キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【魔界の】幻想のポイズン50【軽業師】

1 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/02/27(日) 23:00:48 ID:???
全幻想郷JrユースのFW、反町一樹が幻想郷・外の世界のサッカー界に旋風を巻き起こすというスレです。
この話はキャプテン森崎のパラレル作品で、
東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
もしかしたら他のアニメや漫画、小説などからもキャラが出たりするかもしれませんがご了承下さい。

本編のように、選択肢を選んだりカードを引いたりして物語が進んでいきます。

【前スレ】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1296050878/l50

[前スレのわかりやすいあらすじ。]
スウェーデンJrユース、サンパウロFCと並み居る強敵を撃破してきた幻想郷Jrユース。
合宿もラストスパートに入り、更に練習に励む中。
最後に現れた練習試合の相手は、魔界で修行し力をつけた新鋭チーム――命蓮寺ナムサンズ。
命蓮寺の代表・聖白蓮。過去の偉大なプレイヤー・博麗靈夢。そして、魔界の軽技師・佐野満。
彼らを中心としたチームに、果たして幻想郷Jrユースは打ち勝つ事が出来るのか!?

反町「きみは ゆくえふめいになっていた さの じゃないか!」
魔理沙「魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様魅魔様」
霊夢「私はババアを超えるぞJOJOー!」
佐野「ドリブル特化だがドリブルした瞬間エースに止められた。 な、なにを(ry」
リグル「得点も取って守備もして更にボールも運ぶ! エースに課せられる仕事は多い!」
パチュリー「リグル最高や! 他のFWなんていらんかったんや!!」
早苗「ゴールは絶対許早苗!」
星「これでも世界トップレベルのシュートなんですけどね……」
ナズーリン「メンチ乙」

ボス戦だけあって流石に強いぞ命蓮寺! 1点リードしているけど幻想郷Jrユースは勝てるのか!?
そんな幻想のポイズンも記念すべき50スレ目、これからもよろしくお願いします。

583 :森崎名無しさん:2011/04/13(水) 00:18:42 ID:???
ヒャッハー更新再開キター!

584 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/13(水) 00:19:10 ID:???
★魔理沙の活躍→( スペード9 )
 リグルの活躍→( クラブA )-(ガッツカツカツ-3)★
★霊夢の活躍→( スペード4 )
 反町の活躍→( クラブ6 )
 パルスィの活躍→( ダイヤ9 )
 ヒューイの活躍→( スペード2 )
 咲夜の活躍→( ハート5 )★
★妖精1の活躍→( クラブ3 )
 穣子の活躍→( クラブQ )
 妹紅の活躍→( スペード3 )★
★早苗の活躍→( JOKER )★
★妖夢 輝夜の評価 ( ハートA ) 4+( 1 + 3 )+(才能有り+1)=9
 うどんげ 輝夜の評価 ( スペード7 ) 4+( 4 + 4 )+ (身内+1)=13
 美鈴 輝夜の評価 ( ハートK ) 2+( 3 + 5 )= 10
 お空 輝夜の評価 ( ダイヤ2 ) 2+( 2 + 1 )=5★
★静葉 輝夜の評価 ( スペードK ) 3+( 4 + 3 )+(知性派+1)=11★
 メディスン 輝夜の評価 ( ダイヤ3 ) 2+( 3 + 6 )= 11
 てゐ 輝夜の評価 ( ハート7 ) 0+( 5 + 3 )+(身内+1)=9
 パチュリー 輝夜の評価 ( ハートA ) 7+( 1 + 6 )+(無理させられない-4)=10★
★にとり 輝夜の評価 ( スペード10 ) 4+( 2 + 1 )=7
 チルノ 輝夜の評価 ( スペードA ) 0+( 6 + 3 )=9
 レティ 輝夜の評価 ( クラブA ) 4+( 4 + 1 )= 9
 キスメ 輝夜の評価 ( ハート7 ) 1+( 4 + 5 )= 10★
★大妖精 輝夜の評価 ( クラブ6 ) 3+( 6 + 6 )= 15
 ヤマメ 輝夜の評価 ( ハートJ ) 2+( 4 + 3 )= 9★
>リグル・霊夢・咲夜・ヒューイ・妖精1・妹紅が下がり、うどんげ・美鈴・静葉・メディスン・大妖精・キスメ投入。
>穣子が活躍。静葉と美鈴が活躍し覚醒フラグ取得。早苗が大活躍し覚醒。
============================================================================================

585 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/13(水) 00:20:31 ID:???
3点を取り、靈夢が引き、前半残すところ10分。
ここでまず輝夜が取った交代策は、何はなくとも、まずは体力に不安が残るリグルを下げるというものだった。
これにはリグルがまだハットトリックをしていないからと文句を言うのだが……。
しかし、当然ながらそんな言葉は聞き入れられず、リグルと入れ替わりに美鈴が投入される。

翼「くっ……リグルをここで下げる、か。
  確かにこの試合は練習試合……それに、既に勝敗は決したようなものだ。
  怪我の可能性や情報の露出を恐れれば、ベンチに下げるのも当然か。
  だが、本音を言えばもっとリグルのプレイを……!!」

ドゴォッ!!

翼「ぐふっ……!?」
日向「……少し黙ってろ」
森崎「(ふぅ、やっと静かになったか……日向も稀には役に立つもんだ)」
三杉「(次に目が覚めた時は正気に戻っている事を祈ろう……)」
藍「今、酷い暴行事件を見た」
天子「私のログには何も無いんだが?」

なお、この交代劇の際、この試合を観戦中何かおかしくなってしまった全日本のエースが。
リグルの交代に対してぶつぶつと文句を言っていたが……。
同じく全日本のエースストライカーの手により、(強引に)黙らされていた。

586 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/13(水) 00:21:31 ID:???
さて、こうしてリグルが美鈴と交代――更には既にやる気をなくしてきていた霊夢が静葉に代えられた所で。
再び命蓮寺ナムサンズのボールで試合は再開される。
しかし、既に靈夢が交代をして圧倒的であった中盤の優位性も無くなった命蓮寺。
残り時間が少ないという事もあってか、効果的な攻撃をする事も出来ずそのまま前半は終了。
そして、仕切りなおしとばかりにハーフタイムを挟んだ後、今度こそ得点をと今度は佐野自らがパスを使い攻撃を開始しようとするが……。

バシュッ!

静葉「(守備は苦手だけれど、パスカットならまだ……!)はっ!!」
佐野「く、くそっ……! なんで……」

このパスは出番に飢え、積極的に監督である輝夜にアピールをしようとしていた静葉にカットされてしまう。
こうして完全に出鼻をくじかれた命蓮寺は、その後も精彩を欠き攻撃らしい攻撃が出来ず。
後半開始から丁度10分の頃、逆に幻想郷に攻め込まれ新たに入ったFW――美鈴へのパスを通してしまう。

パルスィ「(あいつはあまり妬ましくない……よし!)撃ちなさい!」
美鈴「き、きたっ! ホイチョォオオオオッ!!」

ビョインッ! バコォンッ!!

低い弾道でやってきたボールに対しあわせ。
美鈴は天性のバネと拳法で培った強靭な足腰を使ったシュートを打ち込む。
しかし、如何に3失点を喫そうとも命蓮寺も早々簡単に失点は許せないと、GKの一輪が辛うじてパンチングに成功するのだが……。

一輪「だっ、誰かクリアーを……」
魔理沙「お、タナボタだな」
一輪「ちょっ……!?」

587 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/13(水) 00:22:36 ID:???
不運にも、一輪の弾き返したボールを拾ったのは――霧雨魔理沙。
殆どの者達が美鈴のシュートのクリアーに向かっていた為、魔理沙はノーマークに近く。
唯一、ボランチである白蓮だけがシュートコースに飛び込めたのだが……。

グォオオオッ!!

魔理沙「食らえ命蓮寺ナムサンズ! こいつが私の……ファイナルスパークだァァァアアッ!!!」
白蓮「これ以上失点は……!」
佐野「!? だ、駄目だ白蓮さん! 飛び込むなぁぁぁ!!」

バゴッ……ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!

白蓮「きゃああああっ!?」
一輪「ぐへあああっ!?」

バギィッ!! バシュウウッ!!

