キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【再び】キャプテン森崎41【世界へ……!】

1 :創る名無しに見る名無し:2011/03/03(木) 21:38:06.76 ID:6ov6VULL
キャプテン森崎は、高橋陽一氏作のサッカー漫画「キャプテン翼」の二次創作です。
大空翼に代わって主人公になった森崎有三を読者の投票によって操作していき、
他のキャラクター達と交流を深めながらサッカー選手として大成するのが目的の
読者参加型企画です。いわゆるゲームブックを想像して頂ければ分かり易いかも。

基本は毎回出る選択肢の中から読者が投票によってどれかひとつを選ぶ事によって
森崎の各数値が上下したり結果が分岐し、その結果によって森崎が活躍したり
しなかったりして物語が進んでいく…といった展開です。例えば敵にシュートを撃たれたら、
森崎の能力値+ある程度のランダム要素によってゴールを守れたり守れなかったりします。

投票や判定では2ch式(注:似ているだけで2chとは別サーバー)の掲示板で
ID付の投票書き込みを行ったりスクリプトでカードやダイスを引いてもらったりします。

過去スレのログはこちらのまとめページで見られます↓
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/11.html

ミス指摘、質問以外の雑談は下のURLの雑談スレでお願いします。
本スレでも更新毎に30レス程度までの反応レスなら問題無しとしています。
尚、30レスを超え雑談スレへの誘導が始まったら速やかに誘導に従って下さい。それがルールです。
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1289745949/l50
2ちゃんねるとは別の場所の板なので、ブラウザによっては外部板登録が必要です。
なんらかの理由で雑談スレが落ちている時は、本スレでも遠慮なく雑談をどうぞ。

【前スレまでの簡単なあらすじ】
第一回フランス国際Jrユース大会でMVPとなった若き日本サッカー界の星、森崎有三!
サッカー王国ブラジルに留学した彼は数々の強敵達と激戦を繰り広げ、様々な苦難を
乗り越えた末に全日本ユースキャプテンとしてワールドユースアジア予選を優勝と言う形で突破した。
そんな彼に待っていたのは満を持して帰ってきた宿敵・大空翼と若林源三を加えた
全日本ユースを2分して行う紅白戦と言う今までに無い形の試練!数多の大技が飛び交った
この激戦は後半35分に2−2と言う大詰めを迎えているが、森崎の体力は底が近いのに
相手チームの大チャンスと言うピンチ。間も無く全てが決まる。森崎と翼の再戦の決着が。
キャプテンと正GKの地位の行方が。そしてワールドユースへ挑む全日本ユースの在り方が…
…こんな感じで話は進んでいます。


68 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/06(日) 18:04:49.80 ID:ymJEyV3k
>>67
それらの行動の消費ガッツは40なのでキャッチ同様出来ます。
「ガッツ40未満の時は消費ガッツ40の行動しか出来ず、確率で発動する必殺技も発動しない」と覚えてください。

69 :創る名無しに見る名無し:2011/03/06(日) 18:13:53.75 ID:6/7Gyft7
>>68
どうもありがとうございました

70 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/06(日) 23:46:40.94 ID:ymJEyV3k
★日向 ライトニングタイガー ( ダイヤ3 ) 85+( 4 + 4 )+(隠れMLV1+1)=94★
★次藤 ブロック ( クラブ10 ) 74+( 6 + 4 )+(人数補正+1)=85★ *吹っ飛び*
★石崎 ブロック ( ハート8 ) 69+( 2 + 4 )+(人数補正+1)+(元祖顔面ブロック+13)=89★ *吹っ飛び*
★高杉 ブロック ( クラブ8 ) 69+( 2 + 4 )+(人数補正+1)=76★ *吹っ飛び

【シューター】−MAX【ブロッカー】≧5→シュートは邪魔される事無く放たれた!GKとの勝負へ。

★日向 ライトニングタイガー ( ダイヤ3 ) 85+( 4 + 4 )+(隠れMLV1+1)=94★
★若林 パンチング ( スペード10 ) 82+( 5 + 2 )=89★

【シューター】−【キーパー】≧2→日向のライトニングタイガーが白チームゴールに突き刺さる!
-----------------------------------------------------------------------------
ズッグワォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

後半40分。

日向の残りの体力全てを込めた渾身のライトニングタイガーが放たれた。

ドゴガッ!!

次藤「ふぐぉわっ!?」

それは全日本ユースでもっとも重く大きい体を誇る次藤を軽々となぎ倒し。

71 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/06(日) 23:47:06.13 ID:ymJEyV3k
ガゴォッ!!

石崎「ぶぐぐげぇええええっ!!」

顔面から飛び込んできた石崎の勇気を粉々に砕き。

ボゴアッ!!

高杉「ぐぎゃああああああ!!」

哀れ高杉は体を浮かされる程の勢いで跳ね飛ばされた。

恐るべき事に彼らの決死の抵抗はなんら意味を成さず、
若林の目前に迫ったボールの威力は全くと言って良い程落ちていなかった。

若林「!!」

バッ!

72 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/06(日) 23:47:22.61 ID:ymJEyV3k
若林は戦った。目の前の脅威だけでなく、己自身と。
若林は戦った。重く長い槌の様な腕と拳を振り降ろして。
若林は戦った。ここで負けたら取り返しがつかないからだ。

バガァン!!

若林「っ…!!」

そして若林は負けた。彼の右手は雷を纏った虎の突進を止められなかった。

ズパァアアアアアアアアン!!
バコッ!
コロコロコロ…

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!



全日本(赤) 3−2 全日本(白)

日向チーム内支持率:40→43
(テンプレでは誤りがありました。混乱失礼致しました)

73 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/06(日) 23:48:01.64 ID:ymJEyV3k
日向「フ…フハハハ…ざまあ、見やがれ…」

若林「…ぐっ…!!」

次藤「ガハッ…だごんされてしまったばい…」

石崎「ううっ、いてえよ…」

高杉「ぐぐ…そ、そんな…」

早田「(なんてこった!肝心な所でやらかしちまった…)」

この時流石の日向も疲労困憊なのは隠せず、膝に手をつけないと立っていられない程だった。
だがそれでも彼は立って笑っていた。地面に無残に倒れている者達を見下す為に。

三杉「…ハットトリックか。絶好調だな」

日向「へっ、てめえの言葉はおべっかでもそうでなくてもイラつくぜ」

三杉「それは光え…」

74 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/06(日) 23:48:17.16 ID:ymJEyV3k
松山「山森!おい、山森!」

山森「…つぅう…」

赤チームメンバー「ん?なんだなんだ?」「えっ、まさかケガか?」

一方赤チームもやっとの思いで奪った逆転ゴールを祝福するムードにはなれなかった。
理由は二つある。まずは山森が負傷していた事が発覚した事。

ヨロッ…

翼「ハァ、ハァ…」

石崎「つ、翼…」

そしてもう一つは息も絶え絶えな翼がふらつきながらボールを拾い、センターサークルに向かっていた事だった。

75 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/06(日) 23:48:38.01 ID:ymJEyV3k
ピィッ!

