キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【予測不能な】11人の戦士たち2【イレギュラー】
1 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/02(金) 02:24:54 ID:???
*せつめい*
このスレはキャプテン森崎をベースにしっちゃかめっちゃか色んなジャンルの作品を鍋にぶち込んだ挙句。
じっくりコトコト煮込んだあと、東方projectというお皿に盛りつけたようなスレです。
そういうカオスなお話が大好物ですというお方だけお付き合い下さいますようお願いします。
物語は参加者さんの投票・カード、ダイスの判定結果によって変化しながら進行します。
[前回のあらすじ]
長崎で鳴らした俺こと佐野満は、よくわからないまま幻想郷に流されたが、
霊夢ちゃんの手を借り、居候をさせてもらう事になった。
しかし、幻想郷でくすぶっているような俺じゃあない。
ボールさえあればサッカーを通してなんでもやってのける命知らず、不可能を可能にし巨大なスキマ妖怪を
叩き起こす、俺達、特攻野郎イレギュラーズ!
佐野「俺は佐野満。 通称軽業師。 小細工まみれのドリブルとオーバーヘッドキックの名人。
俺のような天才サッカー選手でなければ百戦錬磨のつわものどものキャプテンは務まらん」
剣崎「俺は剣崎一真。 通称オンドゥル王子。 自慢の滑舌でみんなの耳はボドボドだ!
ハッタリかまして、技の習得に練習機会を3回使わせちゃうぜ」
律子「私は秋月律子、通称りっちゃん。 チームの頭脳。 情報収集は美貌(リッチャンハカワイイデスヨ)と頭の良さでお手の物!」
クーガー「よおお待ちどう。 俺様こそクーガー。 通称兄貴。 スピード狂としての腕は天下一品!
奇人? 変人? スクライド出典なら仕方ない」
ブースター「ブースター。 通称唯一王。 物理の天才だ。 カモネギだってデリバードだってぶん殴ってみせらぁ。
でもヒヒダルマさんとゴウカザルさんだけは勘弁な」
俺達は、3ヶ月待てばいいだけなのに早く帰りたい為にあえてサッカーに挑戦する。
頼りになる神出鬼没の、特攻野郎イレギュラーズ!
助けを借りたいときは、いつでも言ってくれ。
248 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/09(金) 23:36:34 ID:???
そうして自陣に戻った後、まず守備陣はクーガーのゴールを祝福。
その後、すぐに作戦会議に移ろうとするのだが……。
既に時間はロスタイムに差し掛かろうとしており、ここは流してくるだろうと佐野は安易に考えていた。
しかし、そんな佐野の耳に背後から猛烈な勢いで何かが走りくる音が飛び込んでくる。
ドドドドドドドドド
レティ「………………」
佐野「うおっ!? レ、レティさん!?」
その音の正体は1ボスチームキャプテン――レティ=ホワイトロックが走る音であった。
その手には先ほどまでゴールに突き刺さっていたボールが掴まれており、レティの表情はまだ試合を諦めていないソレのもの。
思わずその顔を見て佐野は威圧されるのだが……。
ユーノ「! みんな、ポジションに散ろう。 もうキックオフだ」
カイン「この残り時間で仕掛けてくるつもりか……?」
佐野「(なんだなんだ? 何を仕掛けてくるんだ?)ええい、ボールを奪えれば笛はすぐ鳴る!
みんな、きっちり守って2点差のまま後半にいくぞ!」
イレギュラーズ「「「おー!!」」」
冷静なユーノの咄嗟の指示により気を取り直し、一同に喝を入れながらポジションに散らばり始める。
一方でボールを持ったレティはそのままセンターラインにボールを置くと。
こちらもまた驚いた様子のリグル達に向けて口を開く。
249 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/09(金) 23:37:41 ID:???
レティ「リグル、キックオフの後、すぐに私に出して」
リグル「わ、わかったよ。 レティ……攻撃参加するの?」
レティ「失敗に終わってもすぐに笛が鳴るわ、リスクは無い。 リグルとルーミア、他の皆もキックオフと同時にゴールまで全力で走って。
とにかく前半で1点を返しておくわよ」
ルーミア「そーなのかー」
失点のショックから未だ抜け出せていなかった1ボスチームは、このレティの思いがけない攻撃参加に驚き、ショック状態から逸した。
それだけレティの言葉や態度には威圧感があり、失点のショックが吹き飛んだという事である。
また、これには2点差となってしまってはもはや勝ち目も殆ど無いと1ボスチームの誰もが諦めようとする所で、
そう考えるような時間を与えないという効果も持っていた。
それを見越して素早くリスタートをしたという辺り、彼女のキャプテンシーは優れていると言わざるを得ないだろう。
霖之助「さぁ、2点差とされた1ボスチームですがどうやらまだ前半で点を取る事を諦めた訳ではないようです!
DFであるレティ選手までも前線へと上がり、前半最後の攻撃に望みを繋げています!
残り時間は少ないが、果たしてここで1点差に詰め寄れるか!? 改めてキックオフです!」
ピィーッ!! バムッ パシッ
レティ「みんな、走って!」
ドダダダダダーッ!!
佐野「おおおっ!? くそっ、やっぱ諦めてねーのか!」
審判の笛が鳴りキックオフされると同時、ボールはすぐにセンターサークルやや後ろにいたレティへと戻される。
そして、それ以外の前線メンバーは一気にダッシュをしてゴール前を目指し。
レティ自身はボールをキープしたまま上がろうとせずただその場に立ち尽くすのみである。
250 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/09(金) 23:38:43 ID:???
佐野「ええい、何をするつもりかわからんけどここで奪えば……!」
ブースター「キュー!」
ならば、と佐野は何かをする前にレティからボールを奪おうとブースターと共に距離を詰めプレスをかけた。
レティは巨漢でありその体格を生かしたボールキープは上手いかもしれないが、
さりとてクーガーや自分程ドリブルは上手くないだろうと見越しての事である。
それならば少なくとも零れ球にする事は可能だろうと、佐野はそう踏んでいた。
レティ「…………よし!」
グォッ
佐野「ゲェッ!?」
故に佐野は意表を突かれた。
佐野達がプレスをかけるより素早く、レティがその右足を上げてパスを出そうとしたのだ。
読みを外した佐野に出来るのは、慌ててパスコースをブースターと後方にいるダークドリームとで手分けして塞ぐ事だけである。
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★レティ リンガリングコールド (! card) 54+(! dice + ! dice)=★
★佐野 パスカット (! card) 48+(! dice + ! dice)+(人数差補正+1)=★
★ブースター パスカット (! card) 50+(! dice + ! dice)+(人数差補正+1)=★
★ダークドリーム パスカット (! card) 47+(! dice + ! dice)+(人数差補正+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→レティの鋭いパスが静葉に渡った! 静葉、そのままパスに行く!
=1〜−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に(静葉がフォロー)(静葉と水銀燈で競り合い) (クーガーがフォロー。前半終了)
≦−2→イレギュラーズボールに。前半終了
251 :
森崎名無しさん
:2012/03/09(金) 23:39:10 ID:???
★レティ リンガリングコールド (
クラブ9
) 54+(
3
+
1
)=★
252 :
森崎名無しさん
:2012/03/09(金) 23:39:22 ID:???
★佐野 パスカット (
スペード6
) 48+(
5
+
2
)+(人数差補正+1)=★
253 :
森崎名無しさん
:2012/03/09(金) 23:40:13 ID:???
★ブースター パスカット (
スペードQ
) 50+(
4
+
3
)+(人数差補正+1)=★
254 :
森崎名無しさん
:2012/03/09(金) 23:40:32 ID:???
★ダークドリーム パスカット (
ダイヤ5
) 47+(
6
+
5
)+(人数差補正+1)=★
255 :
森崎名無しさん
:2012/03/09(金) 23:40:51 ID:???
★ダークドリーム パスカット (
ハート6
) 47+(
4
+
4
)+(人数差補正+1)=★
256 :
森崎名無しさん
:2012/03/09(金) 23:42:50 ID:???
ダークドリームは今度こそフラグゲットしたんだよね?
257 :
森崎名無しさん
:2012/03/09(金) 23:42:54 ID:???
敵陣でパス回しされた時や縦ポンされた時はブースターの守備力も役に立つのね
258 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/09(金) 23:47:35 ID:???
>>256
そうなりますね。これにてめでたくパスカットフラグゲットです。
>>257
パスカットは地味ですが高くて損な事は無いですからね。
とくぼう特化耐久ブースタールートあるで!
259 :
森崎名無しさん
:2012/03/09(金) 23:53:38 ID:???
おしりパスカット!
260 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/10(土) 00:42:28 ID:???
うーん、ちょっと眠気が凄いので本日はここまで。
目標のハーフタイムまでいけませんでしたすみまちぇん。
続きは明日以降書かせていただきます。それでは、お疲れ様でした。
261 :
森崎名無しさん
:2012/03/10(土) 00:42:59 ID:???
おしり乙
262 :
森崎名無しさん
:2012/03/10(土) 03:26:57 ID:???
タキーリンがいまいち目立ってない印象
263 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/10(土) 23:22:13 ID:???
>>261
乙感謝おしりしりしり。
>>262
殆ど試合から消えてましたねぇ。後半こそは期待。
>★レティ リンガリングコールド ( クラブ9 ) 54+( 3 + 1 )=58★
>★佐野 パスカット ( スペード6 ) 48+( 5 + 2 )+(人数差補正+1)=56★
>★ブースター パスカット ( スペードQ ) 50+( 4 + 3 )+(人数差補正+1)=58★
>★ダークドリーム パスカット ( ダイヤ5 ) 47+( 6 + 5 )+(人数差補正+1)=59★
>=−1→ボールはこぼれ球に。クーガーがフォロー。前半終了
>※ダークドリームがダイス11を出して零れ球にしたのでパスカットフラグ取得!
===============================================================================
レティ「静葉ッ!!」
佐野「ぬがーっ、とどかねぇっ!?」
レティ=ホワイトロックは優秀なCBである。
彼女が得意とするのはその大柄な巨体を生かしたブロックやクリアーといったパワーディフェンス。
更には敵を吹き飛ばす勢いで見せる猛烈なタックルなのだが……。
しかし、彼女はただ守備しか出来ないような凡庸なDFでもなかった。
1ボスチームの攻撃力が貧弱であるという事もあってか、彼女は今回のようにオーバーラップをする必要性もあった。
故に攻撃能力も磨かれており、特にそのパスセンスはMFとしても十分通用をするレベルのものだったのである。
不意を突かれた形となった佐野は当然のようにこれに触れられず、ボールはそのまま前を走る静葉の元へと向かう。
ブースター「ヴォゥウッ!!」
チィッ!
