キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【再び】キャプテン森崎41【世界へ……!】

1 :創る名無しに見る名無し:2011/03/03(木) 21:38:06.76 ID:6ov6VULL
キャプテン森崎は、高橋陽一氏作のサッカー漫画「キャプテン翼」の二次創作です。
大空翼に代わって主人公になった森崎有三を読者の投票によって操作していき、
他のキャラクター達と交流を深めながらサッカー選手として大成するのが目的の
読者参加型企画です。いわゆるゲームブックを想像して頂ければ分かり易いかも。

基本は毎回出る選択肢の中から読者が投票によってどれかひとつを選ぶ事によって
森崎の各数値が上下したり結果が分岐し、その結果によって森崎が活躍したり
しなかったりして物語が進んでいく…といった展開です。例えば敵にシュートを撃たれたら、
森崎の能力値+ある程度のランダム要素によってゴールを守れたり守れなかったりします。

投票や判定では2ch式(注:似ているだけで2chとは別サーバー)の掲示板で
ID付の投票書き込みを行ったりスクリプトでカードやダイスを引いてもらったりします。

過去スレのログはこちらのまとめページで見られます↓
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/11.html

ミス指摘、質問以外の雑談は下のURLの雑談スレでお願いします。
本スレでも更新毎に30レス程度までの反応レスなら問題無しとしています。
尚、30レスを超え雑談スレへの誘導が始まったら速やかに誘導に従って下さい。それがルールです。
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1289745949/l50
2ちゃんねるとは別の場所の板なので、ブラウザによっては外部板登録が必要です。
なんらかの理由で雑談スレが落ちている時は、本スレでも遠慮なく雑談をどうぞ。

【前スレまでの簡単なあらすじ】
第一回フランス国際Jrユース大会でMVPとなった若き日本サッカー界の星、森崎有三!
サッカー王国ブラジルに留学した彼は数々の強敵達と激戦を繰り広げ、様々な苦難を
乗り越えた末に全日本ユースキャプテンとしてワールドユースアジア予選を優勝と言う形で突破した。
そんな彼に待っていたのは満を持して帰ってきた宿敵・大空翼と若林源三を加えた
全日本ユースを2分して行う紅白戦と言う今までに無い形の試練!数多の大技が飛び交った
この激戦は後半35分に2−2と言う大詰めを迎えているが、森崎の体力は底が近いのに
相手チームの大チャンスと言うピンチ。間も無く全てが決まる。森崎と翼の再戦の決着が。
キャプテンと正GKの地位の行方が。そしてワールドユースへ挑む全日本ユースの在り方が…
…こんな感じで話は進んでいます。


268 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/15(火) 07:31:35.79 ID:spcc8grt
ピキーン…

全日本メンバー「(いきなりヤベえ…)」「(し、失言王森崎が…)」

見上「ば…番組だと!?(まさか、またやらかしていないだろうなこいつ!)」

森崎「ん?何ですか監督、その顔は」

見上「…ゴホン。どんな内容だったのだ?」

森崎「え〜と、日本サッカーの現状とか過去とかについて色々聞かれましたね。
日本にプロリーグが無いのは本当かとか、今まで何回ワールドカップに出た事があるのかとか。
あ、後ワールドユースに向けた意気込みを一言で言い表してくれって聞かれたから…」

A 「当然優勝です。優勝以外眼中にありません、って答えておきましたよ」
B 「日本サッカーは俺達の世代が生まれ変わらせてみせます、って言っておきました」
C 「まずは予選突破。そこから先はそれから考えます、って答えにしました」
D 「ブラジルに大恥かかせてやるぜ!ワハハハ!ってちゃんとやっておきましたよ」
E 「大会MVPは俺の物で決まり、と宣言しておきました」
F 「世界中のサッカーをこの俺が陵辱してやる!と答えました」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1299481162/l50にて
            ☆2011/3/15 10:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

269 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/15(火) 23:55:03.71 ID:spcc8grt
>A 「当然優勝です。優勝以外眼中にありません、って答えておきましたよ」

森崎の答えを聞いた瞬間、全日本ユースの選手たちは深々とため息をついた。
思ったより常識的な回答で良かったと言わんばかりに。しかし見上はしかめっ面だった。

見上「お前らしくはあるが、問題発言の一歩手前だな。随分騒がれただろう」

森崎「まあそうですね。インタビュワーが思わず噴出したし、それを誰も咎めませんでしたよ」

松山「えっ、なんだそりゃ?随分失礼だな」

陽子「こっちの感覚だとむしろ森崎くんが失礼に映ってしまうのよ。普段の森崎くんの
言動もあって笑い話と受け取られたけど、真面目な翼くんが言ったりしたら叩かれていたかもね」

葵「えー。翼さんにはサイク…」

見上「待て、葵!」

葵「ろ…ろろっ?」

270 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/15(火) 23:55:32.43 ID:spcc8grt
陽子「それはまだ秘密よ。幸か不幸か翼くんはロクに公式戦で出番がないからね。
どうせなら秘密兵器にしちゃおうって事よ」

葵「あー…す、すみませんっ!」

中山「それじゃ、折角注目度が低い内にさっさと合宿所に行きませんか?監督」

見上「そのつもりだ。陽子くん、案内を頼む」

陽子「はーい。皆、バス乗り場まではぐれない様にね〜」

早田「なあ森崎、合宿所って何処にあるんだ?」

森崎「俺たちがいるDグループはエスタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリアで試合を行うから、
ブラジリア連邦直轄区まで行くんだ。内陸の方にあるから結構長旅になるぜ」

中里「ブラジリ…なんでゴザルか、それは?」

森崎「簡単に言えばブラジルの首都、ブラジリアの中にある特殊な区域だな」

271 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/15(火) 23:56:39.36 ID:spcc8grt
軽い挨拶を済ませた一行は貸しきったバスに乗り、森崎の説明に耳を傾けた。

森崎「今回のワールドユースはブラジルにあるサッカースタジアムの内、デカい規模の物を4つ使うんだ。
Aグループはリオ州にあるエスタジオ・ド・マラカナン。Bグループはサンパウロ州のエスタジオ・ド・モルンビー。
Cグループはミナスジェライス州にあるエスタジオ・ゴベルナドール・マガリャンイス・ピント。
そしてDグループはさっき言った通り、ブラジリア連邦直轄区にあるエスタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリアだ」

次藤「どれも舌ば噛みそうな名前じゃのう」

森崎「ポルトガル語だからな。んで、俺たちはスタジアムの周辺にホテルと練習場を借りるって手はずだ。
ちなみに決勝トーナメントは準決勝まではマラカナンとモルンビーを使い、決勝戦はマラカナンでやるそうだ」

井出「各グループ間の移動が中々大変なんだな。偵察にも一苦労なんだな…」

賀茂「心配すんな。俺と陽子も手伝ってやるからよ」

陽子「手分けして頑張りましょ。大丈夫、1日に最大でも2試合しか行われないから」

森崎「(こう言う雰囲気だといよいよ大会前だって実感するな。シュナイダーもこんな気分なのかな?)」

272 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/15(火) 23:57:31.85 ID:spcc8grt
ワールドユース開幕まで後2週間足らず。ブラジルは全国規模の盛り上がりを見せ、
それに比例するかの如く各ユースチームの雰囲気も物々しくなっていく。



〜ドイツユース〜

シュナイダー「HA!!」

ミューラー「甘いっ!」

ポブルセン「どけオラァ!」

フライハイト「断る」

シェスター「ニンポー・ホウセンカ!」

カルツ「何じゃそりゃあ!」



ルディ監督「ふむ。全体的な仕上がりは良い様だな」

助手コーチ「コンディションを崩している者は一人もいません。懸念されていた
チーム内のまとまりの無さも解消されつつあります。このチームなら行けますよ!」

273 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/15(火) 23:58:26.13 ID:spcc8grt
〜イタリアユース〜

ヘルナンデス「ジェンティーレ、2m右だ!」

ジェンティーレ「分かっている!」

バンビーノ「行ったぞストラット!」

ストラット「振り切ってみせる!」

アルシオン「…そこだ!」

ランピオン「たりゃぁあああっ!!」



ジョアン監督「(これだ。この支配力と破壊力を兼ね揃えたカティナチオなら無失点優勝も夢ではない!)」

274 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/15(火) 23:59:15.21 ID:spcc8grt
〜オランダユース〜

クライフォート「ヘバるな!運動量で負けていてはトータルフットボールは機能せん!」

クリスマン「当然だ!」

レンセンブリンク「…こっちだ」

カイザー「よっとっと!」

イスラス「遅い遅いぞお前らもっと速くなれ!」

リブタ「何言ってるか分かんねーよ!」

ディック「速いのはドリブルだけにしとけ!」

ドールマン「お前ら喋る暇があったらラインを上げろ!」



クラマー監督「(果たしてこの若者たちの信念が世界一と言うオランダの悲願を成就させられるか?ふふふ、楽しみじゃわい)」

275 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/15(火) 23:59:57.85 ID:spcc8grt
〜アルゼンチンユース〜

