キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【そんなタイトルで】アナザー カンピオーネ1【大丈夫か?】

1 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/22(金) 19:35:21 ID:PrCX1H7o

この物語はフィクションです。
史実や実在の人物を連想する場面があるとしても、物語とは関係がありません。
風土、名称については文献を参考としていますが、想像のウェイトも大きく、事実と異なります。


そして……この物語はキャプテン森崎のフィクションで…
  とある貴公子と仲間達のサッカーに賭けた青春を描いたストーリーです。

778 :森崎名無しさん:2010/12/31(金) 14:24:36 ID:X23jacuw


779 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/31(金) 15:02:34 ID:???

>E ま、無難にホテルのフロントで聞いてみるか
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉はその足でフロントへと向かった。
闇雲に仲間達から聞き込んだところで、都合よく情報を得られるか分からない。
しかしホテルのフロントならば、都市内のネットワークも持っている筈だ。

三杉(それを適切に使ってくれるプロフェッショナルが対応してくれる限りではないけどね。)

多少の誤算や無駄足もちょっとは覚悟し、三杉はフロントに声をかけてみる。

三杉「すみません、この辺りでディナーを楽しみたいのですが、適当な店を教えて頂けませんか?
    静かでドレスコードのある店で、明日の晩のリザーブが空いてると望ましいです。」

こういう時 三杉はなるべく細かい指定を入れて尋ねてみる事にしている。
注文が厳しいようにも思えるが、より具体的である方が相手も調べやすい筈と思うからだ。


先着で
 ★フロントの返事→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→有能なフロント「お任せ下さい、朝までに何店かランクを別けて調べておきます」
ハート→流行に敏感なフロント「ああ、それならこの店がイイですよ。」
スペード→?(友情出演)「3時間後だ…3時間後、お前に最高の店を教えてやる。」 CV:井上和彦」
クラブ→?(友情出演)「パルパルパル…知っていても教えるものか、妬ましい…」 だれおまえ
JOKER→?(友情出演)「むしろ俺達でカーニバルに行かないか? 気分転換も必要だと思うんだ。」

780 :森崎名無しさん:2010/12/31(金) 15:08:12 ID:???
 ★フロントの返事→ スペード8


781 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/31(金) 16:26:20 ID:???

>スペード→?(友情出演)「3時間後だ…3時間後、お前に最高の店を教えてやる。」 CV:井上和彦
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

フロント(男)「日本人か…ふんっ。」

三杉(思う事は同じだな、日本人がフロントとは驚きだ。)

こちらを振り向いたフロントの男は日本人で、無愛想さを隠そうともしていなかった。
眠いのか目つきが悪いのか、不快な目でジロジロとこちらを値踏みしているようだ。
これは外れかな…と三杉は内心落胆したのだが。

フロント(男)「目的は? 美食かデートか…どっちだ?」

三杉「む…デートですよ。 ちゃんとした店にエスコートしたいと思っています。」

フロント(男)「チッ…ガキが色気づきやがって。」

客を客とも思わない横柄な言動、いくら何だってこれは酷いと三杉は抗議しようしたが…
その矢先、奥から同僚と思われる女性が出てきた。


782 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/31(金) 16:27:28 ID:???

フロント(女)「コラッ! お客様に向かって何を言ってるんですか!」

三杉(おや…?)

フロント(男)「グムッ…栗田さんか…!」

フロント(女)「ごめんなさいね、この人ちょっと僻みっぽい人なのよ。
        でも食べ物とか料理店とか、その方面だけは詳しいから。」

三杉「あ…はい。(どうやら話を聞いていたようだね、これは助かった。)」

フロント(男)「コラ、勝手な事を…」

フロント(女)「山岡さん! 私達は至高のメニューに全然勝てなくて国外追放になったんですよ!?
        ここを追い出されたらもう他に行く所が無いって分かってます!?」

助け舟を出してくれたと思ったら、とんでもない事を暴露し始めたフロントの女性。
三杉は前言を撤回して頭を抱える…正直突飛だし重いしドン引き以外の何物でもない。
だが、フロント(男)のやる気を出させる効果はどうやらあったようであり…

フロント(男)「あーもー…分かってるよ、チクショウめ! 悪かったよ!
        おい坊主、3時間後だ…3時間後、お前に最高の店を教えてやる。」

三杉「へっ? あ、は…はぁ。」


783 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/31(金) 16:28:34 ID:???

フロント(男)「ふん、イタリアのミラノだか何だかしらないが、どの都市でも同じだ。
        人気が出れば回転を早くするために手間暇を惜しんで味を落とす…
        本当に美味い物を食べさせる名店は極わずかに限られてるって事だ。
        お前に教えてやるのは、ミラノ最高の味を出す店、それだけだ!」

フロント(女)「山岡さん素敵!」

三杉「はぁ…じゃ、じゃあ宜しくお願いします。」

結局、やたらと気合を入れて店を探してくれる事になった。
一応礼を伝えてフロントを後にする三杉。
ただ…最高の味に拘っているのが、彼にとっては多少心配ではあったが。

三杉(最高の味か、個人的には望むところだが…ムードは大丈夫だろうか?
    絢爛過ぎてはモニカの腰が引けるかも知れないし、みすぼらしかったらムードも何もない。
    3時間後…教えて貰う時に詳細までしっかりと聞いた方が良さそうだ…。)

失敗では決してないが、成功の確信が取れていない結果に三杉は少々落胆する。
だが一先ずここは満足すべきと考える事にし、三杉は自分の部屋へと戻った。
入るなりドサッと荷物をベッドに置き、そして自らも身を任せる。


784 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/31(金) 16:31:29 ID:???

三杉「はーー……疲れたぁ…。」

ユヴェントス戦の疲労が三杉の全身を駆け巡る。
思わず脱力してしまう身体をベッドは優しく受け止めるのだが…。


先着で
 ★ポッポッポ はとポッポ 豆は要らんが今は少しだけ眠らせてくれ→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート→ コンコン… マルコ「ミスギ、戻ったかい?」
スペード、クラブ→あ…眠い、これは寝てしまう。(夕食までひと眠りします。)
JOKER→ コンコン… ??「この部屋に宿泊していると聞いてやってきた。」 誰?



※おそらく本日はここまで…つまり今年度の更新は終了ですね。
 一年間、どうもありがとうございました。
 色々とありましたが、こうして再び皆さんと楽しめている事を心から感謝しています。
 それではみなさん、良いお年を。

785 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/31(金) 16:32:40 ID:???


    ,___________________
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┃                                        ┃
┃ さなえ                               ┃
┃                                        ┃
┃     「 みんな 、おつかれさま                 ┃
┃                                        ┃
┃       らいねんもがんばってね 」            ┃
┃                                        ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


786 :森崎名無しさん:2010/12/31(金) 16:40:47 ID:???
 ★ポッポッポ はとポッポ 豆は要らんが今は少しだけ眠らせてくれ→ ダイヤ7
よいお年を〜

787 :森崎名無しさん:2010/12/31(金) 21:11:57 ID:???
エースFWが2人いるチームと戦うのは初めてだな
ミュラーがどれだけ伸びるかがポイントだな。

788 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 02:35:30 ID:???

>786 どもでした、旧年中はおせわになりましたんg
>787 ボッシ+ピエールやカルネバーレと+イスラスとか、一級+二級(以下)のチームは
    ありましたけどね。 今回は一級+一級でお届けしそうな感じです。
===============================================

>ダイヤ→ コンコン… マルコ「ミスギ、戻ったかい?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

コンコン…

意識がまどろみ始めるよりも早く、そのドアをノックする音が聞こえた。
三杉は閉じていた瞳をどうにか開き、両手を使って上体を起こす。
そしてドアの方に耳を傾け、空耳でなかったか注意を払ってみた。

マルコ「ミスギ、戻ったかい?」

ドアを挟んでいるせいで少し聞こえ辛いが、どうやら自分を呼ぶ声が確かに聞こえた。
声の主はマルコだった、間違いない。
三杉は頭を振って眠気を飛ばし、ドアへと歩いて行った。


ガチャ

三杉「やあマルコ、僕に用事かい?」


789 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 02:36:50 ID:???

