席に辿りついた森崎はとてつもなく戸惑った。

森崎「ふう、やっとついたぜ…ってなんでこんなに静かなんだ?」

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

森崎「えっ!?えっ!?なんだ、なんだこのホイッスル!」

放送「こ、これは…これは!?い、何時の間にかイスラスくんがゴールにボールを蹴りこんでいました!
実況の私ですら置いていかれる程のあっと言う間の展開をどう表現すれば良いか分かりません!
前半12分!オランダユースが雷撃的な先制点を奪い取りました〜〜〜!!!」

ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

観客「な、なんだ今の!?」「何時の間にゴールされていたんだ!」「誰か説明してくれよ!」

森崎「説明して欲しいのは俺の方だっての!なんでいきなりゴールされてんだ!」



全日本ユース 0−1 オランダユース

379 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 19:46:24 ID:LAco4xJk
いったんここまで。

380 :創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 21:44:58 ID:vN/74f/c
アルター使い!

381 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 22:14:44 ID:LAco4xJk
森崎「えーと、あのイスラスってのがドリブルゴールを奪った…のか?ああっくそっ、大事な所を見逃しちまうなんて!」

最初の山場を見逃した事で森崎は金切り声を上げたくなる程いきり立っていた。
ここで森崎には二つ幸運な事があった。一つは周りの観客達も混乱しており
彼の存在に気付かなかった事。そしてもう一つは…

シュナイダー「モリサキ…?モリサキなのか?」

森崎「えっ?…んなっ!?シュナイダーだと!」

近くに居たシュナイダーとフライハイトに発見された事である。

森崎「なんでお前が日本に居るんだよ?お前バイエルンのトップでプレイしているんじゃなかったのか?」

シュナイダー「…右足の負傷で1ヶ月程休養が必要でな。クラブの許可を取って
ジャパンカップの見物に来た。急遽オランダユースとの試合が追加された時は驚いたがな」

森崎「そうか…ん、そっちのお前は?」

フライハイト「ジークムント・フライハイト、シュナイダーの同僚の東ドイツ人だ。
俺は国籍関係のゴタゴタでまだ公式試合に出られんのでここに居る。
ユーゾー・モリサキだな?シュナイダーから話は聞いている、よろしく」

Jrユース大会以来となるライバルとの再会にシュナイダーは僅かな笑みを隠さなかった。
一方フライハイトは台詞こそ友好的だったが声は淡々としており、
森崎に向けて手を伸ばし握手を求める際も表情はニコリともしていなかった。

A 「こちらこそよろしく。全日本ユースキャプテンの森崎だ」無難に応じる。
B 「おう、よろしく。それにしてもなんか暗い奴だな」フランクに応じる。
C 「なんかあんまりよろしくされたくないんじゃないのか?」握手を断る。
D 「今はそれより試合の事だ!一体何が起きたんだ!?」問い詰める。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/3/26 22:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

382 :創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 23:22:28 ID:pw0ZPAgY
シュナイダー、怪我してるとはいえ観光しすぎだろw
>>2ねいさん、シュナイダーがこの一週間何してたか軽くでいいから教えてください

383 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 23:27:09 ID:LAco4xJk
>B 「おう、よろしく。それにしてもなんか暗い奴だな」フランクに応じる。

森崎は持ち前の無遠慮さでフライハイトの第一印象をストレートに本人に伝えた。
ともすれば失礼と取られて相手が怒りかねない返答だったが、
フライハイトは怒らずシュナイダーに到っては何故か視線を背けると言う謎の反応だった。

フライハイト「よく言われる。生まれつきの性分なので気にしないでくれると有難い」

シュナイダー「(こいつが暗いのは晴天時だけだ…ああ、今日は雨が降りそうだな。全く)」

森崎「………?あ、そう言えばさっきの得点シーン!」

予想外の反応に森崎は首を傾げたが、すぐにもっと大きな謎が目の前にあった事を思い出し慌ててフィールドに向き直る。
そこではちょうどオランダユースの選手達ががお手柄のイスラスを囲んでいた所だった。

森崎「なあ、さっき何があったんだ?俺が来たら丁度ゴールされていて、訳分からねえよ」

シュナイダー「アーロン・イスラス。奴の高速ドリブルで全日本ユースの選手達は
キーパーも含めて6人抜きされゴールを奪われたんだ」

フライハイト「イスラスは間違いなく欧州…いや、世界トップクラスのドリブラーと言える逸材だ」

森崎「そんなに凄いのか…(でも若島津が相手じゃどう凄いのかいまいち想像できんな)」

384 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 23:27:33 ID:LAco4xJk
クライフォート「良くやったイスラス。まずは一点だ」

イスラス「オランダの勝利の為に当然の事をしたまでだ」

カイザー「それは置いといて、あのラップみたいな口調なんとかならないのか〜?」

イスラス「…何時も言っている事だが、俺はドリブル時も普段通りに喋っているつもりなのだが?」

レンセンブリンク「変人め」

クリスマン「こら、くだらん理由で内紛なんかするな。相手が付け入る隙になるぞ」

クライフォート「心配は要らん。ここからじわじわといたぶっていけば良いさ」

早い時間帯での先制点はオランダユースの元々たっぷりあった余裕を更に増し、
逆に全日本ユースの元々無かった余裕を更に減らし焦らせていた。

早田「畜生!何なんだあいつは!」

赤井「ビ、ビデオで見たのより更に速いッス…」

三杉「スピードも技術も、ビデオでは本物のインパクトに及ばなかったと言う事だね」

無論彼らとてイスラスのドリブルは警戒していた。だが遠くの第三者の視点から取られたビデオと
実際に対峙した際のイスラスのスピードとテクニックはあまりにも違いすぎた。

ここに居るメンバーで唯一イスラスのドリブルに近い領域に立つ三杉が
冷静にそれを指摘し、チームメイト達が救いを求める様に彼に視線を集める。

385 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 23:27:50 ID:LAco4xJk
若島津「三杉…どうするんだ?悪いが、あいつと1対1にされたら弾くだけでもおぼつかんかも知れん…」

石崎「マ、マークをつけようぜ!あいつにドリブルさせなければ…」

三杉「…いや、さっきから観察していたんだがオランダはポジションチェンジとセカンドボールの
確保が非常に上手い。例えイスラスへのパスを完全に遮断出来てもあまり意味が無いな」

次藤「そいぎんた、どげんすればよかね?」

三杉「早田と赤井がなんとかするしかないね。今ので目が慣れたと思うが…出来そうかい?」

早田「…おう!二度も同じ手を通用させて堪るか!」

赤井「なんとか出来る…と思います」

三杉「じゃあ次は攻撃だ。とりあえずキックオフから立花兄弟が仕掛けてくれ。
それがダメだった場合はじっとカウンターチャンスを待とう」

政夫「分かった!」

和夫「任せとけ!」

三杉「よし…皆、オランダは僕らが怯えれば喜ぶ。それだけは絶対にやらない事にしよう」

全日本メンバー『おう!!』

普段は反感を買いやすい三杉の冷徹さと傲慢さも敵に向けられれば頼もしい物である。
彼のカリスマで全日本ユースは今一度持ち直そうとしていた。

386 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/26(金) 23:30:49 ID:LAco4xJk
今日はここまで。また明日お会いしましょう。

>>382
シュナイダー「マリーへのおみやげを集めていた」

フライハイト「ツケモノは良いモノだ」

との事です。



今日のキャプ森に関係ない事。
ビスコッティを初めて焼いてみたら生地の練りが足りなくて
バラバラに崩れました…くすん。

387 :創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 23:33:06 ID:a1Wyouh5
高速乙でした!

388 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/27(土) 08:40:08 ID:YCluU3WS
ピィイイイイイイイイイイイイイイイ!!

観客「ビビるなよ全日本!」「こんな1点すぐに返せるぞ!」「得意の逆転を見せてやれーっ!」

放送「早くもリードされてしまった全日本ですがここで怯んでは居られません!
反撃開始に出るべくキックオフし、立花兄弟が…」

政夫「行くぞ和夫!」

和夫「おう政夫!」

パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ!

放送「出ました!双子ならではの息が合った高速連続ワンツー!これでオランダの守りを切り裂けるでしょうか?」

クライフォート「ザコが」

バッ!
グルンッ!
バシッ!

政夫・和夫『な、なにィイッ!?』

三杉「(やはり引き寄せてからじゃないと攻められないか。厳しいな)」

放送「ダメでした!クライフォートくんが華麗なムーンサルトパスカットで立花兄弟の速攻を
いともあっさりと断ち切りました!全日本ユースに反撃の波を作らせません!」

リブタ「これは今日は俺達の出番は無いかもな」

ディック「退屈になっちまいそうだぜ」

ドールマン「一応ラインを上げるだけは上げておけよ。じゃないと監督から叱られるぞ」

389 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/27(土) 08:40:25 ID:YCluU3WS
フライハイト「やはり大した物だ、ブライアン・クライフォート。トータルフットボールの司令塔の異名は伊達ではない」

森崎「チッ、あっさり止められやがって…それにしてもトータルフットボールって一体何なんだ?」

シュナイダー「知らないのか?」

森崎「1974年のW杯でオランダ代表が使ってたって事しか知らん。それ以上は日本じゃ情報が無いんだよ」

気を取り直して攻めたは良いものの敵陣侵攻もままならない全日本。
その苦境に森崎は悪態をつき、次いでかねてからの疑問を二人のドイツ人に問いかける。

シュナイダー「戦術の話なら俺よりフライハイトが向いている。頼む」

フライハイト「了解した…トータルフットボールは定義が難しいが、あえて一言にまとめるのなら
”最適化されたポジションチェンジの活用による全員攻撃と全員守備”と俺は解釈している」

森崎「ん〜?つまり…オールラウンダーを10人揃える戦術なのか?」

フライハイト「いや、そうではない。現に今プレイしているオランダユースを見ろ、
FWはFWらしい能力とスタイル、MFはMFらしく、DFもDFらしい選手ばかりだ。
無論どの選手も高い実力の持ち主だが、FWとDFを入れ替えても機能する訳ではない」

森崎「じゃあ何なんだよ。普通に全員攻撃と全員守備をやるのとどう違うんだ?」

フライハイト「トータルフットボールの特徴を一つ一つ上げていくと、単体では大した事には聞こえない。
運動量を増やして頻繁にポジションチェンジを行う。DFが積極的に攻撃参加し、
FWも積極的に守備参加する。DFラインを高く保つ事でプレイエリアを狭くしオフサイドトラップを狙っていく。
両サイドを活用する事でフィールドを広く使い相手の守りを薄める…どれもある意味当たり前の事だ」

390 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/27(土) 08:40:50 ID:YCluU3WS
森崎「…そのある意味当たり前の事をチーム単位で全て徹底するのがトータルフットボールか?」

フライハイト「そうだ。フィールド、選手、戦術、ルール。サッカーに存在する要素”全て”を
”全部”使う事で攻防両方を”全員で”行い試合”全般”を支配する。
オランダ人に言わせればまた違うかも知れんが、これが俺の見たトータルフットボールだ」

森崎「…理論は分かるが、いまいちピンと来ねえなあ」

フライハイトの説明は抽象的な部分が多く、森崎は再び首を傾げざるを得なかった。
無理も無いと苦笑したシュナイダーが補足する様に言葉を加える。

シュナイダー「論より証拠だ。試合を見ればトータルフットボールの恐ろしさは
ただの全員守備と全員攻撃には留まらない事が分かるだろう。
だがとりあえず一番分かりやすいトータルフットボールの効果を一つ上げておこう」

森崎「分かりやすい効果?何の事だ?」

シュナイダー「この試合全日本が中盤を捨て5バックでカウンターを狙っているのも一因だが…
ここまでのオランダのボールキープ率は80%を超えている。俺の勘での概算だが」

森崎「は…80%だと!?」



三杉「恐れ入ったよ。戦慄を禁じえない…これがトータルフットボールか」

クライフォート「そうだ。俺達は全てを支配する側、お前達が全てを支配される側だ」

391 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/27(土) 08:43:10 ID:YCluU3WS
いったんここまで。

トータルフットボールは定義、描写ともに難しく
ゲームシステムに組み込むのは尚難しいので
色々と突っ込み所があるかも知れません。
何か気になる点があったら是非指摘してください。

392 :創る名無しに見る名無し:2010/03/27(土) 13:59:19 ID:Uh9VNwqE
フライハイトの解説が格好いいぜ!

なんとなくこのオランダユースのは、クライフがいた時のそれより現実的なトータルフットボールだと思いました。

クライフ+優秀なオールラウンダー9人も揃えられねえよ。だから出来る範囲で実現しようぜって感じで。

393 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/27(土) 17:24:55 ID:YCluU3WS
全日本ユースのメンバーだけでなく観客もトータルフットボールの恐ろしさに気付くのにそう時間はかからなかった。

観客「お、おいどうなってるんだよ…」「試合が始まってからずーっと攻められっぱなしじゃないか!」
「それどころかさっきのキックオフの時しか相手側に入ってないぞ!」「コラー真面目にやれ全日本!」

放送「前半20分、相変わらずオランダユースの猛攻が続いています!
1点奪われてから更に必死に守る全日本ですが反撃にチャンスがまるで巡ってきません!」

葵「くそっ!なんで攻撃できないんだよ!」

中里「何故こうもボールに触れぬ!?」

岬「セカンドボールを全部向こうに押さえられて、支配率が悲惨な事になっている…」

松山「(そ、そうか…ようやく分かった!オランダの戦い方は監督の言った通り俺の理想だったんだ!
まるで攻撃だけじゃなく守備まで常になだれ攻撃をしているみたいな、流れる様な
全員攻撃と全員守備の実現!特定のエースに頼るんじゃない、チームとしての強さ!
俺がふらので挑戦し続け、遂に実現出来なかったサッカーが敵として現れるなんて…!)」

流れを掴まれるどころの話ではない、完全に防戦一方にされると言う体験に
全日本ユースは完全に圧倒されていた。個で劣る上に集団で更に劣る場合はどうすれば良いのか?
今の彼らに縋れる物は精々精神力位の物だった。

放送「おおっとォ!ここでまたしてもイスラスくんがボールを持った!
中央からやや左側のルートで全日本PA内への切り込みを狙う!」

イスラス「さあ俺を止めてみせろ全日本よ出来る物ならなさもなくば2点目を献上しろ!」

赤井「何言ってんだか聞き取れねーよ!この…ラップ野郎っ!」

394 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/27(土) 17:25:10 ID:YCluU3WS
ズザザーッ!
バチッ!

赤井「どうよ!」

イスラス「…やれば出来るじゃないか!」

レンセンブリンク「敵を褒めるな」

放送「赤井くんがなんとかこぼしボールはファーサイドへ!
高い弾にレンセンブリンクくん早田くん次藤くんが群がる!」

早田「二人がかりだ!」

次藤「これならいけ…」

バッ!バッ!バッ!
ビシィッ!

早田・次藤『な、なにィ!?』

レンセンブリンク「甘すぎる」

放送「レンセンブリンクくん凄いポストプレイ!早田くんと次藤くんをまるで
寄せ付けずにボールを逆サイドのカイザーくんに折り返しました!」

カイザー「よっしゃーっ!頂きィ!」

バッ!

放送「カイザーくんこれをジャンピングボレーに行くっ!まずいまずいまずい!!」

395 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/27(土) 17:25:31 ID:YCluU3WS
中山「そうはさせん!援護するぞ若島津!」

若島津「分かっている!キェエエエエエエエエエエッ!!」

バッ!バッ!
グワアアアッ!!

ガキィイイイイイン!!

カイザー「く…ぉおおおおおお!?」
中山「(若島津が押し切れない…!見かけによらずなんてパワーだ!)」
若島津「(日向さん並だ…いかん、クリアしきれない!)」

バァーーーーン!!

クリスマン「チャンスだ!」

クルッ!
バッ!

放送「若島津くんの浴びせ蹴り!ボールは更に宙を舞い…ああ〜っとォ、
これに更にクリスマンくんがオーバーヘッドに行く!全日本のゴールは空っぽだ!!」

若島津「あーーーっ!?」

バシュウウウッ!

石崎「くそったれーっ!ちゃんとクリアしとけよ!」

バッ!
バゴォオオオオオッ!!

396 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/27(土) 17:25:46 ID:YCluU3WS
石崎「ぶふぅえあああっ!!」

クリスマン「なにィ!」

ポーン…
パシッ。
ズザザーッ!

レンセンブリンク「!」

早田「ハー、ハー…ざまあ見やがれ!」

放送「だが石崎くんが間一髪顔面ブロック!ボールはPA外に跳ね返されました!
これを更にレンセンブリンクくんが拾い…早田くんが即タックルで奪った!
目まぐるしいゴール前の攻防を全日本ユースがかろうじて守りきりました!」

ザワザワザワ…

観客「あ、あっぶねぇえええ!!」「今の本当にヤバ過ぎたぞ…」「もっと安心させてくれよ〜!」

クラマー「(気力で止められたか。まあ良かろう)」

見上「(今のはなんとか持ち堪えたが…次を防げる保障など何処にも無いな)」



森崎「(…心臓に悪いぜ。ったく、若島津の野郎もう少しマシな守りが出来ないのか。
それに三杉も三杉だ、いい加減反撃しとかないと守りきれなくなっちまう…お?)」

397 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/27(土) 17:26:02 ID:YCluU3WS
全日本ユースは猛攻に次ぐ猛攻に晒され続けていたが前半半ばのゴール前での
ダイレクトプレーの嵐をなんとか耐え切った事によりようやく反撃のチャンスを掴んだ。
それはついに成功した葵の右サイドアタックから始まった。

葵「うりゃ〜!富士山大爆発〜!」

バコーン!
ダダダッ!

オーゴ「うわっ!?」

前方頭上に大きくボールを蹴り上げ、後はダッシュ力に任せて振り切る。
葵は自ら編み出したドリブルテクニック”富士山大爆発”で
オランダのサイドバックを突破し、やっとの思いでオランダサイドに駆け込んだ。

ディック「お、中々良いドリブルじゃないか。当たりに行くか?」

リブタ「いや、結構すばしっこい奴だ。ここはゴール前に戻ろう」

ドールマン「ようやくか。ヒマ過ぎて寝ちまいそうだったぜ」

政夫「(こいつら…完全に見下しやがって!)」

和夫「(後悔させてやる!)」

ただオランダ側は少しも慌てず冷静に戦線を下げ守りに移った。
当然全日本の選手達はそれを気に入る訳が無く、
やっと巡ってきたチャンスを全力で叩き込んでやろうと意気込む。

398 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/27(土) 17:26:21 ID:YCluU3WS
放送「おおっと!やっと、やっと日本のシュートチャンスが生まれそうです!
葵くんが必死に右サイドライン際を駆け上がりセンタリングを狙いに行く!
立花兄弟は既にPA内、三杉くんもフォローの構え!これは行けるか!?」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

観客「やっとだ!待ちくたびれたぜ!」「そろそろ同点にしてくれよ!」「ここで一気に決めるんだ!」

森崎「行けるか…!なあ、相手のDFとGKはどんな奴らなんだ?」

シュナイダー「ディック、リブタ、ドールマン。3人とも一級の選手達だ。悪いがあの…
タチバナだったか?双子の選手達ではゴールを奪えるとは思えん。かく乱が精々だろう」

森崎「そうかい…お前の見立てなら多分当たるだろうな…」

しかし全日本ユースにとっては不幸な事に、シュナイダーの判断通り立花兄弟では役不足だった。

葵「お願いします立花さん達!」

バシュウン!

政夫・和夫『おう!行くぜ、俺達の空中技!!』

ダダダダダッ!
ババッ!
ガィイイイイン!!

放送「葵くんの高いセンタリング!そして…出た出た出たァ!立花兄弟の大技!」

ドールマン「おおおっ!?」

399 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/27(土) 17:26:42 ID:YCluU3WS
政夫・和夫『デルタツインシュートだァ!!』

バッグワァアアアアアアアアアアアアアアアアン!!

リブタ「うおっ!?」

チッ…

ディック「こ、これは!」

チッ…

ドールマン「…こ、ここだっ!」

バッ!
バコォン!
ヒューン…
ポサッ…

クライフォート「(やれやれ、大道芸もあそこまで行くと流石に最初の一回限りは驚かざるを得んか。)」

政夫・和夫『…くそおっ!』

立花兄弟の大技、デルタツインシュートはその奇抜さからオランダの守備陣を驚かせる事には成功したが
DF達に威力を弱められた末にGKに真上に弾かれ、ゴールにはならなかった。

放送「デルタツインシュート…決まらず!GKのドールマンくんがかろうじてパンチングに成功し
ボールはゴールネット上部にゆっくりと着地しました!得点はならず、しかし全日本のCKです!」

400 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/27(土) 17:32:52 ID:YCluU3WS
いったんここまで。

>>392
ユース代表とフル代表じゃ選べる選手の数が違いますからねえ…
ピエールみたいなのが10人居れば究極のトータルフットボールば実現できるかも知れませんが。

401 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/28(日) 17:10:40 ID:4lF08ZKu
得点直前まで行ったデルタツインシュートは様々な反応を呼び起こした。

観客「惜しい〜〜〜っ!!」「大丈夫だ、通じるって事だ!もう一回撃てーっ!」

観客は今までの鬱憤が晴れる予感に大喜びで騒ぎ出した。

全日本メンバー「(いける…!)」「(コーナーキックだ!このチャンスは絶対物にする!)」

全日本の選手達はようやく攻撃出来た実感で興奮した。



パチパチパチパチ!

