キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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レス数が1000を超えています。残念ながら全部は表示しません。
【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】

1 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:41:56 ID:bpgysf+M

本作は恋愛SLG『みつめてナイト』を基にした二次創作です。

騎士の時代が終わりつつある南欧は架空の小国、ドルファン王国。
戦火の迫るこの国に傭兵として降り立った東洋人、森崎有三の体験する
波乱万丈の三年間を描きます。



2 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:43:27 ID:???

◆注意事項◆【最重要】
本作は二次・三次創作であり、原作の設定等とは大きく異なる描写があります。
本作では展開次第では主人公以外の登場人物全員に「死亡する可能性」があります。
また主人公を含めた登場人物全員に「極めて悲惨な境遇に陥る可能性」があります。
ヒロインや仲間も含めて例外や救済措置はありませんし、またその可能性は決して低くありません。
キャラクターの死や不幸を扱う作品が苦手な方は充分にご注意下さい。
また本作では世界観上、サッカーを行いません。

本作には特殊なローカルルールが多数存在します。
テンプレート、および外部サイトに用意いたしましたルール詳細をよくお読みになった上でご参加下さい。
特に【最重要】【重要】と書かれた項目には必ず目を通し、概要をご理解いただいた上で
ご参加下さいますようお願いいたします。

3 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:44:41 ID:???
◆基本ルール(抜粋版)◆

本ルールの詳細は以下のURLからご覧いただけます。
また本ルールに記載のない一切の事項はGMが都度裁定を行い、必要であると認めた場合は
適宜ルールの追加・改訂を行います。

ttp://www39.atpages.jp/msaki/rule.htm


▲本作の特徴【最重要】
本作では、単純な先行票決や不特定多数参加による多数決は原則として行いません。
本作において、参加者の皆様は「投票者」ではなく「プレイヤー」と位置づけさせていただきます。
このスレッドで行われるのは「キャラクターを演じ、物語を創作するゲーム」です。
物語の進行に関わる選択は「投票」ではなく「ロールプレイ」。
AやBや、ただ一文字のレスで参加できるシステムはこのスレッドにはありません。
どれに何票入ろうと、どれだけ早くレスをしようと、ここでは意味がありません。
採用されるのは優れた回答、それだけです。

・具体的には?
本作では選択肢を選んでいただく際、必ず「何か」を付記していただきます。
これは本作を形作る上での絶対条件であり、これを満たさない回答は例外なく無効として扱います。
「何か」は「なぜその選択肢を選ぶのか」という「理由」であったり、また「台詞」や「手法」といった
その選択肢を最大限に活かすための一手であったりと、様々です。
作中の状況、キャラの心情、ゲームシステムの分析……諸々の条件から「あなたの物語」を提示して下さい。
その中で「その時点での森崎の人物像と齟齬を来さず、最も優れた一つないし複数の回答」が採用され、
物語が展開していきます。

分析、経験、浪漫、共感、理屈、計算、打算、こじつけ、詭弁強弁…なんでも構いません。
じっくりと練り込んだ発想や戦略、言葉の力を見せて下さい。
そうしてGMと共に物語を創り上げていって下さい。
それがこのゲームに参加する、プレイヤーとなるということです。

4 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:45:42 ID:???
▲コテトリ必須【最重要】
本スレッドは「名無し投稿禁止」とさせていただきます。
参加される方はハンドルネームもしくはトリップ、あるいはその両方をつけて投稿して下さい。
GMは名無し発言に対しては一切レスをいたしません。
ゲーム中の選択や判定としても例外なく無効として扱います。
本作における参加者とは「読者」でも「投票者」でもなく、「プレイヤー」の皆様です。
物語の創作者である皆様を個人として識別し、継続的に遊んでいただくための仕様となります。
どうぞご理解いただきますよう、宜しくお願い申し上げます。

ハンドルネームとはいわゆる「森崎名無しさん」ではない、参加者個人を識別できる名前のことです。
またトリップとは、書き込みの際に「名前欄に # を先頭とした文字列を入れる」と生成される
暗号のようなものです。森崎板では主に各外伝スレッドのGMの皆様が使っていらっしゃいます。
本作ではプレイヤーの皆様方全員にこのどちらか、あるいは両方を使って参加していただきます。
ハンドルネームのみでのご参加も歓迎いたしますが、万が一騙りなどのトラブルが発生したときのため、
初回投稿の際のみで構いませんのでトリップをつけていただくようお願いいたします。

また、トリップキー(名前欄に入れる # 以下の文字列)はご自身で厳重に管理されるようお願いいたします。
キー漏れ、キー忘れ等によるプレイヤーデータの移譲は原則として認められません。
スレッド別に名前/トリップ管理の可能な専用ブラウザの導入を強く推奨いたします。
(GMはJane Styleを使用しています)
捨てトリップ(その発言のみで使用されるトリップ)の使用は禁止いたしませんが、
本作のシステム上、著しい不利を生じることをご認識の上でお願いいたします。


5 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:46:46 ID:???
▲CPとEP 【最重要】
本作ではプレイヤーの皆様方それぞれに、二種類のポイントが付与されます。
これを「CP(クリエイトポイント)」と「EP(エントリーポイント)」と呼びます。
本作のゲームシステム上、最も重要な項目となりますのでよくご理解いただきますようお願いいたします。

◎概要
これらのポイントを得る条件は「ゲームに参加していただくこと」です。
CPは選択レスがGMによって採用された場合などに付与されます。
EPは選択やカード・ダイス引きを通じてゲームに参加していただいた場合に付与されます。

得たポイントは様々な用途に使用できます。
ダイス目への数値加算、カードの引き直し、自由選択肢の創設、GMへのゲームヒントの要求など、
物語の進行上で有利になること尽くめです。
稼いだポイントを積極的に使うもよし、ここぞという場面で一気に放出するもよし。
皆様の判断でゲームを盛り上げて下さいませ。


6 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:51:58 ID:???
▲禁止事項 【最重要】
他のプレイヤーに対する攻撃的・否定的な発言や乱暴な言動、他者を不快にするような言動はおやめ下さい。
そうした発言やゲーム進行を著しく阻害する行為が確認された場合、参加をご遠慮いただくことがあります。


◎各種参照用資料

ルール詳細
ttp://www39.atpages.jp/msaki/rule.htm

獲得EP/CP一覧(随時更新)
ttp://www39.atpages.jp/msaki/points.htm


南欧略図
ttp://www39.atpages.jp/msaki/europe.png
ドルファン国略図
ttp://www39.atpages.jp/msaki/dolphin.jpg


7 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:54:15 ID:???
******

テンプレここまで、と言いたいところですが
初の戦争開始前ということで、戦争ルールのみ再掲いたします。


◆戦争パート◆

◎概要
特定の月には森崎の所属する傭兵隊に召集がかかり、戦地に出撃することになります。
このパートで活躍することで評価値が大きく上昇しますので、はりきって戦果を稼ぎましょう。


▲戦争パートの基本システム

◎戦争パートの流れ

開始時:
「マップ提示」→「目標提示・公約選択」→「ユニット編成」→「布陣」

ターン処理:
「移動・スキル指示」→「移動処理」→「戦闘処理」→「マップ提示」 (→以下、戦争終了まで繰り返し)

終了時:
「損害処理」→「戦果処理」

以上が戦争パートの基本的な流れとなります。

8 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:55:16 ID:???
◎兵種
戦争パートに登場するユニットは歩兵、弓兵、騎兵、弓騎兵、銃兵の五種類です。
この内、主人公の所属する外国人傭兵大隊はゲーム開始時点では歩兵、弓兵、騎兵のみが編成可能です。
弓騎兵はスキルによって編成可能となります。
銃兵は味方として使用することはできません。

・歩兵
騎乗しない長槍兵です。
標準的な攻撃力を持ち、周囲の1マスへ自由に移動できます。

・騎兵
騎乗した兵士です。
攻撃力は高く、前方3方向へ2マス移動できますが、傭兵大隊の所有する騎馬の数が編成の上限となります。
盾を持たないため弓兵の射撃は苦手としています。

・弓兵
弓を持った兵士です。
攻撃力は低めですが、3マス以内であれば隣接しなくても攻撃が可能です。
但し既に陣形崩壊状態以外の部隊と隣接している場合はそちらとの戦闘が優先されます。
周囲の1マスへ自由に移動できます。

・弓騎兵
弓を持った騎兵です。
移動および編成に関しては騎兵に、攻撃に関しては弓兵に準じます。

・銃兵
銃火器を装備した兵士です。
とても攻撃力が高く、2マス以内であれば隣接しなくても攻撃が可能です。
但し既に陣形崩壊状態以外の部隊と隣接している場合はそちらとの戦闘が優先されます。


9 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:56:18 ID:???
◎部隊パラメータ
戦争パートに出撃する各部隊には兵数、練度、士気というパラメータが存在します。

・兵数
その部隊の兵士数です。
一部隊に配置できる兵数の上限は1000人です。
損耗率が高くなる、つまり兵数が戦争パート開始時に配置した数より少なくなってくると
その部隊に所属しているネームドキャラに死亡判定が発生してしまいます。
損耗率が20%を超えた部隊はあまり無理をさせないようにしましょう。

・練度
その部隊がどれだけ戦術行動に習熟しているかを表します。
部隊の攻撃力やスキル使用などに影響します。
訓練パートの「部隊訓練」で上昇し、新兵の補充や部隊アクティブスキルの使用で減少します。

・士気
その部隊のテンションを表します。
基本的に戦争パート開始時に上限値まで回復し、戦闘を行う度に減少します。
傭兵大隊の総人数が少なくなりすぎると士気の上限値が低くなってしまいます。
この値が0になると部隊は「陣形崩壊」を起こします。


◎陣形崩壊
練度と士気の合計値が30を下回るか士気が0になる、あるいは指揮官が死亡してしまうと
そのユニットは「陣形崩壊」となり、部隊は潰走を始めます。
この状態に陥った部隊には行動指示が出せなくなり、毎ターン所属軍本陣方向に一マスずつ後退してしまいます。
その際に能動的な攻撃は行えず、また交戦時には強い不利補正を受けます。
また部隊に所属しているキャラクターの死亡判定にも影響を及ぼすため、敵がこの状態に陥った場合は
大きな戦果を稼ぐチャンスです。積極的に追撃しましょう。
逆にこうなった自軍ユニットは大ピンチです。できる限り庇ってあげて下さい。

10 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:57:19 ID:???
◎地形効果
戦場マップの地形には平地、市街、森林、山岳、砦、城壁、城門、川、湖、海、岩山などがあります。
「平地」「市街」には特に地形効果はありません。
「森林」に布陣する部隊は戦闘時のダメージを軽減できます。
「山岳」はダメージ軽減効果が高く、特に弓兵・銃兵からの攻撃の威力を大きく減少させます。
「砦」は極めて高いダメージ軽減効果を持ちます。
「城壁」は極めて高いダメージ軽減効果を持ち、かつ攻撃側は侵入できません。
「川」では全ユニットの移動力が1に制限されてしまいます。ダメージ軽減効果はありません。
「湖」「海」「岩山」には基本的に侵入できませんが、弓兵・弓騎兵・銃兵の射線を妨げることはありません。
「城門」は特殊な地形で、基本的に侵入できませんが、耐久力という数値を持ちます。
この地形は歩兵のみが攻撃対象とすることができ、ダメージ計算は耐久力を兵力と置換して行います。
耐久力が0になると市街と同じ扱いとなり通行が可能となります。


