キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【予測不能な】11人の戦士たち2【イレギュラー】
1 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/02(金) 02:24:54 ID:???
*せつめい*
このスレはキャプテン森崎をベースにしっちゃかめっちゃか色んなジャンルの作品を鍋にぶち込んだ挙句。
じっくりコトコト煮込んだあと、東方projectというお皿に盛りつけたようなスレです。
そういうカオスなお話が大好物ですというお方だけお付き合い下さいますようお願いします。
物語は参加者さんの投票・カード、ダイスの判定結果によって変化しながら進行します。
[前回のあらすじ]
長崎で鳴らした俺こと佐野満は、よくわからないまま幻想郷に流されたが、
霊夢ちゃんの手を借り、居候をさせてもらう事になった。
しかし、幻想郷でくすぶっているような俺じゃあない。
ボールさえあればサッカーを通してなんでもやってのける命知らず、不可能を可能にし巨大なスキマ妖怪を
叩き起こす、俺達、特攻野郎イレギュラーズ!
佐野「俺は佐野満。 通称軽業師。 小細工まみれのドリブルとオーバーヘッドキックの名人。
俺のような天才サッカー選手でなければ百戦錬磨のつわものどものキャプテンは務まらん」
剣崎「俺は剣崎一真。 通称オンドゥル王子。 自慢の滑舌でみんなの耳はボドボドだ!
ハッタリかまして、技の習得に練習機会を3回使わせちゃうぜ」
律子「私は秋月律子、通称りっちゃん。 チームの頭脳。 情報収集は美貌(リッチャンハカワイイデスヨ)と頭の良さでお手の物!」
クーガー「よおお待ちどう。 俺様こそクーガー。 通称兄貴。 スピード狂としての腕は天下一品!
奇人? 変人? スクライド出典なら仕方ない」
ブースター「ブースター。 通称唯一王。 物理の天才だ。 カモネギだってデリバードだってぶん殴ってみせらぁ。
でもヒヒダルマさんとゴウカザルさんだけは勘弁な」
俺達は、3ヶ月待てばいいだけなのに早く帰りたい為にあえてサッカーに挑戦する。
頼りになる神出鬼没の、特攻野郎イレギュラーズ!
助けを借りたいときは、いつでも言ってくれ。
720 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/31(土) 01:31:27 ID:???
>★にゃんにゃかにゃん→ ハート3 =黒猫「にゃーん」 おや?リボンをつけた黒猫が現れたぞ。★
============================================================================================
佐野「お?」
ブースター「キュ?」
ブースターのお腹を撫でに撫で、これでもかと言わん程に撫でまわしていたその時。
不意に佐野の背後に現れたのは、黒いリボンをつけた黒猫であった。
(相手は猫だが)急に声をかけられた佐野は思わず驚き、反射的に振り向いてその猫の姿を確認。
同じくブースターも自分と佐野以外の生き物が現れた事でそちらに興味が移ったか、
起き上がると黒猫の方へと近づいていきフンフンと鼻をひくつかせ匂いを嗅ぐ。
一方で黒猫の方も、逃げる様子は見せずブースターのされるがままである。
佐野「おー、随分と人慣れした猫だな」
ブースター「フンフン……フンフンフン……」
黒猫「にゃーん」
佐野を見ても逃げず、ブースターに近づかれても尚逃げない黒猫。
その人慣れした様子と、リボンがついている事から見て、どこかの飼い猫だろうかと佐野は推察するのだが……。
次の瞬間。
ボムンッ!!
三つ編みの少女「じゃんじゃじゃーんっ! あたいっ、参上!!」
妖怪などが変化する時に鳴るような古典的な効果音が響いたかと思うと同時、
黒猫の姿は一瞬にして赤い髪を三つ編みにした黒いワンピースを着た少女に変身し。
佐野「……は?」
ブースター「…………?」
思わず佐野とブースターの両者は、揃って目を点にするのだった。
721 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/31(土) 01:32:40 ID:???
それからしばらく、佐野はあまりの想定外の事態に思わず言葉を失い放心状態となるのだが……。
ブースター「キュ……フンフン……フンフンフン……!」
三つ編みの少女「ちょっとちょっと、くすぐったいってば。 にゃははは……」
佐野「ね……猫が人になったァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
三つ編みの少女「うわっ、びっくりした!?」
佐野「こっちの台詞じゃあ!」
佐野より早く気を取り直したブースターは、再び目の前にいる三つ編みの少女の匂いを嗅ぎ。
その少女が先ほどの黒猫と同じ匂いをしている事を確認した後、何かを納得したように一つ頷き。
少女はといえば、ブースターの体毛がくすぐったいらしくケラケラと笑いながら……やはりされるがままである。
自分だけを放っておいて無邪気に仲良さげにしている1人と1匹(2匹?)を見るなり、
佐野はようやく我に返り、遅れてやってきた驚きを絶叫という形であらわす。
これには三つ編みの少女、及びブースターも驚いたようだが、佐野の驚きを考えればその程度は驚いた内の範疇には入らないだろう。
佐野「剣崎さんじゃないが、誰なんだ一体! お前もあれか、妖怪か!?」
三つ編みの少女「ありゃりゃ、そりゃ妖怪だよ。 見てわかんない?」
佐野「いやそのほら、なんか話聞いてる限りだと幻想郷って妖怪以外にも神様とか妖精とか色々いるっぽいから……」
三つ編みの少女「んー、お兄さん外来人かい? 妖怪に関する知識が不足し過ぎだよ。
あたいはね、火車っていう妖怪さ」
佐野「……俺の事食べちゃったりする系統の妖怪?」
三つ編みの少女「食べないよ〜。 死体は攫うけど」
佐野「それはそれで怖いじゃねーかっ!?」
三つ編みの少女「あははっ。 お兄さんリアクション面白いね〜」
目の前の三つ編みの少女が……少なくとも、ただの猫でも人でもないと判断した佐野は、その正体を知るべく矢継早に質問をする。
これに対して三つ編みの少女は至って友好的に……しかし、どこかからかうように答えを返し。
その答えを聞いて盛大にリアクションを取る佐野をおかしそうにケラケラと笑う。
ただ、それもある程度過ぎると流石にこれ以上からかうのは可哀想だと思ったのか、
三つ編みの少女はコホンと一つ咳払いをするとニコッと人懐こい笑みを浮かべ、自己紹介をする。
722 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/31(土) 01:33:42 ID:???
お燐「あたいはお燐。 火焔猫 燐(かえんびょう りん)ってんだけど……ま、長ったらしいからお燐って呼んでよ。
地底にある地霊殿ってトコに住んでる、さっき言った火車って妖怪。
死体には興味あるけど生きてる生物は専門外だから……お兄さんが特に死ぬ予定とか無いなら、何も心配しなくていいよ」
佐野「お、おお……。 ……俺を殺して死体にしちゃおうとか考えないの?」
お燐「考えない考えない。 そういうズルっこは嫌いでね」
正直に自己紹介をしても、それはそれで色々と物騒な所のある三つ編みの少女――お燐だが、
少なくとも見た感じではこちらに危害を加えるつもりも無いらしく、ひとまず佐野は胸を撫で下ろす。
佐野「ホッ……。 あ、俺も自己紹介しないとな。 俺は佐野、佐野満だ。 こっちはブースター」
ブースター「キュ〜♪」
お燐「うん、お兄さんの名前はともかくブースターの方はさっき聞いたから知ってるよ」
佐野「は? え、聞いたって……」
お燐「直接本人からね」
そして、今度は佐野がお燐に自己紹介をするのだが……。
その折、佐野がブースターの紹介に移るとお燐は既にブースターの事は本人から聞いていると言う。
当然、ブースターは人語を話せる訳が無く、佐野は一体何を言っているんだこいつはという目つきとなってお燐を見るのだが……。
お燐はその視線に気づいたか、呆れたようにため息を吐きながら説明をする。
お燐「お兄さん、さっきあたいが何から人間に変身して驚いたのさ?」
佐野「え? そりゃ猫……って……。 え、何!? お燐、猫の姿の方が本体なの!?」
お燐「そのとーりっ! だからこの子の言う事だってわかっちゃうんだよ」
佐野「(っていうか、動物同士なら種族が違っても会話できるのか……?
って、そういやユーノ君もブースターの名前を聞く時イタチに変身してたような……あれ? ユーノ君の本性ってイタチ?)」
お燐曰く、お燐は今は人間の姿をしているが、元々本来の姿は先ほどの黒猫。
であるからして、同じ動物であるブースターの言語は理解できるらしく……ブースターがした、という自己紹介も聞けたというのだ。
これを受けて佐野は納得をするも、それと同時にユーノの正体に疑問を抱く。
とはいえ、今はそんな事を考えても仕方ない為、佐野は改めて目の前のお燐の事について話を聞こうと口を開いた。
723 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/31(土) 01:34:49 ID:???
佐野「で、お燐はなんでこの神社に来たんだ?」
お燐「いや〜、久しぶりに地上に出てきたからね。 ちょっくら霊夢の顔でも見てこうかと思って来たんだよ。
そしたら境内の方に見知らぬ人間と獣がいるじゃないか。
なーんかあったのかなー、と思って猫の姿で近づいて行ったって訳さ。
悪い奴だったらその場ではったおしてやろうかと思ったんだけどね」
佐野「おっかねぇな……。 って、霊夢ちゃんと知り合いなのか?」
お燐「うん。 ちょくちょく遊びに来てるんだよ、この神社にも。 で、お兄さんたちはなんでこの神社にいるの?」
佐野「うむ、実はかくかくしかじかでな……」
どうやらお燐は以前から霊夢と交友があるらしく、久方ぶりに地底から地上に出てきたので顔を見に来たらしい。
そして、神社にいる見知らぬ人間たち――佐野とブースターを発見し、何者かと猫の姿で観察。
悪い人間では無さそうだと判断をした所で正体を現した、という訳らしい。
これを受けて佐野は納得をしたのだが、逆にお燐は何故佐野達がこんな場所にいるのかと問いかける。
これに佐野は自分たちが突然外の世界から幻想郷へとやってきてしまった事、早く幻想郷から元の世界に帰りたい事。
帰る為に八雲紫を起こす為、サッカーをやっている事などを説明し……。
お燐はふむふむ、と食い入るようにして話を聞く。
お燐「へー……そりゃまた珍しいね。 10人と1匹が一斉に幻想入りなんてさ」
佐野「やっぱ珍しいか」
お燐「うん、珍しい珍しい。 ま、頑張りなよお兄さん。 話聞いてる限りじゃ、1ボスチームに勝って順調みたいじゃない」
佐野「おうよ! このまま連勝街道まっしぐらで、とっとと外の世界に帰ってやるさ!」
お燐「その意気だよ、うんうん」
佐野「(うーむ、話をしている限り……いい奴っぽく見えるなぁ。 どうしよう? 何か話でも振ってみるか?)」
724 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/31(土) 01:35:55 ID:???
A.「そういやブースターと会話できるんだよな? ちょっと通訳してくれないか?」 ブースターとの通訳をお願いしてみる
B.「地霊殿、ってどんな所なんだ?」 お燐の住んでいるという地霊殿という場所について聞いてみる
C.「ところでお前もサッカーやってるのか?」 お燐もサッカーをやっているのかと聞いてみる
D.「俺もお燐の匂いを嗅いでもいいですかね、フヒヒ」 お燐をクンカクンカしたい
E.その他 自由投票枠
先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
725 :
森崎名無しさん
:2012/03/31(土) 01:36:22 ID:oXqLeFHE
A
726 :
森崎名無しさん
:2012/03/31(土) 01:36:44 ID:z8ldJIME
A
727 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/31(土) 01:47:25 ID:???