だが、その横からプレスをかけようとしていたブースターは小さく唸り声を上げて辛うじてこれに食いついた。
体のナリは小さく強烈なシュート力を持っていながらも接触プレーには弱いブースター。
そんな彼は、何故かパスに対する反応だけは異常なまでに速かったのである。
そして、このブースターが触れ、軌道が変わった事で、よりカットにいきやすくなる選手が後方に控えていた。
264 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/10(土) 23:23:32 ID:???
ダークドリーム「それーっ!!」
バッ! バシィッ!!
レティ「な、なにィ!?」
佐野「えぇぇぇ!?」
今日の試合トップ下として出場をしていたダークドリーム。
本来はパスカットはいまいち苦手な筈の彼女は、ここでなんとオーバーヘッドキックの体勢でパスをカットするという離れ業を見せたのだ。
幻想入りをした初日、サッカーの事を楽しくないものだと思っていた彼女に、1人でボールを蹴っていては面白いも糞も無いと教えた佐野。
その佐野が見せたオーバーヘッドキックは、佐野が思っている以上に彼女にとって憧れの技だった。
未だにシュートにおけるオーバーヘッドキックは完全に出せないものの、そのフォーム自体は何度も練習しているもの。
この土壇場で、頭では届かないと咄嗟に判断すると彼女は空中で即座にオーバーヘッドの体勢に切り替えてカットしたのである。
ポテッ コロコロ
ダークドリーム「あ、駄目だ、取れなかった……」
佐野「な、なんちゅう奴だ……(オーバーヘッドでパスカット……? んなもん聞いた事ねーぞ)」
レティ「くっ……(また彼女ね……)」
このオーバーヘッドパスカットは選手、観客、実況の度胆を抜いたものの、しかしダークドリームは完全にボールをカットできていなかった。
つま先だけでボールに触れようとしている以上それも仕方のない事で、ダークドリーム本人は落胆をするのだが……。
パスを放ったレティの方がよりショックは大きく、表面上は平静を装いながらも内心はひどく動揺をしながら守備に戻る。
そして、零れたボールはいち早くクーガーが確保。
その後ようやく気を取り戻した佐野の指揮のもと、イレギュラーズは無理せず時間を稼ぎ。
残り少なかった時間は消化され、こうして前半戦は終わったのだった。
ピッピィーッ!!
前半終了!
イレギュラーズ 2−0 1ボスチーム
265 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/10(土) 23:24:44 ID:???
霖之助「ここで前半終了の笛が鳴ったぁ〜! 1ボスチーム、残り少ない時間を使って何とか1点を返そうとしましたが攻撃は実らず!
2−0のままハーフタイムに突入します!」
観客「うが〜っ、レティさんのパスが通らないのか!?」「これはもう駄目かもしらんね」
「それでもナズーなら……1ボスながら5面中ボスのナズーならなんとかしてくれる……!」
佐野「ふー、やっと前半終わったか……クーガーさん、スタミナ大丈夫か?」
クーガー「問題ねぇよ。 オラ、それよりベンチに戻るぞ。 必要な時に休むのもまた重要な事。
このハーフタイムの時間、一分一秒も無駄にはするな」
佐野「ほいほい……っと。 ん?」
審判の笛が鳴り前半終了となると、佐野は大きく伸びをしながらため息を吐いた。
その後、体力的に不安の残るクーガーの様子も心配するのだが、見た感じは本人の言うように問題は特に無さそうであり。
ハーフタイム中にアイビスの怪我を霊夢に改めて診て貰えば、チームのコンディションは万全になりそうである。
そうして佐野はいち早くベンチに戻るクーガーの背中を見つつ、自身も後を追おうとするのだが……。
滝「………………」
佐野「…………滝さん」
その際、1ボスチームの外来人――滝と交錯し、視線を交える。
滝の表情は正に真剣そのもので、睨みつけるような眼光に思わず佐野はギョッとしながら名を呼ぶのだが。
滝はそれに応える事もなく、レティやナズーリンと共に1ボスチームのベンチへと向かってゆく。
佐野「(……そういや前半殆ど滝さん出番が無かったしな。 苛立っても仕方ないか……)」
前半、アイビスに怪我をさせた事以外は特にこれといって見せ場の無かった滝。
ナズーリンやレティといった他の主要メンバーは目立っている中で彼だけが成果を出せていないのが現状である。
それは滝本人が誰よりわかっており、だからこそ滝はあれだけ鬼気迫る表情で佐野を睨んでいたのだろう。
佐野「(こりゃ後半の滝さんには要注意かな……。 ふんどし締めてかからねぇと)」
改めて気を引き締めつつ、佐野は1人そう考えると自分もまたベンチに戻ってゆくのだった。
266 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/10(土) 23:25:51 ID:???
−J−H− J佐野 630/800 Hブースター 645/800
−−−−−
−−I−− Iダークドリーム 700/800
G−−−F Gアイビス 590/600 Fクーガー 395/500
−−E−− E水銀燈 785/800
C−D−B Cレイ 800/800 D剣崎 900/900 Bユーノ 750/750
−−A−− Aカイン 800/800
−−@−− @律子 700/700
※前半終了時点でのイレギュラーズのガッツ(ハーフタイムで200回復をします)
267 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/10(土) 23:27:14 ID:???
佐野「霊夢ちゃん、アイビスさんの治療頼むぜ」
霊夢「もうやってるわよ」
ベンチに戻った佐野がまず始めに行ったのは、アイビスの怪我の治療を改めて霊夢にしてもらう事だった。
滝の反則を受けて負傷したアイビスは一応の応急処置を受けたものの、それはあくまでも一応。
短い時間で行ったものである為最低限度の治療しか出来ておらず、
この試合を戦い抜く為にも、また明日から続く練習に影響を与えない為にもこのハーフタイムでしっかりケアをしておきたい所である。
しかし、佐野が頼むより早く霊夢はアイビスがベンチに戻ってくるなりすぐに治療を始めていた。
わざわざ言わずとも的確な行動をとってくれる辺り、実に頼れる存在だと佐野は霊夢に感謝をしつつ。
自身もベンチに座り、スポーツドリンク(香霖堂提供)を飲みながら体力の回復を図る。
佐野「ふぁー……生き返る……」
ブースター「キュー……」
ユーノ「佐野君たち前線の皆はかなり走り回ってたし、だいぶ疲れてるみたいだね。
僕たちDFやGKは殆ど出番が回ってこなかったからそれ程でもないんだけど……」
佐野「攻撃陣が体力余って守備陣が疲労困憊って状況よりはずっといいよ。
それにまだ結構体力に余裕はあるからな。
試合時間が30分ハーフだからこれくらいで済んでるけど、45分だともっとひどい事になってるぜ」
ちろちろと舌を出して皿に入れられた動物用スポーツドリンク(香霖堂提供)を飲んでいるブースターを横目で見つつ。
佐野は労ってくれるユーノに軽口をたたきながら、前半を振り返る。
佐野「さぁて……なんとか2点を取って突き離したが、まだ安全圏内って訳じゃねぇよな」
レイ「ん? 相手は守備型のチームだから、これくらいとりゃ安心できるんじゃないのかい?」
佐野「確かにここから30分で逆転される事は無いかもしれんけど、同点にされる可能性はあるぜ。
1ボスチームのFWは確かに霊夢ちゃんの言うようにブースター程の威力のシュートは撃てねぇみたいだけど、
それでも点を奪えないってレベルじゃなかったし、実際前半撃たれた1本は危なかった」
律子「そうね……確かにカインさんがいてくれなければあのシュートは止められてなかったわ」
268 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/10(土) 23:28:31 ID:???
何度も言われているように1ボスチームは守備が主体のチームである。
だが、攻撃力が皆無という訳ではない。
両サイドハーフの突破力は前半戦ってみた通りに凄まじいのだから、流れが傾けば一気にチャンスを作られ続ける可能性がある。
そうすれば30分の間で2点を返される事だって考えられない事ではないのだ。
霊夢「相手は幻想郷最下層の弱小チームとはいえ、こっちは出来立てほやほやの素人チームだもの。
この2点のリードも、運が多少こちらに味方してくれた結果でしょうね」
剣崎「まぁ奪えた2点も、上手く零れ球をフォロー出来た末のラッキーゴールみたいなもんだしな」
カイン「ふむ……ならば前半を終えた所で、更に後半を戦う戦術を練るべきか……?」
律子「前半を戦うまでは聞いた情報をもとに作戦を立てるしか無かったですけど、
今は実際に相手の実力をある程度計る事が出来ましたからね。
ここで改めて対策を練るのは必要な事だと思います」
佐野や霊夢の言葉を受けて、一部を除いたイレギュラーズメンバーも気を引き締める。
そして、妙に嬉しそうな表情をする律子が対策を興じるべきだと発言すると、
それぞれが互いの顔を見ながらさてどうしたものかと頭を悩ませ始める。
ユーノ「問題はどういう方向で後半の戦いを進めていくかだけど……佐野君はどう考えてるの?」
佐野「ん? そうだな……」
律子「………………」
A.「更に追加点を狙うように動いていくべきだな。 3点差に出来れば安心だし、前に押し込めればそれだけ時間を稼げる」
B.「追加点は狙いたいが深追いのし過ぎは禁物だな。 2点差があるのは事実なんだから、無理のしすぎは良くない」
C.「とにかく点を取られないよう守るべきだな。 相手は2点差を返そうと必死になる筈だから守備を固めないと危険だ」
D.「なーんも考えてない!」
E.その他 自由投票枠
先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
269 :
森崎名無しさん
:2012/03/10(土) 23:32:09 ID:yr6z/H3w
B
270 :
森崎名無しさん
:2012/03/10(土) 23:34:14 ID:FJLVINDM
B
271 :
森崎名無しさん
:2012/03/10(土) 23:37:03 ID:???
まずは初勝利こそが重要ってことで
272 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 00:19:56 ID:???