◎部隊スキル
敵味方には部隊戦闘で発動できるスキルを習得している者がいます。
森崎の習得している部隊アクティブスキルはターンごとのスキル使用処理の際に使用できます。
部隊パッシブスキルは基本的に常時発動しています。
敵将の中には戦場全体に影響を及ぼすような極めて強力なスキルを持った者もいますので注意して下さい。


◎時間の概念
戦争パートでは一日が朝・昼・夕・夜の四ターンに分割されています。
基本的に、夜間に移動および戦闘は行えません。


◎戦場イベント
戦争パート中に特定の条件を満たすとイベントが発生することがあります。
展開によってスキル習得、士気の増減、キャラの離脱など様々な結果をもたらしますが、
必ずしも自陣営が有利になるものばかりではありません。
イベントが発生した場合、ターン処理を中断してイベント処理を行います。
イベント終了後、中断していた処理から再開されます。

11 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:58:20 ID:???
▲戦争開始時の処理

◎マップ提示
戦争パートで最初に行われる、戦場図の公開です。
マップ構成は一マスをそれぞれ6つのマスが囲んだ、いわゆるHEX状となっています。
自軍で森崎の指揮下にない部隊と敵軍の布陣が終了した状態で公開されます。
またこのとき各部隊の兵数、練度、士気、部隊パッシブスキルが付記されるので、
しっかりと把握しておいて下さい。


◎目標提示・公約選択
軍部から「戦術目標」と「部隊目標」が通達されます。
よく理解して戦場に臨みましょう。
またこれらを参照の上で公約を選択して下さい。

・戦術目標
その戦争パートにおける勝利条件と敗北条件です。
敵味方のいずれかによってこの条件が達成されると戦争パートが終了します。
基本的には各軍本陣の崩壊もしくは大将の撤退が勝利/敗北条件となっていますが、
時間経過その他による条件も存在します。

・部隊目標 【重要】
自部隊に対して軍部から通達された、最低限これだけは達成しなければならない任務。
いわゆるノルマです。
これが未達の場合、その戦争における部隊評価は一律で0となります。
基本的にそれほど困難なものはありませんので、最優先で達成しておきましょう。

・目標用語の説明
目標には「敵部隊の撃破」「敵部隊の殲滅」などがあります。
撃破とは敵部隊を全滅させるか、もしくは陣形崩壊状態に陥らせることを指します。
殲滅とは全滅させることのみを指します。


12 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/25(水) 23:59:54 ID:???
◎公約
公約は戦争パートごとに設定できます。
戦場で指定される部隊目標や戦術目標とは別に、部隊長が個人的に部下へ約束する項目になります。
達成された目標の難易度に応じて部隊員の支持や評価値が上がるなどのメリットがありますが、
未達の場合は逆にそれらの値が下がることになってしまいます。
(但しGMの事前想定と実際の達成難易度が極端に乖離した場合は未達ペナルティを課さないなどの
 特例処置を取ることがあります)

◎ユニット編成
戦争パートでは、傭兵第一大隊をいくつかの部隊に分けることができます。
この分割された部隊をユニットと呼び、ここでユニットを編成します。
傭兵隊の総人数とネームドキャラの一覧が提示されますので、部隊をどう分けるのかを考えて下さい。
第一部隊の隊長は必ず森崎が務めます。
部隊を分けず、森崎の直属ユニットのみで戦場に臨むことも可能です。
部隊を分ける場合は、傭兵隊に所属するネームドキャラの中から各ユニットの隊長を指名する必要があります。
森崎以外にネームドキャラが存在しない場合は大隊の分割ができません。
また傭兵大隊の所有する騎馬数を超えて騎兵ユニットを編成することはできません。

・ユニット編成の注意点
ユニット編成の最大兵数は1000人、最小兵数は100人です。
傭兵第一大隊の総人数が1000人を超しているにもかかわらずネームドキャラが存在しない場合は
超過分を出撃させることができません。
また傭兵第一大隊の総人数が100人を切っている場合には戦場に出陣できません。
評価が大きく下がりますのでご注意下さい。
なお、ユニットの隊長でないネームドキャラのアクティブスキルは一つの戦場で一度しか使用できません。

・ユニット編成のポイント
本作において部隊の戦闘力を決定づけるのは兵数です。
部隊を分ければそれだけ兵数は小さくなり、攻防に大きな影響を及ぼしますが、かといって
一部隊だけで戦場に臨めば集中攻撃を受けた際に非常に危険になります。
大隊をいくつのユニットとするのかは文字通り勝敗を分ける極めて重要なポイントになりますが、
部隊目標や目の前に展開している(交戦が確定的である)敵の兵数が一つの目安になるでしょう。

13 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:00:57 ID:???
◎布陣
自軍で森崎の指揮下にあるユニットの布陣です。
一定範囲内で自由に部隊を展開して下さい。


▲ターンごとの処理

◎移動指示
移動指示は「移動処理の開始前」に指揮下の全ユニットに対して一斉に行います。
敵部隊や自軍の森崎指揮下にない部隊の行動を先読みして考えることが重要です。

・移動目標
それぞれのユニットに対して移動目標を定めます。
敵味方を問わず、既に部隊が存在しているマスには侵入できません。
また移動処理順の関係で先に進路を塞がれた場合は移動がキャンセルされます。

・スキル使用
森崎が部隊アクティブスキルを獲得している場合、それを使用できます。
また森崎が直接指揮を取る部隊の部隊員がアクティブスキルを所持している場合、
その使用を指示することができます。
森崎のアクティブスキル使用は部隊練度を消費しますが、練度の範囲内で一ターンにいくつでも使用できます。
但し同じスキルの重ねがけはできません。
部隊員のアクティブスキルは練度を消費しませんが、一つの戦場で一度しか使用できません。

別働隊長もしくは別働隊の隊員がスキルを所持している場合は独自の判断で使用します。
森崎が指示を出すことはできません。
また敵部隊もこのタイミングでスキルを使用してきます。


14 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:02:58 ID:???
◎移動処理
行動処理順は部隊練度の高い部隊からとなります。
同値の場合は自軍指揮下部隊→自軍指揮外部隊→敵軍となります。
部隊の練度は常に高く保つことが戦争を有利に展開するコツです。
自軍内での行動順は自由に設定可能です。

・撤退
本陣方向の最端まで移動した場合、そのユニットは戦場から撤退することができます。
自軍の指揮下にあるユニットが撤退した場合は戦果処理の段階で評価が下がります。


15 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:04:45 ID:???
◎戦闘処理
敵と隣接した部隊は自動的に戦闘を行います。
複数の部隊と隣接した場合、移動順の最も早い部隊から処理します。
森崎のダイス・プラグイン判定はプレイヤーの皆様が、敵のダイス・プラグイン判定はGMが振ります。
森崎の指揮下にある部隊の戦闘でのみダイスを振り、それ以外の部隊戦闘ではダイスを省略します。

・部隊戦闘計算値
部隊戦闘での計算式は以下の通りです。

[兵種打撃力+(練度/10 ※1)]*[兵数比]*[地形効果]*[陣形崩壊効果]+[! dice]=兵数ダメージ ※2

※1、※2……小数点以下切捨て。

自軍および敵軍の攻撃を同時に処理し、算出された兵数ダメージ値が両ユニットの兵数から減少します。
弓兵、弓騎兵、銃兵による射程外からの攻撃は反撃不能となり、敵軍からのダメージ計算を行いません。

・兵種打撃力
兵種打撃力は兵種により固有の攻撃力で、「歩兵20」、「騎兵25」、「銃兵40」です。
「弓兵・弓騎兵は歩兵に対し15、その他のユニットに対し20。但し隣接された場合は一律で10」となります。

・兵数比
兵数比は戦闘に参加する両ユニットの兵数を比べ、少ない方を1として
小数点第二位(以下切り捨て)で計算します。

・地形効果
地形効果は以下の通りとなります。
防御側が「森林」にいた場合、ダメージが10%減少。
防御側が「山岳」にいた場合、弓兵・弓騎兵・銃兵からのダメージが30%減少、
その他のユニットからのダメージが20%減少。
防御側が「砦」「城壁」「城塞」にいた場合、全ユニットからのダメージが30%減少。


16 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:05:49 ID:???
・陣形崩壊効果
陣形崩壊状態のユニットと戦闘した場合、攻撃側に200%が乗算されます。
また陣形崩壊状態のユニットは敵ユニットに与えるダメージが50%減少します。


◎士気ダメージ
戦闘を行ったユニットは兵数の損耗に応じて士気が減少します。

[兵数ダメージ/5](小数点以下切捨て)

が戦闘後にユニットの士気から減少します。
基本的に、戦闘を行うとどれほど有利であってもユニットは一定量の士気を消耗します。
(特殊なスキルで補正が加わっている場合を除く)
士気が0になると兵数が残っていても陣形崩壊となりますので、連戦には注意して下さい。


17 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:06:50 ID:???
◎キャラクターの死亡判定 【重要】
戦闘の結果、ユニットの兵数が戦闘開始時から50%以上の損耗を負った場合、
そのユニットに所属しているネームドキャラ全員の死亡判定を行います。
但しその戦闘マップにおける敵軍大将はこの判定の対象となりません。
また森崎と一部の重要キャラクターはこの判定に失敗しても死亡せず、入院となります。

判定は! numnumで行い、目標値はユニットの指揮官で

[損耗率(%)*100-50 (陣形崩壊時には+10)]

となります。
例)損耗率が60%のユニットが戦闘を行った場合は目標値10、陣形崩壊状態であれば目標値20となります。
目標値未満の数値が出た場合、当該キャラクターは死亡します。

指揮官以外の所属キャラの目標値は

[損耗率(%)*100-30 (陣形崩壊時には+20)]

となります。
例)損耗率が60%のユニットが戦闘を行った場合は目標値30、陣形崩壊状態であれば目標値50となり、
目標値未満の数値が出た場合、当該キャラクターは死亡します。

指揮官が死亡した場合、そのユニットは自動的に陣形崩壊となり回復ができなくなります。

18 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:07:51 ID:???
◎部隊戦闘の例

例1)
自軍歩兵/兵数500、練度40。
敵軍騎兵/兵数300、練度35。
自軍・敵軍共に平野に位置。

兵数比は1.66:1。
ダイス目は自軍5、敵軍4。

自軍攻撃計算:
兵種打撃力20+練度修正4=基本打撃力24
基本打撃力24*兵数比1.66=39.84
地形効果・陣形崩壊なし、ダイス5=兵数ダメージ44。
士気ダメージは8。

敵軍攻撃計算:
兵種打撃力25+練度修正3=基本打撃力28
基本打撃力28*兵数比1=28
地形効果・陣形崩壊なし、ダイス4=兵数ダメージ32。
士気ダメージは6。


19 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:08:52 ID:???
例2)
自軍歩兵/兵数200、練度35。
敵軍騎兵/兵数600、練度50。
敵軍のみ森林に位置、但し敵軍は陣形崩壊状態。

兵数比は1:3。
ダイス目は自軍2、敵軍5。

自軍攻撃計算:
兵種打撃力20+練度修正3=基本打撃力23
基本打撃力23*兵数比1=23
23*地形効果0.9*陣形崩壊2.0+ダイス2=43.4 となり、兵数ダメージは43。
士気ダメージは8。

敵軍攻撃計算:
兵種打撃力25+練度修正5=基本打撃力30
基本打撃力30*兵数比3=90
90*地形効果なし1.0*陣形崩壊0.5+ダイス5=兵数ダメージは50。
士気ダメージは10。


20 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:09:53 ID:???
◎一騎討ち
戦況の推移によっては、敵大将が一騎討ちを申し込んでくることがあります。
これに応じると個人戦闘に移ります。
戦場の全耳目を集めた闘いとなります。
勝利すれば大きな評価を得られますが、敗北すれば評価は下がります。
またこの戦闘からは逃亡できません。