翼「!?」

見上「いったん時計を止める!山森、速やかに住友コーチから治療を受けてこい!」

山森「は、はい」

だが試合はすぐには再開されなかった。山森の治療の為に中断されたのだ。
勿論その分はロスタイムに加算される。これを幸と見るか不幸と見るかはどちら側にとっても微妙だろう。

三杉「治療か…この時間を利用しない手はない」

中山「それはそうだが、森崎が…」

赤井「森崎さん、まだ出来そうですか?」

76 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/06(日) 23:48:54.41 ID:ymJEyV3k
森崎「…心配すんな。まだワンプレイ位は出来る」

中里「ワンプレイ、でゴザルか…」

井沢「いっその事、もう若島津とGKを交代するってのは…」

若島津「やめておいた方が良い。ディフェンダーが一人減る換算になるぞ」

滝「そっか…森崎、守備は苦手だもんな」

早速両軍はそれぞれの陣内に集まり、臨時の作戦会議を開いた。
赤チームの議題は勿論、ロスタイムも含めた最後の数分間をどう凌ぐかである。

森崎「むこうは翼が潰れている。ディフェンスラインは上げても殆ど意味がない。
ただ、早田が恐らくガンガン上がってくるだろう…」

赤チームメンバー『………』

77 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/06(日) 23:49:11.45 ID:ymJEyV3k
森崎「それを踏まえて、タイムアップまで粘るには…」

A 「高い位置で止めろ。そしてそのままタイムアップまでボールキープだ」
B 「低すぎず高すぎない位置を維持しろ。こういう時こそ普段通りだ」
C 「思いっきり下がれ。少しでも時間を稼ぎ、かつ守りを厚くするんだ」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1294094129/l50にて
            ☆2011/3/7 00:15:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

78 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 00:54:21.70 ID:sOiVnFOc
時間が切れてしまいましたね…今夜はここまで。
また明日お会いしましょう。

79 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 13:16:02.70 ID:sOiVnFOc
>C 「思いっきり下がれ。少しでも時間を稼ぎ、かつ守りを厚くするんだ」

中山「裏を取られるリスクは無くしておこうと言う事か。分かった」

赤井「了解ッス!」

松山「後数分間、なんとしても耐え切ろう!」

森崎「ホントにしっかりしろよ、お前ら。ここでまた点を取られたら笑い話にもならないぞ」



赤チームの作戦は「立てこもって逃げ切り」になった。では白チームはどうしていたのか?

岬「翼くん」

翼「ハァ…ハァ…なんだい…?」

岬「翼くんはディフェンスを頼むよ」

翼「えっ?」

80 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 13:17:58.08 ID:sOiVnFOc
白チームでは岬が積極的に発言し、作戦を主導していた。
普段は大人しい岬がここぞと言う時に発言すると誰もが注目する物である。

葵「そ、それはどういう事なんですか?」

岬「聞いての通りだよ。今の翼くんがボールを運ぼうとしても取られる危険性が高い。
だけどこのチームだと積極的に上がれるDFは早田くんだけだ。そのフォローを誰かがやってくれないと」

次藤「ふむ。理にかなっちょるのう」

翼「…だけど…」

岬「翼くん、気持ちは分かるけど今追いつける確率が高いのはこの方法だと思う」

翼「………うん。皆、頼むよ」

81 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 13:18:16.46 ID:sOiVnFOc
早田「俺が上がるのは元からそのつもりだったから良いけどよ、肝心の点を取るのはどうするんだ?」

石崎「シュートチャンスはあっても1、2回位じゃないか…?」

高杉「しかも向こうは絶対守りを固めてくる。多分、ブロックの人数も多くなるんじゃ…」

岬「…向こうの戦術によるね。高めにプレスをしてくるなら速攻で裏を取って一発を狙うのが得策。
低く立て篭もってきたら丁寧に組み立てて、ねじこみ要員を確保した上で撃つのがベストだと思う」

政夫「ようするに俺たちFW次第って事だな」

和夫「大丈夫、まだ短時間なら全力を出せるスタミナはある」

新田「俺はまだピンピンですよ!俺を使って下さい!」

翼「………頼む、皆。何とか延長まで繋げてくれ」

白チームメンバー『おう!!』

82 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 13:18:35.82 ID:sOiVnFOc
こうして。

ピィイイイイッ!

森崎対翼の最後になるかも知れない数分間がキックオフされた。

ダダッ!

日向「さっさと諦めちまえってんだ」

葵「日向さん…!(足が目に見える程痙攣しているのに、お構いなしに走っている!)」

井沢「もうすぐロスタイムだぜ!」

山森「後少し…(耐えてみせるぞ!)」

岬「(やっぱり僕と葵は使えなくなるか)」

滝「もう何もさせないぜ」

83 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 13:18:51.90 ID:sOiVnFOc
政夫「(葵には日向が、岬には山森がついている。これじゃあの二人は使えねェ)」

和夫「(そして正面は…三杉、松山、そしてDFラインの縦の三段構えか)」

次藤「早田、先行するタイ。ワシもついていく」

早田「お前もか?…何か企んでるな、良いぜ」

三杉「さあどうした!来ないなら僕から行くぞ!」

政夫「あの野郎…!」

ダダダッ!

84 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 13:19:07.41 ID:sOiVnFOc
新田「俺に!俺にやらせて下さい!」

和夫「…分かった。ヘマすんなよ!」

バコッ!

赤チームはFWがサイドのMFをマークし、残った守備陣が凸型の陣形で待ち構えていた。
動けるのがFWしかいない白チームは中央突破以外の選択肢を封じられた形である。
だがグズグズしている訳にはいかない白チームは必然的に新田のドリブルに賭ける事になった。

新田「(三杉さん…!ここで俺はアンタを超える!アンタに鍛えてもらった俺のドリブルで!)」

三杉「(窮鼠猫を噛む。それだけでは済まされなかったのが今日の新田だ。
最早彼は全日本屈指のドリブラーとなっている…それを踏まえた上で止める!)」

85 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 13:19:23.27 ID:sOiVnFOc
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1294094129/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★新田 ドリブル (!card) 73+(!dice + !dice)=★
★三杉 タックル (!card) 73+(!dice + !dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→新田、ドリブル突破。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(政夫がフォロー)(和夫がフォロー)(松山がフォロー)
≦−2→赤チームボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
新田:ダイヤで「芸術的なドリブル(+5)」、ハートで「高速ドリブル(+4)」、スペードで(強引なドリブル(+2&吹飛係数2)」
三杉:ダイヤかハートで「クレセントタックル(+2)」

86 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 21:07:05.46 ID:sOiVnFOc
★新田 ドリブル ( スペードQ ) 73+( 2 + 1 )+(強引なドリブル+2)=78★
★三杉 タックル ( ダイヤ3 ) 73+( 1 + 3 )+(クレセントタックル+2)=79★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】=−1→ボールはこぼれ球に。そして松山がフォロー。
-----------------------------------------------------------------------------
新田「(三杉さんの弱点は…パワーだ!強引に突破する!)」

ダカダカダカッ!

三杉「(予想通り!一歩引いて…)」

スッ!
シュパッ!
ポーン!

