キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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銀河シュナイダー伝説10 〜星海篇〜

1 :◆DWysPbgK.. :2011/10/20(木) 21:59:09 ID:APu121BI
 人類が地球という名の辺境の惑星より銀河系という開拓の道を歩み始めて800年余。
世界は『銀河帝国』と『自由惑星同盟』という2つの勢力によりいつとも終わりのない争いを続けていた。

そこに現れし1人の人物。彼の名はカールハインツ・フォン・シュナイダー。

金髪碧眼の若者である彼はついに子爵を持つ門閥貴族となり栄達への一歩を踏み出す。

彼の先にあるのは門閥貴族の筆頭として自由惑星同盟の叛徒達を滅する未来か、それとも…

今はまだ若き青年である彼の未来、それを知る者は未だいない。

                              銀河の歴史がまた1ページ…

前スレ
銀河シュナイダー伝説9 〜出帆篇〜
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/131731586/


983 :銀河シュナイダー伝説:2011/11/06(日) 19:17:52 ID:vv4BGnPc
C.甘い味がした。素直にキスの印象を語る。

シュナイダー(………)

一見冷静そうにしているが、彼とて健全な男である。僅かに彼女を異性として見始めている
このタイミングでこのおもわぬ事故に平然でいれるはずが無い。

だが、貴族として慌てふためく事は恥であるが故に…

シュナイダー「甘い味がした」

と、傍から見れば頓珍漢な感想を述べてしまう。

ヘルミーネ「……///」

その言葉を一瞬何のことかわからなかった彼女は、何を言っているのだろう?という表情を
したが、次の瞬間その意味を知り、顔を真っ赤にして俯いてしまう。

そのごく数秒後、今度は彼女の方が口を開く……否、口を近づけてくる。

はじめは甘いとしか感じなかったそれは、甘いだけではなかった。愛しいという気持ちと恋しいという
気持ちだけではなく、何故かはわからないのだが切ないという気持ちと寂しい気持ちがない交ぜに
なっており、総ずるに甘酸っぱいというのが本当の感想なのだろう。

984 :銀河シュナイダー伝説:2011/11/06(日) 19:18:53 ID:vv4BGnPc
ヘルミーネ「甘いというよりも、ちょっと切ないですね」

ごく僅かな触れ合いの後に顔を上げた彼女は顔を耳まで真っ赤にさせながらもどこか満足げだった。

シュナイダー(そうか。この甘さは彼女から香るものか。ミルクのような薔薇のような……
どこか懐かしくて、どこかやわらかい…)

彼女の匂いはこの屋敷の匂いにも似ている。彼にとって帰ってくるべき場所の匂いのようで
鼻腔の中に残る残滓は彼の心を惹きつけるには充分だった。

ヘルミーネ「…これは助けていただいたお礼です。どこかお怪我は?」

突飛な発言に対する仕返しだろうか?それとも彼とのはじめてのキスがこのような形であるのが
ちょっとだけ残念に思ったことに対する『やり直し』なのだろうか?神ならぬ身である若い子爵には
それがどういう意味であるのかはわからないのだが、彼女の瞳を見ることができず、そっぽを
向きながら「問題ない」と答えることが精一杯の抵抗だった。

☆☆☆

メイド長(ヘルミーネ・ネリウス)との好感度がググーーン!と上がりました。

〜〜〜

985 :銀河シュナイダー伝説:2011/11/06(日) 19:19:59 ID:vv4BGnPc
帝国暦482年5月はこうして終わり、歴史はここから徐々にうねりだす。

そのうねりが嵐になった時、シュナイダーの先にあるのは栄光か挫折か……それを知る者はいまだいない。

                           銀河の歴史がまた1ページ…




 
ということで、本編銀河シュナイダー伝説はここまで。

以降、外伝が始まります。

〜〜〜

986 :銀河シュナイダー伝説:2011/11/06(日) 19:21:40 ID:vv4BGnPc
外伝 〜〜銀河モリサキ伝説〜〜

自由惑星同盟には一つの法律がある。

その名はトラバース法。正式名称を「戦災孤児育英法」と呼ばれるものであり、掻い摘んでいうと
戦災遺児の救済と人的資源の確保を目的とした軍人が、遺児を引き取り養育する法律である。