マルコ「うん…って、なんか眠そうだね。 間が悪かったかな?」

三杉「ひや…らい丈夫だよ。」

欠伸を伴ない少し言葉が可笑しくなってしまったが、誤魔化すようにマルコを部屋へと招き入れた。
その様子にマルコは小さく笑いながらも、その事には突っ込まずにいてくれた。

マルコ「グラッツェ…そんなに長居するつもりはないから安心してよ。
     用件は、まあ…判っているとは思うけれど、ローマ戦の事だよ。」

三杉「うん、そうだろうと思った。」

基本的にマルコは三杉同様…いや、それ以上に理論家である。
三杉にとっては会話が予想しやすく、内容も互いの理解が早い相手であった。
それゆえ面倒くさい所がなく、疲れている時でも相手をしたくない気にはならなかった。

マルコ「それでね、話と言うのは…」


先着で
 ★とあるマルコの戦術構築(タクティクス)?→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→対ローマ向けの練習案を考えて来たんだ。
ハート、スペード→このノートを見てよ、こいつをどう思う?
クラブ→実はね…練習を手伝って欲しいと思ってるんだけど…
JOKER→ローマの攻略法を考えて来たんだけれど、聞いてくれないか?


790 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 02:38:17 ID:???
そんな訳で…2011年明けましておめでとうございます!
今年の目標はエピソード1を終わらせて2に行く事、がんばるぞー。
皆さん どうぞ今年もお付き合いをお願い致しますね^^


…と言う訳でもういっちょ先着で
 ★とあるスレ主(わたし)の御年玉(プレゼント)→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→仲間に新必殺技(またはスキル)付与(さらに判定)
ハート→仲間に新必殺フラグ付与(さらに判定)
スペード→仲間の必殺フラグを1つ回収(さらに判定)
クラブ→1回だけラムカーネのパワーダウンを15分遅らせる権。
JOKER→ダイヤ+クラブ


791 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 02:39:31 ID:/UIUkK3g
 ★とあるマルコの戦術構築(タクティクス)?→ ダイヤ2

792 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 02:39:51 ID:???
 ★とあるマルコの戦術構築(タクティクス)?→ ハート9
この試合の主役はマルコかのう。

793 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 02:41:00 ID:???
とはいってもマルコの実力では余程上手くやらないと勝負にならんよなぁ…
しかも攻撃限定

794 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 02:44:37 ID:???
 ★とあるスレ主(わたし)の御年玉(プレゼント)→ ダイヤJ

795 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 02:58:06 ID:???
さっきから判定でのダイヤ率が高いなw良い傾向だw

796 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 04:15:19 ID:???

なんだか縁起の良い引きですね。
===============================================

>ダイヤ→対ローマ向けの練習案を考えて来たんだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

マルコ「対ローマ向けの練習案を考えて来たんだ、提案させてくれないか?」

三杉「練習案…と言うと、既にそのレベルで対策を練ったという事かな?」

マルコ「フフ、質問に質問で返されると困るなぁ。
     それを判断して貰う意味も含まれてるのさ。」

そう言うとマルコは手に持っていたファイルを開いて見せた。

ランピオン:必殺ヘディング、必殺空中ポストプレイ、必殺クリア…その他接触プレイに滅法強い
      精神力A、判断力B、戦略性C、決定力A、突破力C、守備力B
ビアンキ:必殺1対1シュート、必殺トラップ、浮き球系必殺シュート?…データ不足
      精神力?、判断力D、戦略性A?、決定力A、突破力?、守備力D

三杉「これは…ローマのFWの評価なのかい?」

マルコ「そう…とは言え、ビアンキは今日初めて見ただけだからデータ不足は否めないけどね。
     だから、判っている部分と予想される範囲だけで考えてみたんだ。
     それからね…今のとこちらとを比べて見てくれないか?」


797 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 04:17:36 ID:???

マルコはこのページをファイルから外すと、今度はファイルの奥のページをめくった。
そして出て来た内容と言うのは…。

ブンナーク:必殺ヘディング、必殺シュート、必殺ドリブル…強引な技が得意でゴール前の守備も可
      精神力C、判断力B、戦略性C、決定力A、突破力B、守備力B
ニッタ:必殺1対1シュート、必殺ボレー、必殺ドリブル…ムラはあるが決定力、突破力の成長が目覚ましい
      精神力B、判断力B、戦略性C、決定力A、突破力A、守備力C

※新田のファルコンクロゥはまだ披露されていないのでマルコも知らない。


三杉「こちらはウチの二枚看板だね…。 こうして比較して見てみれば、ランピオンとブンナークは
    似ていると言えるかも知れないな。 まぁ、グラウンダーシュートがある分 FWとしての
    汎用性はブンナークの方が上だけれど。」

マルコ「まあそういう事だよね、ニッタとビアンキについてだけれど…GKとの1対1に強そうだという
     点では近い部分がないわけじゃない。 今日の試合ではまだ全容が見えていないけれど、
     グラウンダーか、或いは浮き球の必殺シュートも持っている可能性は高いだろうね。」

ふむ、と三杉は頭を働かせてみる。
確かに今日見せた技だけが彼の実力の全てなどと思うべきではなかった。

マルコ「浮き球とグラウンダー…より厄介なのはトラップとの2択を迫られる浮き球必殺技の方だね。
     そうなると、益々 ニッタとビアンキは共通点が増える事になる。」

三杉「なるほど…つまり練習案と言うのはアレだね。
    ブンナークと新田を仮想ローマFWに見立て、守備練習を行なう。
    その際に、ウチの守備陣がエースFW2人相手にどれだけ守れるかを見立てる…と。」


798 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 04:19:29 ID:???

マルコ「そういう事だね。 それからもう一つ、ビアンキのトラップについてさ。」

三杉「トラップ?」

マルコ「うん、トラップと言うよりラストパスに対する動き全般に言える事だけれどね。
     彼のゴール前の動きは、さり気無くて非常に緻密…ハッキリ言って危険だと思うよ。
     マーカーの意識が一瞬離れた隙に“振り切る”技術を持っていると考えられる。」

三杉「振り切る技術、か…と言うとそれはもしや…!」

マルコ「うん。 形は違うけれど、ニッタの隼ボレーと同じ。
     クリアを狙ってくる相手に競り合わせない術を持っているという事だよ。
     だから今のニッタの隼ボレーを受けてみて、その脅威を知っておく事は
     ウチの守備陣にとって必要じゃないかとボクは思う。」

自分の提案はここまで…とばかりにマルコはファイルを閉じた。
そして三杉の目を見て、その判断の行方を見定めようとしている。

三杉(そうだな…。)


A 明日の午前中はその練習をするよう監督に提案するよ。
B 明日の午前中、それから明後日にその練習をするよう監督に提案するよ。
C 悪いけれどその案は聞けないな…時間は全て個人練習に充てたいと思っている。

3票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


799 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 04:22:26 ID:???
この辺で一旦中断です、お年玉袋の中身については後日練習時間で開けた時にー
それでは投票をお願い致しまーす

800 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 05:37:45 ID:???
OKしたとしたらミュラーとの練習はどうなるんでしょう?

