キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【闇のオーブ勢】ファイアーモリブレム36【分裂?】
1 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/12(木) 23:50:35 ID:???
キャプテン森崎のスピンアウト作品です。『ファイアーエムブレム紋章の謎』の世界に
送り込まれた森崎が、マルスたちと共にアカネイア大陸を冒険する物語となっています。
基本は本編と同様に、選択肢の中から第三者(ロムしている人)がどれかひとつを選ぶ事によって進んでいきます。
また必要に応じてトランプを引いてもらったりしてランダムに進行していくこともあります。
【注意】
このスレの物語やキャラの性格は、中の人の都合で原作並びにキャプテン森崎本編とは異なる場合があります。
設定などもストーリーの都合上若干オリジナル要素が含まれていますので、苦手な方はご注意ください。
〜これまでのお話〜
アリティア王国と日本サッカー協会の合同で開かれた親善大会『第2回アリティアカップ』。
森崎率いるアリティア選抜は新田や早田が所属している南武フースバルを破り1勝をもぎ取る。
それに続き、南葛ウイングスがフランスからやってきた助っ人ナポレオンの力もあり強豪東邦タイガースを破る。
これから始まるプロ生活の足がかりにするために、そして厳しい訓練を共に乗り越えてきた第七小隊と
最高のお別れをするために、森崎は優勝争いを左右する南葛ウイングス戦に臨む。
そして、大会の影ではマルスと森崎を狙う謎の組織が行動を開始していた。
爆弾騒ぎの狂言や、アベルの恋人であるエストの誘拐によりアリティアを貶めようとする妨害工作が次々と襲ってくる。
果たして森崎たちはこれらの脅威をはねのけ、悲願の優勝を勝ち取ることが出来るのか…?
☆前スレ
【名監督?】ファイアーモリブレム35【ジェイガン】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1319470649/l50
☆過去スレ
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/44.html
上記のページの『過去ログ』内からどうぞ。
402 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/29(日) 22:13:15 ID:???
ネクストステージ→ クラブ9
>クラブ→栗栖が空中で激しく回転する!こ、これは…!?(失敗)
============
アンナ「上げられた高いボールに向かって飛び上がるのは若干16歳の期待のルーキー栗栖くんだ!」
栗栖「よし、あれを試すぞ!」
新田「まさか…あのシュートを打つつもりか!」
土屋「いかん、その技はまだ未完成のハズ…!」
アリティア戦でオーバーヘッドキックをクリスに完璧に防がれたことで、
もっと強力な空中シュートを開発しようと躍起になっていた。
栗栖の新技の特訓に付き添っていた二人は、この技の成功率の低さを間近で見ている。
そう、その技はあまりにも強力だが、その威力の代償にあまりにも難しいのだ。
栗栖「(俺の『トルネード』は振り足を高速回転させることでボールに与えるインパクトを強大にするものだ。
そう。回転する物体はそれだけエネルギーが増す。世界jrユースで戦ったアイツらも……)」
イタリアjrユースキャプテンのエドゥアルド。彼は空中で前方回転することでヘディングの威力を増強させていた。
そして決勝で戦ったブラジルjrユースのシニョーリ。彼もまた回転することでシュートに勢いをつける技を得意としていた。
たしかに高速回転しながら、空中でのバランスを保つのは難しい。
それでもより強力な必殺シュートを身につけるには、この方法しか栗栖は思いつかなかったのだ。
栗栖「いくぞ!これが俺の…」
グルグルグルグルグル……!!
アンナ「な、なんだこれはぁ!栗栖くんが空中でものすごい速度で錐揉み回転をしているぞ!」
中里「まさかあの態勢のままヘディングを打つつもりでござるか!?」
403 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/29(日) 22:14:26 ID:???
森崎「まるで人間魚雷だな。だが、あのむちゃくちゃな格好でボールは見えてんのか?」
ガキィッ!ドギュワーーーーーーン!!
森崎の予想通り、栗栖の目はボールを捉えることができないでいた。
己の感のみで突っ込んでいったヘッドはボールの下っ腹を叩き、シュートは大きく上へと逸れていってしまった。
だが、そのボールの勢いは圧巻だった。日向を彷彿とさせるシュートセンスだけは本物なのである。
栗栖「あ…ああ〜〜〜っ」
新田「馬鹿!あんな難度の高い技、こんなときに試す奴が居るか!」
栗栖「で、でも…新田さんは昔南葛中学との対戦で後ろからのパスを
ダイレクトボレーで合わせることに挑戦したって聞いて……それで俺もやってみようと……」
まさか自分のルーツを模倣し、必死に辿ろうとしているとは思わず新田は赤面する。
新田「……う。ま、まぁ失敗なんてのは誰にでもある。次だ次!」
栗栖「は、はいっ!」
小豆沢「(やれやれ。無謀なのは若さ故か、それとも性格の賜物か。まだまだ俺が先頭で引っ張ってやる必要があるかな)」
その後、東邦が1点リードを保ち続けて前半は終了した。
フースバルは徐々に攻撃のリズムを取り戻し、東邦は守勢に回る場面が多く、
中里はこのままの流れならば直に同点になると予想する。
中里「森崎殿はこのあとどんな展開になると思うでござるか?」
404 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/29(日) 22:16:16 ID:???
☆どうしますか?
A 中里の言うとおり、フースバルが勢いに乗ってそのまま逆転だろうな。
B いや、東邦はまだ何か多くの武器を隠し持っている気がするぞ。
C そんなことより喉が乾いてきたな。ジュースでも買ってくるか
D 周りの様子が気になるので、ちょっと他の場所を見に行く
2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。
405 :
森崎名無しさん
:2012/01/29(日) 22:18:12 ID:a93xUMvk
B
406 :
森崎名無しさん
:2012/01/29(日) 22:20:02 ID:lzg8YmZA
B
407 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 18:06:46 ID:???
>B いや、東邦はまだ何か多くの武器を隠し持っている気がするぞ。
森崎「いや、俺は東邦がまだアドバンテージをとっていると考えている。
1点のリードがあるというのもそうなんだが…」
中里「何やら気になることがあるのでござろうか?」
森崎「ああ。多分それは…」
☆どうしますか?
A キャプテンでストライカーの反町に何か秘策があるかもしれない
B 司令塔の沢田に何か秘策があるかもしれない
C さっきの奇妙なドリブラー、ミハエルに何か秘策があるかもしれない
D もう一人の助っ人外国人、バンビーノに何か秘策があるかもしれない
E 健気に周りの援護に徹している山森に何か秘策があるかもしれない
F 守備のラインを統率しているコルドバさんに何か秘策がるかもしれない
G ……まぁ、後半になれば分かるさ、多分……
2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。
408 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 18:08:40 ID:fz2mwgKk
D
バンビが何もしてこないとも思えないしなあ
409 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 18:13:43 ID:KP3ItKOo
D
バンビちゃん結構好きなんで
410 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 18:48:24 ID:???
>D もう一人の助っ人外国人、バンビーノに何か秘策があるかもしれない
森崎「…あのバンビーノという選手、前半はボール運びに徹底していた。
何度か攻めどきもあったにも関わらず、あえて他の選手にパスを回していたような気もする」
中里「あの男のドリブル、技術もさることながら体格以上の力強さも持ち合わせていたでござる。
それだけではない。何やら酷く冷たい……罠のようなものを潜ませていたように感じた」
森崎「罠?」
中里「高杉殿が力任せのタックルを仕掛けようとした時、悪寒を感じたでござる。
そのとき拙者はすぐに後ろに回りこんでボールを零させたので詳しいことは分からずじまいだが」
森崎「ふーん。ただドリブルが上手いってわけじゃなさそうだな」
森崎と中里が注目する中、そのバンビーノの『罠』はお目見えする。後半が始まって10分ほど経った時だ。
ミハエルのドリブルで切り裂いたサイドラインを、バンビーノが後ろから追いかけていく。
バンビーノ「おい、そろそろ俺にも回してくれてもいいんじゃないか?」
ミハエル「オー…ワタシもまだとっておきの技を用意してるのですが…しかたありませーん」
ポンッ!
アンナ「ここでミハエルくんがバックパス!自分は一気に上がってPAへと飛び込んでいく!」
石崎「コンニャロぉ!テメェの相手はこの俺様だァ!」
ラストパスを受け取ろうとする素振りを見せるミハエルに、石崎が果敢にマークに張り付く。
411 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 18:49:54 ID:???
ミハエル「まあ、下品な動き。ワタシに醜さが伝染しまーす。こっちこないでクダサーイ」
石崎「うるせぇ!早田、こいつは俺が押さえとく!お前はボールを!」
早田「ああ、任せな!」
バンビーノ「(……早田誠。この男もあのフランス大会での全日本のメンバーの一人。
ククッ、いかにもなタックラーか。獲物にするにはちょうどいい)」
アンナ「早田くん、バンビーノくんに素早く接近し、タックルを仕掛けに行くー!」
早田「しゃらくせぇ!ボール置いてけや!」
バンビーノ「ああ、置いてってやるよ。お望みどおりにな。クックック…」
トラッピング→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
ダイヤ・ハート・スペード→早田がカミソリタックルでボールを奪う!しかし反則の笛が鳴らされる!
クラブ→バンビーノのショットガンドリブルで早田が吹き飛ばされる!
JOKER→早田「(へっ、テメェの魂胆はお見通しってやつだ)」早田のタックル。しかしいつもと動きが違う!?
412 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 18:53:30 ID:???