新田「なにィ!?」

松山「でかした三杉!」

87 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 21:07:22.88 ID:sOiVnFOc
三杉が新田からこぼしたボールは松山の下に行った。ここで松山は少し迷った。
自分でキープするか、前方に大きく蹴りだすか、それとも後ろに戻すか。

松山「(中山か中里に戻すか…?だが、早田が猛烈な勢いで駆け上がっている。
後ろでキープしていたら奪われた時点で大ピンチだ。かと言って前に蹴りだしても相手ボールになる…)」

ダダダダッ!!

政夫「そのボール、返せェ!」

和夫「オラァ、寄越せっ!」

松山「(まずはここを凌がないといけないか!)」

88 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 21:07:50.51 ID:sOiVnFOc
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1294094129/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★松山 ドリブル (!card) 73+(!dice + !dice)=★
★政夫 タックル (!card) 67+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★和夫 タックル (!card) 67+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→松山、ドリブル突破。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(中山がフォロー)(中里がフォロー)(翼がフォロー)
≦−2→白チームボールに。

89 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 22:43:42.77 ID:sOiVnFOc
★松山 ドリブル ( クラブ9 ) 73+( 1 + 3 )=77★
★政夫 タックル ( ダイヤA ) 67+( 6 + 3 )+(人数補正+1)=77★
★和夫 タックル ( ダイヤ4 ) 67+( 2 + 3 )+(人数補正+1)=73★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】=0→ボールはこぼれ球に。そして中里がフォロー。
-----------------------------------------------------------------------------
ズザザーッ!
ガッガッ!

松山「く…!」
政夫「このおっ!」
和夫「うおっ!」

バチッ!

赤チームメンバー「こぼれ玉だ!」「追え!確保しろ!」

90 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 22:43:58.57 ID:sOiVnFOc
シュタタタタッ!

中里「むん!」

パシッ!

松山がこぼされてしまったボールは中里が猛ダッシュで拾った。
しかしそれは前に走り出た結果であった為、すぐにチェックされる事になる。

早田「うぉりゃあ!寄越しやがれ!」

翼「ハァ、ハァ…!」

葵「こんのーっ!!」

中里「(くっ、3人か!パス…いや、拙者の場合ドリブルで挑む方が勝算はある!)勝負!」

91 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 22:44:15.71 ID:sOiVnFOc
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1299481162/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★中里 ドリブル (!card) 74+(!dice + !dice)=★
★早田 タックル (!card) 74+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
★翼 タックル (!card) 72+(!dice + !dice)+(人数補正+1)+(ガッツ99以下ペナ-3)=★
★葵 タックル (!card) 69+(!dice + !dice)+(人数補正+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→中里、ドリブル突破
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(井沢がフォロー)(日向がフォロー)(サイドラインを割る)
≦−2→白チームボールに。

>>5-7に載っているルール以外の補足・補正・備考】
中里:ダイヤかハートで「分身ドリブル(+4)」
早田:ダイヤかハートで「カミソリタックル(+2)」
翼:ダイヤかハートで「クリップタックル(+3)」

92 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 23:03:52.22 ID:sOiVnFOc
★中里 ドリブル ( スペード7 ) 74+( 4 + 6 )=84★
★早田 タックル ( スペード8 ) 74+( 6 + 1 )+(人数補正+1)=82★
★翼 タックル ( クラブ8 ) 72+( 3 + 4 )+(人数補正+1)+(ガッツ99以下ペナ-3)=77★
★葵 タックル ( スペード3 ) 69+( 5 + 2 )+(人数補正+1)=77★

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】≧2→中里、ドリブル突破。
-----------------------------------------------------------------------------
中里「………!!」

早田「………!!」

ほんの刹那だけ、中里と早田の視線がぶつかり合い。

シュバッ!
シュンッ!

早田「なっ…!!」

中里「ハッ!」

次の瞬間、中里は紙一重の差で早田のタックルを振り切っていた。

93 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 23:04:23.95 ID:sOiVnFOc
翼「アァ…」

葵「う、わ…」

そして翼と葵は当たり前の様に抜かれた。今の彼らに中里を止める事は無理だった。



ほんの1分後、若林は石像の様に立ち尽くしたまま目を瞑った。

中里の突破によって中盤まで戻されたボールを赤チームが余裕を持って回している。
そんな光景は見たくないと言う彼の心境を誰が責められようか。

もう1分後、白チームのフィールダー達の表情から希望が消えた。
守備力の低いFW達とラインを高くしても殆ど意味が無いDF達にとって
命綱だったMF達はもう機能していないのだ。中心の翼が崩れた今は。

94 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 23:04:45.51 ID:sOiVnFOc
ピッ!ピッ!ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

そして更に1分後、終わりを告げる笛が3度鳴り響いた。

若林「……………」

約5分あったロスタイムが。

日向「…フゥ。手こずらせやがって…」

チーム内の覇権を賭けた紅白戦が。

翼「ゼー…ハァ…ゼー…ハァ…」

数え切れない程の情熱と理性のぶつかり合いが。

森崎「…よっしゃぁあああああああああっ!!」

今、終わったのだ。

95 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/07(月) 23:05:31.82 ID:sOiVnFOc
いよいよ紅白戦が終わった所で今日はここまで。

また明日お会いしましょう。

96 :創る名無しに見る名無し:2011/03/07(月) 23:14:29.65 ID:UN3XFWFP
乙でしたー!
熱く、しかし、背筋が凍るような思いをした試合をありがとうございました!!

97 :創る名無しに見る名無し:2011/03/07(月) 23:30:04.56 ID:60E+L63/
勝った!第三部完!

98 :創る名無しに見る名無し:2011/03/08(火) 01:28:10.61 ID:nZ/N6nee
乙!
紅白戦と思って油断してたが、
作中トップクラスの緊張感だった。

99 :創る名無しに見る名無し:2011/03/08(火) 03:44:03.74 ID:7IGzN3Oj
中里が初めて決定的な仕事した感じがするw

100 :創る名無しに見る名無し:2011/03/08(火) 13:20:56.23 ID:rMKeQN4E
>>99

Jrユース決勝やジャパンカップ決勝でどちらもいい働きしてるよ。

101 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/08(火) 22:50:42.08 ID:RYiWxJzL
試合終了時の両チームのガッツ



残り/最大

320/850 J山森
410/700 I三杉
60/900 H日向
700/700 G井沢
650/650 F滝
750/850 E松山
680/750 D中山
790/800 C若島津
685/700 B赤井
635/750 A中里
70/835 @森崎

102 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/08(火) 22:51:08.87 ID:RYiWxJzL
残り/最大

500/800 J政夫
40/900 I翼
610/750 H新田
790/850 G岬
510/800 F和夫
635/900 E葵
560/800 D次藤
615/800 C早田
300/700 B石崎
610/650 A高杉
750/900 @若林

103 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/08(火) 22:51:24.97 ID:RYiWxJzL
観客も実況もいない、ただの紅白戦…では済まされない死闘が終わった時、反応は正に千差万別だった。

若林「(終わった…)」

若林は防止を深くかぶり直し俯いていた。目元と頬が濡れていない事が今の彼の唯一の慰めだった。

高杉「(そ、そんな…これじゃあ若林さんの正GK復帰はもう…)」
石崎「(俺は翼の為に何も出来なかったのか…)」

高杉と石崎は絶望していた。ワールドユース前のチーム改革の最後のチャンスがフイになってしまったからだ。

早田「ちっきしょう!マークした相手を封じても肝心の所でミスしてちゃ意味がねェよ!」
次藤「お互いもうちょい活躍しちょったら、試合結果ば変えられてたばい。悔しかのう」