>A.「そういやブースターと会話できるんだよな? ちょっと通訳してくれないか?」 ブースターとの通訳をお願いしてみる
====================================================================================================================
お燐「にゃ……この子の通訳?」
佐野「ああ」
佐野が思いついたのは、お燐を介せば間接的にブースターと意思疎通が図れるのではないか、という事であった。
現状、ブースターは実に佐野達によく懐き、サッカーにも真面目に取り組んでくれている。
とはいえ、お互いの意思や意見が交換出来ない、というのは最大のネックである。
こちらの言う事はブースターには伝わっているような気もするが、ブースターがこちらに伝えたい事がいまいち判別つかないのだ。
佐野「一時的とはいえ、滅多にないブースターと話せる機会だからな。 お願いされてくれないか?」
お燐「(あー、そっかそっか。 普通の人間って大変だなー)ん、オッケーだよ。
で、通訳はいいけど……何か聞いてみる事ってある?」
佐野「ん……そうだな……」
A.「イレギュラーズ……皆の事をどう思っているか聞いてくれないか?」 ブースターのイレギュラーズに対する感情を聞いてみる
B.「サッカーをする事についてどう思っているか聞いてくれないか?」 ブースターのサッカーに対する思いを聞いてみる
C.「元いた世界の事について詳しく聞いてくれないか?」 ブースターのいた世界について聞いてみる
D.「昨日の試合の事をどう思っているか聞いてくれないか?」 ブースターの昨日の試合の感想を聞いてみる
E.「何かやりたい事とかしたい事とか無いか聞いてくれないか?」 ブースターの希望などについて聞いてみる
F.「結局オスなのかメスなのかハッキリさせてくれ」 オスかメスかハッキリさせる
G.その他 自由投票枠
先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
728 :
森崎名無しさん
:2012/03/31(土) 01:50:00 ID:oXqLeFHE
C
729 :
森崎名無しさん
:2012/03/31(土) 01:50:35 ID:xT1bmFmg
C
730 :
森崎名無しさん
:2012/03/31(土) 01:51:28 ID:z8ldJIME
D
731 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/31(土) 02:42:22 ID:???
>C.「元いた世界の事について詳しく聞いてくれないか?」 ブースターのいた世界について聞いてみる
==================================================================================================
お燐「オッケー、わかったよ。 それじゃ……。 にゃんにゃにゃにゃ、にゃにゃんにゃ、にゃーにゃ」
ブースター「キュー? キュイ〜! キュキュキュッ! ヴゥー……」
佐野「(シュールな光景だなー)」
考えてみれば、佐野はそもそもブースターがどのような世界から来たのか知らない。
ここはブースターの事をよく知る為にも、一体どんな世界から来たのか聞いておくべきだろうと判断し、その旨をお燐に伝える。
するとお燐はすぐにブースターに向けて「にゃんにゃかにゃん」と話しかけ、これを受けてブースターも「キュイキュイ」と返す。
ブースターはともかくとして、今は人型の姿を取っているお燐が猫語を話しているのはなんともシュールだったのだが……。
しばらくするとお燐はふむふむと頷きつつ、全てを聞き終えたか、佐野の方をくるりと向き説明しようと口を開く。
お燐「にゃにゃんにゃ、にゃーにゃ。 にゃににゃんにゃ!」
佐野「日本語でおk」
しかしお燐の口から出てきたのは猫語だった。
先ほどまでブースターと会話をしていた為なのか、思わず出てしまったそれに佐野は間髪入れずツッコミを入れ。
お燐はいけないいけないと言わんばかりに己の頭を小突いてから、改めて話し始める。
お燐「えっとね、まずこのブースターのいた世界は『シンオウ』って所らしいよ」
佐野「シンオウ? (聞いた事ねー国だな……)」
お燐「うん。 で、ブースターはその世界のどっかの家の裏庭で育ったんだって」
佐野「裏庭ァ?」
お燐「すっごく大きいんだってさ」
シンオウという聞いた事のない地、そしてその世界のどこぞの家の裏庭で育ったというブースター。
やはりブースターも自分たちの知る地球上からは来ていないのか、と佐野は考えつつ先を話すよう促す。
732 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/31(土) 02:44:15 ID:???
お燐「そんでもって、その裏庭でブースターは育ったんだけど、ある日男の子が来てブースターを捕まえたんだって」
佐野「捕まえた? なんじゃそりゃ? 勝手に人ん家の裏庭に入ってその家のペット捕まえたってのか?」
お燐「らしいねぇ。 でもなんかブースターの世界じゃよくある事らしいよ?」
佐野「うーん……で、捕まえられた後はどうしたんだ?」
お燐「なんか石を額に当てられて、進化させられた後に……。
ブースター以外の不思議な生き物と戦わされたあと、変な建物に連れて行かれたって言ってる」
佐野「……進化って何? ブースター以外の不思議な生き物? 変な建物って何さ?」
お燐「い、いっぺんに聞かないでよ……。 ちょっと待って、聞いてみるから。 にゃにゃんにゃ、にゃにゃーにゃ」
ブースター「ブィー。 キューキュー」
そして現れた佐野の聞いた事も無い用語や、抽象的な言葉。
思わず佐野はどういう事なのかと問いただそうとするも、ただブースターの言葉を直訳しただけのお燐にそれがわかる筈もなく。
お燐は改めて猫語でブースターと話しながら、それらの言葉の意味を佐野に教える。
それによると、どうやらブースターの世界にはブースター以外の不思議な生物……。
生きているのかどうなのか不明なのも合わせて不可思議な生物が存在し、
それらを"ポケットモンスター"縮めて、通称"ポケモン"と呼んでいるらしい。
そのポケモンは、ある一定の条件を満たすと姿などを変化させる。
人間で言う所の成長にあたるのだろうが、ブースターの話によればそれはまるっきり姿形が変貌するもので――。
これをブースターの世界では、"進化"というのだそうだ。
ブースターも元は違う生き物だったのだが、その条件を満たし進化をしたらしい。
最後に、ブースターの連れて行かれた建物というものだけはブースターにもよくわかっていないようだが……。
その建物にはブースター以外のポケモンやブースターを捕まえたという男の子以外の人間が多く存在し、
人間がポケモン同士を戦わせて競っていたのだという。
733 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/31(土) 02:45:22 ID:???
佐野「うーむ……闘犬とか闘鶏みたいなもんか?」
お燐「よくわかんないんだけどそうなんじゃないかな?」
佐野「まぁ……そういう事なら、なんとなくブースターが火を吹けたりした事も納得……出来るような気もする」
要するにブースターは、闘犬や闘鶏のように人に育成され戦う事を余儀なくされた生き物なのだ……と佐野は解釈をした。
そして、ブースターのように火を吹ける獣がいるから、その世界ではそのような競技が出来上がっているのだろうとも考える。
佐野「で? ブースターはどうやってこの世界に来たんだろ?」
お燐「わかんないって。 なんかボックスに預けられてたらいつの間にか幻想郷にいたって言ってる」
佐野「ボックス? ……またよくわからんが……ペットを預かる店みたいなもんかね」
最後に佐野はブースターがこの世界――幻想郷にどのようにしてやってきたのかを聞こうとした。
しかし、ブースターにもいまいちその点はハッキリせず……。
ボックスという場所の中で眠りについていた筈なのに、気づいたら幻想郷にいた、という。
もしもそこがハッキリしていれば、或いは帰る為の手がかりになったのかもしれないが……そう何でも上手くいく筈も無かった。
734 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/31(土) 02:46:30 ID:???
佐野「つってもこれだけ聞ければ十分だな。 なんとなーく、ブースターの事がわかったよ」
お燐「良かったね、お兄さん。 あたいも役に立ててうれしいよ」
佐野「ああ、サンキューな、お燐」
お燐「んじゃ、あたいは霊夢の顔を見てから帰るとするよ。 またねっ」
こうして大体のブースターの素性が聞けた所で、佐野はここまで通訳をしてくれたお燐に感謝を述べ。
これを受けてお燐も笑みを浮かべ、家の裏戸の方へと回りながら佐野達に別れを告げた。
佐野「うっし、んじゃ早くお前のご主人様の所に帰せるように、これからもサッカー頑張ってくか!
な、ブースター!」
ブースター「キュ〜!」
そして、改めて佐野はブースターと早く元の世界に帰れるようにと誓い合った。
今までも当然早く帰りたいという思いはあったが、ブースターの話を聞いて佐野としても俄然やる気が出てきたのである。
このやたらと人懐こい炎の獣の事だから、ご主人様に対する思いや懐きというのも佐野達に対するそれの比ではないのだろう。
ならば一刻も早く返してあげなければ可哀想だと、佐野は考えたのである。
この言葉を受けて、ブースターは実に嬉しそうに笑った(……ように見えた)。
その表情は、ブースターがどれだけ元の主人を慕っているかを実に物語っていた。
※ブースターがなつきました。
※火車・火炎猫 燐(かえんびょう りん)と出会いました。
735 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/31(土) 02:47:30 ID:???
☆誰とのイベントを発生させますか?
A.アイビス
B.カイン
C.クーガー
D.剣崎
E.水銀燈
F.ダークドリーム
G.ブースター
H.ユーノ
I.律子
J.レイ
先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
☆残り回数2/3
736 :
森崎名無しさん
:2012/03/31(土) 02:47:43 ID:z8ldJIME
H
737 :
森崎名無しさん
:2012/03/31(土) 02:52:37 ID:oXqLeFHE
H
738 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/03/31(土) 02:55:34 ID:???
ユーノ野獣(イタチ)説。という所で本日はここまで。続きは明日以降書かせていただきます。
いつも遅くまでお付き合いありがとうございます。
それでは、お疲れ様でしたー。
739 :
森崎名無しさん
:2012/03/31(土) 02:58:27 ID:???
トレーナー
「申し訳ないが能力と覚える技が噛み合ってないペットはNG」
乙でしたー
740 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/01(日) 00:19:50 ID:???
>>739
ブースター is GOD
乙感謝でする。
>H.ユーノ
====================================================================================
佐野「……っちゅー訳で俺は恋愛とはトコトン先手必勝を心がけるべきだと思う訳ですよ」
カイン「うむ、それはお前の霊夢に対する反応を傍から見ていればわかる。 ……結果は芳しくないようだがな」
クーガー「いやカイン、佐野の言う事は間違いじゃないぞ。
どんな魅力的な女性でも出会いが遅ければ他の男と仲良くなってしまう可能性がある。
出会った瞬間からアプローチを重ね、好意がある事を伝えなければ相手も『あらこの人私に興味ないのかしら』と思うだろう。
故にこそ、佐野の霊夢に対する行動は間違っている訳ではない」
佐野「だよね!」
クーガー「まあまるで相手にされてないがな」
佐野「だよね……」
昼食を取った後、佐野は居間でクーガーやカインと共に雑談に興じていた。
男3人集まって何を話しているのかと思えば、話題はこのむさ苦しい面々には似合わないコイバナ。
佐野の恋愛観をカインは苦々しい表情で聞いていたのだが、クーガーはそれで正解だと断言をする。
……もっとも、両者は共通して、霊夢が佐野に靡く可能性はゼロに近いだろうと認識をしていた。
カイン「というかそもそもお前は霊夢のどこがいいんだ」
佐野「ワキマルダシ」
カイン「……聞いた俺が馬鹿だった」
ユーノ「佐野君、ちょっといいかな?」
佐野「おっ、どうしたユーノ君?」
そんな折、襖を開けて居間に姿を現したのはユーノであった。
カインの呆れたような声を耳にしながらも佐野はそちらを無視しユーノの用件を問い……。
ユーノは一つ頷くと時計を確認し、それからクーガーとカインの両者に視線を移してから口を開く。
741 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/01(日) 00:21:35 ID:???