▲戦争パート終了時の処理
敵味方どちらかが戦術目標を満たした場合、もしくは森崎が入院、あるいは森崎の直属ユニットが
戦場から撤退した場合、戦争パートは終了処理に移ります。
この処理は「損害処理」と「戦果処理」に分かれます。

・損害処理
第一外国人傭兵大隊所属のユニットの損害を算出します。

[総参戦兵数−残存兵数]/3=[死亡人数](小数点以下切捨て)
[騎兵の損耗数]=[騎馬の減少数]

となります。

・戦果処理
この戦争パートにおける戦果を計算します。
部隊目標達成、戦術目標達成、敵ユニット撃破、一騎討ち勝利がそれぞれ算出されます。
このとき、指揮下のユニットすべての戦果が総合されます。
森崎が入院、あるいは直属ユニットが撤退している場合はペナルティで戦果が減少します。
また「部隊目標」を満たしていない場合、一騎討ち勝利以外の戦果は0として計算されますので注意して下さい。

21 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:11:58 ID:???
******

以上で戦争ルールの再掲を終了いたします。

さて、いよいよ戦争パートが開始されます。
皆様、張り切って戦果を狙って下さいね。

スレタイは源氏 ◆rLDAH8Hy8Y様の案を採用させていただきました。
相容れない二者が戦場でどのような運命を辿るのか、楽しみになってくるような
タイトルをご提案いただきましてありがとうございました。
CP3を進呈いたします。


22 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:12:59 ID:???
******


*D26.7月
戦争パート


『イリハ会戦』


イリハはブルグント地方、北方の国境都市ダナンと交通の要衝ウエールを結ぶ街道沿いに位置する
旧軍自治区である。
大規模な演習場や練兵場が設けられていたが、軍事費の縮小に伴いその殆どが民間に下げ渡されて
農地として次第に開拓され始めていたその広大な地域を、戦火が包もうとしていた。

ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha_a.png

ダナンより街道を南下したヴァルファ三個大隊およそ2500の兵は、防衛線をイリハ付近へと構築する。
対するドルファン軍は七月十七日、騎士団二個大隊800、および外国人傭兵大隊300、そして
トロサ騎士団1200の総勢2300人がイリハ南部にて布陣。
ヴァルファと正面から対峙するのだった。

23 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:14:19 ID:???
◎マップ提示

ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha0.png

上図中、黄緑色のマスは平地、灰色は市街、濃緑色は森林、茶色は山岳、赤は砦を表します。


◎数値公開

凡例:
所属:軍名称
総兵数/部隊数
番号 部隊名 兵種 現兵数/開始時兵数、部隊練度、士気 (指揮官名)


味方:ドルファン第四大隊
兵数:300/部隊数:3
1 第四1 馬100/100,5,50(カイル・コーツ)
2 第四2 歩100/100,5,50
3 第四3 歩100/100,5,50

部隊パッシブスキル:なし

敵:ヴァルファ第三大隊
兵数:700/部隊数:5
1 第三1 馬200/200,50,50(疾風のネクセラリア)
2 第三2 馬150/150,50,30
2 第三3 馬100/100,50,30
4 第三4 歩100/100,50,30
5 第三5 歩150/150,50,30

部隊パッシブスキル:なし

24 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:15:21 ID:???
◎目標提示

部隊目標:敵5の撃破
戦術目標:敵1の殲滅
敗北条件:自軍1の撃破、味方1の殲滅、16ターンの経過

※「撃破」とは兵数を0にする、もしくは陣形崩壊状態、撤退状態にすることを指します。
 「殲滅」とは兵数を0にすることを指します。

公約:選択済

・分隊員(名前あり)から戦死者を出さない。(達成難易度:易)


25 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:16:24 ID:???
◎ユニット編成


※森崎が大隊長ではないためユニット編成はできません。
 自動で以下の編成となります。


自軍:外国人傭兵大隊
兵数:300/部隊数:2

1 傭兵1 馬150/150,30,50

部隊長:
ヤング・マジョラム
アクティブスキル:消費練度
一喝:30
(指揮下の一部隊の陣形崩壊状態を解消する。部隊長が死亡している場合は効果を発揮しない)
フォロー・ミー:25
(指揮下の全部隊の士気を20アップする。また使用ターン、指揮下の全部隊の移動力を+1する)
パッシブスキル:なし

部隊員:
トニーニョ
所持スキル:
威圧Lv1(隣接する敵一部隊の士気を-10する)

26 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:17:25 ID:???
2 傭兵2 弓150/150,30,50

部隊長:
森崎有三

アクティブスキル:消費練度
鼓舞:10
(任意の味方一部隊の士気を+20する)
鉄壁:10
(使用ターン、任意の1部隊の防御ダメージを50%にする)

パッシブスキル:なし


部隊員:
ネイ
所持スキル:
鼓舞Lv1(所属する部隊の士気を+10する)

ジェトーリオ
所持スキル:
撹乱Lv1(ランダムで敵一部隊の行動をキャンセルする。成功率は1/3)

27 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:18:26 ID:???
◎布陣
マップ上、青く変化している部分に自軍部隊を布陣させて下さい。
その際、「部隊番号、上から何段め、左から幾つめのマス」という形式で指定して下さい。


※森崎が大隊長でないため、今回は自由な布陣はできません。
 以下の通りに決定されます。


ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha1.png

28 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:21:11 ID:???
◎開戦

・ターン1 行動指示フェイズ

自軍2(森崎隊)の行動方向を選択して下さい。
行動範囲は周囲1マスです。

現時点でユニットがいるマスも指定可能ですが、移動処理フェイズ時に進行方向にユニットがいる場合は
移動がキャンセルされますので注意して下さい。
またアクティブスキルを使用する場合にはこの時点で指定して下さい。

その際【行動理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『7/27 23:30』です。


※行動処理順は部隊練度の高い部隊からとなります。
 同値の場合は自軍指揮下部隊→自軍指揮外部隊→敵軍となります。
 この場合は「敵軍」→「自軍」→「味方」となります。
 自軍内での行動順は自由に設定可能です。


29 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/26(木) 00:23:23 ID:???
******

スレ立てが遅くなりまして申し訳ありません。
最終調整に手間取りましたが、いよいよ開戦です。
ルールテンプレをご覧いただく必要のない方は>>21からご覧下さいませ。

といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

30 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/07/26(木) 11:49:59 ID:???
右上に移動
理由 ヤング隊は恐らく北に移動して味方3と連携して敵5を叩きに行くと思いますね。
敵5の出方がどうかはわかりませんが南に行けばこのターンで戦闘になると思います。
次のターンで森崎隊が攻撃する為にもここに移動した方が良いと思います。

31 :◆W1prVEUMOs :2012/07/26(木) 21:01:52 ID:???
新スレおめです

32 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/27(金) 02:30:30 ID:???
ご回答ありがとうございます。
それでは早速ですが、>>28の選択については……

>>30 さら ◆KYCgbi9lqI様の回答を採用させていただきます!
積極的な攻めの姿勢ですね。
CP3を進呈いたします。


>>31
ありがとうございます。
今後も精進していきますので、宜しくお願いいたします。

33 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/27(金) 02:31:30 ID:???
******

・右上に移動


「……よっ、ほ……っと、うおぉ!? あっぶねぇ……」

布陣を終え、緊張も頂点に達しようという陣の中心で奇妙な声を上げたのは誰あろう、森崎有三である。
周りを囲む傭兵たちがそれぞれ弓を持って矢筒を背負った徒立ちの中、ひとり馬上の人なのは
分隊長という立場ゆえであった。

「おいモリサキ、お前……大丈夫か?」
「そうだよ〜、隊長が会敵前に落馬して死にました、なんて笑い話にもならないからね〜」
「ぐっ……こんなことなら馬術の訓練もしておくんだったぜ」

脇に立つネイと、そのネイの背中に貼りつくようなジェトーリオの白い目に耐えながら、
森崎が前方を見やる。
隠密行動を図る局面や敵銃兵の射撃が予想される場面では下馬することにもなろうが、
高く開けた視界というのは周辺の状況確認には欠かせぬものであった。

「すぐ前にはヤングのおっさんの第一分隊。森の向こうにはあのアホ面どもが並んでる……はずだよな。
 ……チッ、思い出したらムカついてきたぜ」

布陣前、軍議の席での出来事である。
敵前線は広く分散しているため、兵力に劣るこちらは突破点を定め戦力を集中すべきだと主張した
ヤングに対し、王都騎士団第四大隊長カイル・コーツ大佐は言ったものである。
―――我ら陸戦の雄たるドルファン軍、数の劣勢など問題にならず、と。
ならばせめて右翼は任せてほしいと具申した森崎に飛んだのは罵声と嘲笑、侮蔑であった。
無論、第四大隊を構成する騎兵の半数以上を占める自由騎士たちである。
曰く平民が余計な口を挟むな。曰く傭兵など後ろで金勘定でもしていろ。曰く戦場は我らの舞台よ。
思わずヤングと目を見交わし頭を抱えた、それらの声に押し切られた結果が、この布陣であった。

34 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/27(金) 02:32:33 ID:???
「……よく言うよな、戦馬にまでゴッテゴテの重装させた挙句、従卒どもとパイク兵に囲まれて
 丸っきり動けねえ、見せかけだけの騎兵のクセに……」
「前にいるあれ、ただの歩兵部隊だよね〜」

ぼそりと漏らした呟きに応えるようなジェトーリオの同意に、ネイが目を丸くする。

「……お前もたまにはマトモなこと言うんだな」
「わ〜い、ネイくんに褒められた! これってもうほとんど告白だよね!」
「なあ森崎、やっぱりまずコイツから血祭りに上げていいか」
「ああ、生還できたらな」

いつもの掛け合いを適当にいなしつつ思案に耽っていた森崎が、不意にぐるりと周囲を見渡すと、
声を張り上げる。

「……出るぞ! 昼までには森の東側まで辿り着く!」
「おっ、やる気だねえ」
「ヤングのおっさんは本当なら真っ直ぐ森の中を進みたいだろうが、生憎とあの銀ピカどもが邪魔くせえ。
 となりゃあ、東側の平原に張り出してくるはずだ。俺たちはそいつを援護できる位置に回るぞ。
 ……進軍開始!」

と、馬上で抜刀しようとした森崎の身体がぐらりと揺れる。

「うわ、っと、と……!」
「どうにも締まらねえなあ、ウチの隊長は……」


******

35 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/27(金) 02:33:43 ID:???
・ターン1 移動処理

敵1……動きませんでした。
敵2……東、東に移動。
敵3……南西、南西に移動。
敵4……南東に移動。
敵5……南東に移動。

自軍1……北東、北東に移動。
自軍2……北東に移動。

味方1……動きませんでした。
味方2……北東に移動。
味方3……北東に移動。会敵!