トラッピング→
ハート8
413 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 18:53:33 ID:???
トラッピング→
クラブ7
414 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 18:53:53 ID:???
トラッピング→
ハート4
415 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 19:06:34 ID:???
トラッピング→ ハート8
>ダイヤ・ハート・スペード→早田がカミソリタックルでボールを奪う!しかし反則の笛が鳴らされる!
============
バンビーノ「いくぞ、ショットガンドリブルだ!」
ズダダダッ!キュッ、グッ、カカッ!
細かなフェイントで翻弄し、激しい横への揺さぶりをかけてバランスを崩したところを
懐に潜りこむように突っ込んで吹き飛ばす。力と技を兼ね備えたこのドリブルの動きを、
早田は極限まで高めた集中力で目を凝らして追いかける。
バンビーノ「(ミハエルの言うとおり、横への対応はさすがに早いな。だが、俺の狙いはそこじゃない)」
早田「元ミランのエリートがなんだってんだ。俺はエースキラー早田誠、狙った獲物は逃さねぇ」
右、左、右、左、右、左、右……右!そこだ!もらったァ!!」
ズッシャアアアァァァッ!!バスゥッ!!
バンビーノ「ぐわあああっ!!」
早田「へっ、たまげたか!よっしゃ、早速カウンターを……」
自分でも会心のタックルが決まり、顔をほころばせながらパスを贈ろうとしたその時、
ピピイィィィッ!!
早田「な、なんやて!?」
アンナ「ああっと!反則です!早田くん、反則を取られてしまいました!」
ニーナ「ファールを取られた場所はゴールまでは20m。直接狙うには正に絶好の位置といったところですね…」
416 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 19:07:53 ID:???
反町「だ、大丈夫かバンビーノ!おい早田、いくらなんでもやりすぎだぞ!」
早田「ち、違う、お、俺は…!」
バンビーノ「ぐ、ぐう…あ、足が…!
(フン、他国の誇りをしたり顔で踏みにじる『陵辱サッカー』を嗜む貴様らには実にお似合いの手立てだろ?)」
早田「(んな…アホな。俺は確かに奴の足を避けてボールにタックルを決めたはず…ま、まさか!?)」
狼狽する早田に向かって、審判が近寄って行き…
早田の運命→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
K〜10→なんとお咎めなし。
9〜4→厳重注意。次はカードが出るぞ!
3〜A→イエローカードが出される!
クラブA→一発退場!レッドカードだ!
JOKER→なんとバンビーノにイエローカードが出される!?
417 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 19:10:17 ID:???
早田の運命→
ダイヤ7
418 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 20:13:19 ID:???
早田の運命→ ダイヤ7
>9〜4→厳重注意。次はカードが出るぞ!
============
審判「抜かれれば得点チャンスのあの場面、少々危険過ぎるタックルだな」
早田「ぐっ……」
反則を取られてしまうほどの危険なプレイをしたかどうかはタックルをした本人が一番わかっている。
バンビーノの動きを見切り、完璧なタックルでボールを奪ったにも関わらずのこの判定に早田は納得が行かない。
早田「何処見てやがる!俺のタックルは間違いなくボールだけに行ってたはずだ!よく見てくれよ!」
石崎「ば、馬鹿!熱くなるなよ早田!南葛の退場を忘れたのか?」
早田「……ちっ」
ナポレオンの失態が記憶に新しかったため、早田は怒れる心を何とか抑えて守備へと戻る。
だが、この不遜な態度で審判の心象は大きく下がってしまったのだった。
バンビーノ「(……足の方はなんともないな。ふう、もう一押しってところか)」
沢田「大丈夫ですかバンビーノさん」
バンビーノ「ああ、平気さ。あんなラフプレイに俺は挫けたりしないよ」
その柔和な表情で、仲間に自分の無事を伝えるバンビーノ。
そのスポーツマンらしいハツラツした態度に、観客たちは拍手を送る。
だが、バンビーノの動きを集中的に観察していた森崎と中里は憤慨する。
419 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 20:14:19 ID:???
中里「なるほど。からくりが判明したでござるな」
森崎「ああ。奴は凄腕のドリブラーってだけじゃなく…凄腕の『マリーシア』でもある。
早田のタックルの軌道を見切り、派手に吹き飛ばされることで簡単に反則をもらいやがった」
中里「あの時感じた悪寒はこのことでござったのだな。納得でござる。
ルーク殿といったか。早田殿と雰囲気が似たあの若者、気をつけたほうがいいでござるな」
森崎「下手をしたらカードの累積で退場って展開もあるかもな。……くそっ、厄介な選手を見つけてきやがって!」
守備に優れるルークは、アリティア選抜の大事な戦力の一人。
カインが怪我で能力が落ちている現状、彼の力の存在は大きい。
だが、今のように反則を貰われてしまい退場に追い込まれてしまえば、
一気にピンチに追い込まれてしまう可能性が高い。
森崎「(明日の試合、ルークの扱いに困るな。本人は今日の貸しを返すためにと頑張ってくれそうなんだが…)」
直接フリーキックを得たタイガース。絶好のシュートチャンスを任されたのはミハエルである。
ミハエル「(バンビーノ。一度砕け、消えかけたその宝石の輝きは違う色を伴い再び輝き出す…)」
バンビーノの高度なマリーシアテクニック。それは過去に激しいタックルをもらい、
再起不能に陥るほどの重症を負った経験から生まれたものだった。
もう二度とあのような怪我を負わないように。自ら吹き飛ばされることで衝撃を和らげる技術を身に付けたのである。
そして、その副産物として相手の反則を誘い込むという技術も手に入れていたのだ。
ミハエル「(しかしワタシは不純物の混ざった宝石を宝石とは認めたくありませーん。
純粋なる美……どんな相手も飲み込むほどの真っ直ぐな美しさこそ、思考の美しさなのデース)」
ミハエルは高く足を振り上げる。バレエの選手のような体の柔らかさに、観客たちは思わず息を呑む。
420 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 20:15:41 ID:???
ミハエル「見せてあげます。これがワタシの切り札。……ロ〜〜〜〜ズバスタ〜〜〜〜!!」
ギュウウッ……ズシャッ!!
アンナ「ミハエルくん直接ゴールを狙う!こ、このシュートは…!」
土屋「うっ……こ、これは!?」
土屋の目に映るボールは、鋭い回転がかかっているわけでも、ものすごい豪速球でもなかった。
しかし、ミハエルのダンサー特有の繊細な爪先で蹴りこまれたこのシュートは不規則な揺れを引き起こし、土屋を幻惑させる。
土屋「(馬鹿な。トゥーキックシュートでこれほどまでのシュートコントロールをつけられるものなのか?)」
フースバルの選手たちの壁をすり抜け、土屋のパンチングもかわしたボールはゴール隅へと綺麗に収まった。
アンナ「き、決まった〜〜〜!東邦タイガース、2点目を奪いました!」
石崎「あ、あいつ……ミドルシュートも打てたのか?南葛戦じゃドリブルばっかだったのに…!」
早田「くっそォ…バンビーノ……ミハエル……俺は、俺はファールなんてしちゃいねぇ…しちゃいねぇのに…!」
ミハエル「フフン、決まりましたね」
バンビーノ「おい、俺の尊い犠牲があってこそってのをわすれるなよな」
ミハエル「感謝してますよ。…見ましたかヤマザルくん。これこそが美しいサッカーデース。オホホホホ」
軽やかに自陣へと戻っていくタイガースの助っ人二人。
フースバルの監督である陽子は、この一連の流れに溜息をつかざるをえなかった。
陽子「たまげたもんだわ。あそこまで完璧なシュートを決められるとため息しか出ないわ。ハァ〜」
421 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 20:17:26 ID:???
強豪チーム相手に手も足も出ない現状に嫌気がさしたことでのため息。
だが、この何気ないため息がこのあとの試合を大きく動かすことになる。
陽子に並々ならぬ熱意を上げている石崎という男。
この陽子のため息を『絶好の賞賛』のサインだと勘違いしてしまったのである。
石崎「(が、ガビーン。そ、そんなァ…よ、陽子ひゃ〜ん……)」
気のせいか、陽子の顔が仄かに赤く染まっているように見える。
もちろんそれは石崎の盛大な勘違いなのだが、
陽子への愛に生きる石崎にとって激情に走らせるには十分すぎるキッカケだった。
石崎「ぐっ…ぐぐぅ……あ、あんにゃろ〜調子に乗りやがって〜!!」
ガシッ!
土屋「い、石崎君!?」
石崎はネットに巻かれるボールを拾うと、自らセンターサークルへと走りキックオフを行う。
小豆沢「どうしたんだ石崎、2点差は確かに厳しいところだが君が上がってくる状況じゃ…」
石崎「な〜にが ローズバスターだ!そのぐらい俺にも出来るぜ!
見ててください陽子さん!男石崎、あなたのくらんだ目を今覚まします!」
沢田「う、嘘ォ!あの石崎がキックオフシュート!?」
反町「無茶な。いくらキック力があっても、まともなコントロールがつけられるものか」
石崎「(えーっと、確かあのオカマ野郎はこんな態勢で……こんな風に蹴り込んだはず!)」
422 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 20:19:35 ID:???
陽子を魅了したあのシュートを、自分も決めることで振り向かせてみせる。
今、石崎の一世一代の恋の大勝負が始まろうとしていた。
恋のダンスサルト→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
K→なんと!石崎のシュートはゴールの枠をしっかりと捉えている!?
