キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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銀河シュナイダー伝説10 〜星海篇〜
1 :
◆DWysPbgK..
:2011/10/20(木) 21:59:09 ID:APu121BI
人類が地球という名の辺境の惑星より銀河系という開拓の道を歩み始めて800年余。
世界は『銀河帝国』と『自由惑星同盟』という2つの勢力によりいつとも終わりのない争いを続けていた。
そこに現れし1人の人物。彼の名はカールハインツ・フォン・シュナイダー。
金髪碧眼の若者である彼はついに子爵を持つ門閥貴族となり栄達への一歩を踏み出す。
彼の先にあるのは門閥貴族の筆頭として自由惑星同盟の叛徒達を滅する未来か、それとも…
今はまだ若き青年である彼の未来、それを知る者は未だいない。
銀河の歴史がまた1ページ…
前スレ
銀河シュナイダー伝説9 〜出帆篇〜
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/131731586/
994 :
993
:2011/11/06(日) 20:15:56 ID:???
我ながら素晴らしい引きだ
995 :
森崎名無しさん
:2011/11/06(日) 20:32:22 ID:???
物凄い美少女!?w
996 :
銀河シュナイダー伝説
:2011/11/06(日) 21:53:10 ID:vv4BGnPc
>>994
おめでとうございます。 モニカの件といいメイド長(?)といい女性の容姿関係の
引きのよさは相変わらず神がかりです。
>>995
思わずヒシノ・ケイと名づけたくなるような美少女です。
まあ、流石に自重しますが。
トラバース法の子供達→ダイヤK
士官用の邸宅の扉の先にいたのは……
モリサキ「………」
モリサキすら思わず絶句させてしまうほどの美少女だった。
白い陶器のような肌には若さゆえの赤みが差し、太陽に反射するシルバーブロンドの腰まで届く長い髪は
まるで天使の羽根の様な輝きをもつ。非常に華奢な手足は掴めば折れそうな儚さを醸し出しながらも、
しっかりと地面を踏みしめるその姿は大地に根付く白樺のよう。
???「あ、あの。後方勤務本部の紹介できました、スピカ・トレミーと申します。」
初めての訪問先、そしてこれからの生活の場である。それだけで彼女が緊張しているという事は
手に取るようにわかり、もじもじしている表情も愛らしい。
997 :
銀河シュナイダー伝説
:2011/11/06(日) 21:54:15 ID:vv4BGnPc
モリサキ「………」
スピカ「あ、あの…えっと、お料理が出来ます、掃除も出来ます。お裁縫は……あまりできないけど、
ぼ、ボタン付けくらいなら大丈夫です。専用のお部屋もいりません。お金も、ちょっとだけなら
あります。だから、だから、今日からここに住まわせてください!」
あっけに取られているモリサキの表情を拒絶と受け取ったのだろう。小さな体の傷つきやすい心から
自分が持っている勇気を全て振り絞って、目の前の10歳ほど年上の青年にそう懇願してくる。
モリサキ「あ、いや。それはいいんだが……。俺はてっきり男が来ると思って…」
自分が大人で相手が子供だとはいえ、男やもめの家に突如女が来るという事は普通では考えられない
事である。
スピカ「あ、わ、私じゃ、だ、駄目でしょうか?」
勇気を振り絞って自己紹介したにも関わらず、相手は男がいいといってきたことで、春の夜空に一際輝く
星のような瞳は既に涙目である。
モリサキ「あ、そういうことじゃない。俺じゃなくて君が、こんな環境でいいのかと聞いているんだ。
今から掛け合えばもっと普通の夫婦の家にだって変更できるだろうし」
決まった辞令を変更させるにはコネが必要なのだが、何故だかモリサキは彼女のためならば
その程度のコネならば惜しむつもりがなくなっていた。
998 :
銀河シュナイダー伝説
:2011/11/06(日) 21:55:18 ID:vv4BGnPc
スピカ「わ、私、ここに来る前はお父さんと二人暮しだったので大丈夫です。ご飯もちょっとで