早田と次藤は己の出来を悔やんでいた。ある程度活躍出来ていたからこそ足りなかった部分が悔しかった。

104 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/08(火) 22:51:42.15 ID:RYiWxJzL
政夫「あーあ、もう1点決めてりゃな〜…」
和夫「最後にもう1発撃ててたら…」

立花兄弟も同様、後少し活躍出来なかった物かと悔やんでいた。
ただし彼らはいままでより遥かに結果を出す事が出来ていた為比較的余裕があった。

新田「(くそっ…くそっ…まだだ、まだ俺には力が足りない…!)」

新田はそんな余裕はなかった。周りの評価を覆す事は出来たが、ゴールと言う一番大事な結果は出せなかったからだ。

葵「(翼さん…若林さん…あんなにカラッポな表情になって…)」

葵は一人困惑していた。以前から匂わされていた全日本の内部抗争の実態を
いよいよ明るみにされた彼はどうしていいか分からなかった。

岬「(今日の出来はイマイチだったな。ワールドユースに向けてもう少し努力しないと)」

岬は最も冷静だった。彼は白チーム内で唯一精神的ダメージを受けていなかったと言って良い。

翼「ハァ…ハァ…」

そして、翼はただただ息を整えるのに必死だった。彼の体も心も魂も、全てが休みを欲していた。

105 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/08(火) 22:52:08.63 ID:RYiWxJzL
日向「(…多少問題はあったが、結果は順調だ。この調子で俺の力を示し続けていく!)」

日向は手応えを感じていた。世界で大暴れすると言う彼の目的の第一歩は順調だった。

松山「はぁ〜…息が詰まるかと思った」
中里「最後まで気を抜けなかったナリ」
赤井「こんなにキツい紅白戦は初めてッスよ…」

松山、中里、赤井の3人は単純に勝利に安堵していた。勢力争いに比較的関心が薄く、
目立った失態も無かったこの3人は今後に対する不安も周りより少なくて済んだ。

井沢「(若林さん…)」
滝「(これでよかったのか…?)」

井沢と滝はそうは行かなかった。黙して何も語らない若林の姿は彼らの胸を締め付けて止まなかった。

106 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/08(火) 22:52:29.08 ID:RYiWxJzL
三杉「(勝った。だが、試合に勝って勝負に負けるとはこういう事かも知れない)」

三杉は満足していなかった。この試合白チームの中盤の要として機能していた自信はあったが、
対抗するつもりだった翼の存在感にはどう贔屓目に見ても及ばなかったのも自覚していた。

山森「(くっ、グライダースマッシュは超一流のGKには効かないのか…!)」
若島津「(なんてザマだ。猛省しろ、若島津健!)」
中山「(今日の俺はまるで活躍出来なかった。驕りがあったんだろうか…?)」

山森、若島津、中山は今日の己の出来に最も憤慨していた3人だった。
慣れぬFWだった山森はまだしも、自分の役目を果たせなかった若島津と
実力からは考えられない程試合から消えていた中山は勝利を殆ど喜べなかった。

107 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/08(火) 22:52:46.80 ID:RYiWxJzL
そして、森崎は。

A 「これで俺がキャプテンで文句ないな、翼!」翼に近づいた。
B 「これで俺が正GKですよね、監督?」見上に近づいた。
C 「良くやった皆!良い紅白戦だった!」両チームの選手たちを労う。
D 「どいつもこいつもまだまだ甘い!精進しろ!」両チームの選手たちに激を飛ばす。
E 「ふー…疲れた疲れた。今夜は何食おうかな」リラックスした姿勢を見せる。
F 沈黙は金を貫く。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1299481162/l50にて
            ☆2011/3/8 23:15:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

108 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 00:00:33.04 ID:RYiWxJzL
>E 「ふー…疲れた疲れた。今夜は何食おうかな」リラックスした姿勢を見せる。

全日本メンバー「えっ…」「ハァ!?」「お前、何を言っているんだ…」

重苦しい雰囲気を粉々にする様な間の抜けた声を森崎が出した時、誰もがギョッとし視線を集めた。
中には非難の意味を込めた視線も少なくなかったが、森崎は平気で居直った。

森崎「なんだよ、良いじゃねえか。腹減ったんだからよ」

中山「し、しかし、いくら何でもな…」

森崎「勝ったんだから祝杯を挙げたって良いだろ。負けた向こうは反省会かも知れんがな!」

翼「ぐっ…!」

無神経にも近い、あまりの豪胆さに赤チームの面々も呆れ、白チームの選手たちは怒りを見せる。
それでも声高に糾弾してくる者はいないのは、皆心の何処かでもうとにかく休みたかったからかも知れない。

109 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 00:00:54.47 ID:WnrjF/Ja
見上「ゴホン!集合!」

見上も「また森崎か」と言わんばかりに顔を顰めていたが叱責はせず、代わりに咳払いをしてから号令をかけた。

見上「皆もう分かっているだろう。何故こんな紅白戦をこの時期に組んだか」

全日本メンバー『………』

見上「それを踏まえて一言だけ言っておこう。”世界に通用する”のと”世界で勝てる”のは似ている様で大きく違う」

全日本メンバー『………』

見上「課題はそれぞれみつけた筈だ。後はお前たち次第…ワールドユースまで
残り少ない時間を悔いの無い様に使え。以上だ。解散!」

こうして紅白戦は終わった。選手たちは三々五々に散らばっていく。
ある者は休む為に。ある者は己を戒める為に。またある者は心の整理をつける為に。

110 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 00:01:13.35 ID:WnrjF/Ja
若林「………」

高杉「………」

井沢「………」

滝「………」

若林「…済まなかったな、皆」

井沢「えっ?」

滝「な、何の事ですか?」

若林「これで俺は森崎に三連敗だ。ワールドユースまで後3ヶ月…
少なくともこの全日本ユースでは、俺が正GKの座につけるチャンスはもう無いだろう」

111 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 00:01:30.10 ID:WnrjF/Ja
井沢「そ、それは…その…」

滝「で、でも俺たちに謝る必要なんて…」

若林「本当にそうか?ある程度森崎になびいてはいたが、それでもお前たちは俺を裏切らなかった」

高杉「………」

井沢「………」

滝「………」

若林「俺の存在が呪縛になっていたのは違いあるまい。俺に拘らず森崎についていれば、
あるいは自分の実力を高める事だけに専念していれば今頃違っていたかも知れない。だから…」

高杉「…止めてくれ。あんたの謝罪なんて聞きたくない」

112 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 00:01:47.54 ID:WnrjF/Ja
井沢「高杉!」

滝「お、おい…」

高杉「あんたは傲慢で、図々しくて、自分勝手で…憎たらしい程の才能を持っていたんだ」

若林「………」

高杉「こんな天才GKに勝てる奴なんかいない。日本中でもゴールを奪える奴がいなかったんだ。
修哲小で、5年生の時…全国制覇した時、そう思ったんだ。この人にならついていけるって」