JOKER→K+ネットを突き破るほどの威力でゴールイン!おや?陽子さんの様子が…
クラブA→シュートはふらふらと上がり、陽子さんを直撃!
それ以外→シュートはふらふらと上がり、ゴールポストに直撃!
423 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 20:19:53 ID:???
恋のダンスサルト→
JOKER
424 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 20:21:12 ID:???
ちょwwwwwwwwww
425 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 20:21:31 ID:???
猿…このスレだと意外なほど勝ち組だよね
426 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 21:02:18 ID:???
闇ではなく綺麗な側でのレギュラー獲得か?w
427 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 21:17:27 ID:???
ピンポイントwwwwwwwwwwww
428 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 21:20:34 ID:???
>だが、この何気ないため息がこのあとの試合を大きく動かすことになる。
ガチで試合を動かしたなwwwww
429 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 21:29:19 ID:???
>>424
( ゚д゚)…………( ゚д゚ )
>>425
ツインシュート止めたりオウンゴールやらかしたり
ファインプレーでチームを助けたとおもいきやこれですか!?
サンパウロ研修を経験してるという経歴を差し引いてもとんでもない躍進ですねw
>>426
出番があるかはまだ未定ですが、味方になるのならとっても頼りになりそうです。
しかし現状独り身の森崎にとってはかなり精神的ダメージがかかることになっちゃうかもw
>>427
ここでJOKERが出てくる辺り、実にモリブレムですねw
>>428
あの文章がフラグになってしまうなんて。場合によっては東邦戦の難易度が少し上がっちゃうかも?
============
恋のダンスサルト→ JOKER
>JOKER→K+ネットを突き破るほどの威力でゴールイン!おや?陽子さんの様子が…
============
ミハエル「OH…なんという事でしょう。愚かなサルを奇行に走らせてしまうとは私はなんと罪深きことを」
バンビーノ「あいつ、あれでミハエルの真似をしているつもりなのか?お笑いだな」
石崎「うおおぉぉぉぉ〜〜〜〜〜りゃ!?」
ズギャギャーーーーーーーン!!ズルッ!
実際に、石崎のミハエルの姿を模倣したトゥーキックシュートはあまりにも不恰好だった。
バレエダンサーのような高く上げられた足はガニ股になって腰の位置辺りまでしか上がらず、
無理な態勢でのシュートが災いし、インパクト直後に前のめりに倒れこんでしまう。
石崎「いでぇ!(うぐぐ…い、今の俺ってすっげぇ惨め?な、情けねぇ…)」
430 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 21:30:49 ID:???
ここで、このアカネイア大陸においての大きな文化、力の象徴の一つとなっている『魔法』を思い出して欲しい。
今でこそ修行を積み、精霊を使役して魔道書の魔力を解放する形式が常となってはいるが、
古代の魔法とは、己の心にある様々な感情を行使することで熱や冷気を発生させるものだった。
そう。今の石崎の心は愛しき女性への愛情で溢れかえっており、
その力は100年前に大陸を救った救国の英雄アンリに亡国の王女アルテミスが送った祝福の魔法にも匹敵するものだった。
魔法とは強き思いの形。純粋な心が生み出す良き魔法は時に『奇跡』すら起こしてしまうのだ。
足りないセンスを根性で補ってきたこの青年は、今度は愛情という名のガッツでカバーする。
ドギュルルルルルル!ギュワワワーーーーーン!!ブヅン!バシュルルルルル……
反町「な」
沢田「に」
山森「が」
コルドバ「お、起こったというのだ…?」
後藤「(み、見えなかった…何も……)」
中里「……こ、これは……な、なんという……」
森崎「は、はは……ははははは……お、おい、中里……これは何かの夢だよな……なぁ」
ピピイィィ〜〜〜!!
アンナ「き……決まったァ!ゴーーーール!!推定50m強のこの距離から
フースバルのDFである石崎くんのシュートが東邦のゴールを突き破った〜〜〜!?」
ニーナ「す、素晴らしいですね……あまりの凄さに言葉が浮かびません……」
431 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 21:31:57 ID:???
得点を知らせる笛が鳴る。石崎が転んだ際の爆笑の渦が、一瞬の内に歓喜の渦へと変貌した。
未だ地面に倒れ込んでいる石崎を、仲間たちが驚愕と喜びに包まれながら取り囲む。
新田「す…すげぇ!すげぇや石崎さん!俺だってあの距離で決めるのは難しいってのに!」
栗栖「とんでもねぇっす!守備だけじゃなくあんなスゴイシュートも隠し持ってたんですか!」
早田「お前いつの間にあんなシュート技術身に付けてたんだよ!俺のお株を奪う気か!こら!」
小豆沢「まだ1点リードされてる以上、気は抜くなよ。だが……いいシュートだったぞ、石崎!」
石崎「(う、嘘ォ!?俺…ほ、本当にゴールを決めちまったのか?翼みたいに…こんな遠くからのシュートで!?)」
そして、フースバルのベンチでこの顛末を眺めていた陽子はこれまで石崎に抱いていた感情が
グラグラと大きく揺らぎ始めていることに困惑していた。
陽子「(う…そ、じゃない。夢…でもない。い、石崎…くん、が……)」
自称面食いのはずの陽子の胸が、締め付けられるように痛み出す。
今のシュートに心を打たれたとでも言うのか。あんな不恰好なシュートフォームにもかかわらず
ゴールネットを突き破るほどの威力を生み出したあの石崎了という男に。
顔面を地面に強打した彼の顔は真っ赤に腫れ上がっており、その姿はサルそのものだ。
だがそのサルはただのサルではない。劣勢に追い込まれたフースバルの危機を救うヒーロー。
陽子が小さい頃から大好きだった絵本『さいゆうき』に出てくる『孫悟空』のようであった。
陽子「(石崎くんにあんなシュートセンスがあっただなんて。
もしも、もしもの話だけどちゃんとフォームを矯正して、
しっかりとしたドリブル技術を身に付けさせることが出来るのなら……
むふ、むふふ、むふふふふふ……)」
432 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/01/30(月) 21:33:09 ID:???
兄の宗政でさえ見抜けなかった奇特な才能。必ずや自分が育て、輝かせてみせる。
彼もきっと将来の全日本代表に欠かせない一員になってくれるはず。
だが、それ以上に陽子はもっと彼の隠された才能を見たいと願っていた。
もちろん自分がまっさきに見つけてみせるのだ。自分だけのヒーローの原石。他の誰にも譲らない。
陽子「(石崎くん、この大会が終わったら早速『あの方』にコンタクトして……ウフフ、あ〜、た・の・し・み♪)」
そして、この石崎の躍進を夢や幻でなく現実として受け入れることを強いられる東邦タイガース。
なによりも自分のシュートを模倣というにもおこがましいフォームで、
しかも自分以上の威力を叩き出した石崎に対してミハエルは…
認めざるを得ない→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
ダイヤ・ハート→「悔しいですが、彼の力は本物デース。ワタシの生涯のライバルにふさわしいデース!」
スペード・クラブ→「しかたがありません。まだ未完成ですがあの新技を披露してやりましょう…ウフフフフ」
JOKER→その時ミハエルの脳裏に謎の声が…!
433 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 21:33:29 ID:???
認めざるを得ない→
クラブ6
434 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 21:33:54 ID:???
認めざるを得ない→
スペードJ
435 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 21:36:45 ID:???
> その力は100年前に大陸を救った救国の英雄アンリに亡国の王女アルテミスが送った祝福の魔法にも匹敵するものだった。
石崎SUGEEEEEEE!!
436 :
森崎名無しさん
:2012/01/30(月) 23:21:31 ID:???
やばいちょっと感動した
437 :
森崎名無しさん
:2012/01/31(火) 20:22:49 ID:???
>>436
ぶっちゃけ原作で一番好きなキャラが石崎だからうれしい
原作でガッツマンと言えば石崎
> そう。今の石崎の心は愛しき女性への愛情で溢れかえっており、
> その力は100年前に大陸を救った救国の英雄アンリに亡国の王女アルテミスが送った祝福の魔法にも匹敵するものだった。
> 魔法とは強き思いの形。純粋な心が生み出す良き魔法は時に『奇跡』すら起こしてしまうのだ。
> 足りないセンスを根性で補ってきたこの青年は、今度は愛情という名のガッツでカバーする。
そのガッツを奇跡を起こす純粋な心と比喩してくれて興奮が収まらないw
438 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 22:11:36 ID:???
>>435
それだけ今回のイベントは物凄い力が働いたというところですねw
>>436
ちなみにこのアンリとアルテミス、原作だと悲恋の結末となっており
『アルテミスのさだめ』という逸話となって後世に伝わっています。
石崎と陽子さんの恋の行方はまだ始まったばかりですが、果たして…?