ディアス「ヒャッホー!今日も俺様、絶好調!」

サトルステギ「くっそぉおおお!!今度こそ止めてやる!」

パスカル「ディアス、こっちだ!」

バビントン「やられっぱなしで済んでたまるか!」

ガルバン「これ以上得点させん!」



バルバス監督「(今私は確信している。ディアスを超える天才など居はしないと!)」



〜ウルグアイユース〜

ビクトリーノ「今日の練習もハードだな…」

火野「コンディション調整なんて最後の最後でいい、が監督の口癖だからな」

ダ・シルバ「体が壊れないのが不思議だぜ、ホント!」



マチルダ監督「こりゃーっ!そこ、無駄口叩いとる暇があったら走らんかい!」

276 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 00:01:37.95 ID:spcc8grt
〜フランスユース〜

ナポレオン「4年前と比べると随分マトモなチームになったな〜」

ピエール「あれから劇的なタレント発掘プログラムが施されたからな。後はあいつさえどうにかなれば…」

アモロ「うう〜、緊張してきた〜…」



〜メキシコユース〜

エスパダス「良いか皆!日本にだけは死んでも負けられんぞ!」

メキシコメンバー『おう!!』

エスパーニャ「(相変わらずだねえ、全く…こいつら全部バカだ)」

277 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 00:02:15.16 ID:zkJYlSAE
上位を狙うチームは何処も半ば殺気立った形相で最後の仕上げに励み、それをブラジルのメディアは大喜びで取材した。
だが一つだけ注目の最中にも関わらずまるで情報が出てこないチームもあった。

記者達「え〜、今日も非公開練習か〜?」「ロベルト・ホンゴーは予想外に秘密主義だったな」

開催国のチーム、ブラジルユースである。



〜ブラジルユース〜

ロベルト監督「よし、今日はこれまで!解散!」

ブラジルメンバー『ハァ、ハァ…』

ゾロゾロゾロ…

ロベルト監督「(皆見違える程強くなった。だが、その代償として…)」

コインブラ「……………」

ロベルト監督「(コインブラが当初以上に孤立してしまっている。これではいざと言う時使えんかも知れん…)」

カルロス「(アーサー…お前は何を考えているんだ?)」

278 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 00:03:18.51 ID:zkJYlSAE
いったんここまで。

279 :創る名無しに見る名無し:2011/03/16(水) 00:05:11.62 ID:y5v+XqDT
乙です。
面白そうな展開になってきたー!
やっぱNPCの会話も見てて楽しいっす

280 :創る名無しに見る名無し:2011/03/16(水) 00:07:35.01 ID:SAv6IsG/
陽子さんの動向(同行)が気になる俺がいる

281 :創る名無しに見る名無し:2011/03/16(水) 08:17:26.68 ID:zJtnrsC0
森崎「こ、こいつは…」
エスバダス「こいつが…」

森崎・エスバダス(魂の兄弟!)

282 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 21:21:05.78 ID:zkJYlSAE
無論全日本ユースも合宿で最終調整を重ねる日々だった。
前回の紅白戦から目立った成長を見せたのは早田、次藤、中山、そして森崎の4人。
前者の3人はDFの能力に磨きをかけると言う方向性だった為さして驚かれなかったが、
FW顔負けの攻撃力を披露してみせた森崎には驚愕と呆れの視線が降り注いだ。

住友「いやはや、相変わらず型破りですねあいつは」

見上「フィールダーとしての守備力は完全放置なのが全くあいつらしい。
まあいい、一応最後の手段の一つとしては数えておくか」



短い準備期間はあっと言う間に過ぎていき、ついに大会初日の二日前になった。

見上「今日はここまで!」

山森「あれ、やけに短いですね?」

見上「夕方から選手たちの集うパーティがあるんだ。こちらで用意した正装に着替えてバスに乗れ」

石崎「うえ〜っ、めんどくせ〜。でも旨いモン食えるかな…」

283 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 21:21:56.38 ID:zkJYlSAE
新田「そういえば井出、ちょっと気になったんだが。俺たち、この大会ではどんな前評判なんだ?」

井出「ん?前評判なんだな?」

赤井「ああそりゃ気になるな。流石に優勝候補扱いはされてないだろうけど」

三杉「どんなに好意的に評価されたとしてもダークホースが関の山だと思うよ」

井出「大体その通りなんだな。いくつかテレビや新聞をチェックしたけど、大抵は予選2位か3位が
良いトコって評価なんだな。予選落ち確実とまで断言している所もありました」

岬「どうしても過去の実績で比べられちゃうからね。ワールドカップに出た事が一切ない、
オリンピックでは銅メダルが一個だけ、ワールドユースもこれが初出場、国内にプロリーグは無い。
このチームの大半が学生だと言うのも低評価につながっているだろうね」

早田「へっ、上等だぜ。下克上、望む所だ」

井出「ここに全グループのチーム評価と展望予想を特集した雑誌がありますけど、見ます?」

森崎「面白そうじゃんか。見せろよ」

284 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 21:22:32.01 ID:zkJYlSAE
グループA:ブラジルとオランダの為の狩猟所

ブラジルユース
攻撃力:☆☆☆☆☆
支配力:☆☆☆☆☆
守備力:☆☆☆☆☆
コメント:今更語るまでもない、我らがブラジルユース。キャプテンのカルロス・サンターナを筆頭に
 フル代表入りしていてもおかしくないタレントが揃う。当然国民の期待は優勝であり、
 準優勝以下は恥。ロベルト監督もそれを感じ取っているのか、合宿や練習の殆どを非公開にし
 それを「現役時代では果たせなかった世界一を狙う意気込みです」と宣言している。

オランダユース
攻撃力:☆☆☆☆
支配力:☆☆☆☆☆
守備力:☆☆☆☆
コメント:トータルフットボールを引っさげてやってきた欧州の刺客。ビッグプレイヤーの数では
 ブラジルに劣る印象があるものの、自慢のトータルフットボールがフルに機能すれば
 ブラジルを食いかねない難敵。キャプテンのブライアン・クライフォートが攻守共に鍵となるが、
 かと言って彼をマークするだけでは何の対策にもならないのがやり辛い相手である。

285 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 21:23:11.05 ID:zkJYlSAE
アメリカユース
攻撃力:☆☆☆
支配力:☆☆☆
守備力:☆☆
コメント:サッカー不毛の大地からやってきた荒くれ達。冗談抜きでラフプレイが非常に多いチームである。
 それは恐らくアメリカでは「フットボール」と言う単語が「サッカー」ではなくアメリカにしかない
 ラグビーに似た競技を意味するのが原因だろう。注目すべき選手はエースのミハエルのみで、
 それも珍妙な言動とプレイスタイルが面白いだけ。星条旗が産んだ珍獣を鑑賞しに行こう!

中国ユース
攻撃力:☆☆☆
支配力:☆☆
守備力:☆☆☆☆
コメント:アメリカ同様サッカーを何か別のスポーツと勘違いしているとしか思えないチーム。
 アクロバティックな曲芸が沢山飛び出すある意味楽しいチームではあるが、実際にサッカーをやらせると
 穴が多いにも程がある。かろうじて守備だけはGKのルーと実質的にはDFのボランチであるシャオが
 堅くしているが、その手段はシュートをけり返す事。もう少しどうにかならなかったのか?

グループ展望:
ブラジルには百戦百勝が求められると言う大前提はこの際置いて、客観的に見ても
ブラジルとオランダが1位争い、アメリカと中国が3位争いをすると言う明暗がくっきり分かれたグループになるだろう。
まともな強豪チームが2つあり、イロモノな弱小チームも2つある。世界規模の大会ではよくある事である。

286 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 21:24:00.02 ID:zkJYlSAE
若林「流石にブラジルは自国を高く評価しているな。プレッシャーをかける意味もあるんだろうが」

翼「ただ、この評価は決して地元贔屓ではないと思うよ。実際に凄い選手ばっかりだから」

松山「しかし、オランダ以外のチームはボロクソに書かれているな…良いのかこれ?」

三杉「少なくともアメリカに関しては非常に的確だと思うが?」

森崎「ま、実際にこのグループの見所はオランダがブラジルから首位を奪えるかどうかだけだろうな。次行こうぜ」

287 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 21:24:21.92 ID:zkJYlSAE
いったんここまで。

288 :創る名無しに見る名無し:2011/03/16(水) 22:00:21.74 ID:zqhoT7tU
猫監督の紹介まだー?

289 :創る名無しに見る名無し:2011/03/16(水) 22:02:26.45 ID:SAv6IsG/
アルゼンチンの変態が気になるなw

290 :創る名無しに見る名無し:2011/03/16(水) 22:06:34.96 ID:zJtnrsC0
森崎の評価が気になる
リオカップでブラジルサッカーを陵辱した森崎と翼はなんと言われるのかな
森崎はインタビューの件もあるし

291 :創る名無しに見る名無し:2011/03/16(水) 22:46:52.35 ID:F/Fj5euU
能力値スレ見てて思ったんですが
スキル・○○+2などがあっても上限は76でそれを超えることはないんでしょうか?