如何に肉体を強化していようとも、決してブロックが得意とは言えない白蓮。
そんな白蓮が魔理沙のファイナルスパークを止められる筈もなく。
また、体勢を崩していた一輪が弾き返せる筈もなく。
こうして後半12分、美鈴の零れ球に詰めていた魔理沙の手により4点目を幻想郷が奪取する。
そして、命蓮寺にとっては不幸な事に、この魔理沙のシュートによって吹き飛ばされた白蓮はとうとう体力が底をつく。
結果、靈夢と白蓮という主柱を2人も失った命蓮寺は、点差以上に更なる劣勢に追い込まれる事となってしまった。

魔理沙「(よし、見てくれたか魅魔様! 魅魔様のくれたブラックボールで編み出した技だぜ!)」
美鈴「(うう、シュート力では魔理沙さんや反町さんはおろか、リグルちゃんにも敵わないんですよねぇ……。
    でも、さっきのシュートで何かコツがつかめたような……)」

588 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/13(水) 00:23:37 ID:???
4−0となり、ここで輝夜は咲夜とヒューイという2人のボランチをうどんげとメディスンに交代。
メディスンをボランチに配置し、うどんげを左ウイングとして試合を再開する。
完全なセーフティリードとなったこの段階で、ほぼレギュラーが確定している2人を使い続けるよりは。
レギュラーかベンチかの瀬戸際である選手達を起用した方がいいだろうという判断によるものだった。
しかし、やはり守備の要と言える咲夜とヒューイを外した事。
そして、霊夢に替えて守備にまるで定評の無い静葉を投入した事が影響をしたか。
ここにきて、ようやく命蓮寺ナムサンズは徐々に攻撃を成功させる回数を増やす。
後半25分付近になり、合計3本のシュートを撃つ事が出来たのだが……。

ぬえ「やっちゃえ、ルーミア!」
ルーミア「わはー、ノートラップランニング……」
早苗「(この程度なら……)パンチングで十分ですッ!」

バチィッ!!

ジョン「あぁぁぁ〜っとぉ! 駄目です、命蓮寺、点を奪えないィ!!
    幻想郷が誇る奇跡のゴールキーパー、東風谷早苗選手!
    ここまでシュートを何本も打たれていますが……しかし、全てを防ぎきっています!」

星やルーミアの全力のシュートも、しかし、早苗のセービングの前には通用しない。
そして、躍起になり前がかりになっていた命蓮寺ナムサンズは、逆にカウンターを食らい。
ボールを持った反町のロングシュートによって、後半30分、5点目を献上する事となる。

一輪「ひぃっ……ひぃっ……はぁっ……! す、すみません……私も、これで限界……」
佐野「一さん……」

そして、ここまで命蓮寺のゴールキーパーを務めていた雲居一輪も度重なる吹っ飛ばされの前にKO。
こうして正ゴールキーパーまでも失い、しかし、それでも試合はまだ終わらない。

589 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/13(水) 00:24:37 ID:???
次に輝夜はここで妹紅と妖精1を下げ、大妖精とキスメを投入。
早苗をMFとして使う機会を考え、早苗をMFへ上げて大妖精をGKの位置へと配置する。
これを見て、この試合を偵察に来ていた者達の殆どは何故GKがフィールダー出場しているのかと目を丸くしたのだが……。
同行をしていた幻想郷からの派遣選手らに、早苗のドリブルセンスなどをとくと説き、説明をするのだった。

そして、再び試合が再開すると……。
半信半疑の思いで早苗を見つめていた観客達は、その早苗の常識外れなドリブルを見て目を丸くして驚くのだった。

シャシャシャッ! バババッ!!

早苗「それっ!」
星「くっ……な、なんでこんな……」
ルーミア「わはー!?」

ジョン「あーっとォ!? 早苗選手、ボールを持つや否やそのまま中央突破ァァァ!!
    凄まじい! 凄まじいドリブル技術ですッ!!
    これでGKだと言うのだから本当にとんでもないっ!
    早苗選手、命蓮寺選手陣をごぼう抜きィィッ!!」

反町「(……またドリブル上手くなってないか、早苗さん?)」
パルスィ「妬ましい……私がどんどん目立たなくなって妬ましい……!!」
早苗「(よし……このまま一気にドリブルゴールですッ!!)」

これまでの練習試合で殆ど活躍の機会が無かった為か、生き生きとした表情でドリブルをする早苗。
そのドリブルのスピード、技術は以前のそれよりも大きく向上しており……。
早苗はそのまま中央を突破し、一輪の代わりに入った雑魚キーパーをも抜き去ってドリブルゴールに成功。
こうして後半40分、点差はついに6点へと開いたのだった。

590 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/13(水) 00:25:42 ID:???
佐野「……うおおおおおおおおっ!!」

そして、残り時間がいよいよ5分を切った中での、キックオフ。
もはや逆転や同点どころか、1点を取ることすら難しく思えてくるこの状況で……。
佐野は最後の手段として、自身での突破に全てを賭けた。
ヒューイや咲夜といったタックルを得意とするボランチがいない今。
そして、命蓮寺側に白蓮や靈夢といった主柱がいない今、佐野が持ってあがるより他に攻撃手段は無い。
最後の意地とばかりに、魔理沙と美鈴を抜き、守備力が低い早苗と静葉を抜き去る佐野。
せめて1点だけでも返さなければ、自分のやってきた事の全てが否定されるような気がして。
佐野満は、全力で中央を走りぬけようとした……しかし。

反町「そこだっ!」
佐野「っ!?」

バチィッ!!

佐野の我武者羅なドリブルを、反町は横から入り込むようにしてスライディングタックル。
完全に奪う事こそ出来ないものの、しかし、零れ球にする事に成功し……。

591 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/13(水) 00:26:44 ID:???
星「ま、まだ……」
穣子「やらせないってェの!」

バキャッ!!

この零れ球を拾った星に素早くチェックに向かった穣子が、ボールを奪う事に成功。
こうして結局、命蓮寺ナムサンズは幻想郷Jrユースに一矢報いる事すら出来ず。
6−0……幻想郷Jrユースの快勝という形で、練習試合は幕を閉じるのだった。

ピッピッピィーッ!!

試合終了

幻想郷Jrユース 6−0 命蓮寺ナムサンズ

※静葉が覚醒フラグを回収し全能力+1、更にスキル・パスカット+1習得。美鈴が覚醒フラグ・シュートフラグを習得。
 早苗が覚醒し全能力+1、更に必殺ドリブル「海の割れる日」を習得。

592 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/13(水) 00:27:56 ID:???
短いですがとりあえずここまで。
しばらくは選択肢が出てこないかもしれませんがご了承下さい。
それでは、お疲れ様でした。

593 :森崎名無しさん:2011/04/13(水) 00:28:19 ID:???
乙でしたー

静葉は既に覚醒フラグあったような…
最初の紅白戦で最後のほうで

594 :森崎名無しさん:2011/04/13(水) 00:31:16 ID:???
お疲れ様でした
次藤さんはどんな気持ちなんだろ

>>593
>>592でちゃんと回収されてる

595 :森崎名無しさん:2011/04/13(水) 00:32:31 ID:???
すいません>>584で覚醒フラグ取得って書いてあったから何か勘違いしました…

596 :森崎名無しさん:2011/04/13(水) 00:46:59 ID:???
無理せずご自分のペースとスタンスで進めていってくださいね。
合わせるのは参加させていただいている我々の側の責務なのですから。
それでは久々の乙でした〜!

597 :森崎名無しさん:2011/04/13(水) 05:50:53 ID:???
おお。更新されてたーーー おかえりーーー

なんというか、のんびり気楽にやって下さいな
気分が乗った時に更新すりゃいいんですよ


598 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/14(木) 00:47:07 ID:???
前後半、あわせて90分。
命蓮寺ナムサンズにとっては、地獄のような長い90分が終わった。
6−0……サッカーのスコアでは、あり得てはならないスコア。
幻想郷Jrユースと命蓮寺ナムサンズの間には、そこまでの戦力差があったのか。
どうしてこうなったのかは、観客達には到底わからない。
だが、そんな彼ら……彼女らも……しかし、この試合を見て、当然ながら大きな警戒心を幻想郷へ――。
否――反町一樹へと、抱いていた。

日向「………………」
三杉「(相も変わらず……いや……かつてよりも、更に爆発的な破壊力になっている。
    しかもそれでいて、弱点だった突破力なども強化がされているな……)」
藍「……森崎君、どうだい? 今の君なら、反町君のシュートを止められるかな?」
森崎「……ったり前ですよ。 (……超化を使って、ギリギリって所だろうがな。
   日向やシュナイダーがかわいく思えるぜ。 あれ本当に反町か?)」
三杉「(強がりだな……森崎でも止められるとは言い切れない。 零れ球に出来るのが限界だろう。
    何より、幻想郷にはゴールを狙える選手が多い。 森崎のスタミナがまず持たない。
    ……やはり、如何にして撃たせないようにするかが重要になってくるか)」
早田「(反町……本当にもう、何がどうなっちまってんだ? 俺にはもう、何もわかんねぇよ)」
次籐「(佐野……)」
翼「……ハッ!! リ、リグルはどうなったんだ!?」

ドゴォッ!!