ユーノ「以前言ってたよね、紅魔館に行ってみたいって。
僕、今日はこの後特に当番は無いし……佐野君も確か何も無かったよね?
折角だから行こうと思って誘ってみたんだけど……」
佐野「あー……そういえばそんな事も言ったっけ」
以前、夜半にユーノが佐野の部屋を訪れた際、幻想郷の地図を渡された時に話した雑談。
幻想郷で行ってみたい場所、興味のある場所な無いかと聞かれ、佐野が思いつきで答えたのは紅魔館。
幻想郷でも指折りの実力者であるという吸血鬼が住まう場所と霊夢からは聞いており……。
また、先日の試合で慧音が言っていた所によると、3ボス同盟には紅魔館の者が所属をしているという。
ユーノ「霊夢の話によると、霊夢の名前を出せば危険は無い筈……らしいからね。
その点では心配無いと思うんだけど……」
佐野「そうかー(霊夢ちゃんって偉いんだなー。 さて、それはともかくどうしよう?
今から行くと……向こうでそれなりに時間潰すだろう事考えれば、帰ってきたら夕食時になってそうだなー)」
A.男は度胸。紅魔館に行ってみるか(イベント回数を2消費します。ユーノ以外にももう1人連れて行けます(ランダム))
B.今日はやめとこやめとこ。それよりコイバナしようぜユーノ君(紅魔館へ行きません。イベント回数の消費は1で済みます)
C.逆に紅魔館じゃないとこ行ってみようぜ(更に分岐します)
先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
742 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 00:22:51 ID:Dq+t/k8k
A
743 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 00:22:59 ID:28JxSq3M
A
まあ、言い出しっぺだしね
744 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 00:23:11 ID:fUp1thXw
A
745 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/01(日) 00:42:14 ID:???
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=26234525
レイさん描いてみた。もっとおっぱい大きくしたかった(中学生並の欲望)
>A.男は度胸。紅魔館に行ってみるか(イベント回数を2消費します。ユーノ以外にももう1人連れて行けます(ランダム))
====================================================================================================================
佐野「そだな。 別にやる事はねーし、行ってみるか」
ユーノ「うん」
家にいても別段やる事は無し、ただ先ほどまでのように雑談をして暇をつぶすくらいだろう。
それならばまだ外に出て、見分を広げた方がよほど生産的。
そう考えた佐野は立ち上がり、ユーノと共に紅魔館に行こうとするのだが……。
佐野「……ところで他に誰か一緒に紅魔館に行きたいって人とかはいないかね?」
ユーノ「さぁ? 僕が確認したのは佐野君のスケジュールだけだったし。 聞いてみないとわからないね」
佐野「そうか。 んじゃ確認してみっか。 折角だし誰か暇そーなのがいたら誘おうぜ」
ユーノ「うん、別に構わないよ」
どうせなら2人で行くよりももっとたくさんの人数を連れて行った方が楽しいだろう。
まず佐野はさっきまで話し込んでいたクーガーとカインにこの後の予定を聞き、
更に他の用事をしている面々にも話を伺うのだが……。
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★遠くに行きたい・紅魔館編→! card=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
JOKER→???「むしろこっちから来てやったわ! 運命を読んでね!!」 なにィ!?謎の少女が博麗神社に現れた!
ダイヤ→レイ「あたいも行くよ」 うわぁ、道中とっても心強いナリィ……
ハート→カイン「フッ、任せておけ」 レミリアさんに興味のあるカインさんです
スペード→剣崎「丁度暇だったんだ。 付き合うぜ」 ケンジャキー!!
クラブ→水銀燈「あんた達のお守をするつもりはないけど、その館ってのは興味あるわね」 色々不安やで……
746 :
森崎名無しさん
:2012/04/01(日) 00:43:34 ID:???
★遠くに行きたい・紅魔館編→
ダイヤA
=★
747 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/01(日) 01:22:44 ID:???
>★遠くに行きたい・紅魔館編→ ダイヤA =レイ「あたいも行くよ」 うわぁ、道中とっても心強いナリィ……★
=======================================================================================================
クーガーとカインは、この後買い出しと便所掃除の為に佐野達と同行は出来ず。
また、他の面々もそれぞれ用事があるようでいまいち反応はよくない。
唯一食事の準備の時以外は暇をしているブースターも、どうやらどこかに勝手に散歩に行ってるのか姿を見なかった。
仕方ない、このまま2人で行くかと佐野とユーノは考えるのだが……。
レイ「ちょい待ち。 あたいも行くよ」
佐野「あれ? レイさん、薪割りしなきゃいけないんじゃなかったっけ?」
玄関を出ようとした佐野達を呼び止めたのは、先ほど佐野達の誘いを断ったレイであった。
午後からは割り振られた当番の通り、薪割りをする予定だったレイ。
それを理由に佐野達の誘いを断り、用事があるのなら仕方がないと佐野達は諦めていたのだが……。
そんなレイが何故こうして自分も行くと後になってから言いだしたのか、佐野とユーノの両者は疑問に抱く。
しかし、その事を察知してか。レイはフフンと鼻をならしてから腕を組むと、どこか自慢げに言葉を吐いた。
レイ「薪割り終わらせたんだよ、だから午後からの用事は一切無しって訳さ」
佐野「ハァ!? 終わらせたって……つい今しがたまで山のように丸太があったじゃねーか!?」
レイ「あれくらい、ちょちょいと本気出せば一瞬で終わるよ」
佐野「(……信じられんけど、レイさんならやりかねんよなぁ)」
実際に佐野はレイが今日割る筈だった丸太の数を見ており、自分なら夕方までかかっても終わるかどうかわからないと思っていたのだが……。
レイの常識外れなスピードと実力については、以前武道の演武を見せてもらった時に把握している。
彼女なら本当に本気を出せばあれだけの丸太を一瞬で薪にしてしまう事が出来るのかもと、否が応でも納得してしまう。
748 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/01(日) 01:23:47 ID:???
佐野「んー……まあそういう事なら了解だぜ。 んじゃ一緒に行こうぜ、レイさん」
レイ「あいよ」
ユーノ「それにしても意外だね。 そんなに急いで用事を終わらせて行こうとするなんて、レイも紅魔館に興味あったんだ」
レイ「ん……まぁね(紅魔館ってトコは霊夢の息がかかってんだからまだしも、道中はあんたら2人だけじゃ不安でしょうがないよ)」
とにもかくにも、用事が終わったというのなら問題は何もない。佐野とユーノはレイを加え、改めて神社を出発。
道中、レイは佐野やユーノと他愛のない雑談を交わしながらも……しかしさりげなく周囲を警戒していたという。
レイ「あたいは迷いの竹林って所にもちょいと興味あるんだけどねぇ」
ユーノ「あそこは……確か永遠亭、という場所がある地域だったかな。 そこに興味があるの?」
レイ「いや、単純に竹林が気になるだけさ。 修行に使えるかもしれないからね」
佐野「(まだ強くなるつもりなのかこの人……)って……お、そろそろ見えてきたな」
その後、レイが常に周囲に気を配ってくれていたお陰かどうかは知らないが、
佐野達は妖怪に襲われるという事は特に無く、無事目的の場所に辿り着こうとしていた。
霧の湖の中心部、ぽつんと突き出た陸地の上に聳えたつ一見の館。
外観はどうにも佐野の感覚では趣味が悪く思える赤一色で染まっており、佐野は思わず眉を顰めるのだが……。
しかし、その色合いは趣味が悪いと同時にどこか禍々しくもあり、なるほど、吸血鬼の住まう館らしいと言えば、らしいような気もしてくる。
佐野「つっても夜ならともかく真昼間じゃ怖さ半減だよな〜」
ユーノ「確かに……雰囲気はあまりないね」
とはいえ青空のもと、太陽の光を浴びるその館はそこまで佐野に恐怖感を抱かせなかった。
その事を素直に口にすると、ユーノも苦笑を浮かべながら静かに同意。
やはりそこまで警戒する必要はないのだろうか、と佐野は思いつつ紅魔館の正門と思しき場所へ足を進めていくのだが……。
749 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/01(日) 01:25:07 ID:???
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★おいでませ悪魔の館→! card=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
JOKER→寝間着?の少女「今年はアウトドアに健康的に生きるわよ!」 なんか外周を紫髪の少女がランニングしてるー!?
ダイヤ・ハート→赤毛の女性「あ、ちょっとすみませーん。 入館許可証の提示をお願いします」 長身の女性がストップをかけてきました
スペード・クラブ→赤毛の女性「ZZZ……」 門にもたれるようにして赤毛の女性が寝ているぞ。立派な鼻ちょうちんが出来てます
クラブA→赤毛の女性が倒れている。頭にはナイフが。これが恐ろしい殺人事件の序章だとは、この時はまだ誰も思っていなかったのです
750 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 01:25:26 ID:???
★おいでませ悪魔の館→
ダイヤ5
=★
751 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 01:35:02 ID:???
アポはねーけどッ、 用ならあるぜ!
752 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 01:35:17 ID:???
クラブAがwwww
殺人?事件編が始まってしまうじゃないかw
753 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 01:47:12 ID:???
>>751
と妙子のパンツを装備できる人が言っています
……コレ頭にも装備可能なんだよね…………
754 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/01(日) 02:09:58 ID:???
>>751
バカヤロウ逃げるぞ!
>>752
テテテテッテテテテッテ〜テ〜!(火サスのBGM)
>>753
これは……妙子のパンチじゃねーかっ!
>★おいでませ悪魔の館→ ダイヤ5 =★
>赤毛の女性「あ、ちょっとすみませーん。 入館許可証の提示をお願いします」 長身の女性がストップをかけてきました
=================================================================================================================
佐野「はい?」
赤毛の女性「入館許可証のご提示をお願いします」
門を開いて館の内部に入ろうとした瞬間、不意に現れた赤毛の女性。
つい先ほどまでは影も形も見えなかった女性が急に出てきた事により、佐野は思わず間抜けな声を出し。
ユーノとレイの両者は思わず身構えてしまう。
だが、赤毛の女性は営業スマイルなのかどうなのかは知らないが笑顔を浮かべたまま"入館許可証"とやらを再度求めてくる。
佐野「にゅ、入館許可証って……え、何? そういうのがいるのここ?」
赤毛の女性「勿論です。 この紅魔館はレミリア=スカーレット様のご住居。
許しを得た者しか立ち入る事は許可されておりませんので」
佐野「え、え、ど、どうしようユーノ君、レイさん。 持ってねーぞそんなもん」
当然ながら、佐野達はそんなものを持っていない。
笑みは浮かべるものの、心の底ではとっとと帰れと言っているような女性を前にして思わず佐野はパニックに陥るのだが……。
ユーノ「落ち着いて、佐野君。 ……突然の訪問、申し訳ありません。 実は僕たち、博麗霊夢の知り合いなのですが……」
赤毛の女性「あ、どうぞ通ってください。 どうぞどうぞ」
佐野「えええええええええええええええええええええええええええええっ!? 変わり身はやァッ!?」
ユーノが霊夢の名を出した瞬間、女性は先ほどとは180度変わる態度を見せ。
自ら門を開き、どうぞどうぞと手で佐野達を中に招き入れるジェスチャーをするのだった。
755 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/01(日) 02:11:20 ID:???