292 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 23:02:17.88 ID:zkJYlSAE
>>291
スキル・○○+2は素の能力値が低めのキャラに対する救済処置なので、
それなしでも能力値が74かそれに近い程高いキャラには元々つきません。

293 :創る名無しに見る名無し:2011/03/16(水) 23:06:30.39 ID:F/Fj5euU
ありがとうございます

294 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 23:23:28.27 ID:zkJYlSAE
グループB:イタリアとアルゼンチンの一騎討ちをイングランドが横から狙う構図

アルゼンチンユース
攻撃力:☆☆☆☆☆
支配力:☆☆☆☆☆
守備力:☆☆☆
コメント:天才ファン・ディアスに始まり、天才ファン・ディアスに終わるチーム。
 既に複数の欧州のビッグクラブが札束蓄積レースを繰り広げているとも言われるこの巨大な個の存在だけでも
 おそろしいチームだが、勿論他の面々もサトルステギ、パスカル、バビントン、ガルバン等タレントばかり。
 このチームに勝ちたいなら、唯一の穴と言われるGKの平凡さにつけこむしかない。

イタリアユース
攻撃力:☆☆☆☆
支配力:☆☆☆☆
守備力:☆☆☆☆
コメント:今大会の青い稲妻はどうかと問われれば、優勝候補の一角ではあるが筆頭グループからは
 一歩落ちるだろう。リオカップでの猛威が記憶に新しいストラットとミランの10番アルシオンを擁するものの、
 前線と中盤の守備が軽い為自慢のカティナチオに必要以上の負担を強いている感があるからだ。
 このチームが上位に行けるかどうかはキャプテンのヘルナンデスの両腕にかかっているだろう。

295 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 23:24:22.43 ID:zkJYlSAE
イングランドユース
攻撃力:☆☆☆
支配力:☆☆☆
守備力:☆☆☆☆
コメント:サッカーの母国と言う割には国際舞台でそこまでの存在感がある訳ではないイングランド。
 このチームもダークホース扱いは拒めない。ウイングのテイラーやストライカーのロリマーなど
 見るべき若手選手はいるが、ビッグプレイヤーと言えそうなのはキャプテンのロブソンだけなのが辛い。
 アルゼンチンとイタリアの潰し合いを狙い、美味しい所を貰っていけるかは微妙な所だろう。

ガーナ
攻撃力:☆
支配力:☆☆
守備力:☆☆
コメント:今大会最弱チーム候補。去年のアフリカ予選はカメルーンだけが突出して強く、
 他のチームは軒並み貧弱で失点が比較的少なかったガーナが2位で浮き上がっただけなのだ。
 特に攻撃面のタレント不足は深刻で、勝ち点はおろか得点すらゼロで敗退してもおかしくない。
 格上のチームが揃うこのグループなら1回でも引き分けたら快挙、勝てたら奇跡と言っていい。

グループ展望:
ガーナは問題外なので考慮の対象外とする。イタリアとアルゼンチンの激戦が予想され、
そこにイングランドが巧みに割り込めるかどうかが焦点となる中々面白いグループである。
本誌は僅差でアルゼンチンが1位、イタリアが2位となりイングランドの野望は敗れると予想する。

296 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 23:24:46.61 ID:zkJYlSAE
葵「あれーっ、イタリアの評価が思っていた程高くないな?」

赤井「身近で見られるアルゼンチンの方が強く見えるのかもな。
イタリアはヨーロッパ予選ではクジ運に恵まれて強敵がいなかったし」

次藤「やっぱりディアスの評判はばりごつかのう」

井出「アルゼンチンとの敵対意識が高いブラジル側からの評価がこれですものね…」

新田「イングランドはなんつーか、微妙な表現だな?」

山森「こんな物じゃないか?実際Jrユース大会では予選グループで敗退していたし」

中里「ガーナは…どうでも良さそうでゴザルな」

297 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/16(水) 23:25:14.34 ID:zkJYlSAE
いったんここまで。

298 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/17(木) 00:35:25.50 ID:wrj8JdFC
グループC:何処が出てくるか全くわからない、ある意味死のグループ

フランスユース
攻撃力:☆☆☆☆
支配力:☆☆☆☆
守備力:☆☆☆
コメント:一応は強豪国だが、優勝候補と言う表現には疑問符がつくのがフランスである。
 キャプテンのピエールやストライカーのナポレオンを始めフィールダーはハイレベルでまとまっているが
 それでも優勝するには決め手の数が足りない様に見える。またGKが有名な小心者なのも
 大きな不安材料で、予選突破したは良いがそこで格上にやられると言う未来が目に浮かぶ。

ウルグアイユース
攻撃力:☆☆☆☆☆
支配力:☆☆☆
守備力:☆☆☆
コメント:破壊力抜群のツートップが売りのチーム。ビクトリーノとヒノのコンビはどんな強豪国でも
 警戒せずには要られないだろう。チーム全体のスピードが高いのもこれに拍車をかけている。
 攻撃面に比べると守備面は確実に見劣りするが、弱点と言える程ではない。
 守備陣が奮闘してツートップの力を十分発揮させられれば、大物食いも有り得る好チームである。

299 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/17(木) 00:38:49.95 ID:wrj8JdFC
ポーランドユース
攻撃力:☆☆☆
支配力:☆☆☆
守備力:☆☆☆☆
コメント:カウンターからの速攻と堅実なパス回しで1−0を狙いに行くチーム。GKジャイッチを
 中心とした守備力は中々の物だが、攻撃面ではエースのマッハーに頼るしかないのが欠点。
 目立つ弱点は無いが強い武器も持っていない典型的な中堅チームと言えるだろう。
 何か隠していた特大の切り札でもない限り、予選はともかく決勝トーナメントでは通用しそうにない。

カメルーンユース
攻撃力:☆☆☆☆
支配力:☆☆☆
守備力:☆☆☆
コメント:アフリカの選手は身体能力で勝負すると言うイメージを砕きそうな、意外な程丁寧なチーム。
 有能な監督が就任している為身体能力を活かしつつ組織力が備わっている。
 タレント面でもFW、MF、GKにそれぞれ軸となる選手がいるので縦のまとまりが強い。
 流石に優勝候補とは言えないものの、予想以上の躍進を見せてくれる可能性がある。

グループ展望:
今大会最も予想が難しいグループ。ほぼ同格のチームが4つ並んでおり、
そのどれもがスタイルやタイプが違うので本当に何処が勝ち上がってもおかしくない。
ここはあえて順当にフランス1位、ウルグアイ2位、ポーランド3位、カメルーン4位としておこう。

300 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/17(木) 00:40:47.14 ID:wrj8JdFC
政夫「フランスのフィールダーがハイレベル〜?冗談だろ〜?」

和夫「4年前やった時は地元判定に助けられまくりのザコどもだったじゃねーか」

岬「いや、あの時から比べてメンバーは半分以上入れ替わったそうだよ。
フランスの友達から送ってもらったビデオでは、優秀なフィールダーがスタメンを占めていたんだ」

井沢「ウルグアイは南米予選2位だったか?やっぱり強いんだな」

滝「ポーランドとカメルーンは…これだけじゃ良く分からないな」

来生「どうでもいいぜ!どうせ予選を1位で突破すりゃ会う事はない連中だ」

301 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/17(木) 00:41:40.85 ID:wrj8JdFC
いったんここまで

302 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/17(木) 01:23:28.81 ID:wrj8JdFC
グループD:実質的シードのドイツに続くのはメキシコか日本か

ドイツユース
攻撃力:☆☆☆☆☆
支配力:☆☆☆☆
守備力:☆☆☆☆
コメント:東西統一を果たした夢のチーム。通常はこういった融合を果たした場合
 何処かで無理が生じる物だが、キャプテンのシュナイダーのカリスマ性で破綻を防いでいる模様。
 戦力的に見ても間違いなく優勝候補であり、攻守共に隙らしいものは見当たらない。
 このグループにはライバルがいない為、確実に1位突破しブラジルの脅威となるだろう。

全日本ユース
攻撃力:☆☆☆☆
支配力:☆☆☆
守備力:☆☆☆☆
コメント:長らくサッカー後進国扱いされながらも、近年の進歩が目覚しいのが日本である。
 実戦の出番には恵まれないもののプロ契約をしているツバサとモリサキを中心に、
 アジア予選で活躍した面々が奮闘すればメキシコを押しのけて予選突破も可能だ。
 流石にドイツ及びドイツクラスのチームには歯が立たないので、そこまで行けば十分だろう。

303 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/17(木) 01:24:40.80 ID:wrj8JdFC
メキシコユース
攻撃力:☆☆☆
支配力:☆☆☆☆
守備力:☆☆☆
コメント:世にも珍しい、オーバーラップを繰り返す”ミラクルゴールキーパー”エスパダスが率いるチーム。
 攻撃面では空中戦を多用してくる他に、ゲームメイカーのエスパーニャのパスにも注目。
 決して強いチームとは言えないがさりとて弱いチームでも無い為、比較的恵まれていると言える
 このグループ分けなら2位突破が十分に狙えるだろう。運がよければベスト4行きか?