>>437
そこまで言っていただけてスレ主として本当に嬉しい限りですw
石崎も森崎と同様、決して才能には恵まれてはいませんが数少ないチャンスをモノにして
持ち前のガッツで困難を乗り越えていく努力家の鏡みたいな素敵なキャラですよね。
不思議なことに、思いが奇跡を起こすという設定のこのスレだからこそ
メンタリティに優れる石崎や松山がどんどん強化されているのが納得できたり。
============
認めざるを得ない→ クラブ6
>スペード・クラブ→「しかたがありません。まだ未完成ですがあの新技を披露してやりましょう…ウフフフフ」
ミハエルの心は震えていた。それは長年のダンス経験で編み出した自分だけしか打てないと信じ込んでいたシュートを
石崎がいとも簡単に模倣…とは言いがたいが、真似をして放ったことへの驚きが半分。
そしてもう半分は、これだけの畏れを自分に与える相手に会えたという喜びである。
この瞬間、自分の目の前にこれほどまでに倒しがいのある相手が現れたことに笑みが止まらなかった。
ミハエル「フフフ…なるほど。ただの下品なサルと侮っていたワタシが愚かでした。
彼はサルの中のサル。ベストイズモンキー!ワタシのシュートがローズバスターなら
彼のシュートはヤマザル…いえ、『ボスザルバスター』デース!」
バンビーノ「ミ、ミハエル…?」
目を大きく見開き興奮しながら叫ぶミハエルを、東邦の選手たちは恐ろしげに遠巻きにして見守る。
暫くの間鮮やかな長い金髪を振り乱し続け、ピタリと動きが止まる。
そして石崎に靭やかで長い腕をピシッと向け、堂々と宣言する。
439 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 22:13:38 ID:???
ミハエル「いいでしょう。アナタをワタシの生涯のライバルと認めマース!」
石崎「え、ええ〜!?な、なんでお前みたいな変態なんかと〜!?」
早田「ははは、意外とお似合いのコンビに思えるがな」
新田「ですね」
石崎「て、テメェら人事だと思ってんなのんきに…!」
ミハエル「(ワタシの美を追求せんとするシュートとは全くの逆。下品すぎて眼を向けるのも憚れると思いきや…
地面に倒れこんでもシュートを決めようとするその泥臭さはある種の芸術かもしれません。
フフフ…どこか懐かしいですねこの感覚。負けませんよ、サルザキ。真の美の化身となるのはこのワタシデース)」
今でこそ優雅を通り越してキワモノすぎる美麗さを誇るミハエルも、初めからこうだったわけではない。
何度も地べたに倒れ、膝をすりむき、足にマメを作ったことで鍛え上げた彫像のような肉体を手に入れているのだ。
そんな彼だからこそ、石崎の我武者羅な姿に激しい共感を覚えてしまったのかもしれない。
ミハエル「あなたに特別に見せてあげましょう。この技はまだ未完成で不完全。
完璧を目指すワタシとしては、ここで披露するのは少し躊躇してしまうのですが……
もう形振りかまって入られませーん!ワタシの全てを見せてアゲマース!」
ピピィ〜〜〜!!
ミハエル「新ワザ、イキマース!」
バッ!
アンナ「こ、これはまさか!今度はミハエルくんがキックオフシュートをやり返そうというのでしょうか!?」
440 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 22:15:12 ID:???
新田「なんだって!?」
小豆沢「馬鹿な!?」
輝林「ふ、ふざけんな!」
大森「そう何度もポンポン入るもんじゃねぇって!」
石崎「くっ…くそったれ〜〜!来るならきてみやがれってんだ〜〜〜!!」
土屋「(ただでさえ恐ろしい相手を更に目覚めさせてしまったようだ。…だが、だからこそここで退くことはできない!)」
陽子「(さァ、石崎くん。次は私にどんなドキドキを見せてくれるの?
あなたは私の夢。無様な姿を見せたら許さないんだから!)」
フースバルの選手たちはシュートコースに割り込めるものは一斉にブロックに飛び込む。
そしてフィールド内と同様に、観客席もこのシュート合戦に固唾を呑む。
中里「なんということでござろうか。あの石崎殿も既に世界級の選手に成ろうとしているとは…」
森崎「(……よりにもよってなんで石崎なんだよ。中里のせっかくつなぎとめた自信が折れかけてんじゃねーか!)」
ミハエル「決めますよ。これがワタシの――」
様々な思惑が重なる中、ミハエルの未完成のシュートが優雅かつ豪快に放たれた。
441 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 22:17:32 ID:???
華やかに激しく→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
K〜5→なんと!ミハエルのシュートはゴールの枠をしっかりと捉えている!?
JOKER→K+ネットを突き破るほどの威力でゴールイン!
クラブA→シュートはふらふらと上がり、森崎を直撃!
それ以外→シュートはふらふらと上がり、会場の外へと消えて行く
442 :
森崎名無しさん
:2012/02/01(水) 22:18:32 ID:???
華やかに激しく→
ハート7
443 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 22:49:26 ID:???
華やかに激しく→ ハート7
>K〜5→なんと!ミハエルのシュートはゴールの枠をしっかりと捉えている!?
============
ミハエル「(バラの刺のように爪先で鋭く突き刺すように打つのが『ローズバスター』。
ワタシのダンサー特有の繊細な爪先だからこそ撃てる技、でした……)」
ミハエルは石崎の不恰好ながらも凄まじく激しいシュートをしっかりと見ていた。
彼の体は頑丈さが無駄に出すぎたように固く、強張ったものだった。
掲げられた足はひん曲がり、とてもミハエルのようなバレエ特有の曲線美とはかけ離れていた。
ミハエル「(しかし……彼は転びそうになりながらも逆足をボールに擦りつけていました。
これは偶然かもしれませんが、それによってシュートの瞬間ボールが激しい回転をしていたのです)」
トゥーキックシュートは簡単に飛距離を稼げる反面、非常に狙いがつけにくい。
足の甲や足の内側よりも蹴りの面積が狭く、力の込め具合のバランスが取れないのだ。
先ほどのローズバスターはフリーキックということもあり、落ち着いてボールの中心を蹴り込むことが出来た。
パスを受け取った際のトラップの反動でかかる僅かな回転くらいなら打ち抜けるほどに鍛錬も積んできた。
ミハエル「(しかし…ボールのエネルギーの増すほどの回転がかかった状態では、ワタシでも狙いをつけるのは難しかった。
いえ、狙いを外した際の足に係る負担を恐れて蹴り込むことを躊躇していたのです)」
だが、ミハエルは気がついた。失敗を恐れていては乗り越えられない壁があることを。
そしてあの男はやってのけた。恥も外聞も捨て去り、純真な心で挑戦に臨み成功をつかみとったのだ。
ミハエル「(人の心の奥底にまで響くほどの美しさ。それは失ってしまうかもしれない恐怖からの脱却。
困難を乗り越えてこそ、カタルシスはより深く、より凄まじい物へと昇華されます)」
ならばやるしかあるまい。究極の美を追求する者として。失敗など恐れてはいけない。成功することだけをイメージして。
ミハエル「イヤアアアア〜〜〜〜ッ!!ローーーーーーズッ!!」
444 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 22:50:40 ID:???
ガッ!ギャルルルルッ!!
左足で踏みつけるようにボールを擦り、反動で浮き上がったボールに照準を定める。
棘で突き刺すのではない。棘で突き割るがごとくの勢いで蹴り込むのだ。
ミハエル「ス マ ッ シ ュ ! !」
ボッ! バヒュルルルルルルッ!!
アンナ「こ、これは先程のローズバスターとは違います!より勢いを増し、螺旋を描くように一直線にフースバルゴールへと向かっていく!」
ズギャギャッ!!
新田「のっ!」
小豆沢「ばっ!」
輝林「らっ!」
大森「きさまらはんらんぐんだな!」
悲鳴を上げながら吹き飛ばされていくフースバルの選手たち。
ローズバスターを柔の美しさとするならば、ローズスマッシュは剛の美しさを体現していた。
石崎「(は、はえぇ!追いつけるのか?いや、追いつくんだ!陽子さんが見ている限り、俺は――)」
後ろの土屋はシュートの勢いに飲まれ目が追いついていない。
タイガースの3点目の瞬間は、石崎の手、いや顔に委ねられているのだ。
445 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 22:52:33 ID:???
猿薔薇合戦→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
ダイヤ・ハート→石崎のブロックをすり抜け東邦が3点目を奪う
スペード→石崎の顔面ブロックでローズスマッシュに触れる!しかし…?
クラブ→石崎の顔面ブロックでローズスマッシュを撃破!
JOKER→石崎「(こうなったらあれを使うしかねぇ!)」石崎がポストに駆け寄り…?
446 :
森崎名無しさん
:2012/02/01(水) 22:52:53 ID:???
猿薔薇合戦→
スペード8
447 :
森崎名無しさん
:2012/02/01(水) 22:53:02 ID:???
猿薔薇合戦→
ダイヤ8
448 :
森崎名無しさん
:2012/02/01(水) 22:53:04 ID:???
猿薔薇合戦→
スペードQ
449 :
森崎名無しさん
:2012/02/01(水) 22:53:04 ID:???
猿薔薇合戦→
ハート6
450 :
森崎名無しさん
:2012/02/01(水) 22:55:52 ID:???
もしかして、またオウンゴール?
451 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 23:11:14 ID:???
>>450
正解!
============
猿薔薇合戦→ スペード8
>スペード→石崎の顔面ブロックでローズスマッシュに触れる!しかし…?
============
石崎はボールに対する反応に優れている。しかし、多くの人が反射的に身を守ろうとして掲げる腕、
または長年サッカー選手として鍛えている人ならではこその足や体ではなく、彼の場合は何故か顔である。
脳から最も近い位置だからこそ、最も素早く動かせるという変な理屈があるのかもしれないが、
石崎はこの『がんめんブロック』によって多くの危機を救い、そして危機の演出もしてきた。
そして、今回は見事に後者の選択が選ばれてしまうことになる。
ドゴォァ!!