赤毛の女性「いや〜、あなたがたもお人が悪い。 霊夢さんのお知り合いだとおっしゃるなら、あんな事私もしませんでしたのに」
佐野「(……霊夢ちゃんの名前、さながら黄門様の印籠だな)えっと……とにかく入っていいの?」
赤毛の女性「どうぞどうぞ。 霊夢さんはお嬢様のご友人、そのご友人の知り合いならお嬢様の知り合いも同然ですから」
佐野「(いいのかなぁ、その理屈で……)」
ユーノ「こんな事を聞くのもどうかと思うけど……。 ……僕たちが嘘をついている可能性、というのは考えないんですか?」
赤毛の女性「そりゃ可能性はありますけど……もしもそんな事をしたら、あなた達がとんでもない目にあいますでしょうしね。
そんなリスクを負ってまで嘘をつく事は無いでしょう」
ユーノ「(とんでもない目、か……。 それは霊夢がやるのか、それとも"お嬢様"がやるのか……どっちだろう? 両方……?)」
へらへらと笑いながら、佐野達となんともフレンドリーに会話する女性。
思わず佐野達も呆れてしまうものの……なんにせよ、館の中に入れるというのなら問題は何もない。
佐野とユーノは連なって門を潜り、それにレイも続こうとするのだが……。
レイ「……あんた、名前は?」
門を潜る際、女性と視線を交錯させながら不意にレイは口を開いた。
眼光鋭く睨み付けるその視線は、もしも佐野が受けたなら一瞬で漏らした程の威圧感を放ち。
それを受けて女性は一瞬驚いたように目を見開くも、すぐに笑みを浮かべて申し遅れましたと謝罪をしてから自己紹介をする。
美鈴「私(わたくし)、紅魔館の門番を務めさせていただいてます、紅 美鈴(ほん めいりん)と申します。
決してべに みすず、とか。 くれない みすず。 などではないのでよろしくお願いします」
佐野「(あー、やっぱ中国系の名前なんだな……)」
赤毛の女性――紅 美鈴の自己紹介を聞いた佐野は、1人納得したかのようにうんうんと頷く。
美鈴は昨日の試合で出会ったレティ=ホワイトロックにも及ぶ程、女性にしては高身長。
その背の高さや胸の豊かさも十分に目を惹くが、それよりも外見で特徴的だったのは緑を基調とした中国系の民族服である。
その衣服を見た時からもうすうすは感じていたが、やはり中華系の人間か、と佐野は判断したのだが……。
756 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/01(日) 02:12:25 ID:???
美鈴「因みに言っておきますけど、私妖怪ですので」
佐野「ええぇっ!? 嘘!? すげぇ人間っぽいのに!?」
美鈴「よく言われます」
そんな佐野の考えを察知したのか、美鈴は自らの種族を妖怪であると説明した。
どこからどう見ても人間(しかも美人でグラマー)な外見をしているというのに妖怪だと聞いて、
佐野はやっぱり幻想郷では外見で全てを判断できないのかと思う。
佐野「うぅ……もう誰が妖怪で誰が人間かもわかんねぇ……。 あ、ちなみに俺は佐野。 佐野 満。 よろしくな、美鈴」
ユーノ「僕はユーノ=スクライアです。 よろしくお願いします」
レイ「あたいはレイ=クウゴだ(妖怪ねぇ……ふぅん……)」
美鈴「はい、こちらこそよろしくお願いします」
そして、佐野達もまた自己紹介をし、それを受けて美鈴も頭を下げ……改めて3人を先導し館の中を案内。
庭園にはたくさんの花が栽培されており、美鈴はこれを自分が作ったのだと大きな胸を張って自慢。
佐野達も感心をしたようにそれを見ていたのだが、その景色が終わるとすぐに紅魔館の入り口――扉の前へと辿り着いてしまう。
美鈴「私の案内はここまで。 中からはまた別の者が案内をしますので、皆さんどうぞごゆっくり」
佐野「あれ? 美鈴も中に入らないの?」
美鈴「はい、私は門番ですのですぐに勤務に戻りませんと。 ところで皆さん、この紅魔館へは何をしにいらっしゃったんですか?」
ユーノ「僕はこの館にある図書館が気になって……。 どのような書物が置いてあるか見てみたいんだけれど、いいかな?」
美鈴「恐らくは大丈夫だと思いますよ。 貸出は厳禁ですがね」
レイ「あたいは特に……ま、こいつらが来るって言うからついてきただけさ。 そういや佐野、お前は何の目的で来たんだ?」
佐野「え? そ、そりゃ……」
757 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/01(日) 02:13:35 ID:???
A.「噂に名高い吸血鬼とやらを一目見たかったのさ!」 吸血鬼に会いた〜い!
B.「こんだけデカい屋敷だからメイドさんもいると思ったのさ!」 メイドさんに会いた〜い!
C.「俺もインテリジェンスに目覚めた。 図書館に興味があるのぜ!」 図書館に行きた〜い!
D.「3ボス同盟の一員とやらをこの目で見に来たッ!!」 3ボス同盟のメンバーに会いた〜い!
E.「俺も暇だったからちょっとぶらぶら見学に来ただけなんだよな〜」 さのさんぽ
F.その他 自由投票枠
先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
758 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 02:16:36 ID:fUp1thXw
C
759 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 02:17:40 ID:cSs4QinI
D
760 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 02:21:37 ID:Nkks3EhM
A
761 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 02:23:35 ID:efWawlgc
B
762 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 02:25:42 ID:???
バラけたな
まあどれ選ぶかはぶっちゃけ好みだから仕方ないか
763 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/01(日) 02:31:47 ID:???
>>762
紅魔館は魅力的なキャラでいっぱいじゃけん仕方ないの。
という訳でまだ投票途中ですが本日はここまで。
続きは明日以降書かせていただきます。
それでは、お疲れ様でした。
764 :
名無しの若造さん
:2012/04/01(日) 06:17:41 ID:0z2Kw7NQ
C
765 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/02(月) 00:44:42 ID:???
>C.「俺もインテリジェンスに目覚めた。 図書館に興味があるのぜ!」 図書館に行きた〜い!
==========================================================================================
ユーノ「……大丈夫、佐野君? 僕に無理やり付き合わなくてもいいんだよ?」
佐野「ユーノ君って、本当アレだよね。 ナチュラルに失礼だよね、割と」
色々迷いもしたが、佐野は結局ユーノと共に図書館を見学したいと考えた。
普段の言動や行動から、おおよそ読書などとは無縁に思える佐野のこの発言を聞いてユーノは心配するように言葉を吐き。
レイ、そして出会ったばかりである美鈴すらも佐野の事を懐疑的な目で見る。
これには佐野も立腹するが……第三者的視点から見れば、ユーノ達の反応の方が正しいと考えるのは明らかだろう。
佐野「俺だって本くらい読むぜ。 漫画とか」
ユーノ「佐野君……それは読書に入らないよ……」
佐野「なんで!? 小学校の図書室にあったぞ、三国志の漫画とか!」
美鈴「まあ読書かどうかは別にしても、漫画ならありますよ。 私も休憩時間によく借りて読んでますし」
佐野「おっ、マジか。 よし、なら決まりだな」
佐野の更なる発言に、ユーノはいよいよ深刻そうな表情を浮かべるも……。
美鈴のフォローをするような声が入り、佐野はそういう事ならやはり図書館に行くと決意。
なんだかんだ言って娯楽が少ない幻想郷……家事をする以外は寝るかサッカーをするかの毎日に、
いい加減佐野も飽き飽きしていたのだ。漫画という娯楽を求めても、致し方ないと言えば致し方ない。
美鈴「ではどうぞ中へ……」
レイ「あたいはちょいとコイツに用がある。 佐野、ユーノ、お前らだけで行ってきな」
佐野「へ? 用って……?」
レイ「大した事じゃないさ。 ……いいよな、美鈴?」
美鈴「……用向き次第ではありますが、構いませんよ」
ユーノ「わかったよ。 それじゃあ、また後で」
766 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/02(月) 00:45:42 ID:???
その後、美鈴は改めて佐野とユーノに館の中に入るよう促し、佐野とユーノは素直に館内に足を踏み入れる。
レイはといえば何やら美鈴に用があるらしく、どこか真剣な表情で佐野達にここに残ると宣言。
そして、佐野達が館の中に消えた瞬間……。
フォンッ ヒュッ!!
美鈴「おっと……いきなりですね」
レイ「フン……。 やっぱただもんじゃないね」
佐野達の背中を見送っていたレイは、突如振り向きざまの勢いのままに右の正拳を背後にいた美鈴目掛けて突き出す。
常人では目に追えない……実力者でも、並の者ならば反応出来ないだろう速度で突き出されたそれは、しかし空を切る。
つい先ほどまでそこにいた筈の美鈴はレイが拳を突きだす前か、それとも後かは知らないが、
いずれにせよ素早くそれを体を逸らせる事で回避し、笑みを浮かべたままレイに視線を送る。
レイ「口ぶりは木端染みたもんだが……身のこなしといい、気配の消し方といい、相当の実力者と見た。
組手の相手になっちゃくれないかね?」
美鈴「随分と買いかぶられちゃいましたね……。 私なんてお嬢様達に比べれば本当に大した事ない妖怪なんですけど……」
幻想郷に来てからというもの、暇を見つけては体を動かし、修練に励んでいたレイ。
ただ1人での修行には慣れてはいたものの、やはり自分と戦える程度の相手と組手をする事も実力の向上の為には必須である。
門を訪れた際、音も無く現れた美鈴の気配の立ち方と俊敏な動き、そして先ほどから見せる自然ながらも隙の見えない立ち振る舞い。
それを見た瞬間にレイは美鈴の事を相当の実力者であると判断し、己の実力を高める為に組手を申し込んだ。
これには美鈴も苦笑いを浮かべながら自分など大した事ないと卑下をするのだが……。
やがてそれを収めると、レイと同じく真剣な表情となり全身から闘気を少しずつ溢れさせながら……吼えた。
美鈴「私は一向に構わんッッッッッ!!!」
レイ「調子こかせてもらうよッッッッッ!!!」
ダッ! ダッ!!
767 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/02(月) 00:46:42 ID:???
佐野「……なんか庭の方で『お前らサッカーやれよ』って言いたくなる事が始まってる気がする」
ユーノ「うん、まあ……キャプ森板ではよくある事だよ」
美鈴とレイの一戦が始まろうとしていた頃、一方で佐野とユーノの2人は館の内部へと入り込みまずは内装を確認していた。
外観は正に赤一色、趣味の悪いお屋敷といった印象だったが、それに反して内装は比較的落ち着いていた。
無論、分厚いカーペットや何に使うのかよくわからない家具、やたらと大きい頭上にあるシャンデリア等々。
佐野にとっては見慣れない代物が多数置いてあり、落ち着く家かと問われれば疑問が残るが、
少なくとも目に優しくない色合いはしていない。
佐野「うーん……この壺とか、割ったら弁償せにゃならんのだろうか……」
ユーノ「触らない方がいいよ、佐野君。 それより、美鈴さんは中に入ったら中の者が案内するって言っていたけど……」
佐野「そういやそうだっけ」
美鈴の話によれば、佐野達の案内は館の内部の者がしてくれるという。
しかし、まだそれらしき人物が姿を見せない事に佐野達は疑問を感じていたのだが……。
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★お帰りなさいませご主人様→! card=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
JOKER→蒼髪の少女「ぎゃおー! たーべちゃうぞー!」 なんかちみっこい女の子が現れた
ダイヤ・ハート→メイドさん「お話は既に美鈴から聞いております。 図書館のご見学ですね?」 メイドさんが現れた!