>B.「追加点は狙いたいが深追いのし過ぎは禁物だな。 2点差があるのは事実なんだから、無理のしすぎは良くない」
====================================================================================================
水銀燈「無難ねぇ、面白くないわぁ」
佐野「無難、大いに結構。 勝つ為に最適な指針って事だからな」
更なる得点は狙うが、かといって攻め気を出し過ぎる訳でもなく守備も固める。
それは無難とも言える判断ではあるが、この場面では最善の策であるだろうと佐野は考えた。
気を衒い過ぎて失敗をしては何の意味も無い、つまらなかろうと勝利の為に全力を尽くすのが何より大事なのである。
佐野「守備に関しては今の通りでも問題は無いだろ。 1ボスチームの基本はサイドアタックだ。
サイドハーフがボランチの水銀燈と……間に合わなきゃ水銀燈とサイドバックが連携してあたればいい。
問題は攻撃に関してなんだが……」
律子「それについて、素人考えなんだけど意見いいかしら?」
佐野「ん? あ、ああ……どぞ」
守備は現状のままが最善であると考え佐野は特に守備を変えず、次に追加点を取る為の攻撃法を考えようとする。
と、ここで挙手をしながら発言許可を求めたのは秋月律子。
一応サッカーのある世界から来たものの、サッカーについての知識は殆ど無かった筈の彼女の思わぬ行動に佐野は若干驚きつつ。
とにかく意見があるというのなら聞いてみようと、発言を促す。
すると律子は一度くい、とメガネを上げてから咳払いをしたのち、
右腕は胸の下に、左腕はその手のひらの上に乗せる形にしながら顎を持ちつつ口を開く。
律子「前半戦見ていた限りだと、やはり1ボスチームの守備の要はレティさん。
彼女の前にはブースターのシュートもダークドリームのシュートも通用をしなかったわ」
ブースター「キュィー……」
ダークドリーム「うー、おでこシュート自信あったんだけどなぁ」
まず律子は目下の問題点を洗い出し、対策を練るべき相手を挙げた。
レティ=ホワイトロック。
ここまでイレギュラーズは2点を奪っているが、その2点はいずれもレティがゴール前で体勢を崩していた時に奪ったもの。
そして、レティがいる時は常にシュートは止められており、彼女がゴール前にいる限りイレギュラーズが追加点を奪うのは難しいと言える。
273 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 00:21:12 ID:???
律子「それはつまり逆を言えば、レティさんさえいなければゴールを割る事はそう難しくないという事。
……特にブースターのシュートなら、入る可能性は非常に高いでしょう」
レイ「理屈はわかるがどうやってあいつをゴール前からどけるんだい。 頼んだ所でホイホイ退いちゃくれんだろ?」
剣崎「そうだな。 問題になるのはどうやってレティをかわすかだ」
レティがいる時はゴールを奪えず、レティがいない時はゴールが奪えている。
ならばどうにかしてゴール前からレティをどかしさえすれば、ゴールを奪える可能性はぐっと高まる。
律子の説明はわかりやすくもあったが、しかし、説明した内容は極当然の事実。
そのような事は今更言われずともチーム内の大多数がわかっており、どうやってレティをかわしてゴールを奪うかが肝要なのである。
一同は律子の真意を図りかねるも、律子は笑みを崩さず更に説明を続ける。
律子「退いてはくれないでしょうけど、注意をひきつける事は可能だと思いますよ」
アイビス「……どうやって?」
律子「ダークドリームを使うんです」
ダークドリーム「……え、私?」
不意に名を呼ばれたダークドリームはきょとんとした顔で律子を見つめ、律子は一度頷き肯定をする。
そして、これを見ていた佐野はようやく合点がいったようにポンと手を叩き口を開いた。
佐野「なるほどな、ポストプレイ使うのか」
律子「ええ」
カイン「空中戦……!」
クーガー「およびじゃねぇよ、座ってろ」
一部空中戦に絶対の自信を持つ者が立ち上がりかけたものの、すぐに突っ込みを受けベンチに座したのでここはスルーをしておく。
ポストプレイ。
ゴール前で敵をひきつけ、味方のマーカーを減らしチャンスを作る行為。
強力なDFをかわす手段として有効なそれをつかえば、確かにレティをかわしてブースターはシュートに行けるだろう。
だが、問題はもう一つ残っている。
それは本当にレティがダークドリームに食らいついてくれるだろうかという点である。
274 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 00:22:16 ID:???
佐野「それは俺も考えたけど、レティさんが釣られるかどうかがわからんぜ。
もし無視されたら意味がねぇ。 落とした所をタックルで奪われるだけだ」
律子「そうね。 でも、無視される可能性は低いと思うわ」
佐野「どして?」
律子「さっきのダークドリームのヘディングで、相手はダークドリームを得点力のある選手だと認めた筈だもの。
なら、無視なんて出来ないでしょう?」
しかしこの問題は、前半でのダークドリームの好プレイが全て解決してくれた。
水銀燈のパスを受け、ヘディングでゴールを狙いにいったダークドリーム。
その威力はレティが辛うじて零れ球にするのが精いっぱいというものであり、もしもレティがクリアーに来なければ入っていた可能性が高い。
となれば、当然ながら1ボスチームがダークドリームをフリーにする筈が無いのである。
律子「もしもフリーにしてきたらその時はダークドリームがシュートを撃てばいいし。
クリアーに来れば、落とす事が出来ればブースターがシュートを撃てる」
水銀燈「なるほどねぇ……。 でも、あのデカいのがクリアーに来て本当にダークドリームがポストプレイできるの?」
律子「……多少は賭けになるわね、しかも分が悪い。 ただ、最悪零れ球に出来ればまたチャンスが生まれる」
いくらパスセンスが高く、ジャンプ力も秀でているダークドリームとはいえ、体格で勝るレティに勝てる可能性は決して高くない。
だが、ブースターに直接渡してもレティがブロックに入れば高確率で止められるだろう。
万全の状態でブースターにシュートを撃たせるなら、この策を使うのが最善であると考えて律子はこの案を提案したのだった。
律子「後考えられる得点パターンは佐野君とクーガーさんのドリブルゴールくらいかしら。
ただ、レティさんのタックルの上手さがいまいちわからないのよね……。
それにクーガーさんが上がりすぎるとサイドアタックされた時が怖いし」
霊夢「言っておくけど、レティはタックルも上手いわよ。 佐野やクーガーなら抜けると思うけど、それだってそこまで高い確率じゃないわ」
佐野「どっちにしても賭けになるって事か。 んー、ならここは……」
275 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 00:24:01 ID:???
A.「ダークドリームのポストプレイをつかってみようか」
B.「ポストプレイなんて小賢しい真似はせんでよろし。 普通にブースターにパス送るのだ」
C.「ここは俺とクーガーさんどっちかでドリブルゴールを狙う方向でいくぞ。 ハッハァー!」
D.「ポストプレイといえば空中戦。 空中戦といえばカインさん。 カインさんを上げてポストプレイさせてみよう」
E.その他 自由投票枠
先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
276 :
森崎名無しさん
:2012/03/11(日) 00:25:36 ID:UEBpDUlM
A
277 :
森崎名無しさん
:2012/03/11(日) 00:25:48 ID:4XgR2rKc
A
278 :
森崎名無しさん
:2012/03/11(日) 00:26:16 ID:ckVf68Yk
C
策を練るのは全部試してみてからにしよう
279 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 01:43:39 ID:???
>A.「ダークドリームのポストプレイをつかってみようか」
==============================================================
ダークドリーム「ポストプレイだね! よーし、わかった!」
佐野「ただ臨機応変に動いてくれよ。 ブースターがフリーの状態になれば、何もゴール前で落とさなくても直接渡せばいいんだし。
さっきもりっちゃんが言ったように、自分がフリーならヘディング撃ってもいいんだ」
ダークドリーム「うん!」
佐野は逡巡をしたのち、ダークドリームのポストプレイをメインに使っていく事に決めた。
レティさえいなければ、ブースターのシュートは間違いなく1ボスチームに通用をするのだ。
ドリブルゴールを狙うのもいいが、レティのタックルの実力がいまひとつ判明せず。
霊夢の言葉によれば佐野やクーガーでも決して楽に突破出来る訳ではないとわかった以上、これが最善の策だと判断したのである。
律子「その場合ダークドリームが上がるから、両サイドのMFとボランチの水銀燈はスペースを大きく開けさせないよう注意して。
だからといって上がりすぎないよう、常に周囲の状況を確認しておく事」
水銀燈「失敗した時の尻拭いの為にそこまで気を使わなきゃならないのぉ?」
律子「勝つ為よ?」
水銀燈「……ふん」
佐野「……りっちゃん、キャプテン俺やで」
律子「あっ……そ、そうだったわね。 ごめんなさい」
佐野「いやまぁ、間違った事は言ってないからいいんだけどな……」
作戦が決まると、律子は自ら指揮を執りメンバーたちに指示を飛ばした。
キャプテンとしてのお株を奪うかのような行為に思わず佐野は自らの存在をアピールし……。
これを受けて律子は「やってしまった」と言わんばかりにバツの悪い顔を浮かべると、小さく頭を下げて謝罪をする。
280 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 01:45:05 ID:???
律子「本当にごめんなさい。 一介の選手が出過ぎた真似をしたわね……」
佐野「いや、いいよ。 っていうか、個人的にはそこまで色々考えてくれてるってわかって嬉しいぜ。
てっきり試合に燃えてるの俺だけかと思ってたもん」
律子「そりゃ確かに今までサッカーなんて興味は無かったけれど、やるからには勝ちたいもの。 こっちだって色々考えるわ」
律子の的確な指示によってその役目を失った佐野ではあるものの、
しかし、同時に律子がここまで色々とこの試合について考えてくれていたというのは嬉しい事実でもある。
何せここで今サッカーをやっているイレギュラーズの目的は、あくまでも「八雲紫を早く起こす為」事。
その為にサッカーをやっているだけであり、半ば嫌々やっている者もいるのではないかと佐野としても不安だったのだ。
律子「ところで佐野君、もしかして温情で私の提言した作戦使ったりしてないわよね?
もしそうだとしたらやめてよ? 私だって勝つのが目的なんだから、間違った作戦をつかわれたくなんて無いんだから」
佐野「心配ご無用。 りっちゃんの作戦は理に適ってるよ。
失敗するかもしれんけど、必ず成功する作戦なんてもんは元々存在しねーんだ。
だから失敗してもりっちゃんのせいじゃないし、誰のせいでもねーよ。
最善と思って取った作戦が失敗して、相手のラッキーパンチが運よく決まる事もあるのがサッカーなんだからな。
作戦なんてもんは、あくまで勝つ確率を上げる為の手段でしかねぇ」
律子「……そう」
佐野「なんだ、不安なのかりっちゃん?」
律子「そんな訳ないでしょ。 ただの確認よ、確認。 キャプテンとして任せるに値するかのね」
281 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 01:46:31 ID:???