801 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 06:20:36 ID:???
そう言えばこのスレでは全然説明してなかったですね。
基本的に練習は試合前日(ここでは明後日)に実施され、午前に監督の指導、
午後に個人練習があります。ミュラーとの個人練習はこの午後のに相当しているのです。

802 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 06:24:10 ID:???
なので、明後日の個人練習が潰れたらミュラーは困っちゃいますね。
…ってゆう話、説明不足すみませんですた。

803 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 06:45:31 ID:g/2+sgD2
A

804 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 08:01:34 ID:Cqo8UHlw


805 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 11:03:43 ID:NentOy3c
A

806 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 11:46:36 ID:???

>A 明日の午前中はその練習をするよう監督に提案するよ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「明日の午前中はその練習をするよう監督に提案するよ。」

有効な練習とは思ったが、個人的な事情もあり三杉はこの回答をするしかなかった。
これを聞いたマルコは目を意外そうにパチクリし、そして恥ずかしそうに笑った。

マルコ「明日の午前中か……うん、まあそうだよねー。」

三杉「えっと…?」

マルコ「あっ、ごめんごめん。 いやね、実の所かなり有効な練習じゃないかって思ってたんだ。
     明後日も時間を取ってくれる気でいたから、自惚れてて恥ずかしいなって思ってさ。」

マルコの言葉に三杉は若干胸が痛くなった気がした。
ミュラーとの約束で個人練習を削れない私情が判断に含まれていたからである。
かと言って、ミュラーとの事を考えると判断を覆す事は出来ない。

三杉(ふむ…何か言葉でのフォローくらいは言っておいた方が良いだろうか?
    有効な練習だと思ってる事は言うとして…)


A ミュラーとの個人練習がある事を正直に話しておく。
B 正規の練習時間をどう使うか判断するのはアンザーニ監督だから、と言っておく。
C 個人練習を削るわけにはいかないとだけ言っておく。
D ・・・まあ良いか、フォローしなくても。
E そ の 他

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


807 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 12:32:32 ID:YpzTxHWo

正直今後の事を考えるとミュラーのレベルアップが先決だし。

808 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 12:33:30 ID:PRYCQK8w
A

809 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 13:11:09 ID:???

>A ミュラーとの個人練習がある事を正直に話しておく。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「うーん…すまないね、実は個人練習でミュラーの指導をする事にしたんだ。」

マルコ「ミュラーの?」

三杉「ああ。 決勝やその後も見据えると、CBの基礎能力向上は絶対に必要だ。
    エースが複数存在するチームはこれからも出てくるだろうからね。
    ラムカーネが消耗しきった後半戦、中山だけを頼りに…というのは、
    チームとして余りに脆すぎるとは前々から思っていたんだ。

マルコ「確かにね…そっか…。 うん、大丈夫、分かったよ。
     そうやって判断してくれて助かるねよ。
     自分だけで考えていると、どうしても主観が寄っちゃうからね。」

ハハハっと頭を掻きながら、やはり恥ずかしそうに笑うマルコ。
どうやら正直且つ理由を以って話したお陰で、言葉通り素直に受け入れて貰えたようである。
ホッと胸を撫で下ろした三杉は、本来のフォローもしておく事にする。

三杉「うん、でも君の見立ては本当に有用だと思うよ。 ランピオン、ビアンキを
    ブンナークと新田で置換して考えた練習は、DF陣にとって随分な予習になる。
    それにビアンキが新田のように競り合いを振り切る技術を持っているならば、
    予め体験しておけば、試合中にパニックに陥る事もないだろうからね。」

マルコ「アハハ、フォローありがとうね。 それじゃあボクはこれで…
     有効な戦術についても考えておくつもりだから、良かったらまた声をかけてよ。」


810 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 13:12:16 ID:???

そう言ってマルコはファイルを閉じ、椅子から立ち上がった。
部屋を出ていこうと翻したマルコ…三杉はその背中に向けてこう言っていた。
フ…と頭に浮かんだ事だった。


先着で
 ★何て言ったの?→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→そうだ…確か君、目が良いって言ってたよね?
ハート、スペード、クラブ→何気にもう夕飯の時間なんだね、食堂へは一緒に行こう。
JOKER→ダイヤ+「筋トレではどんな事をやっているんだい?」


811 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 13:19:56 ID:???
 ★何て言ったの?→ ハート3

812 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 14:01:55 ID:???

>ハート→何気にもう夕飯の時間なんだね、食堂へは一緒に行こう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

そう、話を終えた三杉は自らの空腹に気付いたのだった。
ふと時計を見ると、どうやら夕食の規定時刻は間もなくだった。
そりゃお腹も空く筈だ…と三杉は肩を竦めた。

三杉「マルコ、戦術を考えるのもいいけど、何気にもう夕飯の時間だよ。」

マルコ「え? あ、本当だ。」

三杉「ハハ、食堂まで一緒に行こうじゃないか。」

マルコ「そうだね、アハハ。」

身体だけでなく頭も回転させている2人は、正直言って他のメンバーよりも糖分を消費していた。
連れ立って食堂へと向かう中、彼らは互いの胃が活発に鳴っている事を見て見ぬふりしたのだった。



・・・・。

夕飯の席で三杉は、アンザーニ監督に対して明日午前中の予定を問い質した。
当然マルコの提案した練習案を進言する為にであった。
幸い監督はこの練習案に同調し、これを受け容れてくれたのだった。


813 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 14:04:02 ID:???

三杉(これで明日の午前、午後、それから夜の予定は全てが埋まった訳だな。
    色々と忙しい日になる事は間違いないから、混乱しないように気をつけなければ。)

そんな事を考えながら部屋に戻る途中、三杉はフロントへの用事を思い出した。
明日のディナーの為調査を依頼していた、店の詳細確認である。
食堂から部屋に戻るその足で、三杉はフロントへと再び訪れた。
相変わらずグータラで愛想の悪い男がブスっとしながら立っている。

三杉「こんばんは。」

フロント(男)「うん? ああ、お前か。」

三杉「お願いしていたリストランテの見立て、如何でしょうか?」

フロント(男)「ふん、心配するな。 ちゃーんとやってあるさ。」

彼は傍らに置いていた紙切れを手に取り、三杉に突き出した。
そして何とも言えぬドヤ顔で踏ん反り返った態度を取っている。
半ばあきれ顔になりながら、三杉はその紙を受け取った。

三杉(うーむ、貴公子とは正反対の人生を送って来たんだろうなぁ…
    ボクはこんな下品な大人にならないよう、態度には気を付けていこう。)


814 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 14:05:18 ID:???

フロント(男)「ほら、これが店の名前と電話番号だ、リザーブはさっきの時点でまだ空いていた。
        これで満足だろ? さあチップを寄こせ。」

三杉(当然あげるつもりだったが、そう言われるとあげたくなくなるから不思議だ。
    しかしまあ、仕事をしっかりしてくれる限りはキッチリとチップを渡すのがスマートだ。)

三杉はポケットの中から10リラ硬化を取り出して男に渡した。
湿気てやがんな…と男はさらに悪態を吐いたが、流石に付き合っていられない。

三杉(さてと…この店はどんな感じの店なんだろうか?
    まあ予約の為に電話しなければならないし、ついでに聞いてみるとしよう。)


先着で
 ★電話して聞いたお店の詳細→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→味も店の雰囲気もロケーションも良く、それでいて値段も手頃な完璧な店。
ハート→最近ミラノで流行っている高級中華料理店。
スペード→なんと3つ星レストランです、まあちょっと怖気づいちゃうよね。
クラブ→味は最高! しかしドレスコードは有って無いような物らしい。
JOKER→女の子をその気にさせる店…だと……


815 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 14:09:58 ID:???
 ★電話して聞いたお店の詳細→ ハート8

816 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 14:52:22 ID:???