スペード・クラブ→赤髪の少女「どうもこんにちわ。 図書館で司書を務めている者です」 司書さんが現れた!
クラブA→金髪の少女「あら……新しいお人形さん?」 なんかちみっこい女の子が現れた。パート2
768 :
森崎名無しさん
:2012/04/02(月) 00:47:06 ID:???
★お帰りなさいませご主人様→
クラブ6
=★
769 :
森崎名無しさん
:2012/04/02(月) 01:05:10 ID:???
トップスピンパス教えてもらわないと…
あとグリーンカットパス
770 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/02(月) 01:51:13 ID:???
>★お帰りなさいませご主人様→ クラブ6 =★
>赤髪の少女「どうもこんにちわ。 図書館で司書を務めている者です」 司書さんが現れた!
======================================================================================
そんな会話をしている間にふと佐野達が廊下の奥の手を見れば、向かい側から1人の少女が歩いてくる。
彼女が案内をしてくれる人だろうか、としばらくその場で待っていると。
少女は案の定佐野達の場所まで歩み寄り、ぺこりと頭を下げてから自己紹介をする。
小悪魔「どうもこんにちわ。 図書館で司書を務めている、小悪魔と申します。
美鈴さんから既にお話は伺っています、図書館の見学をご希望ですね?」
佐野「ど、ども……。 って……こ、小悪魔?」
小悪魔「はい、小悪魔です」
少女は、自らの名を『小悪魔』と名乗った。
そのダークドリームとはまた違う意味で名前とも思えない名前を耳にし、佐野は思わず鸚鵡返しをしてしまうのだが……。
小悪魔自身はにこりと笑みながらその通りだと言わんばかりに頷くばかりである。
小悪魔「私は図書館の主に呼び出された使い魔でして、契約上、主以外に名を明かせないのです。
その為、皆さんからは『小悪魔』と呼ばれているのですよ」
佐野「使い魔……って何?」
ユーノ「魔法使いが動物と契約を結び、自らの眷属とする行為が一般的だけど……。
小悪魔の場合は、どうも動物とは違うみたいだね……」
小悪魔「はい、私は小悪魔です」
佐野「ややこしい……」
ユーノ「(やはり魔法体系もミッドチルダとはかなり違うみたいだな……。
……それにしても、"主"か。 話には聞いてたけど、やっぱり図書館にはこの世界の魔法使いがいるみたいだね)」
佐野としては小悪魔の言葉は全て理解が困難なものだったものの、ユーノから噛み砕いた説明――。
「要するに小悪魔は魔法使いのご主人様を持っていて、そのご主人様との約束で名前を他人に明かせない」
というものを聞くと、とりあえず納得。
ユーノは正確には色々と違うけれど、と補足をしつつも……これ以上上手く説明も出来る気はしないらしく。
佐野の事は無視して、小悪魔に早速図書館まで案内をしてもらう事にする。
771 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/02(月) 01:52:27 ID:???
小悪魔「ではこちらへどうぞ。 図書館は地下にありますので、階段を下りていただきます」
佐野「地下かー……湿気とか大丈夫なのか?」
小悪魔「湿気は本の天敵ですが、問題ありません。 魔法で除湿してありますから」
佐野「……魔法って便利なー」
素直に持った疑問を、魔法があるから平気であると返された佐野は思わず呆けたような声を出し。
そんなやり取りをしながら、3人は階段を下り、廊下を歩いて、分厚い扉の前に辿り着く。
小悪魔「こちらが紅魔館自慢の図書館となっております。 それでは、どうぞ中へ」
ガチャッ…… ギィィィィイ……
分厚い扉は、やはりそれだけ重量もあるのか。
小悪魔は両手で取っ手を掴むと全体重を乗せて引っ張り、それと共に重々しい音を立てて扉が開く。
ふぅ、とため息を吐く小悪魔を先頭にその中に入っていくと、そこにあったのは……。
ユーノ「これは……!」
佐野「……うはー、なんじゃこりゃー」
正に本の山、山、山。
内部は佐野の背丈の2倍……否、3倍はあろうかという本棚が、人間が僅かに通れる幅を残して等間隔で立ち並び。
更にその本棚にはギッシリとこれまた分厚い本が整理されている。
思わず佐野は、紙とインクのにおいもあってか頭が痛くなり始めるのだが……。
逆にユーノは目を丸くして驚きながらも、どこからその瞳を爛々と輝かせながら本棚にある本一冊一冊を確認している。
772 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/02(月) 01:54:00 ID:???
小悪魔「どうですか? 凄い蔵書量でしょう」
ユーノ「うん、凄いよ。 外の世界にだって、これだけの書物がある図書館なんて限られてる……」
小悪魔「そうですとも、この図書館はほぼ無限……って、え? 限られてる? 存在しない、じゃないんですか?」
ユーノ「あ……うん。 ここと似たような場所、知ってるんだ」
小悪魔としても、この図書館の本の数は自慢なのか、鼻高々といった様子で佐野達の反応を確認するも……。
ユーノの発言を聞き、こちらもまた目を見開いて驚く。
少なくとも小悪魔の知る限り、この図書館の本の数――及び広さというのはまだ解明されていない。
正に無限に近いだけの書物がこの図書館には隠されており、
事実上幻想郷、及び外の世界の書物の全てはここにあるものだと思っていたのだが……。
しかし、ユーノはこの図書館とほぼ同じような図書館を知っているという。
まさか外の世界にも、無限に近い書物がある図書館があるとは知らない小悪魔が不意を食らい驚くのも当然であり。
言葉を発したユーノはどこか困ったように頬を掻き……、コホンと咳払いをしてから小悪魔に言う。
ユーノ「ところで小悪魔、この図書館の主……小悪魔の主の人と話が出来ないのかな?
本を読む前に、挨拶をしておくのが最低限の礼儀だと思うんだけど……」
小悪魔「ハッ! あ、そ、そうですね。 ではこちらへどうぞ……佐野さん、行きますよ?」
佐野「……ォーィェー」
確かにユーノの言う通り、本を読ませてもらう前にまずはこの図書館の主に挨拶をするのが筋というものだろう。
小悪魔は頷くと同時、未だに放心状態だった佐野を現実世界に引き戻すと、
同じような景色ばかりの図書館の中をすいすいと迷いなく歩き、やがて本棚の無い開けたスペースの中心。
山のような本が積み重なった巨大な机の前へとユーノ達を案内し……。
その机に鎮座し、黙々と羽ペンで羊皮紙に何かを記入している、紫の髪をした少女を手で示しながら口を開いた。
小悪魔「こちらがこの図書館の主、そして私の主である、魔法使い……パチュリー=ノーレッジ様です。
パチュリー様、お客様ですよ」
パチュリー「………………」
773 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/02(月) 01:55:15 ID:???
紫の長い髪に、やや痩せ気味な体型と色白な肌。
寝間着のような部屋着のような、縦のストライプが入ったゆったりとした衣服とその上に羽織った上着を着。
部屋の中だというのになぜかドアノブのようなデザインで、三日月を模した髪飾りのようなものを取り付けたした帽子を被り、
丸く小さなメガネをかけた小柄な少女――小悪魔の主にして、この図書館の主。
パチュリー=ノーレッジは、しかし小悪魔の言葉に何ら反応を示さず、机に置いてある羊皮紙とただひたすら格闘をしていたのだった。
ユーノ「(何を書いているのかな……。 ここからだと、ちょっとよく見えないけど……)」
小悪魔「えっと……パチュリー様、お客様ですけど……」
パチュリー「………………」
佐野「(……なんかまた変な感じの人が出てきたなぁ)」
まるで反応をしないパチュリーを前に、小悪魔は困ったような愛想笑いを浮かべ。
佐野はまたちょっとめんどくさそうな感じの人が出てきたかな、と考える。
唯一ユーノはパチュリーが何を書いているのか興味深々で、パチュリーの態度は別段気にしていなかったようだが、
佐野と小悪魔はそれには気づかない。
佐野「(うーん、どうしよう。 なんかちょっかいかけてみるか?)」
A.「どうもこんにちわ。 佐野満です」 とりあえず挨拶しておくか
B.「はじめまして、愛の狩人、佐野満です」 ギャグを交えつつ挨拶をしておくか
C.「ガチョーン!」 ギャグをしておくか
D.「お客さんに挨拶もしなきゃ茶も出さないのかなー、このお屋敷はー」 大声で嫌味を言ってみよう
E.「駄目だ、話にならん。 それより先に本見せてもらおうぜ」 挨拶は後回しにしよう
F.「あーっと、手が滑ったー!!」 手を滑らせて机の上のインクを羊皮紙の上にぶちまける
G.「そんな事よりサッカーしようぜ!」 何故か持っていたボールを机に向けてシューッ! 超エキサイティンッ!!
H.その他 自由投票枠
先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
774 :
森崎名無しさん
:2012/04/02(月) 01:58:21 ID:vqB/iQwQ
E
775 :
森崎名無しさん
:2012/04/02(月) 02:10:57 ID:AdD/VUcs
A
776 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/02(月) 02:11:31 ID:???
投票途中ですが本日はひとまずここまで。
続きは明日以降書かせていただきます。
それでは、お疲れ様でしたー。
777 :
森崎名無しさん
:2012/04/02(月) 02:14:49 ID:5mNeW2xs
H どうもこんにちわ。 佐野満です
こっちは魔法使いのユーノ君だ
これなら食いつくかな
778 :
森崎名無しさん
:2012/04/02(月) 02:18:05 ID:QQy5zbR+
H どうもこんにちわ。 佐野満です
こっちは魔法使いのユーノ君だ
779 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/02(月) 23:58:22 ID:???
>H.どうもこんにちわ。 佐野満です。 こっちは魔法使いのユーノ君だ
================================================================================
佐野「(小悪魔の話によりゃ、こいつも魔法使いって話だったしな。
ユーノ君が魔法使いだって事を言えば、喰いついてくんだろ)」
ユーノ「(うーん……佐野君の狙いはなんとなくわかるけど……)」
パチュリーの様子を見る限り、普通の挨拶では無視されるのがオチだろうと判断した佐野は、
ここでユーノの事を"魔法使い"であると紹介する事にした。
先ほどの小悪魔の話によると、パチュリーは魔法使いであるらしく。
同じ職業をしている者が来たとあれば、なんであれ反応を示してくれると考えたのである。
こうして自信たっぷりに佐野はユーノの事を手で示しながら紹介するのだが、
一方でユーノは少し困ったような表情を浮かべ。
そして、当のパチュリーの反応はといえば……。
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★パチュリー「知ってた」→! card=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
JOKER→パチュリー「カカロットの息子……?」 パチュリー、です……。
ダイヤ・ハート→パチュリー「……私を馬鹿にしているの?」 相変わらず視線をこっちに向けないまま声を出した
スペード・クラブ→パチュリー「………………」 返事が無い。ただのもやしのようだ。
クラブA→パチュリー「"君"? 男?」 急にユーノと佐野を見比べはじめた。 パチュリー「夏に出す本が厚くなるわ」
780 :
森崎名無しさん
:2012/04/02(月) 23:58:50 ID:???
★パチュリー「知ってた」→
ダイヤ4
=★
781 :
森崎名無しさん
:2012/04/03(火) 00:01:11 ID:???
JOKER……最後のリーしか合ってないじゃんw
782 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/03(火) 00:48:28 ID:???