モリサキ「ざけんな。俺はまだ22だ。この年で父親なんてやれるかよ!」

と暴言を吐いたのはつい二週間前。元々少佐昇進の祝いと、最前線からの凱旋が目的であったはずの場は、
荒れに荒れる彼を静めるまでの場となり、久しぶりに会ったソウダやナカヤマなど、現在ハイネセン
もしくはその近隣の惑星に勤務していた学生時代の仲間達はそのうっぷんはらしの被害者と
なっていた。

マツヤマ「まあまあ、いいじゃないか。俺のところにもこんど1人来るんだ。1人暮らしも寂しいだろう?」

そういうのは、最前線では常にモリサキと行動を共にしていたマツヤマ。彼もまたモリサキと同時に
少佐となっており、彼らの中では頭一つ抜けた階級になっていた。

モリサキ「…俺は子供を養うために軍人になったわけじゃない。」

流石に全く同じ立場のものがこんなにも冷静なのに自分だけ地団駄を踏むのはかっこ悪いと思ったのか、
僅かに気勢が削がれ、愚痴を零しながら奮発して注文した酒をあおる。

987 :外伝〜銀河森崎伝説〜:2011/11/06(日) 19:22:41 ID:vv4BGnPc
ソウダ「だったらいっそ結婚でもすればいいんじゃないか?」

モリサキ「馬鹿いうな。何時死ぬかもわからないのにそんな事できるか」

ナカヤマ「そういうところは意外とストイックなんだよな」

ワカバヤシ「ストイックというよりももてないだけだろ。お前の場合」

そういいながらこの宴会場に入ってきたのはワカバヤシ・ゲンゾー。名門ワカバヤシ家の三男である
彼はその人脈を惜しむ事無く乱用し、前線にはあまり出る事無くモリサキと同じ少佐の地位にいる。

モリサキ「うっせ〜。俺だってな、俺だって、あんなむさい所が任務地じゃなかったら今頃
恋人の1人や2人……」

愚痴を語り始めたら楽しい宴も陰気臭くなる。そんなことは厄介だとばかり話を逸らせようと…

ナカヤマ「そういえばそろそろ副官申請の時期だろ?モリサキは今年も1人きりか?」

と、最前線任務では副官をつけなかった彼の動向について尋ねる。

988 :外伝〜銀河森崎伝説〜:2011/11/06(日) 19:23:43 ID:vv4BGnPc
モリサキ「副官ねぇ……」

誰を副官に指名しますか?
A.やっぱり相性の良いソウダか?
B.ここは魂の友、ナカヤマだ。
C.ん〜、そういえばヒューガはまだ大尉だよな。
D.ランカちゃんとも仲がいいし、ここはルーだ。
E.一人の方が気楽だ。
F.その他

先にID表示で2票入ったものを選択します。
※アッテンボロー、ツバサ、マツヤマ、ワカバヤシ、ミスギは同じ階級のため不可。
又、知り合っていない人物も不可とします。

989 :森崎名無しさん:2011/11/06(日) 19:24:38 ID:+QK0wL8U
B

990 :森崎名無しさん:2011/11/06(日) 19:25:35 ID:P5RhRET6
B

991 :銀河シュナイダー伝説:2011/11/06(日) 20:05:30 ID:vv4BGnPc
B.ここは魂の友、ナカヤマだ。

モリサキ「…ナカヤマ。確か今の職場は……」

と、言葉を紡ぐが後が出ない。

ナカヤマ「……どうせ覚えていないんだろ?今は第5艦隊第1分艦隊の戦艦副長だ。」

モリサキ「ナカヤマには似合わないな。よし、本日付でお前が俺の副官だ。明日には陳情しておく
から、一週間以内に辞令が出るだろう。よろしくな」

ナカヤマ「どうしてこう勝手に…。まあいいか。」

と、こうしてあっさりとモリサキの人事は終わり、そのまま全員が酔いつぶれるまでその宴会は
つづく。

〜〜〜

992 :外伝〜銀河森崎伝説〜:2011/11/06(日) 20:06:36 ID:vv4BGnPc
〜〜〜

そして現在。

ぴんぽーん!