若林「………」

高杉「だから森崎なんかに、俺よりも立場が低かった筈のサブGKなんかに負けちゃいけなかったんだ…
卑怯な手であんたを追い出して、その後も自分だけの為に好き勝手にしていたあいつなんか、許せる筈無いんだ!
あんたはあいつより傲慢で、強くて、上に居なくちゃいけないんだ…だから、だから、あんたの、謝罪…なんか…」

若林「………分かった。ならもう謝らないでおこう」

113 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 00:02:12.33 ID:WnrjF/Ja
井沢「………」

滝「………」

高杉「う、ぐっ………」



若林「…ところで、来生はどうしよう?」

高杉「別に、どうでも」

滝「あっ、忘れてた」

井沢「何もしなくて良いんじゃないですか?」

若林「そうだな。触らぬ馬鹿に祟り無し、だ」



来生「ヒャーッ!ドラゴンスフィアおもしれーっ!」

114 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 00:02:30.56 ID:WnrjF/Ja
いったんここまで。

115 :創る名無しに見る名無し:2011/03/09(水) 00:04:26.93 ID:CT75XF8w
乙です。

しかし、来生、選ばれなかったコトを反省して、せめて試合を見学してみんなのプレーを参考にしよう、とか、

思わなかったんだろうなぁ

116 :創る名無しに見る名無し:2011/03/09(水) 00:11:02.83 ID:pnXU7OTd
何せ超レアスキルである「どんな時でも自信を喪失しない」持ちの男だからな
選ばれない→アピールする必要がないからか!→よし、遊ぼう
これくらいの思考は来生なら軽くやってのけるさw

117 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 00:22:38.43 ID:WnrjF/Ja
来生は何があっても自信を失わないので、今回の紅白戦も部屋でマンガを読んでいました。
若林達の試合後の会話にも呼ばれていません。スキルの代償ですね。

118 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 00:39:17.70 ID:WnrjF/Ja
三杉「…ふぅ」

岬「お互い、お疲れ様」

三杉「…うん」

松山「なんだか浮かない顔だな?」

三杉「…大体察しがつくんじゃないかい?」

松山「…いや…」

岬「多分、翼くんが凄すぎたからじゃないかな」

松山「!」

119 :創る名無しに見る名無し:2011/03/09(水) 00:39:35.10 ID:d7PXwSbg
観戦すらしてないとかwww

120 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 00:39:40.50 ID:WnrjF/Ja
三杉「…そう、その通りさ。僕はリハビリが終わってから、翼くんに追いつこうと必死になってきた。だが結果は見ての通りだ」

松山「………」

三杉「三年間を棒に振った者と、三年間ブラジルでプロになるまで努力し続けた者。
その差はやはり、短時間では埋められないと言う事か…」

松山「…そんなの当たり前だろ」

三杉「…?」

岬「松山…」

松山「お前は天才だが、翼も天才だ。凡人の俺が保証してやるよ。だったら、
同じ天才なら努力の量で勝負が決まるだろ。馬鹿な俺でも分かる事を一々言わせるなよ」

三杉「………」

121 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 10:24:52.82 ID:WnrjF/Ja
松山「だから…えっと、お前ならまだまだ追いつけるから…」

岬「松山、ボロが出ているよ」

三杉「君に叱咤激励は無理だよ。慣れない事はする物じゃないよ」

松山「う、うるさい!お前がらしくなく愚痴なんか吐いているのが悪いんじゃないか!
お前は何時も冷徹で毒舌で…チームの頭脳じゃないといけないだろ!」

三杉「ああ、その通りだ。そして君にはチームの善玉をやっていて貰わないとね」

松山「…前から思っていたんだけど、何かこのチーム内の俺って、損な役割じゃないか…?」

岬「松山は不器用な位に真っ直ぐだからね。そんな松山を皆信頼していると思うよ」

松山「…それならいいか」

三杉「(単純だ)」

岬「(単純だ)」

122 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 10:25:15.39 ID:WnrjF/Ja
三杉「…ところで、君はどうなんだい。岬くん」

岬「僕?」

三杉「君は前から翼くんのパートナーとされてきた。そして今日の試合も精神面と
戦術面で彼を支えていた。だが実力では大きな差が生じた様だが?」

松山「そういえばそうだな。悔しくは…無いのか?」

岬「う〜ん…言いにくい事だけど、僕は昔から翼くんと自分が互角だと思った事はないからね」

松山「えっ!?そうなのか?」

岬「うん。パートナー扱いをされるのは有難いし、実際にそういう役目をこなせる自信はあるけど…
昔翼くんと一緒のチームになったのはただの偶然で、その時僕以外に彼の補佐役をこなせるMFが
いなかったのが大きいと思うよ。無論、翼くんの事は尊敬しているし大事な親友でもあるけどね」

123 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 10:26:21.99 ID:WnrjF/Ja
三杉「つまり、君は翼くんだけじゃなく全体的な補佐役に回るつもりだから
実力面で翼くんに引き離されてしまっても悔しく思う必要はないのか」

岬「うん。自ら好んで裏方に回りたがるなんて我ながら珍しいタイプだと思うけど、
この全日本ユースは自己主張が強い個性的な選手が多いから、これで良いかなって」

松山「確かにな…岬がチームの潤滑油になっている時ってあるよな」

岬「まあ、裏方に回る事ばかり考えて実力が伸び悩んじゃったら元も子もないのも事実だし、
今日は試合から消えている時間もあったから…そういう点では焦っているかな」

三杉「…君は常に周りも自分も良く見ているね。ひょっとしたら僕たち皆が君の掌の上で
踊らされているんじゃないかと思えてくる程だよ(無意識でやっているのかも知れないが)」

岬「まさか。買いかぶり過ぎだよ(三杉くんには要注意だな…バレたら小次郎より面倒な事になる)」

松山「そうだよ、岬に限ってそんな事は有り得ない(三杉は自分が陰謀好きだから他人もそういう目で見ちゃうんだろうな)」

124 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 10:27:12.36 ID:WnrjF/Ja
いったんここまで。

125 :創る名無しに見る名無し:2011/03/09(水) 16:00:52.81 ID:/NRTaP7I
3Mのやりとりは面白すぎるw

126 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 20:35:53.62 ID:WnrjF/Ja
次藤「かーっ、腹減ったばい!今ならカツ丼10杯は行けるとね!」

早田「高いなオイ。カロリーも金額も」

政夫「いくらなんでも食いすぎだろ」

和夫「良くそれで太らないモンだぜ」

中里「暴飲暴食は身を滅ぼすでゴザル」

次藤「何じゃ、よってたかって。ワールドユースの前祝だとでも思えばよか」

早田「ワールドユース、か…」

中里「どうした?早田よ」

127 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 20:36:21.68 ID:WnrjF/Ja
早田「ああ。いよいよワールドユースが間近に迫ってきたが、今日の試合でチームは一つになれたのかなってな」

中里「…ふむ。興味深い事柄ナリ」

政夫「………」

和夫「………」

次藤「う〜ん。とりあえず翼がこの期に及んでキャプテンば目指すとは考えられんめぇ」

政夫「直接対決で負けちゃったし、チームから長い間離れていたもんな…」

和夫「これで森崎のキャプテンの座は安泰か…くそっ」

早田「前から思ってたんだが、何でお前らアンチ森崎なんだ?立花」

128 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 20:36:56.47 ID:WnrjF/Ja
政夫「何で…って、あいつ俺達の事をサル呼ばわりするじゃないか」