翼「ぐぶぅっ……」
日向「いいから寝てろ」

反町と近しかった者は、やはりそのギャップに苦しみ。佐野と近しかった者は、佐野の身を思い……。
そして、全日本のストライカーは反町のでたらめな決定力に未だ劣る自身に怒りを感じ……。
全日本の守護神は、精一杯の虚勢を張りつつ……如何にして反町を封じ込めるか、懸命に策を練ろうとしていた。
尚、大空翼は再び日向のボディーブローで深い眠りについていた。

599 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/14(木) 00:48:14 ID:???
シュナイダー「……"現時点"では、最高峰のストライカー……か」
カルツ「……(予想外じゃった。 まさか、あれからまだ伸びるとは……。
    シュナイダーちゃんのファイヤーショットも、あいつのドライブシュートの前じゃ子供だましみたいなもんじゃないか。
    ええい、反町の奴はどんだけ伸びるっちゅうんじゃ……)」
レミリア「ギリギリギリギリ……」
シュナイダー「(11番(魔理沙)や19番(リグル)のシュートならば、ミューラーでも止める目はある。
        だが……やはり奴のシュートだけは止めようも無いか)」

西尾浩司?改め、ヘルマン=カルツ。
反町一樹を、三杉淳と同様幻想郷にて常に見てきた彼は――。
しかし、このシュートを見て、その細い目を丸くして驚いていた。
彼の予想を大きく上回る反町のシュート力……それは、自身のチームにいる2人のストライカーを遥かに凌駕している。
そして、その2人のストライカーの内、1人は静かに闘志を燃やしながら冷静に反町の力を分析し……。
もう1人は、ただギリギリと歯軋りをしながら反町をねめつけていた。

萃香「いやぁ、反町のシュートは相変わらず凄いね!
   うんうん、これでこそ勝負のしがいがあるってもんさ! 大会が楽しくなってきたよ!」
勇儀「私はあの早苗って小娘とやっぱり対決したいねぇ。
   いやいや、最近の人間も中々やるもんだ。 どこぞの貧弱な地底の主に見せてやりたいよ」
ビクトリーノ「(……頭いてぇ)」

一方、この反町の凄まじさ――幻想郷の強さを見て、喜んでいた者もいる。
純粋に強者と勝負をする事を望み、楽しむ鬼――伊吹萃香と星熊勇儀である。
彼女達は反町の強大なシュート、早苗の鉄壁のセービングを見て、俄然やる気を出していた。
ある種、能天気とも言えるこの2人の反応に……。
ウルグアイキャプテンであるラモン=ビクトリーノは、軽く頭痛を覚えていた。

600 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/14(木) 00:49:23 ID:???
諏訪子「あーうー……また凄くなってるよ反町君。
    なんかもう、アレを見てるとフランが可愛く見えるよ」
ヘルナンデス「フランちゃんはいつでも可愛いよ!」
映姫「……あのシュートを受けるのは私とあなたなのですよ、ヘルナンデス君?
   そんな事を言ってる場合ですか」
ヘルナンデス「……事の重大さはわかってるよ。 はぁ……ザルなんて呼ばれないように気合を入れておかないとね」

悪魔の妹――幻想郷において、無類のシュート力を持つフランドール=スカーレット。
そのフランドールを、軽く超える反町のシュート。
カティナチオと呼ばれる堅牢な守備を最大の売りとするイタリアJrユース、キャプテンのジノ=ヘルナンデスは。
軽口を叩きつつも、懸命に反町一樹のドライブシュートの軌道を思い描き。
大会で当たった時、止められるようにと……イメージトレーニングを始めるのだった。
イタリアの期待を一身に背負う彼に、無様な敗退などは許されないのである。

ピエール「……あれは本当に俺達と同じ世代の選手なのか? あの右足は、プロでも通用するぞ」
ナポレオン「ちっ……(キャノンシュート程度じゃ鼻で笑われる、か)」
こいし「……撃たせなきゃ大丈夫。 私がマークについて、絶対に好きにさせない。
    他の連中はおねえちゃんが絶対に守ってくれる。 あいつに好き勝手させなきゃいいだけよ」
ピエール「戦う時は、そうするしかないな」
こいし「(それに、仮に撃たれたとしても……PA内なら、お姉ちゃんが絶対に防いでくれる。
     もう二度とおねえちゃんをザルキーパー扱いなんてさせたりしない……!)」

そして、ある意味反町一樹に一番の辛酸を舐めさせられ続け。
果ては地獄へと落とされた古明地さとりの妹、古明地こいし。
彼女は反町の相変わらず悪魔染みたシュート力に憎悪の感情を抱きつつ……彼を徹底的に封じ込める事を密かに誓う。
悔しい事だが、幾ら努力を積み重ねても、反町一樹のシュートに対してさとりはまだ完全に勝利はしていない。
だが、それ以外の者達のシュートならば……止められる目は、幾らでもある。
幻想郷を相手に無失点で切り抜けさえすれば……必ずさとりの汚名は返上出来ると、こいしは信じていた。

601 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/14(木) 00:50:44 ID:???
ユキ「……嘘!? 命蓮寺の方が負けちゃったよ!? しかもボロ負けで!?」
マイ「(ちょっとしゃれにならないわよあの9番(反町)……何あれ? 人間なの?)」
神綺「白蓮さんに靈夢が抜けちゃったのが痛かったわね〜。
   あれさえなければ……うーん……5−1くらいにはなってたかも」
夢子「神綺様、それはあまりフォローになっていません」

魔界へとやってきた命蓮寺に魔界式サッカーを叩き込み。
大幅なレベルアップに一役買っていた、魔界Jrユースの選手陣。
彼女達は、唯一、この試合結果に対して大いに驚きを見せていた。
殆どが素人の寄せ集まりとはいえ、命蓮寺ナムサンズの実力は決して低くは無い。
特に中盤の構成力ならば、幻想郷の3大名門チーム――永遠亭ルナティック、紅魔スカーレットムーンズ、八雲一家。
そのいずれにも勝てるほどの力があったのだ。
それがこうも容易く大敗を喫するというのは、当然ながらこの場にいる者達の殆どが予想をしていなかった。
唯一、或いはこうなるかもしれないと予期できたのは……。

幽香「……ま、順当な結果じゃない?」
神綺「えぇっ!?」
アリス「……順当かどうかはさておき。 こうなる可能性は、あったわね。 あまりこうなってほしくはなかったけれど」

幻想郷で、反町と同じチームに所属をし、反町の人となりと実力を見知っていた幽香。
同じく、幻想郷で反町率いるオータムスカイズを敵視していた妬ましパルパルズに所属をしていた、アリス=マーガトロイド。
彼女達だけは、この中で唯一――こうなる可能性を予期していた。

602 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/14(木) 00:51:51 ID:???
幽香「靈夢に尼僧程度じゃ歯が立たないわよ、あいつは。 どんな優れた技術も動きも凌駕する、暴虐な力があるんだから」
神綺「えぇー、幽香が暴虐とか言うの? どんな化け物なのよ彼……」
アリス「……性格自体は温厚そのもののようなのだけれどね。 まぁ……彼のシュートは、夢子姉さんでも止められないでしょ」
夢子「……そうね。 5回に1度、弾ければいい方かしら……?」

魔界に所属をする者の多くは、魔理沙や霊夢こそが最大の障害だと考えていた。
事実、その認識も間違いではない。
魔理沙や霊夢も、トッププレイヤーの1人には間違いないのである。
だが、それ以上に警戒すべき選手が現れたというまで。
反町一樹のプレイ――というよりも、そのシュートを見て、魔界の者達は大いにうろたえるのだが……。