石崎「ぐわぁぁぁーーーっ!!」
血しぶきを上げながら上空に跳ね飛ばされる石崎。だが、しっかりとシュートの勢いは殺していた。
ミハエル「(み、見事デース…さすがはサルザキ。ワタシの新ワザを初見で弾き返すとは…!)」
改めて生涯のライバルの凄さを目の当たりにするミハエル。が、次の瞬間。
ボムッ!バスッ!テンテン……
土屋「あっ……」
早田「こ、こいつは……」
木村「ま、またしても……」
ピピィ〜〜〜〜ッ!!
452 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 23:12:33 ID:???
アンナ「は、入りました!石崎くんのブロックで弾いたシュートはそのまま勢いを失いながらも
ゴールネットへと入ってしまいました!オウンゴール!フースバル、これはついてな〜い!!」
陽子「…………」(#^ω^)ピキピキ
石崎「…………」Σ(゚д゚lll)ガーン
ミハエル「オホホホ。やっぱり彼はユニークでファンキーなヤマザルみたいデース!」
中里「いやはや、まさにこれぞ石崎といったところですなぁ。ニンニン」
森崎「(石崎にゃ悪いが中里のことを考えりゃ、今回ばっかりはナイス自殺点だぜサル!って感じだな)」
一瞬でリードを2点差に戻されたフースバル。元よりチーム力に差があり、
この一連の攻防で互いに体力を消耗しすぎてしまった。
どちらも思うように攻めきれず、時間はどんどん消費されていき――
それからどうなった?→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
ダイヤ・ハート→そのまま3対1で東邦タイガースの勝利
スペード→新田のファルコンクロウで1点差に追いつく。だが残り時間はあと僅か!
クラブ→新田のファルコンクロウで1点差に追いつく。さらにフースバルの得点チャンス!
JOKER→新田のファルコンクロウ、栗栖のトルネードで同点に追いつき引き分けに。この瞬間アリティアの優勝が決定!
453 :
森崎名無しさん
:2012/02/01(水) 23:13:50 ID:???
それからどうなった?→
クラブ8
454 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 23:33:39 ID:???
それからどうなった?→ クラブ8
>クラブ→新田のファルコンクロウで1点差に追いつく。さらにフースバルの得点チャンス!
============
後半35分。これまで反町の指揮やコルドバの統率で抜群の守りを敷いていた東邦の守備陣に疲れが見え始める。
その隙を新田は見逃さずに、ここが攻めどきと自らバイタルエリアへとボールを持込ミドルシュートを放つ。
新田「くらえっ、ここだ!ファルコンクロウ!」
ドシュルルルッ!ズバァッ!ピピィーーー!!
角度の鋭いドライブ回転のシュートでネットが小気味よい音を奏でる。
小豆沢「よし。それでこそフースバルのエースストライカーだ」
新田「まだまだ!同点、いや、逆転するまで気は抜かない。ですよね?」
石崎「そ、そうさ!今日勝てば明日の試合結果にも寄るがまだ優勝の可能性は残ってんだ!諦めねぇぜ!」
早田「だよな。ここは俺も上がる。一気に攻め立ててゴールゲットを狙おうぜ!」
栗栖「俺も今度こそシュートを決めて見せます!どんどん放り込んでください!」
陽子「(どんな窮地に立たされても絶対に不安を見せない。
うんうん、開幕前にしっかりチームとしての基板が出来上がってくれたみたいね)」
どんどんムードを上げていくフースバルに対し、東邦は内心震え上がっていた。
フースバルは確かにタレントは少ないが、その攻撃力は屈指であることは否めない。
沢田「ど、どうしましょう反町さん。このままじゃ…」
455 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 23:35:01 ID:???
反町「弱気になるなタケシ。接戦の時は心が弱ったほうが負ける。
思い出せ。俺たちはそうして3年間南葛高校に…
いや、中学も合わせれば6年も負け続けてきたんだ。もう……負けるのは沢山だよ」
沢田「反町さん……」
山森「……反町さんの言うとおりです。俺たち南葛が常に勝者でいられたのは絶対に諦めなかったからです。
確かに流れは今フースバルにあります。けれど、まだリードしているのは東邦。有利なのは僕達です」
ミハエル「司令塔のキミが弱気だと困りマース。もっと胸をはってくだサーイ」
沢田「……は、はい……」
周りの激励になんとか答えようと、無理に笑顔をつくろうとする沢田。
バンビーノ「(……ダメだな。完全に心が折れかけている。エリート校の出身とは言え、まだまだ若いか)」
バンビーノの目論見通り、沢田の指示は後ろ向きで逃げ切りを示すものしか現れなかった。
守備のラインを上げ、人数を増やしたフースバルの突撃に完全に飲み込まれボールを奪われてしまう。
森崎「おお!前線で新田がボールを奪ったぞ!あいつ、ここ数年ですっかり守備も巧くなったよな〜」
中里「元より身体能力はトップクラスだったゆえ。森崎殿のイジメに耐え、密かに力を蓄えていた賜物ですな」
森崎「う、うるせー。俺は叩いて伸ばすタイプなんだよ。昔の扱いは新田のためを思ってこそだったんだ!」
中里「どうだか……」
新田がどれだけ活躍しようとも、他の要因を持ちだしては彼の努力をなかった事にしてきた話を持ちだされ、森崎は少し居心地が悪くなる。
今でこそ新田とは懇意にしているが、昔は生意気な後輩だと色々と心ないことをしていたかもしれない。
456 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 23:36:42 ID:???
新田「(くっ…直接切り込めるだけの体力はもう残っていないか。だったら…!)」
同点に追いつくための、多分これがラストチャンス。絶対に点をとってくれると信頼できる仲間に、新田はボールを託す。
新田の判断→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
ダイヤ・ハート→ツートップの片割れ。こんどこそ決めろ!栗栖にパス!
スペード→攻撃型サイドバックとは俺のこと!早田さん、任せました!
クラブ→先ほどのシュートはまぐれなどではないはず。石崎さん、お願いします!
JOKER→?????「決めろ、ニッタ!」その時観客席から聞き覚えのある声が――!?
457 :
森崎名無しさん
:2012/02/01(水) 23:37:15 ID:???
新田の判断→
スペードJ
458 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 23:49:00 ID:???
新田の判断→ スペードJ
>スペード→攻撃型サイドバックとは俺のこと!早田さん、任せました!
============
早田「来い!俺に持ってこんかーい!!」
早田の猛然としたオーバーラップが視界に映る。マークも都合よくついていない。
新田「早田さん、任せました!」
ボンッ!バシッ!
早田「ナイパー!おっしゃあ、行ったるぜー!」
アンナ「ここで左サイドを猛スピードで上がってきた早田くんにパスが通る!
彼にも強力なミドルシュートがあるとの情報が入っています」
ニーナ「ここで追いつくことが出来れば、まさかの大逆転劇も見えてきますね」
早田「(タックルもブロックもクリアーも、守備に関しては全てにおいて上に行かれた次藤。
奴になくて俺にあるものを探し、そして俺はシュートに磨きをかけた。
……だが、今度は石崎に俺のアイデンティティを奪われかけていやがる。
もうこれ以上、俺の居場所を奪わないでくれ。俺はこのフースバルでサッカーがしたいんだ!)」
自分の価値を守るために。いや、それよりもチームの勝利のために。
早田は得意とする横回転と、夢抱いてきた縦回転を合体させた新シュートを放つ。
早田「そおおりゃあああああっ!!これが俺の『ダブルシェービングシュート』だ〜〜〜〜〜っ!!」
459 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/01(水) 23:50:23 ID:???
進化する二枚刃カミソリ→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
ダイヤ・ハート→早田のシュートが美しくも鋭い弧を描きゴールを奪う。同点だ!
スペード→ブロックとキーパーを突破するが、カーブをかけすぎてしまいポストに当たる。こぼれ球に。
クラブ→コルドバのブロックでシュートが弾かれる!そして――
JOKER→縦回転、横回転、そしてこいつがおまけの軸回転!!トリプルシェービングシュートだとォ!?
460 :
森崎名無しさん
:2012/02/01(水) 23:50:37 ID:???
進化する二枚刃カミソリ→
クラブK
461 :
森崎名無しさん
:2012/02/01(水) 23:50:47 ID:???
進化する二枚刃カミソリ→
ダイヤA
462 :
森崎名無しさん
:2012/02/01(水) 23:52:00 ID:???
ガーネフさんウハウハっすね
463 :
森崎名無しさん
:2012/02/02(木) 00:15:18 ID:???
結果的には敵に塩を送りまくる大会になってるねw
464 :
森崎名無しさん
:2012/02/02(木) 00:23:59 ID:???
ガーネフ、高血圧で死亡する痛恨のミス
465 :
森崎名無しさん
:2012/02/02(木) 00:24:00 ID:???
とはいえ石崎のオウンゴールで森崎の評価を落とすことなく鉄壁のブロッカーにまた一歩近づいたし
イスラスも離反したしトータルで見れば悪くないんじゃない
466 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/02(木) 23:58:16 ID:???
>>462
貴重なDF枠なのでありがたいですね。…って、そうじゃなーい!