構いません。絶対に贅沢も言わないので大丈夫です」
考えてみれば当たり前である。遺児となったということは身寄りがなくなったということ。
もし、母親がいるのであればわざわざここに来る必要もないだろう。
モリサキ「……まあ、立ち話もなんだから部屋に入って。一人暮らしだから散らかってるけど」
彼女の必至の懇願に絆されたのか、いや、最初は冗談で『チェンジ!』とでも言って和ませようと
思っていたが、最初からそれを受け入れるつもりではあったので、この一粒の真珠のように
美しい少女を自宅へ招き入れるのだった。
〜〜〜
モリサキ「あ〜、あんまり子供向けの飲み物はないけど……あ、そういえば引っ越し祝いにもらった
ジュースのセットがあったな。あれは……」
1人暮らしの常か。モリサキもまた普段は外食で済ませているため自宅であるのに台所の勝手がよく
わかっていなかった。
スピカ「あ、そんな。お気を使わないでください」
自分の身長の半分程度の大きさのバッグを一つもってやってきた美少女は恐縮しており、
カーペットの上で縮こまっている。
999 :
銀河シュナイダー伝説
:2011/11/06(日) 21:56:18 ID:vv4BGnPc
モリサキ「あんまり畏まるな。俺まで……と、あったあった。冷えてないけどまあ大丈夫だろう」
ここでグラスに移しかえ氷を入れるという基本的なことが出来ないのが男やもめの悲しいところ。
モリサキは缶に入ったオレンジジュースを蓋をしたまま持ってくる。
スピカ「あ、ありがとうございます」
礼はいうが、決して手をつけようとしない。
モリサキ「……それにしても、軍の福祉課は何を考えているんだろうな?」
と、(俺がロリコンでなくて良かった)という内心を隠しながらりんごジュースを口にする。
スピカ「じ、実は、私がお願いしたんです…」
もじもじしながら衝撃的なことを告白するスピカ。
モリサキ「ぶっ!!!な、何でまた?」
飲みかけのジュースを軽く噴きそう聞き返す。
スピカ「え、えっと、怒らないでくださいね。私の……お父さんにちょっとだけ、似てるんです」
そういいながら一枚の写真を…いつでも持ち運べるようにホログラフではなく普通のものを出してくる。
モリサキ(……ん。そーか?オヤジさんとは肌の色も髪の色も違うんだが?)
意外と人間は自分の姿というものは認識できていない。ゆえに、似ているといってもあまりぴんとこない。
1000 :
外伝〜銀河森崎伝説〜
:2011/11/06(日) 21:57:18 ID:vv4BGnPc
スピカ「だから、お願いです。私をおいてください」
だが、彼女…このシルバーブロンドの少女にとってはとても重要なことなのだろう。
モリサキ「ん。……それじゃ…とりあえず買い物に行くか。もってきたものがそれだけなら
色々と足りないだろう。あ、洋服売り場はクレジットを渡すから自分で選んでくれよ。
流石に一緒に行くと変質者としか思われんだろうし。」
と、変な選択をする事無くそう返事する。
スピカ「あ、でもお金ならちょっとは…」
そういいながら彼女名義の通帳をバッグから出しモリサキに差し出そうとするが、
モリサキ「それは使わない。それは君の父親が命を懸けて貯めたお金だ。そういう大切なものは
ホイホイ使うものではない。…そうだな、もし、君が…スピカが軍関係に進まなかったら結構な
額の返済金が必要になるだろう。その時に役に立ってもらえればいい」
我ながら格好つけているな、と思いながらもそれも又事実の一部だと判断し通帳を安全な
場所へ隠すようにと言葉を続ける。
実は既に彼女の養育期間中に政府から送られる養育費に手をつけず、彼女の養育期間が終われば
そっくりそのまま返すのもカッコいいだろうな。とも思いつつ。
そんなこんなでモリサキ・ユウゾウ22歳、スピカ・トレミー12歳の、10歳年の離れた
奇妙な共同生活が始まるのだった。この10歳が果たしてどのような意味を持つのか…
それを知る者はまだどこにもいない…
外伝 〜〜銀河モリサキ伝説〜〜 第10章
次回へ続く。
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