>>781
マチョリー、です……。
>★パチュリー「知ってた」→ ダイヤ4 =★
>パチュリー「……私を馬鹿にしているの?」 相変わらず視線をこっちに向けないまま声を出した
===========================================================================================
佐野「あ?」
パチュリー「……微量とは言えない程度の魔力を保有していて、しかも体内で魔力がある程度練られている。
大方この紅魔館に来る上で、危険が降りかかればいつでも自衛するつもりで準備をしていたのでしょう。
並の魔法使いならいざ知らず、私がそれだけの魔力を持つ人間を見逃す筈が無い。
……一々言わなくてもわかってるわよ、ちっこい方」
佐野「な、なんだと!?」
ユーノ「(やっぱりね……)」
しかし、佐野の知恵を利かせたつもりの挨拶はまるで意味をなさなかった。
いや、パチュリーに言葉を発させるという目的は果たせたものの、その言葉はあくまでも佐野を注意しおちょくるようなものであり。
ユーノに興味を抱かせ反応させるという効果は得られなかったのである。
パチュリーが言ったように、パチュリーはそもそもユーノがこの図書館に入館した時からユーノの魔力を感知しており。
また奇妙な来客があったものだ、と考えていた。
そんなパチュリーがユーノに反応を示さず、ただひたすら机に向かっていたのは単純にユーノの事よりも、
今、目の前で自らの魔法などの考えについて羊皮紙に書き記す事が重要な為であり。
パチュリーとしては、一々わかっている事を指摘し、暗に挨拶くらいしろと言う佐野に苛立ちを感じるのは当然の事である。
佐野としてはパチュリーの考えとは真っ向の逆で、気づいているのならば反応しないのが尚更こちらに失礼だろうと憤慨をしていた。
特にちっこい方と言われては、身長を気にする佐野としては腹を立てて仕方ないのだが……。
今にも暴れだしそうな佐野を、慌ててユーノは宥める。
783 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/03(火) 00:49:42 ID:???
ユーノ「まぁまぁ、佐野君。 ひとまず落ち着いて……」
佐野「そうは言うがなユーノ君。 このもやしっ娘の反応は色々と失礼が多すぎるぞ、人間としての道徳的に考えて。
一体どんな教育を受けてきたのか、親の顔が見てみたいわ!」
パチュリー「……図書館では静かに。 常識よ、ちっこいの」
小悪魔「パチュリー様、あまり煽られない方が……確かに佐野さんはちっこいですけど」
佐野「小悪魔フォローしてないよそれ!?」
こうしててんやわんやがあったものの、そうこうしている間にパチュリーの筆を進める手はひと段落したのかぴたりと止まり。
ふぅ、と小さくため息を吐いてからここでパチュリーは初めて佐野達に向き直る。
パチュリー「コホッ……。 それじゃ改めまして、この図書館の管理人のようなものをやっているパチュリー=ノーレッジよ」
佐野「お、おお……? なんだ、やれば出来るんじゃねーか自己紹介。 なんだってあんなに俺達を無視してたんだ」
パチュリー「頭に浮かんだ魔法式を記す方が大事だったからに決まってるじゃない、馬鹿ね」
佐野「………………」
ユーノ「うん、まぁ……。 ……魔法使いとしては、割とよくある考え方だよ」
佐野「そうなの……?」
そうして改めて自己紹介をするパチュリーに、佐野は驚き……そして、今まで挨拶をしなかった理由を聞き再び眉を顰める。
だが、ユーノのパチュリーの考え方は、魔法使いとしては別段不可思議な事ではないというフォローを聞き。
佐野はいまいち納得はいかないものの、ユーノがそういうなら、
魔法使いとはそういうものなのかもしれない……となんとか理解をしようとする。
パチュリー「それで……ここに来た理由は何かしら? やはり本を……?」
ユーノ「はい、読ませて頂こうと思いまして。 ……よろしいですか?」
パチュリー「汚さない、破らない、無くさない、持ち出さない。 これを守ってくれるならどうぞご勝手に。
それと、敬語は不要よ。 私は別にこの屋敷の主って訳じゃないんだから」
ユーノ「うん、それじゃあ……ありがとう、パチュリー」
784 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/03(火) 00:50:44 ID:???
その後、挨拶を終えた所でパチュリーはユーノと佐野がこの図書館に来訪した理由を問う。
これにはユーノが本を読ませてもらいに来たと素直に目的を答え、パチュリーは諸々の注意をしながらも承諾。
ユーノはその回答を得て満足そうに笑むと、感謝の言葉を述べながらくるりと反転し早速本を探しに向かおうとする。
小悪魔「あ、あっ。 ユーノさん、お1人では危険ですよ。 この図書館は広大ですから、慣れない人は迷ってしまいます」
ユーノ「大丈夫、探検や発掘は慣れてるから」
佐野「探検や発掘……(おおよそ図書館で聞く単語じゃねぇなオイ)」
パチュリー「……まぁああ言ってるし問題は無いでしょう」
小悪魔の言う通り、どこを通っても似たような景色しか現れず、
等間隔で同じような本棚が立ち並ぶこの図書館は迷路のようなもの。
ここで働き、その迷路に慣れきっている小悪魔や、主であるパチュリーならいざ知らず。
初めて図書館を訪れた者が単独で歩き回るのは得策ではないと小悪魔は注意をするも……。
ユーノは一言、慣れているからと告げる。
その後ろ姿をパチュリーはジトッとした目で見つめつつ……ふ、と横に視線を移し1人ぽつんと残った佐野に向けて問う。
パチュリー「で、あなたはどうするのかしら?」
佐野「へ……俺?」
小悪魔「どのような本が読みたいか言っていただければ、私がご案内しますよ」
佐野「ん、んー……そうだな……」
A.「いや、俺もユーノ君と一緒に本探してみるわ」 ユーノと一緒に本を探す
B.「じゃあ漫画のある本棚に案内してくれ」 漫画を読みたいと言ってみる
C.「じゃあサッカー関係の本がある本棚に案内してくれ」 サッカー関係の本を読みたいと言ってみる
D.「じゃあ小悪魔オススメのエッチな本がある本棚に案内してくれ」 エッチな本(小悪魔オススメ)が読みたいと言ってみる
E.「いや、本読んだら更に頭が痛くなりそうだ。 ここでちょっと休むわ」 本は読まず、この場に待機する
F.その他 自由投票枠
先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
785 :
森崎名無しさん
:2012/04/03(火) 00:52:01 ID:kVq1JEbk
A
786 :
森崎名無しさん
:2012/04/03(火) 00:52:17 ID:spCKN4UM
F ポケットモンスターに関する本を見せてほしい
787 :
森崎名無しさん
:2012/04/03(火) 00:52:22 ID:sKdIHpRI
C
788 :
森崎名無しさん
:2012/04/03(火) 00:52:57 ID:RokdWHJY
C
789 :
森崎名無しさん
:2012/04/03(火) 00:54:08 ID:HxUKT7JE
C
790 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/03(火) 01:37:49 ID:???
>C.「じゃあサッカー関係の本がある本棚に案内してくれ」 サッカー関係の本を読みたいと言ってみる
================================================================================================
小悪魔「佐野さんもサッカーをやられているんですか?」
佐野「お、その口ぶりだと小悪魔もやってんのか?」
小悪魔「はい。 私と、パチュリー様は4ボス劇団というチームに所属しているんですよ」
佐野「4ボスって確か射命丸とかいうのがいるチーム……って、パチュリーも!? 嘘だろ!?」
佐野がサッカー関連の本を読みたいと告げると、小悪魔はこれに素早く反応。
自ら、そしてパチュリーが共にサッカーをしており、4ボス劇団に所属をしていると言うと、
佐野はその聞き覚えのあるチーム名を聞き、ふと以前会った事のある鴉天狗を思い出すのだが……。
それから遅れ、パチュリーがサッカーをしているという言葉に反応し、思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
パチュリー「……本当に失礼ね。 少なくともあなたよりは数段上手いわよ、むきゅっ。 コホッコホッ」
佐野「……おい大丈夫かよ、本当に。 なんかコホコホ言ってるぞ」
小悪魔「パチュリー様、喘息持ちなんですよ。 ですから、プレイ時間も確かに短いです。
でも、そのプレーの凄さは間違いなく幻想郷でも屈指ですよ」
佐野「(本当かな〜?)」
サッカーどころか、ろくに走る事も出来なさそうに見えるパチュリー。
そんなパチュリーが、幻想郷屈指のプレーが出来る選手と聞かされても、佐野としては容易く信じる事が出来ず。
実に胡散臭げな表情をしながらパチュリーを見つめる。
佐野「(でも4ボスって……来生さんたちのいる3ボス同盟、って所よりも格上なんだよなぁ……?
そこに所属してるって事はやっぱそれなりに強い……? いや、まさかな)」
小悪魔「さて、それじゃ早速本棚の方に向かいましょうか。 こちらです、佐野さん」
佐野「あ、そうだな」
791 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/03(火) 01:39:02 ID:???
その後、佐野は小悪魔にひきつられ、図書館の内部を移動した。
小悪魔の言っていた通り、正にこの図書館の内部は迷路そのもの。
もしも小悪魔が先導してくれていなければ、佐野は恐らく5分としない内に迷子となってしまっていただろう。
佐野「(ユーノ君大丈夫かな? ……自信ありげだったけど)」
小悪魔「はい、こちら一帯がサッカー関連の書籍の置いてある本棚となります」
佐野「おっ、ようやく着いたか。 ……って、多いなぁ」
そうして歩く事数分後、ようやく佐野達は目的のサッカー関連の書籍があるエリアに到着する。
サッカー関連、と言ってもその本の数は圧倒的。
ありとあらゆる言語、及び時代のものが置かれた本棚を見て佐野は思わず眩暈を覚えるが……。
何もこれら全てを読む必要はない、為になりそうなもの、興味のあるものだけを読めばいいのだと自分に言い聞かせ。
小悪魔に勝手にどこかにいなくならないようにとお願いしつつ、本の背表紙を見て自分が読む本を選ぼうとする。
佐野「うーん……しっかし、こんだけあると本当に迷うなー。 日本語じゃないのが多数だし。
こん中から俺が読めそうなのは、と……」
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★読書のススメ→! card=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
JOKER→小悪魔「こんなのどうです?『11人の戦士たちの攻略本』」 出版元:ファミ通
ダイヤ絵札→とある欧州の知将の考え方を纏めた自叙伝。「戦術が幻想を打ち破る時」
ダイヤ→幻想郷サッカー選手名鑑。
ハート絵札→聞くも涙、語るも涙。不器用な男の一生を書いた長編小説。「幻想の荒鷲」
ハート→キーパーの練習法をよく書いた本。
スペード絵札→ライン際に全てを賭けた男の笑いとロマンとバトルの少年漫画。「ラインライダー龍騎」
スペード→小動物にサッカーを教える時について書かれた本。
クラブ絵札→平凡な男の子が不思議な世界で魔王になってしまうライトノベル。「今日から(シュート)マ王」
クラブ→お人形さんにサッカーを教える時について書かれた本。
792 :
森崎名無しさん
:2012/04/03(火) 01:39:33 ID:???
★読書のススメ→
クラブ8
=★
793 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/03(火) 01:41:42 ID:???
えらくピンポイントな本を引いた所で本日はここまで。
続きは明日以降書かせていただきます。
それでは、お疲れ様でしたー。
794 :
森崎名無しさん
:2012/04/03(火) 01:43:12 ID:???
JOKER……大丈夫?ファミ痛の攻略本だよ?
乙でしたー
795 :
森崎名無しさん
:2012/04/03(火) 01:43:37 ID:???
かつてこれほど効果のなさそうなJOKERがあっただろうか
796 :
森崎名無しさん
:2012/04/03(火) 10:28:05 ID:???