エクアドルユース
攻撃力:☆☆
支配力:☆☆
守備力:☆
コメント:ご存知南米の内弁慶。ホームで勝ち点を稼ぎ、アウェイでは引き分け狙いに徹底した結果
 なんとか大会出場を果たした情けないチームである。当然ブラジルで開かれる今大会では
 彼らの守護神たる空気の薄い高地に建てられたスタジアムの神通力は彼らを守ってくれない。
 3位に食い込めれば十分賞賛に値するが、恐らくは4位で敗退するのがオチだろう。

グループ展望:
ドイツが楽に1位突破しそうだが、メキシコと日本のどっちが2位になるかは予想し辛い。
引き分けに終わる可能性も高そうなので、エクアドル相手にどれだけ稼げるかも重要だろう。
本誌は得失点差でかろうじて日本が2位突破すると予想しておこう。

304 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/17(木) 01:25:18.53 ID:wrj8JdFC
松山「エクアドルの表現が何か酷いな?悪意を感じるぞ」

翼「エクアドルは標高が高いホーム戦とそうでないアウェイ戦で勝率がかなり違うんだ。
そういう面では南米の他の国々に嫌われていると言っても過言じゃない」

岬「国際戦ではホームアドバンテージがあからさまなのも珍しくないからね」

日向「フン…これでもこいつらは日本を持ち上げているつもりなんだろうな」

若林「国の実績から言えば、ドイツが1位確実と言われても当然だ」

三杉「案外好意的な評価じゃないかな。ある程度試合は見ている様だし」

森崎「前評判なんざ覆してやるさ。俺達には朝飯前だぜ」

305 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/17(木) 01:26:46.76 ID:wrj8JdFC
1時を大幅に過ぎてしまいましたが今日はここまで。
また明日お会いしましょう。

306 :創る名無しに見る名無し:2011/03/17(木) 20:28:59.12 ID:XmLUbsSX
そういえば、紅白戦の勝利ボーナス(各種ステータスUPor新必殺技習得)とかはないんですか?
あるいは、紅白戦に勝利したことで少なくともWYではキャプテンになることが
殆ど確定していることがボーナスになるのですか?

307 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/18(金) 13:31:52.12 ID:QttNw+8z
>>306
東邦学園中等部に勝った時の様なボーナスですか?あれは
あの頃は今ほどゲームバランスに拘っていなかったが故のボーナスでして、
今はあまりに全日本を強くしすぎるとヌルゲーになってしまう危惧が大きいので
そういったボーナスはありません。
支持率や支配体制が磐石になると言う点では勿論メリットですが。

308 :306:2011/03/18(金) 23:24:48.03 ID:i3BXbvY4
>>307
理解しました。ありがとうございます。

309 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/19(土) 00:34:02.67 ID:bwiUkX1h
余談ではあるが、ほぼ同時刻ブラジルユースの合宿所でも似た様な光景が広がっていた事にも言及しておこう。

マウリシオ「こりゃ凄い。俺達唯一の全評価マックスチームですよ」

ネイ「こういうのも褒め殺しって言うのかな?」

この日ブラジルユースの選手達は休憩時間に偶然にも全く同じ雑誌を見ていた。
ただし全日本ユースの選手達とは違って大半の者が呆れから来る苦笑いを浮かべたり、
露骨に不機嫌になったりしていたが。

ジェトーリオ「要は負けたら僕達はブラジルの恥扱いって事でしょ。やれやれ」

ザガロ「テメエラでフィールドに立つ訳じゃない癖に良く言いやがるぜ!」

トニーニョ「これがセレソンになる為の洗礼と言う事だろう」

サンタマリア「裏を返せば、ブラジル代表と言うブランドはそれ相応の質を求められるとも言えるな」

ディウセウ「ブラジル代表になれば勝手にビッグクラブの方からやってきてくれっからな〜!」

310 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/19(土) 00:34:22.96 ID:bwiUkX1h
彼らは皆、自分達にプレッシャーがかけられている事を理解し、それを歓迎こそせぬものの
強い精神力で当然の事と割り切っていた。既に一端のプロ選手である証明とも言えるだろう。

コインブラ「……………」

カルロス「……………」

ただ一人のアマチュアであるコインブラだけは我関せずとばかりに離れていた。
この頃になるとコインブラがセレソンの立場に関してもプロ意識に関しても周りとはあまりにも剥離した
見解の持ち主である事がハッキリしていた為、彼に進んで話しかけようとする者は殆どいなかった。

今回も例に違わず、皆が好きなだけ騒いだ後いなくなってからようやく彼は動いた。
唯一残っていたカルロスが黙って見守る中、コインブラはテーブルの上に残された雑誌を
手に取り暇そうにパラパラとめくるだけだったが、とあるページに達すると意外そうに眉を上げた。

カルロス「(なんだ?あいつの興味を引く記事があったのか?)」

コインブラ「カルロス」

カルロス「…なんだ?」

311 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/19(土) 00:34:42.04 ID:bwiUkX1h
コインブラ「日本のキャプテンはツバサ・オオゾラではないのか?」

カルロス「ん?いや、ユーゾー・モリサキの筈だが…そう書かれていないか?」

コインブラ「そうなっている。だから違和感を覚えたんだ」

コインブラが興味を示したのは全日本ユースの紹介ページだった。
”キャプテン:ユーゾー・モリサキ(パルメイラス所属)”と書かれている部分があり、
そこをカルロスに見せるコインブラの表情は珍しく困惑に満ちていた。

コインブラ「ツバサは4−1でモリサキに大勝したんだろう?サンパウロFCのキャプテンとして」

カルロス「ああ、そうだったな…だが、その後ツバサはプロデビューしてから坂から転がり落ちる様に
大スランプに陥ってしまい、その間は全日本ユースに召集されなかったらしい。
逆にモリサキはアジア予選をキャプテンとして勝ち抜いたそうだから、その実績を評価されたんじゃないか?」

コインブラ「…解せない」

カルロス「何故だ?そんなにおかしい事か?」

312 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/19(土) 00:34:59.86 ID:bwiUkX1h
コインブラ「リオカップで二人を見た時、俺はツバサの勝利を確信していた。決勝戦は見なかったが、
結果は予想通りだった。それほどまでにツバサとモリサキではスケールに差があった」

カルロス「(こいつの眼力は一体何処から来るんだ?何時もまるで全てを知っている様な物言いだ)」

コインブラ「ツバサもモリサキ同様外国人ながらサンパウロFCのキャプテンを任されていた。
なのにツバサではなくモリサキがキャプテンになっている…これが理解できない」

カルロス「そう言われれば不思議ではあるが…全日本ユースにも色々事情があるんじゃないか?
もしくはモリサキにあってツバサには無い何かがあるのかも知れない。同じチームじゃないと分からない何かがな」

コインブラ「…………」

スタ、スタ、スタ…

結局コインブラは自らの疑問をカルロスにぶつけたまま答えようとせず、無言で首を捻りながら
立ち去っていった。後に残されたカルロスもまた別の理由で首を捻っていた。

カルロス「(浮世離れしたあいつが何故他国のキャプテン争いなんかに興味を…?分からない。
あいつと居れば居る程謎が増えるばかりだ。サンタマリアもまだ何も発見出来ていないそうだし…)」

313 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/19(土) 00:37:09.48 ID:bwiUkX1h
短くて済みませんが今日の更新はこれだけです。
言い訳としては、最終章に入った為に回収する分も張りなおす分も伏線が多くて
今までよりも会話シーンが難産しやすくなっている事です(笑)。

314 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 00:37:30.33 ID:M4xWdSOG
乙でしたー

315 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/20(日) 07:58:43.53 ID:DkVAXPMU
数時間後、リオデジャネイロ市のとあるホテルの野外会場に各国の代表チームが揃い、
選手達とスタッフ、招待された貴賓達、そしてホテルの従業員やマスコミ関係者など合わせて
500人を超える大パーティが催された。

場内放送「各国の皆様、よくぞお出で下さいました。当ホテル自慢のこのパーティ会場で
ブラジルを代表し歓待させて頂きます。どうか、間も無く始まる戦の為に存分に英気を養って下さい」

森崎「(えーっと、テーブルはグループ毎に割り当てられてるんだよな…こっちか。既にドイツやメキシコや
エクアドルの連中もあっちにいるな。さて、どうしたもんか?キャプテンの俺があんまりフラフラする訳にも
いかないだろうし、パーティの時間を考えると行ける場所は精々2ヶ所ってトコか?)」

A グループAの様子を見に行く。
B グループBの様子を見に行く。
C グループCの様子を見に行く。
D このままグループDで会話をする。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1299481162/l50にて
            ☆2011/3/20 10:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

316 :創る名無しに見る名無し:2011/03/20(日) 08:43:22.03 ID:JlwZJLVx
2ヶ所回ったらグループDでの会話は出来なくなりますか?
同じテーブルだからいつでも出来ます?

