キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【アップダウン】小田Jr.の野望16【ストーリー】

1 :小田ジュニア ◆P6f1cIsEKQ :2010/06/21(月) 22:15:12 ID:KJL4gspY
これは『キャプテン森崎』のスピンアウト作品。
中学時代全国制覇した偉大(?)な父小田強の跡を継ぐ小田猛(小5)となって
全国制覇を目指す物語です。
基本的にロムってる方の投票やカードの引きによって物語は進行します。
また基本的には『現代』ですが厳密に計算すると色々とおかしいところが発生しますので
時代考証は無用でお願いします。

ここまでのあらすじ
小田猛少年もついに5年生。夏休みを利用してプチ留学を兼ねての家族旅行に来たものの、
自由行動で妖精の穴に飛び込んでしまいさあ大変、剣と魔法の世界に紛れ込んでしまいます。
地下水路の探検でかなりの儲けをたたきだし、続く護衛の任務でもマンティコアという事故レベルの
強敵に遭遇しながらも中々の結果を出すことに成功。
しかし護衛任務の帰り道、悪徳商人の凄まじい落とし穴にはまってしまい一気に不幸のどん底へ。
ようやく元に戻ったと思えば…

現在
常若世界での生活も3週間。悪徳商人によって無実の罪に叩き落された一件の傷もいえない内に
ティルに異変が!ジュニアはエルフであるエルロンとの会話で元の世界に戻れば高確率で
元に戻せる事を知る。そして早速元の世界に戻るための下準備を…という16弾です。

997 :小田ジュニアの野望:2010/07/04(日) 03:01:40 ID:xBYkw3gw
ドラミ「誰?」

殺気のない声とはいえ、敵の中にはそれを見せずに息をするように人を殺すものたちがいると
ドラコに教わっているドラミは翼を大きく広げ威嚇モードに入る。

???「ははは、怖い怖い。心配しなくてもいいよ。降参だ」

ストン!

高いところから身軽に飛び降りる何か。ジュニアより身長は一回り大きい。恐らく中学生くらいであろう。
白銀に輝く髪と赤い瞳。典型的なアルビノの様式を持つ彼は白いワイシャツにジーパン姿と
明らかに場違いではあるが、まるでそのことを意識させないオーラのようなものを纏っていた。

ドラミ「……がるる…」

小さな半竜の目の前にいる男はアルビノであるというこれ以上ない特異性以外は普通の少年なのだが
ここにそういう格好でいること事態がこれ以上内違和感をもつ。ドラミは紫乃をつれてきた手前
絶対に引けないと自分の姉のような妹のような親友のようなライバルのような…色々な感情渦巻く
少女を庇うように一歩前に出る。口の中には灼熱の炎の塊がドラミの芥子粒のような魔力を
練り上げ数百度の高温を保っている。

???「やれやれ…今回の物語でボクの出番はなさそうだから気を抜いていたんだけど…まさか
キミ達の方からここに来てしまうとはね。安心するといい。僕の名前は凪。日本人だ。」

敵意が無いことを示すようにポッケに入れていた両手を高く掲げる。…よく考えてみたら彼は
両手をポケットに入れたまま2階建ての建物の高さはあろうかという樹木から下りてきたようだ。
余程の自信家か馬鹿なのだろう。

998 :小田ジュニアの野望:2010/07/04(日) 03:02:52 ID:xBYkw3gw
紫乃「凪…さん?」

一方、ドラミほど緊迫感を持たない少女はちょっと怖いとは思いながらも凪の柔和な表情に絆され
凪の言葉に返事をしてしまう。

ドラミ「紫乃ちゃん!逃げるよ!これはやばいって言ってる!」

そういいながら一定以上の間隔が縮まらないように全力で牽制する。

凪「大丈夫だよ今回は味方だ。…いや正確に言うと単なる傍観者といった方が正確かな。半竜のドラミちゃん」

そういいながら人を騙す事にかけては最高レベルの心の仮面でドラミを懐柔し始める。
その手管は時に大海原のように広い心と深さを持ち、いつしかドラミの警戒レベルと最低限にまで
落とし込んでしまう。