和夫「お前らがデブだのハゲだのニンジャだの呼ばれたら仲良く出来るのか?」

次藤「太っちょらん!」

早田「ハゲてねえ!」

中里「(忍者なのは事実であるが…)」

政夫「それにあいつ、勝つ為には何をやってもいいって考えてるだろ」

和夫「何時俺達に足が折れるまでスカイラブしろって言いだすもんか…」

129 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 20:37:16.99 ID:WnrjF/Ja
次藤「いくらあいつでもそこまではやらんと思うがのう」

政夫「信じねーよ。今までの言動が言動だ」

和夫「いくらGKとして優秀でも、俺たちゃ信じねーよ」

中里「それがお主らの決断か」

早田「まあ万人受けする奴じゃねーからな、森崎は。でもよ」

政夫「ん?」

早田「森崎に限らず、このチームはクセやアクの強い連中ばっかだろ」

次藤「そういう事タイ。こげんチームは、我が強い奴じゃなか無理っちゃ?」

和夫「そんなのは嫌だっての」

中里「(分かり合える筈もなし。乱世の覇王とは敵も味方も多い物よ)」

130 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 20:37:34.32 ID:WnrjF/Ja
いったんここまで。

131 :創る名無しに見る名無し:2011/03/09(水) 21:01:49.88 ID:v/k2vRmA
相容れなさを認めつつ一緒に飯食ってる姿が微笑ましくていいですね。
話題の当人が居ないからかな。
中里、南葛勢以外ともちゃんとコミュニケーションできてるんだw

132 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 21:41:03.34 ID:WnrjF/Ja
>>131
この5人は支持するキャプテン候補は対立していますが、
当人同士は特に恨みはありませんからね。
中里は南葛勢よりは次藤や早田の方がなじみがあるかも。

133 :創る名無しに見る名無し:2011/03/09(水) 22:00:29.32 ID:ktQyYo3p
> いくらあいつでもそこまではやらんと思うがのう

え?と思ったけど小学生時代の下剤事件とかを知らなきゃそう思うのも無理はないかw

134 :創る名無しに見る名無し:2011/03/09(水) 22:47:53.54 ID:Q6nqeZte
そういや、メキシコ戦に立花兄弟出すか否かで展開変わったりするのかな?

135 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 23:51:14.22 ID:WnrjF/Ja
石崎「あ、あのさ、翼…」

翼「…うん、何だい?」

石崎「い、いや、その…すまん、何でもない…」

翼「………」

石崎「………」

翼「有難う、石崎くん」

石崎「へっ?」

翼「俺の、友達でいてくれて」

136 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 23:51:39.82 ID:WnrjF/Ja
石崎「な、なーに言ってるんだよ!今更過ぎるぜ!」

翼「そう?」

石崎「おうよ!お前と一緒にやってきたサッカーの日々を悔いた事なんてあるもんか!
俺は今でもハッキリ覚えているぜ。ある日突然やってきたお前が若林の鼻っ面をへし折って、
それから日本一を目指して戦ったあの頃の全部!楽しかったんだぜ!」

翼「…そうだね。あの頃は本当に楽しかった。若林くんが急に居なくなったり
森崎が変な事をやらかしたりしていたけど、それでも楽しかった」

石崎「………今は、楽しくないのか…?」

翼「…いや、楽しいよ。ただ、楽しいだけじゃサッカーはやれないって言う事も知った」

石崎「…翼!何があったんだよお前に!ブラジルに行ってから何が!」

137 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 23:52:01.99 ID:WnrjF/Ja
翼「…俺はね、ずっと考えていた」

石崎「何がだよ!」

翼「何で森崎なんかが成功し、支持を集められるのか」

石崎「………」

翼「俺は日本をワールドカップで優勝させると言う夢がある。それに相応しい力を持ち、
努力も惜しんでいなかったつもりだった。だけど、何時の間にか森崎に追いつかれ、追い越されていた」

石崎「それは…でも、ブラジルでは森崎に圧勝したんだろ?」

翼「そう。俺は勝った。それで全てが解決すると思っていた。でも、実際は何も変わらなかった。
現に今全日本ユースを率いているのは森崎だ。今日チームの力をより引き出したのも森崎だった」

石崎「だって!お前はアジア予選の間いなかったんだから仕方ないだろ!」

翼「うん、アジア予選には参加しなかったね。森崎よりも早くプロ入りしていたから…と言う理由になっているけど」

石崎「けど、って何だよ。何か隠れた事情でもあったって言うのかよ」

138 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 23:53:55.61 ID:WnrjF/Ja
翼「ここ1年、俺がサンパウロで何て呼ばれていたか分かる?」

石崎「そりゃあ、やっぱり…即戦力のスーパールーキーだろ?」

翼「最初はね。でもじきに期待はずれの給料泥棒って呼ばれる様になったよ。パフォーマンスが落ちると共にね」

石崎「なっ!?何でそんな…!」

翼「…サッカーが楽しくなかった。サッカーが怖かった。思い通りにならないサッカーが…憎かった」

石崎「…何だよそれ。訳分かんねえよ」

翼「うん、俺も上手く言えない。ただ、多分俺は…無敵の英雄になろうとしていたんだと思う」

石崎「………」

139 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 23:54:12.90 ID:WnrjF/Ja
翼「俺が強くなって、俺が勝ち続けて…そうやっていけば皆が幸せになれるし、卑怯な奴は蹴散らせるし、
敵とだって分かり合える…ハッキリ言葉にして思っていた訳じゃないけど、概ねこんな感じだった」

石崎「でも、それが出来なくなっちゃったのか?」

翼「…色々と無理だって気付いたんだよ。どんなに努力しても、常勝無敗はプロサッカーでは有り得ない。
俺が倒した相手は、その敗北で多くの物を失っていくんだ。恨まれる事も珍しくない。
そして俺がチームを勝たせても、それが原因で逆にチームメイトから疎まれる事だってある」

石崎「でも、だからと言って!そんなのはお前のせいじゃないだろ!」

翼「そう、俺のせいじゃない。サッカーとはそういう物。楽しい事だけじゃない、辛くて悲しくて醜い部分もある…
ただ、俺はそれに納得出来るまで、随分遠回りをしちゃったんだ。だけど…」

石崎「だけど?」

翼「だけど、森崎は俺よりずっと前から…もしかしたら最初から、それらが分かっていたんだと思う」

石崎「………」

140 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 23:54:33.44 ID:WnrjF/Ja
翼「リオカップで森崎に勝った時、俺はやっと終わったと思ったよ。だけど森崎はすぐに立ち直って、
ジャパンカップでリベンジする気満々だった。逆に俺はまた森崎と戦わなくちゃいけないのか、
って愕然としていた。今から考えてみれば、あれが俺と森崎の違いなんだと思う」

石崎「………」

翼「そしてその森崎の姿勢が…目先の勝利も長期的な栄光も両方貪欲に欲しがる
その生き方が、プロサッカーで成功する秘訣なのかも知れない。
それを無意識に感じ取れる、あるいは理解できる者があいつに惹かれる…
悔しいけど、俺にはその姿勢が無かった。それが今日の結果に繋がったんだ…」