クライフォート「ハッハッハッハッ!これは良い!素晴らしいショーだ、尊敬するぞ全日本!
これが日本に伝わる伝統芸”サルマワシ”か!一度に二匹も躍らせてみせるなんて豪華じゃないか!」



全日本メンバー『な…なにィ!?』

ドタッ!
ゴロゴロゴロゴロ…

カイザー「なんだあれ!なんだあれ!面白すぎるぜ畜生!」

ドールマン「ブハハハハ!あまりに面白すぎて思わずゴールさせてあげたくなったぞこの野郎!」

そしてオランダユースは…爆笑した。盛大に拍手しながら高笑いをしてみせた
クライフォートの後に続くかの様にカイザーとドールマンが腹を抱えて地面を転がる。

402 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/28(日) 17:11:23 ID:4lF08ZKu
政夫「ギギーッ!(てめえら笑うんじゃねえ!)」

和夫「ギャッギャッ!(ぎりぎり防いだだけのクセして!)」

レンセンブリンク「ブフォッ!」

イスラス「くくくくく…い、いかん。真剣勝負の場で笑うなど無礼の極み…」

クリスマン「いや、これは笑って欲しいんだろう!わざわざ猿の鳴き真似までしているし!」

ディック「ガハハハハハ!こんなに笑えるなんて、日本に来て良かったぜ!」

リブタ「もう一回!もう一回やってみせてくれ!アンコールを頼む!」

激昂した立花兄弟が思わず猿言語で叫びだすといよいよオランダユースの面々はあからさまに笑い出した。
ある者は吹き出して口を押さえ、またある者は拳で地面を何度も叩いて喜ぶその様は
観客席からでも分かる程の爆笑ぶりであり、そこに焦りや危機感は全く無かった。

観客「あ、あれ?あいつら…笑ってるぞ?」「そりゃあまあ、立花兄弟のあれは笑えるかも知れんが…」
「傍目から見ているんならともかく、あいつら当事者だろ?」「もう一度撃たれたら入るかも知れないんだぞ?なんかムカつくな」

放送「こ、ここでオランダユースが笑い出しました。どうやら立花兄弟のデルタツインシュートを見て
大喜びしている様です。え〜、確かにサッカーの常識に捕らわれないスペクタクルなプレイなので無理も無いでしょう」

森崎「あ〜あ、笑われてやんの。あの二人の技じゃ珍しい事じゃねえが」

シュナイダー「確かにアレは非常識だからな…」

フライハイト「妙な技だな…だがオランダを警戒させられる程の物ではない」

403 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/28(日) 17:11:51 ID:4lF08ZKu
オランダユースの態度は当然観客と実況の戸惑いを買い、それ以上に全日本ユースを怒らせた。

早田「てめえら笑ってんじゃねえ!」

中山「反則じゃない限りどんな技でも技は技だ!失礼だと思わないのか!」

石崎「そうだそうだ!もしゴールされていたら笑えなかったクセによ!」

葵「ムカつくーっ!もっとマジメにやれよ!」

バッ。

三杉「…皆、落ち着け」

全日本メンバー『三杉!』

三杉「ここは彼らのリクエスト通り低い浮き球でデルタツインシュートのアンコールと行こう。
それで同点弾を奪えば彼らはもう二度と笑えなくなるさ」

全日本メンバー『おう!!』

次藤「(ん?三杉の奴が怒っちょるっちゃ珍しかのう)」

乱闘すら起きかねない程の形相で迫ってもニヤニヤし続けるオランダユースの面々には
三杉すら怒りを隠さなかったが、それでも彼はチームメイトを抑えCKに向けた指示を出した。
オロオロし始めていた審判もこれ幸いと位置につく事を両陣に促しようやく試合が再開される。

三杉「次藤、キッカーは君に頼む。葵はシュート要員になってくれ」

葵「はい!」

次藤「ワシか?まあ良かね(こいつ、ひょっとして…)」

404 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/28(日) 17:12:04 ID:4lF08ZKu
クライフォート「ハハハ…そうだ、もう一度笑わせてくれ!(無様に罠にかかってな!)」

ボールを持って右コーナーに向かう三杉と次藤を見るクライフォート達は嫌らしい笑みを更に深めていた。
自分達の狙い通り立花兄弟が怒りに任せてデルタツインシュートを撃ってくれると確信して。

ドールマン「(さっきは驚いたが…今度はらく〜にキャッチしてやるぜ。俺まで届いたら、だがな)」

ディック「(来ると分かっているシュートならよっぽどの威力が無い限り簡単に対処出来るぜ)」

リブタ「(この程度の挑発に乗るなんて、やっぱりサッカー三流国だな)」

彼らの挑発的な態度はちゃんと目的に基づいた物だった。それは即ち、相手の攻撃パターンの単純化。
必死な所を嘲笑えば大抵の相手は怒り、冷静な判断が出来なくなる。
今の全日本ユースは直情的な視野に囚われ彼らの狙い通りバレバレの攻め方をしようとしていた。

三杉淳と次藤洋の二人を除いて。

放送「さあ前半中盤にやってきた本日初めてのコーナーキック!キッカーは次藤くんです!
強力なロングキックを出せる彼が弾丸性のクロスをゴール前の立花兄弟に上げてくれるのでしょうか!」

ピィイイイッ!

次藤「(本当にわりゃばりいじきたなか奴タイ、三杉)」

ダダッ!

政夫・和夫『来い、次藤!!』

リブタ「バカめ!」

ディック「効く訳ないだろう!」

405 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/28(日) 17:12:17 ID:4lF08ZKu
ダダダダダダッ!!

次藤が助走を始めると同時に政夫、和夫、リブタ、ディックの4人は走り出していた。
前者の二人はゴールバーを蹴って後ろに飛び退りツインシュートを撃つ為に。
後者の二人はそのツインシュートを撃たせてからブロックする為に。
彼ら4人は…否、次藤と三杉以外の20人は皆低いクロスがやってくると思っていた。

バコォオオオオオオオン!!

クライフォート「!!」

リブタ「な!?」

ディック「なんだと!」

バッバッ!
ガィイイイイイイイン!!

政夫・和夫『行くぞ俺達のくうちゅ…うってありゃ〜〜〜っ!?』

ヒュウウウウウウウウン!

だが次藤が蹴ったクロスはニアサイドへの低い物ではなくファーサイドへの高い物だった。
政夫、和夫、リブタ、ディックの4人の丁度中間の頭上を越えていくボールの先に待ち構えていたのは三杉だった。

クライフォート「まずい、飛び出せドールマン!」

ドールマン「おう!」

三杉「もう遅いよ」

406 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/28(日) 17:14:01 ID:4lF08ZKu
バッ!バッ!バッ!

三杉の得意のハイパーオーバーヘッド、クライフォートのオーバーヘッドクリア、
そしてドールマンの巨体に似合わぬ俊敏な飛び出しが一瞬で交差する。

バシュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!
ヒュンッ!
バサアッ!

次藤「…敵ば騙すにはまず味方から、っちゃ良く言った物ばい」

勝者は三杉だった。次藤が呆れ半分感心半分で呟き、他の選手達が敵味方問わず
驚きに固まる中ゆっくりと立ち上がった彼は整った顔で爽やかな笑みをクライフォートに向けた。

パチパチパチパチ…

三杉「ナイスディフェンス、オランダユース。君たちが世界に誇るオランダ伝統の
トータルフットボールに基づいた全員守備、しっかりと堪能させてもらったよ」

クライフォート「………!!」

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

放送「決まったァアアア!!ゴール!ゴールです!同点弾は立花兄弟のデルタツインシュートではなく
三杉くんのハイパーオーバーヘッド!これが上手く敵の守備を混乱させ難なくネットに突き刺さりました!
1−1!前半27分、全日本ユースが最初のチャンスをしっかりと物にして試合を振り出しに戻しました〜!!」



全日本ユース 1−1 オランダユース

407 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/28(日) 17:14:51 ID:4lF08ZKu
いったんここまで。

408 :創る名無しに見る名無し:2010/03/28(日) 17:50:15 ID:B3T3ocNi
うん。三杉と森崎が組めば天下取れるわ。

409 :創る名無しに見る名無し:2010/03/28(日) 18:25:40 ID:bCFobQc7
三杉の意図をしっかり理解していた次籐もよくやったぞ

410 :創る名無しに見る名無し:2010/03/28(日) 19:23:42 ID:RrBxLh84
三杉ルートの恩恵かな
松山か中山さんあたりを育ててた場合の展開を考えるとニヤニヤしてしまう

411 :創る名無しに見る名無し:2010/03/28(日) 19:48:08 ID:Cxuz2Xm+
なんで?

412 :創る名無しに見る名無し:2010/03/28(日) 19:51:31 ID:jlT8798g
かっこいいぜ三杉!!

しかし、これで今までは日本をなめていた(≒手を抜いていた)オランダが、
本気を出してきて虐殺ゲーム状態って可能性も・・・・

413 :創る名無しに見る名無し:2010/03/28(日) 20:04:15 ID:cVQDEPSb
それでも一点は一点、取れたのは大きい。
キャプテン代行の三杉がオランダ相手に一点取った
シュナイダーと同じ仕事したんだから。
森崎、三杉の評価が下がるにしても最低限ですむよ。


414 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/29(月) 16:24:34 ID:jeXBTP58
ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

観客「やったァ!同点だ!」「立花兄弟を囮に使って三杉で決める!良いパターンだったぜ!」
「ざまあみろオランダめ!日本をナメるとこういう目に会うんだ!」「みーすーぎ!みーすーぎ!みーすーぎ!」

弥生「(ああ…美しいです、ご主人様…)」

森崎「ほおお…やるじゃねーか三杉。まあこれ位はやってくれなくっちゃな」

シュナイダー「良いプレイだ。完全にオランダを手玉に取っていた」

大笑いした技を警戒していたオランダを罠に嵌めて得点すると言う展開に観客は大喜びした。
彼らは三杉が敵だけでなく味方まで騙したとは思わず、咄嗟のトリックプレイをチームワークによる連携だと思っていたのである。
無論実際はそうではなかった為全日本ユースの選手達はすんなりと三杉を褒める気にはなれなかった。

政夫「おい次藤!なんであんな高さで蹴ったんだよ!」

次藤「ワシは三杉に耳打ちされた通りに蹴っただけタイ」

和夫「なんだって!?なんでそんな事したんだよ三杉!」

三杉「フフッ、悪いね。オランダの挑発に乗ったフリをしたんだ。わざわざこっちを格下だと
見下して油断してくれていると、僕みたいな人間は利用せずには居られないよ」

早田「謝ってねえ!どんだけねじまがってんだテメェ!」

赤井「ま、まあまあ。作戦は見事に成功したんですから…」

中山「…監督の言った通りだな。悪知恵と度胸をオランダにぶつけたって訳か」

中里「正に勝てば官軍でゴザルな」

415 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/29(月) 16:24:59 ID:jeXBTP58
次藤「そう言う事けん、すっぺたこっぺた言うな立花」

政夫「チッ…」

和夫「俺たちゃ当て馬かよ!」

石崎「まあまあ良いじゃねえか、それより見ろよオランダの連中の顔!」

それでも同点ゴールを奪ったと言う実績、及びデルタツインシュートが一回防がれていると言う結果は
どうにも否定しようがない為に徐々に不満も静まり選手達の顔に笑みが浮かぶ。
特に今まで傲慢そのものの態度を取ってきたオランダユースが真剣な表情で沈黙していたのは大きかった。

オランダメンバー『……………』

政夫「ま、確かにあれを見ればスカッとするな」

和夫「へへっ、すっかり黙りこくってやんの」

三杉「僕らは彼らと同じ過ちを犯さない様にしよう。このまま油断せずに戦うぞ!」

全日本メンバー『おう!!』



クリスマン「…どうするんだ?クライフォート」

クライフォート「ああ。このままでも余裕で勝てるが、素敵なサプライズを見せてくれたお礼が
必要だ。万が一の為にオーダーメイドのプレゼントを用意しておいて良かったな」

ディック「え、あれやんのか?」

クライフォート「そうだ。40分になったら仕掛けるぞ。下手な情けはかけるなよ」

スルバラン「あ、ああ…」

416 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/29(月) 16:26:18 ID:jeXBTP58
同点ゴール後の全日本は目に見えて息を吹き返した。
ゲームの主導権は握られたままだったが堅守を保ちオランダにシュートを撃たせなかったのだ。

バシッ!

放送「三杉くんまたしてもパスカット成功!オランダのチャンスの芽を未然に摘み取りました!」

三杉「(よし。大分彼らのパスパターンを読める様になってきたぞ)」

特に目覚しい働きをしたのは三杉で、全日本ユースのメンバーの内ただ一人だけ
オランダのパスワークについていき大事な場面でのパスを次々とカットしていった。

バチィ!

中里「ぬわっ!」

ドカッ!

葵「うわあ!」

ただし、中里と葵のサイドアタックも全く通用していなかったので全日本ユースにも
チャンスは全くなかった。見ているだけの森崎にはじれったい展開である。

森崎「チッ。搦め手で一点取ったは良いが、元々の戦力差は変わらないな。
オランダも全然焦らってないし、ゆっくりじっくりいたぶるつもりか?」

シュナイダー「…そうだと良いんだが」

森崎「ん?何か心配なのか、シュナイダー?」

シュナイダー「ブライアン・クライフォートは…敵と味方をハッキリと分けるタイプだ。
あいつの傲慢さも確固たる信念に基づいた物だ。ミスギにゴールされた事はあいつにしてみれば
自分とオランダに泥を塗る失態だった筈。このまま何もせず普通に勝つだけでは良しとしないかも知れん」

森崎「…おいおい…」

417 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/29(月) 16:28:12 ID:jeXBTP58
いったんここまで。

418 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/29(月) 16:29:26 ID:jeXBTP58
誤字訂正:

× オランダも全然焦らってない
○ オランダも全然焦ってない

419 :創る名無しに見る名無し:2010/03/31(水) 00:15:53 ID:AvLkBAgZ
乙です。
これはまさか三杉がMに目覚めるフラグでは!?
弥生ピンチ!!

420 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:07:30 ID:rpfx2XZy
シュナイダーの懸念は当たっていた。一度クライフォートと戦った事がある彼は
自分とは違うタイプの強さを持つ彼の性格を全日本ユースメンバーより把握していた。



パチッ!

クライフォート「”そろそろ本気を出すぞ皆”!!」

オランダメンバー『おう!!』



全日本メンバー「なにィ!?」「今まで本気じゃなかったってのか?」「ハッタリだ、惑わされるな!」

前半終盤突入直後、クライフォートは指を頭上で鳴らしながら高らかと宣言した。
待っていましたとばかりに大声で呼応するチームメイト達の様子に
全日本ユースの選手達もこれを警戒し、お互いを鼓舞しながら集中力を高める。
折角同点に追いついたまま耐えているのだからここでゴールさせてなるものかと。

だがクライフォートの目的はゴールを奪いに行く事ではなかった。
それはただの手段であり、結果でもあったが目的ではなかった。

クライフォート「(ミスギの位置は…よし、良いぞ。このタイミングとスピードだ!)イスラス!」

バコォッ!

ダダダッ!
バシッ!

三杉「………?」

421 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:08:11 ID:rpfx2XZy
自陣側に走りこむ形でクライフォートのパスをカットした時三杉はなんとも言えない違和感を覚えた。
今までよりも読みやすくカットしやすいパスに見え、そしてその通り簡単にカット出来た事に。

放送「三杉くんまたしてもパスカット!全てを見通すかの様なナイスディフェンスの連発で
あれほど激しかったオランダの攻撃を不自由で不揃いな物に変えています!」

全日本メンバー「良いぞ三杉ー!」「中里だ、近くの中里に渡せ!」

だが彼にそれ以上を訝しむ余裕は無かった。キャプテンとしてチームを率いるだけでも
多大な重圧がかかるのにオランダユースのハイレベルなパスワークを必死に読み当てていた
今の彼は精神的にかなり消耗していた。無論肉体的な消耗も軽視出来ない域に達している。

葵「あっ!三杉さん前、前〜〜〜っ!!」

三杉「!?」

ドドドドッ!!

リブタ「オラァッ!」

ディック「さっきのお返しをしてやるぜ!」

ドガガガァッ!!

三杉「ぐわぁあああっ!!」

ドタッ!

この状態でオランダ陣側に向き直った瞬間目の前に迫ってきていたリブタとディックをかわせと言うのは無理だった。

422 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:08:44 ID:rpfx2XZy
放送「あああ〜っとしかしここでリブタくんとディックくんが大胆にも二人がかりのオーバーラップ!
示し合わせたかの様なタイミングの二方向からのタックルで三杉くんを吹き飛ばしたァ!!」

弥生「キャアア〜〜〜!!(ご主人様〜!)」

観客「ああっ、三杉さんが〜〜〜!!」「な、なんでセンターバックが二人もあそこにいるんだよ!?」

森崎「あっちゃあ…やっぱりフィジカルが弱すぎるのを狙われ…ってなんでそれを知ってるんだ!?
いくら筋肉が足りてないっつっても初対面の試合中に見るだけで分かる程じゃねーぞ!」

フライハイト「答えは簡単だ。知っていたんだろう」

シュナイダー「クライフォートは相手の研究を怠る愚か者ではない」

森崎「な…なんだと?まさか…」

全日本メンバー「み、三杉がやられた!」「慌てるな、持ち場をしっかり守れ!」「ここを凌ぎきれば前半は終わりだ!」

今まで以上に積極的なDFの攻撃参加とそれによって三杉が当たり負けしたことで
動揺が走る中、ボールを奪ったリブタはそのまま自らのドリブルで中央から切り込んできた。

リブタ「オラッ行くぜ弱小国のDFども!俺がドリブルの仕方を教えてやる!」

赤井「なんだって!?」

早田「良い度胸じゃねーかコラァ!お返しに俺がタックルの仕方を教えてやらァ!」

無謀もしくは挑発的とも取れる中央突破に早田がいきり立ってタックルを仕掛けに行く。
強気な彼らしいアグレッシブさだったが、この場合は完全に裏目に出た。

423 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:09:11 ID:rpfx2XZy
リブタ「良く覚えておけ!ドリブルをより良くするのは…パスと言う選択肢だ!」

ポンッ。

早田「なあっ!?て、てめえええっ!!」

リブタが軽くボールを浮かせる様に前方に蹴り上げた時早田は何も出来なかった。

放送「そのままリブタくんが前方へのループパス!これにレンセンブリンクくんと次藤くんが飛びつく!」

次藤「こ、このっ…!」

レンセンブリンク「うすのろ」

バッコォン!

放送「次藤くん完全に競り負けた!レンセンブリンクくんが逆側にはたいたボールはPA外でカイザーくんが拾いました!」

そしてレンセンブリンクのポストプレイからカイザーがボールを受け取った時、三杉の運命は決まった。

クライフォート「よしやれカイザー!お前のドリブルで追い討ちをかけろ!」

カイザー「了解だぜ!ヘヘッ、楽しいなァ!」

若島津「1対1を仕掛けてくるつもりか!?」

中山「そうはさせない!赤井気をつけろ!」

赤井「はいっス!…えっ?」

ダダダダッ!!

424 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:09:35 ID:rpfx2XZy
カイザーは走り出した。全日本ゴールに背を向けて。
カイザーはドリブルで向かった。ようやく立ち上がりゴール前の守りに参加しようとしていた三杉に。

三杉「な…なにィ!?」

カイザー「も一回空中遊泳を楽しみなァ!」

ドガアアッ!!

三杉「し…まった…ぐああっ!」

ドタッ!
ガキッ!

日向も舌を巻くであろう程の強引なドリブルで吹っ飛ばされた時三杉は理解した。
オランダユースは接触プレイの連発で彼を潰しに来ている事を。そして自分は負傷してしまった事を。

カイザー「ハッハハハァ!すげーだろ俺!」

中里「笑止!」

葵「よくも三杉さんをーっ!」

ズザザザーッ!
バチッ!

カイザー「うお!?」

クライフォート「全く詰めの甘い奴め」

直後にカイザーは中里と葵にボールを零されていたが、これもクライフォートがフォローした事でなんの救いにもならなかった。

425 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:09:55 ID:rpfx2XZy
放送「こ、これは一体…?ゴール前に切り込むと思われたカイザーくんが突如逆走し、
三杉くんを突破した後ボールをこぼされました!一体何の作戦なのでしょうかこれは?」

観客「な、なんだァ?」「さっきの絶好の得点チャンスだったよな?」「それより三杉は大丈夫なのか?」

実況と観客は分かっていなかった。オランダが三杉の弱点を狙い彼を潰しにかかった事を。

見上「まさか…!?」

岬「(容赦無いな…恐ろしいチームだ、オランダユース)」

全日本メンバー「また三杉が!」「くそっ、ラフプレイばっかりしやがって!」「クライフォートが来るぞ!」

全日本ユース側は程度の差はあれど気付きかけていた。オランダユースの狙いと恐ろしさを。

森崎「あいつら絶対に狙ってやがる!くそっ、油断していた様に見えたのはブラフか!」

シュナイダー「この試合、ミスギのゴール以外は全てオランダユースの手中にあったと言う事だ」

弥生「あ、ああ…ああ…!いやぁあああああああああ〜〜〜!!」

森崎と二人のドイツ人、そして三杉にもっとも近い少女はオランダの意図に気付いていた。
だが彼らに出来る事は何も無かった。

クラマー「(備えあれば憂い無し。ジュン・ミスギよ、恨むならサッカー後進国に生まれた自分を恨んでくれ)」

オランダメンバー『(よし、ミスギは負傷した!後はトドメだけだ!)』

クライフォート「ジュン・ミスギ!敬意の証に見せよう、このシュートを!」

当然オランダユース側は自分達の狙いを知っていた。前々から準備していた作戦だったからだ。

426 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:10:25 ID:rpfx2XZy
                           ダダダッ!
                        グワァアアアアアアアッ!!

                         三杉「………!?」

           足の痛みを残り少ない意志力で堪えながら起き上がろうとしていた三杉が見た物は
                  自分の目前で大きく足を振り上げるクライフォートの姿だった。
       その時悲鳴を上げなかったのは彼のせめてもの抵抗だったのか、それともそれすら出来なかったのか?
        その時彼の顔は絶望と恐怖で誰にも見せたくない程歪んだ事を考えれば後者だったかも知れない。



                 クライフォート「このアキュートシュートで…貴様を貫く!!」

            バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!



                          ゴガァアアアアアッ!!

                胸部にボールを当てられた彼の体は木の葉の様に宙を舞った。

             この時も悲鳴は出なかった。叫べるだけの酸素が無かっただけだったが。

        薄まる意識の中で三杉はふと思い出した事があった。それは何時か誰かに言われたセリフだった。

     三杉「(そう言えば誰か言ってたな。プロの世界では技術や戦術だけでなく、精神力、スタミナ、フィジカル…
            全てが求められる。そして何か弱点があれば徹底的にそこを突かれるって…
          ハハハ…その通りだった。完全に大当たりだよ…でも誰に言われたんだっけ、これ…)」

427 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:10:44 ID:rpfx2XZy
ギュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!
ドガアッ!ドガアッ!ドガアッ!

赤井「ぐわああっ!!」
石崎「ほげああっ!!」
次藤「ぬわーーーっ!!」

中山「(くそっ!ここで…ここで決めさせる訳には…!)」

バゴオオッ!ギュルルル…

中山「(決めさせる訳には…いかない…の、に…!)があああっ!!」

ルルル…ゴグワァアアッ!!

若島津「…チェストォオオオオオオオオオオオオッ!!」

ブンッ!
バギィイイイイイイイイイイン!!

若島津「(そんな…馬鹿な…!!)ぐ…がっ!?」

ビィイイイイイイイイン!!
バリイッ!

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!