幽香「シュートを防ぐ防がないなんてまどろっこしい事を考えなくてもいいでしょ。
   要は、潰せばいいだけよ」
アリス「潰すって……あんたねぇ……」
幽香「あら……だって、サッカーって……」

長い髪をかきあげ……眼光鋭く、フィールドで勝利の美酒に酔いしれる反町一樹を見やり、幽香は呟く。
一時は反町に味方をしていた、幻想郷でも最も危険とされる妖怪。
髪を伸ばしもんぺを履き、かつての残虐性、残忍性を取り戻した彼女のスタンスは、いつでも明快。
味方にはそれなりに優しく――しかし、敵には必要以上に厳しく。

幽香「ボール越しなら、殺したって構わないんでしょう?」

反町一樹の敵に回った彼女は、男なら誰もが見惚れてしまうような可憐な笑みを見せ……。
そして、聞いた者の誰もが青ざめるようなドスの利いた声でそう呟くのだった。

603 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/14(木) 00:57:34 ID:???
という訳で今日も短いですがこれだけです。
明日には選択肢に行けると思います。

>>593-595
いえ、こちらこそ書き方がまずくて申し訳ありませんでした。以後気をつけます。

>>597-598
どうもありがとうございます。
長く空けていたのに、温かいお言葉を頂き感謝。
ぼちぼちとではありますが、なんとかかんとか進めていきたいと思います。



また、ちょっと記入忘れがあったのでここで追記。

※キャプテン就任から3試合連続で快勝&3試合全てで活躍をした。
 +反町派閥の穣子の活躍で反町の支持率が大幅に上がります。
 反町支持率:39→50
※同じく3試合連続で無失点をし、更にこの試合本職GKでありながらドリブルゴール。
 また、早苗派閥の静葉が活躍した為、早苗の支持率が上がります。
 早苗支持率:26→34
※霊夢派閥の美鈴が活躍した為、霊夢の支持率が上がります。
 霊夢支持率:28→29

それでは、お疲れ様でした。

604 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 01:00:33 ID:???
ボール越しに乙でしたー!

605 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 01:41:28 ID:???
超モリサキが弾くのが精々なのか

606 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 01:47:07 ID:???
ageちゃだめ?更新待ち望んできづいてない人もいると思うんだ…

607 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 01:50:52 ID:???
さすがの貫禄ゆうかりん乙でした〜

608 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 02:12:01 ID:???
今後も【打撃力がほしいときのスリートップ】と
【中盤を支配したいときのツートップ&MF反町】を
使い分けたいんだが、リグルがなあ……w

609 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 02:50:24 ID:???
各国の反応見るに反町一人で点取れそうだから反町ワントップでいいんじゃね?
早苗さん数撃たれたら終わりだからDF増やしたいし

610 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 02:58:28 ID:???
俺がツートップ+MF反町orスリートップを推す理由は以下のとおり。

@このチームの首脳陣に、【白黒をFWで使わない】という選択肢はない
(本スレで翼や日向は森崎が進言する前から位置が決まっているのと同じこと)
Aこのスレの人気的に、リグルを使わないという選択肢はない
(全員が全員大好きではないだろうが、やっぱり人気は高いはず)
Bせっかく反町は満遍なく鍛えたんだし、時にはMFとしていろいろ試したい

611 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 03:00:02 ID:???
突破力に不安の残る反町のワントップはないw
まあ、リグルをどう宥めすかすか…基本的に子供が相手だってのを念頭に発言しないとね

612 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 08:00:37 ID:???
今の反町はパルスィと大差ないドリブルなのにまだ不安なのかよwww

613 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 16:44:23 ID:???
ゆうかりんはレヴィンシュートみたいなのを反町に撃ち込んでくるつもりなんだろうか
オランダみたいに轢き殺そうにも反町のタックルなら取れる確率は高いはずだし

614 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 16:49:18 ID:???
in幻想さんとこのゆうかりんがガチでもってるからなあ、レヴィンシュート……
まあ、それがなくてもゆうかりんが密着マークしてきたら天国(浮き玉的な意味で)と地獄(吹っ飛ばし的な意味で)が見れるだろうよ

615 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 21:09:09 ID:???
>>614
???「浮気は絶対許早苗」

616 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 21:26:46 ID:???
ヨッシー!

617 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 21:28:37 ID:???
ルイージ!

618 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 21:39:00 ID:???
エェクストリィィィィム!

619 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 21:40:22 ID:???
ヒャッホー!

620 :森崎名無しさん:2011/04/14(木) 21:48:41 ID:???
ヨッシーメモリとルイージメモリをエクストリーム…
実に興味深い

621 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 01:56:15 ID:???
>>606
選択肢やカード判定が出るまではsageでいこうかと思います。ageると他スレの邪魔になりますし。
そしてすみません、今回もちょっとNPCシーンが長引いて選択肢などは無しです。

>>615-620
緑の人気者!緑の人気者じゃないか!前回2位だったのに6位に下がった人気者じゃないか!!

さて、それでは本日の更新にいきます。

622 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 01:57:22 ID:???
観客達が思い思いに、幻想郷Jrユースの強さ――反町一樹の脅威を思い知っていた最中。
ここで視点を変え、試合を終えた両軍に目を向けてみよう。
フィールドでは、既に整列が終わり……両軍は、退場をしようとしていた。
しかし、互いのメンバーが浮かべる表情は、当然ながら全く違う。
大勝をした幻想郷の面々は、晴れ晴れとした表情で練習試合3連勝に気をよくしており。
それに対して、命蓮寺メンバーの表情は暗く落ち込んでいるものである。
6−0……90分間で1点を奪う事すら出来ず、そして、6点も失ってしまった。
それは、魔界で大いに実力をつけたと……自信を持っていた彼女達に、深い傷を与える事実だった。
誰もが何も喋らず、ただ沈痛な表情を浮かべながらとぼとぼとベンチに帰還する中……。

佐野「みんな……すまねぇ……」

不意に、キャプテンである佐野が口を開いた。
いつものようなどこかおちゃらけたような口調ではない。
か細く、頼りなく、気弱な調子なその語調。
いつもと違う佐野の調子に驚いた一同が、佐野へと視線を向ければ……。
佐野は俯き、静かに肩を震わせていた。

佐野「俺がもっと上手くやってりゃ……勝てた試合なんだ……。
   俺に、反町さんほどの力がありゃ……」

彼は今、自身の無力さに激しい憤りを感じていた。
試合開始前は、勝てると思っていた。試合が終わった今でも、勝てた試合だと思っている。
しかし、スコアは――6−0という、あまりにも無残な大敗。
一体何が悪かったのか。
反町一樹が、シュート力だけではなく……MFとしても出来るだけの幾多の技を覚えてきた事が原因なのか。
リグル=ナイトバグが、予想を超える程の大活躍をしたのが原因なのか。
東風谷早苗が、こちらのストライカーの攻撃を全く寄せ付けない程の実力者だったのが原因なのか。
否、そうではない――全ては自身の力不足のせいだと、佐野満は考えていた。

623 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 01:58:23 ID:???
反町一樹がこの試合、初めてMFをやったのに対し。
佐野満は、確かに急造ではあるが――それでもMFにコンバートをしてから、相応にMFとしての練習も積み重ねてきた。
得点力の欠如の為に、味方を生かすMFになろうと決意をしたのが事の始まり。
それから佐野は、得意だったドリブルを更に磨き……チャンスを作る為のパスも鍛えた。
守備力は課題ではあるが、それでも、MFとしてなら反町の上を行けると考えていた。
しかし、結果は違った。
本職FWである反町一樹は、佐野以上に上手くドリブルで敵陣に切り込み。
佐野以上に上手くアシストを稼ぎ、更には佐野に出来ないような豪快なシュートで得点ももぎ取っていった。
MFとして、一選手として、佐野は反町に完敗をしたのである。

佐野「強くなったと思ってた……もう誰にも負けないくらい……。
   シュートは撃てねぇし、守備はボロクソだけど……それ以外なら……。
   ドリブルで切り込んでチャンスを作る、それだけなら誰にも負けないくらい上手いと思ってた。
   でも、負けた……負けちまったんだ……」

事実、全日本Jrユース時代を思えば、佐野は強くなった。
特にそのドリブル能力は、大会でも屈指のものだろう。
だが、上には上がいた……抗いがたい程に、強すぎる者がいた。
それが悔しく……そして、自身が情けなく……佐野は、やがて嗚咽を漏らし始める。
大言を吐いた挙句、まるで何も出来なかった事に対する不甲斐なさ。
そして、チームメイトに対して面目が立たないと、長い髪で目元を隠し、ただ俯くのだが……。

ぬえ「…………」

ドガッ!!