闇のオーブ勢に加わる条件は色々あるのですが、
もちろん加入を防ぐ手立てが全くないわけではありません。
>>463
闇のオーブ勢は第2部の物語の流れを構築する大事な部分なので
多すぎても少なすぎてもダメな難しい部分なんですよねー。
>>464
過多の塩分はお年寄りだけじゃなくとも気を付けたいところですねw
>>465
多くの人間との交流が破滅のツボで苦しむ森崎を救う手立てとなってくれるでしょう。
============
進化する二枚刃カミソリ→ クラブK
>クラブ→コルドバのブロックでシュートが弾かれる!そして――
============
早田の代名詞でもある鋭い横回転をかけたカミソリシュート。
これに縦回転のドライブを加え、広い角度から狙えるロングシュートに進化させたもの。
それがこの『ダブルシェービングシュート』である。
早田「(左上空から襲いかかるようにして逆ネットに突き刺さる。止めようがねぇ完璧なコースだ)」
しかし、早田のシュートには足りないものがあった。そう、単純なシュートの『破壊力』である。
それは本来の彼にはそこまで必要ではなく、鍛える機会が無かったもので仕方ないといえば仕方ないのだが。
ボールを奪うことに特化していた彼の肉体では、より強烈なインパクトでシュートを放つ技術を身につけるには時間が必要だった。
その足りない要因が、この歴戦のCB、元コロンビア代表の名DFコルドバを追いつかせてしまった。
コルドバ「(なかなか面白いシュートを撃つ。だが、どれだけ曲げようとも向かってくるのはこのゴール内のどこか。
ボールの勢いがその程度では、十分にシュートブロックする時間は得られるのだよ)」
ビュッ…バゴォッ!!
467 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/02(木) 23:59:40 ID:???
早田「な…なにィ!!」
アンナ「弾いた!コルドバくんのブロックで、早田くんのシュートは勢いをなくし転がっていく〜〜!!」
コルドバ「(ただ曲げるだけのシュートならば、それこそプロの世界ではいくらでもいる。
それ以上の何を持っているか。シューターとしての才とはそういうことを言うのだよ)」
早田「(だ、ダメなのか…。タックルも、ブロックも、クリアーも……
シュートさえも、俺は役に立つことができねぇってのかよ……ちくしょう……!)」
こぼれ球は近場の東邦の選手がフォローし、すぐに大きくクリアーされてしまう。
その後フースバルの選手は必死に走りまわったが、ついに反撃の機会を再び得ることはかなわなかった。
ピッピッピィーーーーー!!
アンナ「試合終了〜〜〜っ!!東邦タイガース、辛くも逃げきりました!
3対2でフースバルに勝利!明日のアリティア選抜戦に優勝の望みをつなぎます」
ニーナ「2連勝で単独トップを走るアリティア選抜と、1勝1敗で追いかける東邦タイガース。
明日の直接対決の結果如何では、南葛ウイングスにも優勝の可能性はありますね」
アンナ「エースの出場不可という大きなハンデを背負うことになっていますが、
どのチームも最後までハツラツとした試合を見せてくれることを願いたいですね。
それでは明日の最終日も、このアリティア特別競技場でお会いしましょう〜!」
468 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/03(金) 00:00:46 ID:???
森崎「(早田のやつ、最後のシュートを外したのを相当悔しがっていたな。
昨日はあんなに自慢気に新技のことを話してくれたってのに。
……しかし、東邦タイガースか。下馬評では日本一の戦力チームと言われているだけあるぜ)」
中里「(あのコルドバという選手、熟練の技の冴えを見せていた。
長年の経験と、守備の基礎に基づいた鉄壁のブロック。今の拙者に必要なのは正にあれだ。
これまで忍びの力で曲がりなりにもごまかしてきた拙者の真のサッカーの技術と
しっかりと向き合う必要がありそうだ。その為には……)」
大会も2日目が終わり、一般兵がスタジアムの整備に明け暮れる頃、
暗殺組織の一員であるクライネは仲間のローローを伴い、肩をいからせながら建物の地下道を歩いていた。
同じく組織員の一人であるアイネに明日の作戦の打ち合わせと定期報告を行うためである。
ローロー「クライネ、さっきから機嫌が悪い。いったいどうした」
クライネ「……どうしたもこうしたもないわよ。アイツ、アタシの弓から逃げきるだなんて……」
思い出したくもない忌々しい記憶である。エストを誘拐し、アベルの出場を妨げるという
妨害の工作を放棄したイスラスの粛清のためにわざわざこんなかび臭いところまで追いかけてきたというのに。
ローロー「ああ。あの『裏切り者』か。で、どうする?まだまだまだまだ追いかけるのか?」
クライネ「フンッ、いいわ別にあんな奴。仮面の加護がなければ生きられない体の男に何ができるっての。
それよりも、早いところアイネと合流して……あっ〜!イラつく!ホコリっぽいたらありゃしない!」
ぐちぐちと不満を言いながら遠ざかる影を、排水口の奥で息をひそめるイスラスは見送っていた。
イスラス「(……さて、あとはアイツらだな。世話になった分、ケジメだけはつけておきたいところだ)」
469 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/03(金) 00:01:59 ID:???
地下道を抜けたイスラスは、ここ数ヶ月共に過ごしてきたルームメイトたち……
闇のオーブの呪縛にとらわれアカネイア大陸に拉致された者たちがいる郊外の隠れ家を訪れる。
イスラス「…………まぁ、予想はしていたがな」
イスラスを迎える3人の表情は必ずしも歓迎を表すものではなかった。
心配をするバビントン、困惑するストラット、そして敵意を向けてくる中山の視線を詰めたい表情で受け入れる。
中山「どういうつもりだイスラス!何故森崎の指示を無視した!納得の行く説明をしてもらおうか!」
バビントン「な、中山…お、落ち着いてよ…」
ストラット「おい、気持ちはわかるがそんなに怒鳴るなよ。…まぁ、後味の悪い仕事だったんだ。
やりたくねぇって気持ちは分かるさ。しかたねぇよな、うん。
だがよ、一刻も早く綺麗な体で元の世界に帰るためにはもうちょっとだな……」
イスラス「綺麗な体、か。あの下衆どもの思惑に踊らされた挙句人道を外れることをさせられて綺麗でいられるものかよ」
下衆という言葉に対し、中山がぴくりと眉をひそめる。それを抑えるようにストラットが少し声量を荒らげて言う。
ストラット「だから!割り切れって言ってんだよ!自分の意志を貫き通すのは立派さ。結構結構。
だがよ、今は素直に従うしか無いじゃねぇか。無理に逆らえそうな相手じゃないってことはお前だって分かるだろ!?」
自分たちの生活の全てを管理し、束ねる怪しげな呪術の数々を使いこなすガーネフという存在。それだけではない。
何よりも闇のオーブに染まった自分たちの力や精神の制御のための『仮面』という命綱に縛られているのだ。
イスラス「……ハッ。そんな後ろ向きな考え方が間違ってるのさ。
傷つきたくない、苦しみたくないからと逃げに逃げ続けてきたアンタにはお似合いだがな」
ストラット「なっ……テメェ!!今なんつった!?」
470 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/03(金) 00:03:14 ID:???
イスラス「逃げに逃げ続けてきたアンタにはお似合いだって言ってんだよ。
くだらねぇ。抗う勇気も無しに、分かったようなことほざくな」
ストラット「テメェ…!表出ろ!前々からそのすかした態度が気に食わなかったんだ!」
昔のトラウマを無法に傷つけられたストラットの怒りに火がつく。一触即発の雰囲気にバビントンは取り乱す。
バビントン「ちょっと止めてよ二人とも!喧嘩なんて見たくないよ!
中山、キミからもなにか言ってよ。二人を止めなくちゃ」
狼狽え続けるバビントンの言葉など耳に入っていないように、中山は虚ろな目でいがみ合う二人の姿を眺めていた。
中山「(……俺は辛い現実から目を逸らし、逃げることを望んでいた。
森崎を破滅のツボで傷付け、アイツの夢を壊してしまったことから
逃げ出したい一心で。それでこの世界に誘い込まれた。そう思っていた。
だけどアイツは、森崎はそんな俺を許してくれた。気にするな、また一緒にサッカーしようなと)」
その森崎が自分を信頼し、頼み込んでくれたのだ。自分の偽者を倒し、失った力を取り戻してきてくれと。
だがその願いは他人を貶め、不幸にすることで幸せを手に入れる後味の悪いものばかりだった。
元より気が優しく、気のよい友人たちに囲まれてきた中山の良心が痛まないはずはない。
中山「(だけど俺は…森崎を助けてあげたい。アイツの苦しみを少しでも取り除いてあげたい。
そのためだったら自分の手が汚れても構わない。だけど……他の皆は……)」
ガッシャーン!ドンガラガラ!バゴォッ!!
気がつけば取っ組み合いが始まっていた。体格にまさるストラットが優勢に見えるが、
イスラスは華麗なフットワークでうまく攻撃を避け、捌いている。
ストラット「テメェに……俺の気持ちが分かってたまるか!この冷血漢め!」
471 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/03(金) 00:04:43 ID:???
イスラス「分かるかよ!望んじゃいねぇのにこんな力を与えられた理不尽さが俺は先に出てんだよ!」
ストラット「悪いかよ!助けが欲しかったんだよ!親友を傷付け、仲間を傷付け……!
チームの皆、世話になった人も何もかも台無しにしちまったんだ、俺は……!」
イスラス「その償いが他人を陥れることかよ!舐めてんじゃねぇぞテメェ!」
ストラット「俺だってこんな汚いことに手を貸すのは嫌だ!気に入らねぇよ!」
イスラス「だったら辞めればいいだけだろ!わからず屋が!」
ドッシーン!ボコボコッ!ガツーン!!