一番恐れた事が起きる。辞令では既に降りており、仲間達との飲み会である程度の覚悟は
出来ていたつもりなのだが、この年で『父親役』は勘弁して欲しい。

正直、この呼び鈴にでたくはなかったのだが、

???「えっと、後方勤務本部の紹介できました」

と、呼び鈴と連動したモニターから聞こえてくる声を聞いてしまってはでないわけには行かない。

仕方無しとばかり返事をするためドアを開けると……

トラバース法の子供達→! card

! cardのスペースを抜きコピペってください。

ダイヤハート 数字の容姿をした女の子
スペードクラブ なんだ、ヤローか。

となります。

993 :森崎名無しさん:2011/11/06(日) 20:10:19 ID:???
トラバース法の子供達→ ダイヤK

994 :993:2011/11/06(日) 20:15:56 ID:???
我ながら素晴らしい引きだ

995 :森崎名無しさん:2011/11/06(日) 20:32:22 ID:???
物凄い美少女!?w

996 :銀河シュナイダー伝説:2011/11/06(日) 21:53:10 ID:vv4BGnPc
>>994
おめでとうございます。 モニカの件といいメイド長(?)といい女性の容姿関係の
引きのよさは相変わらず神がかりです。

>>995
思わずヒシノ・ケイと名づけたくなるような美少女です。
まあ、流石に自重しますが。


トラバース法の子供達→ダイヤK

士官用の邸宅の扉の先にいたのは……

モリサキ「………」

モリサキすら思わず絶句させてしまうほどの美少女だった。

白い陶器のような肌には若さゆえの赤みが差し、太陽に反射するシルバーブロンドの腰まで届く長い髪は
まるで天使の羽根の様な輝きをもつ。非常に華奢な手足は掴めば折れそうな儚さを醸し出しながらも、
しっかりと地面を踏みしめるその姿は大地に根付く白樺のよう。

???「あ、あの。後方勤務本部の紹介できました、スピカ・トレミーと申します。」

初めての訪問先、そしてこれからの生活の場である。それだけで彼女が緊張しているという事は
手に取るようにわかり、もじもじしている表情も愛らしい。

997 :銀河シュナイダー伝説:2011/11/06(日) 21:54:15 ID:vv4BGnPc
モリサキ「………」

スピカ「あ、あの…えっと、お料理が出来ます、掃除も出来ます。お裁縫は……あまりできないけど、
ぼ、ボタン付けくらいなら大丈夫です。専用のお部屋もいりません。お金も、ちょっとだけなら
あります。だから、だから、今日からここに住まわせてください!」

あっけに取られているモリサキの表情を拒絶と受け取ったのだろう。小さな体の傷つきやすい心から
自分が持っている勇気を全て振り絞って、目の前の10歳ほど年上の青年にそう懇願してくる。

モリサキ「あ、いや。それはいいんだが……。俺はてっきり男が来ると思って…」

自分が大人で相手が子供だとはいえ、男やもめの家に突如女が来るという事は普通では考えられない
事である。

スピカ「あ、わ、私じゃ、だ、駄目でしょうか?」

勇気を振り絞って自己紹介したにも関わらず、相手は男がいいといってきたことで、春の夜空に一際輝く
星のような瞳は既に涙目である。

モリサキ「あ、そういうことじゃない。俺じゃなくて君が、こんな環境でいいのかと聞いているんだ。
今から掛け合えばもっと普通の夫婦の家にだって変更できるだろうし」

決まった辞令を変更させるにはコネが必要なのだが、何故だかモリサキは彼女のためならば
その程度のコネならば惜しむつもりがなくなっていた。

998 :銀河シュナイダー伝説:2011/11/06(日) 21:55:18 ID:vv4BGnPc
スピカ「わ、私、ここに来る前はお父さんと二人暮しだったので大丈夫です。ご飯もちょっとで
構いません。絶対に贅沢も言わないので大丈夫です」