>ハート→最近ミラノで流行っている高級中華料理店。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

受話器の先から聞こえた単語は三杉にとって予想外の物だった。

三杉「中華料理店…?」

店員『Exactry、当店は香港に本店を持つ名門店のイタリア支店第一号なんですよ。
    自画自賛になりますが、味、雰囲気共にイタリア女性からの評判は上々です。』

三杉「そうですか、中華料理と聞いて意外に思いましたが…なるほど。
    エキゾチックなアジアの雰囲気は女性に好まれるのかも知れませんね。」

店員『柔軟性の高い思考をお持ちですね…左様です、まだ流行に乗ったとは言えませんが、
    男性よりも女性の方が客層としては多いです。 それから恋人同士のカップルもね。』

三杉(む…恋人同士……か。)

ズキン…と、この言葉に三杉の胸は痛んだ気がした。
だが電話先の店員がその事を知る筈もなく、彼はさらにプレゼンを進めていく。
味はこうだ、調理はこうだ、材料はこうだと、ほとんど自慢のような口調である。
それは自信の現れなのかも知れないが、三杉の頭には然程入っていかなかった。


817 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 14:53:37 ID:???

店員『…以上です、他に何かご質問はおありでしょうか?』

三杉「あ…そうだな……ドレスコードについてはどうでしょう?」

店員『そうですね、気軽な雰囲気も残したいという意味で、男性にはスーツからのドレスコードを
    お願い致しております。 女性の方も軽めのカクテルドレスで十分でございます。』

三杉「なるほど、ならばそこまで厳格な雰囲気という訳ではないのですね。
    どうやら緊張しないで済みそうです。」

あまりに絢爛豪華、固い空気でモニカが恐縮してしまう懸念はどうやらなさそうだと分かり、
三杉はまた改めて安堵した。 その声に店員は満足し、さらに話を続けてくる。

店員『御謙遜を…ああ、それから女性限定でのサービスもご用意しております。』

三杉「女性限定のサービス?」

店員『ええ、当店は1階がチャイナドレス専門のブティック&レンタルになっております。
    雰囲気をより楽しんで頂くため、女性の方に無料でドレスを貸し出してイルノデス。
    無論、お気に入りの品がございましたらご購入頂きたいのが本音ですがね。』

三杉(ふぅん…サービスが行き届いているというか、商売上手というか。)

あまりの手回しの良さに三杉は感嘆を覚えた。
だが、これならば何の心配もなく食事を楽しむ事が出来ると言えた。
三杉はそのまま明日の予約をお願いし、そして電話を切ったのだった。


818 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/02(日) 14:55:36 ID:???

三杉「やれやれ…慣れない土地ではディナー一つするのも大変だ。
    しかしチャイナドレスか…モニカは黒髪だからきっと似合う事だろう。」

三杉は少しばかり立ち止まり、明日のモニカの姿を想像(妄想)してしまった。
その妄想が、桃色の電磁波に乗ってモニカに伝わるとなどという事は、
海のミスギの目を以ってしても見抜く事は出来なかったのである。
そのモニカの姿と言うのは…


A ロングチャイナは確かに悪くない…スリット男のロマンだと言われても頷ける。
B ミニチャイナ…何故だろう、この僕でも男心を震わせられる。
C やはりカクテルドレスの姿がしっくりくる気がするな。
D いや…彼女は大人っぽい雰囲気だからイブニングドレスが似合うだろう。
E うーん…今日みたいなサッパリした服装しか想像できないな。

3票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


※意味ある選択ではありませんが、皆さまの想像力によっては大変重要な選択です。
 全力でお好みの選択をしたって下さい。


819 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 14:58:15 ID:qWSIk60M


820 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 15:40:57 ID:NentOy3c


821 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 18:15:01 ID:A30doPCw
3票か!
じゃBにも惹かれるけど高級店ってことで

A

822 :森崎名無しさん:2011/01/02(日) 23:48:46 ID:???
色気づくと負けフラグかなと思っちゃう、不思議

823 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/03(月) 05:17:01 ID:???


>>822 男ってそういう生き物ですよねーw
===============================================

>A ロングチャイナは確かに悪くない…「スリットは男のロマン」だと言われても頷ける。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ロングチャイナ…詰襟で横に深いスリットが入った、正式名称;マンダリン ガウン。
つまり、所謂ノーマルのチャイナドレスを身に付けたモニカの姿を三杉は想像していた。

この想像は、彼のエロチシズムやフェチシズムから出て来た発想とは言い難かった。
スレンダーな体型、長い脚、黒く長めの頭髪など…モニカの外見的特徴を思い出せば、
一般的なパーティドレスなどよりもチャイナドレスの方が遥かにフィットすると思われたのだ。

三杉(特に、彼女の長くてスレンダーな脚がスリットから垣間見えるとなれば、
    街行く数多の男性の心を魅了するのは疑いない事だろうな。)

などと三杉は考え、想像し、そして一人で納得していたわけだが…
やがてこの善からぬ想像と、それを平然と考察している自分の滑稽さに急に恥ずかしくなった。
いつの間にかこの想像の中に入り込んでいる自分に対しても。
そして今感じている不思議な感覚と共に、これを否定するのだった。


824 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/03(月) 05:18:35 ID:???

三杉(これはいけない…彼女が脚を露出すれば、それは確かに万人が魅力を感じる事とは思うが、
    その事を想像して悦に入るなんて見っとも無い事この上無いじゃないか。
    それに…何だかまるで明日の夜を凄く楽しみにしているみたいじゃないか?
    女性の知人と夕食を共にする、たったそれだけの事だと言うのに…。)

そうして彼は自らの浮かれかけていた心を戒めたのである。
浮かれて溺れるように女性と会う、それはいけない事だと彼は思っていた。
少なくとも、弥生が何も知らないまま…自分(三杉)の居場所すら知らないような
状態のままで、それを善しとする事は流石に出来なかった。

とは言え、他の女性と二人きりで食事する事を“青葉弥生が”裏切りと思うかどうか…
そこまで考えられなかった事は、貴公子としては不足する所があったと言わざるを得ない。
それが、女性との“まともな”付き合いの乏しさの結果だったとしても…。


このように三杉が男としての想像を働かせ、それを恥じている頃までに…
明日の相手であるモニカのサイドでもちょっとした物語があった。


825 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/03(月) 05:19:36 ID:???

<モニカの章>

モニカ・センペルテ・ディマーレは少なからず焦燥に駆られていた。
これまで男性に然程興味が無かった彼女が、珍しく憧れや尊敬を抱いた年上の男性…
即ちフィオレンティーナのジュン・ミスギに食事を誘われた、そこまでは良かった。
そう、そこまでは純粋に喜ばしいサプライズであったと言える。
問題なのは二つ、それがディナーだと言う事と日時が明日の晩だと言う事だった。



三杉「明日の晩にディナーをゆっくり楽しみたいと思っているんだが、構わないか?」

三杉のこの言葉を聞いた時、モニカの頭の中は一瞬で真っ白になった。
それもその筈…彼女は男性とディナーに行く為のオシャレ着を持っていなかったのだ。

そもそもモニカは男性とまともにデートした事もなかった。
しかし、それは彼女がモテナイという事を意味していない。
クラスメートの男性に誘われる事はあっても、彼女の目には相手が子供っぽく映っており、
どうにも二人きりで時間を過ごす事へ魅力を感じず、全て断っていたのだ。
やがて、誘われ、断る事を疎ましく感じるようになった彼女…
その服装が中性的な物になっていくのはどうにも仕方がない事だったと言える。
パーティーの際でもレディスジャケットでサッパリと決める彼女は、
プレイボーイの多いイタリア男子学生の間では“残念な美人”として有名だった。


826 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/03(月) 05:23:07 ID:???