絵札の奴も読んでみたかったな
特にクラブwまさかのライトノベル化、アニメも目前だな
797 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/04(水) 00:49:53 ID:???
>>794-795
JOKERが出ていたら……攻略本に書かれている事とは真逆の行動をとるのも一つの戦術、とかになってかもしれませんw
>>796
自分はハートが読んでみたいです。絶対に泣けるで!
>★読書のススメ→ クラブ8 =お人形さんにサッカーを教える時について書かれた本。★
===================================================================================
色々探し回った挙句、佐野が手に取った本――それは「猿でもわかる!お人形さんにサッカーを教える為の本」であった。
一体どんな層に需要があるのか、そもそも人形にサッカーを教える機会なんて常識的に考えてあるのか。
突っ込みどころしかないこの本に、佐野が思わず興味を抱いてしまうのも無理からぬ事。
懐疑的な目で表紙を眺めていると、小悪魔がそっと佐野にこの本の情報について教えてくれる。
小悪魔「ああ、これは3ボス同盟のアリスさんが執筆された本ですね」
佐野「アリスさん……? あ、その人なら俺も会った事あるぞ。 金髪の綺麗な人だよな?」
小悪魔「はい、そうです。 アリスさんもまた、パチュリー様と同じ魔法使い。
特に人形を使途した魔法を多く使う事から、人形師とも呼ばれています。
サッカーをする時にも、お手製の人形に命令を出してプレーさせる事もあり……。
これはその方法などを、わかりやすく書き記した本なんですよ」
佐野「人形師ねぇ……。 ん? って事は魔法使いじゃなきゃ、これ読んでも意味無いんじゃないのか?」
アリスも魔法使いである、という情報は確かに聞いていたものの、
厳密には人形を使途する人形師というものは初耳であり、佐野は認識を改めつつ……。
小悪魔の話を聞いている限りでは、魔法が使えなければこの本に書かれている事は実行できないのではないか?とも疑問を持つ。
だが、小悪魔はその佐野の疑問に対して首を振って否定した。
小悪魔「確かに魔法を使って人形にサッカーをさせる方法の記述が半数を占めていますが、
もう半数は如何に人形に効率的なプレーをさせるかの方法が書かれているんです」
佐野「ん? どういう事だ?」
798 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/04(水) 00:51:14 ID:???
小悪魔「人間と人形では骨格や筋肉、体重といったものがそもそも違います。 だから人間と人形では同じプレーをするにしても、
同じような動きでは効果がまるで違うという事が間々あるんですよ。
だから、アリスさんは一から人形がどのように動けばもっとも効果的なプレーが出来るかを研究し、この本に纏めたという事です」
佐野「ほう、なるほど……(なら、この本に書かれてる事を実践すりゃ、水銀燈のプレーの質も向上する……って事か?)」
小悪魔の説明を聞いた佐野は、イレギュラーズの仲間であるドSな女王様、水銀燈の姿を脳裏に浮かべる。
人間ではなく人形である彼女は1ボスチームとの試合でも大活躍をしていたが、小悪魔の話を信じるなら、
この本の内容を実践すれば水銀燈のプレーはより一層向上する筈なのだ。
佐野「あ……でも持ち出しは駄目なんだっけ?」
小悪魔「そうですね……特例などで貸出を許す事もありますが、基本的には厳禁です。
……何か興味がある内容でしたら、元の机に戻り写してもらっても結構ですよ?」
佐野「あー……そうだな、そうさせてもらうわ。(めんどくせぇけど……これであいつの実力が上がるってんならいっか)」
本来ならばこの本を持ち帰り、水銀燈に渡して読ませたい所だったが……。
貸出を禁止されている以上それは許されず、佐野は小悪魔の勧めに従い本の内容を紙に写させてもらう事となる。
その後、パチュリーのいる大きな机の場所へと戻ってきた佐野は、小悪魔の用意してくれた筆記用具と紙を借り。
頭を痛くしながらも熱心に本の内容の特に重要そうな箇所をひたすら紙に写していくのだった。
佐野「うー……にしても、なんじゃこのペンの使いにくさは。 シャーペンとか鉛筆持って来い」
パチュリー「魔法使いが持ってて絵になるのは羽ペンと昔から相場が決まってるのよ」
佐野「絵になるからこれしか置いてないのかよ……」
※「猿でもわかる!お人形さんにサッカーを教える為の本」の写しを手に入れました。
次回の水銀燈の練習を手伝う際、ダイスが1つ増えます(1回限り)
799 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/04(水) 00:52:22 ID:???
こうして佐野が慣れない事をしていた頃、一方でユーノは未だに図書館の内部を探索していた。
数え切れぬ本棚の合間を通り、曲がり、戻り……。
もはや元いた場所も、この図書館の入り口も常人ではわからぬ位置まで来ていた彼だが、
その表情には焦りや困惑といったものは見てとれず、むしろこの本ばかりで作られた迷路の存在が嬉しいといった面持ちである。
ユーノ「さて……とはいえ、あまり遠くに行きすぎても戻れなくなる可能性もあるし、
そろそろ読む本を探さないと、帰る時間までに読めないな……」
しかし、いつまでもただ本を眺めて歩いている訳にはいかないと考えたか、
ユーノは不意に立ち止まると、その場で瞑目し……佐野と幻想郷に来て初めて会った時のように、ふわりと宙に浮かび上がる。
そして、小さく口を動かし呪文のようなものを唱えると同時、ユーノの足元には翡翠色の魔法陣が現れ……。
バサバサッ!
ユーノ「………………!」
瞬間、周囲の本棚から一斉に本が飛び出し、ユーノを中心として回転を始めたのだった。
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★ユーノ君は何を読むの?→! card=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
JOKER→ユーノ「(幻想郷から他の次元世界へと移動する方法……あった!)」 やったっ! 11人の戦士たち 完!
ダイヤ・ハート→ユーノ「(魔法をサッカーに応用する方法……あった!)」 サッカーと魔法を結びつける本だった
スペード・クラブ→ユーノ「(この世界の魔法に関する本……あった!)」 幻想郷の魔法を書いた本だった
800 :
森崎名無しさん
:2012/04/04(水) 00:53:17 ID:???
★ユーノ君は何を読むの?→
ハート7
=★
801 :
森崎名無しさん
:2012/04/04(水) 00:53:48 ID:???
JOKERまてまてまて!
802 :
森崎名無しさん
:2012/04/04(水) 00:54:59 ID:???
引いて危険過ぎるJOKER分岐は止めた方が良いと思うのw
803 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/04(水) 00:57:30 ID:???
>>801-802
まあBAD ENDですよね〜。
という訳で短いですが本日はここまでです。
で、なんとも情けない話ですが現在スレ容量が480KB……あと30KB程でいっぱいいっぱいとなってしまいますので、
レス数的には速いですがここで次スレタイを募集させていただこうと思います。
【】11人の戦士たち3【】
よろしければ考えていただけると幸いです。
それでは、お疲れ様でしたー。
804 :
森崎名無しさん
:2012/04/04(水) 01:12:22 ID:???
【11人の】11人の戦士たち3【ニートたち】
早く有名になれぇー
805 :
森崎名無しさん
:2012/04/04(水) 21:26:33 ID:???
【一勝去って】11人の戦士たち3【また一勝?】
【1ボス+修哲VS】11人の戦士たち3【2ボス+修哲】
【ビーバーの次は】11人の戦士たち3【しっと神?】
806 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/05(木) 01:12:43 ID:???
>★ユーノ君は何を読むの?→ ハート7 =★
>ユーノ「(魔法をサッカーに応用する方法……あった!)」 サッカーと魔法を結びつける本だった
=============================================================================================
ユーノ=スクライアは非常に責任感の強い青年である。
かつて自身が紛失してしまった貴重なアイテムを探し、単身で異世界に捜索に向かった過去がある事からもそれは明らかであり。
そんな強い責任感を持つ彼は、前回の試合で自身がまるで役に立てていなかった事もまた強く気にしていた。
ユーノ「(勉強した限りでは……サッカーにおいて、サイドバックというのは基本的に両サイドに置くもの……らしい。
そして、レイさんの実力・特性を考えると、レイさんは今後常にサイドバックとして使う可能性が高い。
なら問題は逆サイドのサイドバックを誰にするかなんだけど……。
適正を考えれば、剣崎さんやカインさんよりも僕が置かれる事が多くなる筈……)」
基本的にイレギュラーズのメンバーのポジションは流動的であるが、
その中である程度固定のポジションにつく事のある選手というものは既に決まっている。
決定力はダントツだがそれ以外の能力は今一つなブースターはFW。完全に素人であり、キーパー練習しかしていない律子はGK。
ボールカットに優れ、キープ力もある水銀燈はボランチ。
そして、抜群のボール奪取力とスピードを生かしたオーバーラップを得意とするレイは、サイドバックである。
ここから逆算をするに、ユーノは今後もレイの逆サイドのサイドバックは自分が担う事になると考えた。
その際、ネックとなるのは自分とレイとを比較した際、どうしても見劣りする自分の実力不足。
それを補う為にも……と、ユーノはここで自らが使える魔法の力をサッカーに転用する方法は無いだろうかと本を調べたのである。
807 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/05(木) 01:13:50 ID:???
ユーノ「(佐野君の世界には魔法は無い……だから、常識的に考えればサッカーに魔法の力を転用するというのは不可能だ。
でも、この幻想郷には魔法というものが存在している。 その世界の書物ならば、可能性は……ん、あった!)」
瞑目し、周囲を旋回する本の中から目的のものを見つけ出したユーノは、そのまま魔法で本を自らの目の前に移させる。
そして、今度はその本に向けて手を翳すと同時、本はバラバラバラと音を立てて勝手にページが捲られてゆき……。
ユーノ「(よし、まずは基礎的なものは理解出来た。 次……!)」
もうその本に用は無いとばかりに、魔法で本棚へと戻す。
その後、ユーノはまた旋回している本の中から目的のものを見つけ、ページを高速で捲り、戻し……という動作を延々と続けるのだった。
ユーノ「(とはいえ、実践で使えるかどうかは練習の時に試さないとわからないな……頭で理解するのと実際にやるのとでは違うからね)」
※ユーノが魔法をサッカーに転用する術を知りました。次回のユーノの練習を手伝う際、ダイスが1つ増えます(1回限り)
808 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/05(木) 01:15:29 ID:???
パチュリー「……!」
小悪魔「うわっ!」
佐野「んがっ……? な、なんじゃありゃ!?」
そして、このユーノが魔法を使う事によって漏れた翡翠色の光は、離れた場所にいる佐野達の目からも確認されていた。
その光が放たれた瞬間、パチュリーは反射的にそちらに振り向き……小悪魔、佐野は突然の事に驚きの声を上げる。
小悪魔「パ、パチュリー様……あれって……」
パチュリー「検索魔法と読書魔法ね……」
佐野「魔法……? つーと、ユーノ君が出してるのかあの光?」
パチュリー「そうよ」
現代日本で育った為、当然のように魔法の知識など微塵も無い佐野は、パチュリーにあの光について詳しく尋ねる。
これにはパチュリーも少々めんどくさそうな表情を浮かべるも……渋々、といった様子で承諾をする。
曰く、パチュリーの話によるとあの光が放たれている場所の魔力の使われ方を察するに、
ユーノが使っている魔法は「検索魔法」と「読書魔法」というもの。
「検索魔法」とは、数あるものの中から目的のものを見つける為に使われるものらしく、
「読書魔法」とはその名の通り、本の中身を一瞬にして頭の中に刻み込む為に使われる魔法であるという。
佐野「え、何、魔法ってそんな事出来んの!?」
パチュリー「出来るわよ。 魔法使いは基本的に古い書物などを読み知識を集めるのだから、むしろ検索魔法・読書魔法は頻繁に使うわ。
……とはいえ、あいつの魔法は……」
佐野「ん? ユーノ君の魔法がどうかしたか?」
パチュリー「魔力量に比較して、異常なまでの数の本を検索し、読んでいるわね……」
佐野「……どういう事?」
パチュリー「普通の魔法使いならば出来ない多さの本を検索し、読んでいるの。
(しかも検索と読書、両者を同時に行っているわね……確か……名前は、ユーノ=スクライアだったかしら?)」
809 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/05(木) 01:16:36 ID:???