チームメイトへの同情で作戦をコロコロ変えるようなキャプテンではなくて良かった、と笑みを見せる律子に。
佐野は笑みを返しながら口を開く。
佐野「しかしなんだっていきなり指揮取り出したんだよ。 俺びっくらこいちゃったよ」
律子「んー……まぁ、癖みたいなものね」
佐野「癖?」
律子「そ。 纏め役、みたいなものは私の役目だから。 ただ、サッカーに関しては佐野君に任せた方がいいわね」
佐野「(癖かぁ……まぁ日頃からりっちゃん仕切り屋だしなぁ。 しかし仕切り屋のアイドルってどうよ?)」
委員長タイプのメガネっこアイドル、秋月律子。
彼女の仕切り屋気質はどうにも生粋のもののようで、当人が苦笑しながらそう呟く中。
佐野は本当にアイドルなんだろうかとちょっとした疑問を持ちつつ、こうしてハーフタイムの時間は流れて行ったのだった。
282 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 01:47:32 ID:???
そしてこちらは1ボスチームのベンチである。
前半だけで2失点を喫し、ロスタイムに賭けた全員攻撃は初手で止められてしまった1ボスチーム。
試合開始時の勢いは殆ど無くなりかけていたものの、それでもまだお通夜ムードとまではいっていなかった。
穣子「この程度の点差、我ら神々には丁度いいハンデのようなものだ。 姉よ、今こそ封印されし力を……」
静葉「よせ、妹よ」
穣子「すまん、己を見失いかけていた」
リグル「2人ともそのキャラ疲れないの?」
秋姉妹の漫才のようなコントのようなよくわからないやり取り。
普段は鬱陶しいだけのそれも、今の状況では場をある程度明るくしてくれるありがたい存在である。
この2人を見ていたら2点失って落ち込む事など馬鹿馬鹿しい事のように思えてくるのだ。
レティ「よし、みんな聞いて。 まず前半を振り返ってだけど……彼ら、イレギュラーズはかなり強いわ。
……素人揃いなだけあって荒削りではあるけれど、だからといって侮れない。
彼らは超ウルトラ必殺スペシャルHズ、いえ……3ボス同盟くらいの力はあるかもしれないわ」
ヤマメ「3ボス同盟……!? えぇ、そんなに評価するかい、レティ!? あっこは別格だよ!?」
秋姉妹のコントである程度場が温まった所で、レティは口を開き前半を振り返った。
イレギュラーズ――外来人10人と1匹で構成される新設チーム。
殆どが素人の寄せ集めだと聞いていたが、戦ってみれば本当に素人ばかりなのかと疑いたくなる程の強さである。
その強さをレティは1ボスチームの格上である超ウルトラ必殺スペシャルHズ……。
そして、更にその上のチームである「3ボス同盟」にも匹敵するかもしれない、と告げる。
この発言には思わず周囲の者達も驚いた。
何せ「3ボス同盟」は、あらゆる意味で1ボスチームや超ウルトラ必殺スペシャルHズと一線を画すチームなのだ。
283 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 01:48:32 ID:???
1ボスチームにはレティという主柱がおり、レティは幻想郷全土で見ても中堅レベルの選手。
だが、3ボスチームには幻想郷でもトップクラスの選手が在籍をしているのである。
選手個々の能力も高く、Hズと3ボス同盟の間には大きな格差があるというのが幻想郷のサッカー通の共通意識である。
だからこそ、1ボスチームの面々は信じたくは無かった。
素人同然のチームの実力が3ボス同盟に匹敵をしているという事に。
レティ「勿論まだ実力的にも3ボス同盟には届いてない選手が数多いわ。
でも取れる手段やタレントの多さを鑑みると、総合的な実力は拮抗してると思う」
リグル「ひえぇ……」
レティ「でもだからといって勝てない筈はない。 だって私たちの夢は幻想郷一よ?
幻想郷全土で見ればあくまで中堅チームの3ボス同盟とほぼ同じ実力の相手に逃げ腰で、幻想郷一になれる筈が無いじゃない」
静葉「うむ、その通りだ」
思わず怯えかける選手達を、レティは静かに……しかし情熱的に鼓舞した。
そう、相手がだれであろうと勝つ……勝ちたい。
レティの言葉にはまず秋姉妹がいの一番に同意し、続けてナズーリン、ルーミアといった者達も首を縦に振る。
やがて怯えていた選手達も頷き……だが、人一倍臆病でもあるリグルはおずおずとレティに問いかける。
リグル「で、でもどうやって勝つの? 2点差だよ?」
レティ「まずは同点に追いつきましょう。 後半開始のキックオフから1点を返せれば試合はまだわからないわ」
ルーミア「わは〜! さっきは惜しかったし、今度はきっとゴールできるのか〜」
レティ「そして滝君、勝つ為には貴方の活躍が絶対に必要よ」
滝「……わかってるぜ」
284 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 01:50:02 ID:???
リグルの問いかけにレティはあくまで冷静に返答した。
とにかく、まずは同点に追いつく事。そのために1点を返す事。
そして、その1点を返すには――この1ボスチームに新たに加入をした仲間、外来人、滝一の力が必要であるという事を。
滝「前半は全然目立ってなかったからな。 後半こそは活躍してやる!」
ナズーリン「その意気だ同士タキーリンよ。 我らの力を見せつけてやろう」
滝「おう!」
ナズーリンの激励を受けながら、滝は力強く頷いた。
ナズーリン「(おお、なんと凛々しい……これならば間違いなく後半はやってくれよう!)」
ナズーリンはこの滝の姿に荒れ狂う河にダムを建設するビーバーのような勇ましさを感じた。
温泉でゆっくりと疲れを癒す可愛らしいカピバラのような暖かみを感じた。
シャカシャカ回し車で走る無邪気ながら素早いハムスターのような鋭さを感じた。
要するにげっ歯類っぽさを感じてた。
285 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 01:51:14 ID:???
こうして両チームのハーフタイムが終わろうとしていた頃。
一方でまばらに見えた観客たちは、口々にどうしてこうなったと頭を抱え悲壮感を体中から溢れださせていた。
1ボスチームのファンで殆どを固められた観客たちにとって、このような試合展開は望まれたものではなかったのである。
そして、そんな観客たちの中で、悲壮な空気を纏わずにフィールドを見つめていた者もまたいた。
その人物とは……。
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★観客さんいらっしゃーい→! card=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
JOKER→???「ふふふ、1ボスチームにはこの私が必要なようね」 ピンクの髪をした和服美女が1ボスチームベンチに向かっていったぞ
ダイヤ→ハート+スペード+クラブ
ハート→厳格そうな女性「新設チームと聞いていたが、中々いいチームじゃないか」 五重塔のような帽子を被った女性がいたぞ!
スペード→チルノ「おー、さのとかも強いなー。 でもレティー、負けるなー」 チルノちゃんです
クラブ→文「ふむふむ、中々やりますねイレギュラーズ。 このまま勝てば取材させてもらいましょうか」 ご存知射命丸文ちゃんです
クラブA→日傘の女性「博麗の巫女が面倒を見てるからどの程度かと思えば……」 チェックの服を纏ったナイスバデーなお姉ちゃんだ!
286 :
森崎名無しさん
:2012/03/11(日) 01:51:57 ID:???
★観客さんいらっしゃーい→
ハート3
=★
287 :
森崎名無しさん
:2012/03/11(日) 01:55:52 ID:???
3ボス同盟、そういう名前の動画あったなー
288 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 02:22:54 ID:???
>★観客さんいらっしゃーい→ ハート3 =★
>厳格そうな女性「新設チームと聞いていたが、中々いいチームじゃないか」 五重塔のような帽子を被った女性がいたぞ!
==================================================================================================================
蒼いワンピースを身に包んだ、レティ程ではないものの長身。
その頭頂部には五重塔のミニチュアのような個性的な帽子を被った女性が観客席にいた。
女性は腕組みをしたままじっと人がいなくなったフィールドを見つつ、嘆息混じりに言葉を呟き。
この呟きを聞いて、観客たちはようやくその人物の存在に気づき……ざわざわとざわめき始める。
観客「さ、3ボスの上白沢だ!」「ディフェンスに定評のある3ボスの上白沢が観戦に!」「慧音先生はよざーっす!」
慧音「む、おはよう。 いや、この時間帯だとこんにちわだな」
そして観客たちのどよめきに対し、その女性――上白沢 慧音(かみしらさわ けいね)は微笑を浮かべながら挨拶をするのだった。
観客「先生、今日は偵察ですか?」
慧音「偵察って程でもないさ。 ただ、今日は授業が無く時間が空いていたからな。
この人里コートで試合が行われるというのなら、まぁ見ておこうと寄ってみただけだ」
この女性――慧音は、人里に住まい寺子屋で教師を務めている人物であり、
また、なんとこの慧音は先ほどレティが話題に出した「3ボス同盟」のキャプテンを務めてもいる人物。
卓抜したディフェンス技術とDFへの指揮力はレティにも匹敵する程であり、高く評価を受けているサッカー選手でもある。
だからこそ観客たちは妖精や妖怪のサッカー選手相手でないからこそ親しげに話しかける事が出来、
笑みを浮かべる慧音に偵察なのかと問いかけるも、慧音はそれを首を振って否定。
あくまでも時間が出来たから見に来ただけだと説明をする。
289 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 02:24:20 ID:???
観客「へぇ、じゃあ今日はチームメイトの人は一緒じゃないんで?」
慧音「いや、1人で観戦をするのも面白くはないからな。 折角だから誘ったさ。
……まぁ、前半で来なかったあたり用事でも入ったのかもしれんが……」
観客「そういえば、いつも一緒に連れて歩いている外来人は?」
慧音「あいつは朝起きたらどこぞへ消えていたよ。 まったく、幻想郷は危険な場所だと何度も言ったのだが……」
名もない観客と話をしながら、笑みを浮かべたり渋い顔をしたりと百面相をする慧音。
どうも感情を隠すのが下手らしいこの可愛らしい女性は、そうやってハーフタイム中の時間を潰していたのだが……。
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★さんさんさん、仲良し3ボス〜→! dice=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
6→???「ハッハァー!! 先生、こんな所にいたのかよ!」 天パがきた。
5→???「慧音、里の中で彼が迷っていましたよ」 圧倒的美貌をフードの中に隠した女性がやってきた!
4→???「先生、途中で坊主拾ったよ」 額に角を生やしたガタイのいい女性がやってきた!
3→???「センセ〜、途中で盟友拾った……うわっ、盟友がいっぱいいる!?」 巨大なリュックを背負った少女がやってきた!
2→???「慧音……ここに来る途中でこんなの拾ったんだけど」 人形のような美貌を持つ女性がやってきた!
1→???「慧音さ〜ん、なんか途中で彼拾いましたよ〜」 赤毛の民族服を着た女性がやってきた!
>>287
ありましたねー
290 :
森崎名無しさん
:2012/03/11(日) 02:25:07 ID:???