モニカ「明日の晩…い、意外にすぐなんですね。」

こう答えて 考える時間を少しでも捻出しようという努力が、今の彼女の精一杯だった。
ランチであれば、一応所有している女性的な普段着を着ていくつもりだった。
しかしディナー(しかも貴公子相手)となると、ドレスコードによって、
最低でもカクテルドレス以上が必要になる事は想像に難くなかった。


三杉「…困る?」

モニカ(正直…困る……かな。 いつものレディスジャケットでもドレスコードはOKだと思うけれど、
     流石にそれを着ていく訳にはいかないもの…どうしよう、着ていく服が無い…。)

断る事も頭に過(よ)ぎったが、それはすぐさま彼女自身に否定された。
何故ならば、どうしても行きたいと言う思いが圧倒的に強いからである。
そして返事が求められている今の状況、彼女には考えている暇(いとま)は皆無だった。
気が付けば、彼女は次のように答えていた。

モニカ「いえ…大丈夫です。 ちょっと驚いただけで…。」

言っちゃったー、と内心パニック気味になるモニカ。
どうするアイフルそふとばんく 建て替えるならダイワハウチュ。
ハッキリ言って混乱する思いは大きかったが、それ以上に嬉しい気持ちも強かった。
結果 頭の中は±0であり、その表情には困惑も喜色も浮かばなかったのである。


827 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/03(月) 05:24:53 ID:???

三杉の表情を確認してみると、どうやら自分の言葉に対して苛立ちや呆れは抱いていないようだ。
その事にだけ安堵したモニカは再び頭を悩ませ始めるが…
だがその時、彼女の頭上に天啓とも呼ぶべき精神コマンド閃きが訪れた。
即ち…


先着で
 ★正月特番と思って下さい→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート→ナディアとクラウディアにドレスを貸して貰えるよう頼もうと考えた。
スペード→この場を解散したら大急ぎで買いに行こうと考えた。
クラブ→一回だけどんな攻撃も回避できる効果を得た。
JOKER→名門貴族である家の力(名前)を使うしかないと考えた。


※一旦ここまでです

828 :森崎名無しさん:2011/01/03(月) 06:00:16 ID:???
 ★正月特番と思って下さい→ スペードA

クラブAが出たら恥ずかしい格好でも耐えられるような不屈の精神が身に付くかもね!

829 :森崎名無しさん:2011/01/03(月) 09:18:15 ID:???
どう転んでも三杉が真剣なら応援するぞ

830 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/03(月) 11:52:50 ID:???

>>828 ダメダメ、それは『不屈』なのです、これはあくまで右から左へ受け流す『閃き』なのです。
>>829 ありがたいお言葉です、とは言え一体どうなるかは私にも分かりません…
===============================================

>スペード→この場を解散したら大急ぎで買いに行こうと考えた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

即ち、駐車場でフィオレンティーナのバスを見送り解散した後 大急ぎで買いに行こうという案だ。
ハッキリ言ってしまえば力技であり、閃きでも何でもありはしない。
しかし今のモニカにとっては、そんな案ですら天啓に等しい物であった。

モニカ(もちろん 都合良く私に似合う服が売っているとは限らない…
     よしんば あったとして、私がそれを見付けられるか分からない。
     でも今は、そんな事はどうでもいいの。 重要な事じゃないわ。)

当然起こり得る懸念、不安要素が心の中に浮かび上がり、モニカを動揺させようとしていた。
しかし今の彼女にとって、そんな事は取るに足らぬ瑣末な事であった。

モニカ(見付けられるか見付けられないかじゃない…見付けるの。
     そうよ、マタイの福音書がずっと前から教えてくれていたじゃない。)

求めつづけなさい。 そうすれば与えられます。
探しつづけなさい。 そうすれば見いだせます。
たたきつづけなさい。 そうすれば開かれます。

マタイの福音書7章の一節をモニカは思い出していた。
彼女も当然子供の頃から聖書に慣れ親しんで育ってきているが、
特にこの一節は勇気を与えられる気がして好きだった。

831 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/03(月) 11:55:00 ID:???

いつの間にかモニカが抱えていた混乱は収まっており、その目は静かで強い光を放っていた。
落ち着いた様子を察したのか、三杉はモニカに再び話しかけてきた。

三杉「モニカ、待ち合わせ場所だけど…あれ、聞いているかい?」

モニカ「あ、はい。 ごめんなさい、大丈夫です。」

三杉「そっか、じゃあ…ガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の下で19時に。」

ガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世…ミラノドゥオーモ広場北に位置した、
ミラノで最も栄えているショッピングアーケードの事である。
もしも仕立てや取り寄せが必要になったとしても、待ち合わせの場所がそのアーケード
ならば、時間的猶予は最も期待できる事は確定的に明らかだった。
つまりモニカに取っては非常に願ったり叶ったりの場所と言えた。

モニカ「(コクコク)分かりました、じゃあ19時に…。 あの、私ちょっとナディア達と…。」

三杉「ああ、すまないね、友達が居るのに。」

そう優しそうに言ってくれる三杉にペコリと一礼し、モニカはナディア達の方へと位置を移動した。
かなり慌てて混乱もしたが、自分のやるべき事がハッキリとしたのは満足すべきだった。
ホッとしながらナディアの傍までやってくると、彼女は顔を覗き込みながらこう言ってきた。

ナディア「にやにや、にやにや。」

モニカ「な、なによう。」


832 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/03(月) 11:57:53 ID:???

ナディア「なに話してたの〜? またまた私のイイ雰囲気レーダーに反応したんだけど〜。」

モニカ「プッ なんなの、そのレーダー。」

クラウディア「それだけ2人の周りの空気が違ってたって事よ。」

ナディアの不思議ちゃん発言に思わず吹いてしまうモニカ。
っしてクラウディアがその発言の解説をするのはいつもの事だった。
…その筈だが、モニカは今クラウディアの声に少し動揺した。
それは女の勘と言うか観察力が彼女にそうさせたのだ。

モニカ「あっクラウディア……。 っと…あの……明日一緒に食事する事にナリマシt…」

ナディア「本当!?」

クラウディア「あらあら、良かったじゃない!」

モニカ「ごめんなさい、クラウディア…アタシ…抜け駆けしちゃって…」

ついつい語尾が小さくなってしまうモニカ。
モニカはクラウディアも三杉に対して興味がある気がしていたのだ。
それなのに(テンパった結果とは言え)自分だけがアピールし、
そして食事誘われるまでなった事が少なからず後ろめたかった。
しかしクラウディアはそんなモニカの態度に笑って答えるのだった。


833 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/03(月) 11:59:26 ID:???

クラウディア「プフ そんな事 考えてたんだ? 大丈夫よ、私のは少し違うから。」

ナディア「…と、申されると!?」

だがモニカより速くクラウディアの言葉に興奮気味に食い付いたのはナディアの方だった。
余りの引きのよさにクラウディアはもう一度噴き出したのだった。

クラウディア「興味は確かにあったわ、あの人は兄さんがあの大けがで自暴自棄になっていた時、
        希望…って言うのかな、そういうのを与えてくれた人だからね。」

モニカ「そうなの!?」
ナディア「知らなかった!」

クラウディア「そうそう。 お陰で兄さんはサッカーを諦めず、治せる医者を求めて失踪して…
        治して戻ってきたかと思えば、今度はフィレンツェのクラブ寮に住み込むって話。
        兄さんにはサッカーなんてやめて欲しいと思っていた私にとっては、
        逆に引き離されるような形になっちゃったからね。
        凄い人と思う反面、一方的に恨んだりもしてたなー。」

モニカ「そっか…。」
ナディア「なるほど…クラウディアのサッカー嫌いって、そのせいだったんだね。」

クラウディア「うん、だから私がミスギさんを気にしているって思ったモニカは正解。
        でも所詮そこまでの興味だったから、モニカは私に対して遠慮する事ないんだよ?」

モニカ「そっか…ごめんね、ありがとう。」

ニコッと笑ってくれたクラウディアの顔がとてもとても綺麗だとモニカは思った。
何より自分に気を遣って、色々と吐露してくれた友人の優しさが心の奥まで染みた。
涙目でウルッときそうになるのをグッとこらえ、モニカは笑顔を返したのだった。


834 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/03(月) 12:02:45 ID:???