***

前方、森が揺れる。

「報告します! 第四大隊第三部隊、正面敵部隊に突撃開始!」

伝令の報告に森崎は思わず耳を疑う。

「嘘だろ!? 数が揃わねえ内に突っかけるのかよ! ヤングのおっさんを待てよ!」
「おいモリサキ、左翼も森から出ていったぞ!」

ネイの指差す先、遥か丘の彼方にも土煙が見て取れる。
斥候の伝えてきたところによれば、確か左翼に至っては兵力差は倍に近かったはずだった。

「クソッタレ、これだからボンボンどもってのは……!」

***

36 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/27(金) 02:34:44 ID:???
***

※戦闘に移行します。

◎戦闘処理
味方3 vs 敵5

味方3
歩100/100、練度5、士気50
[兵種20+練度0]*[兵数比1]*[地形0.9]=18
兵数ダメージ18、士気ダメージ3

敵5
歩150/150、練度50、士気30
[兵種20+練度5]*[兵数比1.5]=37.5
兵数ダメージ37、士気ダメージ7

結果:
味方3
歩 63/100、練度5、士気43

敵5
歩132/150、練度50、士気27


37 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/27(金) 02:35:47 ID:???
***

鎧袖一触。
闇雲に突撃した自由騎士は恐ろしいまでに統制の取れた槍衾の餌食となって次々に落馬し、
捕虜となっていく。
悲惨なのは周囲の従卒たちである。
こちらには情け容赦のない刃が待っていた。
悲鳴と、血飛沫が飛ぶ。

***


・ターン1 終了


38 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/27(金) 02:36:47 ID:???
・ターン2(昼)

◎マップ提示

ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha1.png

自軍:
1 傭兵1
 馬150/150、練度30、士気50(ヤング・マジョラム)
2 傭兵2
 弓150/150、練度30、士気50(森崎有三) 

味方:
1 第四1
 馬100/100、練度5、士気50(カイル・コーツ)
2 第四2
 歩100/100、練度5、士気50
3 第四3
 歩 63/100、練度5、士気43

敵軍:
1 第三1
 馬200/200、練度50、士気50(疾風のネクセラリア)
2 第三2
 馬150/150、練度50、士気30
2 第三3
 馬100/100、練度50、士気30
4 第三4
 歩100/100、練度50、士気30
5 第三5
 歩132/150、練度50、士気27


39 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/27(金) 02:38:02 ID:???
>>38 すみません、以下に訂正です。

◎マップ提示

ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha2.png

自軍:
1 傭兵1
 馬150/150、練度30、士気50(ヤング・マジョラム)
2 傭兵2
 弓150/150、練度30、士気50(森崎有三) 

味方:
1 第四1
 馬100/100、練度5、士気50(カイル・コーツ)
2 第四2
 歩100/100、練度5、士気50
3 第四3
 歩 63/100、練度5、士気43

敵軍:
1 第三1
 馬200/200、練度50、士気50(疾風のネクセラリア)
2 第三2
 馬150/150、練度50、士気30
2 第三3
 馬100/100、練度50、士気30
4 第三4
 歩100/100、練度50、士気30
5 第三5
 歩132/150、練度50、士気27

40 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/27(金) 02:39:11 ID:qcDcr41Y
・ターン2 行動指示フェイズ

***


「大隊長より伝令! 弓兵による援護射撃の後、突撃するとの由!」

一報に、我が意を得たりと口角を上げる森崎。

「よし! なら俺たちが第一分隊より先に動くぞ! 目標は……」


***


自軍2の行動方向を選択して下さい。
現時点でユニットがいるマスも指定可能ですが、移動処理フェイズ時に進行方向にユニットがいる場合は
移動がキャンセルされますので注意して下さい。
またアクティブスキルを使用する場合にはこの時点で指定して下さい。

その際【行動理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『7/27 19:30』です。

41 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/27(金) 02:40:51 ID:???
******

戦争パートは特殊イベントが起こらない限りなるべくテキストを少なめに、
サクサク進行を指向しております、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。

今回の選択はいつもより期限が早いのでご注意下さい。
それではまた、次回更新にて。


42 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/07/27(金) 07:59:47 ID:???
>>28の選択肢の締め切り日が一日早いですけど良いんでしょうか?

43 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/27(金) 08:14:21 ID:???
>>42
言われて初めて気づきました……ご指摘ありがとうございます。
それでは、>>32-40の展開については一旦破棄、改めて

>>28の期限を『本日23:30』として」

再度選択待ちとさせていただきます。
またロールバック補償としまして>>30のご回答へのCP3は変わらず付与させていただきます。
加えまして、致命的なミスをご指摘いただきましたことに感謝を込めましてCP3を進呈いたします。

>>32以降の処理はすべて再度行わせていただきます。
…他の部隊の未来がちょっとだけ見えておりますが、そこは初回ターンのサービスということで。
この度は混乱を招く手違い、申し訳ありませんでした。

44 :森崎名無しさん:2012/07/27(金) 09:28:51 ID:???
右上に移動
スキル・鉄壁を味方3に発動
行動理由】ヘボ騎士相手でも防御スキルは最初から使わないと兵数比がとんでもないですからね。防御は最大の攻撃です
     森崎隊は弓兵なので兵数比の無い攻撃機会が増えると思うので、練度による攻撃増加もそんなに旨みが無いですし

45 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/07/27(金) 09:29:58 ID:???
すみません、名前出していませんでした
右上に移動
スキル・鉄壁を味方3に発動
行動理由】ヘボ騎士相手でも防御スキルは最初から使わないと兵数比がとんでもないですからね。防御は最大の攻撃です
     森崎隊は弓兵なので兵数比の無い攻撃機会が増えると思うので、練度による攻撃増加もそんなに旨みが無いですし

46 :◆W1prVEUMOs :2012/07/27(金) 19:02:32 ID:???
左上に移動
味方3はヤングに任せて、遠すぎて無意味だと分かってるけど全滅必死の味方2を助けに行く

マップの見方がやっと分かったほどシミュレーションRPGニガテなので何か発言してぶっちゃけEP目的です

47 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/07/27(金) 22:32:52 ID:???
左上に移動

地形効果のあるところにいた方が安心できるので


48 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/07/27(金) 22:51:07 ID:???
あれ?左上行けるの?
敵味方を問わず、既に部隊が存在しているマスには侵入できませんってあるんだが

内容はそのままで左上に移動と変更します

49 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/07/27(金) 23:09:26 ID:???
うーむ、行動処理順でのキャンセルもお互い移動でかち合ったときみたいだしなあ
どの道森崎隊が先に動くし意味ないな

すみませんがさらに変更して右上に移動に戻します

50 :◆9OlIjdgJmY :2012/07/27(金) 23:27:56 ID:???
右上に移動
理由 とりあえずスキルは温存したまま進軍してみようかと

51 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 01:20:31 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
この度の期限ミスにつきましては重ねてお詫び申し上げます。

さて、それでは改めまして、>>28の選択については……

>>45,49 ノータ ◆JvXQ17QPfo様の回答を採用させていただきます!
恥ずかしながら、ここで味方3に鉄壁使用という発想はまったくありませんでした。
なるほど、こうなると右翼の展開がかなり変わってきますね。
実に面白い一手でした。
CP3を進呈いたします。

ただ一点、弓兵による間接攻撃にも兵数比は適用されますので、練度消費により
若干のダメージ減は予想されますね。
但しダメージ計算にはダイスが振られますので、もし妖怪いちたりないが出没した際には
(ちょっとお高くなりますが)数値加算が可能です。


52 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 01:21:58 ID:???
>>46
森崎隊は一ターンに一マスしか移動できませんので、さすがに間に合いませんね……。
で、本音の部分についてですが、勿論それでも結構ですよw
地道なひと稼ぎが後々効いてくるものです。

>>47
はい、地形効果のダメージ軽減は頼りになります。
逆に相手がその効果を利用してくると意外と粘られてしまって面倒ですね。

>>48-49
これはルール表記の仕方が悪かったですね。

「敵味方を問わず、そのユニットの『移動処理が行われる時点』で既に部隊が存在しているマスには侵入できません。
 移動処理順を考慮して、指示段階でユニットが存在しているマスを移動先として指定することは可能ですが、
 処理時点で移動経路が塞がれている場合は移動がキャンセルされます」

とするべきでした。
ルールも改訂しておきます。

>>50
はい、GMとしての想定もその方向だったのですが、やはり様々な切り口があるものですね。


ご回答いただいた皆様にそれぞれEP1を進呈いたします。

53 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 01:22:59 ID:???
******


・右上に移動、味方3に『鉄壁』を使用


「……よっ、ほ……っと、うおぉ!? あっぶねぇ……」

布陣を終え、緊張も頂点に達しようという陣の中心で奇妙な声を上げたのは誰あろう、森崎有三である。
周りを囲む傭兵たちがそれぞれ弓を持って矢筒を背負った徒立ちの中、ひとり馬上の人なのは
分隊長という立場ゆえであった。

「おいモリサキ、お前……大丈夫か?」
「そうだよ〜、隊長が会敵前に落馬して死にました、なんて笑い話にもならないからね〜」
「ぐっ……こんなことなら馬術の訓練もしておくんだったぜ」

脇に立つネイと、そのネイの背中に貼りつくようなジェトーリオの白い目に耐えながら、
森崎が前方を見やる。
隠密行動を図る局面や敵銃兵の射撃が予想される場面では下馬することにもなろうが、
高く開けた視界というのは周辺の状況確認には欠かせぬものであった。

「すぐ前にはヤングのおっさんの第一分隊。森の向こうにはあのアホ面どもが並んでる……はずだよな。
 ……チッ、思い出したらムカついてきたぜ」

布陣前、軍議の席での出来事である。
敵前線は広く分散しているため、兵力に劣るこちらは突破点を定め戦力を集中すべきだと主張した
ヤングに対し、王都騎士団第四大隊長カイル・コーツ大佐は言ったものである。
―――我ら陸戦の雄たるドルファン軍、数の劣勢など問題にならず、と。
ならばせめて右翼は任せてほしいと具申した森崎に飛んだのは罵声と嘲笑、侮蔑であった。
無論、第四大隊を構成する騎兵の半数以上を占める自由騎士たちである。
曰く平民が余計な口を挟むな。曰く傭兵など後ろで金勘定でもしていろ。曰く戦場は我らの舞台よ。
思わずヤングと目を見交わし頭を抱えた、それらの声に押し切られた結果が、この布陣であった。

54 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 01:24:01 ID:???
「……よく言うよな、戦馬にまでゴッテゴテの重装させた挙句、従卒どもとパイク兵に囲まれて
 丸っきり動けねえ、見せかけだけの騎兵のクセに……」
「前にいるあれ、ただの歩兵部隊だよね〜」

ぼそりと漏らした呟きに応えるようなジェトーリオの同意に、ネイが目を丸くする。

「……お前もたまにはマトモなこと言うんだな」
「わ〜い、ネイくんに褒められた! これってもうほとんど告白だよね!」
「なあ森崎、やっぱりまずコイツから血祭りに上げていいか」
「ああ、生還できたらな」

いつもの掛け合いを適当にいなしつつ思案に耽っていた森崎が、不意にぐるりと周囲を見渡すと、
声を張り上げる。

「……伝令!」

呼びかけに応じて現れた伝令兵に、森崎が指示を出す。

「先行するのは構わねえが、相手は多勢だ。盾を並べて隙を作るなと伝えろ!
 宛は……第四大隊、第三部隊長だ、行け!」

その宛先に、周囲がどよめいた。
代表するように、ネイが口を出してくる。

「お、おいおい……モリサキよ、相手はあの自由騎士どもだぜ?
 まともに話を聞き届けるとはとても……」
「あの連中だから言うんだよ。少しでも戦力になってもらわにゃ困るからな。
 それに……無駄死にするのは騎士どもじゃねえ、周りの従卒や徴募の歩兵どもだ」

渋面を作る森崎。

55 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 01:25:29 ID:???
「裕福な家系の騎士は運が悪くなけりゃ殺されねえ。捕らえれば人質として身代金が取れるからな。
 槍で突かれるにしても腕や足、鎧の上からぶん殴られたってアバラ何本って勘定で済む。
 俺たち傭兵相手と違って、いきなり喉首かっさばかれるってこたあねえんだ。だがよ……」
「周りの連中は下男や農民、お金にならないし、まあ容赦はしてくれないだろうね〜」

言葉を引きとったのはジェトーリオである。

「……すまねえ、モリサキ。余計な口を出しちまった」
「いや、いいさ。お前の言う通り、連中が聞く耳を持つかどうかまではわかんねえしな。
 それでも打てる手は打っておきてえってだけよ」

ネイに言った森崎が、再び周囲を見回して大声を出す。

「話はここまでだ、俺たちも出るぞ! 昼までには森の東側まで辿り着く!」
「……やる気だねえ」
「ヤングのおっさんは本当なら真っ直ぐ森の中を進みたいだろうが、生憎とあの銀ピカどもが邪魔くせえ。
 となりゃあ、東側の平原に張り出してくるはずだ。俺たちはそいつを援護できる位置に回るぞ。
 ……進軍開始!」

と、馬上で抜刀しようとした森崎の身体がぐらりと揺れる。

「うわ、っと、と……!」
「……いいコト言った後にこれだよ。どうにも締まらねえなあ、ウチの隊長は……」

呆れたような周囲の視線が、手綱にしがみつく森崎に容赦なく突き刺さるのだった。


******

56 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 01:28:00 ID:???
******


・ターン1 移動処理

敵1……動きませんでした。
敵2……東、東に移動。
敵3……南西、南西に移動。
敵4……南東に移動。
敵5……南東に移動。

自軍1……北東、北東に移動。
自軍2……北東に移動。

味方1……動きませんでした。
味方2……北東に移動。
味方3……北東に移動。会敵!