317 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/20(日) 11:54:30.62 ID:DkVAXPMU
>>316
いいえ、時間は経過してしまいます。
森崎が行かなかった所でもNPC同士の絡みはありますが。

318 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/20(日) 15:30:57.86 ID:DkVAXPMU
>D このままグループDで会話をする。

森崎「(まずは…)」

チラリ。

シュナイダー「フッ…」

森崎は最初は順当に自分のグループに割り当てられたテーブルに居ようと決心した。
お目当ては勿論、今回で数度目の対決となるシュナイダーを初めとするドイツユース一行である。
彼らもまた全日本ユースを意識していたのは明白で、自然と視線が合う形でお互いに近寄っていった。

森崎「久しぶりだな、シュナイダー。まさか同じ予選グループになるとは思っていなかったぜ」

シュナイダー「確率論で言えば4分の1で有り得た事だからそう奇想天外ではない筈なのだが…
何故か不思議と早い段階で会った気がしていたな。お前もそうだったのか」

森崎「ああ。ま、どんな段階でやろうとも、お互いやる事は変わらんがな」

シュナイダー「当然だ。お互いの4年間を物語る1戦にしよう」

319 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/20(日) 15:31:14.06 ID:DkVAXPMU
マーガス「会いたかったぞ、ケン・ワカシマヅ…!」

若島津「うん?…ああ、お前は西ドイツのポストプレイヤーだったか」

マーガス「名前位覚えろ!マンフレート・マーガスだ!」

若島津「覚えてもらえたければ俺に屈辱を味わわせろ。4年前のお前はカモだった事しか覚えていない」

マーガス「貴様…!そう言っていられるのも今の内だけだ!」

若島津「さて、どうかな」



中里「フランツ・シェスター…!」

シェスター「とうとう俺たちの再戦の時がやってきたな!嬉しいぞ、ニンジャよ!」

中里「…今度は、本気を出すのであろうな?」

シェスター「勿論!あの敗北を糧に修行して身に着けたゲルマン忍術、とくと味わうがいい!」

中里「ぬうっ!」

320 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/20(日) 15:31:31.44 ID:DkVAXPMU
カルツ「その機嫌が悪そうなツラからすると、まだまだ正GKは遠い様じゃのう」

若林「…お前には関係ない事だ」

カルツ「腐るなよ。これでも見直しているんぜよ?あの怠け者が良くこれ程己を鍛えなおせたモンだと」

若林「そんな褒め方をされて、俺が喜ぶと思っているのか?」

カルツ「いいや、だからこそさ。お前さんは不機嫌な程より一層努力が期待出来るからな」

若林「付き合いきれん…」



ポブルセン「ギリギリギリ………」

翼「(無視無視)」

ミューラー「……………」

日向「ケッ」

メッツァ「あーやだやだ。どこもかしこも火花ばっかり散らしちゃって」

松山「そう思うんなら止めに行けよ…」

321 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/20(日) 15:31:54.32 ID:DkVAXPMU
彼らの再会はその大半があまり友好的な物ではなかったが、それでも一定の節度は保った前哨戦となっていた。
それが純粋な闘志からかもしくは復讐心からかは別として、両チームとも間近に迫った対戦を心待ちにしていたのだ。

だがそんな光景を快く思わない者達もいた。

エスパダス「ハッ!4年前の大会の優勝チームと準優勝チームがよろしくやってるぜ。おめでてーな」

森崎「あん?」

シュナイダー「ん?」

パーマ気味の黒髪をリーゼントにした、どちらかと言えば小柄な男。リカルド・エスパダス率いるメキシコユースの面々である。
彼の後ろにはアステカ5戦士の異名で知られるチームメイト達がニヤニヤと嘲り笑いを浮かべており、
更にその後ろではオレンジ色の長髪が目につく白人の青年、エスパーニャが頭痛をこらえる様に額を抑えていた。

エスパダス「全く金持ちの国の連中は傲慢でいけねえ。自分たちは予選突破は確定だと思い込み、
どっちが1位になるか爽やかにライバル談義ってか?流石先進国の人間は違うぜ!
特に日本、てめえらはドイツと違って優勝候補でもない癖にすげえデカい態度だな、ああ?」

322 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/20(日) 15:32:07.10 ID:DkVAXPMU
森崎「(はあ?いきなりなんだコイツは)」

シュナイダー「(随分と無粋なチンピラだ)」

いきなり割って入られた森崎とシュナイダーが目を丸くする中、エスパダスは
手に持っていたバッグから使い古されて空気が抜けたボールを取り出し、それに唾を吐きかけた。

エスパダス「流石俺たちの一番憎き敵、日本だ」

ペッ!

アルベス「流石俺たちの一番嫌いな男、ユーゾー・モリサキだ」

ペッ!

ロペス「サッカー協会から金出してもらってブラジルに留学したそうだぜ」

ペッ!

サラゴサ「いいよなあ、プロリーグも無い癖に金が余っている国は」

ペッ!

ガルシア「俺たちは地元のクラブに通う金だって自力で稼いだってのによ」

323 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/20(日) 15:32:33.18 ID:DkVAXPMU
エスパダス「そしてケガをしてプロデビューがフイになりそうになったら、クラブに治療費を
出してもらったんだとよ!フザけんな、サッカー以外の方法でも裕福に暮らせるくせによ!
俺たちが今日を生き抜く1ペソにも苦労したのに、わざわざボール遊びなんかで金を稼ごうとしやがって!」

スッ…
グシャッ!

森崎「…はあ?」

そのままエスパダスはチームメイト達の唾がたまったボールを森崎の目の前の地面で踏み潰して見せた。
意味不明の行動に誰もが呆気に取られる中、エスパダスは実に清々した表情で再び口を開く。

エスパダス「このボールはてめえの国の金持ちが俺たちに恵んでいった物だ!
盗んででさえ用具が手に入らなかった俺たちに、新品同様だったボールを使い古しだと言って
恵んでいったんだ!ご丁寧に”貧しさに負けずに頑張って下さい”とほざきながらな!
そして俺たちはてめえらの望み通り貧しさに、そしててめえらに負けない為にここに来たんだ!分かったか!」

324 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/20(日) 15:32:45.17 ID:DkVAXPMU
森崎「……………」

A 「要は恩を仇で返したいって事か。クズ、いや、クズ以下だな」蔑みの視線で見下す。
B 「それで?俺がお前の逆恨みにつきあう必要が何処にある?」白けた視線を返す。
C 「そいつは済まなかったな。だが、試合に負けてやる訳にはいかんぞ」穏便に済ませる。
D 「あ〜…すまん。君、誰だっけ?エクアドルの選手?」徹底的におちょくる。
E 「日向〜、こういう奴はどうしたらいいと思う?」ニヤニヤしている日向に話を振る。
F 「おいシュナイダー、こいつをどう思う?」呆れ顔になっているシュナイダーに話を振る。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1299481162/l50にて
            ☆2011/3/20 17:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
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325 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/21(月) 01:00:23.35 ID:+RB3Bm+f
>E 「日向〜、こういう奴はどうしたらいいと思う?」ニヤニヤしている日向に話を振る。

森崎は実に楽しそうに日向に振り返った。こういう時、
かなり似通った思考の持ち主である二人は同じ様な悪知恵を働かせてしまうのである。

日向「そうだな。ちょうどそこにおあつらえ向きの泥があるから…」

ピラッ…

森崎「(おお〜、流石日向。成金そのものだぜ!)」

三杉「(悪趣味な…)」

なんと日向はサイフから100ドル札を取り出し、それを足元の泥に向かって落とした。
だがエスパダスの反応はそんな彼の悪意を遥かに超えていた。

日向「ほ〜れ、拾ってみせ…」

326 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/21(月) 01:00:57.60 ID:+RB3Bm+f
シュパッ!
ゴソゴソ。

エスパダス「ハッ!流石はぶくぶく太った金持ちの国!やる事が下品だぜ!」

日向「……………」

なんとエスパダスは素晴らしく俊敏な反応で泥に落ちる寸前で100ドル札をつかみとり、
そのまま早業と言って良い程鮮やかな動きで内ポケットにしまったのである。

ピラッ。
ヒラヒラヒラ…
ポトン。

エスパダス「ケチッて1ドル札にしてんじゃねーよ!俺の動体視力舐めんな!」

更に日向がもう一枚、今度は1ドル札を落としたらそれには手を出さず逆に文句をつける体たらくである。

327 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/21(月) 01:01:11.39 ID:+RB3Bm+f
日向「お前、日本人からの恵みは受け取らないんじゃなかったのか?」

エスパダス「ドル札に罪はねえ!」

森崎「こ、こいつは…なんて都合の良い奴なんだ…」

シュナイダー「これが拝金主義者か…」

ポブルセン「なあ、あいつらキチガイじゃないか?」

フライハイト「…まさかお前がそのセリフを言える立場になるとは」

あまりにも露骨な現金ぶりに日向や森崎、はては見る側のドイツユースの面々さえあきれ返った。
この険悪ながら何処か間が抜けた空気は、ため息をつきながら近寄ってきた翼によって破られた。

ヒョイ。
ゴシゴシゴシ…

328 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/21(月) 01:01:26.11 ID:+RB3Bm+f
翼「リカルド・エスパダス。一つ聞きたいんだが」

エスパダス「なんだ?サンパウロの日本人客用の宣伝係さんよ」

翼「このボールを見れば、君たちがどれ程長い間これで練習したかは一目瞭然だ。
日本人を恨むのは君たちの勝手だが、このボールには感謝する気はないのか?」

エスパダス「このボールに感謝だと…!?おい聞いたか皆!」

ロペス「聞いた!しっかり聞いたぜ!」

スアレス「ただのボールに感謝だと!」

アルベス「何だそりゃ!仏教の教えかァ!?」

サラゴサ「成り上がる為の道具に感謝しろだってさ!」

ガルシア「こいつは笑いが止まらないぜ!ガハハハ!!」

329 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/21(月) 01:01:38.79 ID:+RB3Bm+f
翼はボールを拾いあげ、唾を拭きながらエスパダス達に問いかけを行った。
そして罵倒と嘲笑が返ってくると、汚いものを見るかの様な目を向けた。