全日本 1−2 オランダユース

428 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:12:47 ID:rpfx2XZy
いったんここまで。

429 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 22:41:44 ID:rpfx2XZy
放送「ゴ…ゴ…ゴーーーーーールゥウウウ!!!クライフォートくんが放ったミドルシュートが
見た目通りの威力を発揮して三杉くんだけでなくDF達をあっさりと一掃!
若島津くんの正拳ディフェンスさえも力づくで腕ごと弾いたのに飽き足らず、
ゴールネットまで突き破ってしまいました!前半43分、オランダが2−1で再び日本を突き放しました!
決めたのは今までシュートを狙いに来なかったクライフォートくんです!!」

ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

観客「そ、そんな…あんなにあっさり!?」「畜生!後少しで同点のままハーフタイムに行けたのに!」
「おいおい…また冗談みたいな威力のシュートが出てきたぞ…」「なんでこうなるんだよ、クソッ!」

弥生「(ああ…ご主人様があんなに何回も地面に叩きつけられて…いやっ、そんなの見たくない!)」

一連のオランダの三杉潰しとそのフィナーレを飾ったクライフォートのアキュートシュートは
色んな者に様々なショックを齎した。ただ驚き嘆くだけで済んだ観客と実況はまだ幸運だった。

森崎「(畜生!あの程度のシュート、俺なら防いでやる物を!なんで俺は今あそこに居ないんだ!)」

シュナイダー「(あのシュート…俺達との試合では見せていなかった!まだ力を隠していたと言うのか!)」

フライハイト「(これが…ブライアン・クライフォートの本気…!)」

事前の情報が限られていた森崎はただフィールドに立っていない事に憤慨するだけで良かった。
以前からクライフォートを知っているシュナイダーとフライハイトはそうは行かず、
彼が今まで使わなかった技の存在を知った事で戦慄していた。

430 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 22:42:10 ID:rpfx2XZy
松山「あ、あいつら…!監督!まさかオランダはわざと三杉を!」

見上「…そうだ。アップ無しですまんが出てもらうぞ松山。キャプテンもお前だ」

松山「…はいっ!くそっ、オランダめ!」

全日本ユースのベンチでは松山がオランダの戦い方に憤慨し、負傷した三杉の代わりに出ようとしていた。

岬「(代わりは松山か。敗戦処理を押し付けるにはうってつけの人材だね)」

滝「(つ、つぇええ…森崎も若林さんも居ないのにあんなの防げないだろ)」

井沢「(くっ…悔しいが、レベルがまるで違う…!大人と子供程に差がある!)」

来生「(こりゃ俺が出ていたとしてもダメだな。いくら得点しても味方がリードを守ってくれなさそうだ)」

高杉「(バケモノ集団だ。こんな奴らに勝てるチームなんてあるのか…?)」

新田「(くそっ!苦労してファルコンクロウを編み出したのに、まだ世界ではゴミレベルなのかよ!)」

山森「(明らかに実力で上回っているのに、更に相手の勝ち目を0にしてくるなんて…)」

反町「(日向みたいなパワーと戦術だ。ひょっとしてあいつは正しいんだろうか?)」

沢田「(あ、あわわわわ…日向さんも居ないのにこんなチームに勝てる訳ないよ…)」

見上「(やはり無理だったか。森崎か若林、それに翼と日向が居れば4:6程度の勝負にはなっただろうに)」

だが彼は気付いていなかった。ベンチ内で闘志を燃やしていたのは最早彼一人だけだった事に。

431 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 22:42:26 ID:rpfx2XZy
石崎「ぐえええ…い、いてえ…」

赤井「だ、大丈夫ッスか皆さん…」

若島津「…俺はこの程度ではくたばらん」

次藤「ワシも平気ばい。ばってん三杉は…」

早田「三杉!」

そして今フィールドに居る全日本ユースの選手達は胸を抑えたまま苦しげに呻く三杉の周りに集まっていた。
中山に支え起こされても目を閉じ歯を食い縛ったままで、何も喋れそうにない。

中山「三杉、三杉…!」

三杉「ぐ、ううぅ…」

クライフォート「下手に揺らさん方が良いぞ。肋骨にヒビが入っているかも知れんからな」

中山「貴様…!」

彼らを見下しながら笑うクライフォートに敵意が篭もった複数の視線が突き刺さる。
そしてこのタイミングでタンカ要員と共に松山がフィールドに入ってきて皆の気持ちを代弁した。

松山「オランダユース!お前達はこんなサッカーをして恥ずかしくないのか!」

クライフォート「うん?何の事だ?」

松山「とぼけるな!さっきのお前達はわざと三杉にケガをさせる為のプレイを繰り返していた!
わざわざ逆走してドリブルをしていたのがその証拠だ!こんな物がお前達のトータルフットボールなのか!」

432 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 22:42:41 ID:rpfx2XZy
松山は激昂していた。
彼がサッカーにおいて重要視するのは三つ。チームワーク、フェアプレイ、そして闘志である。
オランダユースがお世辞にもフェアとは言えない手段で相手の闘志を挫きに来た事、
そしてそれがつい先ほどまで彼を感銘させていた完成度の高い組織プレイで成された事実が許せなかった。

それに対しクライフォートは薄く笑っただけだった。

クライフォート「では問おう、トータルフットボールを持たない国の選手よ。お前達はどんな汚いマネを
してみせてくれる?トータルフットボールを持たないから卑怯な事をしていいんだろう?」

松山「なんだと…!何を屁理屈を言っているんだ!トータルフットボールを
持とうが持たなかろうが卑怯なマネをしてダメだと言うのは変わらないだろうが!」

クライフォート「矛盾しているぞ。その理屈なら俺達を批判するのにトータルフットボールを持ち出すな」

松山「フザけるな!トータルフットボールを実現したクライフも言っていたじゃないか、
美しく敗れる事を恥と思うな、無様に勝つ事を恥と思えって!」

クライフォート「フッ、ヨハン・クライフか…あの人は確かに偉大すぎる程偉大だ。だがあの人も
俺がこう言えば反論は出来まい。美しく負ける事は誇りになるが、美しく勝つ事は更に誇らしいとな」

松山「なっ…!?」

クライフォート「俺はクライフを超える。世界一になると言う形でな…
その為に美しいサッカーと勝つサッカーを両立させてみせよう」

サッカー選手としての信念を問いかけた松山は返ってきた答えに絶句した。
クライフォートの語った信念は彼が想像もつかない方向性の物だったからだ。

433 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 22:43:20 ID:rpfx2XZy
クライフォート「理解できないか?ヒカル・マツヤマ」

松山「当たり前だ!相手をわざとケガさせるサッカーの何が美しいと言うんだ!」

クライフォート「ではもう少し詳しく説明してやろう。相手の負傷を集団で狙う。
確かにその行為だけでは美しいなどとは到底言えないだろう。
だがお前は俺達がそんな方法に頼らなければ勝てない程度の小悪党揃いのチームだと思っているのか?」

松山「…違う!お前達は本当に強い、それなのにわざわざこんな事をしたのが許せないんだ!」

クライフォート「それがそもそも間違いであり、お前達がサッカー三流国である証拠なんだよ。
気付かないのか?今お前は大差で負けると格好悪いから接戦で負けられる様に
うちのチームの選手が持っている弱点を突かないで下さいと敵に命乞いをしたんだぞ?」

松山「なにを、いっているんだ、おまえは…!」

クライフォート「先ほどから繰り返しているだろう。俺の目指すトータルフットボールは
ただ美しいだけのサッカーではない、美しいサッカーと勝つサッカーの両立…言わば機能美だ。
”美しいサッカーをした”事を負けた言い訳にさせない為のな!」

問答が進むにつれ松山はクライフォートが人の形をした別の生き物の様な気がしていった。
収まらない怒りと高まる嫌悪感に震えだす松山に構わずクライフォートは続ける。

クライフォート「美しいパスワークや芸術的な組織プレイもこの後たっぷりと見せてやるさ。
それともお前達は俺達に美しいプレイだけに徹し負けるリスクを増やす事を強要するつもりか?
クライフが敵DFのマークに封じられ負けた悲劇を繰り返させたいお前達は美しいのか?」

松山「………」

434 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 22:44:15 ID:rpfx2XZy
言い返せなくなったのではなく、相手が何を言っているのか分からなくなった松山はぽかんと口を開けたまま黙ってしまった。
そして代わりに弱弱しい声を出したのは既にタンカに乗せられていた三杉だった。

三杉「彼は、間違って、いないよ…」

中山「み、三杉!」

三杉「クライフを超える為に、トータルフットボールを変える為に…美しいサッカーを敗因にしない…
その信念も…ラフプレイに弱いと言う僕の弱点を、容赦無く突くプロ精神も…間違ってはいない、さ…
ただ、トータルフットボールと言う先入観を、幻想を…僕たちが彼らに、勝手に抱いていただけ、だ…」

松山「…そんな…」

三杉「もっとも、クライフが認めるとは、思えないし…僕も、好きなサッカーじゃない、けどね…!」

クライフォート「フッ…頂点の目指し方は一つではないと分かっている分
お前は大した物だよ。それだけのセンスとメンタルを持ちながら
プロリーグの無い日本と言う国に心臓病と言うハンデ付で生まれたのが実に惜しいな」

早田「ちょっと待った!なんでてめえが三杉が昔心臓病だったって事を知ってんだ!?」

まさか三杉がオランダのやり方を認めるとは思って居なかった松山はまたもや絶句し、
代わりに今度はクライフォートの一言に驚いた早田が口を挟む。
それに答えたのはクライフォートではなくイスラスだった。

イスラス「お前達は俺達が傲慢だと感じている様だが…本当に傲慢なのは俺達が下調べを怠り
油断する様な無能だと見下しているお前達じゃないのか?タックル以外は何も出来ないソーダよ」

早田「な…なんだと…!?」

435 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 22:47:25 ID:rpfx2XZy
クリスマン「油断しているフリを本当の油断だと思っていた様だな。俺達は実際はちゃんとお前達を研究してきたぞ」

カイザー「ハッハッハー、あっさり騙されてやがんの!」

レンセンブリンク「愚鈍め」

ディック「なんならこの場でお前ら全員の弱点を言ってやろうかァ?」

リブタ「よせよせ、どうせすぐに思い知らされるんだしさ」

そして場の雰囲気は完全のオランダ側に飲まれた。形としては松山が先に食ってかかった為
審判もどちら側を注意して良いか判断がつかず、不快な空気のまま三杉がタンカで運ばれていく。
ややあって松山がキャプテンマークを腕にはめながら再び口を開いた。

松山「…さっき言った事は謝る…理解も共感も全く出来ないが、
それでもお前達を否定するのは俺の考えを押し付けているのと変わらない…」

クライフォート「ほう…」

松山「…だがお前達が三杉にした事は許さない!この試合、勝たせてもらう!」

クライフォート「面白い、出来るならやってみろ…出来るのならな。フフフ…」



放送「あっと、ようやく試合が再開しそうです。先ほどまで三杉くんがクライフォートくんのシュートで
負傷させられた事に怒った全日本ユースがオランダユースと言い争っていた様ですが、
なんとか収まった模様。乱闘が起きなくてなによりでした」

森崎「汚え…訳じゃないんだよな(俺も結構手段を選ばないしな)」

シュナイダー「シュートで相手DFを負傷させて何が悪い?無論、反則なら話は別だが」

436 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 22:55:54 ID:rpfx2XZy
今日はここまで。また明日お会いしましょう。

予想以上に賛否両論になったオランダユースの性格設定ですが、彼らはもともと
登場するタイミングと実力設定を特別編に準拠するとどう転んでも全日本にとっては
憎まれ役にしかならないので徹底して悪役チームになってもらいました。
さもないとただの「物語後半で当たるそこそこ強いけど印象が薄い敵チーム」で終わってしまいますしね。

どうやってもある程度は嫌われ者になってしまう存在なので受け付け辛い人も居る様ですが、
「魅力的な悪役」を描いていける様努力していきますので辛抱強くお付き合い頂けたら嬉しいです。

437 :創る名無しに見る名無し:2010/04/01(木) 23:10:47 ID:nH05hpCc
乙です
続き楽しみにしてますー

438 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 14:17:25 ID:xYawRjUv
前半43分のオランダの追加点と三杉の負傷交代。
これを皮切りに松山達の絶望的な戦いが始まった。

松山「皆…前半終了間際だ。”アレ”を使うぞ」

中山「”アレ”…?あ!そうか!”アレ”はJrユース大会で使っていないな」

松山「ああ。そして俺も高校時代使っていない。奴らが俺達の事をいくら
研究していても、流石に”アレ”だけは予想していない筈だ」

政夫「よっしゃ、やろーぜ!」

和夫「まずは俺達が切り込んでやるぜ!」

クライフォート「(何か仕掛けてくるつもりの様だな。さて、どの程度の物か)」

ピィイイイイイイイイイイイイイ!!



松山「みんな上がれ!全日本のなだれ攻撃だ!」

松山がまず試したのはキックオフと同時のなだれ攻撃だった。



全日本メンバー『おう!!』

ドドドドドドドドッ!!

クライフォート「ん?」

439 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 14:17:41 ID:xYawRjUv
放送「お〜〜〜っと、これは全日本ユースのキックオフ直後の全員攻撃!
先陣を切る立花兄弟を筆頭に雪崩の様にフィールダー全員がオランダ陣内に
押し寄せていく!これは松山くんが中学時代ふらので使っていたなだれ攻撃か!」

観客「おーっしゃ、良いぞ!」「三杉の仇を取りに行けーっ!」

政夫「もうお前らの好き勝手にはやらせねェぞ!」

和夫「一気に攻め込んでやる!」

パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ!

カイザー「しゃらくせーっ!」

レンセンブリンク「ここだ」

バチィッ!

スルバラン「よし!俺がフォローを…」

松山「いいや、まだ俺達のボールだ!」

バシッ!

スルバラン「なにィ!?」

ずっとベンチでオランダの戦い方を見ていた松山は一つの策を持っていた。
トータルフットボールの影響でセカンドボールを悉く押さえられるのなら、
同じくセカンドボールを確保する事を目的としたなだれ攻撃で対抗出来るかも知れない。
そしてその見込みは見事に当たり、松山はスルバランよりも早くボールに飛びつく事が出来た。

440 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 14:17:57 ID:xYawRjUv
放送「立花兄弟突破ならず!しかしこぼれ球は松山くんがフォロー!
松山くんこれを右サイドの葵くんにはたきます」

松山「頼む葵!(それから中山、上がっておけ!)」

葵「は〜い!葵、いっきまーす!」

ダダダダッ!

クリスマン「そう易々と通すか!」

ザザッ!
バチィツ!

葵「わっ!」

中山「まだだ!」

バシッ!

放送「葵くんもクリスマンくんにボールをこぼされましたがすかさず中山くんがフォロー!
怒涛の勢いの攻め上がりによって攻撃権を維持し続けるなだれ攻撃が効果を発揮しています!」

クライフォート「(これは…フォローしやすいポジショニングを意識した全員攻撃か。
守備的なリスクを抱えてはいるが、悪くない連携だ。だが…)」

中山「中里ォ!」

バッコォオオン!!
ヒューン!

441 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 14:18:12 ID:xYawRjUv
全日本ユースは運動量を増やしフォロー率を上げた事でこぼれ球をつかむチャンスを得た。
松山の目論見通りなだれ攻撃はトータルフットボールの優位性を打ち消す事が出来たのだ。

放送「ここで中山くん大きくサイドチェンジ!逆サイドの中里くんにボールを託します!」

中里「任された…ぬおっ!?」

クライフォート「何時まで逃げ切れるかな?」

スルバラン「これ以上はやらせんぞ!」

中里「ぬわっ…!」

ズザザザーッ!
バァアーーーン!!

全日本メンバー「またこぼれた!」「確保しろ!攻撃し続けるんだ!」
オランダメンバー「いい加減キープするぞ!「これ以上やらせるな!」

放送「しかし中里くんも攻め込めず!ボールはあらぬ方向に飛んで行き
両チームの選手達が狭い空間でぶつかり合い始めました!
時間は既にロスタイム、ここでキープ出来ればまだ攻撃できます全日本!」

しかしトータルフットボールを完全に打ち消すには到らなかったなだれ攻撃の本来の効果は発揮されず、
やがて中盤での混戦が発生し両チームの選手達がボールを奪い合う様になる。

442 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 14:18:44 ID:xYawRjUv
イスラス「はっ!」
早田「だりゃっ!」

ガガッ!

ディック「どけっ!」
次藤「ふんがっ!」

ボゴッ!

全日本メンバー『く…くそおっ…!』

クライフォート「フッ、悪くない試みだったぞ」

バシッ!

そして最終的にボールを押さえたのはオランダだった。個人の能力のみならず
チーム全体の運動量とポジショニングが特に作戦が無くても自動的に高い域を維持している
トータルフットボール相手にはなだれ攻撃を中断された全日本ユースでは立ち向かえなかった。

松山「まだだ!ここでお前から奪う!」

ズザザーーーッ!

クライフォート「だが結局は実力の差を埋める事など出来まい!」

ダダッ、クルッ。ポンッ!

松山「………畜生!」

ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

最後にクライフォートが松山をクライフターンでかわした所で前半は終わった。
松山がこれしかないと言うタイミングで出した切り札もオランダを脅かすには到らなかった。

443 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 14:20:53 ID:xYawRjUv
いったんここまで。

444 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 17:31:55 ID:xYawRjUv
観客「くそっ、1−2か…」「三杉またケガしちゃったのかよ…」「大丈夫なのか?三杉無しで」
「なあに、松山や早田がやってくれるさ!」「守備は良いとして、攻撃が…日向何処行ったんだよ、全く」

ハーフタイムが始まった時、空は試合のこれからを占うかの様に雲が増え暗くなっていた。
それに影響された様に観客達の表情や雑談も重く暗くなっていき、
心配そうな雰囲気を空元気で吹き飛ばそうとする者達も出てくる。

森崎「ったく、そろそろ雨も降りそうだしいよいよ勝ち目は無くなったな。あーあ」

シュナイダー「そ、そうだな…」

森崎「ん?どうした、シュナイダー…とフライハイト」

空元気など出す必要は無い森崎はイライラと腕を組みながら毒を吐いていたが
ふと様子がおかしいシュナイダーが気になって横を向いた。
すると普段の彼からは想像出来ない程なくそわそわしているシュナイダーと
同じく今までとは打って変わって機嫌が良さそうにしているフライハイトが目に入った。

フライハイト「…来るんだ!」

森崎「へ?何が来るんだ?」

フライハイト「雨が来るんだ!雨が来るぞ!」

森崎「はあ?」

ポツ、ポツ、ポタポタポタ、パラパラパラパラパラ、サーサーサーサー…

森崎「あ、本当に降ってき…た、な…?」



フライハイト「雨だ!ああ、雨だ!素晴らしき雨よ、もっと降り注げ!」




445 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 17:32:09 ID:xYawRjUv
シュナイダー「(だからこいつと一緒に居る時に雨が降ると嫌なんだ!)」

森崎「……………」

観客「な、なんだなんだ?」「なんか変な外人が喜んでるぞ?」「そんなに雨が珍しいのかしら…」

そしていざ雨が降り出すといよいよフライハイトはおかしくなった。
森崎が無遠慮に暗いと評した雰囲気は爛々と輝く瞳と満面の笑顔で影も形も無くなり、
両腕を広げながら天を仰ぐその様はなんらかの宗教の儀式と言われれば信じてしまいそうだった。

事前に知っていたシュナイダーは顰めた顔を背け、予備知識が無かった森崎は目が点になる。
無論周りの観客も何事と凝視し、怪しげな外人の奇行に遠巻きでギョッとする。
だがフライハイトは周りの反応など何処吹く風で弾んだ声を森崎にかけた。

フライハイト「雨は良い…命を潤す恵みの流れだ!そうは思わないか、モリサキ!」

森崎「え?あ、いや、その…」

A 「(おいシュナイダー、なんとかしろよ!)」
B 「まあ、そう言えなくもないかな、うん」
C 「俺は晴れている時の方が好きだぞ」
D 「済まん、試合が気になってそれどころじゃない」
E 「バカ何騒ぎ起こしてるんだお前は!」
F 「そんなに雨が好きなら日本に移住しろよ」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/4/2 18:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

446 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 08:32:26 ID:G+D4BlBJ
>F 「そんなに雨が好きなら日本に移住しろよ」

森崎「なんか良く分からんが…そんなに雨が好きなら日本に移住しろよ。
確か、日本は世界でもかなり雨が多い国の筈だぞ?」

フライハイトの様子にあまり深く突っ込みたくなかった森崎は当たり障りの無いセリフで
話を合わせようとした。少なくとも森崎は当たり障りの無いセリフのつもりだった。

だがフライハイトにはそうでなかったらしく、顎を撫でて真剣に考え出した。
隣のシュナイダーが今まで以上に狼狽するのも気付かないまま。

森崎「(…あれ?俺、何かとんでもない事しちゃった?)」
-----------------------------------------------------------------------------
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★俺の名は風雷拝徒→!card★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

JOKER→フライハイト「そうだ!フィリピンなら日本よりも更に雨が…」 シュナイダー「HA!!」 ゴキャッ
ダイヤ→フライハイト「残念ながら、プロリーグの無い国には…」 シュナイダー「(ホッ…)」
ハート、スペード→フライハイト「残念だが、東ドイツが安定するまでは…」 シュナイダー「(安定したら行くのか!?)」
クラブ→フライハイト「…日本のサッカー協会に口利きをしてく」 シュナイダー「馬鹿者!貴様にゲルマン魂は無いのか!」

447 :創る名無しに見る名無し:2010/04/03(土) 12:37:21 ID:6NKWmD3Y
惜しいww

448 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 16:50:46 ID:G+D4BlBJ
★俺の名は風雷拝徒→ ハート2 ★

ハート、スペード→フライハイト「残念だが、東ドイツが安定するまでは…」 シュナイダー「(安定したら行くのか!?)」
-----------------------------------------------------------------------------
フライハイト「魅力的な提案だな!しかし残念だが、東ドイツが安定するまでは…それは無理だ。
今回日本に入国するだけでも面倒な手続きが必要だったし、移住となると更に、な…」

森崎「そ、そうか(国籍まで変えても良いのかよ!?雨の為だけに!)」

シュナイダー「(安定したら行くのか!?ドイツよりもサッカーよりも雨の方が大事なのか?)」

少しの沈黙の後、フライハイトは実に残念そうな表情で森崎の話半分の提案を断った。
その様は心の底から惜しんでいるのが誰にも分かる程で、森崎が呆れたのは勿論
チームメイトであるシュナイダーはそんなにあっさりとドイツを捨てるのかと気が気でない。

フライハイト「本当に悔しい物だな。日本の降水量が心底羨ましくて堪らない。
ああ、何故雨はもっとドイツに微笑みかけてくれないのだろうか?
俺が住むミュンヘンでさえ世界の平均とほぼ同程度でしかない。
お前は雨に恵まれた国の人間だが分かってくれるかモリサキ?この胸のいた…」

シュナイダー「フライハイト!今モリサキは絶望的な戦いを挑まねばならない
自分のチームメイト達を見守っているんだ、話を元に戻そう!そうだろう、モリサキ!」

森崎「あ?ああ、そ、そうだな!悪いが雨の話はまた今度にしてくれ、フライハイト」

フライハイト「ん?そうか、そうだったな…仕方ない、今は試合に集中するとしようか!」

更にフライハイトは雨の素晴らしさについて語ろうとしたが、この話題を続けさせたくなかった
シュナイダーが強引に話を眼前の試合についてに戻し森崎もそれに乗る。
フライハイトも配慮し話題を元に戻してくれたが、雨によって上がったテンションは変わらなかった。

449 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 16:50:59 ID:G+D4BlBJ
フライハイト「さて、前半を見てオランダユースの強さと恐ろしさは良く分かっただろうモリサキ!
攻守共にタレント揃いな上他のチームにはマネできない完成された連携でで非常に厄介なチームだ」

森崎「もう十分分かったっての。情けない話だが、三杉が抜けた今はもう点を取る事すら無理だろうな」

フライハイト「ああ。代わりに入ったマツヤマだったか?気分を悪くしないで聞いて欲しいが、
今の彼にはJrユース時代の存在感はまるで感じられないな。彼ではオランダ相手に何も出来まい」

シュナイダー「それは俺もジャパンカップの頃から気になっていたな。
マツヤマに限らずソーダ、ミサキ、ナカザトと言った全日本Jrユースの主力選手達は
皆伸び悩んでいた様に見えた。あれほどの強敵であったヒューガでさえ
俺の想像していた姿に比べると一回り劣っている。何故だ?モリサキ」

森崎「…日本にプロリーグが無いからだよ。参考に出来るレベルの高い試合も目標に出来る年上選手も
鍛えてくれるクラブチームも無い。これでも俺が合宿で実力差をみせつけて皆が必死になった結果なんだぜ?」

フライハイト「なるほど!国レベルの伝統と組織力が無ければ強い選手は生まれない。当たり前の事だな!」

シュナイダー「予想の一つが当たったな。お前とツバサはブラジルに行った事でそれを免れたのか。
しかしこのザマではお前とツバサの力で大陸予選を勝ち抜いたとしても、
ワールドユース本大会では”出場しただけ”のチームになりかねんぞモリサキ」

森崎「…チッ、耳に痛い話ばっかりしやがって。その通りだけどよ」

フライハイト「腐るなモリサキ!嫌な事から目を逸らしても現実は変わらないぞ!」

森崎「(こいつもうぜえ!ああ、面白くないな…ん?)」

代わりになった話題も決して愉快な物ではなく、冷徹に今の全日本ユースに
低い評価を下す二人のドイツ人に言い返せる材料が無い森崎は再び不機嫌になる。
そしてハーフタイムが終わり両チームの選手達が入場してくると彼の苛立ちは更に増した。

450 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 16:51:18 ID:G+D4BlBJ
放送「ただいまハーフタイムが終わりました。逆転の期待がかかる全日本ユースの選手達が
雨に負けじと元気良く走りこみ、続いてリードしているオランダユースが…あ!?こ、これは…」

全日本メンバー「な…なにィ!?」「なんでだよオイ!」「フザけたマネしやがって!」

観客「あれ?オランダ、なんか変じゃね?」「クライフォートって奴が居ないぞ!」「あ、あそこだ!ベンチに居る!」

森崎「あ、あいつら…!とことんまで余裕かましやがって…!」

オランダユースがクライフォートを交代させてきたのだ。

放送「し、失礼しました!ただいま入った情報によるとオランダユースはキャプテンのクライフォートくんを下げ、
ギニャーサくんを投入しました。前半は見事なプレイでしたが、ケガでもしていたのでしょうか?」

森崎「ヘッ、あの展開でケガなんかするかよ。これでも十分って判断したんだろうよ…」

シュナイダー「妥当な判断だな。これは負けても問題ないテストマッチだ」

フライハイト「クライフォート抜きでも戦う練習に切り替えたか!抜け目が無い!」

松山「くっ…どこまで馬鹿にするつもりだ!それなら逆転勝利して後悔させてやるぞ、皆!」

全日本メンバー『おう!!』

当然いきり立っている全日本ユースがこれを喜ぶ筈も無く、彼らは松山が率いるままに怒号を上げた。
しかしそんな彼らの姿を見てもオランダユースの選手達の冷笑は深まるだけだった。

カイザー「聞いたか?向こうさんまだあんな事言っているぜ」

レンセンブリンク「愚かな」

クリスマン「俺達は何時でも全力だと言う事を分からせてやろう。体でな!」

451 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 16:52:12 ID:G+D4BlBJ
いったんここまで。

452 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:23:14 ID:G+D4BlBJ
そして後半は全日本ユースに取ってとても残酷な、オランダユースの一方的なペースに終始した。
全日本のキックオフで始まったにも関わらずボールはほんの数分で奪われ、
そこからクライフォートに代わってCMFになったクリスマンが使い出した連携に誰も太刀打ち出来なかったのだ。

クリスマン「行くぞレンセン、カイザー!」

レンセンブリンク「分かった」

カイザー「カモーン!」

パンッ!ポーン!ダダダダッ!バコォン!ダダッ!パンッ!