佐野「ぶぎゃっ!?」
ムラサ「ちょっ、ぬえ!?」

624 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 01:59:26 ID:???
しかし、そんな佐野の背後から思い切り尻を蹴りつけたのは――。
日頃から反目し合い、佐野とは犬猿の仲と言える宝獣・ぬえ。
割と強い勢いでけりつけられた為か、佐野は思わずそのまま地面にべちゃりと叩き伏せられ珍妙なうめき声を上げる。
一体何事かと思わず混乱をする中、そんな佐野の背中に追い討ちとばかりにぬえは言葉を叩きつける。

ぬえ「1人でなんか盛り上がってるところ悪いけど……誰もあんたのせいで負けたなんて思ってないわよ?」
佐野「へ?」
ぬえ「だって、誰もあんたにそこまで期待してないもん」
佐野「ええええええええええええええええええええええええええっ!?」

ぬえが呆気らかんとそう言うと、佐野は大声で驚きながら飛び起き……周囲に視線を向ける。
すると、そこにいるのは――頷きこそしないものの、ぬえの言葉を聞いて苦笑を浮かべ。
佐野に対して生暖かい視線を向ける、チームメイトの面々の姿。
肯定こそしていないが……しかし、否定もしていないチームメイトたちを見て。
佐野は違う意味で涙を見せる。

佐野「なんだよなんだよ!? なんで俺ってそんなに信用ないんだよ!?」
星「いえ、信用が無いという事は無いんです……勿論、私は佐野君を信用していますよ。
  ただ、なんというか、その……」
ナズーリン「君はそこまで強くない。 あちらの9番(反町)には程遠い。
      それはこの場にいる全員が、よくわかっている。 だから彼に勝てなくても驚かないさ」
佐野「ひ、ひでぇ……お前ら俺が勝てるとか思わなかったのかよ!?」
小町「ちょっとは思ったね。 まあ、勝てればラッキー程度には」
佐野「くそっ、なんて世知辛い世の中だ!!」

実際のところ、佐野と反町の実力差――というよりも、活躍の経歴は雲泥の差である。
反町はオータムスカイズを率い、無名チームを名門チームへと育て上げた大選手。
それに対して、佐野は幻想郷では無名どころか、ある意味今日の試合が始めて幻想郷の著名な選手達に知られた程度。
これで佐野が反町に勝てると思えというのは、些か酷なものである。

625 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 02:00:36 ID:???
ルーミア「わはー、キャプテン赤っ恥なのかー」
佐野「おっ、お前らなぁ……!!」
ムラサ「……まぁさ、あれよ。 あんた1人の責任じゃないって事、この敗戦は。
    あんまり1人で背負い込むと沈没するわよ?」
椛「そうッスよ。 6点も奪われたのは、自分達DFやGKの責任ッスし……」
星「点を取れなかったのは、ストライカーである私達の責任ですからね。
  そもそも、全てが全て佐野君の責任ではないのです。
  佐野君が何でも出来るようなスーパーマンではない事はここにいる誰もがわかっているんですから」
佐野「……むむむ」
ナズーリン「何がむむむだ」

いよいよ怒気を強めそうになってきた佐野を、慌てて宥め……。
そして、今回の敗戦は誰の責任でもなく、皆の責任であると佐野に言う一同。
実際問題、佐野1人で何もかもが出来るという訳が無い。
佐野自身が認めるように、佐野には得点力も守備力も無いのだ。
故に、出来る事は限られる。そして、それを補う為に仲間がいる。
佐野満は、何でも出来るエースになれる器ではない。
貧弱なキック力ではシュートに期待は出来ない。貧相な体つきでの守備は、軽い。
だからこそ、彼には仲間が必要である。
その仲間は――この敗戦の責を、キャプテンである佐野に押し付けはしない。
佐野のせいで負けたとは、誰一人として、いい意味でも悪い意味でも思っていなかったのだ。

626 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 02:01:57 ID:???
白蓮「そうです、皆の言うとおりですよ佐渡君」
佐野「白蓮さん……(俺の名前、佐野だよ……)」

佐野を励まし、慰めあう一同の下へとやってきたのは……先にベンチへと下がっていた白蓮に、一輪。
白蓮は佐野達の話の内容を聞くと、即座に佐野の頭を撫で(その際、一輪は酷く嫉妬の篭った視線で佐野を見つめた)。
そのまま一同を見やりながら、その口を開いた。

白蓮「サッカーというのは……1人でやるものではなく、11人でやるものです。
   この敗戦も、1人の責任ではなく、11人全員の責任。
   佐古君だけの責任では当然ありませんし……誰もがこの敗戦の責任を負うのです」
一輪「姐さんの言う通りですね!」
白蓮「そして、次回こそは必ず勝てるように努力を致しましょう。
   今回は、私達の努力が足りなかった。 それだけです。
   愚公移山――努力を続ければ、必ず願いは成就します。 人の嘲笑の目も、何も気にする事はありません。
   私達は私達が出来る事を、ただ一歩一歩着実にやっていきましょう」
命蓮寺「「「おーっ!!」」」
佐野「……ああっ!? またなんかキャプテンっぽい役割奪われたー!?」

最後の最後で、〆の言葉を一同に言い聞かせる白蓮に――それに賛同をするメンバー達。
それらを身ながら佐野はまたしてもキャプテンらしいことが出来なかったと項垂れ……しかし、笑った。

佐野「(そうだよな……サッカーは1人でやるもんじゃないんだ……みんなでやるもんなんだ……。
    いい……俺は、反町さんみたいな何でも出来るヒーローになれなくていい……。
    ただ、ドリブルとパスで負けない……最高のチャンスメイカーになりたい……そして、勝ちたい。
    皆と一緒に……勝ちたい……!!)」
椛「(努力が足りなかった……そう思うしか、ないッス。 才能なんて言葉で、逃げたくねぇッス……!
   思っていた以上に、相手はずっとずっと練習してきていた! それを上回るだけの練習を! もっともっとするんス!!)」

敗戦をして、得られるものも多い。
命蓮寺ナムサンズキャプテンの佐野満と、ディフェンスリーダー・犬走椛。
彼らはまた、再び反町達の前に現れる――今度こそ、強大な敵として。

627 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 02:03:03 ID:???
魅魔「(やれやれ、なんとか折れずに踏みとどまったか……。
    佐野もなんだかんだで仲間には恵まれてるねぇ……で、問題は……)
    ……靈夢、なーんで途中で戻ってきたんだい」
靈夢「あら、負け試合を続ける意味があるのかしら?」

そんな命蓮寺の一同を見つめていたのは――監督である魅魔。
そして、命蓮寺に助っ人的役割で加入をしている先代の博麗の巫女――博麗靈夢。
ため息交じりに問いかける魅魔に、靈夢はただ淡々と答える。

靈夢「勝ちの目があるなら残るわよ、少しでも勝ちの目があればね。
   でも、あれは無理。 勝てない試合。
   こちらのキーパーは貧弱、FWは点を取れない。 対して向こうのキーパーは鉄壁、FWは馬鹿みたいなシュートを撃ってくる。
   弱点である一対一を突くにも、私では体力的にも難しい。 あのキャプテンではボランチで止まる目も低くない。
   私が残っていたとしても、4−2が限界でしょう。 結果、負けに変わりは無いわ」

勝ちか負けか、結局、試合が終わった後に残るのはその2つだけである。
そして、博麗靈夢は、その結果だけを見る選手だった。
ギリギリであろうが、大差であろうが、勝ちは勝ちであるし、負けは負け。
過程などに関係などは無いし、どのような方法で勝ったかなども、興味は無い。
当然ながら、負けるとわかっていても意地を見せるだとか、最後まで諦めないという行為は――。
そもそもそういう考え方からして、理解が出来なかった。