ゴロゴロと組んずほぐれつしたところで、ストラットがイスラスに馬乗りになる。
すぐに振り解こうと足腰に力を入れようとするが、イスラスは動きを止めた。
それは、ストラットが泣いていたからだ。ボロボロと大粒の涙を零し、拳を震わせていたからだ。
ストラット「……償いたい奴がいるんだよ……自分の手が、汚れに塗れようとも……
俺の犯した罪はこんな事で晴らせるほど軽いものじゃねぇ……
お前にだって居るだろ。そんな奴が、一人くらい……!」
イスラス「…………」
イスラスの幼い頃の遠い遠い記憶。自分と同等。いや、それ以上のスピードで先を走っていく金髪の少年。
追いつけない自分を気遣うように、後ろを振り向くはにかんだ顔。だが、その顔ははっきりと見えない。
何かの激しい逆光が、彼の顔を覆い隠す。耳障りの騒音。つんざく悲鳴。届かない手。そして――。
イスラス「そうだな。その為に、もっと力が欲しい、強くなりたい。俺たちはそんな志の元で集まった……」
バビントン「そうだよ。色々思う所があるかもしれないけど、今はとにかく早く地球に帰ることを目標にする。そう決めただろ?」
472 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/03(金) 00:05:59 ID:???
バビントンの仲裁で少し落ち着きを取り戻したストラットが、先ほどの乱闘で転がったイスに腰をかけてつぶやく。
ストラット「……間違ってるかもしれねぇのは分かってんだよ。誰だって出来ることなら清く生きていたいに決まってる。
でも、願いを叶えるために。目的を果たすためにそうしなきゃいけない状況しか残されてないのなら、
お前はどうするかって話なんだよ。自分の非力さを受けいれ、それでもお前は自分の意志を貫こうってのか?イスラス」
バビントン「(ディアスに負けない力が欲しい。チームの力になりたいという願いを叶えてくれた。それがこの、闇のオーブの力……)」
中山「(サッカーの才能のない俺が一流の世界で戦っていくための唯一の手段。それがこの、闇のオーブの力……)」
自分の思いを果たすために。夢のためならば、納得の行かないことでもやり遂げ続ける意志を持ち続ける勇気。
たとえ進むべき道が違おうとも、ここに集まる若者たちは皆純粋に己の意志を胸に抱き戦い続けてきたのだ。
イスラス「……何の後悔が無いって言うのは嘘になるな。だが、俺は俺のやりたいようにやる。今までも、これからもな」
ストラット「……そうかよ……」
イスラス「ああ、そうさ……だから俺はここを」
グー。
なにか言いかけたイスラスの言葉を、誰とも知れぬ腹の虫が邪魔をする。
ストラット「……とりあえず飯でも作るか。腹が減っちゃ落ち着いて話もできやしねぇ」
イスラス「またパスタか」
ストラット「気に入らねぇか。だったら隅っこで埃と水でも食ってろよ」
473 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/03(金) 00:07:33 ID:???
イスラス「…いや。常に俺好みの硬さを出すアンタのパスタは嫌いじゃないさ」
ストラット「……そうかよ」
バビントン「僕も手伝うよ。中山も、ほら」
中山「え、でも俺料理はあんまり…」
バビントン「いいからいいから、ね!」
普段はおとなしいくせにこういう時に強く我を押し出せるバビントンの図太さに思わず吹き出す3人。
心の奥ではわかっている。もうイスラスは自分たちとは違う意志を持ってしまっているのだと。
でも今は。今だけは。短い間ではあったが確かに重ねられた絆を確認しあうように乾燥パスタを茹でる作業に没頭するのだった。
イスラス「(中山、ストラット、バビントン。それがアンタらの意志なら、今は何も言わない。
だから俺は、お前たちが納得の行く方法で戦い、そして強引に新しい選択肢を用意させてやるさ)」
数時間後。一人の男が小屋を出ていくのと入れ替わるように、一人の男が小屋の扉を開こうとしていた。
ナポレオン「(……本当にこの場所に俺の臨むものがあるってのか?つーか、ウマそうな匂いだなこの小屋)」
474 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/03(金) 00:09:17 ID:???
〜アリティア城・離宮〜
試合の観戦を終え、双方様々な想いを抱えつつ宿舎がわりの離宮へと帰り着く。
昨日と同じく、午後は自由時間を設けておりあちこちで交流会が行われているという。
中里「それでは拙者はこれにて。巻物のこと、頼んだでござるよ森崎殿」
森崎「ああ。機会が合えば渡しておくぜ」
中里「しからば御免。さて、まずは試合後の汗を流しにでも行くでござるかな…」
明らかに別件が目的であろうニヤケ顔の中里を見送り、森崎は自分も自由行動の選択をする。
☆どうしますか?
A アリティア選抜の宿舎に行く
B 南葛ウイングスの宿舎に行く
C 東邦タイガースの宿舎に行く
D アリティア王宮に行く(代表落ちの仲間やブレーメン組がいます)
E 適当に一人でぶらぶらしてよう(ランダムで誘いを受けます)
2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。
============
短いですが一旦ここまで。
475 :
森崎名無しさん
:2012/02/03(金) 00:10:31 ID:B7mHUZ+M
B
シェスターへの巻物は地球に戻ってからでも渡せるだろうが、
早田のフォローはさっさとやらないとマズイ気がする
476 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/03(金) 00:13:14 ID:???
あー!また選択肢が一つ抜け落ちてたー!
申し訳ありませんが、改めて投票をお願いいたします。
============
☆どうしますか?
A アリティア選抜の宿舎に行く
B 南武フースバルの宿舎に行く
C 南葛ウイングスの宿舎に行く
D 東邦タイガースの宿舎に行く
E アリティア王宮に行く(代表落ちの仲間やブレーメン組がいます)
F 適当に一人でぶらぶらしてよう(ランダムで誘いを受けます)
2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。
477 :
森崎名無しさん
:2012/02/03(金) 00:17:38 ID:JTQIcdWM
B
478 :
475
:2012/02/03(金) 00:18:25 ID:B7mHUZ+M
B
あー、なんかおかしいと思いつつも気づかなかった。そういうことかw
正直フースバルとウィングスはどっちがどっちなんだか・・w
479 :
森崎名無しさん
:2012/02/03(金) 05:32:34 ID:???
カインに飯をおごる約束はどうしようか?
480 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/04(土) 15:19:52 ID:???
>>478
南が頭文字だと反射的に南葛と認識してしまいますよねw
>>479
ドイツに発つ前には済ませておきたいですね。
============
B 南武フースバルの宿舎に行く
☆南部フースバル
【栗栖・新田・大森・小林・田中・輝林・石崎・木村・早田・土屋・陽子】
上記の中から『1名』誘いたい人物を選んでください。
判定により他の人物が同伴してくることもあります。
2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。
481 :
森崎名無しさん
:2012/02/04(土) 15:37:47 ID:Ljqv7omE
早田
482 :
森崎名無しさん
:2012/02/04(土) 15:42:48 ID:IOSq3eH6
早田
483 :
森崎名無しさん
:2012/02/04(土) 15:42:51 ID:bV9evRKg
早田
484 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/07(火) 09:49:38 ID:???
>早田
森崎「(やっぱり早田のことが心配だ。俺に何か力になれることがあれば…)」
自分はシュートに新たな道を見出したと自慢気に話してくれた親友の言葉が思い出される。
試合に敗れ、落ち込む彼の姿を中学生以来の親友である森崎は放っておくことができなかった。
森崎の足は自然と南部フースバル用の離宮へと向かうことになる。
森崎「さて、地図によればこの部屋に早田がいる筈なんだが」
森崎は早田の在室を確認するため軽く扉を叩く。
刃こぼれカミソリ→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
ダイヤ→部屋には早田と栗栖と新田がいた。
ハート→部屋には早田と栗栖がいた。
スペード→部屋には早田一人だけだ。
クラブ→…返事がない。部屋にはいないのだろうか?
JOKER→ダイヤ+何故かモロドフさんがいるぞ。
485 :
森崎名無しさん
:2012/02/07(火) 09:55:04 ID:???
刃こぼれカミソリ→
ダイヤK
486 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/07(火) 10:12:25 ID:???
刃こぼれカミソリ→ ダイヤK
>ダイヤ→部屋には早田と栗栖と新田がいた。
早田「おう、森崎か。ちょうど呼びに行こうとしてたとこだ。入ってくれよ」
森崎「え?あ、ああ」
何やら早田も森崎に用事があったらしい。部屋に入ってみると、早田のチームメイトである新田と栗栖がいた。
新田「どーも、森崎さん」
栗栖「こ、こんにちは」
相変わらずの生意気そうな笑み、もっともこれが新田の親しみの印なのだろうが。
それとは対照的に、栗栖はどこか緊張した面持ちで頭を下げてくる。
そういえば彼とこうして直接話をするのは初めてのことかも知れなかった。
森崎「俺を呼びに行くつもりって、なんか用事でもあったのか?」
487 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/07(火) 10:14:00 ID:???
早田「ああ。恥を偲んで、な。ご覧のとおり俺たちフースバルは2連敗を喫し、単独の最下位や。
このままじゃイカン。この悪い流れのままプロリーグ開幕なんかしたらエライことになりそうでな」
栗栖「チームの設備や地元の応援なんかではどうしても東邦や南葛に水を開けられていますからね」
新田「弱小チームのレッテルを貼られる前に、何か対策を練ろうとこうして作戦会議を行なっている次第なんスよ」
森崎「(まぁ言っちゃ悪いがフースバルは今回の参加チームの中では一番総合力が低いチームだろうな)」
早田「そこでだ!今から最終戦に備えた秘密特訓を行おうというこった!
森崎頼む!俺たちのシュート練習に付き合ってはくれんか!こんなこと頼めんの、お前以外にはいねぇんだ!