全日本メンバー「な、なにィ!?」「は、早ェエエ!!」「なんだよこれ!?」

松山「くっ…まだこんなコンビネーションがあったのか!?」

クリスマン、レンセンブリンク、カイザーの3人が絶えず走り続けながら行う
3人がかりの連続ノートラップパス。彼ら自身がトリニティブレイクと名付けた
この連携に圧倒された全日本は前半以上に攻撃権を取れなくなってしまう。

早田「レンセンブリンクだ!ポストプレイをしてくるぞ!」

レンセンブリンク「バカめ」

バッ!クルッ!
バシュゥウウウウウウウウウウウウウウウッ!!

若島津「な…こ、これは三杉の!」

中山「ハイパーオーバーヘッドだ!」

赤井「(やべっ、ビデオで見てたのに!)」

453 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:23:31 ID:G+D4BlBJ
バスッ!
ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

レンセンブリンク「俺の武器はポストプレイだけではない」

そしてそのまま切り込まれた後半5分にレンセンブリンクのハイパーオーバーヘッドが決まる。



全日本ユース 1−3 オランダユース



スタタタタタタタッ!
パシッ!

政夫・和夫『あああっ…!』

イスラス「遅い遅すぎるぞもう見飽きたワンツーならもっと速くやれそれで速攻のつもりか!」

キックオフからのジェミニアタックもイスラスにあっさりとカットされた全日本は
それ以降完全に受身になり、自陣のゴール前をひたすら固めこれ以上の失点を
防ぐ事しか出来なくなった。そしてそれさえも満足に出来る事ではなかった。

カイザー「ほれほれほーれ、パスだぜー♪」

早田「畜生がァアアアアアアアアアア!!」

特に大きく響いたのはこれまで大活躍していた早田が悉くパスで翻弄され
何の役にも立たなくなった事だった。これは展開への影響以上に全日本の士気を下げた。

454 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:24:27 ID:G+D4BlBJ
葵「くそーっ!まだ俺は諦めないぞ!」

ディック「早く楽になれよチビ!」

ズザザッ!
バゴオッ!

葵「ぎゃあ〜!」



中里「中の里が奥義が一つ、分身の…」

イスラス「スピードだけで勝てると思うな!」

レンセンブリンク「単純過ぎる」

バチイッ!

中里「なんと!?」

貴重な攻撃チャンスも敵陣にボールを運び込む事すら出来ない始末で、
頼みの綱の葵と中里のサイドアタックも通用しない。これにより
オランダのシュート数が増え、全日本の守備陣にかかる負担も増していった。



ボグゥヲォオオオッ!!

石崎「ぶふぇああっ…!も、もうダメだ…」

ドサッ…

葵「石崎さーーーん!!」

後半12分、脳震盪を起こした石崎が山森と交代。

455 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:25:00 ID:G+D4BlBJ
レンセンブリンク「フン」

バッ!クルッ!

若島津「二度も同じ技でゴールさせるか!キェエエエエエエエエッ!!」

バッ!グワアアアッ!!
バキィイイイイイイイイン!!

レンセンブリンク「!?」
若島津「(しまった!このままだと弾ききれな…!)」

バィーーーーン!!

カイザー「ラッキー!ごっちゃんゴールいっただきィ〜〜!!」

バッ!
バシュゥウウウウウウウッ!!

中山「くそぉおおおおっ!!」

赤井「ゼー、ハー、ヒー…す、済みません。もう無理っす…」

バスッ!
ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

後半29分、負担が大きすぎた赤井が倒れるのと同時にカイザーのジャンピングボレーが入る。
代わりに入った高杉が出番を喜ぶ気になれなかったのは言うまでもない。



全日本ユース 1−4 オランダユース

456 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:25:28 ID:G+D4BlBJ
松山「(頼む、せめてキーパーまで届いてくれ!)」

バゴォオオオオオオオオオオン!!
ヒュゥウウウウウウウウウウウ…

リブタ「おいおい、冗談きついぜ!」

バシッ!

松山「(くっ…何故だ!何故俺はこんなに無力なんだァアア!!)」

松山がやけくそにキックオフからの北国シュートを撃っても通用する訳が無い。



政夫「せめてもう一点取ってやる!」

和夫「くらえオランダユース!」

ドールマン「遠慮しとくぜ」

バッ!
ガシイイイッ!

政夫・和夫『そ…そんなァ!?』

ドールマン「残念でした。俺に通用する威力じゃないよーん」

運良くシュートチャンスまでこぎつけ、万感の思いで繰り出したデルタツインシュートですら
撃つ前に潰された時全日本ユースの闘志は遂に潰えてしまった。

457 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:25:44 ID:G+D4BlBJ
イスラス「トドメだ全日本ユース自らの弱さを思い知れそれが敗北者の義務だ!」

ビュンッ!

若島津「あああ…」

後半37分、イスラスが無気力になった全日本の守りを突破しドリブルゴールする。



全日本ユース 1−5 オランダユース



葵「ハア…ハア…(い、嫌だよ、こんなの…)」

タッタッタッタッ…

ギニャーサ「スタミナは大したチビだがいい加減限界らしいな!」

バチイッ!

葵「(こんな…こんなにカッコ悪く負ける為に日本代表になったんじゃないのに…
翼さん達と一緒に世界を目指す為に頑張ってきたのに…こんな負け方、嫌だ…)」

バタッ…

ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

最後まで走り続けた葵もとうとう倒れた時、屈辱に満ちた負け戦は終わった。
シュート数は3対15。支配率は16対83。点差と実力差が残酷なまでに一致した結果だった。

458 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:26:54 ID:G+D4BlBJ
いったんここまで。
ジャパンカップ編もそろそろ終了が近いです。

459 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:09:09 ID:hsT78phF
放送「ここで試合終了です。結果は1−5。全日本ユース、大敗を喫してしまいました。
ジャパンカップでの雄姿が今となってはまるで幻の様に思える程の惨敗です。
相手のオランダユースは現在欧州のユース代表としては最強と言われている程の強豪チームですが、
裏を返せば世界を狙えるチーム相手には歯が立たないと言う事でしょう。
第一回フランス国際Jrユース大会で予想外の栄光を手にしたこの黄金世代は
ワールドユースで栄光再びを期待されていましたが、それは叶わぬ夢となってしまうのでしょうか…?」

試合終了直後の実況は建前の中立性すら放棄した物悲しい語り口だった。
メキシコ五輪の銅メダル以外はまるで世界的な栄光が無い日本のサッカー界に
突然変異種の如く現れた黄金世代に魅せられたサッカーファンは多かった。

しかし今日の試合は実際に世界トップクラスのチームとぶつかるとどうなるかを残酷な程明らかにした。
主力が数人欠けていたと言う事実も慰めにならない程の大敗の前には
どんな楽天家でも夢を打ち砕かれずには居られなかった。

観客「そんな…こんな大差で負けるなんて…」「雨の中必死に応援した結果がこれかよ、くそっ!」
「オ、オランダって強いんだな…」「森崎や翼が居ても勝てなかったんじゃね?」「所詮日本サッカーなんてこんなモンだろ」
「ワールドユースに出ても今日みたいなチームが相手だとボロ負けするって事だよな…あ〜あ」

観客の反応は怒りよりも落胆が大きかった。これは日本がまだまだサッカー弱小国である自覚と
それ故に黄金世代と言えども高望みはしてはいけないと言う哀れみの産物だった。
逆に言えば、観客の思いを裏切っても激情される可能性は無い程度の期待しかされていなかったのだ。

選手達にはそれがなによりも辛かった。いっそ激しくブーイングされた方がマシだったかも知れない。

政夫「この程度…俺達って、この程度だったんだな…」

和夫「ハハッ…弱かったんだな、俺達…」

460 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:09:27 ID:hsT78phF
葵「くそう、くそう、くそう!こんなの悔しすぎるよーっ!」

中里「無念どころではない…無様にも程がある…」

早田「クソッタレがーっ!今まで何をやってきたんだ俺は!」

次藤「…またじゃ。また、世界相手に何も出来んかった…」

中山「(ウジウジ悩んでいた結果がこれだ!何が森崎の力になりたいだ!)」

若島津「(昔と同じだった。俺はキーパーとしては世界を獲れない…)」

ベンチに戻る彼らの表情は惨めとしか言いようが無かった。過酷な現実に夢を打ち砕かれた
若者の顔はどんな芸術家でも描き表せないであろう程の悲哀に満ちており、
特にキャプテンマークを汚れた手で握り締める松山の顔は雨と涙と泥でぐしゃぐしゃになっていた。

松山「監督…皆…すみません!」

見上「…お前一人のせいではない」

松山「分かっています…でも、でも、こんなの!」

三杉「…オランダユースは僕たちより圧倒的に強かった…それ以上でもそれ以下でも無いさ」

松山「くそっ…!」

泣き濡れた松山と淡々と語る三杉の視線が自然とフィールドの逆側にあるオランダベンチに向かう。
距離がありすぎて会話は聞こえる筈も無かったが、彼らの明るく爽やかな雰囲気はとても忌々しい光景だった。
さして難しくもない仕事を予定通りに終えたからこれから祝杯でも上げよう…そんな表情だった。

461 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:09:43 ID:hsT78phF
松山「…三杉」

三杉「なんだい?」

松山「やっぱり俺はあいつらが許せない…大敗したのはこっちが弱いからだ。それは俺達のせいだ。
だがあんなに強いのに!あんな凄い全員サッカーが出来て、しかもそれを個人技と両立させているのに!
わざわざ必要の無いラフプレイで相手をいたぶる様なサッカーなんて…俺は認められない!」

三杉「………」

松山「サッカーは奇麗事だけじゃ済まないのは分かっている。お前があいつらを責めていないのも、
ああいうやり方も一つの強さだって言うのも分かる。だけど…あんなサッカーに負けるのなんて、もう絶対に嫌だ!」

やがて松山は吼えた。涙を流し続けながら。そんな彼に注がれる三杉の視線は
どちらかと言えば冷ややかな物だったが、三杉が返答する前に岬が口を挟んだ。

岬「それで良いと思うよ、松山」

松山「岬…」

岬「小次郎とかを見ていると、オランダが間違っていると断言は出来なくなるけど…僕は奇麗事の方が好きだし、
奇麗事で勝ちたい。そう思う事も決して間違っていない筈なんだ(汚い事は他人にやらせるに限るしね)」

松山「ああ…!そうだよな、岬!」

三杉「…人にはそれぞれの道がある。君は君に出来る努力をすればいいさ。
僕は僕で力を求めるとするよ。結果的には僕たちの道の目標地も同じになるだろう」

松山「…そういう所も本当にお前らしいな、三杉」

その後三杉も淡々と相槌を打ち、彼らしい答えに松山も涙を止め苦笑する事が出来た。

*松山のクライフォートに対する感情が「許さない!」になりました。
*三杉のクライフォートに対する感情が「借り」になりました。

462 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:10:01 ID:hsT78phF
そんな3人の輪を少し離れた所で眺め、疎外感を感じている者が一人居た。中山である。

中山「(結局俺が入っても、全日本は殆ど変わらなかったな…)」

日本代表となり3試合連続でスタメンフル出場、しかしそのパフォーマンスは「その他大勢扱い」程度。
中学生時代森崎と共に戦う事を渇望し続けた彼が描いていた想像とはかけ離れた様である。

中山「(この現状は自業自得だ。森崎の力になるには森崎と敵対する覚悟が必要かも知れない?
それは日向が歩んだ道だ。俺は日向じゃない。奴の様なFWではなくDFなんだ。DFとGKは敵対関係にはならない。
自分の本分を忘れた奴がいくら悩んだって無駄だ。だけど…だったらどうしたら昔の様に活躍出来るんだろう)」

現状に疲れた中山は遠い昔の栄光に満ちていた頃の記憶を掘り起こしていた。
南葛SCと言う地域の選抜チームでただの補欠だった筈の森崎がガムシャラに力と栄光を追い求め、
それに引っ張られる様に自分も何時の間にか眠っていた力を引き出していったセピア色の記憶を。

中山「(あの時俺も最初は森崎と同じでただの数合わせみたいな物だったんだよな…ん!?)」

そして中山は気付いた。一度再起不能になってから自分がどう変わったかを。

中山「(…今の俺の立場は同じじゃないか!南葛SCのその他大勢だった頃と!じゃあ…
今の俺とあの時の俺の違いは何だ…?決まっている!あの時の俺は失敗なんか恐れていなかった!
結果が出せなかったらすぐ次の挑戦を探していた!何も無かったから一から築き上げるしかなかった!
何時からだ!?何時から俺は過去の栄光に縋り失敗を恐れる様になっていたんだ?
そんなの俺じゃない!過去の栄光に縋りそれを取り戻そうとするのは俺じゃない!
自分の未知を探り続け、自分と戦い続ける!それがこの俺、中山政男のサッカーじゃないか!
昔の力を取り戻せばそれで満足するつもりだったのか?ああ、なんて道化だったんだ俺は…!)」

一度視野が開けると気が晴れるのも早かった。笑い出したくなる衝動を堪えなければならない程だった。
世界の壁と言う障害物に何度も突撃を繰り返した結果、中山はようやく己につけていた鎖の存在に気付いた。

中山「(…決めた。過去の力を取り戻すんじゃない、新しい力を得るんだ。俺の力を!)」

今は誰も気付いていなかった。この日の大敗が中山を過去の呪縛から解き放った事を。
全力で全日本を失意の淵に閉じ込めようとしたオランダユースは皮肉にも中山政男と言う一人の逸材を蘇らせた。

463 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:12:07 ID:hsT78phF
いったんここまで。

464 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/05(月) 16:18:30 ID:dt3FqNV/
チームメイト達が悲痛な雰囲気に包まれていた頃、森崎はどうしていたかと言うと…

フライハイト「落胆しているヒマは無いぞモリサキ!正GKでありキャプテンでもあるお前は
誰よりも勇敢であり続けなければならない!それがチームメイトを復活させる最善の…」

森崎「分かってるっつってんだろ!いい加減落ち着きやがれ!(ウゼえ!最初の静かっぷりは何処に行ったんだ?)」

シュナイダー「フライハイト!日本人じゃないお前がわざわざ言う事じゃない!」

唾が飛ぶ程の熱弁をふるうフライハイトに絡まれて辟易していた。
彼のテンションは最早シュナイダーの注意にも耳を貸さない程高まりきっていたが、
試合終了後間も無く文字通り天の助けで森崎は彼から解放された。

サーサー…ポツポツ…ポツ…ポッ…

フライハイト「ああ…雨が、雨が行ってしまう…またもや雨と別れなければならないのか…」

森崎「…やっとか。こいつ二重人格か?」

シュナイダー「済まんな…雨さえ降らなければマトモなのだが…」

雨が止み、フライハイトが恋人と引き裂かれる様な痛みに満ちた表情で黙り込んだのだ。
今にも地面に手をつき泣き出しそうな彼を放置し森崎とシュナイダーは談話を再開する。

シュナイダー「ともあれ、今回日本に来たのは有意義だった。今の全日本の弱さをハッキリと見れたからな」

森崎「チェッ。お前だってオランダには1−4で負けたんだろ?」

465 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/05(月) 16:18:54 ID:dt3FqNV/
シュナイダー「そうだ。例えミューラーが居たとしても恐らく1−2か2−3で勝敗は変わらなかっただろうな。
中盤を完全に制されて俺は思うようにに攻撃出来ず、むしろ守備に走り回らなければならない程だった。
トップに上がってから壁にぶつかった事は何度もあったが、あれ程屈辱的な負け方をしたのは久しぶりだった…」

話題はやはりオランダユースについてで、己が味わった大敗を振り返るシュナイダーの
横顔は非常に読みづらい物だった。自分は出場していないとは言え全日本も
大敗してしまった以上それを茶化す訳にもいかない森崎は代わりに気になっていた事を聞いた。

森崎「なあ、その右足のケガってのはオランダと戦った時の物か?」

シュナイダー「いや違う。オランダとやった時は絶好のコンディションだった。これはむしろ
オランダに負けた後のオーバーワークが原因でな…まだまだ未熟だと思い知らされた」

森崎「そうか。負けた後のオーバーワークでケガってのは珍しくない事なのかもな」

シュナイダー「お前もツバサに負けた後そうなったのか…フッ、お互いバカをやってしまったな」

若気の至りで体を痛めてしまったと言う共通点を見出した二人は僅かな笑いを分かち合った。
だがそんな和やかな会話は差し迫った現実の前では長続きせず、二人は再び深刻な表情に戻った。

シュナイダー「…だが俺は二度とオランダに遅れを取るつもりはない。ヨーロッパ予選では
ドイツとオランダが同組になる事はまず無いだろうが、ワールドユース本大会できっちりと借りを返すつもりだ」

森崎「そうか…ん?今、西ドイツじゃなくてドイツって言ったな?まさか…」

シュナイダー「ああそうだ。既にFIFAは西と東のドイツの統合チームの参加を許可している。
つまりそこに居るフライハイトやハンブルグに居るポブルセンを始めとした東ドイツのメンバーも加わる」

フライハイト「…ドイツは今年中に再び一つになると言う見方が強い。そして長年の悲願であった
ドイツの統一を記念する栄光に、統一チームによるワールドユース優勝はうってつけのイベントだ」

466 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/05(月) 16:19:09 ID:dt3FqNV/
森崎「何時の間に復活してやがったんだお前。しかもあっさり優勝だなんて言いやがって。
政治的に大変な時期に悪いがよ、この森崎有三が居る限り日本以外の国の優勝は有り得ないぜ」

フライハイト「…出来るのか?今の日本で」

森崎「…出来るからやるんじゃねえ。やるから出来るんだよ。日本人ナメんなよ?」

シュナイダー「お前らしいコメントだ。願わくばその言葉通り強い全日本を復活させてくれ」

森崎「…じゃないと、倒し甲斐が無いってか?」

シュナイダー「その通りだ。今日の全日本には何の魅力も脅威も感じなかった。
俺はもう一度戦いたい。そして勝ちたい。俺を熱くさせてくれる全日本ユースをな…」

森崎「………」

フライハイト「シュナイダー、そろそろ戻ろう。万が一フライトを逃してしまったら面倒になる」

シュナイダー「おっと、そうだな。それではまたしばしの別れだ、モリサキ」

森崎「おう…」

A 「予選でコケんじゃねーぞ?そうなったら大笑いしてやるからな」
B 「今度戦う時は新技の一つでも見せないと承知しないぜ?」
C 「ワールドユースではお前が泣きたくなる程強い日本を見せてやるよ!」
D 「しかしお前クソ真面目だな。少しは軟派にならねーと女も出来ないぞ?」
E 「そういや日本来てどうだった?色々勝手が違っただろう〜」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/4/5 18:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

467 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 00:22:44 ID:0maQR48I
>C 「ワールドユースではお前が泣きたくなる程強い日本を見せてやるよ!」

シュナイダー「…では俺をそれを更に乗り越えよう。真のドイツの力でな」

森崎「ヘッ、俺達と当たる前に敗退したりするんじゃねーぞ」

グッ。

シュナイダー「お互い様だ。では…ワールドユースでまた会おう!」

グッ。

フライハイト「(この二人、口調や信念は異なる様だが…根は酷似しているな)」

最後にライバル達は互いの拳を突き合わせて別れた。再戦を心から望みながら。

森崎はシュナイダーとフライハイトの後姿を視界から消えるまで眺めていた。
初めて出会った世界の壁の象徴と、時代は変わったと言う生き証人。
彼らが去ってからしばらく経って、森崎はふとため息をこぼした。

森崎「ふぅう〜…倒さなきゃいけない奴らが多くて本当に大変だぜ。
まず腰を治さないといけないし、それが終わったらまた練習と訓練の毎日だ。
その間ずーっと根回しやらアメとムチやらに気を配らないといけないんだから
参っちまうぜホント。なんで俺はこんなに苦労してサッカーなんかしているのかねえ…」

独り言を呟きながら見上げる空は綺麗だった。割れた雨雲の隙間から
隠れていた太陽が顔を出し、光の筋が遠くの空に虹をかけていた。

森崎「…ま、決まってるよな。我ながらバカな疑問だったぜ」

468 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 00:23:02 ID:0maQR48I
           虹に背を向けて森崎は歩き出した。これまでとこれからに思いを馳せながら。

                翼との再戦。若林との再戦。シュナイダーとの再戦。

         一つは叶わなかった過去。一つは勝ちとった現在。一つはあるかもしれない未来。

         徐々に彼の運命は加速していく。そして敵味方問わず彼の周りの者達の運命も。

            喪失。敗北。誓約。欲求。希望。策謀。信念。野心。責任。矜持。

         数え切れない思いが交差し、そのいくつかは日本を発ちいくつかは日本に留まった。

              次に互いの道が交わる時まで更なる力と戦いを求める為に。

               それぞれの挑戦が、試練が、躍進がここからまた始まる。

            森崎と全日本ユースはワールドユースと言う未知の領域に進路を定めた。



                  キャプテン森崎 ワールドユース編 第二部

                           ジャパンカップ編

                              完

469 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 00:26:34 ID:0maQR48I
今日はここまで。明日またお会いしましょう。

ジャパンカップ編はこれにて終了、これからアジア予選編が始まります。
アジア予選が始まる前に多少NPCシーンがありますが、
NPC試合は無いのであまり長くはかからない…筈。



今日のキャプ森に関係ない事…は、こういう区切りでは野暮になりそうだし無しにしておきましょう。

470 :創る名無しに見る名無し:2010/04/06(火) 00:58:10 ID:Ov35gPy4
乙でした!

471 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 16:44:02 ID:0maQR48I
皆さんこんにちは。
今日も今日とて続きを書いていますが、NPCシーンは
書き溜めた分を1レスずつに小分けにして出していく方が
読者としては楽しめるのかな?それとも今まで通り
書き溜めた分を一気に投下した方が有難いのかな?と
ふと疑問に思ったのでちょっとしたアンケートをとらせて下さい。
読者としてはどちらの方がより楽しめますか?