ナディア「それじゃ、三日後頑張ってね。 にこにこ。」

マルコ「うん、がっかりさせたくないしね。」

クラウディア「兄さんもね、辛い事あったらちゃんと言ってよ?」

バンビーノ「分かってるさ、心配するな。」

…その後 一同は駐車場に到着し、フィオレンティーナの選手達はバスに乗車していった。
ナディア達はローマ戦での応援を彼らに約束し、その姿を見送ったのだった。
モニカにとってはここから忙しい時間の始まりである。

モニカ「じゃあ2人とも、私ちょっと用事があるからここでお別れね。」

ナディア「あれ、そうなの? 一緒にジェラートでも食べようと思ってたんだけどな。」

クラウディア「用事って?」

モニカ「あ…うん、あの私ってディナーに着て行けるような女性らしい服って持って無くて…
     だから今から探そうと思ってるの。」

ナディア「えーーーーー!」

モニカの発言に驚きを一切隠さなかったのはナディア。
あまりの様子にモニカは思わず目をパチクリさせた。
そして、ナディアが続けて放った言葉に思わず苦笑してしまうのだった。


835 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/03(月) 12:06:20 ID:???

先着で
 ★その言葉とは→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、スペード→ナディア「水くさいよモニカ、私も一緒に探す!」 クラウディア「私もよ。」 
ハート→ナディア「今から探すって無理じゃない?」 クラウディア「私のドレス貸そうか?」
クラブ→ナディア「ダメだよ、モニカは美し格好良くなくちゃ! ど、ドレスなんて…!」
JOKER→イスラス「話は聞かせて貰った…」 ディッテン「オレ達に任せてくれ。」
クラブA→ルーベン「話は聞かせて貰ったぜ!」 ブルノ「オレ達に任せろってばよ!」
ハートA→ファルコーニ「話は聞かせて貰った…」 ピエトロ「クラウディア、デートしてくれぇぇ!」


836 :森崎名無しさん:2011/01/03(月) 12:41:05 ID:ksLBx6AI
★その言葉とは→ ハートK

837 :森崎名無しさん:2011/01/03(月) 12:51:18 ID:???
女性陣気合十分

838 :森崎名無しさん:2011/01/03(月) 12:59:17 ID:???
この分岐の多さなら
審判腐敗「ウム、話は聞かせて貰ったぞ!」 弟子「キングオブ○ートの名に掛けて!」
「「お前にィィッ!最高のおォォ!ドレスをォォ!」」

みたいなのが無くて良かったねw

839 :森崎名無しさん:2011/01/03(月) 13:34:17 ID:???
クラブAはやめろぉ!

840 :森崎名無しさん:2011/01/03(月) 13:55:23 ID:tTmTemrA
>>838
コ○パのオーダーメイドですね分かります

841 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 13:05:46 ID:???

>>837 2人とも実に協力的ですね。モニカが友人に恵まれているのか、カード神の運命力なのか…
>>838 マスターの事をしっかり覚えていてくれる>>838にスレ主は感激ww
    この場合ドレスは巨大な布切れになりますがw
>>839 どんな阿呆らしい展開になるか、ルーベンはともかくブルノさんは危険すぎる…
>>840 コスプレ衣装って安くなりましたよねー。
===============================================

ハート→ナディア「今から探すって無理じゃない?」 クラウディア「私のドレス貸そうか?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ナディア「今から探すって無理じゃない!? カクテルドレス探すのってかなり大変だよ?」

腕をワタワタと振りながら大慌て…といった様子でナディアはそう言った。
だがあまりに予想通りの内容で、モニカは思わず苦笑してしまう。

モニカ「やっぱりそうかな?」

ナディア「そりゃそうだよ、気に入るデザイン、色、サイズ、それと自分に似合うかとか…
      実際に見立てて試着もしなくちゃだし、そうそう数もこなせないよ。」

クラウディア「そうよ、コッチの方だってかかるし…私のドレス貸そうか? 」

ここは流石にクラウディアも口を挟んできた。
年頃の女性ならば自分のドレスを探してきており、その大変さは解っているのだ。
自分のドレスならばモニカのサイズには合う筈と、貸与を勧めてくれるのだった。
だが…


842 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 13:12:16 ID:???

モニカ「うん、ありがとうね2人とも。 でも…それは最後の手段にさせて?」

ナディア「なんで!?」
クラウディア「モニカ…」

モニカ「自分でね…探したいの。 見付けられないかもだし、妥協しなくちゃいけないのかも知れない。
     でもね、私は探す努力をしたいの。 必要ないからって、今迄女としての努力を怠ってたから、
     表面だけ着飾ったって私はきっとダメだと思うの、自信が持てる筈ないのよ。
     だからせめて、自分の足で探して、苦労して、納得して、それで明日に臨みたい。」

モニカはクラウディアの申し出を、感謝しながらも断った。
彼女は自分が今まで1人の女性として花開いていない自覚があった。
その為に必要な努力をサボってきたのだから当然と言えば当然である。
しかしその結果、初めて魅力を感じた男性を前に、最初から最後までテンパる失態を演じてしまった。

明日のディナーはモニカにとって、楽しみであると同時に恐怖でもあった。
だから彼女は少しでも努力し、その事で自分を納得させたいと考えていたのだ。

そしてこのモニカの言葉はクラウディア達の心に伝わる。
ただ目の前の事だけでなく、先の事も見据えた助力をしてあげたい気持ちにさせたのだった。

クラウディア「そっか…そうだよね。」
ナディア「うん、分かるわその気持ち。 女にとってデートは楽しみと同時に戦争だもの。」
      適当に合わせた格好で好きな人と一緒に居たくないよねー。」

モニカ「す、す、好きな人って…ま、まだ分かんないだから……。」


843 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 13:13:17 ID:???

クラウディア(ダメねこの娘。)
ナディア(早くなんとかしてあげたいわ。)

他愛もない単語でこれだけ赤面するモニカに乾いた笑いが出る2人。
モニカのしたいようにするのが良いと思う以上に、こりゃやらなきゃダメだと思うのだった。


モニカ「じゃ…私行くね?」

クラウディア「うん、困ったら連絡してね?」
ナディア「ウチで2人で涼んでるからさ。」

感謝を伝えてモニカは2人と別れ、そのままバスでミラノ大聖堂に向かった。
大聖堂の手前、ショッピングアーケードの入り口でバスを降り、そしてモニカは周囲を見渡した。

844 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 13:14:52 ID:???

先着で
 ★モニカの奇妙な冒険1→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート7以下→取り敢えず無難にブティック発見。
ハート8以上→…ランジェリーショップがモニカの目に留まった…だと……?
スペード→子供が泣いているのを発見。
クラブ→所在ないモニカに近づき、話しかける者が…(さらに分岐)
JOKER、ダイヤK→アーケードの奥にある中華テイストの店にビビっと電波を感じた。


845 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 13:22:49 ID:???
★モニカの奇妙な冒険1→ ダイヤ3

846 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 13:36:50 ID:???

すみませんが容量が現在572881バイトと心許ない気がするので、
このスレの本編はここでいったん終了とし、スレタイの募集とスレ末外伝に突入といきます。

スレタイのテンプレは以下の通りです、宜しくお願い致します。


【】Another-C_2【】

847 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 13:44:53 ID:???
乙です
【まさかの】Another-C_2【色恋沙汰】
【サッカーも】Another-C_2【やってるよ!】
【モテたっていいじゃない】Another-C_2【貴公子だもの】
【別枠で】Another-C_2【ヒロイン決定戦】

モニカたんええ子や…

848 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 13:48:10 ID:???