パチュリーの初見の感想は、ユーノの魔法使いとしての実力はそう高くはないというものだった。
実際、ユーノの魔力量―― 魔法使いとしての魔法を使う為のエネルギー量というのは、然程多くは無い。
パチュリーと比較をすれば、正に雲泥の差である。
だが、そのユーノの魔法を使う所を実際に見て……パチュリーは考えを改めた。
ユーノの魔力量は確かに低い……しかし、ユーノはそれを補うだけの技術があると認識したのである。
ユーノ「ただいま、佐野君」
佐野「おっ、お帰りユーノ君。 なんかめっちゃ凄い魔法とか使ってたな、パチュリーと小悪魔驚いてたぞ」
ユーノ「そんな……大した事はしてないよ。 それより佐野君、それは?」
佐野「おお、サッカー関連の本探してたら、なんか人形がより効率的にサッカー出来る本とかいうのを見つけてな。
必要そうな所だけ写して、次回の練習で水銀燈の奴にでも教えてやろうかと思って……」
数時間後、ようやく佐野が本の写しを完成させた頃。
タイミング良くユーノが佐野達のいる机まで戻り、両者は顔を見合わせてニコリと笑う。
その際、ユーノは佐野から凄い魔法を使っていた……と言われ、そんな事は無いと困ったような顔で否定するのだが……。
パチュリー「ユーノ」
ユーノ「……? 何かな、パチュリー」
そんなユーノに対し、相も変わらず本に視線を向けたままのパチュリーが声をかける。
凛とした冷たさを感じる声は、しかしよく通り。
ユーノは佐野との談笑の合間、ふい、と顔をパチュリーに向けて続きを聞こうとする。
パチュリー「またいつでも来なさい。 この図書館は、必要とする者には常に解放されているわ。
……最低限の礼儀を弁えていれば、の話だけど」
ユーノ「? う、うん。 ありがとう」
あまり言葉を交わしてはいないが、それでも何となくパチュリーが「人嫌い」な性格をしているという事は判別がつく。
そんなパチュリーが、いつでも来てもいいという言葉を吐いた事にユーノは少々驚くのだが……。
それでも、実にありがたい言葉だと受け止め、笑顔で感謝の意を伝える。
810 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/05(木) 01:17:51 ID:???
佐野「おい、俺は? 俺にはいつでも来いって言わないの?」
パチュリー「……あんたはどうでもいい」
佐野「………………」
小悪魔「ま、まあまあ。 佐野さんもいつでも来てください。 お待ちしておりますよ」
因みに佐野は自分はどうなのかとパチュリーに問いかけるも、素気無く返され、小悪魔に慰められていた。
佐野「そんじゃま、そろそろ帰るか」
ユーノ「そうだね。 今から帰らないと、夕飯の時間に遅れそうだ」
小悪魔「あ、それじゃあ玄関までお送りします」
その後、佐野達は机の上に置かれた時計を見て、そろそろお暇をする事にした。
帰る、と言ってもやはりパチュリーは顔も上げなければ別れの言葉もかけなかったが、
パチュリーの性格をなんとなく把握し始めた佐野達は特にその事に対しても反応せず。
見送りに行くと申し出た小悪魔を伴って、再び階段を上り正面玄関まで戻ってくる。
小悪魔「それでは、また」
佐野「おう。 今日はありがとうな、お陰でいい土産が出来たぜ(水銀燈が感謝してくれるかはわからんが)」
ユーノ「また来ると思うから、その時もよろしくね」
小悪魔「はい」
そして、小悪魔と挨拶を済ませ、お辞儀をする小悪魔に見送られながら玄関を出た佐野達だったのだが……。
佐野「そういえば、レイさんはどうしたんだろ?」
ユーノ「確か美鈴さんに用があるとか言ってたよね? どうなったんだろう……」
玄関を出た佐野達は、館に入る前に別れたレイの事が気になった。
美鈴に用があると言っていたのだから、恐らくは最初に美鈴がいた場所――。
門の前で今でもいるのかもしれない、と考え、急いでそこへと向かうのだが……。
811 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/05(木) 01:18:58 ID:???
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、
★中華vs中華→! card=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。
JOKER→???「貴様らは中国武術を舐めたッッッ!!!」 三つ編み?の筋肉モリモリの大男が血まみれのレイたちを見下ろしていた
ダイヤ・ハート→レイ「ハィンッ!!」 美鈴「ぐふぅ……」 レイがガッツポーズを取り、美鈴が地面に倒れていた
スペード→レイ「はぁはぁ……」 美鈴「ふぅふぅ……」 レイと美鈴が息を荒くしつつも戦っていた。え?今までずっと戦ってたの?
クラブ→美鈴「激流を制するは清水……」 レイ「げふぅ……」 美鈴がガッツポーズを取り、レイが地面に倒れていた
812 :
森崎名無しさん
:2012/04/05(木) 01:19:35 ID:???
★中華vs中華→
ハート5
=★
813 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/05(木) 01:20:37 ID:???
レイさんは出来る女。という所で、本日も短いですがここまでです。
続きは明日以降書かせていただきます。
それでは、お疲れ様でしたー。
814 :
森崎名無しさん
:2012/04/05(木) 01:25:59 ID:???
レイ 拳法
でグーグル検索したら南斗水鳥拳が出た、訴訟。
乙でした
815 :
森崎名無しさん
:2012/04/05(木) 01:47:32 ID:???
旋牙連山乙!
816 :
森崎名無しさん
:2012/04/05(木) 15:37:55 ID:???
しかし森崎板的には魔法使いってブーストか火力馬鹿なイメージがあるんで(リンダとかマリクとか岩見軍団とか魁ちんとか)
DFで魔法を応用する方法がぴんとこない件
817 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/06(金) 00:16:49 ID:???
>>814
どうも乙感謝。
う、美しい……ハッ!
>>815
乙感謝。レイさんを育てていけば、奥義を使える日もきっと来る……筈。
>>816
確かに魔法の力をディフェンスに使うというのは、魔法ブースト以外にあまりメジャーじゃないかもですね。
どんな感じに転用するかは、まあ追々わかるかもという事で。
本日はちょっと更新お休みです。それでは。
818 :
森崎名無しさん
:2012/04/07(土) 00:18:08 ID:???
【ポケモン】11人の戦士たち3【ブースターver】
【もう3スレ目だと】11人の戦士たち3【ユーノか?】
819 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/09(月) 01:26:33 ID:???
>★中華vs中華→ ハート5 =★
>レイ「ハィンッ!!」 美鈴「ぐふぅ……」 レイがガッツポーズを取り、美鈴が地面に倒れていた
============================================================================================
佐野「ど、どういう事なの……」
佐野とユーノが紅魔館の門前で見たもの……それは地面に横たわり、ボロボロとなってしまった美鈴。
そして、同じく衣服には汚れが目立つものの、実に凛々しい顔で決めポーズを決めるレイの姿であった。
思わず佐野は口をぽかんと開け、呆気に取られ。ユーノもユーノで困惑をしていたようだが、
それでも佐野とはこういった荒事には多少なりと慣れているのか、すぐさま美鈴の元へと駆けより抱き起すと、
先ほど佐野が図書館で見た翡翠色の魔方陣を一瞬にして展開し、手からもまた同色の光を発して美鈴へと当てる。
ユーノ「大丈夫ですか、美鈴さん?」
美鈴「ぐふぅ……え、ええ、かなーりこっぴどくやられましたが、幸い問題は無いです。
……というかなんですかこの光?」
ユーノ「回復魔法です」
佐野「ユーノ君本当に万能だなオイ(っていうかこの回復魔法っての、サッカーでの治療とかに使えねーのか?)」
ぽわぽわと暖かな光を痣や傷の部位に当て、治癒をするユーノ。
その光が当たっている箇所は徐々にではあるが傷が塞がっていくのが目に見えてわかり……。
佐野はこの力もサッカーなどで負傷をした際の治療などに使えないのだろうか、と思わず考えるのだが、
ユーノの話によるとこの回復魔法は多少の傷でも完治させるには時間が大きくかかる為、実用的ではないのだという。
佐野「え、じゃあなんで美鈴の傷はそんなに早く治ってるんだ?」
ユーノ「本人の回復力が高いと、傷は早く治るんだよ。 多分、美鈴さんが妖怪なのとも関係してるんじゃないかな……」
美鈴「私頑丈なのと立ち直りが早いのが売りでして」
佐野「(うーん、サッカーには使えんのか。 残念……)で、なんでこんなにボロボロになったんだよ……。
まあ、レイさんのポーズとか色々考えると答えは聞くまでも無いような気もするけど」
820 :
佐野の人
◆0RbUzIT0To
:2012/04/09(月) 01:27:52 ID:???
すっかり全快をした美鈴に、未だ決めポーズから戻っていないレイ。
両者を見比べながら佐野は一体どうしてこんなにボロボロになっていたのかと問いかけるのだが……。
返ってきた答えは予想通り、2人で"組手"をしていたからだ、というものだった。
佐野「俺の知ってる組手と違う」
美鈴「いやはや……里からも時々武道家の人間が私に挑戦にやってくるのですが、これだけこっぴどくやられたのは初めてですよ」
レイ「っていうかお前さん、あたいを人間だと思って最初舐めてただろ。
あれさえ無けりゃこんだけの差をつけて負けるなんて事も無かったろうにねぇ……」
美鈴「いやぁ……何せ、人間と妖怪ですから……」
佐野の知る限り、組手というものはここまで衣服がボロボロになったり、傷がつくものではない。
思わず呆れたような言葉を呟いてしまうのも致し方ないのだが、
一方でレイや美鈴にとってはこの程度は普通の事なのか……なんともにこやかに笑みを浮かべながら組手をしての感想を互いに述べている。
実力的には、美鈴は決して弱くはない――というより、そんじょそこらの妖怪に比較をすれば強い部類の妖怪である。
門番とは館の顔であり、門番の強さが館の格そのものを象徴していると言っても過言では無いのだから、
少なくともこの紅魔館のレミリアが認めるだけの実力があったという事は明らか。
しかし、そんな美鈴にレイは勝利を収めた。
これはレイの言うように、美鈴が当初レイをただの人間だと見くびっていた事も原因なのかもしれないが、
それでも戦いを進める内に美鈴も当然徐々に本気を出した。
それで負けてしまったのだから、これはもうレイの力と技術が美鈴を上回っているという事に他ならない。
美鈴「(参ったなぁ……人間に……スペルカードならともかく、肉弾戦で負けるなんて本当に久々……。
お嬢様、この事知ったら怒らないかなぁ……)」
レイ「ところで美鈴、幻想郷にゃ他にお前みたいに拳法使う奴なんかはいないのかい?」
美鈴「へ……そ、そうですねぇ……」
内心冷や汗を掻きながらこっそりため息を吐く美鈴に、レイは他に拳法を使うような人物は幻想郷にはいないのか、と問いかける。
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