472 :創る名無しに見る名無し:2010/04/06(火) 16:59:38 ID:Ov35gPy4
個人的には一気に楽しめる今までどおりのほうが好きです

473 :創る名無しに見る名無し:2010/04/06(火) 17:09:34 ID:w8Zr/txy
今のままでいいと思いますよ。
同じようなことをやったことがありますが、後で訂正が必要になっても投下してしまったら後の祭りですから。
まあ私はめちゃくちゃミスが多かったので参考にはならないかもしれませんが…


474 :創る名無しに見る名無し:2010/04/06(火) 18:40:23 ID:03KdvBIS
小出しよりも一気に、の方が好きですねえ。
判定がないのならある程度まとまった量を読みたい性質なので。

475 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:01:15 ID:0maQR48I
光陰矢のごとし。ジャパンカップが終わってからの森崎はパルメイラスの公認で
日本に留まり専門医の作ったリハビリプログラムをこなす日常に突入した。
周りに置いていかれるのではと言う不安と今はまだ焦ってはいけないと言う理性を
ぶつけあう日々はもどかしさは拒めなかったものの概ね平穏に満ちていた。

だが誰もが彼の様に悠長に構えていられた訳ではない。
日本だけでなく世界のあちこちで、彼と同年代のサッカー選手達が
波乱と苦難に満ちた数ヶ月を過ごしていた。
その内のいくつかにスポットライトを当ててみよう。



〜イタリア某所〜



ジェンティーレ「認めん!!俺は絶対に認めんぞ!!」



ストラット「……………」



ワールドユース欧州予選に向け合宿を始めたイタリアユースは初日からチームが分裂していた。

原因は一人のFWとそれに突き刺さる批判の視線、そしてそれを先導する一人のDFだった。
その渦中にて前者と後者が睨み合いを…否、前者が後者に一方的に睨まれていた。

476 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:02:00 ID:0maQR48I
顔を苦渋、罪悪感、そして恐怖に引きつらせながらも必死に目だけは逸らさないでいるFWはチェザーレ・ストラット。
かつて誤って親友を負傷させ、その八つ当たりでライバル達まで負傷させ、母国イタリアのJrユース代表を
滅茶苦茶にしてしまった罪を背負うストライカーである。彼は今サンパウロFCユースから故郷の
ACミランユースに移籍と言う形で復帰し、更にイタリアユースに代表選手として選ばれていた。

彼に向ける敵意の雨の中でも一際際立つ程激しい視線をぶつけているDFはサルバトーレ・ジェンティーレ。
かつてストラットとライバル関係にあり、そして親友の負傷で荒れるストラットを叱咤激励しようとした結果
彼の八つ当たりで負傷させられ第一回フランス国際Jrユース大会を欠場せざるを得なかったスイーパーである。
ユベントスユースから選ばれイタリアユースの合宿所に直行した彼がストラットを発見した直後爆発したのは当然だった。

ジェンティーレ「良くものうのうとイタリアの土を踏めた者だな貴様!腐れ根性に磨きをかけたか?」

ストラット「……………」

バンビーノ「ジェンティーレ、ストラットを召集したのは監督とサッカー協会だ。彼にはここに居る権利がある」

降り注ぐ罵倒の嵐をただじっと黙って耐えるだけのストラットの代わりにバンビーノが喋りだす。
しかし今のジェンティーレにバンビーノの言葉など大した価値は持たなかった。

ジェンティーレ「人の話を聞け!そんな事は百も承知だ!だが俺は認めん!監督だろうと
サッカー協会だろうとFIFA会長だろうと、例え神が認めようとこの俺はこいつをアズーリとして認めんぞ!」

ランピオン「…俺もジェンティーレと同意見だ。ストラットをこのチームに加える事は災いをもたらすとしか思えん。
俺はストラットとコンビなど組みたくない。事はもうお前だけが奴を許せば済む事じゃないんだ、バンビーノ」

イタリアメンバー「そうだ!ストラットなんかチームに入れられるか!」「皆で協会に抗議しようぜ!ボイコットをちらつかせよう!」

バンビーノ「(…やはりこうなってしまったか。ヘルナンデスもストラットを弁護する気は無い様だし…)」

ヘルナンデス「……………」

477 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:02:52 ID:0maQR48I
更にジェンティーレ同様ストラットに負傷させられたFWダヴィデ・ランピオンもバンビーノに反発し、
それに共感するチームメイト達も誰一人ストラットの弁護に回る事無く過激な意思を振りかざす。
唯一キャプテンのヘルナンデスだけは腕を組んで黙っていたが、彼の視線もまた明確にストラットを責めていた。

この時監督やコーチはまだ来ておらず、このままだとストラットへのリンチが発生していたかも知れない。
しかしそれは意外な方向から阻止され、ストラットへの助けが現れた。



アルシオン「何が問題なのか分からんな。誰か説明してくれないか?」



マルク・アルシオン。15歳になってからイタリア国籍を取り、その後ACミランで果たしたズバ抜けた活躍を
認められイタリアユースに選ばれたMFである。今回選ばれたメンバーの中で唯一既にクラブの一軍に
所属している男であり、マスコミは既にイタリアユースの10番は彼が予約済だと騒ぎ立てている。

バンビーノ「アルシオン?」

アルシオン「俺はJrユースの時はイタリア人じゃなかった。故にストラットが起こした問題も
伝聞でしか知らない。事実誤認をしていないか確認したいのだが、構わないか?」

ジェンティーレ「…良いだろう。どんな風に聞いている?」

アルシオン「俺が知っているのは格下クラブとの試合でホームタウンディシジョンに怒ったストラットが
誤ってバンビーノを重傷にさせ、それが原因でパフォーマンスを酷く落としてしまった事。そして
それを咎めたジェンティーレをランピオンをも巻き込んで負傷させイタリアJrユースから追放された事位だ」

ジェンティーレ「そうだ、それで合っている。何も間違えてはいない」

アルシオン「そうか、合っているのか。ならばますます何が問題なのか分からんな」

ジェンティーレ「なにィ!?」

ストラット「…え?」

478 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:03:23 ID:0maQR48I
なんとアルシオンはストラットの加入が問題ないと言い切った。バンビーノですら殆ど弁護出来ないこの状況で。
全く予想していなかった援軍の登場にストラットは目を丸くし、彼に向けられていた怒りが今度はアルシオンに向かう。

ジェンティーレ「貴様!今まで何を聞いていたんだ、むしろ問題じゃないのは協会が認めている事くらいだぞ!」

アルシオン「確かに協会は認めている。つまり規律面の処罰はもう十分と判断された訳だ。
それなら選手達が頑固に反対し続け協会に楯突くのは新たな問題を不必要に作り出すだけじゃないのか?」

ジェンティーレ「協会はそれで良いかも知れん、だが現場の俺達はどうなる!
選手として最低限の信用すら置けない奴が居てチームとして機能出来るか!」

アルシオン「なるほど、チームとして機能するには信用が必要か。同感だ。それも大した問題では無いだろう」

ジェンティーレ「何故だ!ここでストラットを疑っていない者などお前とバンビーノだけだぞ!」

アルシオン「俺とバンビーノがストラットを信用していればそれで十分だろう。
試合にはもう1人か2人MFが出るだろうが、どうせゲームメイカーは俺だ。
ラストパスを出す俺がストラットを信用していればチームとして機能するだろう?」

イタリアメンバー「なんだと!?」「こいつ、ミランのトップでプレイしているからっていい気になりやがって…!」
「いや、監督の教え子だからだろ」「もうこのチームのゲームメイカーになったつもりでいやがるぜ!」

アルシオン「では、俺よりも上手くゲームメイク出来る自信がある奴は前に出ろ」

イタリアメンバー『うっ………』

アルシオン「どうした?さっきの威勢は何処へ行った?」

ストラット「(こ、こいつ…何処まで巨大な自信を持っているんだ…確かにこいつに勝るゲームメイカーなんて居やしないが)」

バンビーノ「(アルシオンだからこそ許されるセリフだね…流石にここまで言うとは思って居なかったけど)」

479 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:04:14 ID:0maQR48I
ゲームメイカーの俺が問題視していないのだから問題ない。文句があるMFが居ればかかってこい。
アルシオンの主張は庇われている側のストラットとバンビーノですら呆気に取られる程自信に満ちた物だったが、
それを覆そうとする者は居なかった。代わりに横槍を入れたのはランピオンだった。

ランピオン「MFのお前はそれで良いとしても、FWの俺はどうなる?今のストラットの為にポストプレイをしろと
言われても俺は到底息を合わせられそうにない。そんな俺を未熟と切って捨てるつもりか?」

アルシオン「ふむ…確かにそれはお前のせいじゃない。多少問題ではあるな」

ランピオン「多少…多少だと?」

アルシオン「ああ、多少だ。お前のポストプレイはチームの武器になるが、仕方あるまい。
効率は少し落ちるが俺が絶対にカットされないパスを供給し続け、お前はシュートに専念すれば良い」

ランピオン「…お前、本気で言っているのか?」

バンビーノ「あ、アルシオン。今のは俺も流石にどうかと思うぞ…」

ジェンティーレ「…要はストラットの加入によって起きる問題は全部お前が解決すると言っているのか?」

ランピオンはストラットとは組めないと繰り返し、アルシオンはそれを認めた上で大した問題ではないと切り捨てた。
あくまで「俺が構わないのだから問題ない」と主張し続けるアルシオンに対し
ジェンティーレが新たな怒りを燃やすが、それでもアルシオンが怯む事は無かった。

アルシオン「そうだ。ストラットはそこまでする価値のあるストライカーだ」

ストラット「(何故そこまで俺の事を…)」

ジェンティーレ「馬鹿が。例えお前が今吹いたホラを全て実現させてみせても、それでもストラットが加害者で
俺達が被害者である事は変わらん。ストライカーはゲームメイカーにさえ信用してもらえれば
後はどうでも良いなどと言う極論が通るか!こいつは腐ったリンゴだ!一刻も早く除去しなければならないんだ!」

480 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:04:49 ID:0maQR48I
アルシオン「今度は感情論か、それも良いだろう。ならば俺も感情論を使わせてもらおう。
この場で完全な被害者であり何の非も無いと言えるのは俺だけで、他は全員加害者だろう?」

イタリアメンバー「なんだって!?」「貴様、いい加減にしろよ!」「何様のつもりだ!」

アルシオン「事実だ。俺は昔の内紛には全く無関係だ。ただゲームメイカーとして安心して
ラストパスが出せるストライカーが居れば嬉しいだけだ。だがそのストライカーは過去の所業で、
そして他のチームメイト達はそれを責めて俺から頼れるストライカーを奪おうとしている。
この状況に置いて俺は被害者じゃないのか?お前たちは加害者じゃないのか?」

ストラット「(そうか…新参者だからこそ見える物もあるんだな…)」

アルシオン「もう一つ。俺は過去のストラットが加害者である事は否定しない。だが悪いのはストラットだけか?
叱咤激励に失敗しストラットを自棄にさせたと言うジェンティーレ、お前に責任は一切無いのか?
その意図が純粋な善意や正義感に基づいていたとしても、失敗と言う結果は結果だぞ?」

ジェンティーレ「 き、 さ、 ま… !! 何処まで屁理屈をこねれば気が済む!」

バンビーノ「…いや。今の主張には賛成だ」

ランピオン「バンビーノ!?」

バンビーノ「イタリアJrユースを滅茶苦茶にしたのはストラット一人だけのせいじゃない。
三年間かけてそう考えられる様になったからこそ俺はストラットを迎えにブラジルに行ったんだ」

アルシオン「そういう事だランピオン。お前もジェンティーレと同罪だろう」

ランピオン「くっ…!」

アルシオン「何よりも一番悪いのは…一番責任があるのは…」

イタリアメンバー『??』

481 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:05:08 ID:0maQR48I
ここでアルシオンは今まで口を挟まなかったただ一人の男を指差し声高に非難した。



アルシオン「キャプテンのお前じゃないのかジノ・ヘルナンデス!!」



ヘルナンデス「……………」



アルシオン「Jrユースの時もそうやって黙って見て見ぬフリをしていたのか?
自分には関係ない事、自分が干渉してはいけない、自分は無言の圧力をかけるべき…
当時のお前がどんな判断を下したのかは知らんが、結果は見ての通りだ。
お前はまた同じ判断を下すのか?それでこの状況を解決出来るのか?」



ヘルナンデス「…キャプテンとはつくづく割に合わない役目だな」



アルシオン「俺が代わっても良いぞ。その事で俺はお前を責めたりはしない」



ヘルナンデス「いや、遠慮しておく。割に合わなくてもキャプテンをやる理由はあるからな」

482 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:07:07 ID:0maQR48I
いったんここまで。

雑談スレも含め、一気読みの方が良いと言う意見ばかりで
小分けの方が良いと言う意見は皆無なので今まで通りで薦めます。

483 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/07(水) 00:32:26 ID:7WHCqVvl
チーム全体の敵意とアルシオンの意志力が衝突した結果
場には息苦しい程の重い重い沈黙が訪れた。
それを破ったヘルナンデスの声はとても固い物だった。

ヘルナンデス「俺はずっと悩んでいた。何が正しく、何をすべきなのかを」

イタリアメンバー『…………』

ヘルナンデス「行き着く答えは毎回同じ。イタリアユースをワールドユース優勝に導く事。
だがそこに辿りつく為の手段が真っ二つに分かれる。ストラットを呼び戻すか否かでな。
いくら考えてもどうしても分からなかった。だがもう俺に迷う時間は無い様だ」

ストラット「ヘルナンデス…」

ヘルナンデス「現実的な物の見方をすればアルシオンが正しい。だがサッカーは理屈だけじゃない。
チームの為に過去を水に流せ、それがプロ精神だと言う考え方も出来るが…最初にプロ失格の
振る舞いをしたのはストラットなのにそれを見逃すのがプロ精神か?と言う疑問にぶち当たってしまう。
チームメイトに納得の行かないまま試合に挑むのは弱点を放置したまま戦うのと同じ事だ」

アルシオン「では、どうするのだ」

ヘルナンデス「…俺達はジョカトーレだ。百の言葉よりも一のプレイが大事だ。
ストラットに示してもらおう。過去を償えるだけの力があるかどうかを。
お前が世界を制する力があるストライカーならば、再びイタリアを代表する資格がある」

ランピオン「それをどうやって判断するんだ?」

ヘルナンデス「ジェンティーレと俺相手にFKを撃ってもらう。それで良いだろう」

ジェンティーレ「面白いぞ!ストラットがアズーリに相応しくない弱者と
証明してしまえば下らん議論を繰り返す必要も無くなる!」

484 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/07(水) 00:33:07 ID:7WHCqVvl
バンビーノ「待ってくれ!それじゃあ2対1じゃないか!いくらなんでも…」

ヘルナンデス「それも考えてある。勝負は3回だ。その内1回でもゴールすればストラットの勝ちとする。
FKをたった3回防げない様では俺もジェンティーレもまだまだカティナチオを極めていないと言う事だからな」

ジェンティーレ「フッ、3回でも5回でも10回でも構わん!こんな奴にイタリアゴールを割らせるか!」

ストラット「…分かった。その勝負を受けよう」

ヘルナンデスの下した判断は「力を示せ」だった。考え方次第で善悪がどうにでも変わるこの状況では
これ以上議論を尽くすよりもストラットのプレイこそが彼の今までの生き様と未来を切り開く信念を否応が無く表せる。
そして自分とジェンティーレもカティナチオを背負う者達として自分達の全てをぶつければ納得出来る。

無論この勝負に負けたとしてもイタリアサッカー協会に召集された以上ストラットが即時追放される訳ではないが、
チームメイトの誰もが彼を信じなくなったら遅かれ早かれ監督や首脳陣もストラットを構想外とした
チーム育成方針に切り替えなければならなくなる。ストラットは負けたら全てを失うと言っても過言ではない。

こうしてストラットの一世一代の大勝負が始まろうとしていた。かつて自分が壊して脱走し、
今戻ろうとする自分の前に立ちはだかる祖国の鍵をこじ開ける事が出来るかどうか?
一度ルールが決められた後は言葉は要らなかった。ヘルナンデス、ジェンティーレ、ストラットの3人が
フィールドに向かいそれぞれの位置につきその他の選手達がフィールド外からそれを見守る。



一本目。

ダダッ!
グワァアアアアアアアアアッ!!

ヘルナンデス「右だジェンティーレ!」

ジェンティーレ「おう!!」

485 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/07(水) 00:33:25 ID:7WHCqVvl
ストラット「!?」

バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

バッ!ブォン…
バキィイイイイイイイイイン!!

ジェンティーレ「ぐ…ぉ…お…!」

ギュンッ!

ヘルナンデス「必ず止める!」

バッ!
バシィイイイイイイイイイイイッ!!

イタリアメンバー『ぉおおおおおおおおおおお…!!』

バンビーノ「メ、メガロゾーンシュートが…!」

ストラットの一本目のシュートはジェンティーレのジャンピングボレーの形のブロック、
通称反転ブロックによって威力を弱められた後ヘルナンデスの黄金の右腕にキャッチされた。
それだけでも驚異的だが、ストラットをより驚かせたのは自分のシュートコースを完全に読まれていた事だった。

ストラット「(ヘルナンデスの奴…何時の間にあんな洞察力を…)」



二本目。

ダダッ!
グワァアアアアアアアアアッ!!

486 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/07(水) 00:33:54 ID:7WHCqVvl
ヘルナンデス「撃ち返せ正面だ!」

ジェンティーレ「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」

バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

ダダッ!
ブォオオオオオオン!!

ストラット「なんだと!?」

ブワッグワッシャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!

ギュワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

ドガァアアアッ!!

ストラット「ぐわぁああああっ!!」

ドタッ!

バンビーノ「ストラット〜〜〜ッ!!」

アルシオン「(…どうした。その程度じゃないだろう?)」

どうせコースが読まれるのなら最短距離を突き進め、ジェンティーレの体でヘルナンデスの
視界がさえぎられる事も期待出来る正面に撃つ。そのストラットの判断は完全に裏目に出た。
ジェンティーレに撃ち返されたボールは彼を軽々と吹き飛ばしてみせたのだ。

487 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/07(水) 00:34:10 ID:7WHCqVvl
三本目。

ヘルナンデス「後一球だ!絶対に止めるぞジェンティーレ!」

ジェンティーレ「当然だ!俺達の守りは誰にも破らせない!」

ランピオン「(これがストラット無しでも世界を獲ると決意した二人が培った力だ。
ブラジルに逃げた挙句幼馴染と女に懇願されただけで戻ってきた腰抜けが勝てる相手じゃない!)」

ストラット「(強い…これこそが、カティナチオ…!今までの俺では絶対に破れない。
ならば一か八かアレに…この一蹴に俺の全てを賭けるしか無い!!頼む、上手く行ってくれ!)」

ダダッ!

ヘルナンデス「(!?これは…!)」

ジェンティーレ「(なんだこの震えは…この俺が!)」

追い詰められたストラットの最後のチャンスだった。





その後イタリアユースはヨーロッパ予選の第3グループを全勝無敗無分で突破する事になる。
予選通産失点は0。更にエースストライカーのチェザーレ・ストラットは全グループ規模での得点王となり、
また10番のマルク・アルシオンは同じく全グループ規模のアシストランキングの1位に輝いた。
クジ運に恵まれ格下しか相手が居なかったのも事実だが、それを差し引いても怪物チームである事は間違いない。
欧州はおろか来年のワールドユース開催国のブラジルのマスコミでさえそう褒めちぎったと言う。

488 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/07(水) 00:37:17 ID:7WHCqVvl
今日はここまで。また明日お会いしましょう。


ラスボスチームが何処かはワールドユース本大会の抽選が決まれば
おのずと明らかになりますのでそれまではたっぷりご想像下さい。

489 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/08(木) 20:49:51 ID:E6WP7Av8
〜西ドイツ某所〜

そして欧州にもう一つ、波乱の末に文字通り一つに纏まろうとしているユースチームがあった。
ただしイタリアユースと違ってこちらは至極あっさりと決着がついた。



バッグワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

シュナイダー「…HA!!」

ポブルセン「ッギャァアアアアアアアアアアア!!?」

ボグワァアアッ!!
ドサッ!



カルツ「こうして皇帝は不穏分子を直々に鎮圧し帝国の治安を安定させましたとさ。まる」

カペロマン「おーおー良く飛ぶなあ。キック力の比べ合いだとよくある事だが」

メッツァ「あ〜やだやだ。FWもDFもGKもあんな事ばっかりしなきゃいけないなんて、パサーで良かった」

マーガス「お前の態度もどうかと思うぞ」

シェスター「噂通りの馬鹿だな、ポブルセンって。よりにもよってシュナイダーにケンカを売るなんて」

ポブルセンがシュナイダーにキック力勝負で挑みかかりあっさりと返り討ちにされた。
言葉にすれば僅か一行の出来事を遠巻きに眺める選手達はまるで風物詩を眺める様に落ち着いていた。

490 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/08(木) 20:50:18 ID:E6WP7Av8
無論当事者の二人はそうノンビリとしている訳にも行かなかった。
負けたポブルセンは勝負前よりも更に敵意の篭もった視線ををぶつけ、
それに応える様に勝ったシュナイダーも睨み返していた。

シュナイダー「…気は済んだか?と聞きたい所だが、愚問の様だな」

ポブルセン「当たり前だ…てめえは負けたらそれで納得するのか!」

シュナイダー「その反骨精神は評価出来るが、今後はそれを味方ではなく敵にぶつけろ」

ポブルセン「偉そうに命令するんじゃ…」

ギンッ!

シュナイダー「………」

ポブルセン「ぐっ…」

シュナイダー「お前は力以外の言語は理解できないのだろう?だからお前に合わせて
懇切丁寧に説得してやったつもりだが…まだ俺をキャプテンとして認められないか?」

ポブルセン「…けっ。もう良い、好きにしやがれ」

しかし希代のトラブルメーカーのポブルセンも自分から挑んだ勝負で完敗したと言う事実と
時としてマキャベリストとすら評される鬼キャプテンのシュナイダーの眼光には逆らい難く、
やがてポブルセンは悪態をつきながら遠ざかっていった。代わりにフライハイトが近づいてきて彼の苦労を労う。

フライハイト「ご苦労だ。よくやってくれた」

シュナイダー「なに、力で捻じ伏せれば良いだけなら簡単だ。他の東出身者はどうだ?」

フライハイト「他はポブルセンの様な気性の持ち主は居ない。お前の支配体制は万全と言って良いだろう」

シュナイダー「ああ…いや、もう一人居る。不敵な不届き者が」

フライハイト「?」

491 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/08(木) 20:51:23 ID:E6WP7Av8
ざわっ…

フライハイト「!」

シュナイダー「来たな…」

シュナイダーに心を休める暇は無かった。彼にとってはポブルセンより厄介で、
かつより頼りになる男がたった今周りを騒がせながら練習場に入ってきたからだ。

ドスドスドス…

3年前より更に成長し最早足を動かす度に地響きが聞こえてきそうな程の大男。
”鋼鉄の巨人””幻のGK”など多くの異名を持つデューター・ミューラーが
重厚ながら機敏な動きで彼の下にやってきた。

シュナイダー「遅刻ギリギリだ。感心せんな」

ミューラー「間に合ったのだから良いだろう。それともまたオランダに負けるかも知れんと怯えていたのか?」

シュナイダー「自惚れるな。あの試合はお前が居ても恐らく勝てなかった。
世界には強いチームがゴマンと居る。お前を持ってしても零封は望めない様なチームがな」

ミューラー「フン、面白い。お前こそ今度はしっかり点を取れよ」

シュナイダー「言われるまでもない…それと、マリーには手を出すな」

ミューラー「俺はお前の妹になど興味は無いと何度言えば分かる!」

シュナイダー「それなら良い。だがその言葉違えてみせろ、楽には死なせんぞ」

フライハイト「(デューター・ミューラー…初めて見たが、体格以上の威圧感だな。
それにしてもシュナイダーのシスターコンプレックスはなんとかならないのか…
変人が相棒だと苦労する物だ。妹などよりも雨の方が余程素晴らしいのに)」

492 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/08(木) 20:52:22 ID:E6WP7Av8
ピィーーーーーッ!!