★さんさんさん、仲良し3ボス〜→
2
=★
291 :
森崎名無しさん
:2012/03/11(日) 02:25:18 ID:???
★さんさんさん、仲良し3ボス〜→
4
=★
292 :
森崎名無しさん
:2012/03/11(日) 02:25:59 ID:???
やっぱり3番目は来生か
293 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/11(日) 02:27:45 ID:???
>>292
南米の天パの可能性が微レ存……?
3ボスの方が2人顔出しと決まった所で本日はひとまずここまで。
続きは明日以降書かせていただきます。
本日も遅くまでお付き合いありがとうございました。それでは、お疲れ様でした。
294 :
森崎名無しさん
:2012/03/11(日) 02:30:29 ID:???
乙でしたー
りっちゃんは参謀役か、頼りになりそうだ
295 :
森崎名無しさん
:2012/03/11(日) 02:33:30 ID:???
2番目は普通に井沢かな?パルスィと嫉妬コンビでw
おつでぃしたー
296 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/12(月) 01:54:19 ID:???
>>294
乙感謝。リッチャンハメイグンシデスヨ
>>295
乙感謝です。さてさてどうでしょううふふのふ。
>★さんさんさん、仲良し3ボス〜→ 2 =★
>???「慧音……ここに来る途中でこんなの拾ったんだけど」 人形のような美貌を持つ女性がやってきた!
===================================================================================================
観客と雑談に興じていた慧音の背後に突如現れた2人の男女。
その内女性の方はよく手入れをされた美しい金の髪を持ち、瞳は澄んだ海のようなサファイアブルー。
羽織るケープも鮮麗されたものであり、まるで人形のような容姿をしていた。
その女性が慧音に向けて声をかけると慧音は振り向き、観客たちも声の主の正体を見ようとする。
ざわ……!
観客「あ、あれは……!」「3ボスだ、3ボスのアリスだ!」「ゲームメイクに定評のある3ボスのアリスが観戦に!」
アリス「……なんなのこの妙な盛り上がりは」
瞬間、観客たちは再び一斉にざわめき、その女性の名を口々に叫んだ。
その女性の名は、「アリス=マーガトロイド」。
魔法の森に住まう魔法使いにして、慧音が率いる「3ボス同盟」の主柱である。
彼女のサッカーの実力は幻想郷全土で見ても間違いなくトップクラス。
超ウルトラ必殺スペシャルHズと3ボス同盟との間にある大きな格差、
幻想郷トップクラス選手が存在するか否かというものを形成する当の本人という訳なのだ。
彼女がここに来た理由はほかでもない、先ほど慧音が話していた、
観戦を共にしないかと誘ったチームメイトこそがこのアリスだったというだけの話。
幻想郷に数多あるチームの中でも特にチームメイト同士の仲が良いとされている3ボス同盟。
どこか冷たい印象を受ける外見のアリスもチームメイトの事は大切にしており、慧音の誘いを快く承諾したのだが、
では一体何故、こうやって後半からやってきてしまったのかというと……。
来生「ハッハァー! もっと俺に注目しろー!」
この男――来生 哲兵のせいであった。
297 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/12(月) 01:55:37 ID:???
慧音「………………」
来生「ん? どうしたんだ、先生?」
慧音「……アリス、哲兵は一体どこにいたんだ?」
アリス「魔法の森よ。 ……まったく、無駄な労力を使わされたわ」
慧音「……詳しく話してくれ」
アリス「ええ、わかったわ」
アリスの話によるとこうである。
アリスは本来ならば、前半が始まるよりもずっと早くこのコートに辿り着けるように考えて自分の家を出た。
しかし、その道中でこの来生を見つけてしまったのだという。
ここで説明をしておかなければならないが、この幻想郷にある魔法の森と呼ばれる場所は、
幻想郷の数あるスポットの中でも危険な部類とされている場所である。
魔法の瘴気というものが森の中には大量に散布されており、
何の対策もしていない者がこれを多量に吸うと体に異常をきたす可能性があるし。
その瘴気による影響を受けなくても、魔法の森にも妖怪は生息をしているのだ。
ただの人間であるこの男、来生が森の中に入ってただで済む筈が無く、アリスは慌てて来生を呼び止めた。
だがこの来生はその声に気づく事なく森の中にずんずん入ってしまい、仕方なくアリスは来生を捜索。
結果、来生をようやく発見した時は試合の前半が終わろうとしていた時刻であり、
アリスはそのまま来生を引き連れてここへ来たという事である。
慧音「そうか……そんな事になっていたのか……」
来生「どうしたんだ先生、体震わせて。 うんこしたいのか? 我慢はよくないぜ〜」
アリスの話を聞いて、慧音は全身をぷるぷると震わせながら顔を俯かせていた。
これを見て来生は慧音が催してしまったと思い、思わずそう声をかけ。
横にいたアリスからは冷たい視線を受けるのだが……。
298 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/12(月) 01:56:49 ID:???
慧音「この……バッカモォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!!」
ド ゴ ォ
来生「ぐばぁっ!?」
次の瞬間、来生はむんずと頭を掴まれると同時、慧音の強烈なヘディング……もとい、頭突きを食らった。
観客「で、出たー! 慧音先生の頭突きだー!!」「今、人体が鳴らしてはいけない音が鳴ったぞ」
「ほんま慧音先生の頭突きは恐ろしいでぇ」
慧音「哲兵、貴様は一体何度言ったら理解をしてくれるんだ!
幻想郷はな、人里を一歩離れれば妖怪が跋扈してる危険な場所なんだぞ!? お前が1人で出歩いていいような場所じゃないんだ!!」
来生「はらほろひれはれ……」
慧音「こら、聞いているのか! 大体お前は少々常識が足りなさすぎるし、危機感も足りなさすぎるし、真剣みも足りなさすぎる!
今回はアリスが運よく見つけてくれたからいいものを、そうでなければ死んでいたかもしれないんだぞ!?」
来生「あばばばば……」
今更説明するまでもないかもしれないが、彼――来生 哲兵は、
1ボスチームの滝 一とほぼ同時期に幻想入りを果たした外の世界からの外来人である。
この幻想郷に来た来生は、幸運な事に人里に降り立ち、これまた幸運な事に慧音に第一発見をされた。
厳格な性格をしているものの、面倒見もよくともすればおせっかいな性分なのがこの上白沢慧音。
だが幻想入りをして右も左もわからない状況においては、これ程ありがたい存在もないような人物である。
299 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/12(月) 01:58:13 ID:???
慧音に発見された来生は、まずこの幻想郷と呼ばれる場所の説明を慧音に受けた。
その説明は来生が理解するにはかなり難解なものであったが、大まかには把握できた。
そして、幻想入りをして住む場所も着るものも食う飯も無い来生を不憫に思った慧音は、
せめて一晩自宅に彼を泊まらせ、次の日に博麗神社へと送り元の世界に返してあげようと考えた。ここまではよかった。問題は翌日である。
翌朝、いつも通り早朝に起きた慧音は、隣の部屋で寝ていた来生がいつの間にかいなくなっている事に気づいた。
一体何があったのかと慌てて慧音が外に跳ね出て探し回ってみれば、なんと来生は霧の湖でチルノ達と遊んでいるではないか。
精神年齢が同じなのかどうなのか、来生とチルノはどうやら意気投合をしていたようだがそのような事は関係ない。
問題なのは来生が人里の外――霧の湖という場所にいた事である。
来生達を発見した慧音が何か深い事情でもあったのかと聞いてみれば、
来生はあっけらかんとただ散歩に出かけていただけだと答えてみせる。
これには慧音も怒りを通り越し、ただただ呆れる事しか出来なかった。
慧音は昨日の内に散々幻想郷の危険度――人里の外には妖怪がおり、外に1人で出ては命を失う可能性があると説いていたのである。
それだというのに来生はただ散歩の為に外に出た、というのだ。
慧音はこの時思った。
慧音『(この少年はこのまま帰してはいけない、幻想郷は確かに危険だがこのままこの少年を帰してはこの少年の未来が危険だ)』
この少年――来生哲兵を、ちゃんと人並みの判断が出来るように、常識を持てるように育て上げよう、と。
要するに慧音の教師魂に火が点いたのである。
長年教鞭を取り幾多の生徒たちに己の知識を教えてきた慧音の情熱が燃え上がったのである。
それから慧音は即座に行動を移した。
300 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/12(月) 01:59:23 ID:???
まず慧音は来生に外の世界に戻るのはもう少し先延ばしにしないか、と提案をする。
もしもこれを断られれば心配ではあるものの彼を帰さなければならないと慧音は考えていたが、
来生は特に考えもせず、夕べの晩御飯が美味しかったしここに住めるのならという条件を出して了承。
慧音も元々己の家に彼を住まわせてみっちり指導をするつもりだったので、この件に関しては両者共に納得の形となる。
次に慧音は来生を己がキャプテンを務めるチーム、3ボス同盟に加入させる事にした。
これはチームスポーツをやらせる事で、達成感、努力の大切さや仲間との友情。
何よりも組織の中だから培われる経験のようなものを積ませようと考えての事である。
しかし、慧音がその話題を切り出すと来生は「サッカーなら得意だぜ! ハッハァー!!」とやたら乗り気でOKをした。
皆さんご存知の通り来生は少年時代からサッカーをやっているサッカー少年なのであるからこの反応は当然。
だが、この反応を見て慧音は思った。
慧音『(……何年もチームスポーツをやっていて、常識も判断力も何もかもが無い状態ってどういう事なんだ?)』
と。
その後3ボス同盟に加入をした来生は慧音やアリス、他のメンバーと切磋琢磨し能力を磨いていった。
その過程で他のチームとの交流もあり、1ボスチームの滝らとも面識を持ったのだが……それはひとまず置いておこう。
とにもかくにも、チームにある程度来生は馴染んだがいまいち慧音の当初の目的は達成されていなかった。
要するに未だにふらふらどこかをほっつき歩いたりする癖が抜けなかったのだ。
これには慧音も悩んだ、日ごろから何度も口酸っぱく注意をし、指導をしても言う事を聞いてくれない。
慧音が今まで歩んできた教師人生の中でも最大級の問題児、来生をどのようにすればいいのだろうかと毎日毎日考え続けた。
慧音『(私は教師に向いていないんだろうか……)』
思わずそうナイーブになってしまう程にまで悩んだ。
そして、悩んだ挙句、慧音はある決断をした。
慧音『こうなっては致し方あるまい。 来生を寺子屋に入れよう』
301 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/12(月) 02:00:31 ID:???