***

57 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 01:29:01 ID:???
***

前方、森が揺れる。

「報告します! 第四大隊第三部隊、正面敵部隊に突撃開始!」

伝令の報告に森崎が嘆息する。

「やっぱりこうなったか。数が揃わねえ内だってのに……ヤングのおっさんを待てっつーの」
「ですが、第三部隊は防護を固めつつ慎重に前進しているようです!」
「一応、お前の声が通じたみたいだな、モリサキ」
「ああ……ま、伝令を聞いて周りが各々勝手にやっただけかも知れねえけどな。
 何しろ騎士どもは大抵、指揮訓練も何も受けてねえド素人だ。
 百人からの行動はとてもまとめられねえさ」

ネイが言うのへ、森崎が首肯を返した途端である。
慌てたような声が走った。

「ね、ねえモリサキ! 左翼も森から出ていくよ〜!」

ジェトーリオの指差す先、遥か丘の彼方にも土煙が見て取れる。
斥候の伝えてきたところによれば、確か左翼に至っては兵力差は倍に近かったはずだった。

「あっちもかよ! さすがに面倒見きれねえぞ! クソッタレ、これだからボンボンどもってのは……!」

***

※戦闘に移行します。

58 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 01:30:19 ID:???
◎戦闘処理
味方3 vs 敵5

味方3
歩100/100、練度5、士気50
[兵種20+練度0]*[兵数比1]*[地形0.9]=18
兵数ダメージ18、士気ダメージ3

敵5
歩150/150、練度50、士気30
[兵種20+練度5]*[兵数比1.5]*[スキル『鉄壁』0.5]=18.75
兵数ダメージ18、士気ダメージ3

結果:

味方3
歩 82/100、練度5、士気47

敵5
歩132/150、練度50、士気27

***

前衛の槍兵がびっしりと隙なく盾を並べながらじりじりと前進する第三部隊。
統制と兵力の差を亀のように固めた防護で耐え凌ぐ姿に、さしものヴァルファも攻め手を欠いた。
一進一退の攻防が続く。

***


・ターン1 終了

59 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 01:31:21 ID:???

・ターン2(昼)

◎マップ提示

ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha2.png

自軍:
1 傭兵1
 馬150/150、練度30、士気50(ヤング・マジョラム)
2 傭兵2
 弓150/150、練度20、士気50(森崎有三) 

味方:
1 第四1
 馬100/100、練度5、士気50(カイル・コーツ)
2 第四2
 歩100/100、練度5、士気50
3 第四3
 歩 82/100、練度5、士気47

敵軍:
1 第三1
 馬200/200、練度50、士気50(疾風のネクセラリア)
2 第三2
 馬150/150、練度50、士気30
2 第三3
 馬100/100、練度50、士気30
4 第三4
 歩100/100、練度50、士気30
5 第三5
 歩132/150、練度50、士気27

60 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 01:32:21 ID:???
***


・ターン2 行動指示フェイズ


***


「大隊長より伝令! 弓兵による援護射撃の後、突撃するとの由!」

一報に、我が意を得たりと口角を上げる森崎。

「よし! なら俺たちが第一分隊より先に動くぞ! 目標は……」


***


自軍2の行動方向を選択して下さい。
現時点でユニットがいるマスも指定可能ですが、移動処理フェイズ時に進行方向にユニットがいる場合は
移動がキャンセルされますので注意して下さい。
またアクティブスキルを使用する場合にはこの時点で指定して下さい。

その際【行動理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『7/28 18:00』です。


******

61 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 01:38:38 ID:TIC1w2O+
******


『鉄壁』の使用による影響はこのターンの19ダメージだけに留まりません。
兵力差の拡大を防いだため、次ターンにもし戦闘が継続した場合は未使用時と使用時の差が推定12ダメージ。
勿論この後にも更に影響は及びますが、直近だけで31ものダメージ差が出るということになります。
防御スキルは早期に使えば使うほど効果が大きいという素晴らしい実例でした。

といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

62 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/07/28(土) 07:11:39 ID:???
左上に移動

敵5を射程にとるため近づく。敵2の接近も気になるので、こちらで

63 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/07/28(土) 08:44:23 ID:???
左上に移動
【行動理由】敵5への攻撃と共に、次ターン敵2を崩すための接近をする
特に何も書かれていませんでしたが、マップの青い部分を水関係であるなら森崎隊は敵2の攻撃を受けないはず

間接攻撃の戦闘タイミングはどうなるのでしょうか。戦闘処理にある隣接攻撃と同じように行動順ですか?

64 :◆9OlIjdgJmY :2012/07/28(土) 11:06:57 ID:???
左上に移動

敵5を倒して手早く部隊目標を達成したいので。

65 :◆W1prVEUMOs :2012/07/28(土) 11:28:45 ID:???
>>52
移動先のヤング隊は自軍だから、行動順は自由に設定可能ということで
右上に移動は可能だったということでよいですか?

66 :◆W1prVEUMOs :2012/07/28(土) 11:30:06 ID:???
×右上
○左上

67 :◆W1prVEUMOs :2012/07/28(土) 11:37:32 ID:???
左上に移動
敵に最短で近づけるから

68 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/07/28(土) 11:42:41 ID:???
左上に移動
敵5へ味方の3部隊で攻撃すれば壊滅するのも早いと思います。
敵2の備えもするには、この場所が適切かと思います。

69 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 12:03:48 ID:???
>>63
まず青は湖ですね。凡例に不足がありまして申し訳ありません。
仰る通り敵2は湖を直進できませんので、森崎隊へ攻撃するとすれば
一旦迂回する必要があります。

また間接攻撃の戦闘タイミングも仰る通りで、移動処理を行った後、
敵部隊が射程に入っていた場合にその時点で戦闘処理が発生します。


>>65
はい、そうお考えいただいて結構です。
厳密に言えばヤング隊は森崎の指揮外なので本来は「味方」扱いですが、
マップ提示でも表示している通り、今回は「自軍」として扱い、基本的には
プレイヤー側に有利な順序で自動的に処理しています。

今回の戦争は初回ということでチュートリアルという意味合いもあり、
若干特殊な仕様とさせていただいております。
この点も説明が不足しておりまして申し訳ありませんでした。

但しルール上にもあるように、練度が同値である場合は自軍→味方という
処理順となりますので、いずれにせよ移動指示での経路指定は可能でした。
またスキル使用による練度の変動は「移動処理の時点」で行われます。

70 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/28(土) 12:06:00 ID:???
>>69訂正です。
×但しルール上にもあるように、練度が同値である場合は自軍→味方という
 処理順となりますので、いずれにせよ移動指示での経路指定は可能でした。

○ルール上にもあるように、練度が同値である場合は自軍→味方という
 処理順となりますので、移動指示での経路指定自体は可能ですが
 移動はキャンセルされます。(ですので、基本的には案が採用されません)

71 :◆W1prVEUMOs :2012/07/29(日) 10:20:28 ID:???
>>70
dです

72 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 12:55:24 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>60の選択については……

>>63 ノータ ◆JvXQ17QPfo様の案を採用させていただきます!
次ターンで敵2を射程に収めても、その更に次のターンでは湖を挟んでいるために密着されないことまで
しっかりと予測されていますね。
ただ、次ターンも基本的に敵軍の方が早く移動処理をされることにはご注意下さい。
CP3を進呈いたします。

また次ターンの敵2への対処に言及いただいている>>62 Q513 ◆RZdXGG2sGw様、>>68 さら ◆KYCgbi9lqI様にも
次点としてそれぞれCP1を進呈いたします。


>>64
はい、部隊目標はきっちりこなしておきたいところですね。
自部隊の攻撃によるものでなくても達成できますし、連携して仕留めていきましょう。

>>67
はい、弓兵は足が遅いので、毎ターンきっちり移動していかないと戦況に乗り遅れてしまいます。
ただ密着されると分が悪いという欠点もありますので、突出しすぎることには注意したいところです。
その点にさえ気をつければ、かなり有利なユニットですね。

73 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 12:58:33 ID:???
******


・左上に移動


「森に入って第一分隊を援護するぞ! 敵部隊が射程に収まり次第、一斉に弓射開始!
 敵をハリネズミにしてやれ!」

森崎の号令一下、第二分隊が動き始める。
その頃、ついに左翼でも敵部隊との交戦が開始されていた。


******

・ターン2 移動処理

敵1……動きませんでした。
敵2……南東、南東に移動。
敵3……南東に移動。 会敵!
敵4……南東に移動。
敵5……動かず。 会敵!

自軍2……北西に移動。 射程内に敵影!
自軍1……北東に移動。 会敵!

味方1……動きませんでした。
味方2……動けず。 会敵!
味方3……動けず。 会敵!

******
※戦闘に移行します。

74 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 12:59:33 ID:???

◎戦闘処理

敵3 vs 味方2


敵3 第三大隊3 の突撃!
 馬100/100、練度50、士気30
[兵種25+練度5]*[兵数比1]=30
兵数与ダメージ30、士気与ダメージ6

味方2 第四大隊2 の突撃!
 歩100/100、練度5、士気50
[兵種20+練度0]*[兵数比1]=20
兵数与ダメージ20、士気与ダメージ4


結果:
敵3 第三大隊3
 馬80/100、練度50、士気26

味方2 第四大隊2
 歩70/100、練度5、士気44


***

意気高く突撃した自由騎士とその従卒たち。
まずは互角に近い戦果に、全欧最強何するものぞと鬨の声を上げる。
しかし対するヴァルファは狼狽えた風もなく、一糸乱れぬ隊列を維持し続けるのであった。

***

75 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 13:00:34 ID:???
◎戦闘処理

敵5 vs 味方3


***


敵5 第三大隊5
 歩132/150、練度50、士気27
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比1.60]=48
兵数与ダメージ48、士気与ダメージ9


味方3 第四大隊3
 歩 82/100、練度5、士気47
の突撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比1]*[地形0.9]=18
兵数与ダメージ18、士気与ダメージ3


結果:
敵5 第三大隊5
 歩114/150、練度50、士気24

味方3 第四大隊3
 歩 34/100、練度5、士気36 *死亡判定発生!