ルディ監督「集合!これよりドイツユース合宿を開始する!」

こうしてある程度の不穏さを抱えながらも間近に迫ったドイツ統一を象徴するドイツユースの合宿が始まった。



彼らはその後予選第2グループでイングランドやスペイン等と同組になりクジ運に恵まれないと嘆かれたが、
抽選結果など関係ないと言わんばかりの圧勝試合を繰り返し見事予選を1位突破した。

ちなみに第1グループではオランダユースが前評判通りの強さを発揮しこれまた1位突破。
同組には彼らとトップ争いをすると見られていたスウェーデンユースが居たが、
何故かキャプテンが序盤で参加を辞退した為チームとして力を発揮出来ず2位に収まった。
最後の第4グループの1位はポーランドユースの猛追に苦しめられつつも何とか振り切ったフランスユースだった。



欧州では強豪と言われるチームが順当に勝っていたが、南米では開催国故ブラジルが
予選を免除されていた為事実上アルゼンチンとウルグアイの一騎討ちとなった。
天才ファン・ディアスを擁するアルゼンチンか、強力なツートップを武器とするウルグアイか?
南米予選は全チームの総当りで行われる為、彼らの結果は欧州予選に遅れて出てくる。

サトルステギ「よっしゃあ行くぜ我がライバルよ!遅れを取るなよ!」

ディアス「誰に言ってんだ!キャプテンは俺なんだから仕切るな!(そもそもこいつ誰だっけ?)」

ビクトリーノ「ウルグアイの力を見せてやろうぜ、相棒」

火野「ああ、何時までもブラジルとアルゼンチンだけにデカい顔はさせねえぜ」

493 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/08(木) 20:52:48 ID:E6WP7Av8
いったんここまで。

494 :創る名無しに見る名無し:2010/04/08(木) 23:07:17 ID:5XdfJbca
サトルステギがサトルキスギに見えたでござる
俺疲れてるのかな…

495 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 00:02:44 ID:tE1CVYk1
己が与り知らぬドラマが世界中で起きている間も
森崎はハードだが地道なリハビリをこなすだけの日々を送るだけだった。
ジャパンカップのあった2月から3月、4月、5月、6月…月日が飛ぶ様に過ぎていく。

退屈な日々を紛らわすのに最適だったのは全日本の他のメンバーが
どう過ごしているか調べる事だった。これは骨川が定期的に調べ手紙で知らせてくれた。

森崎「どれどれ…葵と赤井はイタリアに戻った。他は当然日本に居る。皆母校の施設を使わせてもらったり、
社会人リーグや大学リーグに混ぜてもらったりしているのか。その他山篭りなどをしている者も…
山篭りって、格闘家じゃね…いや、若島津や中里あたりはやりそうだな。山森、新田、沢田の3人は
まだ高校で戦ってる…と。もうあいつらは他の連中とはレベルがかけ離れ過ぎてて勝負にならなさそうだな」



そして7月。森崎は遂に医師から腰が完治し、更に将来的な
ダメージを予防できる筋肉・骨格強化が完成したと太鼓判を貰った。

森崎「よっしゃあ!トレーニングと外出の許可が降りたぜ!
あ〜、退屈だった。さて、アジア予選が始まる10月まで後3ヶ月。
チームメイトに会いに行って根回しをしとくか、それとも自分の訓練に使うか…
悩み所だな。とりあえず今月はどうしようか?」

496 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 00:03:42 ID:tE1CVYk1
現時点の各能力値の成長し易さは以下の通りです。

上がり易い:パス(65)・シュート(65)・タックル(66)・パスカット(64)・ブロック(64)
やや上がり易い:ドリブル(69)
やや上がり難い:せりあい(73)・セーブ力(73)

ドリブルフラグポイント:3/10(10を満たせば新必殺ドリブルを覚えます)

*成長判定をカードからダイスに変えました。同じ表現でも一部の成長率が上下しています。


初音「どーもー、作者の代理です。今回は7月、8月、9月で合わせて3回行動チャンスがあります。
誰かに会いに行く場合は後で全日本ユースメンバーの誰か1名を指定してもらいます。
頑張って育てて運がとても良ければ高杉くんだって世界一のDFになれる!…キッカケ位はつかめるかもね。
勿論そんなのは効率は悪いけど…無論、誰にも会わずに自分の強化に費やすのも一つの手です。
アジア予選の最中にもこう言った機会はあるから、あまり悩まずに決めてくださいね」


A 一人で自分の基礎能力を上げる。
B 誰かに会いに行き(指定はこの後)、スキル・必殺技開発を手伝って貰う。
C 誰かに会いに行き(指定はこの後)、互いの能力アップ(もしくはスキル・必殺技開発)に励む。
D 誰かに会いに行き(指定はこの後)、相手の能力アップ(もしくはスキル・必殺技開発)を手伝う。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/4/9 00:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

497 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 00:38:11 ID:tE1CVYk1
>B 誰かに会いに行き、スキル・必殺技開発を手伝って貰う。

森崎「コツコツ自分一人で頑張るのも良いが、それにも限界がある。
ここは誰かの力を借りるとするか。問題は誰に頼むかだが…」

全日本ユースのメンバーで助力を仰ぎたい選手の名前を一人書いて下さい。
翼・若林・葵・赤井は日本に居ないので頼めません。
相手によっては断られる事もあります。
具体的に何を頼むかはまた後で選択します。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/4/9 00:50:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

498 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 00:39:47 ID:tE1CVYk1
今日はここまで。また明日お会いしましょう。



今日のキャプ森に関係ない事。
日本代表何やっとんねーん!ヒデが泣くぞぉ!

499 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 15:16:33 ID:tE1CVYk1
>三杉

森崎「よし、ここは三杉だな。本人も先生ヅラをするのが好きな奴だし、
なによりジャパンカップ前の合宿で契約した分の利益を回収しないと」

森崎は東京の三杉のツテを頼った。

三杉は大学リーグと社会人リーグのどちらにも参加せず母校の運動施設を
使って計画的な筋トレに励んでいた。勿論傍らにはサポート役の弥生も居る。
森崎が訪ねると彼は友好的に話しかけてきた。

三杉「やあ久しぶりだね。もう退院出来たのかい?」

森崎「退院はしてないが、外出許可が出たんだよ。
まだ10月の全日本合宿召集までは施設でトレーニングだ。
ただいかんせんマトモな腕の持ち主とボールを蹴りあえる機会がないんでな」

三杉「へえ、じゃあ今日は鬱憤を晴らしに来たと言う事かい?」

森崎「そういう事だ。と言う訳で俺の特訓に協力しろ。同盟なんだろ?」

三杉「特訓ね…まあ良いだろう、今度は僕が君に力を貸そう。何を特訓したいんだい?」

覚えやすい:ドリブル技、一対一用技、飛び出し技、クリア技
普通:パス技、ダイレクトシュート技、タックル技、パスカット技
覚えにくい:地上シュート技、ブロック技、セービング技

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/4/9 15:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

500 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 16:31:38 ID:tE1CVYk1
>I 一対一用技

森崎「俺が練習したいのは一対一だ」

森崎が希望を述べると三杉はやや意外そうな顔をした。

三杉「一対一?既に君はその分野でも世界最高レベルに達していると思うけど…」

森崎「だが、カルツには抜かれた事がある。あの時枠外になっていたら
ハンブルガーSV戦は逆の結果になっていたかも知れん。穴は残しておきたくないんだよ」

三杉「その気持ちも分かるが、カルツも一対一に関しては世界最高レベルだろうから
彼相手でも楽勝と言うのはかなり難しいと思うけどね…まあ良いさ、やるだけやってみよう」

こうして三杉のコーチの下森崎の一対一特訓が始まった。
-----------------------------------------------------------------------------
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★森崎の努力→!dice★
★三杉のコーチング→!dice★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

両者のダイスの和の分だけポイントが溜まります。5ポイントでフラグ、10ポイントで新技・スキル入手です。

501 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 16:32:52 ID:tE1CVYk1
訂正:

×枠外になっていたら
○枠外になっていなかったら

502 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 17:53:45 ID:tE1CVYk1
★森崎の努力→ 1 ★
★三杉のコーチング→ 4 ★

一対一用技ポイントを5獲得!フラグが立ちました!
-----------------------------------------------------------------------------
二人の練習は最初は順調に進んだ。

ダダッ!

バシッ!

三杉がレベルの高いドリブルとシュートで二択を迫り、森崎がそれを押さえる。
それは傍目からは問題無く進んでいる様に見え、実際に問題は無かった。
だが逆に言えば問題が無いだけだった。

三杉「う〜ん…」

森崎「なんだ?まだヘバッた訳じゃないだろう?」

三杉「そうじゃないよ。気になる事があるんだ。森崎、今の君は
どんな風に一対一を鍛えたいか明確なビジョンが無いんじゃないかい?」

森崎「む?………まあ、派手な新技を作るって訳にもいかないからな、一対一は。
状況の性質上単純な基礎の繰り返しと精神力養成に限られるのは仕方ないぞ?」

三杉「一対一の技術の完成度をより高めると言う方向に持っていくならそれで合っているね。
ただそうなると…やはり今日中に劇的なキッカケを掴むと言うのは無理だと思うよ」

森崎「そこまで焦る必要は無いから大丈夫だ。ほら、もう一本来い!」

この日の特訓の結果は最終的には森崎の勘を磨き直す程度に終わった。

503 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 17:54:33 ID:tE1CVYk1
翌月の8月。世間の学生はもう夏休みだが中卒でプロサッカー選手となった森崎にはあまり関係ない事である。

森崎「さて、今月はどう過ごすかなっと」

現時点の各能力値の成長し易さは以下の通りです。

上がり易い:パス(65)・シュート(65)・タックル(66)・パスカット(64)・ブロック(64)
やや上がり易い:ドリブル(69)
やや上がり難い:せりあい(73)・セーブ力(73)

ドリブルフラグポイント:3/10(10を満たせば新技・スキルを覚えます)
一対一フラグポイント:5/10(10を満たせば新技・スキルを覚えます)

A 一人で自分の基礎能力を上げる。
B 誰かに会いに行き(指定はこの後)、スキル・必殺技開発を手伝って貰う。
C 誰かに会いに行き(指定はこの後)、互いの能力アップ(もしくはスキル・必殺技開発)に励む。
D 誰かに会いに行き(指定はこの後)、相手の能力アップ(もしくはスキル・必殺技開発)を手伝う。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/4/9 18:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

504 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 19:06:44 ID:tE1CVYk1
>B 誰かに会いに行き(指定はこの後)、スキル・必殺技開発を手伝って貰う。

森崎「今月も誰かの力を借りよう。問題は誰に頼むかだが…」

全日本ユースのメンバーで助力を仰ぎたい選手の名前を一人書いて下さい。
翼・若林・葵・赤井は日本に居ないので頼めません。
相手によっては断られる事もあります。
具体的に何を頼むかはまた後で選択します。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/4/9 18:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

505 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 19:11:22 ID:tE1CVYk1
あ、時間指定を変更し忘れていた…
☆2010/4/9 20:00:00☆からでお願いします。

506 :創る名無しに見る名無し:2010/04/09(金) 20:12:01 ID:7ndcpCyZ
フラグが立ったら具体的にどうなるんだろ?
試合中に解消できるようになるのかな?

507 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 20:34:30 ID:tE1CVYk1
>中里

森崎「…あのトンデモ屋敷に行くのは気が進まんが…中里にでも会いに行ってみるか」

森崎は恐る恐る南葛市の中里家に向かった。
出迎えてくれたのは理不尽にも以前より若く見える真弓で、
しばらくからかわれた後地下の訓練場に案内された。

中里は父の指導の下忍術修行をこなしていた。それだけなら彼には珍しくない事だが、
重りに加えて常にサッカーボールを扱いながらやっているので危険そうな事この上無い。

森崎「(サッカー選手としては何か間違っている気がするが、こいつはスポーツ忍者だしな…)」

中里「森崎、よくぞ参られた…なにか拙者の顔についているでゴザルか?」

森崎「主に切り傷とかアザとかな。それはともかく、今日は俺の特訓に付き合って欲しい。嫌とは言うまいな?」

中里「承った。して森崎、今宵時はありきか?新しくみつけた”ベストポジション”の視察をしたいでゴザル」

森崎「へっへっへ、そりゃいいな。だが命の洗濯の前に特訓だ。具体的には…」

覚えやすい:ドリブル技、クリア技
普通:パスカット技、ブロック技、一対一技、飛び出し技
覚えにくい:タックル技
覚えられない:パス技、地上シュート技、ダイレクトシュート技、セービング技

A ドリブル技
B タックル技
C パスカット技
D ブロック技
E クリア技
F 一対一用技
G 飛び出し技

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/4/9 21:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

508 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 20:36:50 ID:tE1CVYk1
>>506
森崎の場合、試合中の行動判定では覚醒しません。
ただ、イベントの時にフラグが消化される事があります
(本来はフラグが立つだけのイベントで一気に技を覚えたりなど)。

509 :創る名無しに見る名無し:2010/04/09(金) 20:42:29 ID:7ndcpCyZ
>>508
thx
イベントで意味があるんですね

510 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 21:30:18 ID:tE1CVYk1
>A ドリブル技

森崎「ドリブルだ。お前得意だろ?」

中里「至極。しかし拙者の分身ドリブルは森崎には無理と見受ける。
加速力はともかく、最高速度や体重移動の速さが足りぬでござろう?」

森崎「自分で別の技を閃くから構わん。人マネは俺の趣味じゃないしな」

中里「了。ではこれを」

中里はドリブル特訓を申し出た森崎に長い鉢巻とつるつる滑るボールを渡した。

森崎「お、これはあれか。鉢巻が地面につかない様に走れって奴だな。
んでこのボールは…つるつるで扱い難いな。油が塗ってあるのか?」

中里「然様。ちなみに鉢巻にも油が染み込ませてあるでゴザル」

森崎「え、鉢巻にまで?なんでだ?」

中里「練習コースはあちらナリ」

中里が指差した先は地面に溝を掘る事でクネクネ曲がる迷路の様なコースを作り上げた一見何でもない運動場だった。

ヒュボッ!
ボボボボボボボボッ!!

511 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 21:30:36 ID:tE1CVYk1
森崎「…はい?」

溝から炎の柱が勢い良く吹き上がり、炎の壁を作るまでは。

中里「ゴールに辿りつかないとこの部屋から出られない。実に恐ろしい訓練法でゴザル」

森崎「ちょっと待てェエエエエエエエエエエ!!!?」
-----------------------------------------------------------------------------
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★森崎ただいま修行中→!dice★
★中の里忍法帖→!dice★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

両者のダイスの和の分だけポイントが溜まります。5ポイントでフラグ、10ポイントで新技・スキル入手です。

512 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 22:37:37 ID:tE1CVYk1
★森崎ただいま修行中→ 3 ★
★中の里忍法帖→ 6 ★

ドリブル技ポイントを9ポイント獲得し、今までの累計3ポイントと合わせ10ポイントを超えました!
-----------------------------------------------------------------------------
中里「ちなみにボールを失ったらゴール地点で父上に追い返されるでゴザル。ではご武運を!」

シュタタタタタ!

森崎「あっ、こら!」

中里は森崎の狼狽ぶりも想定済だったのかスタコラサッサと迷路の中に駆け込んでいった。
その後姿を見ている内に森崎は頭の回転が急加速するのを感じた。

森崎「(こりゃ愚痴ってる場合じゃねえ。こんなに暑い所に居たら汗がいくらでも出る。
つまり体力がどんどん減っていくって事だ…一回のミスで全てが終わる状況でタイムリミット…)」

ダダッ!

森崎「(なんてプレッシャーだ。だが幸い溝と溝の間の幅は狭くない。こんなにスペースがあれば
素早く正確にドリブルする事なんて簡単だ…つまり、あの親父さんなら絶対何か罠を仕掛けてある筈!)」

森崎はドリブルをしながら注意力、観察力、集中力の3つを維持していた。
周りは敵だらけで、一つミスをすればそこで終わり。ゴールは遠く、どうやって行けば良いのか分からない。
この困難で危険な状況が彼のちょくちょくフザけたがるが根は合理的な頭脳をフル回転させた。

森崎「(やっぱり!地面のあちこちにさりげなく傾斜が作ってある!しかもところどころに
落とし穴っぽい場所まで!天井は…何か落ちてくるのは今の所なさそうだが…)」

513 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 22:37:52 ID:tE1CVYk1
森崎は考えた。動きながら考えまくった。炎の揺らぎ方から空気の流れを読み、出口の方向を
推測しながら常に周囲に気を配り、自分の体力の残量を計りながら慎重に正確にドリブルし続ける。

そんな神経を削られる様な戦いが15分くらい続いただろうか。
森崎にとっては物凄く長い15分だったが、ふと視界が開けると炎の壁が無くなり
目の前に中里の父、母、そして何故か頭にタンコブを作っている中里が立っていた。

中里父「おお、凄いな。無傷じゃないか!」

真弓「すごーい♪さ、さ、ごほうびあげるからこっちへいらっしゃいな」

喜色満面で彼を褒め称える中里夫妻をチラッと眺めた後、森崎は無表情で上を向き…大きくため息をついた。

森崎「ゴール直前の最後の罠が金ダライってのはどうなんですか、親父さん」

中里父「ああいや、油断すると屈辱的な目に会うぞと言う教訓を与える為にだね…」

真弓「凄い凄い!正人でさえ引っかかったのに!」

中里「ぬおお…な、なんたる辱め!」

森崎「(はああ…やれやれ。確かにものすっごく頭の回転が増した気はするが、
こんな特訓は流石にもうゴメンだぜ。やっぱりこの家に来るとロクな事がねえ)」

514 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 22:38:06 ID:tE1CVYk1
真弓「ね、ね、中の里に入門しない?森崎くんなら良い忍者に…」

森崎「お断りします!お断りします!お断りします!」

真弓「え〜、そんなァ。房中術の訓練とかもあるのよ?楽しいわよ〜?」

森崎「………お断りします」

中里「は、母上!ご自重下され!」

真弓「ぶ〜…森崎くんに負けたバツとして今日は覗き抜きよ正人!」

中里「な、なんとぉーっ!?」

森崎「(どうなってやがんだ中里家の教育方針は!)」



*森崎が「頭脳的なドリブル(1/4でドリブル力+3)」を習得しました!

515 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 22:44:02 ID:tE1CVYk1
そして8月もあっと言う間に終わり、9月がやってきた。

森崎「へっへっへ、今頃夏休みの宿題が終わらなかったガキどもが日本中で怒られてるんだろうな。
こういう時はつくづく高校なんかに行かなくてよかったと感じるぜ。高校と言えば、
インターハイは南葛が圧勝したって骨川が言ってたな。ま、当然過ぎるか。
さて、いよいよアジア予選も目前に迫ってきた訳だが…今月はどうしたもんかな?」

上がり易い:パス(65)・シュート(65)・タックル(66)・パスカット(64)・ブロック(64)
やや上がり易い:ドリブル(69)
やや上がり難い:せりあい(73)・セーブ力(73)

一対一フラグポイント:5/10(10を満たせば新技・スキルを覚えます)

A 一人で自分の基礎能力を上げる。
B 誰かに会いに行き(指定はこの後)、スキル・必殺技開発を手伝って貰う。
C 誰かに会いに行き(指定はこの後)、互いの能力アップ(もしくはスキル・必殺技開発)に励む。
D 誰かに会いに行き(指定はこの後)、相手の能力アップ(もしくはスキル・必殺技開発)を手伝う。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/4/9 23:15:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

516 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/09(金) 23:38:30 ID:tE1CVYk1
眠くなってきてしまいました…今夜はここまで。
また明日お会いしましょう。

517 :創る名無しに見る名無し:2010/04/09(金) 23:40:09 ID:+sGQeUh3
頭脳的(悪知恵)乙でしたー!

518 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 08:07:16 ID:4u165oi3
>A 一人で自分の基礎能力を上げる。

森崎「今月は誰にも頼らず一人で地道な基礎練に費やすか。何を鍛えるか…」

A 攻撃能力を鍛える(ドリブル・パス・シュートの3つまとめて)
B 守備能力を鍛える(タックル・パスカット・ブロックの3つまとめて)
C GK能力を鍛える(せりあい・セーブ力の2つまとめて)
D ええい、全部やってやる!(運試し。8つまとめて鍛えられますが各自成長率は上がりにくくなります。
       上がりやすい能力はそれでも上がりやすいですが上がり難い能力は殆ど上がらなくなります)

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/4/10 8:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

519 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 09:52:02 ID:4u165oi3
>A 攻撃能力を鍛える(ドリブル・パス・シュートの3つまとめて)

森崎「新ドリブル技を身につけたし、攻撃練習をするか!オーバーラップしたいし」

森崎は9月を一人で出来る攻撃練習に費やした。
-----------------------------------------------------------------------------
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★森崎のドリブル練習→(!dice + !dice)=★
★森崎のパス練習→(!dice + !dice)=★
★森崎のシュート練習→(!dice + !dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。


ドリブル→7以上で+2、6以下で+1
パス→10以上で+3、9〜5で+2、4以下で+1
シュート→10以上で+3、9〜5で+2、4以下で+1

520 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 15:11:39 ID:4u165oi3
★森崎のドリブル練習→( 2 + 6 )=★
★森崎のパス練習→( 2 + 5 )=★
★森崎のシュート練習→( 4 + 3 )=★

ドリブル+2!パス+2!シュート+2!
-----------------------------------------------------------------------------
森崎「よぉーし!まあまあだ。体のキレが戻ってきた実感があるぜ」

森崎は順調な攻撃練習で9月を終えた。

ドリブル:69→71
パス:65→67
シュート:65→67



森崎がリハビリと練習に励んでいた頃、他の全日本ユースの候補者達も
当然怠けていた訳が無く日本各地(とイタリア)で厳しい鍛錬に励んでいた…



〜山森、新田〜

ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

放送「試合終了〜〜〜!!結果はごらんの通り、3−1で南葛高校が国見学院を
見事に撃破!今年度のインターハイは完全に南葛高校の独壇場でした!
その原動力となったのは二人の若き日本代表山森正吾くんと新田瞬くん!
これが世界と戦う者達の力だと言わんばかりの飛びぬけた実力で大会を通じて
ほぼ無敵と言って良い戦績を積み上げました!南葛高校、二年連続のインターハイ優勝です!」

521 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 15:11:58 ID:4u165oi3
ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

観客「良いぞ良いぞ南葛!」「これで南葛のインターハイV2だ!」「南葛最強伝説再びだ!」
「流石山森と新田だ!」「その調子でワールドユースでも活躍してくれよーっ!」

その年のインターハイは南葛高校が圧倒的な力を持って制した。
この年代で山森と新田の力はズバ抜けており、更に日本の高校レベルでは
南葛高校は精鋭揃いと言えるので沢田と佐野率いる東邦と国見すら太刀打ちできなかった。
他の代表クラスの選手が居ない学校では最早相手にすらならない。

山森「………」

新田「………」

だが山森と新田の表情は固かった。ともすれば実況や観客の拍手の嵐が
不快感を呼び起こしそうな程彼らは分かっていた。この程度の力では足りない事を。

佐野「しけたツラだな?優勝した癖に…必死になってここまで来て、結局負けた俺はなんなんだよ?」

山森「佐野…すまな…いや、あえて謝らないでおく」

新田「国内の大会なんてもうちゃんちゃらおかしいって分かっちまったからな」

佐野「チェッ、新田はともかく山森は言う様になったなァ。ま、いいや。俺の分も戦って来いよ。世界でな」

山森「…ああ!」

日本一。かつてはとても高い山に見えた地位が今ではただの散歩程度にしか感じない。
例えるなら富士山とエベレストの違いだろうか?山森と新田の見る世界はとても広く厳しくなっていた。



*山森が「スキル・タックル+2」を習得しました。
*新田が「高速ドリブル」を習得しました。
*山森と新田の全能力値が+2されました。

522 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 15:12:50 ID:4u165oi3
いったんここまで。
ここからしばらく全日本メンバーのパワーアップシーンが続きます。

523 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 17:47:25 ID:4u165oi3
〜岬、松山〜

岬と松山は日本サッカー協会のツテを頼り、社会人リーグのチームに一時的なメンバーとして加わっていた。
二人は入団後即エース扱いされ、生活出来る程度の金も貰えていたので
客観的に見れば居心地の良い環境に居たと言えるかも知れないが、当人達は満足からは程遠かった。

ピィーーーーーーーッ!