下手に普段からの生活だけを指導するのが駄目なのだと判断した慧音は、来生を寺子屋に入れる事にしたのだ。
とはいえ、寺子屋に入れると言っても今更来生に勉学を教えようとしたのではない。
来生『え〜、勉強なんてしたくないぜ』
慧音『違う違う、哲兵には私の助手をしてほしいんだ』
来生『助手?』
そう、慧音は来生を自身の助手――つまり、教える立場に置こうとしたのである。
そうする事によって来生に導く立場の難しさや苦しさ、責任感を身に着けてもらい。
子供たちの手本となるよう、普段の生活を改善してもらおうとしたのだ。
それはある種の賭けで、もしも来生が変な事を子供に教えてしまえば保護者からの苦情が来るのは間違いなく。
下手をしてしまえば慧音は職を失う可能性というものがあった。
それでも慧音はこの博打を打った、そうまでしなければこの来生はまっとうな人間になってくれないだろうと判断したからである。
慧音『そうだ。 正直言って生徒の数が今年は多くてな、忙しくて仕方ないんだ。 だから哲兵に仕事を手伝ってほしいんだよ』
来生『んー……でもなぁ……』
慧音『勿論手伝ってくれればお小遣いをあげるぞ』
来生『やる〜』
この提案に来生は乗った。小遣いにつられて、ホイホイと誘いに乗ってしまったのだ。
302 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/12(月) 02:02:15 ID:???
そして、慧音は不安と期待、7:3くらいの割合のそれを胸にしながら来生を寺子屋に助手として招き入れた。
助手といっても彼が担当をするのはあくまで用具の管理や書類の作成など、裏方の事ばかり。
時折授業に出る事があっても、それは本当に低学年に向けた子供の為の時に限られていた。
では、助手にした事で来生は何か変わったか。
ぶっちゃけると、何も変わらなかった。 悲しいくらいに。
仕事はある程度真面目にこなしてこそいたが、書類の作成は不備が出る事が頻発していたし、用具の管理にしても大雑把。
はっきり言って慧音の苦労が増えただけだ。
おまけに生活だって改善されない、未だにふらふらっと人里の外に散歩に出かけたりという事がままある。
唯一の救いは、来生が子供たちに変な事を教えていないようだという事(多分)。
そして、やはり精神年齢が殆ど同じなのか、やたらと来生は子供たちの遊び相手として人気だったという事である。
303 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/12(月) 02:03:23 ID:???
万策尽くしても何も変わらない男、来生。
ある意味では凄く、ある意味では情けない男。
そんな男が今日もまた自身の言う事を聞かず勝手に外をほっつき歩いたとあっては、当然ながら慧音の怒りは収まらない。
慧音「お前という奴は本当に……! 一体どうすればまっとうな人間になってくれるんだ!」
来生「ぐぺぺぺぺー……」
アリス「慧音、落ち着いて……。 そろそろ来生の顔色が人間としてありえないくらい真っ青になってきてるわ」
頭突きを食らわした上に首を絞めんかの勢いで掴みかかっていた慧音は、
もはや半分以上泣きそうになりながら来生に向けて言葉を吐いていた。
それをアリスや周囲の観客たちはしばらく傍観していたのだが、流石に来生の顔色がドス黒いナス色になってきた辺りで止めに入る。
慧音「はぁ、はぁ……」
来生「あぁ、刻(とき)が見える……」
アリス「……やっぱり1ボスチームやHズにいる来生の知り合いの言う通り、この性格って治らないんじゃないの? 諦めたら?」
慧音「いや……私の教師としての意地だ。 何より全てはこいつの為だ。 投げ出せはせんよ」
アリス「でも正直な所?」
慧音「辛い……」
慧音の目的を聞いた1ボスチームの滝、そしてHズにもいるという知り合いは、慧音にそれは無駄な努力だと言った。
それでも慧音は己の信念を信じ来生の為にと、指導を買って出た。
それがこの結果である。泣きたくもなる。でも今更投げ出せない。大人って難しいんだ。
アリス「……とにかくお説教は家に帰ってからじっくりしなさいよ。 今は試合の観戦でしょう」
慧音「う、うむ、そうだったな。 おっ、そういえばそろそろハーフタイムも終わるか……」
来生「げげっ、滝のチーム2点差で負けてんじゃん!? 相手のチームって新しく作られたってチームだろ? そんなに強いのかよ」
アリス「(もう復活してる……)」
その後、アリスの言葉により、ひとまずお説教は置いておき、試合の観戦に意識を集中する。
前半を見ていなかった来生とアリスの2人はスコアボードに刻まれた2−0の表示を見て軽く驚き、
よくも新設チームがレティのいる1ボスチームから2点も取れたものだと感嘆する。
そして、そうしている間に両チームのメンバーがそれぞれハーフタイムを終えて再びピッチへと戻ってきた。
304 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/12(月) 02:04:24 ID:???
観客「うおー、レティさーん! 後半こそは1点も許さないでくれー!!」「リグルとルーミアも点返せよ! 1人1点の計算だ!」
「馬鹿おめぇそれだと同点止まりだろ」「同点にして延長戦も守り切ってPKに望みを賭けるのだ」「何その後ろ向きな考え」
来生「滝ー! 修哲トリオの一員がこのまま終わるんじゃないぞー!!」
アリス「慧音、前半の流れはどうだったの? そんなに新設チームは強かったの?」
慧音「際立って凄かったのは、あの7番(クーガー)だな。 ドリブルスピードは凄まじく、実際ドリブルゴールで1点決めている。
ただ……やはり素人なんだろうな。 スピードは凄いが、それだけだ」
アリス「ふぅん……(逆を言えば素人らしさが抜ければ驚異的って事なのよね……)」
選手達が戻ってくると同時に観客たちは1ボスチームへ声援を送り、来生もまた滝を鼓舞するように叫ぶ。
これに気づいたのか滝は振り返るとグッとガッツポーズを取りフィールドへ。
それを見ながら、アリスと慧音はイレギュラーズの選手陣について話し合う。
アリス「他には?」
慧音「8番(ダークドリーム)はレティとのパワー比べで互角だったな。 マグレかもしれんが侮れん。
レティのパスも弾いていたし、中々の実力者だろう。
あとは惜しくもレティに阻まれたが、9番(ブースター)のシュート力は高い。
そして、キャプテンの10番(佐野)だが……」
前半目立つ存在だったイレギュラーズのメンバーを番号で呼んでゆく慧音に、それを聞くアリス。
そして話題はこのスレの主人公でありイレギュラーズキャプテンの佐野へと及ぶのだが……。
来生「ん? あ、あいつは……!!」
305 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/12(月) 02:05:29 ID:???
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★お名前言えるかな→! card=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
JOKER→来生「
新田
じゃないか!」 フィールドに突如新たな外来人が出現!?
ダイヤ→来生「国見の佐野じゃないか!」 たいへんよくできました
ハート→来生「えーっと、確か、佐野?」 よくできました
スペード→来生「佐山だ!」 惜しい! 佐はあってた!
クラブ→来生「えーっと、ま、ま、丸なんとか……。 丸山だったかな」 キャプテン丸山、はじまります
306 :
森崎名無しさん
:2012/03/12(月) 02:05:51 ID:???
★お名前言えるかな→
クラブ2
=★
新田w
307 :
森崎名無しさん
:2012/03/12(月) 02:06:10 ID:???
★お名前言えるかな→
ダイヤQ
=★
ああ、そいつもこのスレに出現する資格はありそうだw<JOKER
308 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/12(月) 02:08:55 ID:???
>>306-307
新田スキーな中の人としてはちょっとwktkしたmorosaki判定でした。
……敵キャラ描写あまり多く書くのはやめようと思ったんですけど癖は中々やめられませんねぇ。
んではやっぱり来生は来生だなぁ、といった所で短いですが本日はひとまずここまで。
続きは明日以降書かせていただきます。お疲れ様でしたー。
309 :
森崎名無しさん
:2012/03/12(月) 02:10:36 ID:???
来生を教える側にするのは完全に予想外でしたw
誰も予想できないよ乙
310 :
森崎名無しさん
:2012/03/12(月) 02:16:53 ID:???
乙です
やっぱり来生はフリーダムで常識に囚われないなー
予想通りの予想外な行動はいつ見ても安定している
311 :
森崎名無しさん
:2012/03/12(月) 18:48:19 ID:???
来生くんの再現率ばっちり!どころかパワーアップしてるwww
312 :
森崎名無しさん
:2012/03/13(火) 21:40:08 ID:???
JOKER→来生「 来生 じゃないか!」 フィールドに突如新たな外来人が出現!?
だったらどうなったんだろw
313 :
森崎名無しさん
:2012/03/13(火) 21:41:57 ID:???
そりゃあ南米の来生さんが参戦していたんだろうw
314 :
森崎名無しさん
:2012/03/13(火) 21:44:08 ID:???
リグルが平行世界の来生化する可能性が微レ存…?
315 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/14(水) 00:35:46 ID:???
>>309
責任ある立場に置けば何か変わるかなと思った結果がこれだよ!
……まぁ低学年の子にはなんか人気でそうですけどね。乙感謝です。
>>310
来生「常識は投げ捨てるもの」
乙どうもです。
>>311
来生も人気キャラですので出すのがちょぴっと不安だったのですが、再現率がばっちりと言っていただければ幸いです。
>>312-313
佐野「ゲ、ゲェーッ、来生さんが2人!?」
来生「実は中里に教えてもらって分身ドリブル使えるようになったんだぜハッハァー!」
>>314
とりあえずリグル=佐野互換なんだよね、それ一番言われてるから
316 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/14(水) 00:36:50 ID:???
>★お名前言えるかな→ クラブ2 =来生「えーっと、ま、ま、丸なんとか……。 丸山だったかな」 キャプテン丸山、はじまります★
===================================================================================================================
アリス「? 来生、知り合いなの?」
来生「Jrユースの頃に同じ全日本代表に選ばれた時にあんな奴がいたような気がする……あ、いや、いた。 絶対いた!
そうだそうだ思い出した、うん、あいつ確かにいた!! そうか、丸山の奴も俺や滝みたいに幻想郷に来てたんだな」
アリス「へぇ……」
フィールドに現れたイレギュラーズの10番、来生と同様外の世界からやってきた男。
その姿を見た瞬間、来生はどこかで見た事のある顔だと感づき……。
しばらく考えた後、中学生時代、全日本Jrユースとして戦った頃に同じ代表に選ばれていた選手の1人だと思いだす。
そうして来生はその男――丸山の名を呼び、応援をするのだが。
霖之助「さぁ〜、ハーフタイムが終わり両チームの選手達も戻ってきました!