石崎「………」

翼「………」

141 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 23:55:13.78 ID:WnrjF/Ja
石崎「俺はバカだからよ、理屈でなんか喋れない。だから俺が今思った事を言うぜ」

翼「うん…」

石崎「何を言ったって、結局お前が俺のヒーローだって言う事は変わらないぜ!」

翼「!」

石崎「確かに森崎には手段を選ばない強引さと変なしぶとさがあるだろうよ!
だけど森崎に出来てお前に出来ない事より、お前に出来て森崎に出来ない事の方がずっと多いじゃんか!
今のお前は色々苦労してちょっと落ち込んでるだけだ!本調子に戻れば森崎なんか一ひねりさ!」

翼「…石崎、くん」

石崎「だからよ…諦めんなよ。お前が諦めるんだったら、ヘタクソの俺はどうしていいかわかんねえよ」

翼「………うん。有難う」

142 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/09(水) 23:55:33.33 ID:WnrjF/Ja
いったんここまで。

143 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/10(木) 00:33:58.19 ID:Ke7opOzt
後30分以下じゃ続きは間に合いませんね…今日はここまでとします。

144 :創る名無しに見る名無し:2011/03/10(木) 07:20:38.82 ID:kflHxzJK
乙です
ようやく翼と石崎の本当の友情が見られて嬉しいぜ

145 :創る名無しに見る名無し:2011/03/10(木) 08:55:23.81 ID:caPeVIno
このあと森崎が改めて翼×石崎の関係を広めてしまうのですね? 翼もアネゴという足枷がないので…

146 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/10(木) 21:07:01.56 ID:Ke7opOzt
日向「何故俺が呼び出したか、分かっているだろうな若島津」

若島津「はい。今日の俺のプレイですね」

日向「そうだ。ハッキリ言って両チーム合わせて一番役に立っていなかったのはお前だ」

若島津「返す言葉もありません」

日向「分かっているのならなんとかしろ。タケシも反町も弱かったから切り捨てられた。
周りの誰もそれを嘆いていないだろう?利用価値の無い奴は消される。それが勝負の世界の掟だ」

若島津「はい」

日向「俺はワールドユース後は世界に打って出るつもりだ。
まずもってお前とは同じチームにはならんだろう。ここからはお前自身で力をつけろ」

若島津「やってみせます」

日向「よし。ならば下がれ」

147 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/10(木) 21:07:33.62 ID:Ke7opOzt
次の繋ぎにいったんここまで。

148 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/11(金) 00:14:26.06 ID:XmSjRWUk
新田「…ちっくしょう!負けた負けた!」

山森「でも、お前は凄く活躍していたじゃないか」

新田「FWなんだからゴールを奪えなきゃ意味ねえよ…チャンスメークで
貢献してもウチはMFが豪華なんだから。守備は元々出来ないし」

山森「贅沢だなあ…俺は若林さん相手に何も出来なかったから、今後が心配だよ」

新田「MFに戻れば良いだろ…まあ、あそこも激戦区だが」

赤井「ちょっと待ったァ!DFだってすげえ大変だぜ!皆得意分野や特徴が
バラバラなモンだから入れ替わりが激しいったらありゃしねえんだ」

山森「…そうだろうな。ウチは2試合連続で同じスタメンで挑んだ事なんてないかも」

葵「………」

149 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/11(金) 00:14:46.59 ID:XmSjRWUk
新田「ん?どうした、葵?」

赤井「今まではスタメン確定だったけど、今日はあんまり良くなかったからな。
これからはどうなるか分からないから不安なんだろ」

葵「えっ?あ、うん…」

山森「…翼さんと森崎さんの事か?」

葵「!…やっぱり、分かっちゃう?」

山森「むしろ分からない訳ないだろ」

赤井「だよなー、こいつ隠し事苦手そうだし」

新田「せめて裏表が無いって言ってやれよ」

150 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/11(金) 00:15:02.85 ID:XmSjRWUk
葵「…これで、良かったのかな?」

赤井「ん?どういう意味だ?」

葵「翼さん、凄く落ち込んでたよ。これでスランプになっちゃったりしたら…」

山森「確かにダメージはあるだろうな。お前の心配する通りスランプになる可能性もゼロじゃない。だが…」

葵「…だけど、山森くんの言い分だとそれは自己責任なんだよね」

山森「そうだ。コンディション管理は自己責任だ。精神面もな」

葵「それは、分かるよ。でも…それは敵とぶつかった時の事だろう?
本来支えあう筈の味方同士で激突してこんな事になっちゃうなんて…」

赤井「かーっ、ナイーブな奴だなー!」

葵「赤井?」

151 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/11(金) 00:15:21.43 ID:XmSjRWUk
赤井「じゃあ聞くがよ、お前こないだ俺と試合したじゃんか。インテル対サンプドリアで。
あの時のお前は躊躇していたってのか?とてもそうは見えなかったがな」

葵「まさか!でも、それはお互いを認め合った上での真剣勝負だろ!」

赤井「まーな。でも毎回そう言うスポーツマンシップ溢れる試合ばっかりにはならないだろ」

新田「そうだな。インテルとミランのダービーマッチなんか凄く熱狂しているんだろ?
国によってはガチに憎しみをぶつけ合ってサッカーをやる事もある」

葵「新田くんまで…日本の学生サッカーでまでそんな事があったのかい?」

新田「どうもお前のそういう所は日本では弱小チームにしかいなかった事が原因みたいだな。
俺は中学時代はガチで南葛を倒すべき敵だと思っていたぜ。憎んでいたと言っても良い位な」

山森「南葛と東邦の試合のビデオも見てみるか?東邦の嫌われぶりは半端じゃなかったぞ」

152 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/11(金) 00:15:50.06 ID:XmSjRWUk
赤井「要は外国とやり合う時は国内の争いより更に過激になる事が避けられないんだ。
その為にはなあなあで仲良くやっているだけじゃ耐性はつけられないだろ?」

葵「…その為にはこの全日本ユースがチームとして纏まっていなくても良いのか?ここに居る奴だけでも、
新田くんは森崎さんを凄く嫌っているのに、赤井は文句無く付き従っているじゃないか」

新田「それは…」

赤井「ま、まあ、そういうリスクもあるにはあるけどよ…」

山森「キャプテン達も監督も、そんなリスクは承知でやっていると思うぞ。それに値する見返りがあると判断してな」

葵「そうだとしたら、俺は不安で堪らないよ。遅かれ早かれチームがバラバラに自壊しちゃうんじゃないかって…」

山森「じゃあ、お前が考える理想のチーム像とそれを叶える手段は何だ?」

葵「それは…皆の力が一つになって、1×11が20にも30にもなるチームさ!」

山森「うん、理想だろうな。で、どうやったらそれを確実に実現出来ると思う?」

葵「それは………」

153 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/11(金) 00:16:25.07 ID:XmSjRWUk
山森「ほら、分からないだろう?俺にも分からない。そんな凄い方法は知らない」