凪「それにしてもどうしてここまで来たんだい?ここにはお兄ちゃんが一緒に来ない限り君たちは
これないはずなんだけど?」

まるで前もって決まっていた舞台脚本が突然の変更されてしまったかのように言葉にする白髪の少年。

紫乃「牛さんが走って逃げてここまで来たの」

ドラミの代わりに怖がりではあるが人を疑う心が極端に低い紫乃がちいさな可愛らしい声で正直に話す。

凪「なるほど…そういうことか…余計なことをしてくれる。どうしてもボクも参戦させたいのか…」

ドラミと紫乃のちびっ子2人組みに聞こえないように言葉を呟く凪。一瞬だけ瞳の色に不快な
錆のような赤色をちらつかせるのだがその視線の先の大きな牛さんはそ知らぬ顔で泉の水を飲んでいる。

999 :小田ジュニアの野望:2010/07/04(日) 03:04:28 ID:xBYkw3gw
ドラミ「それで凪は…なんなの?敵じゃないってどういうこと?」

一応警戒を解くドラミだったが完全に心を許したわけではない。頭脳で考えるタイプではなく感情や
直感が優先される彼女だからこそ最低限の警戒心は残すことが出来たのかもしれない。

凪「さて…どうしようかな…本来の脚本ではボクは出るはずのないイレギュラーだったんだけど…」

そう思いながらも既に心は決まっていたようで凪と自称する男は紫乃に優しく言葉をかける。

凪「実はね。キミのお兄ちゃんはちょっとだけ特別なんだよ。紫乃ちゃんはお兄ちゃんの周りで
何が起こっているのか…実はちょっとだけ気づいているんじゃない?」

紫乃「…うん。お兄ちゃんには妖精さんがいるの。どらみちゃんも。それにピー助ちゃんも」

凪「そう。それら全ては本来の家庭では起きない事。紫乃ちゃんの変化もね」

ビクッと肩を震わせる紫乃。そう、彼女もまたそういった人物の1人なのだ。彼女は本来
一般人というエキストラの1人であったはずなのに、禁断の果実を口にすることでそうでは
なくなってしまった。彼女もまたイレギュラー。本来の役割から逸脱した存在なのだ。

凪「ごめんごめん。そんなつもりじゃなかったんだ。ただね。紫乃ちゃんもそうであるという事は
キミもまたおにいちゃんを助ける事が出来る存在にもなれるんだ。君はおにいちゃんを助けたいと
願うかい?」

1000 :小田ジュニアの野望:2010/07/04(日) 03:07:25 ID:xBYkw3gw
紫乃「うん。」

即答する紫乃。彼女にとっておにいちゃんは世界の中心であり、そのためならどんなものでも
犠牲にするだけの心の強さを持っているのだ。

…たとえそれが大好きなお兄ちゃんが望まない事だとしても…

凪「そうかい。それでは紫乃ちゃんには一番大切なものを差し出してもらうよ。その代わり、
紫乃ちゃんにとってもいいものを上げよう。本来この力を得るということは他の役割を得ることでも
あるんだけど今回は特別の特別だ。」

そういいながら紫乃の首筋に、男にしては白すぎる透き通るような指を触れさせる。

その瞬間、世界は何かの力から恐れ逃げ惑うように大気はうねる。

凪「さあ、契約は成された。後は紫乃ちゃん次第だ。その子供と共に来るべき時のために
自分のなすべきことをなしてもらうよ!」

まるで舞台役者のように大仰に両手を広げ凪と自称するアルビノの男ははその場から消え去るのだった。
首筋に契約の証である小さな赤い痣のようなものと小さな一匹の子犬のようなものを残して。

ぴこーん!
紫乃がペット、ツキヨミを飼いはじめました。
ドラミに???

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