背番号10、キャプテンの佐野選手を先頭に舞い戻ってきたイレギュラーズ、後半は一体どのような戦いを見せてくれるのか〜!?」
来生「……あり?」
アリス「………………」
しかし、その男――丸山、もとい佐野の本当の名が呼ばれた瞬間、来生は自分の出した名と実況の出した名が違う事に首を傾げ、
アリスはまたかと言わんばかりにため息を吐いて首を振り……。
慧音「この……バッカモォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!」
ボ グ ァ
来生「めぎゃんっ!?」
慧音は本日二度目の頭突きを来生にお見舞いするのだった。
317 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/14(水) 00:37:50 ID:???
慧音「哲兵、お前は友人の名前すらも覚えられないのか!?
人の名前を覚えるというのは社会で生きていく上で必要不可欠な事だし、何より相手に対して失礼極まりないぞ!?」
来生「ぐ、ぐふぅ……お、思い出した思い出した、そうだ、あいつ佐野だ……。
いやでも先生、あいつと俺は別に友人って訳でもないし……」
慧音「それでもかつて同じチームで戦っていたというのなら名前くらい憶えておきなさい!
友達無くすし、信頼を失うぞ!!」
アリス「(元々信頼なんてもの殆ど無いんじゃないかしら……?)」
慧音の頭突きのショックによるものか、来生はようやく佐野の事を思い出し、痛む額を摩りながらも慧音に言い訳をするが……。
来生の言い訳程度で納得をする慧音でもなく、間違いを正す為に再び説教。
この光景を見ながらアリスはやれやれと肩を竦め、改めて思った。
アリス「(これでサッカーの実力が無けりゃいくら慧音の頼みでもチームから追い出してる所よ……)」
と。
318 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/14(水) 00:39:06 ID:???
佐野「……誰が丸山だよ」
ダークドリーム「丸山ー、って言ってたね。 満って名前が2つあるの?」
佐野「ねーよ、ったくあの人相変わらずの頭だな(新田や山森の奴、あんなのを先輩として敬わなきゃいけないんだから大変だな)」
こうしてコートの外で慧音先生の特別個人レッスンが開かれている頃、
一方でフィールドではげんなりとした表情の佐野が脱力をしながらため息を吐き、その様子をダークドリームが不思議そうな顔で見ていた。
突如佐野にかかった来生からの声援は、観客たちの殆どが1ボスチームのファンという事もあり目立ち。
また、観客と選手達との間の距離が普通のスタジアムと違い近い為に佐野らの耳にも届いていた。
ただ、問題はその佐野への声援は肝心の名前の部分が佐野と一文字もあってない一体どこから出てきたんだというもの。
そんなものを受けて元気が出る訳が無く、むしろモチベーションは下がってしまう。
ダークドリーム「え、あの人、満の知り合いなの?」
水銀燈「ま、知り合いでもなきゃ声なんてかけないでしょ。 その割にはちゃんと名前覚えてもらってなかったみたいだけどぉ」
佐野「知り合いっちゃ知り合いだな……1ボスチームの滝さんと同じで、昔一緒にチームにいただけだ。
……っていうかあの人まで幻想郷に来てたのかよ」
ユーノ「なんだか偶然とは思えないよね……佐野君の知り合いが2人もここにいるなんて」
声をかけた男――来生の素性を知っているかのような佐野の物言いにダークドリームは驚き。
佐野は簡単に来生と己との関係について説明する。
これを聞いて、ユーノは何やら考えるように眉間に皺を寄せ、小難しい表情を浮かべる。
恐らくは佐野の知人ばかりがこの幻想郷に来訪している理由を推察しようとしているのだろうが、
今の段階ではどうやっても答えが出ないらしく、しばらくすると諦める。
319 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/14(水) 00:40:48 ID:???
佐野「そういや試合前に滝さんが他の全日本メンバーも幻想郷に来てるって言ってたっけな……。
来生さんの事だったのか(それにしてはあいつ"ら"って複数形で言ってたような気もするけど)」
剣崎「にしてもあんまり驚いてないな佐野、滝って奴と会った時はびっくりしてたのに」
佐野「うんまぁなんていうか、驚きよりなにより呆れとかの方が強くて……」
レイ「あんたに呆れられるなんて大概だね」
佐野「レイさん酷い……」
こうしてしばらくは佐野、滝に続く新たな外来人、来生の話題でもちきりになるのだが……。
そうこうしている内に1ボスチームの面々は既にポジションについており、
これに気づいたイレギュラーズはとにかく話は後にして今は試合に集中しようと同じ配置につき始める。
霖之助「前半は2−0とイレギュラーズが2点を奪い有利と立っていたこの試合。
しかし、まだまだ試合時間はたっぷり30分も残っています。
しかも後半は追う形となっている1ボスチームからのキックオフ、ここは当然早く点を返しにやってくるでしょう。
果たして速攻で得点を返し1点差に詰め寄る事が出来るか、それともイレギュラーズがそれを阻み勝利を掴むか!
いよいよ後半のキックオフです!」
ピィーッ!! バシッ パシッ
そして始まる後半戦。
1ボスチームはキックオフから即座に右サイドの滝へとボールを送り、これを持った滝は即座に右サイドを走り始める。
丁度前半、1点目を取った時と同様の攻撃パターンを見せ……。
佐野「おっしゃ、今度こそ止める!」
こちらもその時と同様、左に配置されたFW、佐野がプレスをかける。
佐野「ここでボールを奪ってすぐに3点差にしてやるぜ!」
滝「そう簡単にはいかせねぇよ!」
320 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/14(水) 00:41:48 ID:???
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★滝 ドリブル (! card) 52+(! dice + ! dice)+(サイドアタック+2)=★
★佐野 タックル (! card) 48+(! dice + ! dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→やっぱりサイド際の滝さんは半端じゃなかった! 滝はそのまま右サイドを駆け上がる!
=1〜−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に(穣子がフォロー)(静葉とブースターで競り合い) (ブースターがフォロー)
≦−2→イレギュラーズボールに。
【補正・備考】
滝:ダイヤかハートで「スキルステップ(+3)」
※今更ですがアイビスの「軽傷治療済」がハーフタイムを経た事で「なおりかけ」になりました。
321 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 00:42:36 ID:???
★滝 ドリブル (
ハート4
) 52+(
3
+
4
)+(サイドアタック+2)=★
322 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 00:42:51 ID:???
★滝 ドリブル (
クラブK
) 52+(
1
+
2
)+(サイドアタック+2)=★
323 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 00:43:12 ID:???
★佐野 タックル (
クラブ5
) 48+(
3
+
6
)=★
324 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 00:43:26 ID:???
★佐野 タックル (
ダイヤ5
) 48+(
5
+
6
)=★
325 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 00:50:56 ID:???
……うん、滝が322じゃなくて良かったね
326 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/14(水) 01:03:37 ID:???
>★滝 ドリブル ( ハート4 ) 52+( 3 + 4 )+(サイドアタック+2)+(スキルステップ+3)=64★
>★佐野 タックル ( クラブ5 ) 48+( 3 + 6 )=57★
>≧2→やっぱりサイド際の滝さんは半端じゃなかった! 滝はそのまま右サイドを駆け上がる!
=======================================================================================
佐野「うおおおおおおお〜っ!!」
滝「…………」
ササッ ヒョイッ
佐野「ぬわぁ〜っ!?」
滝「(佐野ってこんなに馬鹿だったっけ?)」
滝と佐野の勝負は、これもまた先ほどと同様滝の勝利で終わった。
猪突猛進の勢いで来る割にはパワーも威圧感も何も無い佐野のプレス程度で、
サイド際の攻防に秀でた滝を止められる筈が無かったのである。
勢い余って転倒しかけている佐野を半ば呆れながら滝は見送り、しかし気を引き締めなおして前を向く。
アイビス「(今度はむざむざと怪我なんてしない……)」
水銀燈「あの馬鹿と私は出来が違うわよぉ?」
滝「(さぁて、問題はここだな)」
ミドルサードへと侵入すると同時、滝のいるサイドへと走りこんできた水銀燈。
サイドハーフのアイビスと共に滝の進行方向を遮り、不敵に笑みながら滝の隙を伺う。
アイビスもまた今度こそ実力で止めてみせると息巻くが、それでも先の負傷が些か恐怖として根付いているのか。
はたまたこれも生来のものなのか、どこか及び腰となっておりまるで期待は出来そうにない。
滝「(ここでまた反則なんてしちゃパアだ、今度こそ抜いてやる!)」
327 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/14(水) 01:05:16 ID:???
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★滝 ドリブル (! card) 52+(! dice + ! dice)+(サイドアタック+2)=★
★アイビス タックル (! card) 42+(! dice + ! dice)+(人数差補正+1)=★
★水銀燈 タックル (! card) 50+(! dice + ! dice)+(人数差補正+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→滝が今度こそ3人抜き! そして……?
=1〜−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に(穣子がフォロー)(1ボスチームスローイン) (レイがフォロー)
≦−2→イレギュラーズボールに。
【補正・備考】
滝:ダイヤかハートで「スキルステップ(+3)」
水銀燈:スキル「???」により全接触プレイで≦−2で負けると吹っ飛ばされる。
328 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 01:05:40 ID:???
★滝 ドリブル (
ハート10
) 52+(
1
+
4
)+(サイドアタック+2)=★
329 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 01:06:36 ID:???
★アイビス タックル (
ハート9
) 42+(
5
+
6
)+(人数差補正+1)=★
330 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 01:06:42 ID:???
★水銀燈 タックル (
ハートQ
) 50+(
4
+
6
)+(人数差補正+1)=★
331 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/14(水) 01:08:13 ID:???
やっぱり銀様は最高だよ……という所で短いですが本日はひとまずここまで。
続きは明日以降書かせていただきます。
それでは、お疲れ様でした。
332 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 01:08:45 ID:???
今度はみんなハートだよ乙でした
333 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 01:18:00 ID:???
乙です
そして…って事は滝はやはり自分で打てるようになったのかな
しかしまあアイビスは頑張るな
334 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 01:20:50 ID:???
乙でした
銀ちゃんはなかなか活躍してるんですが、自分としてはこの試合中に一回は完敗させといた方が良いと思ってます。
このままだとサッカーって競技を舐めるようになりそうなんで・・
335 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 04:26:38 ID:???
滝が撃てると厄介だな
シュート力自体は低そうだけどサイドアタック補正がきつい
特にこっちはりっちゃんがよわよわだし
336 :
森崎名無しさん
:2012/03/14(水) 07:53:35 ID:???
>>334
初戦で挫折なんて勿体無い!