魅魔「……まあいいさ、今に始まったこっちゃないからね。
   さて、と……それじゃあちょっくら行ってくるかね」
靈夢「あら、どこへ?」

苦笑をしながら立ち上がり――否、浮き上がる魅魔を見て、霊夢が問いかけ……。
それに対して魅魔はにやりと笑みながら、返答をした。

魅魔「もう1人の馬鹿弟子に会ってくるさ」

628 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 02:04:20 ID:???
というところで本日はひとまずここまで。
中々判定までいけずすみません。
それでは、お疲れ様でしたー。

629 :森崎名無しさん:2011/04/15(金) 02:31:29 ID:???
佐なんとかさんが佐野になって戻ってくることを信じて乙でした〜

630 :森崎名無しさん:2011/04/15(金) 18:32:26 ID:???
佐なんとか乙〜

631 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 23:45:31 ID:???
>>629-630 どうも、乙感謝です。

命蓮寺の者達が、誓いを新たにしていた頃。
逆に大勝を収めた幻想郷Jrユースはといえば、既に着替えを済ませ。
自身らの宿舎へと帰る準備をしつつ、輝夜の言葉に耳を傾けていた。

輝夜「よくやったわ、皆! これで練習試合、全戦全勝ね!
   この勢いに乗って、大会も全戦全勝! そして、優勝を目指すわよ!!」
リグル「ハッハァー! このエースがいるチームが敗北なんてするもんか!」
早苗「(……不夜城カップで私達に負けたのはもう忘れてるんでしょうか)」
チルノ「ふふふ、大会本番でこそあたいの出番ね! あたいってば秘密兵器ね!」
大妖精「(椛さんはどうして他所のチームに行っちゃったんだろ……。
     オータムスカイズにずっといたら反町さんに吹き飛ばされる事もリグルちゃんに吹き飛ばされる事もなかったのに)」

連戦連勝、無敗のまま全ての練習試合を終えれた事に輝夜は満足をしているらしく。
鼻息荒く声だかにそう叫びながら、一同の士気を上げようとし……。
リグルやチルノなど、単純な性格の者はそれに同調。
一方で、大妖精はまごまごしながら、どうして椛はわざわざ自滅の道を選んだのだろうと考え……。
その他の者は、完全に余裕の表情を浮かべつつリラックスしたムードにいた。

反町「ところで輝夜さん、大会までの日程と……大会の組み合わせなんかはどうなってるんです?」
輝夜「大会までの日程は全て休養日よ、これまでずっと練習漬けだったし少しは体を休めないと。
   といっても、大会まで3日しかないけどね。
   組み合わせについては、明日、抽選が決まるわ。
   因みに、今回の大会はトーナメントとリーグを複合したもの。
   予選リーグは5カ国で争われ、上位2チームが決勝トーナメントに進めるわ」
咲夜「……5カ国で戦って、上位2チームねぇ……出来れば弱いチームとあたりたいものね」
反町「(なんだろう……リーグでは強豪国とばかりあたりそうな気がする)」

632 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 23:46:35 ID:???
反町は今更ながら、大会の規定などを聞いたりしつつ。
こうして一同は各々試合結果や大会への思いを馳せながら帰り支度を進めていたのだが……。

反町「(……あれっ? そういえば、魔理沙さんと霊夢さんがいないぞ?)」

不意に反町は、帰り支度をするメンバーの中に、魔理沙と霊夢の姿が見えない事に気づく。
まさかこのような場所で迷子になるとも考えられず。
何やら試合開始前から因縁浅からぬ様子だった、敵チーム――命蓮寺ナムサンズの者達の所へ。
挨拶へ行ったのだろうかと首を捻りながら考えるのだが……。

反町「(どうしよう? そろそろ帰るんだし呼びに行くべきだろうか……?
    でも、昔馴染みに会う時に俺が行くのも無粋かな……? うーん……)」

A.何か問題起こしそうな性格だし、魔理沙さんを探しに行くぞ
B.ほうっておくとふらふらいなくなりそうだし、霊夢さんを探しに行こう
C.いやいや、放っておこう。下手に出て行くと面倒そうだ
D.「せんせー、霧雨さんと博麗さんが勝手にどこか行きましたー」 とりあえず輝夜に報告しておこう
E.その他 自由投票枠

先に3票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

633 :森崎名無しさん:2011/04/15(金) 23:48:24 ID:Uj2ZNSTs
A

634 :森崎名無しさん:2011/04/15(金) 23:48:31 ID:b6dkNDXo

Bに行ってもたぶん話が通じないしなあ

635 :森崎名無しさん:2011/04/15(金) 23:49:37 ID:hIywj8m+


636 :森崎名無しさん:2011/04/15(金) 23:50:01 ID:XlZlWlIs


637 :森崎名無しさん:2011/04/15(金) 23:51:05 ID:xcXKz+tA
C

練習は、全体練習が無いだけで、個人で練習したり誰か誘うのはありですか?


638 :森崎名無しさん:2011/04/15(金) 23:52:25 ID:???
これ以上強くなる気かよw

639 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/15(金) 23:59:21 ID:???
>>637
大会までの3日間は全てカットで、この後、またNPCシーンなどをはさみ。
すぐに大会に入ります。
その間に1回くらいは自由行動の時間が取れますが、その1回は夜行動になる予定ですので。
練習効率は悪いです。

640 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 00:09:18 ID:???
>>639
なるほど、了解です〜

641 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 00:15:35 ID:???
>>638
魔王シュート覚えるまでいかんとな

642 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 00:18:54 ID:???
ここだ!ここで極めてどうでもいい質問だ!
もし>>63でIを選んだときのJOKER分岐はこんな感じだったんですか?(笑)

バックパスを受け取ったのは?→JOKER =藍「モチのロン、全裸のスッパテンコーさァーーーーッ!!! 」裸になって何が悪い!!

643 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/16(土) 00:26:09 ID:???
>>642
基本的にJOKERは気分次第なのですが。

JOKER→幽香「ここよ、ここで全裸よ!」 藍「スッパと聞いては黙ってられんな」 反町の高い浮き球がアップ!

こうなってたかもしれません。

644 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 00:34:12 ID:???
こんなしょうもなさすぎる質問にわざわざ答えてくれてありがとーございましたー

645 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 01:03:02 ID:???
なんという浮き球カーニバルww

646 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 01:03:42 ID:???
裸になって何が悪い!

647 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 01:11:07 ID:???
シュート裸王め!

648 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/16(土) 02:07:04 ID:???
>A.何か問題起こしそうな性格だし、魔理沙さんを探しに行くぞ
===============================================================
反町「(霊夢さんはまだいいとして……魔理沙さんの性格だと、何か問題起こしそうだしなぁ。
    そうなったら、大会どころの話じゃない。 探しに行かないと!)」

ある意味リグルやチルノと並ぶ問題児である魔理沙。
彼女を1人で野放しには出来ないと、反町は一旦その場を離れ。
スタジアムの外へと魔理沙を探しに向かう。
とはいえ、探すアテも何も無い為、早々簡単に見つからないかと反町は思っていたのだが……。
意外にも魔理沙はあっさりと見つかった。
魔理沙はどうやらこのスタジアムにやってきた当時に出会った、命蓮寺ナムサンズの監督――魅魔に呼び出されていたらしく。
いつになく嬉しそうな表情を浮かべながら、魅魔の隣に立ち。
一方で魅魔はそんな魔理沙の頭を撫でつつ……無言で魔理沙を見つめていた。

反町「(魔理沙さんもあんな表情するんだな……でも、参ったな……。
    なんだか凄く話しかけにくい。
    あまり褒められたことじゃないけど……ここは隠れて様子を見させてもらおうか)」

出来る事ならばすぐに魔理沙をひっとらえて連れ帰りたいところであったが……。
2人の親密そうな関係を見ているとそれも無粋だろうと考え。
しかし、だからといってこのままほうっておくのも……と、反町は2人の死角となる位置……。
それでいて、2人の会話内容が聞こえるような位置へこそこそと隠れ。
聞き耳を立てながら、2人の話を盗み聞きするのだった。
色々と言い訳をしながらも、しかし、反町の心の中には完全に野次馬根性があった。

649 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/16(土) 02:08:12 ID:???
………

……



魔理沙「魅魔様、見てくれたか!? 魅魔様のくれたブラックボールで覚えたファイナルスパーク!」
魅魔「ああ、見たよ。 よくもまあ……大会までに仕上げてきたね」
魔理沙「へへへ、普通だぜ!」