土屋のオッサンは無理せずコンディションを第一にしろと取り合ってくれねぇんだ」
栗栖「今日の試合に負けたのは俺がシュートを外してしまったからです……お願いします、森崎さん!」
新田「俺からもお願いします。森崎さんの指導力はお墨付きだって、アリティアの人たちから聞いてます」
☆どうしますか?
A よーし、俺に任せな!
B やってもいいが、俺にも何か見返りがないとなぁ…
C だが断る
D どうせなら他の連中も誘ってみようぜ!
E その他(好きなセリフや行動をお書きください)
2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。
488 :
森崎名無しさん
:2012/02/07(火) 10:28:08 ID:C6pjbiZI
A
489 :
森崎名無しさん
:2012/02/07(火) 10:47:27 ID:ughqwtiA
B
490 :
森崎名無しさん
:2012/02/07(火) 11:01:19 ID:FK1I7jiI
A
491 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/07(火) 20:23:49 ID:???
>A よーし、俺に任せな!
ゆくゆく考えてみれば、この選択は自分の時間を割いてまで敵チームの戦力を鍛えるということなのだが
魂の友情を結んでいる早田のきっての頼みなのだ。断ろうはずもない。
森崎「よーし、俺に任せな!だが、少し安心したぜ」
早田「んあ?何がだ?」
森崎「シュートを外した時のお前、すごく落ち込んでいるように見えたからさ。
たっく、心配してきて損したってもんだぜ」
早田「はっ、この俺がそれくらいで周りを見失うものかーい。逆に燃えてきたってーの!
そんじゃあ善は急げだ。早速練習場に行こうぜ。新田、栗栖。先に行って場所とってこい」
新田「ういーす」
栗栖「ラジャー!」
気の良い舎弟のように後輩二人にあごで指示を出す早田の元気の良さを見て、
早田が何処かに消えてしまいそうな、そんな不安は杞憂だったのだと森崎は胸をなでおろす。
自分たちも新田たちの後を追おうと部屋を出る。そのとき、後ろから早田の声が聞こえた。
早田「…………がとな」
森崎「ん?何か言ったか早田」
早田「い、いーや!ワイはなんもいっとりゃせん!はよ進まんかい」
森崎「そうか?お前がこてこての関西弁を使うときは何か怪しいんだよなぁ。
…なぁ早田。俺とお前の仲だ。あんまり頼りにはならないかも知れないが困ったときは力になるぜ」
492 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/07(火) 20:25:31 ID:???
早田「…おう。悪いな、なんか」
森崎「だから気にすんなっての。そのかわり俺が困ったときはお前の力をまっさきに借りに行くからな。覚悟しておけよー」
早田「ははっ、怖いわぁ。こりゃ相当気合入れて特訓して力を身につけんといかんなぁ」
言葉などいらない。互いが互いを思いやる心だけで気持ちは通じ合っている。
森崎がアカネイア大陸に来る以前から手に入れていた友情は未だ色褪せず輝きを放っている。
※早田の評価が上がりました
適当な空き地を抑えていた新田と栗栖と合流し、早速シュート練習にはいる森崎たち。
早田のダブルシェービングシュート、栗栖の空中で錐揉み回転しながら放つダイビングヘッドを主に
森崎をキーパー役にしてひたすら打ち込みを続ける。新田は常に二人のフォームをチェックし
アドバイスが出来ることがあれば熱心に声を出して伝えていた。
森崎「(なんというか、羨ましいな。俺もブレーメンに行ったらいい人間関係を築いていきたいものだ)」
アカネイア大陸での長き戦いは、森崎に人と人との信頼の大事さという精神を根強くさせていた。
実力主義の厳しいプロ世界において、甘い考えだと思われることもあるだろう。
それでも多くの人に支えられてこれまでの戦いを勝利したことを考えれば、
森崎はこれから先も早田やマルス、そして中山のような信頼できる仲間を育んでいきたいと思うのだっった。
森崎「さァ、次は何処から撃ってくるんだ?俺が腰を抜かすくらいのヤツを打ってきても構わんぜ!」
早田「へっ、言ってくれるじゃねぇか。確かにいつまでも退屈させとくのは悪いよなぁ、栗栖」
栗栖「はい。せっかく練習に付き合ってもらっているんですから」
二人をさらに躍起にさせるための森崎の挑発が広場に響く。新田はメモを取りながらその様子を楽しげに見ていた。
思い返せば、森崎に蔑まれ馬鹿にされ続けた悔しさをバネに、自分はここまでの力を手に入れたのかも知れない。
493 :
森崎名無しさん
:2012/02/07(火) 20:26:15 ID:???
「親友は」「見返りを」
「「求めない!」」
494 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/07(火) 20:27:26 ID:???
新田「(それも今ではいい思い出です。森崎さん、あの時の俺のようにビシビシ虐めてあげてくださいよ。
栗栖、あの人に遠慮なんかいらないぜ。早田さん、徹底的にやっちゃってください。俺、信じてますから)」
先着『2名』様でブロックごとに判定をお願いします
早田の特訓→! card
栗栖の特訓→! card
============
森崎のフォロー→! card
新田のフォロー→! card
!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します
【早田&栗栖】
K〜10→特訓は物凄く充実。明日の試合に絶対の自信を身につける!
9〜5→特訓はそこそこ良い成果を見せる。明日に自信をつなげる!
4〜2→イマイチうまくいかない。明日の試合もなんだか不安だ…
A→怪我をしてしまう。メンタルも最悪な状態に…
JOKER→新ワザのアイディアをひらめき、それを習得してしまう!
【森崎&新田】
ダイヤ→早田の数値に+3 10以上で何かをひらめく
ハート→栗栖の数値に+3 10以上で何かをひらめく
スペード・クラブ→特になし
クラブA→怪我をしてしまう。明日の試合、大丈夫?
JOKER→二人のシュートを見て、新たな技をひらめく!?
495 :
森崎名無しさん
:2012/02/07(火) 20:27:43 ID:???
早田の特訓→
スペード8
栗栖の特訓→
ダイヤJ
496 :
森崎名無しさん
:2012/02/07(火) 20:27:47 ID:???
早田の特訓→
スペードQ
栗栖の特訓→
クラブA
497 :
森崎名無しさん
:2012/02/07(火) 20:28:12 ID:???
森崎のフォロー→
ダイヤ2
新田のフォロー→
ダイヤ8
498 :
森崎名無しさん
:2012/02/07(火) 20:28:55 ID:???
うおおお、大成功!
499 :
森崎名無しさん
:2012/02/07(火) 20:29:09 ID:???
お、完璧じゃね
500 :
森崎名無しさん
:2012/02/07(火) 20:29:13 ID:???
よーしよし、ナイスだ俺!
501 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/07(火) 21:56:28 ID:???
>>498-500
みんなが幸せ。最高の結果でしたね!
============
早田の特訓→ スペード8+6→14→特訓は物凄く充実。明日の試合に絶対の自信を身につける!
栗栖の特訓→ ダイヤJ→特訓は物凄く充実。明日の試合に絶対の自信を身につける!
森崎のフォロー→ ダイヤ2→早田の数値に+3 10以上で何かをひらめく
新田のフォロー→ ダイヤ8→早田の数値に+3 10以上で何かをひらめく
============
新田「空中でのボールのインパクトはタイミングなんだ。目で追っていたらすぐにボールを見失うぞ!」
栗栖「は、はい!」
新田「ボールの角度であとどれくらいかを覚えろ!そら、いくぞ!」
バシィッ!
もう何度目のクロスかはわからない。体で覚えたタイミングを数えながら、栗栖は高く跳躍する。
栗栖「(3…2…1…)ここだっ!!」
ギュルルルルルン!ドッゴォッ!!
錐揉み回転しながらのダイビングヘッド――『マグナムトルネード』が勢い良く放たれる。
森崎「! な、なにィ!」
バスゥッ!ズブスリュルル……
栗栖「で、出来た!やったぁ!」
502 :
モリブレム
◆RK7RVcZMX2
:2012/02/07(火) 21:57:29 ID:???
新田「そうだ!そのタイミングを忘れるんじゃないぞ栗栖!」
度重なる反復練習で、若干集中力を欠いていたとはいえこうもあっけなくゴールを割られるとは思っていなかった。
やはりこの栗栖という少年には類まれなるシュートセンスが秘められている。そう森崎は感じていた。
森崎「よーし、もうお前の動きは完璧だ。若いだけあって、覚えが早い早い」
栗栖「か、からかわないでくださいよ!でも、ありがとうございます!」
栗栖が思った以上にシュートを完成させたことで、森崎たちは早田の特訓に腰を据えるようシフトしていく。
早田「そうりゃっ!」
森崎「ていっ!」
早田「こんにゃろっ!」
森崎「まだまだっ!」
早田の打つシュートは鋭いカーブを描くが、その球筋は軽い。
瞬発力に優れる森崎にすぐにコースを防がれ、弾かれてしまう。
栗栖「…何がいけないんでしょうか。普通、あれだけ鋭く曲がれば弾くだけでも難しいでしょうに」
新田「どれだけ曲がろうともゴールの枠内に収まるように撃つのは分かってることだからな。
森崎さんの判断力の速さを上回るほどにシュートの速度を出さないとダメなんだ」
早田「(ちいっ…確かに俺のシュートは翼や日向に比べれば緩くて軽いかもしれん。
だが、それでもワイには……ワイにはこのカミソリサッカーしか無いんや!!)」
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