76 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 13:01:38 ID:???
***

*死亡判定


対象(第四大隊3 部隊長)
損耗率 66%、目標値【16】 → ! numnum


※! と numnum の間のスペースを消して判定して下さい。
 目標値以上で判定回避。
 目標値未満が出た場合は対象キャラクターが死亡します。

***

77 :森崎名無しさん:2012/07/29(日) 13:05:41 ID:???
対象(第四大隊3 部隊長)
損耗率 66%、目標値【16】 →  12

78 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/07/29(日) 13:06:04 ID:???
対象(第四大隊3 部隊長)
損耗率 66%、目標値【16】 →  27

79 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 13:54:37 ID:???
>>78
ドローありがとうございます。

***

悲鳴と苦痛の叫びが響き、すぐに止む。
赤い鎧の一群は、傷つき倒れた男たちに無情の刃を振り下ろしていく。

「な……何をしている! 私を守れ! 守れ! 私を誰だと思っているんだ!
 だから初陣の子弟どもなど部隊に入れるなといったのに……周りを固めろ! 早く! 早くしろ!
 ひ……ひぃっ!?」

白銀の鎧に身を包んだ男が憎々しげにがなり声を上げた瞬間、その首筋を掠めたのは折れ飛んだ剣の破片である。
ほんの僅かに軌道が違えば、あるいは致命傷であった。

「こ、後退を……後退を……」

怯えたように漏らすその声は、混乱する周囲には届かない。
事前に下されていた命令は、前進であった。

***

80 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 13:55:47 ID:???

「敵が見えたぞ、モリサキ!」

最初にその影を見つけたのは目のいいネイである。

「あの自由騎士の隊と交戦中みたいだね〜」
「ち、流石に押されてるぜ! このままじゃヤバそうだ!」

報告に、森崎が頷く。

「……よし。援護射撃で押し返すぞ!
 野郎ども! これが俺たちの初仕事だ! 気合入れていけよ!」

応、の返事は百五十の野太い声が綺麗に揃った。

「いい返事だ! 射手、用意! 弓引け―――」

天を指すように挙げられた森崎の手が、振り下ろされる。
刹那、百五十の矢、百五十の殺意が、一斉に解き放たれた。


81 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 13:56:56 ID:DUbh11Wc

◎戦闘処理

自軍2(森崎有三) vs 敵5


自軍2 傭兵大隊2
 弓150/150、練度20、士気50(森崎有三) 
の射撃!

[兵種15+練度2]*[兵数比1.31]*[地形0.9]+[! dice]=

※! と dice の間のスペースを消して判定して下さい。


82 :◆9OlIjdgJmY :2012/07/29(日) 13:57:55 ID:???
[兵種15+練度2]*[兵数比1.31]*[地形0.9]+[ 6 ]=

83 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 15:13:23 ID:???
自軍2 傭兵大隊2
 弓150/150、練度20、士気50(森崎有三) 
の射撃!

[兵種15+練度2]*[兵数比1.31]*[地形0.9]+[ 6 ]=26.04
兵数与ダメージ26、士気与ダメージ5


敵5 第三大隊5
 歩114/150、練度50、士気24
は反撃できない!


結果:

敵5 第三大隊5
 歩 88/150、練度50、士気19


***

84 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 15:14:50 ID:DUbh11Wc
***


森崎隊から放たれた矢は雨のように降り注ぎ、ヴァルファの隊列を乱していく。
それを見て取ったヤングが大きく頷くと抜剣し、背後へと大音声を張り上げる。

「よし! 今だ! 全軍突撃!」

土埃が舞い上がる。
ほとんど地鳴りのように響くのは、駆け出した馬の蹄が大地を蹴立てる音である。
体勢を立て直そうとするヴァルファ隊の横腹に、人馬一体となった重量の波が襲い掛かる。


***


◎戦闘処理


自軍1 vs 敵5

自軍1 傭兵大隊1
 馬150/150、練度30、士気50(ヤング・マジョラム)
の突撃!

[兵種25+練度3]*[兵数比1.70]*[地形0.9]+[! dice]=


※! と dice の間のスペースを消して判定して下さい。

85 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/07/29(日) 15:18:27 ID:???
[兵種25+練度3]*[兵数比1.70]*[地形0.9]+[ 4 ]=

86 :◆W1prVEUMOs :2012/07/29(日) 15:18:27 ID:???
[兵種25+練度3]*[兵数比1.70]*[地形0.9]+[ 1 ]=

87 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/07/29(日) 15:26:42 ID:???
CPを6使いダイスの目を+2にします

88 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 15:40:28 ID:???
自軍1 傭兵大隊1
 馬150/150、練度30、士気50(ヤング・マジョラム)
の突撃!

[兵種25+練度3]*[兵数比1.70]*[地形0.9]+[6]=48.84
兵数与ダメージ48、士気与ダメージ9


敵5 第三大隊5
 歩 88/150、練度50、士気19
の突撃!

[兵種+練度]*[兵数比]*[地形]*[陣形崩壊]+[ 4 ]=

89 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 17:13:06 ID:???
敵5 第三大隊5
 歩 88/150、練度50、士気19
の突撃!

[兵種20+練度5]*[兵数比1]*[地形0.9]+[ 4 ]=26.5
兵数与ダメージ26、士気与ダメージ5


結果:

自軍1 傭兵大隊1
 馬124/150、練度30、士気46(ヤング・マジョラム)

敵5 第三大隊5
 歩 40/150、練度50、士気10 *死亡判定発生!


***

90 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 17:21:24 ID:DUbh11Wc
***

*死亡判定


対象(ヴァルファ第三大隊5 部隊長)
損耗率 73%、目標値【23】 → ! numnum


※! と numnum の間のスペースを消して判定して下さい。
 目標値以上で判定回避。
 目標値未満が出た場合は対象キャラクターが死亡します。

***

91 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/07/29(日) 17:22:20 ID:???
対象(ヴァルファ第三大隊5 部隊長)
損耗率 73%、目標値【23】 →  97

92 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 17:37:37 ID:???
***


「―――おおぉッ!」

ヤング・マジョラムの愛馬が敵陣を駆け抜けるたび、赤い鎧から首が飛ぶ。
返り血を浴びるよりも早く、怨嗟と断末魔が縋るよりも速く、歴戦の勇士が征く。
その姿に鼓舞されるように、騎乗した傭兵たちが続いた。
足を止めた敵兵を蹄が蹴倒し、倒れたところを後続が踏み砕く。
騎兵の打撃力の原点は速度と重量である。
その原点を存分に生かし、傭兵たちは死を振りまいていく。


***

93 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 17:38:38 ID:???

◎戦闘処理(NPC)

味方2 vs 敵3


味方2 第四大隊2
 歩 70/100、練度5、士気44
の突撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比1]=20
兵数与ダメージ20、士気与ダメージ4


敵3 第三大隊3
 馬 80/100、練度50、士気26
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比1.14]=34.2
兵数与ダメージ34、士気与ダメージ6


結果:

味方2 第四大隊2
 歩 36/100、練度5、士気38 *死亡判定発生!

敵3 第三大隊3
 馬 60/100、練度50、士気22


94 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 17:40:14 ID:DUbh11Wc
***

*死亡判定


対象(ドルファン第四大隊2 部隊長)
損耗率 64%、目標値【14】 → ! numnum


※! と numnum の間のスペースを消して判定して下さい。
 目標値以上で判定回避。
 目標値未満が出た場合は対象キャラクターが死亡します。

***

95 :◆W1prVEUMOs :2012/07/29(日) 17:41:54 ID:???
損耗率 64%、目標値【14】 →  33

96 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 17:47:54 ID:???
***

全欧最強の騎馬隊に、互角に近い戦いができている。
それはドルファン軍を大いに勢い付かせたが、しかしその認識は実戦経験の薄さから来る驕り、
あるいは単なる事実誤認である。
そして、その驕り、誤りは文字通りの命取りであった。

「な……何故だ!? いつの間に、我が軍はこれほどの損害を!?」

指揮を執っていた騎士が狼狽えたときには、既に遅い。
周囲に満ちるのは魂消るような苦悶の声である。
地力の差、初戦の被害差を見て取ることのできなかった、それが結果であった。
そしてまた更なる敵兵の足音が、彼らに近づいていた。

***

97 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 17:48:55 ID:???

◎戦闘処理(NPC)

味方3 vs 敵5


味方3 第四大隊3
 歩 34/100、練度5、士気36
の突撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比1]*[地形0.9]=18
兵数与ダメージ18、士気与ダメージ3


敵5 第三大隊5
 歩 40/150、練度50、士気10
の突撃!

[兵種20+練度5]*[兵数比1.17]=29.25
兵数与ダメージ29、士気与ダメージ5


結果:
味方3 第四大隊3
 歩 5/100、練度5、士気31 *死亡判定発生!

敵5 第三大隊5
 歩 22/150、練度50、士気7 *死亡判定発生!


98 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 17:51:22 ID:DUbh11Wc
***

*死亡判定


対象(ドルファン第四大隊3 部隊長)
損耗率 95%、目標値【45】 → ! numnum


※! と numnum の間のスペースを消して判定して下さい。
 目標値以上で判定回避。
 目標値未満が出た場合は対象キャラクターが死亡します。

***

99 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/07/29(日) 17:54:06 ID:???
損耗率 95%、目標値【45】 →  00

100 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/07/29(日) 17:59:12 ID:???
数値加算してもどうしようもないかな
私の手持ち全部吐き出しても+20ですあう

101 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 18:19:12 ID:DUbh11Wc
>>100
冷酷な見方をすれば、状況的に味方3はどの道次ターンで…なので、
無理にポイントを使わなくてもいい場面とも言えるかも知れませんね。

***

*死亡判定


対象(ヴァルファ第三大隊5 部隊長)
損耗率 85%、目標値【35】 → ! numnum


※! と numnum の間のスペースを消して判定して下さい。
 目標値以上で判定回避。
 目標値未満が出た場合は対象キャラクターが死亡します。

***

102 :◆9OlIjdgJmY :2012/07/29(日) 18:21:04 ID:???
損耗率 85%、目標値【35】 →  12


103 :◆W1prVEUMOs :2012/07/29(日) 18:22:50 ID:???
名無しの他部隊まで面倒みるのは無理だと思う
それとダイスロールに数値加算で1〜2増えてもほとんど無意味だからコストパフォーマンスが悪いね


104 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 18:31:14 ID:???
***

傭兵大隊の突撃により隊列を乱したヴァルファ隊に、しかし同様に混乱を極めるドルファン隊が
後退の指示すら耳に届かない様子で雪崩れ込む。
結果、凄絶な潰し合いが始まった。

炎天下、陽炎すら立ち上らぬその赤い平野に満ちるのは、鉄錆の臭いのする湯気である。
血溜まりが夏の乾いた土を泥濘へと変え、足を取られた兵たちは熱に浮かされたように
その鮮血に染まった刃を眼前の影へと振り回す。
それが生きた敵であるのか、あるいは立ち往生を遂げた骸であるのかも、既に見極められていない。
戦術も指揮系統も意味を成さぬ、それは生への執着を問うような、この世の地獄であった。

***

※指揮官死亡(ドルファン第四大隊3)


ぜひゅう、ぜひゅう、と。
奇妙に甲高い音がする。
ぱっくりと口を開けた傷、その気管までを切り裂いた傷から漏れる、呼吸音であった。
息ができないことにようやく気付いた男が、裂けた胸を掻き毟りながら斃れる。
男は、部隊長であった。
指揮官の死に、まだ生き残っていた男たちが恐慌の声を上げながら我先に逃走を始めた。

***

105 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 18:32:15 ID:???
***

※指揮官死亡(ヴァルファ第三大隊5 部隊長)


ヴァルファバラハリアンは傭兵部隊である。
全欧最強と讃えられようと、その根本に流れるものは他と変わらぬ。

そのヴァルファの一隊を任された男が、己が鎧の隙間から腹に突き刺さった刃を見下ろし、笑う。
いくさ場に身を投じて幾年月。
長い戦いの、終わりを悟った笑みであった。

それは名を馳せた英雄の、世に知られた名剣ではない。
恐慌をきたした雑兵が自暴自棄で投げた、刃毀れの目立つ剣である。
刺されば最早助からぬことに、違いはなかった。

***


・ターン2 終了


***

106 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 18:36:13 ID:???