無い胸を必死に張りながら、満面の笑みで今日の試合で見せた自身の必殺技。
マスタースパークを超える強烈なシュート――ファイナルスパーク。
魅魔から授かったブラックボールを破裂するまで使い込み会得したその技について魔理沙は魅魔に感想を伺い。
魅魔は穏やかな笑みを浮かべながら、よくやったと魔理沙の頭を撫でつつ褒める。
魔理沙はそれに対して、くすぐったそうにしながらもされるがままにし……。
至極、幸せそうな表情を浮かべながら魅魔の事を見つめていた。

反町「(……あれが本当に魔理沙さんなのか? 俺の知ってる魔理沙さんと違うぞ)」

反町の知る魔理沙とは、正に傲慢が服を着て歩いているような選手であった。
誰に対しても下手に出る事はなく、常に自身が最強なのだとばかりに威張る。
裏表の無い性格に惹かれる者も多く、にとりやパチュリーといった者達には多分に好かれているが……。
しかし、その反面敵も非常に多いというのが、反町の知る霧雨魔理沙だ。
だが、今、魅魔の前にいるのは――とても傲慢が服を着て歩いているとは言い難い。
どちらかといえば、テストでいい点数が取れたからと、母にほめてもらおうとしている――。
そんな、幼い純真無垢な少女のような笑顔が浮かんでいる魔理沙である。
一瞬、自分の目がおかしくなったのかと反町は目を擦るが……しかし、やはり、どこからどう見ても魔理沙はそのままの笑顔を浮かべている。

650 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/16(土) 02:09:25 ID:???
反町の知らぬ事ではあるが、実際、この魅魔は魔理沙にとって母と言っても過言では無いような人物であった。
幼い日に実家を飛び出した魔理沙を弟子に迎え、魔法の基礎を叩き込み。
そして、サッカーも教え込んだ――霧雨魔理沙の、ただ1人の師匠。
しかし、魔理沙にとっては師匠である以上に――もっとかけがえの無い、母のような存在だった。
今日の試合、魔理沙が上の空だったのも……全ては魅魔に見られているという緊張の為。
試合が開始し、しばらくして落ち着きこそしたが……つまり、それほどまでにショックを与えるような存在なのだった。

しばらく、魔理沙と魅魔はそうして無言のままでいたのだが……。
不意に、魅魔は頭を撫でるのをやめると、魔理沙の顔を覗き込みながらその口を開く。

魅魔「ところで魔理沙、何か他に私に言いたいことがあるんだろ?」
魔理沙「……やっぱり、魅魔様にはお見通しか」
魅魔「何年お前の師匠やってると思うんだい」
魔理沙「……だよな。 魅魔様、ファイナルスパークを覚えられたのは……嬉しいんだ。
    ブラックボール、もらえた事も感謝してる。
    でも……それだけじゃ、足りないだよ……」

魅魔に、改めて問われると……。
魔理沙は一転、先ほどの笑顔を曇らせ、深いため息を吐きながらぽつりぽつりと語り始めた。
ファイナルスパークは、確かに強い――世界レベルで見ても、間違いなくトップレベル――。
否、世界屈指の威力を持っていると言って、過言では無い。
だが……しかし、それでも尚、届かない――反町一樹には、まるで届かないのである。

魔理沙「全然届かない……ファイナルスパークじゃ全然届かないんだ……!
    マスタースパークを超える、ファイナルスパークでも駄目なんだ!
    ファイナルスパークを超える、新しい技が必要なんだ!!
    だから魅魔様、教えてくれ! ファイナルスパーク以上の必殺シュートの撃ち方を!!」
魅魔「………………」
反町「(……意外だな)」

651 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/16(土) 02:10:25 ID:???
反町を越えるには、ファイナルスパーク程度では全然足りないと……魔理沙はそう自覚をしていた。
それが、反町にとっては意外に思えた。
あの魔理沙が、自身が反町に劣ると――そう自覚をしているとは到底思えなかったからである。
一瞬、やはりあれは魔理沙ではないのではないかと疑いながら、反町は魔理沙達の様子を再び見やり……。
一方で魅魔は、魔理沙の嘆願に特別驚く様子も無く……むしろ、予想をしていたかのように無表情を浮かべ……口を開くのだが……。

魅魔「無理だ」
魔理沙「えぇっ!?」

魅魔の口から放たれたのは、その魔理沙の願いを否定する言葉だった。
当然ながら、これには魔理沙も目を丸くして驚きつつ、どうしてと問いかけようとするが……。
魅魔はそれを手で制しながら、更に続ける。

魅魔「――まず、無理だ。 1つに、今からじゃ大会にはとても間に合わん。
   大会まではもう3日しかない。 3日程度じゃ、技なんか身につかんだろうが」
魔理沙「うっ……」

そう、既に国際Jrユース大会は目と鼻の先までに迫っているのである。
今から必死に練習を繰り返したところで、たった3日では新技を覚える事は不可能に近い。
それは、誰よりも魔理沙自身が知っている。

魅魔「2つに……ファイナルスパーク以上の技を、私は教えられん。
   あれ以上の技なんて、私は知らん。 無いもんを教えてくれと言われても無理だ」

単純にパワーだけを追求する技――マスタースパークを、更に鍛え上げたファイナルスパーク。
その鍛え上げた時点で、既にファイナルスパークは1つの技として完成をしていた。
故に、その威力を更に向上させるというのは土台無理な話である。

652 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/16(土) 02:11:39 ID:???
魅魔「3つ。 では他の技を併用するのはどうかと言えば……それも無理だ。
   お前はパワーが売りだといっているし、周囲もそう思っている。
   だが、本当は違う。 ――お前は、単純なパワーしか売りに出来ないだけだ」
魔理沙「………………」

そう、魔理沙は圧倒的なパワーを売りとしている選手である。
そのパワーは幻想郷でも他に類を見ない程のものであり、誰もが畏怖を抱く対象であるが――。
しかし、実際のところは、少し違う。
魔理沙は、パワーを売りにしているのではなく――パワーを使うしか、脳が無いのである。
スピードはあるが、それも幻想郷最速を誇る射命丸文やオータムスカイズの快速ドリブラー、橙には敵わない。
そして、彼女は絶望的なまでにテクニックというものを使うのが苦手だった。
否――苦手というよりも、使う事が出来なかったのである。
その分野を伸ばしても、二流の域を出ない――故に、魔理沙はパワーに頼るしかなかったのだ。
そんな魔理沙がシュートを撃つとなれば、当然ながら小手先の技術などは使えない。
特別な回転がかかったようなシュートも、或いは相手のGKのタイミングをずらすような技術も使えない。
故に、魔理沙がファイナルスパーク以上のシュートを撃つことは不可能なのであった。

魅魔「そして、4つ! 今の私とお前は、違うチーム同士――敵同士だ!
   その敵に、どうして技を教えられる!?」
魔理沙「!!」

そう言うと、魅魔は無表情だった表情を一転させ――険しい顔つきとなり。
法衣を翻し、そのままその場を立ち去ろうと足早に(足は無いが)スタジアム内部へと歩いていく。
しかし、そんな魅魔の背中を……魔理沙は慌てて法衣を掴み、必死に追いすがりながら叫ぶ。

653 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/16(土) 02:13:19 ID:???
魔理沙「ま、待ってくれよ魅魔様! 魅魔様は私の師匠じゃないか!!
    教えてよ! 私が……私があいつに勝てるような技を、教えてよ!」
魅魔「できないって言ってるだろう!」
魔理沙「嘘だよ! じゃあ、なんで魅魔様私に会いに来てくれたの!?
    私に新しい技を教えてくれる為でしょ!?」
魅魔「違うね。 私は、お前に宣戦布告をしに来たんだ。 お互い全力を賭して大会では戦おうってね。
   それをあろう事か、私に技を乞うだって……? ふざけるのも大概にしなよ、魔理沙!」
魔理沙「う、嘘だ……! 嘘だぁ……!!」

魔理沙としては、魅魔の言葉を信じたくは無かった。
かつて母のように慕い、母のように愛し、いつでも味方をしてくれた師匠。
その魅魔が、魔理沙を切り捨てるような言葉を吐き……。
そして、魔理沙を侮蔑するかのような目で見ている。
それだけで魔理沙は地の底に落とされるかのような心境になり……その瞳には大粒の涙を浮かべ、必死に訴えた。
しかし、魅魔はつれない態度で取り合わない。