翼「どうやら同情の余地は無い様だな…お前たちが大嫌いな金満日本人に惨めに敗れ去るがいいさ」

エスパダス「お前らが出来る訳ねえだろ!貧しさと言うパワーがお前ら豚どもに敗れる物か!」

シュナイダー「…井の中の蛙だな」

エスパダス「なにィ!」

シュナイダー「モリサキ、こんな奴らに躓くなよ。精々得失点差を稼いでおけ」

森崎「ああ、こいつらはそれ位にしか役に立ちそうにないな」

エスパダス「この金満どもが!またもう勝ったつもりになりやがって!!」

エスパーニャ「ストップ!ストップ!エスパダス、もういい加減にしておけ!」

330 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/21(月) 01:01:52.78 ID:+RB3Bm+f
シュナイダーも心底不快そうに悪態をつき、事態はいよいよ暴力沙汰になりそうな雰囲気になる。
だがここでエスパーニャが割り込んだ事で事態は収拾に向かった。

エスパダス「ジャマするな、エスパーニャ!」

エスパーニャ「アホ!記者や警備員たちがこっち見てるぞ、ビッグクラブ行きをフイにしていいのか!」

日向「そうだな〜。かたや優勝候補な上、統一記念で世界中から祝福されているドイツ。
かたや世界的な金持ちでこれからFIFAを大いに潤してくれるだろうと期待されている日本。
さてさて、世間はメキシコなんかの為にこの2国を敵視するか?フフフ…」

エスパダス「チッ…精々試合までそうやって吠えていろ!」

ゾロゾロゾロ…

そろそろ本当に大騒ぎになりかねない事を察してようやくエスパダス達は引き下がって行った。
ただ一人後に残されたエスパーニャは苦笑交じりに弁解を試みる。

331 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/21(月) 01:02:06.03 ID:+RB3Bm+f
エスパーニャ「いや〜すまんな、汚い貧乏人達の逆恨みだと思って見逃してやってくれ」

シュナイダー「チームメイトに対して随分な言い様だな?」

エスパーニャ「俺は孤立してるんだよ。チームで唯一富裕層出身だからな。
コネでスペインのクラブにスカウトされて以来、より一層爪弾き者にされちまったんだ」

森崎「スペインのクラブ?おい、確かエスパーニャってスペイン語でスペインの事だよな?」

エスパーニャ「そうだ、スペイン行きが確定して以来それを蔑称にされちまってなあ。
ま、俺は選手登録名にしてバカにし返してやったけどな!」

翼「…随分酷い状態みたいだな、メキシコユースは」

エスパーニャ「いや、ある意味団結はしているぜ。俺さえ悪者にしてりゃいいんだからよ」

カルツ「確かにそういうチームのまとめ方もあるがのう…」

332 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/21(月) 01:02:17.89 ID:+RB3Bm+f
エスパーニャ「とにかく、今回の事は無かった事にしてくれると助かる。スキャンダルは勘弁だからな」

森崎「それは俺たちもそうだが…自分の所を何とかしようって気はないのかよ」

エスパーニャ「無理無理。他の国ではどうだか知らんが、これは数少ない裕福なメキシコ人として
俺が学んだ人生学。貧乏人にとって金持ちは存在そのものが罪であり、
金持ちにとって貧乏人は存在そのものが害なのさ。分かり合えるモンじゃないぜ。そんじゃな!」

タタタタタ…

森崎「…あいつも自分が言いたい事を言っただけじゃねえか」

シュナイダー「壁があるんだろう。奴ら自身が築いた壁がな。俺たちにはどうしようもない」

森崎「ま、どうでもいいか。誰が相手だろうと、倒すだけだしな」

シュナイダー「油断してドジを踏むのだけは止めろよ」

森崎「そっちもな」

333 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/21(月) 01:03:08.25 ID:+RB3Bm+f
今日はこれだけです。また明日お会いしましょう。

334 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/21(月) 13:58:27.78 ID:+RB3Bm+f
森崎「(メキシコの連中があそこまで因縁を吹っかけてくるとはな…こりゃ試合で
コテンパンにしてやらないとこっちが良い恥さらしだ。さて、もう一箇所位回れそうだがどうしようかな?)」

A グループAの様子を見に行く。
B グループBの様子を見に行く。
C グループCの様子を見に行く。
D このままグループDで会話をする。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1299481162/l50にて
            ☆2011/3/21 15:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

335 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/22(火) 17:32:46.39 ID:K4zqxV5t
>A グループAの様子を見に行く。

森崎「(そうだ、折角だからパルメイラスの連中の顔でも見に行くか)」

ゾロゾロゾロ…

森崎「…って何でお前ら人の後をついてくるんだよ!」

翼「サンパウロの皆に会おうと思っただけだ!お前とは関係ないよ」

三杉「僕のお目当てはブラジルじゃなくてオランダさ」

松山「偶然タイミングが重なっただけだって…」

森崎がグループAのテーブルに向かおうと決心した時、タイミングが良いのか悪いのか
3人程彼と同じ場所に向かおうとした者達がいた。一人で古巣の者達と再会しようと思っていた森崎には
あまり喜ばしい同行者達ではなかったが、そんな彼の不機嫌さはグループAの様子を見た時吹き飛んだ。

336 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/22(火) 17:32:56.62 ID:K4zqxV5t
ブラジルメンバー『……………』

オランダメンバー『……………』

翼「あれ?」

三杉「何か様子が変だな」

松山「何だ、この雰囲気?」

火花を散らすか、笑顔で毒を吐きあっているか、それとも友好的に挨拶をしているか。
何らかの形で接触していると思われたグループAの二強、ブラジルとオランダの選手たちが
一塊になりながらも何故か黙りこくっていたのである。実に楽しくなさそうな表情で。

森崎「…あ。原因はアレか」

337 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/22(火) 17:33:09.37 ID:K4zqxV5t



ミハエル「ふ〜む、これは…7点でしょうかね、それとも8点…」



肖「ああ、竜が一杯…選り取り見取りの桃源郷だ…ウヘヘヘヘヘ」



一方ではミハエル。もう一方では肖。この二人が逆方向から舌なめずりをしそうな表情で
ブラジルとオランダの選手たちをためつすがめつ鑑賞していたのである。

翼「な、何なんだ?あの二人は」

松山「えーっと…説明が難しいな…」

三杉「関わり合いにならない方が良いよ、翼くん」

338 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/22(火) 17:33:22.98 ID:K4zqxV5t
ネイ「よ、ようモリサキ!久しぶり!」

森崎「…おう、お前らも大変だな。アメリカと中国なんかと一緒になっちまって…」

トニーニョ「…別に良い。遠巻きに見ているだけで害は無いのだから」

キーガン「なあ、あいつらって二人とも…その、なのか?」

森崎「知らん。詳しく知りたくない」

ゲレーロ「だろうな」

オルヘス「君子危うきに近寄らずって奴か…」

ブラジルユースの選手達がとびきりの変人二人に辟易としていたのは明らかで、
森崎が近づくとこれ幸いとばかりにパルメイラス組が彼を囲んだ。
勿論サンパウロ組も翼の周りに集まったのは言うまでもない。

339 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/22(火) 17:33:36.74 ID:K4zqxV5t
アマラウ「よう!大分マシな表情になっているじゃないか」

ドトール「以前程ストレスの塊ではない様だな」

翼「うん。もう大丈夫だ」

マウリシオ「そりゃまたケッコー。今は敵同士だけど、スランプのまま消えられたりしたら流石に寝覚めが悪いしね」

翼「有難う………ん?」

森崎「あれ?」

コインブラ「……………」

だが和やかな雰囲気は長く続かなかった。森崎と翼を交互に無遠慮に凝視するコインブラの視線があったからだ。

340 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/22(火) 17:33:51.38 ID:K4zqxV5t
翼「(あれ…?彼は誰だろう。ブラジルユースのメンバーなら、全員顔と名前を知っている自信があったのに)」

森崎「(なんだこいつは、人の事ジロジロ見やがって。それも翼と見比べるみたいに…)」

A 「あ!てめえ、何時ぞやの食い逃げ犯!Aとか名乗っていた奴!」
B 「なんだよ、俺の顔に何かついてんのか?ちゃんとナプキンで拭いてきたぞ」
C 「誰だお前?何で何処の馬の骨とも知れない奴がブラジルユースにいるんだ?」
D 「お〜いカルロス、お前ん所にもあの二人にも負けない変態がいるみたいだぞ」
E 「(無視無視。どうせデータを取っているとか何かだろう、一々気にしてられん)」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1299481162/l50にて
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341 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/23(水) 00:51:22.44 ID:GYlj7lMw
>A 「あ!てめえ、何時ぞやの食い逃げ犯!Aとか名乗っていた奴!」

ブラジルメンバー「は?」「なんだって?」「食い逃げ?」

コインブラ「人聞きの悪い事を言うな。あれはお前との食事が不快だったから先に失礼しただけだ」

森崎「それの何処が食い逃げじゃないってんだ!人に二人分払わせやがって!」

翼「…一体何の話をしているんだ、森崎」

突如素っ頓狂な事を言い出した森崎に周りの誰もが目を白黒とさせる。
張本人のコインブラだけは最初は眉をピクリとも動かさなかったが、
森崎が具体的な話をしようとするとうろたえた表情になった。