三杉達が強豪ユヴェントスを倒し、トーナメント準決勝に駒を進めている頃…
すでに敗れた者、再戦を誓っているライバル達、まだ見ぬ強敵…
彼らも次の闘いに向けた序章が例外なく訪れていた。


先着で
 ★さーて、今回の外伝は?→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→ピエールの章
ハート→ヘルナンデスの章
スペード→ルーベンの章
クラブ→ブルノの章
クラブA→いきなり最終回……あれっ?
JOKER→ジャイロの章……はぁ?


849 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 13:49:06 ID:???
★さーて、今回の外伝は?→ スペードK

850 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 14:21:40 ID:???

>スペード→ルーベンの章
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ルーベン・ソサ・アルダイス…インテル・ミラノの攻撃の要となっていた選手。
恵まれた体躯による力強いドリブル、ダイナミックな守備…
それに加えて、彼には伝説のコーチ;ジョアン・ウェンガーから授かったテクニックを有していた。
彼は自分の実力に自信を持っていたし、周囲もそれを認めていた。

ルーベンの攻撃力とヘルナンデスの守備力、この二つがあればインテルは十分に強豪であった。
普段行なわれているカンピオナート・プリマヴェーラでも勝ち星を多く挙げており、
最も重要なACミランとのダービー戦においては全戦全勝という強さを誇っていた。

当然ながら、今回のコッパ・イタリア・プリマヴェーラでも優勝戦線に食い込むだろうと思われたが…
蓋を開けてみれば惨憺たる戦績で予選落ちという驚くべき結果だった。
凋落しつつあるフィオレンティーナに0-3、サッカー文化の遅れている南伊のレッチェにも0-3。
インテルにとっては屈辱の結果としか言いようが無かった。
予選敗退が決まった日の夜、彼らは例外なく暗くなった部屋で体育座りを余儀なくされていた。

その後…プレイの散漫さとヘルナンデスの怪我を理由に、ルーベンは戦犯として扱われていた。
それまで彼はチーム内での発言力も大きく、王様のように振る舞っていた。

851 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 14:25:09 ID:???

…しかしそれが許されたのは、チームを勝たせている間だけであった。
謙虚さが無く、プレイも自分勝手であった彼を弁護する者は誰も居なかったのだ。
そして何より彼自身、その事に対する言い訳もしようとしなかった。
まるで、そんな事は意味が無いかと思わせるよう静かにしていたのである。


先着で
 ★なにがあった?→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→レッチェ戦の敗戦後、ルーベンは抜け殻のようになっていた。 言い訳する気力もない。
ハート、スペード、クラブ→あのチームに入れない事をジョアンの口から正式に告げられていた。
クラブA→自分のプレイ態度が間違っていたのではないかと疑問を感じていた。
JOKER→自分のプレイ態度が間違っていたと本気で反省していた。


852 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 14:27:35 ID:???
 ★なにがあった?→ クラブJ

853 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 14:55:10 ID:???
【恋の】Another-C_2【奴隷】
【びーくーる】Another-C_2【びーくーる】
【次の主役は】Another-C_2【君に決めた】
【解析はまかせろー】Another-C_2【バリバリー】
【理屈じゃ】Another-C_2【ない】
【貴公子の】Another-C_2【駆け引き】
【ポーカー】Another-C_2【ゲーム】

854 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 15:20:10 ID:???

>クラブ→あのチームに入れない事をジョアンの口から正式に告げられていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ルーベン「はぁあ…なんでこんな事になっちまったんだろうなぁ…
      一体全体、どうしてこうなった?」

人の気配が全くない小さな市民広場で、ルーベンはただ一人でボヤいていた。
今日はコッパ・イタリア・プリマヴェーラの決勝トーナメント初日、しかもACミランの試合が2戦目に
予定されているのだ。 例外なくサッカー狂であるミラノ市民はこぞってサン・シーロに集まっている。
そんな日ともなれば、この市民グラウンドは当然のように閑散となってしまう。
しかしそれがルーベンにとって都合良かった。
今の彼は人に居ない場所に居たかったのだ。

ルーベン「はぁ……マジでどうしてこうなった?」

ルーベンはベンチに座り、何度繰り返したか判らない疑問を再び呟いた。
しかし、どうしてこうなったかの原因を考える殊勝さは持っていない。

『ただ不運が訪れた、自分に落ち度なんかない』

こういう前提を捨てる気は彼には更々なかったのである。
そして思い出される衝撃の言葉。


855 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 15:20:42 ID:???
【マジックテープの】Another-C_2【奇跡】
【マジックテープに】Another-C_2【市民権を】
【正装と】Another-C_2【マジックテープ】

856 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 15:23:50 ID:???

〜回想・2日前〜

予選最終戦が終わった翌日、ルーベンはジョアンから呼び出されていた。
彼は大慌てで、呼び出しのあった駅前のカフェへと向かったのである。

ルーベン「(や)っべー、(や)っべーよこりゃ、ジョアンの爺ぃ 直々の呼び出しキタゼこれ…!
      そうだよ、予選落ちしたってオレの実力は変わらねえよな。
      決勝トーナメントに行けなきゃ落第なんて方便だったんだ、きっとそうだ!」

自らの希望的観測を口にしながらルーベンは歩みを急いだ。
早く安心したい、自信を取り戻させて欲しい、そんな気持ちが彼を急がせていた。
目的のカフェに到着して席を見渡すと、すぐにその人物は見付かった。
ジョアン・ウェンガー、かつてブラジルの名門 FCサンパウロのトップチームで監督を務め、
今はフィオレンティーナにて特別待遇のコーチを務めている老人がそこに居た。


ブル…

先程まで大口を叩いていたルーベンも、本人を前にして流石に緊張した。
ジョアンは老人とは思えない若々しい雰囲気を醸し出し、その眼光は未だ猛禽のように鋭かった。
数年前ウルグアイに出会って以来、その頃と全く変わりない空気がこの老人の周囲にはある。

857 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 15:25:33 ID:???

ルーベン「ご、御無沙汰しております…ジョアンさん。」

ジョアン「うむ…。 どうだ、フィオレンティーナとレッチェは手強かったか?」

型通りの挨拶などどうでも良いとばかりに、ジョアンはいきなり切り込んできた。
ルーベンは動揺する自分を抑えつけ、どう答えるべきかを頭の中で計算する。


先着で
 ★ルーベンの奇妙な言い訳→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→いや、もう少し本気出せばあんな奴らチョチョイのチョイでしたね。
ハート→そうっすね、チーム力の差が出ましたね。ウチの雑魚共がもう少し使い物になってりゃ…。
スペード→流石に強力でしたよ、兄弟弟子があんなに居てはね。
クラブ、JOKER→確かに強かった…ですが、オレももう少し考えてプレイするべきでしたよ。


858 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 15:27:24 ID:???
 ★ルーベンの奇妙な言い訳→ クラブ4
ここだ・・・ここでダメダメな言い訳を・・・!

859 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 15:27:51 ID:RxFPZ0Qc
★ルーベンの奇妙な言い訳→ ハート3

860 :逆襲の若島津 ◆KDdgoChxgs :2011/01/04(火) 15:27:59 ID:7BLMwFC+
 ★ルーベンの奇妙な言い訳→ ハート10
地獄のルーベンですね、分かります。

861 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 15:37:23 ID:???
綺麗なルーベン・・・だと・・・?