コーチ「よーし、今日の練習はこれまでだ!…居残りは自由だが、体を痛めるなよ!」

選手達「ふぃ〜〜〜、終わった〜〜〜」「早くシャワー浴びてビールで一杯と行こうぜ」

まだまだ残暑に苦しめられる中の練習が終わると選手達は我先にクールダウンに向かう。
しかし一人だけ全く休む様子を見せず汗だくのまま練習を続ける選手がいた。

松山「ハァ、ハァ…」

松山である。

選手達「アイツ、今日もかよ…」「お陰で最近監督の目が痛いのなんのって」「クソ真面目だねえ、全く」

愚直なハードワークを繰り返す松山に対する社会人選手達の視線はあまり暖かくなかった。
半ば以上生活の為に社会人リーグでプレイしている彼らにとって世界観を変えてしまう程
強力なスーパールーキーの存在は厄介な物である。無論それが褒められた態度で無い事は
彼らも分かっているが、現実と感情を道徳で簡単に制御出来たら苦労はしない。

岬「松山は口癖があるんですよ。俺は天才じゃない、頭も良くない、だからひたすら努力するしかないって」

だがこういう感情に取り入る事を得意とする者も居る。言うまでもなく岬は大得意だ。

選手達「若いねェ。必要以上の努力はむしろ有害だぜ?」「と言うか、あいつが天才じゃないんなら俺たちって何なんだ?」

岬「不器用なんですよ。それが彼の良い所でもあり、悪い所でもあるんです」

524 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 17:48:28 ID:4u165oi3
松山は社会人チームに入った時、高校サッカーと大してレベルが違わないと言う事実に驚愕した。
更にそれが発覚しても特に焦ろうとはしない先輩達の姿がふらの高校での苦境を思い出させ、
早々と衝突を起こしてしまったのである。高校を出たばかりの青二才に負けて悔しくないのかと。

ここで得をしたのは岬だった。岬も松山同様張り合いの無い先輩達に落胆していたが
それを表現するのは松山に任せ、自らは仲介人としてチーム内の発言力を高めつつ
松山と共に力を蓄えていったのである。”松山と違って話の分かる奴”と言う立ち位置を利用し
施設の使用権利と練習相手を上手く確保していった。無論松山にその恩恵を分ける事も忘れていない。

岬「それじゃ、僕も行ってきます」

選手達「おう、ケガしない内に止めさせてこいよ」「お前も大変だな。後で食堂に来いよ、奢ってやるから」

岬「はい、どうも!(引退後の美談作りも楽じゃないなあ。こういう先行投資が後々生きてくるんだけど)」

タタタタ…

松山「ハー、ハー、来たか岬…今日は俺に向かってシュートを撃ってくれ…ヒグマブロックがもう少しで完成しそうなんだ…」

岬「うん、良いけど少し休憩しよう?ペース配分も大事だよ(毎回このネーミングセンスは笑わないのに苦労するなあ)」

松山「ハー、ハー、そうだな、分かった…水筒取ってくる…」

こうして二人はそれぞれのやり方で力を取り戻していった。



*岬が「ブーメランパス」を習得しました。
*松山が「ヒグマブロック」を習得しました。
*岬と松山の全能力値が+3されました。

525 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 17:48:58 ID:4u165oi3
いったんここまで。

526 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 18:18:15 ID:4u165oi3
〜次藤〜

社会人リーグで腕を磨いていたのは岬と松山だけではない。

次藤「ふりゃあ!まっとじゃ、まっとごついシュートを撃って来るタイ!」

選手達「クソッ、良い気になりやがって!」「今日こそブッ倒してやる!」

バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!
ボコッ!ドカッ!バゴッ!バガッ!

次藤「ぬぉおおおおおおおおおおお!!」

松山よりも上手い形で先輩達にケンカを売り、
シュートで自分を倒してみせろと挑発しブロック練習に利用した次藤。



選手達「そうだ!そのタイミングだ早田!」「だがもっと早く戦況を判断しろ、もっと周りを見るんだ!」

早田「ウイッス!」

あえてMFとしての起用を志願し、ゲームメイクを学んだ早田。

この2人はそれぞれの新しい力に目覚めていた。

*次藤が「ヘビーブロック」を習得しました。
*早田が「スキル・パス+2」を習得しました。
*次藤と早田の全能力値が+2されました。

527 :創る名無しに見る名無し:2010/04/10(土) 18:23:10 ID:Ye4cQBSO
ただ…敵のスキル・シュート+2も普通にあるな

528 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 18:48:25 ID:4u165oi3
〜中山〜

中山「よろしくお願いします!」

選手達「お前が噂の中山政男か!」「話は聞いている、いっちょ揉んでやるぜ!」

そして最も劇的な成長を遂げていたのは中山だった。中山はサッカー協会の支援の下に
社会人チーム、大学チーム、果ては引退した元選手にまで次々と道場破りの様な形で挑みかかり、
彼を唸らせる技術を一つでも持っている者が居れば土下座してでも教えを勝ち取った。

何故昔の力を取り戻せない?昔の俺だったらもっと上手く出来た筈だ。

オランダ戦以前の中山はそう考えていた。そしてオランダ戦以後はこう考える様になった。

もっと強くなりたい。もっと多くの力が欲しい。その為にはどうすればいいか?

人は内面の意識が変わっただけで努力の効率や上限が一気に上がる事がある。
中山政男は文字通り後ろ向きから前向きになった事で世界を驚かすプレイヤーに変貌しつつあった。

中山「(もっとだ…もっと俺のサッカーは強くなれる!もっと強い奴と戦いたい!)」



*中山が「消えるフェイント」「ピンポイントパス」「バーニングタックル」「ダイビングブロック」を習得し、
更に「クイックダッシュカット」の発動率を上げました。
*中山の全能力値が+3されました。

529 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 18:48:53 ID:4u165oi3
いったんここまで。

530 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 19:17:34 ID:4u165oi3
〜政夫、和夫〜

そしてその他の選手達も独自のやり方で己を鍛えなおしていた。

政夫「長かった山篭りも終わりだ!」

和夫「いよいよ全日本に戻る時だな!」

立花兄弟はなんと山篭りを決行していた。しばしば猿と言われて侮辱されるこの二人だが、
誘惑の無い環境に身を起き野生の力を手に入れようとした事を考えるとあながち間違いではないかも知れない。



〜来生、滝、井沢〜

来生「ハッハァ!これが俺様の新必殺・ローリングヘッ…どむごごごごご!!」

滝「前に一回転してから地面を顔面で滑るとは…」

井沢「あいつ、バカになればなるほど強くなるとかじゃないよな?」

修哲トリオは岬ほどのネームバリューは無かった為社会人リーグではなく大学リーグで切磋琢磨していた。


*立花兄弟が「山猿キープ」「ムササビジャンプパス」「デルタポストプレイ」「スカイラブパス」を習得しました。
*来生が「ローリングヘッド」、滝が「スキルステップ」、井沢が「修哲トリオ」を習得し、
更に「クリップジャンプ」の発動率を上げました。
*立花兄弟、来生、滝、井沢の全能力値が+2されました。

531 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/10(土) 19:18:26 ID:4u165oi3
ちょくちょく小出しにしてきましたが、
今夜はこれから外食なのでここまで。
またお会いしましょう。

532 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/11(日) 06:40:04 ID:cyJJtQ7+
〜若島津〜

風変わりな特訓に励んだ者が少なくない全日本ユース候補者の中でも若島津健は
オランダ戦の直後に一際際立つ程大胆な、そして褒められた物では無い手段に出ていた。

ドタッ!

若堂流師範「そ、そこまで!」

若島津「……………」

なんと彼は自分の父と兄が経営する空手道場若堂流に道場破りを挑んでいた。
サッカーに現を抜かし空手をおろそかにしていた次男が日本代表になったは良いが
上手くいかないので自棄を起こして戻ってきた…道場内の誰もがそう思い真剣に取り合おうとせず、
言葉で分からないのなら拳で分からせようと門下生達が彼に襲い掛かった。

だが若島津は勝ち続けた。門下生達を蹴散らし、師である父を乗り越え、
更にその父に勝ち免許皆伝された実の兄ですら死闘の末に倒してしまった。

若堂流師範「見事だ…お前の勝ちだ。看板を持っていくが良い…」

若堂流師範はこれを痛みと共に喜んだ。どうせ負けるのなら自分の道を継いでくれる者に負けたい。
この願いを空手を捨てたと思っていた次男が修羅となり果たしてくれたのだ。
かつて彼は若島津が兄とは別の道場の主となり兄弟で競い合って欲しいと願っていた。
叶わないと諦めていた願いが叶うのなら看板を一時的に奪われるのもやぶさかではない。

しかし若島津は父の万感の思いを込めた視線を受け止めようとせず、
冷え切った笑みを浮かべながら何やら汚れた布を荷物から取り出し看板に巻きつけた。

若堂流師範「健…?どうした?」

若島津「……………」

533 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/11(日) 06:40:28 ID:cyJJtQ7+
若島津は父と兄に勝った事を喜んでいなかった。その理由は二つ。
一つはこの勝利はヒューガーに強化された体の恩恵である事を分かっており、
純粋に空手の腕で勝った訳ではない事を理解していた事。

ボヒュッ!

若堂流師範「な…何をする貴様ーーーっ!!」

バチバチバチ…メラメラメラ…

門下生達「か、看板が!」「な、なんと言う事を…」

そしてもう一つは、最早彼には空手はサッカーに応用出来る道具以上の存在ではなかった事。
それを証明するかの様に彼は懐から取り出したマッチで看板を油に浸した布ごと焼いてしまった。

若島津「…すまないな、父さん、兄さん。俺が外道の力を手に入れるキッカケになってくれ」

若堂流師範「き、貴様ァアア!!ええい、去れ、去れィこの鬼畜めが!誰か塩を持ってこい!」

塩を撒かれながら立ち去る若島津の気分は晴れやかだった。後悔など欠片も感じていなかった。
これでもう彼はサッカーで挫折しても戻れる空手も道場も無くなった。それこそが彼の望んでいた事だった。

若島津「(日向さん、今貴方は何処で何をしているんだ?俺も手段を選ばず
力を追い求める覚悟が出来たぜ。もう森崎と若林にはキーパーとしては絶対勝てない。
だったらフィールダーとして勝てば良い…ただそれだけの事だ。さて、吉良監督に会いに行くか)」

この後若島津は吉良の教えの下にDFへのコンバートに励んだ。弱い自分はもう沢山だと念じ続けながら。



*若島津が「払い蹴りタックル」を習得しました。
*若島津の全能力値が+2されました。

534 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/11(日) 06:41:21 ID:cyJJtQ7+
いったんここまで。
そろそろパワーアップパートもおしまいです。

535 :創る名無しに見る名無し:2010/04/11(日) 07:57:02 ID:YWDZz3ZQ
乙です
空手は泣くまで殴られるのをやめてもらえないコースかw

536 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/11(日) 09:25:33 ID:cyJJtQ7+
〜三杉〜

三杉「うん、良い体だ。礼を言うよ弥生。この数ヶ月良く手伝ってくれた」

弥生「わ、わたしは…ご主人様が満足なさればそれで…」

三杉「フフフ、良い子にはご褒美をあげるよ…」

弥生「ひゃっ!」

三杉は体重が増えない様に注意しつつ筋肉を蓄えた。今度こそ思う存分戦う為に。



〜葵、赤井〜

葵「よーっし、直角フェイント完成だァ!」

赤井「やっとかよ。時間かかりすぎじゃないか?」

イタリアに戻った葵と赤井は頻繁に合同練習を行い、お互いを高めあっていた。日本人と言うハンデを乗り越え
トップチームへの昇格を夢見る二人にはワールドユースで活躍したと言う金看板が必要なのだ。



*三杉のマイナススキル「スキル・フィジカル不足」が消去されました。
*葵が「直角フェイント」を習得しました。
*三杉、葵、赤井の全能力値が+1されました。

537 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/11(日) 09:26:02 ID:cyJJtQ7+
〜反町、沢田、中里、石崎、高杉〜

言うまでもなく、その他の選手達も努力に努力を積み重ねていた。



反町「(アジアですら通用しなかったら世界なんて夢のまた夢だ!)」

沢田「(日向さん何処行っちゃったんだろう…)」



中里「ぬわぁあああああああ!!父上、お許しをぉおおおお!!」



石崎「(最近翼から全然手紙が返ってこないな…プロになって大変なのかな…)」

高杉「(若林さんが負け、翼も居ない…もう森崎の支配から逃げられないんだろうか?)」



*反町、沢田、中里、石崎、高杉の全能力値が+2されました。

538 :創る名無しに見る名無し:2010/04/11(日) 09:57:42 ID:TjkfWSlw
この適当さ、泣けるw

539 :創る名無しに見る名無し:2010/04/11(日) 10:21:32 ID:eOnmib1k
反町にスキルや必殺技でもついたらよかったのに

540 :創る名無しに見る名無し:2010/04/11(日) 12:58:12 ID:9bXW4mTv
なんかまとめてすっとばされた連中は中里とギリギリでサル以外は
まだ佐野のほうが使える気がせんでもないw

541 :創る名無しに見る名無し:2010/04/11(日) 14:44:14 ID:ZXTu2OQg
反町:FWとしては得点力が低くポストプレーもできない。
沢田:中盤は人材豊富な上個人的な能力は井沢にも劣る。さらに原作にある日向とのコンビプレーも無い。
中里:ドリブル能力が高く、トリッキーな動きができるため奇策などに役立つ。
石崎:能力は低いがシュートブロックだけは一流。
高杉:カス
たしかに中里とサル以外はまるで使えないな。

542 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/11(日) 15:30:18 ID:cyJJtQ7+
ある者は母校で、ある者は大学リーグで、ある者は社会人リーグで、またある者は自主練で。
青年達は世界と戦う為の刃を研ぎつつ待ち続けた。再起の時を。

そして運命の10月がやってきた。全日本ユースが集結され、ホームでの
練習試合の後ワールドユース出場権を賭けてアジア予選に挑む10月が。

いよいよ全日本ユースが集合するその一週間前に開かれた記者会見で発表されたメンバー表は以下の様な物であった。



FW
日向 小次郎 立花 政夫 立花 和夫
新田 瞬    反町 一樹 来生 哲兵 滝 一

MF
岬 太郎   三杉 淳   松山 光
沢田 タケシ 山森 正吾  井沢 守 葵 新伍

DF
次藤 洋 早田 誠  中里 正人
石崎 了 高杉 真吾 赤井 止也 中山 政男

GK
森崎 有三 若島津 健



このリストが公表された瞬間記者達が騒がしくどよめいた事は言うまでもない。
なにせジャパンカップ前にプロ契約した翼とその後プロ契約を果たした若林が含まれて居なかったのだから。

翌日、とあるスポーツ雑誌には見上に対する質問をベースにしたこんな記事が現れた。

〜大空翼と若林源三をアジア予選に呼ばない!見上監督の大胆過ぎる大博打構想〜

543 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/11(日) 15:30:34 ID:cyJJtQ7+
内容は見上が会見で述べた数々の”爆弾発言”を冷やかす物だった。

曰く、全日本ユースの目標はワールドユース出場ではなくワールドユース優勝である事。
曰く、この目標を成し遂げるには突出した少人数の選手に頼るチームを作ってはいけない事。
曰く、翼と若林はプロになってまだ一年目で、この時期に呼び寄せるのは悪影響になりやすい事。
曰く、今後の日本は海外でプレイする選手が増えると予想される為
海外組に頼らないチーム作りが永遠のテーマになるであろう事。

賀茂「”これはつまり、言外にアジア如きに本気になってはいけないと言っているのも同然である。今までアジア予選を
一度も突破した事が無い日本代表の監督が持つ認識としてはいささか楽観的、もしくは野心的に過ぎるのではなかろうか。
見上監督の大博打の行方を憂わずには居られないのは私だけではあるまい…”だとよ。まあ予想通りだな」

見上「フン。勝ちさえすればどうせ掌を返して褒めてくるんだ。マスコミはそういう物だ」

賀茂「だよなあ。憎まれ役ご苦労さん」

無論見上とて好んでマスコミから批判されやすい態度を取った訳ではない。
翼と若林抜きでもアジアを勝ち抜けなければ世界ではとても通用しないと言う態度に
嘘偽りは無かったが、わざわざそれを強調したのはとある事情をカモフラージュする為だった。

見上「ところで、日向との連絡はまだ取れんのか?」

賀茂「すまねえ。相変わらず何処に居るのかさっぱり分からねえ」

一つは数ヶ月経っても行方不明の日向の事。ジャパンカップ後に失踪した彼の居場所は
とんと掴めず、ヒューガーに問い合わせてもまともな答えが返ってこない状況ではどうしようもなかった。
この状態で彼を全日本ユースに選出しておくべきかどうかは日本サッカー協会内でも最後まで意見が分かれたが、
見上が”代わりに別の選手を登録しても使う機会はありません”と断言した為名前だけでも登録しておく事になった。

そしてもう一つより深刻で、かつ見上たちにはどうにもならない問題があった。

見上「では、翼は?」

賀茂「………とうとうベンチ外になったそうだ。ドトールとアマラウはスタメンに定着したってのによ…」

見上「………やれやれ。このまま潰れてしまっては私や片桐くんの首も危ないのだがな…」

544 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/11(日) 15:30:50 ID:cyJJtQ7+
サンパウロFCでプロになった翼が大スランプに陥っていたのである。

陽子の話ではデビュー当時はそこそこのパフォーマンスを見せていたが、シーズンが続くにつれ段々と
プレイの質が落ちて出番が減っていき、ついにはベンチにすら入れなくなったとの事だった。
同じくユースからの昇格組が順調に出場機会をモノにしている中、翼は酷く落ちぶれていた。

これは日本では知られていない事だった。地球の反対側にあるブラジルの情報など
特殊なコネがない限り中々入ってこないのが幸いし、翼の苦境を知る者はごく僅かだった。
だがその状況も何時まで続くかは分からない。散々翼に投資した日本サッカー協会としては気が気でない状況である。
まだまだ全日本ユースの前途は明るいとは言えなかった。

賀茂「あ、若林の方はまあまあだそうだぜ。流石に若すぎてカップ戦やフレンドリーマッチ位しか出られないらしいが」

見上「そうか。それなら心配事が一つ減ったな。全く、このままでは胃潰瘍にでもなりそうだ」

賀茂「悪人のお前が病気になんかなるとは思えねーな。ところで予選前の練習試合の相手って何処だっけ?」

見上「…忘れたのか、お前?」

賀茂「ウルセー、最後の悪あがきで日向を探してたんだからしょうがねえだろ。で、何処なんだ?」

見上「…アメリカだ。アメリカユースだ」

賀茂「アメリカ?…おい、アメリカって確か相当アレなチームじゃ…」

見上「仕方が無い。南米と欧州は予選で激戦中だ。後は北中米とアフリカからしか選べんのだからな…
アジアではないチームで、そこそこの強豪でスケジュールが空いているチームはアメリカしか居なかったんだ」

賀茂「そりゃあ仕方ねえな。練習試合をしない方が良かった、なんて事にならなきゃ良いが…」

見上「言うな。どんな予想外な事が起きても動じない精神力を養う機会だとでも思っておけ」

545 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/11(日) 15:32:26 ID:cyJJtQ7+
いったんここまで。

546 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/11(日) 16:28:56 ID:cyJJtQ7+
〜静岡県掛川市、ヤマハリゾートつま恋〜

森崎「フッフッフ、全日本ユースよ!俺は帰ってきた〜〜〜!」

その日、森崎は意気揚々と合宿所に向かっていた。
数ヶ月ぶりにまともなレベルのサッカーが出来る事が待ち遠しいのもあったし、
アジア予選と言う失敗を許さない舞台が間近に迫ってきた事が彼に程よい緊張感をもたらしていた。
また翼と若林が『クラブに専念する為』召集されなかった事は彼にとっては
支配体制を磐石にするチャンスであり、この機を逃すまいと張り切っていたのだ。

だがそんな上機嫌は吹き飛ばされる事になる。忘れたいのに忘れられない出会いによって。

森崎「とうちゃ〜く!今回も俺が一番乗りか…ん?なんだありゃ」

ジャパンカップ時と同じ合宿所に辿りついた森崎を出迎えたのは日本では滅多に見かける事の無い、
いわゆる修道衣と言われる黒い服と白いヴェールを纏った人物の後姿だった。

シスター「………」

森崎「(あれは…キリスト教徒か?なんでこんな所に…まさか全日本ユースのファンなんだろうか?
だったら対応に気をつけないとな)なあ、そこのシスター。どうしたんだ?」

クルリ…

森崎「(………ん?)」

声をかけられて振り向いたシスターの顔を見た時、森崎は何とも言えない違和感にかられた。
くるくるふわふわとした金髪の巻き毛と空色の瞳までは予想の範囲内だったが、
その美しく整った顔にはなんとも聖職者らしからぬニヤニヤ笑いが浮かんでいたのだ。

547 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/11(日) 16:29:14 ID:cyJJtQ7+
そして次の瞬間、シスターの奇行によって違和感は最早違和感どころではなくなった。

シスター「貴方は…全日本ユースキャプテンのユーゾー・モリサキですね?」

森崎「あ、ああ。そうなんだけど…あんたは…」



クネ!クネ!クネ!

シスター「フフフ、そうですワタシがこのゲームのラスボスにして最強キャラです!さあカモン!カモン!」



シスターが腰をくねらせながらハスキーな声で意味不明な事を口走ったからだ。

森崎「……………」

A とりあえず殴る。
B とりあえず蹴る。
C とりあえず逃げる。
D とりあえず黙る。
E とりあえず求婚する。
F とりあえず会話する。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/4/12 17:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  20  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

548 :創る名無しに見る名無し:2010/04/11(日) 17:31:32 ID:gs3XGa98
投票は明日ですか?

549 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/11(日) 17:47:04 ID:cyJJtQ7+
>>548
失礼、タイプミスでした。11日が正しいです。

550 :創る名無しに見る名無し:2010/04/11(日) 20:03:17 ID:fXzSf2te
イワッチかよw

551 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/12(月) 07:38:09 ID:CIdazT/0
>F とりあえず会話する。

森崎「え〜…な、なんだって?ラスボス?最強キャラ?一体何の事だ?」

森崎は目が点になるのを自覚しつつも会話を続けようと試みた。
だがその懸命な努力も空しく目の前のシスターはヤレヤレとため息をついた。

シスター「オー、いけませんね。その常識と言う檻に囚われた狭い物の考え方。
神の愛が足りていない証拠です!そのままでは野蛮人になってしまいますよ」

森崎「いや、俺キリスト教徒じゃないし…」

シスター「ノーノー、宗教は問題ではありません。キリストでなくても
ブッダであろうとスピリチュアリズムであろうと神の言葉を聞けるのならそれで良いのです。
神こそが我々に道を示し、神の愛こそが我々を運命の恋人と引き合わせてくれるのです!」

森崎「(なんだこいつは…キリスト教には色んな宗派があるらしいが、
中にはこんな変な奴もいるのか?どう答えたら良いんだろう…)」

A 「だったらあんたが俺に神の愛を教えてくれないかい?美人のシスターさんよ」攻めに出る。
B 「要は運命の恋人を探しているって訳か。俺はサッカー一筋だから他を当たってくれ」はぐらかす。
C 「俺は神など信じん!俺こそが神、いや、俺は神より偉いんだ!」宗教戦争を仕掛ける。
D 「ああ、そうかい。じゃ、俺は忙しいから…」こんな変な女にこれ以上関わりたくない。逃げる!