森崎「こいつとはリオカップの最中偶然一緒に食事した事があったんだ!
その時一方的に訳の分からん事をほざいた挙句金を払わずに何処か行ったんだよ!」

カルロス「訳の分からん事?モリサキ、それは一体…」

コインブラ「分かった分かった!今すぐ現金で返す、これでいいだろう!」

森崎「ヘッ、最初っからそう言えば良いんだよ」

342 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/23(水) 00:51:35.69 ID:GYlj7lMw
カルロス「(ん?何か様子が変だぞ。まるで何か触れられたくない事を言われた様な…)」

ゲルティス「(普段の行動パターンに当てはまらない反応だ)」

サンタマリア「(モリサキの言った何かに困っている…のか?)」

トニーニョ「(周りと衝突しても一切気にしないタイプだと思っていたのに…)」

ザッザッザッザッ…

そのまま何かを遮る様に財布を取り出し幾らかの金を森崎に渡すコインブラの姿は
ブラジルユースの選手以外には「トラブルを避けさっさと金を払った」様にしか見えなかったが、
数ヶ月間彼と共に過ごした者達には彼らしくない反応に違和感を覚えた。
特にまるで話を打ち切る様に立ち去る後姿は彼らの困惑を増す物だった。

翼「…結局誰なんだ?彼は」

カルロス「あ〜…あいつはアルツール・アンチネス・コインブラだ。見ての通りあまりチームに溶け込めていなくてな」

森崎「コインブラ?そんな奴いたか?何処のクラブ所属だ?」

トニーニョ「…それ位自分で調べろ。敵から塩をねだるな」

ネイ「(トニーニョくん、上手い誤魔化し!)」

森崎「チェッ、ケチケチしやがって」

343 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/23(水) 00:51:59.75 ID:GYlj7lMw
今日はここまで。

344 :創る名無しに見る名無し:2011/03/23(水) 10:42:54.89 ID:S2FZV53s
乙です!
さりげない伏線が凄いw

345 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/23(水) 23:43:51.42 ID:GYlj7lMw
すみません、今日は体力に余裕がないので更新なしとさせて頂きます。
また明日お会いしましょう。

346 :創る名無しに見る名無し:2011/03/24(木) 00:59:41.01 ID:LBvPlqX+
ゆっくりやすんでいってね!

347 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/25(金) 00:34:39.31 ID:o4ADoKT2
一方三杉と松山はブラジルユースではなくオランダユースと対峙していた。

クライフォート「久しぶりだな、ジュン・ミスギ。元気だったかい?」

三杉「お蔭様で。君たちとの実りある試合の経験を活かしてフィジカルを強化できたよ」

クライフォート「それはなによりだ。俺もプロとしてフィジカルの重要さを何度も痛感しているからな」

三杉「なるほど。決勝トーナメントに備えてそれも参考にさせてもらうよ」

三杉とクライフォートの二人は会ってすぐさま慇懃無礼な嫌味合戦を始めた。
その白々しさは敵意満々でいた筈の松山が呆れてしまう程だったが、
だからと言って松山が矛を収める訳もなかった。

松山「三杉、お前なあ…それでいいのかよ」

三杉「こういうやり取りも楽しみがある物だよ」

クライフォート「ん?誰だこいつは」

348 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/25(金) 00:35:03.70 ID:o4ADoKT2
松山「…松山だ。お前達が三杉を負傷させて出てきた後ゲームキャプテンになった。覚えていないのか」

クライフォート「ああ、あの時の…俺に食ってかかった事だけは覚えているな」

松山「その口ぶりだと、全く変わっていないみたいだな…」

クライフォート「お前も自分の物とは異なる価値観に対応する能力を全く磨けなかった様だな」

松山「貴様…!」

三杉「怒ったら負けだよ、松山」

松山「くっ!」

三杉「問題を解決する方法はいくらでもある。話し合いが駄目だったら別の方法を使えば良いのさ。
この場合は力ずく、つまり彼らよりも上位の結果を残せば良い。それが彼らに対する一番の否定になる」

クライフォート「良いアイディアだ。ただし実現性にはかなり大きな疑問符がつくな」

三杉「僕の試算では、十分現実的だと思うがね」

松山「あの時の俺達のままだと思ったら大間違いだ…!」

349 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/25(金) 00:35:23.73 ID:o4ADoKT2
クライフォート「ふうん…違う部分は、あそこの二人か?」

松山の怒りをクライフォートが受け流し、それを更に三杉が逆流させると言う
ある意味不毛なプロセスはクライフォートが森崎と翼の方に視線を向けた事で中断された。
コインブラの後姿を目で追っていた翼はちょうど背を向けておりそれに気がつかなかったが、
森崎は偶然オランダユースの方を向いており、すぐに視線に気付いた。

森崎「(ん、あれはオランダユースのキャプテンか…そういえば会ったのはこれが初めてだな)」

A 「よう、お前らは俺がいない時に好き勝手やってくれたオランダじゃないか」喧嘩を売りに行く。
B 「お、ブラジルの引き立て役担当チームのご一行さんか。ご苦労さん」挑発する。
C 「オランダユースのクライフォートだな?俺は日本の森崎だ。お互い頑張ろう」変化球を投げる。
D 「お〜いミハエル〜、どうやらこいつはお前と同好の志らしいぞ〜」クライフォートを指差す。
E ここは無視の一手だ。こういう奴らは相手にしないのが一番。

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350 :創る名無しに見る名無し:2011/03/25(金) 07:41:05.64 ID:lHpZc6JF
あ、フィールドを逆走して障害になってない相手を撥ねとばしても反則もらわなかった屈指の異次元アホチームのオランダだ
この憎まれ役(笑)も再登場の季節か
今度はどんな笑えるプレイを披露してくれるんだろう

351 :創る名無しに見る名無し:2011/03/25(金) 08:27:15.72 ID:bwgVngB8
ヒールとしては最高の褒め言葉だなw

352 :創る名無しに見る名無し:2011/03/25(金) 09:56:31.42 ID:4LXmG1Om
ヒールとヒール(笑)では全く意味合いが異なるけど
まあ、それにしても2さんだって完璧超人じゃないんだからそろそろ忘れてやれよって思う

353 :創る名無しに見る名無し:2011/03/25(金) 13:01:43.11 ID:RT/KBoZ7
いや、ヒール(笑)ってコメント自体オランダに対する反感の現れだから悪役冥利に尽きるんじゃないかなと。
本当に悪役として失敗してるならそういうレスもされないと思うw
あくまでオランダが嫌いじゃない読者の意見だけど。

354 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/25(金) 15:41:06.01 ID:o4ADoKT2
>D 「お〜いミハエル〜、どうやらこいつはお前と同好の志らしいぞ〜」クライフォートを指差す。

ピコーン!

その時森崎の頭上に電球が浮かんだ。素早くミハエルの姿を探すと、
おあつらえ向きに彼はちょうど森崎がいる方向、しかもクライフォートの正反対側にいた。
つまり、クライフォートと視線が絡み合う状態にあったのだ。

森崎「お〜いミハエル〜、どうやらこいつはお前と同好の志らしいぞ〜」

クライフォート「!?」

ミハエル「何ですかモリサルくん、一体…ワオゥ!!」

どうやらクライフォートはミハエルの眼鏡に適った様で、あのクネクネした
独特の気持ち悪い移動方法でクライフォートに詰め寄った。それもほぼ一瞬で。

ミハエル「オ〜ウ、これは凄い…気高く傲慢な顔立ち!」

クライフォート「…失せろ」

355 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/25(金) 15:41:16.50 ID:o4ADoKT2
ミハエル「そしてこの野心溢れる豪胆な態度!良いですね、貴方は9点です!」

クライフォート「失せろ」

ミハエル「ノーノー、そんなに邪険にしないで下さい。性別と言う枠に囚われてはいけまセーン!」

クライフォート「失せろ!」

たちまちミハエルの強引すぎる求愛が始まり、それをクライフォートはただ一言だけで拒絶しようとする。
この珍妙な我慢大会を目の当たりにした松山は怒りが霧散してしまった。

松山「(あ〜あ、森崎も酷い事を…あれ、そういえばミハエルに言い寄られている筈の三杉は…あんな所に!?)」

ロブソン「お、おい、お前何やってるんだ?」

三杉「すまない、非礼は詫びる。今は何も聞かずに遮蔽役を務めてくれ」

更に三杉は物凄い早業で遠く離れた場所に移動していた。
それも体の大きい選手を利用してミハエルの視界から消えると言う念の入り様で。
完全に気勢を挫かれた松山は恨みがましい視線を向けながら森崎に歩み寄った。

356 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/25(金) 15:41:27.45 ID:o4ADoKT2
松山「森崎…人が真面目にやってる所にイタズラするなよ…」

森崎「良いじゃねえか、お前こそ対戦するかどうかも分からないチーム相手にムキになるなっての」

翼「森崎の奇行はともかく、本当に程々にしておいた方がいいよ松山くん。大会は長いんだ」

松山「まあ、正論だな…(けど、俺はどうしたってあいつらを認める気にはなれないぞ…)」

ネイ「ホッ。ようやくあの気持ち悪い視線から解放された…」

ディウセウ「もう一人変な奴が残ってっけどな!」

肖「ハァア、ハァア…」

ザガロ「てめえ、いい加減にしやがれ!蒲焼をぶち込んでフォアグラにしてやろうか!?」

357 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/25(金) 15:42:38.03 ID:o4ADoKT2
いったんここまで。