862 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 15:42:46 ID:???
いや、これは本心じゃなく言い訳だけの展開と見た
JOKERならマジで改心してたんだろうけどw

863 :855:2011/01/04(火) 15:51:58 ID:???
【貴公子と】Another-C_2【恋のマジック】

変なタイミングで書き込んですみませんでした

864 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 16:06:20 ID:???
>>863 いえいえ、お気になさらず。 それよりもスレタイありがとうございますw
===============================================

>クラブ→確かに強かった…ですが、オレももう少し考えてプレイするべきでしたよ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

その結果、何を言ったところで負けは負け…強気に出ても恥の上塗りだと、そこまでは気付いた。
…となれば、ここは殊勝な態度を取らない手はない。

ルーベン「そうっすね、確かに強かった…ですが、オレももう少し考えてプレイするべきでしたよ。」

ジョアン「ほう?」
??「なるほど…」

この回答が意外だったのか、ジョアンは座りなおして僅かに身を乗り出す。
またルーベンの後ろの席に座っていた人物が、彼の言葉に反応した事をルーベン自身は気付かなかった。
ルーベンにとっては目の前の老人の一挙手一投足だけが重要であり、それ以外は意識の外だった。

ルーベン(よっしゃ、これ大正解じゃね? これでジョアンの好感度は鰻登り、オレ選出間違いなし!)

ジョアン「では聞こうか…考えてと言ったが、具体的にどうすべきだったと言うのだ?」

内心ガッツポーズをエビ反り空中三回転で決めていたルーベン…
だが…当然ジョアンがこれだけで満足した筈はなかった。

865 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 16:08:38 ID:???

その言葉が何を意図しているのか、その事についてジョアンは再びルーベンに問う。
ぶっちゃけギクリとした事は胸の内に隠し、ルーベンは更に頭を働かせた。

ルーベン「それはもう…」


先着で
 ★ルーベンの輝かしい言い訳→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→嫌だなあジョアンさん、それをこれから考えるんじゃないですか。
ハート、スペード→フィオレンティーナ戦の前半は好調でしたからね…あとはマリーシアがあれば。
クラブ→アオイって猿をですね、ラインコントロールに使ってりゃ…もう少しね。
JOKER→単独で撃てる必殺シュートくらいは編み出して臨むべきでした。


866 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 16:13:06 ID:???
★ルーベンの輝かしい言い訳→ クラブQ
さあどうなる。

867 :866:2011/01/04(火) 16:14:13 ID:???
なにぃ!?判定3連続クラブだとぉ!?

868 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 16:23:10 ID:???
ルーベンさん綱渡りしてるなw途中から切れてるけどw

869 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 16:37:04 ID:???

>>867 ルーベンさんはこの時の為に運を残していたんですね!
>>868 ガラスのロープを目隠しで渡るルーベンさんに乾杯っすw
==============================================

>クラブ→アオイって猿をですね、ラインコントロールに使ってりゃ…もう少しね。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ルーベン「アオイって猿をですね、ラインコントロールに使ってりゃ…もう少しね。
      少なくともレッチェ相手にあれだけ無様を晒す事は無かったでしょう…。」

ルーベンは一応、本当に一応考えるべき事は考えていた。
フィオレンティーナとレッチェの試合だって、苛々しつつも観戦した。
お陰でレッチェの生命線はオフサイド、弱点はサイドアタックとまで把握していたのだ。
そしてその弱点を突くのに打って付けな選手がインテルに居る事も分かっていた。
当然それは太陽王子(プリンチペ・デル・ソーレ) 葵新伍の事であった。

ジョアン「なるほどな…確かに考えていたのはウソではないようだ。
      貴様の見立ては間違っていないぞ。」

ルーベン(やったー! 神様、オレ様、マジ感謝! 来スレからキャプテンルーベン始まるよ!)

どうやらこの回答も正解だったらしい。
ジョアンは納得したように頷き、ルーベンの言葉を肯定していた。
この時のルーベンの気分は、まさに希望に明日にレディーゴーだったと言えよう。


870 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 16:38:56 ID:???

ジョアン「だがしかし…!」

天に昇っていたルーベンは三度現実に引き戻された。
これ以上何かあるのか、もうないだろう、とルーベンは焦燥を蹴り飛ばす。

ジョアン「仮にサイドアタックが成功したとして、レッチェゴールをこじ開けられるか?
      貴様の持つフィニッシュシュートは何だったかな?」

ルーベン「そりゃもうテトラヒドロンシュートとダイビングボレーですよ。
      テトラヒドロンは撃てませんが、ダイビングボレーならあんなGK…」

先着で
 ★この大言壮語への反応→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→低い浮き球のシュートでディッテンベルガの壁を越えられると思っていたのか?
ハート、スペード→ふぅ…まあいい。 せめて最後にアドバイスをくれてやろう。
クラブ→まぁいい…ならば最後のチャンスをやろう。
JOKER、クラブA→ブルノ「ちょっと待った! 聞き捨てなんねぇってばよ!」


871 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 16:41:36 ID:???
★この大言壮語への反応→ スペード8
ルーベンさん、安らかに眠れ・・

872 :逆襲の若島津 ◆KDdgoChxgs :2011/01/04(火) 16:43:30 ID:7BLMwFC+
★この大言壮語への反応→ クラブ6


873 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 16:51:46 ID:???
よくぞ綱渡りを続けたがルーベンさんの運もついに尽きたかw

874 :森崎名無しさん:2011/01/04(火) 17:08:29 ID:???
【僕がフック面なら】Another-C_2【君はループ面】

875 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 17:17:48 ID:???

>スペード→ふぅ…まあいい。 せめて最後にアドバイスをくれてやろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ジョアン「その通り、お前のシュート力なら あんなザルキーパー目ではない。」

…という答えをルーベンは期待していた。
期待というよりも、それは確信だったと言って良い。
故に、ジョアンが目の前で溜息を吐いた時…彼の思考はそこで停止した。

ジョアン「ふぅ…まあいい。 せめて最後にアドバイスをくれてやろう。」

ルーベン(あれ? あれ?)

最後のアドバイス…その言葉が意味する事をルーベンは察知していた。
しかしその事を理解する事も認める事も出来なかった。
彼は自分がカンピオーネに選ばれる事だけを信じており、それ以外の現実は信じていなかった。

ルーベン「ちょっ! ジョアンさん、最後のアドバイスってどういう事ですか!?」

ジョアン「言葉通り、お前は私の弟子としては落第だ。
      考えてその程度の認識ならば、私のチームには要らん。」

ルーベン「そんなバカなっ…!」


876 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2011/01/04(火) 17:23:37 ID:???

ジョアン「しかしサッカー選手として今後の見込みがないわけではない。
      フィジカル、テクニック共に充分な実力を有しているのだからな。
      しかしそれは私の弟子のほぼ全てに言える事だ、図に乗るような事ではない。」

ルーベン「ううっ………」

ジョアンの言葉は冷淡であり、ルーベンの異議にまるで聞く耳を持つ様子は無かった。
意識を失いそうになルーベンの耳に入ってくる言葉は、彼が最も聞きたくない内容だった。
自分が他の選手と比べて何ら特別ではないという現実。

ジョアン「テトラヒドロンシュート…確かに威力は大したものだ。
      だがお前はあのシュートを他のチームに移っても使えると思っていたのか?」

ルーベン「それは…!」

ジョアン「お前の為にチームがあるんじゃない、チームの為にお前がいるんだ。
      勘違いするな、使われる立場になった時、それでも生きていける術を私は教えて来た。
      これから先、もしも大成したいと考えるならば その言葉の意味を考えるがいい。」

私が言いたいのはそれだけだ…そう締め括ったジョアンの声をルーベンは絶望的に聞いていた。
自分はいつだって使う立場にある、彼はそう信じてプレイをしてきた。
テトラヒドロンシュートはその主従関係を具現化した、彼のお気に入りのシュートだったのである。
だがそれこそがジョアンの不興を買った最たる物とジョアンは言ったのだ。

このアドバイスは、ルーベンに単独でゴールを決める術を身につける事を勧めた物だった。
しかしルーベンはこの時点でそこまで思考を繋げる事は出来なかった。
テトラヒドロンの否定、自分の否定、この時はそれだけがルーベンの頭を巡っていた。

〜回想終わり〜

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