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
            ☆2010/4/12 08:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

552 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/12(月) 10:40:29 ID:CIdazT/0
>C 「俺は神など信じん!俺こそが神、いや、俺は神より偉いんだ!」宗教戦争を仕掛ける。

森崎「(…なんか良く考えたら、こんな変な女に神を敬えなんて言われる筋合いは無いじゃねえか。
むしろこんなののペースに付き合うなんてイライラするだけだ。ここは一つ相手が怒りそうな事を言うか)」

面倒くさくなった森崎は言いたい事を言う事を決め、大きく息を吸い込んで言い放った。

森崎「ふっ、何が愛だ。何が神だ。俺は神など信じん!」

シスター「なんですって!?」

森崎「俺こそが神、いや、俺は神より偉いんだ!」

バーーーーーーーーーン!!

指をつきつけながら宣言した森崎に対し、謎のシスターは…
-----------------------------------------------------------------------------
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★シスターのはんげき!→!card★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

JOKER→「おお神よ、この極東の島国に降臨なさいましたか!」森崎の前に跪いた。
ダイヤ→「神の名を騙る悪魔め!このワタシが神罰をくだしましょう!」激怒した。
ハート→「おお神よ、この迷える子羊に寛大なる慈悲を…」哀れんできた。
スペード→「オーノー、こんなハードな布教は初めてです」頭を抱えた。
クラブ→「…ジャパンでここまでパワフルな男性と出会えるとは…」頬を赤らめたぞ!?

553 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/12(月) 12:23:26 ID:CIdazT/0
★シスターのはんげき!→ ハート4 ★

ハート→「おお神よ、この迷える子羊に寛大なる慈悲を…」哀れんできた。
-----------------------------------------------------------------------------
シスターはじっと森崎の顔を見つめた後首を振り手を組んだ。

シスター「おお神よ、この迷える子羊に寛大なる慈悲を…」

森崎「…へ?それだけか?」

シスター「貴方の様な罪深き野蛮人にも神の愛は平等に注がれます。
何時か貴方がその思い上がりを正した時、神の懐の深さに感銘を受ける事でしょう」

森崎「(なんかまだ勝手な事を言ってるが…宣教は諦めたみたいだな)」

明らかに見下しているその態度に森崎は再び不快感を覚えたが、
とりあえず訳の分からない事を言うのは止めたので良しとした。

松山「おーい森崎ー!何やってんだー!」

森崎「ん?おお、俺が一番乗りじゃなかったのか」

そしてそれを待っていたかの様に合宿所の宿舎からチームメイト達が出てきた。
どうやら彼よりも早く到着していた者達がホテルのホールに集まっていたらしく、
松山、岬、三杉、中山、山森、新田、来生、滝、井沢、高杉、石崎、中里の
合計12名ががやがやと出てきて、森崎とシスターの方に向かってきた。

石崎「なんだよ森崎、こんな美人と何時知り合いになったんだ?」

森崎「知り合いじゃねえよ、さっき会ったばっかりだ(つーか美人でもこんな変な女はお断りだ)」

554 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/12(月) 12:23:58 ID:CIdazT/0
石崎「失礼な事言ってないだろうな?いや〜済みませんね、こいつ礼儀を知らない奴で…
あ、僕石崎了って言います!サッカーの全日本ユース代表なんですよ、応援して下さいね〜。
なんでしたら折角ですから僕たちの練習見学していきませんか?案内しますよ!」

中でも積極的に飛び出してきたのは女好きの石崎だった。さりげなく森崎を利用して
自分の得点にしようとするその様は南葛出身のチームメイト達すら呆れて見ていたが、
当のシスターは石崎をチラッと見てから悲しそうにかぶりを振った。

シスター「0点です」

石崎「え゛」

シスター「10点満点中0点です。顔も酷いですががっつきすぎる心は更に醜い!
こんな男にはとてもワタシの体もハートもさしあげられまセーン!」

石崎「あべしっ!?」

新田「石崎先輩、ホントにがっつきすぎですよー」

三杉「うん、スマートじゃないね」

シスターにあっさり撃墜された石崎にチームメイト達は冷たかった。モテない癖に自業自得だと。
だがシスターの視線が自分達に及ぶとそうも言っていられなくなった。

じーーーーー…

シスター「1点」

高杉「へ?お、俺?しかも石崎とたった1点差!?」

シスター「2点」

中里「(こやつ…)」

555 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/12(月) 12:24:32 ID:CIdazT/0
シスター「3点」

滝「さ、3点…?俺って、3点なの?」

シスター「4点」

来生「なにィ!この来生哲兵がたった4点って、君眼鏡が必要なんじゃないのか!」

シスター「おお、こちらは良いですね。7点」

井沢「(…居るんだよな、こういう女って。ちっとも嬉しくないぞ)」

次々と無遠慮に採点してくるシスターに対し、ある者は戸惑いある者は嫌悪感を示す。
その中で唯一中里だけは不審者を見る目でシスターをにらみ返していたが、
シスターはそ知らぬ顔で残りの者達を採点し続けた。

シスター「フム…貴方も7点です」

山森「は、はあ…どうも」

シスター「こっちは6点ですね」

新田「(山森に負けた!?)」

シスター「4点」

中山「(…なんで初対面の女性にここまで言われてるんだろう…)」

シスター「6点」

松山「(うっ…俺ってやっぱりパッとしないのかなあ)」

556 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/12(月) 12:24:52 ID:CIdazT/0
シスター「ほう、良い顔をしています。8点をあげましょう」

岬「うん…(なんか面倒な人が来ちゃったなあ。どう追い払おう?)」

森崎「(なんなんだこの女は。次々と自分勝手に喋り続けるからやり辛くってしょうがねえ)」

やがて誰もがうんざりした顔になった頃、シスターは最後に三杉を向き…

シスター「オウ!」

クネッ!

三杉「(ああ、とうとう僕の所まで来たか。こういう女は大嫌いだな)」

一気に頬を染め、三杉が冷え切った視線にも構わず腰をくねらせながら近づいた。

シスター「その気高く整った顔!その氷の如く光る瞳!その貴族を思わせるオーラ!
素晴らしい!10点です!貴方は10点とワタシのラヴに相応しい!」

三杉「何処の誰だか知らないが、僕は既に将来を約束した女性が居るので遠慮するよ」

シスター「ジーザス!神はワタシにそんな試練を用意していたのですか!
ですが構いません、略奪愛もまた愛の一つ!ますます貴方が欲しくなりましたよ!」

三杉「率直に言おう、気持ち悪い。近づかないでくれ」

シスター「ワタシはその程度の言葉には負けません!」

そしてシスターが嫌悪感露な三杉に言い寄ろうとした時、中里がボソッと呟いた。

中里「そやつ、男でゴザルよ」

557 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/12(月) 12:25:16 ID:CIdazT/0
全日本メンバー『………え?』

中里「中々の化けっぷりでゴザルが、拙者は誤魔化せぬ。動き方とそれから推測される骨格、
そして何よりも女人の芳しいそれとは似ても似つかぬその悪臭!香水をいくらふりかけても拙者は騙されぬ!」

ビシイッ!

あまりの爆弾発言に仲間達が固まる中、中里は怒りを込めてシスターを指差した。
そしてシスターは…それを否定しなかった。

シスター「…バレてしまっては仕方ありませーん。そう、ワタシは…」

次におきた事は青年達、特に石崎にとっては悪夢の様な光景となった。



クネクネッ!
クルルルッ!
バッ!

ミハエル「アメリカユースのエース!ミハエル・ジャクソンでーす!!」



ダンサーの様に腰の捻りつきで回転しながら修道衣とベールを投げ捨てた下から
出てきたのはアメリカ国旗入りのジャージを着た痩せ型の男だった。
女と見間違えそうな程綺麗な顔の持ち主だったが、間違いなく男だった。

ひゅるるるるる…

中里「あ、あめりかゆーす…?」

数秒間秋風が吹きぬけた後、どうにか沈黙を破ったのは中里だった。
ミハエルが男だと見破った彼もその女装男が次の対戦相手だとは予想していなかった。

558 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/12(月) 12:25:39 ID:CIdazT/0
ミハエル「そうです!明後日の貴方達の対戦相手でーす!」

石崎「お、男…お、俺、男を口説い…て、てめぇえええええええええええ!!!」

ガバッ!
ダダッ!

次に硬直から解けた石崎は怒りに任せてミハエルに掴みかかろうとした。

ミハエル「オー、いけませんねそんなサルみたいな振る舞いは!聖書を読んで人間になりなさい!」

スタッ。
クネ!
クルルッ!
スタタッ。

森崎「(す、素早い動きだ!…でも、それ以上に…気持ちわりぃいいいいいい!!)」

中山「う、うぷっ…」

しかし石崎はミハエルを捕まえる事は出来なかった。ミハエルの動きは軽快かつ俊敏で、
石崎を全く近づけないそのステップは闘牛士の様だった。無駄な腰のくねりや回転が台無しにしていなければ。

ミハエル「フフン、ユーは全く美しくありませんね。少しはそこの10点のお方を見習いなさい」

石崎「ゼー、ハー…う、うるせえ!!」

三杉「良いから早く立ち去ってくれ、さもないと警察を呼ぶぞこの異常者め」

ミハエル「そんな冷酷な!せめて名前を教えてくださーい!」

三杉「三杉淳だ。さあ教えたからさっさと立ち去れ」

ミハエル「ジュンですね!覚えましたよ、マイダーリンジュン!では明後日、
試合場でデートです!約束しましたからね、もう取り消させませんよ!」

559 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/12(月) 12:37:22 ID:CIdazT/0
石崎「ま、まてこにゃろ…ぐべっ!」

ミハエル「キャプテンのモリサルくん、ちゃんと彼を試合に出場させてくださいよー!それではシーユーアゲイン、マイラヴ!」

森崎「も、もり…サルだと!?」

クネクネ!
ススススススス…

そしてミハエルは好き放題したまま去っていった。腰をくねらせながらの異様に速いムーンウォークで。

山森「き、器用な人ですね…」

新田「アレは器用じゃない!気持ち悪いんだよ!」

三杉「…な、何だったんだ、今のは…」

森崎「あの野郎、去り際に人を猿呼ばわりしやがって…あんなのが次の試合の相手なのかよ…」



その後間も無く到着した他のメンバー達はげっそりした顔の森崎たちに例外なく首を傾げた。

早田「何があったんだ?森崎」

次藤「まるで青汁ば一気飲みさせられた様な顔しちょるのう」

森崎「…後で、監督が来たら話す…」

政夫「なんだなんだ、シャキッとしてないなー」

和夫「そんな調子でアジア予選を戦えるつもりなのか?」

森崎「(アジア予選の前にとんだ問題が出来ちまったんだよ…)」

560 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 12:37:42 ID:PwQwSmpz
また濃い奴が来たなw

561 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/12(月) 12:37:48 ID:CIdazT/0
葵「まさかまだ腰が…!」

赤井「いや、それは無いだろ…あ、ありませんよね?」

森崎「それは無い。だが、もっとイヤな事かも知れん」

反町「どうしたんだ三杉?酷く顔色が悪いが…」

沢田「心臓病は治ったんですよね?」

三杉「…試合に出たくない。そんな初めて味わう感情を持て余しているのさ」

若島津「贅沢な悩みだな、全く」



こうして全日本ユースの再出発は全く予想していなかった理由で出鼻から暗雲が立ち込めた。



*ミハエルの三杉に対する感情が「マイダーリン!」になりました。
*全日本ユースのミハエルに対する感情が「変態!」になりました。



                 TO BE CONTINUED IN NEXT THREAD…




562 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/12(月) 12:41:43 ID:CIdazT/0
ミハエルはいくら変態にしても全く罪悪感を感じないで済む上
ストーリーも破綻させない最高のキャラだと思います。

それではここから590レスまで次スレのサブタイトルを募集します。
万が一容量が498KBまで行ってしまったら
その時点で書き込みを止めて下さい。

563 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 12:47:30 ID:T7tXI9dc
【変態という名の】キャプテン森崎37【聖男?】

564 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 13:01:21 ID:PwQwSmpz
【ダーリンは】キャプテン森崎37【米国人】

565 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 13:12:53 ID:CQIwSOaI
【聖なる十字架】キャプテン森崎37【そして薔薇】

566 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 13:14:48 ID:BnW3ro1A
【聖戦】キャプテン森崎37【弥生vsミハエル】
【芸達者な】キャプテン森崎37【ミハエル】

567 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 13:41:30 ID:6Jg6qTgH
【薔薇族の】キャプテン森崎37【薔薇技】
【真の奇行師】キャプテン森崎37【決定戦】

568 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 14:13:43 ID:Yk4Trnc+
【私だけの十字架】キャプテン森崎37【特捜最前線】
【美しいバラには】キャプテン森崎37【♂がある】

569 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 14:14:24 ID:Kzd11Iug
【ミハエル】キャプテン森崎37【in Wonderland】

570 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 14:51:08 ID:Y0HKN4d/
【神の愛は】キャプテン森崎37【性別を超える】

571 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 15:11:56 ID:ABYPnmyC
【その変態を】キャプテン森崎37【討て!】

572 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 16:48:42 ID:75nI+DZM
【きもい薔薇には】キャプテン森崎37【棘もある】

573 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 16:53:10 ID:srsGCD9r
【正常期よ】キャプテン森崎37【永遠なれ】

574 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 16:59:50 ID:iW4mSO9M
【薔薇色の】キャプテン森崎37【サッカー人生?】

575 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 17:13:08 ID:xeEafEhO
【ローズ】キャプテン森崎37【男しんぐ】

576 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 17:23:08 ID:Yk4Trnc+
【僕がダンサーに】キャプテン森崎37【なった理由】

577 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 18:01:54 ID:TevXrKLx
【薔薇乙女】キャプテン森崎37【♂付き】


578 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 18:09:39 ID:biPltI2x
【怪人】キャプテン森崎37【ローズダンサー】

579 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 18:12:44 ID:udOIk/4c
【ローズウィップと】キャプテン森崎37【ダンスっちまった】

580 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 18:35:42 ID:/oTwlQZS
【ミハエル】キャプテン森崎37【FlyHigh】

581 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 18:58:45 ID:wIWUR/u9
【自由の国】キャプテン森崎37【アメリカ】

582 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 19:27:17 ID:ORD7Img+
【ミハエルは】キャプテン森崎37【きっと魚座】

583 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 19:50:55 ID:Lz3nL0Ps
【薔薇色の】キャプテン森崎37【日々よ】

584 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 20:41:34 ID:HevI1HFj
【変人変態の】キャプテン森崎37【バーゲンセール】

585 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 20:46:28 ID:75nI+DZM
【変態の】キャプテン森崎37【登竜門】

586 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 21:00:58 ID:dCGYVmRx
【無印キャプ翼】キャプテン森崎37【最終巻】


587 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 21:11:26 ID:DauGwL9M
【ローズバスター】キャプテン森崎37【ヤマザルバスター!?】


588 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 21:26:51 ID:JcpGmQ5+
【性なる】キャプテン森崎37【十字架】


589 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 22:52:26 ID:Kzd11Iug
【つまり】キャプテン森崎37【俺がヒーローさ!】

590 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 23:19:11 ID:c9OeqRJC
【薔薇とフォモと】キャプテン森崎37【EndlessWaltz】

591 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 23:57:59 ID:iQPnS2Pb
【神を愛するように】キャプテン森崎37【三杉を愛する】

592 :創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 02:01:18 ID:dCx1S7Kr
【菊門】キャプテン森崎37【ローズバスター】

593 :創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 03:37:37 ID:ZqqmsuwI
すんません>>575です
もうチョイ補正を

【ローズ】キャプテン森崎37【男心具】

ミハエルは、テクモでも好きなキャラの一人でした。
登場乙です。


594 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/13(火) 14:04:58 ID:Thj82azL
次スレのサブタイトルは会心のだれうまな

【正常期よ】キャプテン森崎37【永遠なれ】

に決定です!しかし私はスレ立て規制されてしまったみたいです…
お手数ですがどなたか、下の1レス目と共にスレ立てをお願いできますか?



キャプテン森崎は、高橋陽一氏作のサッカー漫画「キャプテン翼」の二次創作です。
大空翼に代わって主人公になった森崎有三を読者の投票によって操作していき、
他のキャラクター達と交流を深めながらサッカー選手として大成するのが目的の
読者参加型企画です。いわゆるゲームブックを想像して頂ければ分かり易いかも。

基本は毎回出る選択肢の中から読者が投票によってどれかひとつを選ぶ事によって
森崎の各数値が上下したり結果が分岐し、その結果によって森崎が活躍したり
しなかったりして物語が進んでいく…といった展開です。例えば敵にシュートを撃たれたら、
森崎の能力値+ある程度のランダム要素によってゴールを守れたり守れなかったりします。

投票や判定では2ch式(注:似ているだけで2chとは別サーバー)の掲示板で
ID付の投票書き込みを行ったりスクリプトでカードやダイスを引いてもらったりします。

過去スレのログはこちらのまとめページで見られます↓
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/11.html

ミス指摘、質問以外の雑談は下のURLの雑談スレでお願いします。
本スレでも更新毎に30レス程度までの反応レスなら問題無しとしています。
尚、30レスを超え雑談スレへの誘導が始まったら速やかに誘導に従って下さい。それがルールです。
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1270134641/l50
2ちゃんねるとは別の場所の板なので、ブラウザによっては外部板登録が必要です。
なんらかの理由で雑談スレが落ちている時は、本スレでも遠慮なく雑談をどうぞ。

【前スレまでの簡単なあらすじ】
第一回フランス国際Jrユース大会でMVPとなった若き日本サッカー界の星、森崎有三!
サッカー王国ブラジルに留学した彼は一旦宿敵大空翼に大敗を喫するも
その後のジャパンカップで再起を果たす。しかし無理が祟って腰を痛めてしまった森崎は
その後数ヶ月をリハビリと再発防止に費やし、満を持して全日本ユースに復帰した。
目指すは日本史上初のワールドユースアジア予選突破!しかし直前の練習試合の相手、
アメリカユースはかつてない程のイロモノ揃いのチームだった!?
…こんな感じで話は進んでいます。

595 :創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 14:11:44 ID:CvtyLKsU
では僕が代打でいってきます

596 :創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 14:16:12 ID:CvtyLKsU
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1271135559/
新スレ立ててきましたが、もし何か失敗してたらごめんなさい

597 :創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 14:18:41 ID:AvV0k9/p
新スレ乙

598 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/13(火) 14:23:59 ID:Thj82azL
>>595-6
有難うございます!
早速テンプレの前半分をはりつけたのでどなたか
支援カキコをお願いします。

このスレの残りは…どなたか何かリクエストがあればどうぞご遠慮なく。
無ければ前と同じく登場キャラが読者の質問に答えちゃうよコーナーでも。



このスレは、ご覧のスポンサーの提供でお送りしました。

2ちゃんねる
ヒューガー(株)
若林財閥
片桐総合グループ
すしおだチェーン
大空マリンカンパニー
若堂流空手
メンズアパレル・バルバス
ピエールファミリー

次スレもよろしくお願いします。

599 :創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 15:50:04 ID:rSghK2mb
この間外食に行かれたそうですが何を食べたんですか?
気になって夜も眠れません><

600 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/13(火) 15:55:18 ID:Thj82azL
>>599
インドカレーです。辛い中にも旨みや酸味があるのが大好きです。

601 :創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 16:22:42 ID:AvV0k9/p
片桐さん家の家庭の事情が気になるぜ・・・
これから出てくる可能性があるのか・・・

602 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/13(火) 17:05:49 ID:Thj82azL
>>601
原作の片桐財閥の御曹司なのに会社を継ぐ気が無い片桐の事情が、
政略結婚から逃げ回っている陽子の存在の追加で更にややこしくなっています。
ただ、陽子に余程深く関わらないと隠れ設定で終わるかも?

603 :創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 17:25:39 ID:O+TTZ5LS
2ねいさん、スレ立て代理人さん、お疲れ様です!

山森くん大好きな琴音さん、当面のライバルと目される新田や葵はどう思います?

604 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/13(火) 17:31:10 ID:Thj82azL
>>603
琴音「え?山森くんって同年代ではナンバー1なんでしょ?
新田くんはポジションが違うし同じチームだからライバルになんかならないし…
葵…青井?誰だっけ、それ?」

初音「妹のサッカー知識は未だにこのレベルです」

605 :創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 19:24:41 ID:WKrwNjUp
ミハエルにとって森崎って何点だったんですか?
あまり高くないとは思いますが・・・

606 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/13(火) 22:28:56 ID:Thj82azL
>>605
ミハエル「顔だけなら5点でしたが、神を冒涜するおサルさんなので3点でーす」

607 :創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 22:55:26 ID:TkZKAiXN
スポンサーのメンズアパレル・バルバスではどんな洋服(?)が売られているのですか?
琴音さんの潜入レポートをお願いします!(山森くんへのプレゼントを探しつつ)

608 :創る名無しに見る名無し:2010/04/14(水) 00:30:51 ID:hH7/9w3w
いろいろと物議を醸したオランダの逆走行為について2氏の見解を伺いたいな
少々真剣に

609 :603:2010/04/14(水) 00:38:30 ID:kKEkh1Js
お返事ありがとうございます
初音さん、色んな意味でお疲れ様です
そういえば葵はまだ活躍が少ないんだっけ…
妹さんには周囲との関係も探ると楽しいと伝えといて下さいw

610 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/14(水) 01:08:35 ID:aAgae7mJ
>>607
琴音「あら、何かしらこの店…メンズアパレル?って、女人禁制!?
…はは〜ん、洋服店を装ったAVショップか何かね。こんな所に用は無いわ」



次藤「店主、ふんどしは無か?」

店主「無いよ。うちは和服は扱っていないからね」

611 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/14(水) 01:31:30 ID:aAgae7mJ
>>609
私はキャプテン翼のサッカーは大前提で
「ボール越しならどんなに危険な事をしてもファウルにはならない」
と判断しています。その延長線で
「ボール越しの危険プレイで相手をケガさせるのは卑怯だが戦術としてアリ」
とも解釈しています。

結果的に相手がケガしても気にしない:次藤、シュナイダー、ピエール等
ワザと相手の負傷を狙うのもアリ:日向、初期サンターナ、ブンナーク、レヴィン等

原作でもこの様に相手をケガさせ、それを気にしないか喜ぶ選手も居ます。

では逆走は良いのか?と聞かれると、これまたYESです。
「相手の負傷を狙う」と言う要素を抜けばリアルサッカーでも逆走は別に反則じゃありませんし、
原作でも翼が2回ほど相手にケガはさせていませんが逆走ドリブルをしています。

よって私は「相手の負傷を狙う」「その為に逆走ドリブルをする」の両方が
褒められた戦術ではないがルールには全く反していない、と言う意味でアリだとしています。

あそこまで反響が大きかったのは「トータルフットボール」を使うオランダが
「1点奪った三杉に復讐として」やったからだろうと思っています。
クライフォートやオランダユースをこんな卑怯なチームにして欲しくなかったと。
しかし私は悪役は悪役で極めれば立派に存在意義があると思っており、
また何故クライフォート達がこういうスタイルになったのか理由も
ストーリー上で後ほど明かす予定です。大分先の話ですが。

「こんなチームは物語に要らない!」「オランダユースがこんななんで嫌だ!」
「こんなスタイルが肯定されるのは納得出来ない!」と言う反応も数多くありましたが、
辛抱強く読み続けて下されば幸いです。

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