358 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/26(土) 17:22:13.86 ID:ozhumhXC
一方その頃グループBのテーブルでは、これまた穏やかならざる出会いが発生していた。
渦中の最中にいるのは勿論、4年前イタリアに大敗を味わわせたアルゼンチンのファン・ディアスである。

ディアス「よう。またお前らと同じグループになるとはな」

ヘルナンデス「ああ、久しぶりだ…だが、今度は結果は逆になるぞ」

ディアス「お約束なセリフお疲れさん。だけど、本当に出来るかな〜?」

ジェンティーレ「出来る出来ないじゃない、既に決まっている未来だ。今度は俺がいるからな!」

ディアス「ん、お前は…ジェンティーレ、だっけ。ユベントスの」

ジェンティーレ「流石はかの有名な天才様だぜ。事前の予習も欠かさないんだな」

ディアス「まーな。評判の良いDFやGKは良い踏み台になるからな!」

359 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/26(土) 17:22:26.80 ID:ozhumhXC
ヘルナンデス「踏み台、か。身も蓋も無い表現だな」

ディアス「俺は奇麗事は嫌いなんでな。勝てば官軍、負ければ賊軍。それがサッカーの世界だ。
それを弁えた上での友情やライバル関係なら歓迎するけど、そうでない奴は相手にしないんだよ」

ジェンティーレ「その言葉、お前も踏み台にされ返される覚悟があっての物だろうな?」

ディアス「そりゃあな。俺はアルゼンチンの英雄だ。英雄ってのは百の味方が出来る度に
千の敵を作っちまうモンだよ。俺に栄光を奪われた奴も俺のせいで没落した奴も
数え切れない程いる。恨みで首を狙われる事なんか日常茶飯事だぜ」

ヘルナンデス「…良い志だ。それでこそリベンジのし甲斐がある」

ジェンティーレ「今の内に精々ご立派なセリフを思う存分言っておけ。
俺たちにボロ負けした後に同じ事が言えるかどうか確かめてやる!」

ディアス「良いね良いね〜。やっぱり国際規模の大会ってのはこう、敵意に満ち溢れてなくっちゃな!」

堅い表情で挨拶するヘルナンデスと敵意を隠そうとしないジェンティーレに睨まれても
ディアスは彼らしい飄々とした傲慢な態度を崩そうとしなかった。
それでも前者の二人も構わずに闘志をぶつけ続けた辺り、精神的な前哨戦は互角だったと言えるだろう。

360 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/26(土) 17:22:39.66 ID:ozhumhXC
ストラット「(あれがディアスか…噂以上にスケールの大きさを感じさせる振る舞いだ。
ヘルナンデスとジェンティーレなら大丈夫だと思うが、少し入れ込みすぎかも知れないな…)」

ヘルナンデスとジェンティーレに限らず、イタリアユースのほぼ全員はディアスを中心とした
アルゼンチンユースの面々と言葉や視線で鍔迫り合いを行っていた。
そんな中ストラットだけはその活動に加わらず、バツが悪そうに遠巻きに眺めるだけだった。
最早チームメイトの許しは得たとは言え、イタリアJrユースをメチャクチャにしてしまった
張本人である彼はアルゼンチンに敵意をぶつける気になれなかったのだ。

ストラット「あれ?アルシオン、そんな所で何やっているんだ?」

そしてもう一人、イタリアユースの選手でありながら全くアルゼンチンと接触しようとしない男がいた。
Jrユース大会後にイタリア国籍を得、イタリア人となったアルシオンは
リベンジに燃えるチームメイト達の闘志など何処吹く風でワインを啜りながら何か紙を見ていた。

アルシオン「これは参加チーム一覧とトーナメント表だ。どのグループからどのチームが勝ちあがりそうか、
その結果決勝トーナメントがどの様な展開になりそうか、思いを馳せていた」

ストラット「えっ、もうそんな事を考えていたのか?まだ大会は始まってもいないんだぞ?」

アルシオン「油断に見えるか?計画的な考察のつもりだったんだがな」

ストラット「お前の場合は油断じゃないだろうが…まずはグループリーグに集中しないのか?
勿論俺だって1位突破するつもりだが、その為にはきちんと1戦ずつ勝たないといけない。
ガーナとイングランドはどうとでもなるとして、アルゼンチンは一筋縄ではいかない相手だぞ」

361 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/26(土) 17:22:53.01 ID:ozhumhXC
何とアルシオンは今から決勝トーナメントの事を考えていた。
いくら何でも気が早すぎるんじゃないか、とストラットが呆れてしまうのも無理はない。

しかしアルシオンはワイングラスを空にしてから静かに言い放った。



アルシオン「アルゼンチン等眼中に無い」



ストラット「…そこまで言うのか?」

アルシオン「所詮はディアスによるディアスの為のディアスのチームだ。
俺はディアスを圧倒出来る自信がある。よってアルゼンチン等眼中に無い」

ストラット「…大した奴だよ、お前は」

362 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/26(土) 17:24:47.68 ID:ozhumhXC
いったんここまで。

363 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/26(土) 23:41:21.16 ID:ozhumhXC
ライバル達が数多の挑戦状を交し合ったパーティもやがて終わりを迎えた。
それぞれの宿に戻る選手達はいよいよ間近に迫った大会の予感に武者震いをしつつも、
同時にこう思った者も少なくなかった。

本当にいよいよなのか?まだワールドユースは先の様な気がしてならない。

それは彼らがそれぞれどれ程長い長い道を歩んできたかを語る感情だった。
苦難の度合いに差はあれど、誰もがこの大会の為に切磋琢磨してきたのだ。
今までの自分たちの全てが試される、ユース時代の集大成でもあり
今後のプロ生活の明暗を占う試練でもあるこの大会の為に。

だが時の流れは常に公平であり、現実は常に厳正である。
大会二日前のパーティは終わり、最後の一日は瞬く間に過ぎ、開幕日の朝も
太陽は何事もなく昇った。その下で行われている喧騒など全く気に留めずに。

364 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/26(土) 23:41:43.76 ID:ozhumhXC
〜1991年 3月21日〜

この日、遂にワールドユースは始まった。

オープニングゲームが行われるグループAのマラカナンスタジアムでは盛大な
開幕セレモニーが行われ、勿論その様子は全国中継されている。
今日は試合が無い森崎達もホテルに用意された巨大テレビに群がって見ていた。

森崎「とうとう始まったぜ…っつってもまだ長ったらしいセレモニーの最中だが」

中山「試合は早くみたいが、こういうのも無ければ無いで何か寂しい気もするな」

三杉「こういう演出や焦らしは商業面で重要なんだよ。大会という物はとにかく金がかかるからね」

日向「どうでもいい、試合以外は見る価値…いや、今日の試合ならそれすらも重要じゃねえな」

岬「グループAではブラジル対アメリカ、グループBではイタリア対イングランドだったね」

翼「後者はまだしも、前者はかなり一方的な展開になりそうだね」

365 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/26(土) 23:42:36.61 ID:ozhumhXC
眠気に勝てなくなったので今日はここまで。
また明日お会いしましょう。

366 :創る名無しに見る名無し:2011/03/26(土) 23:43:15.69 ID:EnqbhdP9
C組はぶられたーwww乙でしたー

367 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/27(日) 16:34:43.68 ID:vVrhsuJW
実際以上に長く感じるセレモニーが終わった後、とうとうオープニングゲームのブラジル対アメリカが始まった。

その結果は、ブラジルが世界に名立たるサッカー王国である事を知らない程のサッカー音痴
(少なくない割合のアメリカ人がこの程度のサッカー知識しか持たないとも言われる)
でも無い限り、誰も驚かない結果だった。即ち、ブラジルの圧倒的大勝である。



カルロス「いくぜミラージュシュート!」

ザガロ「ぬぉおおおおおおお〜!!」

トニーニョ「ブースターシュートだ!」

ディウセウ「キャー!ノー!ンー!ヘーッ!ドーッ!!」

マウリシオ「もーらい!」



ノーウッド「ぐぎゃぁああああああああああ」

368 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/27(日) 16:35:09.00 ID:vVrhsuJW
ブラジルユースはベストメンバーを惜しみなく投入した。
ホームチームであるが故に万が一の失態も許されない事、そしてブラジルらしく
圧倒的な力を見せないといけなかった彼らは見事その義務を果たしてみせた。

ルーク「ガッデム!ボールが全然回ってこねーじゃねーか!」

ミハエル「オーノー、このワタシでもボールが奪えないとは…」

ジャック「畜生、こんな事があってたま…ぐおわっ!!」

アメリカメンバー「あべしっ!」「ひでぶっ!」「ぐふっ!」

アメリカの武器であるツートップの二人はチャンスらしいチャンスが皆無であり、完全に前線で孤立していた。
頼みの綱のジャックの守備力も嘲笑われるかの様に破られ続け、
その他の選手達に到っては、得意の接触プレイですら負け続けてしまうと言う有様である。

一言で言えば、アメリカユースは手も足も出なかったのだ。
最終スコアは0−8と言う一方的にも程がある物だった。



森崎「おーおー、ブラジルも遠慮なくやったなあこりゃ」

早田「だけどよー、確かに大勝だけど何か全力でもなさそうだったぞ?」

三杉「所詮アメリカでは、ブラジルを本気にさせる事すら出来ないと言う事だろうさ」

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