・ターン3(夕方)

◎マップ提示

ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha3.png

※半透明なユニットは陣形崩壊を起こしています。
 能動的な戦闘はできなくなり、自動的に後退を始めます。
 また攻撃を受けた場合は致命的な損害を受けることになります。

107 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 18:37:16 ID:???
自軍:
自軍1 傭兵大隊1
 馬124/150、練度30、士気46(ヤング・マジョラム)
自軍2 傭兵大隊2
 弓150/150、練度20、士気50(森崎有三) 

味方:
味方1 第四大隊1
 馬100/100、練度5、士気50(カイル・コーツ)
味方2 第四大隊2
 歩 36/100、練度5、士気38
味方3 第四大隊3
 歩 5/100、練度5、士気31(指揮官死亡/陣形崩壊)

敵軍:
敵1 第三大隊1
 馬200/200、練度50、士気50(疾風のネクセラリア)
敵2 第三大隊2
 馬150/150、練度50、士気30
敵3 第三大隊3
 馬 60/100、練度50、士気22
敵4 第三大隊4
 歩100/100、練度50、士気30
敵5 第三大隊5
 歩 22/150、練度50、士気7(指揮官死亡/陣形崩壊)

108 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 18:45:54 ID:???

・ターン3 行動指示フェイズ

***

「さて……どうしたもんかな」

斥候からの報告を背景に、森崎は思案顔である。

「北西側の騎兵がどう動いてくるかを考えないとね〜」
「弓兵が突撃なんて、それこそ無駄死にを強いられちゃたまらないしな。
 頼むぜ、モリサキ」

口々に言ってくる仲間たちに頷きながら、森崎は尚も考える。

「ヤングのおっさんやトニーニョの援護もきっちり決めねえとだしな……。
 くそ、指揮ってのも面倒なもんだぜ」

***


自軍2の行動方向を選択して下さい。
現時点でユニットがいるマスも指定可能ですが、移動処理フェイズ時に進行方向にユニットがいる場合は
移動がキャンセルされますので注意して下さい。
またアクティブスキルを使用する場合にはこの時点で指定して下さい。

その際【行動理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『7/30 18:00』です。

109 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/29(日) 18:49:24 ID:DUbh11Wc
******

この局面は色々と打てる手があって迷いますね、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
多数の判定へのお付き合い、ありがとうございました。

今回でご実感いただけたものかと思いますが、戦争パートでは
ちょっとした戦況の変化でものすごい頻度の死亡判定が発生します。
まだ自軍にはその脅威が及んではいませんが、戦争が激しくなるにつれ
難しい判断を迫られる場面も出てくるかもしれません。
EP/CPの利用方法もじっくり考えてみて下さいね。

それではまた、次回更新にて。

110 :◆W1prVEUMOs :2012/07/29(日) 22:07:15 ID:???
敵5に攻撃
敵が陣形崩壊に陥った場合は大きな戦果を稼ぐチャンスだから
部隊目標:敵5の撃破でもあるし

111 :◆W1prVEUMOs :2012/07/29(日) 22:13:58 ID:???
訂正
その場に留まったまま敵5に攻撃
敵が陣形崩壊に陥った場合は大きな戦果を稼ぐチャンス
部隊目標:敵5の撃破でもある
その場に留まるのは左上に移動したいが敵2と接触したら攻撃を受けるから

112 :◆9OlIjdgJmY :2012/07/29(日) 22:25:21 ID:???
右に移動、自軍1に『鉄壁』を使用

前に出ると敵軍2に飛び込まれる危険があるので
自軍1の裏に隠れ援護に回る形を取りたいです。
また、生命線になるであろう自軍1の損害は最大限軽減しなければ。

113 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/07/29(日) 22:26:37 ID:???
右に移動
敵2が東に移動してヤングを倒しに来るか、森崎を討つ為に南に来るかどちらにしろ敵2に先制攻撃したいですね。
敵5は死に体ですから勝手に退却すると思います。
出来るのであればこのターンにヤング隊が敵2と戦闘するのであれば鉄壁をかけときたいです。

114 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/07/29(日) 22:37:04 ID:???
このターンにヤング隊が敵2に戦闘する場合に鉄壁を使うか敵2に攻撃のどちらかの場合はヤング隊に鉄壁を使う事を最優先でお願いします。

115 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/07/30(月) 17:55:23 ID:???
左上に移動
行動順は森崎隊を先に
範囲内の敵Dに攻撃
スキル:ジェトーリオの撹乱Lv1を敵Aに使用
【行動理由】崩壊中の敵は後退するので一歩詰め寄ります
そうなると敵Aの攻撃を避けられないのでジェトーリオのスキルを使用し行動をキャンセルします
敵からのダメージは極力減らさないといけないので
ヤング隊には敵Dを攻撃させない。敵Aの攻撃はヤング隊が鉄壁込みで受けたい。森崎隊は攻撃を受けたくない。
恐らくすべて満たせるはず

116 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/07/31(火) 07:02:26 ID:???
右上に移動

この位置に動けば、ヤング隊が、現在敵5がいる森林で敵2を向かえうつ
かたちになりやすいのではないかと

そして、森崎隊にとっては前進して来た敵2に先手をとれて、攻撃を受けない位置でもあります。

117 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/07/31(火) 07:36:56 ID:???
追記

行動順は 森崎隊→ヤング隊。森崎隊は敵5より敵2を優先して攻撃、で。
ヤング隊が敵2を攻撃する可能性があります。その前に弓で敵2を削りたいので

118 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:03:09 ID:???


皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>108の選択については……

>>112 ◆9OlIjdgJmY様、および>>113 さら ◆KYCgbi9lqI様の案を採用させていただきます!
次ターンに近接されるリスクを避けてヤング隊の後背に回るのは一つのセオリーですね。
また『鉄壁』使用もこのタイミング以外にないでしょう。
それぞれCP3を進呈いたします。


★システムメッセージ★
ここで一点、『戦闘処理』に関するルールの記載を訂正いたします。

---ここから追記

移動処理が完了した時点で攻撃可能範囲に複数の敵部隊が存在する場合、直接攻撃(つまり隣接状態)では
隣接する全部隊と移動処理順に戦闘処理を行います(連戦となります)。

また弓兵、弓騎兵、銃兵による間接攻撃の場合は移動処理終了時点で「攻撃する敵部隊の指定」を行い、
その後に戦闘処理を行います。
但し敵部隊が交戦可能な状態で隣接している場合(つまり敵部隊が陣形崩壊状態、また当該ユニットが
敵軍の侵入不能な地形、城壁などに位置している場合は除かれます)は間接攻撃の指定ができず、
隣接部隊との戦闘が優先されます。この処理は直接攻撃に準じます。

---追記ここまで

上記をルールに追記いたします。
これは射程内の全部隊に対して同一ターンで攻撃を可能とした場合、間接攻撃部隊が著しく有利になるためです。
特に敵銃兵の攻撃や攻城戦時にそれが適用されてしまうと難易度が極端に跳ね上がってしまいますので、
ゲームバランス上の措置としてご理解いただければ幸いです。
また本措置は次ターンよりの適用といたします。

119 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:04:21 ID:???
>>111
部隊目標である「撃破」は陣形崩壊状態に追い込んだ時点で達成されていますのでご安心下さい。
敵5を現時点で攻撃すれば自動成功で殲滅可能、戦果も稼げますが、そうなるとヤング隊が無傷の敵2と
数的不利な状態でぶつかってしまいますね。

>>114
スキル使用と戦闘処理は別になっておりますので、どちらも指定可能です。

>>115
申し訳ありません、ジェトーリオの「撹乱Lv1」の効果範囲は「任意の敵一部隊」ではなく
「ランダムで敵一部隊」となっておりまして、現時点では相手の指定ができません。
スキルレベルの上昇に伴って効果範囲・確率ともに変化いたしますので、これぞと思うスキルの所持者とは
一緒に訓練する(来月の訓練パートより実装予定です)などしてみて下さいね。
戦術としてはGMの想定の裏を突く、実に面白い発想だと思います。


>>116
今回は期限外となります、申し訳ありません!
ですが、ヤング隊の行動想定は興味深い切り口ですね。
ただ敵側も地形効果や間接攻撃の脅威は警戒してきますので、なかなか一筋縄ではいきません。

120 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:06:36 ID:???
******


・右に移動、自軍1に『鉄壁』を使用


「……西の敵はこっちに突っ込んでくるか、東に直進してくるか、か……。
 いずれにせよヤングのおっさんは西の敵を叩きに行くだろう。そいつを援護する!
 敵を射程に収めつつ、第一分隊の後背に回るぞ!」

熟慮の末、そう指示を下す森崎。

「北のやつはどうすんのさ?」
「潰走しようとしてる部隊か。射程内に留まるなら行き掛けの駄賃ってヤツだが……」
「逃げちゃうよね〜?」
「ああ、おそらくな。ま、状況見ながら進むことに変わりはねえ。
 ……それと、伝令!」

森崎に呼ばれ、早馬が近づいてくる。

「宛、ヤング大隊長。こちらが先に援護射撃を行う、防護を固めつつ突撃されたし。以上」
「……おうよ。宛、ヤング大隊長。こちらが先に援護射撃を行う、防護を固めつつ突撃されたし、だな」
「頼んだぜ」

復唱に頷き、駆け出していく伝令兵を見送ると、森崎が不安定な鞍の上で抜剣する。

「移動開始!」


***

121 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:07:37 ID:???
***

・ターン3 移動処理

敵1……動きませんでした。
敵2……東、東南へ移動。会敵!
敵3……東へ移動。
敵4……南西に移動。会敵!
敵5……北西へ潰走。

自軍2……東へ移動。射程内に敵影!
自軍1……西へ移動。会敵!

味方1……北西、北東へ移動。
味方2……動きませんでした。会敵!
味方3……南西へ潰走。

***

※戦闘処理に移行します。

122 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:11:08 ID:???
***

◎戦闘処理(NPC)

敵2 vs 味方3


敵2 第三大隊2
 馬150/150、練度50、士気30
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比30]*[陣形崩壊2]=1800
兵数与ダメージ1800、士気与ダメージ360


味方3 第四大隊3
 歩 5/100、練度5、士気31
の突撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比1]*[陣形崩壊0.5]=10
兵数与ダメージ10、士気与ダメージ2


結果:

敵2 第三大隊2
 馬140/150、練度50、士気28

味方3 第四大隊3
 歩 0/100、練度5、士気0 *全滅

***

123 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:12:35 ID:???