葵「………」

新田「ストップ!ストップ!山森、お前また険しい顔になってるぞ!」

山森「む…」

赤井「なんか葵に対してだけメチャ厳しいよな。普段は温厚なのに」

葵「…俺、どうしたらいいんだろう?」

赤井「お前はお前で悩みすぎだ。お前はお前らしくしてりゃいいんだよ」

葵「俺らしく?」

赤井「プレイスタイルの話じゃないぞ。お前がしたい通りに森崎さんと翼さん両方を尊敬していりゃいいんだよ」

新田「俺は今のクソキャプテンは大嫌いだが、その事でお前らとケンカしたりはしないだろ?」

154 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/11(金) 00:16:57.79 ID:XmSjRWUk
葵「…変な状況だなあ。皆好き勝手にやっている様で、チームとしては機能しているなんて…」

山森「…例えるなら」

葵「?」

山森「例えるなら翼さんは英雄。森崎さんは…狂王だ」

葵「きょっ…!?」

赤井「流石にそりゃ酷くないか…」

山森「あの人の奇行を間近で見てきたんだ。そう言う人だと分かった上で、キャプテンシーを認めているのさ」

新田「…それで?」

山森「ワールドユースと言う戦国時代で生き残る為に、全日本ユースと言う一つの国を誰が率いるか。
その為に権力抗争が起きていたんだ。その中でもっとも力を持っていた英雄と狂王はお互い同じ
勢力の出身だったにも関わらず、互いを悪と見なし、敵視し、衝突し続けたんだよ」

赤井「そして今日、それに一定の決着がついたって事か」

155 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/11(金) 00:17:20.20 ID:XmSjRWUk
山森「そう。今日の紅白戦は監督にとって、俺たちに更なる成長を促すだけじゃなく、
チーム内の覇権争いを終わらせる意図もあったんだと思う。そして、勝者は狂王だった」

新田「俺としちゃ全く面白くない結末だが、少なくともワールドユースの間は
もうキャプテンが変わる事は無いだろうな…くそっ」

山森「そして…俺は翼さんを信じているさ。森崎の下について戦うなんて勝っても意味がない、
自分がキャプテンになれないんなら負けた方がマシ…そんな愚かな事を考える人じゃないってな」

葵「………」

山森「だから…きっと大丈夫だ。このチームは、やれる」

葵「…うん。分かった!」



赤井「まあ、チームがやれても…俺たちがそのチームのスタメンとは限らないんだけどな…」

山森「うっ…」

新田「…嫌な事思い出させんなよ」

葵「(…あれ?ひょっとして、翼さんが入ったから、俺スタメン落ち?)」

156 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/11(金) 00:18:28.56 ID:XmSjRWUk
いったんここまで。

157 :創る名無しに見る名無し:2011/03/11(金) 01:08:33.53 ID:43gOBVrb
山森よ…狂王が英雄に勝利と書くと未来が暗黒にしか見えないぜw

158 :創る名無しに見る名無し:2011/03/11(金) 02:11:43.16 ID:0aw3YTWm
シニョーリとか出る?

159 :創る名無しに見る名無し:2011/03/11(金) 03:05:22.21 ID:aCEx1Adh
英雄と対比するなら狂王とか一般的じゃない単語じゃなく暴君とかそんな感じで良かったのでは

160 :創る名無しに見る名無し:2011/03/11(金) 03:08:54.92 ID:qdCEsnZl
狂王が出てくる山森も反応できるあいつらも濃いなw

161 :創る名無しに見る名無し:2011/03/11(金) 05:55:44.68 ID:fs7cINV9
>>159
暴君は日向がピッタリだからしょうがないw
若林ボコッたのも修哲組みしか知らないわけだし

162 :創る名無しに見る名無し:2011/03/11(金) 07:19:31.29 ID:COg/xTJ9
実際狂王という言葉がぴったり来るから困るわw
物語の続くワールドユースまでは森崎キャプテンでも
その先の未来は普通に英雄がキャプテンになることもあるんだろうな

163 :創る名無しに見る名無し:2011/03/11(金) 13:55:42.47 ID:Pj0Pv25z
翼「ヒーローだよ」
日向「暴力万歳だよ」
森崎「狂ってるよ」

164 :創る名無しに見る名無し:2011/03/11(金) 14:37:35.67 ID:fs7cINV9
若林「ヒーローだったことも狂って暴力王だったこともあります」

165 :創る名無しに見る名無し:2011/03/11(金) 15:16:34.57 ID:cKOkAo7o
個人的には英雄と並べるなら森崎は計算も結構入るから奸雄あたりな気がするな
山森視点じゃ何処までが計算かというのがわからんけど、無論日向は梟雄でw

166 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/11(金) 15:22:18.05 ID:XmSjRWUk
中山「森崎、俺だ。入って良いか?」

森崎「ん?中山か。入りな」

中山「………」

森崎「どうしたんだ?今日の出来が悪かったのが気になるのか?」

中山「確かにそれは気になっている。アジアで強がっていた井の中の蛙だと
思い知らされた気分だよ。だが、今はそれよりも気になる事があるんだ」

森崎「何だ?改まって」

中山「…いよいよ世界に行くんだ。そう思うと…逆にどう思って良いか分からない。
緊張しているのか、戦慄しているのか、興奮しているのか…自分で自分が分からない。
それでふと、四年前のお前もこうだったのか?って疑問が湧いてきたんだ」

167 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/11(金) 15:23:03.19 ID:XmSjRWUk
森崎「四年前…Jrユースの時の事か?正直、あんまり覚えていねえな」

中山「そうなのか?」

森崎「試合や優勝した瞬間やらは良く覚えているがよ。日本を発つ前に
どんな気分だったか、なんてのは覚えていない。強いて言えば、ワクワクしていたかな」

中山「ワクワク?…ビッグチャンスだからか?」

森崎「そうだ。日本っていうサッカー後進国から来たこの俺がサッカー先進国の連中の高い鼻を
ポッキリ折ってやるってのは考えただけで痛快だったぜ。実際にやるのはもっと楽しかったがな!」

中山「お前らしいな…まあ、謙虚で大人しいお前なんて嫌だが」

森崎「だけどよ中山、実際に俺たちは下克上をしに行くんだぜ?」

中山「…そうだな。世界的に見れば、全日本Jrユースの快挙なんてタダのマグレ扱いだろうしな」

168 :2 ◆vD5srW.8hU :2011/03/11(金) 15:23:19.96 ID:XmSjRWUk
森崎「だが、ワールドユースではそうはいかない。Jrユースは実験やお祭りの意味合いが強かった
大会だったが、これはプロ候補生や既にプロになった将来の各国代表が繰り広げる
ワールドカップの前哨戦だ。こいつで優勝すれば誰もマグレなんて言えなくなるぜ」

中山「優勝か…お前の場合、出来るか出来ないかじゃなく、やりたいからやるんだよな」

森崎「当たり前だ。そりゃあワールドユースには強いチームがゴロゴロ出てくるだろうよ。
俺たちより戦力的に上な、格上のチームだって居るかも知れん。だが、それが何だって言うんだ?」

中山「………」

森崎「おい、急に黙るなよ」

中山「すまん、また疑問が増えた」

森崎「何だ?言ってみろよ」

中山「お前のその心構えは、何が原動力なんだ?」

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