654 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/16(土) 02:14:37 ID:???
魔理沙「お願いだよ魅魔様……私、このままだとレギュラーからも落ちる……。
    反町にも勝てない……リグルにだって抜かれちゃうよ……やだよ……」
魅魔「そもそもそんな状況になったのはお前がサッカーをサボってたからだろう!
   お前みたいな凡骨は! 練習して、練習して、練習して練習して練習して! それでもまだ練習して!!
   やっと二流に届くか届かないかってもんなんだ!
   1日サボれば二流に落ち、3日サボれば三流だ! 反町やリグルっていう天才と争おうなんてんなら!
   あいつらの何倍も、何十倍も、何百倍も練習して!
   それでやっと肩を並べられる! やっと争える! やっと通用するってレベルなんだ!!
   追いつかれ、追い抜かれ、そのままベンチに埋もれるのも自明の理だろう!!」
魔理沙「練習ならしたよ! 合宿が始まって、ずっとずっと……誰よりも練習したよ!!」
魅魔「それで足りるもんか! 私が消えてから毎日毎日やってはいなかったろう!」
魔理沙「無理だよ! 弾幕ごっこや魔法の研究……サッカーを毎日出来る訳ないじゃない!」
魅魔「なら仕方が無いだろう。 片手間で、二刀流で、両方を得られる程……お前は恵まれてはいないんだ!
   どれかを取るなら、どれかは諦めなきゃならん!」

もはやいつものような男勝りな口調は取れ、過去のそれに戻ってきている魔理沙。
頬に水滴を流し、魅魔に対して泣き叫べば……やはり返ってくるのは魅魔の叱責の声。
もはや魔理沙には、返り咲く可能性というものなど残ってなどいない。
そういった意味を込めて吐かれる魅魔の言葉は……傍から聞いている反町すらも残酷だと思えるもので。
そして、魔理沙にとっては……正に死の宣告とも言えるような言葉であった。

魔理沙「そんな事……言わないでよ、魅魔様……。
    練習してなかったのは謝るよ……なんだってするよ……だから、お願いだから……私に教えてよ……。
    あいつらに負けたくない……惨めに負けたくないんだ……」

それでも、尚、魔理沙は魅魔に嘆願をした。
今の魔理沙に頼れるのは――素直に自身の本音を打ち明け、頼れるのは魅魔しかいない。
そして、魅魔ならば絶対に自分に味方をしてくれると、今もまだ信じていた。
しかし――やはり魅魔は頑なだった。

655 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/16(土) 02:15:43 ID:???
魅魔「しつこい奴だね……いい加減、聞き分けな!」
魔理沙「!?」

自身の法衣を掴み、泣きじゃくる魔理沙に……鬼のような形相を浮かべつつ。
魅魔はその右手を大きく振りかぶり、そして、振り下ろそうとする。

反町「!!」

魔理沙が目を丸くして、硬直をする中、それを見ていた反町は――。

A.「待て! そこまでだ!!」 これはいかんと間に割って入る
B.「(いや、ここで俺が出る方がよっぽど魔理沙さんのショックに違いない……)」 様子を見続ける
C.「おーい、魔理沙さーん。 どこにいるんだー?」 さも今探しに来た風に大声で呼びかけてみる
D.「ヒャッホー、俺も混ぜろ!」 魅魔に加勢する
E.その他 自由投票枠

先に3票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

656 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:16:17 ID:???
もう可哀想になってきた
普通の魔法使いにお戻り……

657 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/04/16(土) 02:17:43 ID:???
>>644
いえいえ。

>>645-647
でもあまり他の人の裸体に目移りするのは許されざる行為なので注意が必要です。


という事で本日はひとまずここまで。続きは明日以降書かせていただきます。
それでは、お疲れ様でしたー。

658 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:20:22 ID:zLWpTYqs

あんまり可愛そうに思わないのは、やっぱ多分に自業自得だからかなあ。
お師匠の言う通りで、人生をシュートに注ぎ込んだ魔王に勝ちたかったら自分も同じことをやるか、できることを生かさなきゃ。
折角理想的な万能FWなんだから

659 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:22:35 ID:Coqq9toc


660 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:23:14 ID:???
>>658
いや、今後もう浮き上がる目は無いらしいし
それならいっそもうサッカーなんて一時の夢だったと諦めさせて
魔法使いの道に戻してやったほうが優しさだと思うの

661 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:25:54 ID:???
万能性でも反町に負けてね?
反町ドリブル・パス・タックル・パスカット全部出来るぞ

662 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:27:40 ID:???
しかし、こういう気を張ってるタイプが中途半端に挫折すると傷が深くなるからなあ。
俺は高い壁として立ちはだかり、気のすむまで挑戦させるのが優しさだと思う。……蛇呼ばわりの私怨とかないよ?w

663 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:29:05 ID:e3rrQ5Kc
B
熱いぜ師匠…魔理沙、ここが運命の分かれ道!

664 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:30:23 ID:???
まあサッカーがあくまで趣味レベルの幻想郷で毎日サッカーとか無理だろうけどな
実際他の連中も似たり寄ったりだろうし

665 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:32:33 ID:cmBiH0CY
C

666 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:34:08 ID:fv0cLtoQ

あの時に存在抹消されてたほうが幸せだったかも

667 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:42:31 ID:???
個人的には白黒がいつ「じゃあ魔界に行くよ!」と言いだすかドキドキしてたw

668 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:44:08 ID:???
魔理沙、魅魔、ゆうかりんでトリプルスパークか。胸熱

669 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:47:42 ID:jHh7AXeE
C
まぁぶっちゃけ運のなさだよね

仮に対フリーザ軍の時助っ人に来たら無視なんざできなかったし

ルナティックス戦で前半反町が一本でもシュート撃ってたら
後半開始だけでも見ることができてたら今とは違う結果になったんじゃない?

670 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 02:53:16 ID:???
この魔理沙はむしろフランスに行くと思う
もしくは他スレの北海道

671 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 08:09:16 ID:???
いい感じに突き放されてますね、ここから這い上がる熱いベタ展開wktk

672 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 08:30:30 ID:???
こんないい師匠がいて魔理沙はいいよなぁ…
反町には使えない監督しかいなかったよ(涙)

673 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 09:24:29 ID:???
Dを選んだらどうなるんだこれ

674 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 09:25:34 ID:???
外道反町爆誕

675 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 12:11:44 ID:???
言っても無駄だとは思うが
魔理沙にはパチュリーやにとりと言う仲間が居るんだから
3Nシュートみたいなのを覚えるべきだと思う

676 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 12:46:47 ID:???
魔理沙がぶっ飛ばした相手を嘲笑する話がメイリンとかだけじゃなく
仲のいいにとりやパチュリー相手にもあれば本当はいい人に
多少は説得力が出て嫌われすぎることもなかったかもなぁ。まぁ2人がドM認定されそうだがw
反町の演技が見破られればプライドへの追撃でダメージがマッハになりそうだがどうなることやら

677 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 12:54:57 ID:???
不器用な反町に演技なんて無理無理w

678 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 12:55:15 ID:???
そういえば霊夢がJOKER覚醒出した時に覚醒制限到達みたいなのあったけど、
反町はどんくらいまであるんだろう。いまんとこシュート力59だけど、
60くらいでマックスかな?

679 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 13:01:00 ID:???
師に千尋の谷から突き落とされる絶望!
それをライバルに見られる恥辱!
地獄兄弟のスカウト!(違う)

王道だわ、燃えるわあ…!

680 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 13:01:07 ID:???
森崎のセーブ力が今一つ読めないな。星の61をパンチングで防ぐって言ってたから、
てっきり57くらいだと思ってたんだけど、そうすると超化がんばりで69となって、
三杉の『こぼれ球が精々』という発言と若干矛盾が出る。
超化がんばりで67と考えて、セーブ力55(もしくは56)くらいが想定ラインか……?

681 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 13:02:50 ID:???
多分55+1じゃないかな?

682 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 13:10:18 ID:???
〜その日の深夜〜

翼「かくかくしかじか、というわけでリグルこそがエースだったんだよ!」

若林「どうしてこうなった……」

高杉「もう3時間も同じ話をしてるよ…」

石崎「もうだめだぁ…翼派閥はおしまいだぁ…!」


683 :森崎名無しさん:2011/04/16(土) 15:23:26 ID:???
>>680
ポイゾナスセンス発動しての話じゃね?
発動したらオータムドライブがちょうど70

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