そういう美味しいイベントはもっと先にとっておかないと
337 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/15(木) 01:04:20 ID:???
>>332
しかもあとハートのJと、Kor8が出ればストレートフラッシュですね。乙感謝れす。
>>333
ども乙感謝。アイビスさんは頑張りやさんやで!
>>334
乙どもども。
完敗して吹き飛ぶ銀様はちょっと見てみたいかも。
>>335
サイドアタックはチートスキルですからね。ほんま滝はんはサイドの申し子やでぇ。
>>336
この後銀様はこれから戦う全試合で≧2敗北をしないなどと、この時は露程にも思っていなかったのです...
338 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/15(木) 01:05:22 ID:???
>★滝 ドリブル ( ハート10 ) 52+( 1 + 4 )+(サイドアタック+2)+(スキルステップ+3)=62★
>★アイビス タックル ( ハート9 ) 42+( 5 + 6 )+(人数差補正+1)=54★
>★水銀燈 タックル ( ハートQ ) 50+( 4 + 6 )+(人数差補正+1)=61★
>=1→ボールはこぼれ球に。穣子がフォロー
=====================================================================================
アイビス「(今度こそ止める……!)」
滝「(うおっ、さっきも思ったけど本当にサッカーする動きじゃねぇな!)」
ササッ
アイビス「く、くそっ!」
先の争いで滝に反則を受け負傷する破目となったアイビスは、
半ばヒステリー気味に激情を内に秘めながら滝へと突っ込んでいった。
その動きはタックルというよりはやはりただの体当たりであり、
ボールを奪うという事よりただ相手に純粋な怒りをぶつけようとするような行動。
これには滝はまたも驚くも、今度は慌てず冷静に横に避ける形で正面衝突を避けた。
水銀燈「ふん、ザコの癖にそれなりに役に立つじゃない!」
滝「うげっ!?」
しかしその後がまずかった。
アイビスを避ける事を意識しすぎた為、滝は横にステップを踏んだ瞬間、一瞬隙が出来る。
この隙を見逃す水銀燈ではなく、容赦のないスライディングタックルは滝の持つボールを捉え、滝は観念しかかるのだが……。
メコッ
水銀燈「ぐっ……」
滝「(!? こ、このままパワーで押しきれる!?)」
水銀燈の足と滝の足がボール越しにぶつかり合った瞬間、水銀燈のスライディングタックルは急にパワーを失った。
滝は一瞬その事に疑問を持つも、とにかくここは突破をするのが肝要と足に力を込め水銀燈を吹き飛ばそうとする。
339 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/15(木) 01:07:00 ID:???
滝「(そうか、こいつ、俺よりもっと小柄なんだ。 なら俺のパワーでも吹き飛ばせば……)」
水銀燈「(誇り高きローゼンメイデンの第1ドールが、無様に吹き飛ばされる訳には……!!)このォっ……!!」
滝「っ、しまった!」
バチィッ!
確かに滝の読み通り、水銀燈はその体格故かどうなのか、パワー勝負は兎角苦手としていた。
先ほどリグルを抜いた時に見せた強引なドリブルもあくまで相手の不意を突く形で成功したまでで、
真正面からぶつかりあえば水銀燈は脆く弱いのである。
だが滝もまたそこまでパワーに自身のあるタイプという訳でもなかった。
故に水銀燈を吹き飛ばすタイミングを誤り、結果、水銀燈のプライドが勝りボールを零れ球にする事に成功する。
霖之助「あーっとぉ、駄目だ滝選手! またも突破出来ません!
惜しくも水銀燈選手にボールを零される形となってしまったァ!」
来生「んがーっ、何やってんだよ滝ー!! サイドアタックはお前のお家芸だろ!」
慧音「むぅ……滝君のドリブルは決して悪い訳ではない、実際滝君のサイドアタックの技術はうちのチームの切り込み隊長と同格だからな。
パスの精度も鑑みれば、アシスト特化の選手としては幻想郷でも中堅か上位に入るだろう。
今のはイレギュラーズの5番(水銀燈)がよく健闘したせいだ」
アリス「あの5番……」
慧音「ん、どうしたアリス?」
アリス「(あの羽を見る限り人間ではない、妖怪か妖精の類でしょうけれど……。
……あの小柄さといい、纏う雰囲気といい鈴蘭畑の彼女に似てるわね。 もしかしたら……?)」
この滝の突破失敗に来生は大きく落胆し、一方で慧音は感心した様子で水銀燈を褒める。
そんな中、アリスだけは小難しい顔をしながら水銀燈をただ見つめ、
脳裏に顔見知りである"妖怪人形"の姿を思い浮かべるのだった。
340 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/15(木) 01:08:23 ID:???
一方、フィールドでは水銀燈が零したボールをセントラルミッドフィルダーの穣子がフォロー。
恐らくは1ボスチームで一番の突破力を持つのであろう滝を止める事には成功したものの。
未だに1ボスチームの攻撃は続く形となる。
穣子「神は言っている。 ボールを拾えと」
ナズーリン「(穣子、こちらに!)」
穣子「そんなサインで大丈夫か?」
ナズーリン「(大丈夫だ、問題ない!)」
そして穣子が拾うと同時、左サイドから中央へと流れてきたナズーリンがサインを送りボールを要求。
これを受けて穣子は何か意味不明な言葉を呟きながらも、パスを送ろうとするのだが……。
イレギュラーズもこれを易々と許す筈もなく、ダークドリームが即座にプレスをかける。
ダークドリーム「ボールちょうだい」
穣子「1番いいダイス(6ゾロ)を頼む」
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★穣子 ドリブル (! card) 49+(! dice + ! dice)=★
★ダークドリーム タックル (! card) 48+(! dice + ! dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→神は言っている。ここでボールを失う運命(さだめ)ではないと。
=1〜−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に(静葉がフォロー)(静葉とクーガーで競り合い) (剣崎がフォロー)
≦−2→イレギュラーズボールに。
【補正・備考】
穣子:ダイヤで「オータムスカイ(+5)」
341 :
森崎名無しさん
:2012/03/15(木) 01:11:03 ID:???
★穣子 ドリブル (
ダイヤ7
) 49+(
2
+
4
)=★
342 :
森崎名無しさん
:2012/03/15(木) 01:11:14 ID:???
★ダークドリーム タックル (
ダイヤ5
) 48+(
1
+
1
)=★
343 :
森崎名無しさん
:2012/03/15(木) 01:12:27 ID:???
とんだー!?
344 :
森崎名無しさん
:2012/03/15(木) 01:15:13 ID:???
そして急にやる気を無くすダークドリーム
345 :
森崎名無しさん
:2012/03/15(木) 01:15:31 ID:???
>穣子「1番いいダイス(6ゾロ)を頼む」
むしろ相手に1ゾロが出た件
346 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/15(木) 02:12:56 ID:???
>>343
穣子「神は空を往く。これもまた神々の遊び」
>>344
ここまで頑張ってたから急に疲れが襲ったんです。多分。
>>345
穣子「これもまた(ダイスの)神々の遊び」
347 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/15(木) 02:14:01 ID:???
>★穣子 ドリブル ( ダイヤ7 ) 49+( 2 + 4 )+(オータムスカイ+5)=60★
>★ダークドリーム タックル ( ダイヤ5 ) 48+( 1 + 1 )=50★
>≧2→神は言っている。ここでボールを失う運命(さだめ)ではないと。
==========================================================================
秋穣子は幻想郷サッカー界でも最下層に位置する選手の内の1人である。
一応1ボスチームのセントラルミッドフィルダーを姉の静葉と共に務めているが、
守備は軽くパスは稚拙でセカンドボール争いにも弱いという弱点だらけの選手だった。
そんな彼女が得意としていたもの、それは(滝やナズーリンには大幅に劣るものの)ドリブルである。
穣子「見るがよい、神の実力を」
クッ ダンッ!!
ダークドリーム「え、えぇっ!?」
ボールを足首で挟み込み、それと同時に高く跳躍する事で相手を飛び越えるドリブル技――クリップジャンプ。
秋穣子は自らのそれを「オータムスカイ」と名付けており、何よりの得意技としていた。
予備動作が複雑で使いどころが限られる為にいつでも使えるという訳ではないものの、
まだサッカー経験に乏しく隙が多いダークドリーム相手には十分使える代物。
この技を目の前で見たダークドリームは思わず驚きの悲鳴を上げ、それを聞きながら穣子は高々とジャンプをして突破し着地する。
穣子「わかったか。 これこそが神の実力」
静葉「これが暇を持て余した」
穣子「神々の」
穣子・静葉「「遊び」」
ナズーリン「いいからパスを寄越せ!!」
穣子「慌てるでない、我はげっ歯類の神とも友である。 その友を信仰する者の頼みは聞こう」
着地を決めると同時に静葉と漫才のようなやり取りをしながら、穣子は前を走るナズーリンへとパスを出した。
348 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/15(木) 02:15:01 ID:???
霖之助「あーっとぉ!? これは穣子選手、見事なクリップジャンプ……もといオータムスカイでダークドリーム選手を抜き去った!
そしてボールは……おっと!? なんと中央にサイドから流れてきたナズーリン選手がいます!
これは一体どうした事かァ!?」
観客「あれ、なんで同士ナズーリンが中央に?」「サイドの方が得意なのに……」「ドリブルゴール狙いか?」
この行動には実況、観客、共に首を傾げ不思議に思う。
1ボスチームのお得意の攻撃パターンは、サイドアタックからの両FWへのセンタリング。
サイド際の突破が得意なナズーリンと滝の力を最大限に生かせ、
ダイレクトシュートしか持たないリグルとダイレクトシュートが得意なルーミアの力も生かせる必勝の攻撃パターンなのである。
故にナズーリンの中央突破というのは珍しい行動であり、彼らが疑問を持つのも当然であった。
律子「(ドリブルゴール……!? 駄目だわ、剣崎さんのタックルじゃボールは奪えない。
ここはレイさんを当たらせる? でも、左サイドのレイさんを動かせば滝君がフリーに……)」
そして、この行動を前にどうすべきか、思わず判断を迷ったのがイレギュラーズGKの律子である。
彼女が聞いていた事前情報は、1ボスチームの得意技はサイドアタックからのFWへのセンタリングのみ。
観客たちが知るものと同様であり、このような攻撃パターンは想定していなかったのである。
それでも律子は、剣崎がナズーリンの相手をするのは不利だと考えレイを当たらせるべきかと左に視線を移した。
律子「(あれ?)」
そこで見たのは、レイが急いで中央に駆け戻ってくる姿。
そして、同じく1ボスチームの右サイドハーフである筈の滝が中央へと駆けてきていた姿である。
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