考えてみれば当たり前である。遺児となったということは身寄りがなくなったということ。
もし、母親がいるのであればわざわざここに来る必要もないだろう。

モリサキ「……まあ、立ち話もなんだから部屋に入って。一人暮らしだから散らかってるけど」

彼女の必至の懇願に絆されたのか、いや、最初は冗談で『チェンジ!』とでも言って和ませようと
思っていたが、最初からそれを受け入れるつもりではあったので、この一粒の真珠のように
美しい少女を自宅へ招き入れるのだった。

〜〜〜

モリサキ「あ〜、あんまり子供向けの飲み物はないけど……あ、そういえば引っ越し祝いにもらった
ジュースのセットがあったな。あれは……」

1人暮らしの常か。モリサキもまた普段は外食で済ませているため自宅であるのに台所の勝手がよく
わかっていなかった。

スピカ「あ、そんな。お気を使わないでください」

自分の身長の半分程度の大きさのバッグを一つもってやってきた美少女は恐縮しており、
カーペットの上で縮こまっている。

999 :銀河シュナイダー伝説:2011/11/06(日) 21:56:18 ID:vv4BGnPc
モリサキ「あんまり畏まるな。俺まで……と、あったあった。冷えてないけどまあ大丈夫だろう」

ここでグラスに移しかえ氷を入れるという基本的なことが出来ないのが男やもめの悲しいところ。
モリサキは缶に入ったオレンジジュースを蓋をしたまま持ってくる。

スピカ「あ、ありがとうございます」

礼はいうが、決して手をつけようとしない。

モリサキ「……それにしても、軍の福祉課は何を考えているんだろうな?」

と、(俺がロリコンでなくて良かった)という内心を隠しながらりんごジュースを口にする。

スピカ「じ、実は、私がお願いしたんです…」

もじもじしながら衝撃的なことを告白するスピカ。

モリサキ「ぶっ!!!な、何でまた?」

飲みかけのジュースを軽く噴きそう聞き返す。

スピカ「え、えっと、怒らないでくださいね。私の……お父さんにちょっとだけ、似てるんです」

そういいながら一枚の写真を…いつでも持ち運べるようにホログラフではなく普通のものを出してくる。

モリサキ(……ん。そーか?オヤジさんとは肌の色も髪の色も違うんだが?)

意外と人間は自分の姿というものは認識できていない。ゆえに、似ているといってもあまりぴんとこない。

1000 :外伝〜銀河森崎伝説〜:2011/11/06(日) 21:57:18 ID:vv4BGnPc
スピカ「だから、お願いです。私をおいてください」

だが、彼女…このシルバーブロンドの少女にとってはとても重要なことなのだろう。

モリサキ「ん。……それじゃ…とりあえず買い物に行くか。もってきたものがそれだけなら
色々と足りないだろう。あ、洋服売り場はクレジットを渡すから自分で選んでくれよ。
流石に一緒に行くと変質者としか思われんだろうし。」

と、変な選択をする事無くそう返事する。

スピカ「あ、でもお金ならちょっとは…」

そういいながら彼女名義の通帳をバッグから出しモリサキに差し出そうとするが、

モリサキ「それは使わない。それは君の父親が命を懸けて貯めたお金だ。そういう大切なものは
ホイホイ使うものではない。…そうだな、もし、君が…スピカが軍関係に進まなかったら結構な
額の返済金が必要になるだろう。その時に役に立ってもらえればいい」

我ながら格好つけているな、と思いながらもそれも又事実の一部だと判断し通帳を安全な
場所へ隠すようにと言葉を続ける。

実は既に彼女の養育期間中に政府から送られる養育費に手をつけず、彼女の養育期間が終われば
そっくりそのまま返すのもカッコいいだろうな。とも思いつつ。

そんなこんなでモリサキ・ユウゾウ22歳、スピカ・トレミー12歳の、10歳年の離れた
奇妙な共同生活が始まるのだった。この10歳が果たしてどのような意味を持つのか…
それを知る者はまだどこにもいない…

             外伝 〜〜銀河モリサキ伝説〜〜 第10章
 
                                  次回へ続く。

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