炎天下、ずるりずるりと足を引きずりながら歩く二人の男がいる。
片方の男が纏う板金鎧は装飾が折れ欠け、元は美しい白銀の輝きを放っていたであろう姿は
泥と返り血と、そして男自身の血によって汚れ、見る影もない。

「痛い……痛い、痛いぃ……」
「……マルセル様、今少し、耐えて下さい……。本営までもうすぐ、もうすぐですから……」

うわ言のように呟く鎧の男の脇を支え、必死に宥めるのは男の従卒であっただろうか。
夏の陽射しに熱された鎧に添えられた手は、火傷で赤く腫れている。

「どうして……どうして俺が、こんな目に……」
「弱気なことを、仰いますな……。お命があるだけで、主の恵みというものです……」
「うぅ……いくさなど、いくさなど、もう二度と出ないぞ……」
「……」

ぐすりと啜り上げる男に俯き、渋面を作りながらもその歩みを止めなかった従卒が、

「……?」

ふと、顔を上げる。
その耳に、何かが聞こえていた。

「……、……! ま、マルセル様……!」
「な、なんだ、今度は何だ!?」

それは、地響きである。
それは、足音である。
それは、百を超える軍馬と、その鞍上にある赤い鎧の兵団が奏でる、死の重低音である。

124 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:13:36 ID:???
「ヴァ、ヴァルファ……!」
「お逃げ、お逃げ下さい、マルセル様……!」

従卒の叫びが虚しく響く。
小高い丘の向こうから駆け下りてくるそれを躱すだけの脚など、最早残ってはいなかった。
たとえば男の鎧が泥に塗れ血に汚れ、その輝きを失ってさえいなければ、何かが違っていたかもしれない。
たとえば赤い鎧の兵団が丘の向こうから突如として現れたのではなく、遥か平原の果てから迫り来るのを
男たちが認めていれば、あるいは逃げおおせることもできたのかもしれない。
あらゆる過程は、無意味である。
男たちにできたのは、瞬く間に眼前へと押し寄せてくる軍勢、自らに絶対の死を下すその赤い波を、
ただ呆然と見やることだけだった。
一瞬の後。馬蹄が、二人の男を踏み砕いた。


***

※全滅のため、味方3の移動がキャンセルされます。


125 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:14:46 ID:???

◎戦闘処理(NPC)

敵4 vs 味方2


敵4 第三大隊4
 歩100/100、練度50、士気30
の突撃!

[兵種20+練度5]*[兵数比2.77]=69.25
兵数与ダメージ69、士気与ダメージ13


味方2 第四大隊2
 歩 36/100、練度5、士気38
の突撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比1]=20
兵数与ダメージ20、士気与ダメージ4


結果:
敵4 第三大隊4
 歩 80/100、練度50、士気26

味方2 第四大隊2
 歩 0/100、練度5、士気25 *全滅


126 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:15:46 ID:???
***

助かった、と。
その部隊の全員が安堵したのは、眼前の騎兵隊が後退したからである。
安堵したその全員を死と殺戮が襲ったのは、直後であった。

ヴァルファの騎兵が退いたのは、単に無意味な損害の拡大を防ぐためであった。
すぐ背後に備えていた歩兵隊が、槍衾を整えて突撃することで、彼らの仕事は事足りたのである。
石突に腕を折られ、穂先に足を裂かれた数名の騎士たちが捕虜となった他にその場に残ったのは、
物言わぬ骸たちだけであった。

***

※全滅のため、味方2の移動がキャンセルされます。

127 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:18:03 ID:GoDLn4Xc
***


「ヴァルファの野郎、好き勝手やりやがって……! ここで止めるぞ!
 前列射手、用意―――放て!」

森崎の号令一下、突撃してくる馬群に向けて矢の雨が降る。


***

◎戦闘処理

自軍2 vs 敵2


自軍2 傭兵大隊2
 弓150/150、練度20、士気50(森崎有三)
の射撃!

[兵種20+練度2]*[兵数比1.07]+[! dice]=


※! と dice の間のスペースを消して判定して下さい。

128 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/01(水) 18:18:36 ID:???
[兵種20+練度2]*[兵数比1.07]+[ 3 ]=

129 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:56:58 ID:???
>>127 訂正です。
このターンで『鉄壁』を使用しているため、部隊練度は10となります。


自軍2 傭兵大隊2
 弓150/150、練度10、士気50(森崎有三)
の射撃!

[兵種20+練度1]*[兵数比1.07]+[3]=25.47
兵数与ダメージ25、士気与ダメージ5



敵2 第三大隊2
 馬140/150、練度50、士気28
は反撃できない!



結果:

自軍2 傭兵大隊2
 弓150/150、練度10、士気50(森崎有三)

敵2 第三大隊2
 馬115/150、練度50、士気23


***

130 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 18:59:28 ID:GoDLn4Xc

「よし、今だ! 全軍抜剣! 突撃!」

森崎隊の援護により次々に落馬するヴァルファの騎兵隊。
それを見たヤングが機を逃さず命を下した。
目指すは敵部隊長の首級である。


***

◎戦闘処理

自軍1 vs 敵2


自軍1 傭兵大隊1
 馬124/150、練度30、士気46(ヤング・マジョラム)
の突撃!

[兵種25+練度3]*[兵数比1.07]+[! dice]=


※! と dice の間のスペースを消して判定して下さい。

131 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/01(水) 19:00:47 ID:???
[兵種25+練度3]*[兵数比1.07]+[ 4 ]=

132 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 19:27:06 ID:???
自軍1 傭兵大隊1
 馬124/150、練度30、士気46(ヤング・マジョラム)
の突撃!

[兵種25+練度3]*[兵数比1.07]+[4]=33.96
兵数与ダメージ33、士気与ダメージ6



敵2 第三大隊2
 馬115/150、練度50、士気23
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比1]+[ 3 ]=

133 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 19:28:07 ID:???
敵2 第三大隊2
 馬115/150、練度50、士気23
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比1]+[3]=33
兵数与ダメージ33、士気与ダメージ6

結果:
自軍1 傭兵大隊1
 馬 91/150、練度30、士気40(ヤング・マジョラム)


敵2 第三大隊2
 馬 82/150、練度50、士気17


***

134 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 19:29:11 ID:???

文字通りの、激突である。
数百キロを優に越える質量の塊が百の単位で正面からぶつかり合う、その轟音と衝撃は
その塊の一つ一つが人間であるということを、簡単に忘れさせる。
一瞬の交錯の後、嘶き、棹立ちになる馬から転げ落ちるのは最早原型を留めぬ血肉たちであった。
軍馬の疾走と巨大な質量の前に、生半な鎧など意味を成さぬ。
刃を弾き槍を通さず、しかし歪み捻れて中の肉を、腹を、骨を潰し砕く、鉄の虐殺器具。
この場において、大方の鎧はそのような役目を担った。

「着いてきているか、コンセイソン!」
「はい、ここに!」

第一陣の突撃を終え、叫ぶように振り返ったヤング・マジョラムは総鎧を身に纏っておらぬ。
歩兵の長槍を警戒しての胸鎧と脛当だけという装いである。
応えたトニーニョもまた、それに似た軽装であった。
重騎兵のチャージを前にすればどの道、生きるか死ぬかを決めるのは刹那の身の捻りでしかないと、
そう割り切るとしたところで、命知らずと言うより他にない。
恐怖という恐怖、不安という不安を極限の中で御せるものだけが選ぶ、これもまた戦場の狂気である。

「全軍反転、再突撃に向けて隊列を整えるぞ。向こう側はお前がまとめろ!」
「……、はい!」

目に入ってじわりと滲みる汗を袖で拭い、食いしばった歯の隙間から荒い息を吐いてトニーニョが返答し、
馬の腹を蹴った。
死の淵からようやく拾い上げた命を再び種銭として賭けるべく、彼らは走る。

***


・ターン3 終了

135 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 19:33:25 ID:???
>>133訂正です。

敵2 第三大隊2
 馬115/150、練度50、士気23
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比1]+[3]=33*[スキル 鉄壁0.5]=16.5
兵数与ダメージ16、士気与ダメージ3

結果:
自軍1 傭兵大隊1
 馬 108/150、練度30、士気43(ヤング・マジョラム)


敵2 第三大隊2
 馬 82/150、練度50、士気17


***

136 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 19:35:31 ID:???
******


・ターン4(夜)

夜間行動可能ユニット:なし

・ターン4 終了


******


137 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 19:36:32 ID:???

・ターン5(二日目、朝) 

◎マップ提示

ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha5.png

自軍:
自軍1 傭兵大隊1
 馬108/150、練度30、士気43(ヤング・マジョラム)
自軍2 傭兵大隊2
 弓150/150、練度10、士気50(森崎有三) 

味方:
味方1 第四大隊1
 馬100/100、練度5、士気50(カイル・コーツ)
味方2 第四大隊2
 歩 0/100、練度5、士気25
味方3 第四大隊3
 歩 0/100、練度5、士気0

敵軍:
敵1 第三大隊1
 馬200/200、練度50、士気50(疾風のネクセラリア)
敵2 第三大隊2
 馬 82/150、練度50、士気17
敵3 第三大隊3
 馬 60/100、練度50、士気22
敵4 第三大隊4
 歩 80/100、練度50、士気26
敵5 第三大隊5
 歩 22/150、練度50、士気7 *

138 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 19:46:57 ID:???
・ターン5 行動指示フェイズ

***

稜線の向こうから射す曙光が、戦の再開を告げる。
夜営の名残である篝火が、パチパチと爆ぜて音を立てていた。
灯りのための火、というのは現在の欧州では珍しい光景である。
通常照明として使われる燐光石ではあくまで屋内照明としての用途が限界であり、
大きな光量を必要とする夜営に際しては今だに火が用いられているのだった。

「夜が明けたか……」
「う〜ん、全然眠れなかったよ……ネイくん、何も縛ることないじゃない」
「お前がまとわりついてくるからだろ黒ヘドロ!」

緊張感の薄い掛け合いをよそに、森崎は斥候の収集した情報を元に地図を睨んでいる。

「ここは敵の騎兵がどう動いてくるか……が一番の考えどころだな。
 こっちに突っ込んでくる可能性も考えておく必要があるか……」

***


自軍2の行動方向を選択して下さい。
現時点でユニットがいるマスも指定可能ですが、移動処理フェイズ時に進行方向にユニットがいる場合は
移動がキャンセルされますので注意して下さい。
またアクティブスキルを使用する場合にはこの時点で指定して下さい。

その際【行動理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『8/2 18:00』です。

139 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/01(水) 19:51:03 ID:???
******

初の戦争もそろそろ詰めに差し掛かりつつ、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

140 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/02(木) 10:23:44 ID:???
右に移動
敵2が今の場所に留まっても森崎隊は攻撃出来ますし、多分敵2は森崎隊を狙う可能性が高いと思います。
ヤング隊と連携して敵2を倒したいですね。
ヤング隊が戦闘する時には鉄壁をかけときたいです。
この後の戦闘はきつくなると思いますが出来るだけヤング隊の損害を減らさないと戦争にならないと思います。

141 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/02(木) 10:31:38 ID:???
右に移動
多分敵2は森崎隊を狙う可能性が高いと思います。
ヤング隊と連携して敵2を倒したいですね。
ヤング隊が戦闘する時には鉄壁をかけときたいです。
この後の戦闘はきつくなると思いますが出来るだけヤング隊の損害を減らさないと戦争にならないと思います。

142 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/04(土) 14:47:00 ID:???
ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>138の選択については……

>>141 さら ◆KYCgbi9lqI様の回答を採用させていただきます!
堅実な運用ですね。
最低限の損害で敵2は撃破できるでしょう。
CP3を進呈いたします。



143 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/04(土) 14:48:57 ID:???
***

・右に移動、ヤング隊に『鉄壁』


「東……だな。この距離だと追いつかれる可能性はあるが……引き剥がさなきゃ何もできねえ」
「ん? 敵はヤング教官の隊とやり合ってるんじゃないのか?」
「相手だって馬鹿じゃねえ。俺らを放っておいたら全体の被害が拡大するだけだからな」

苦い顔で言う森崎。
敵がこちらの射程にいるということは、向こうからすれば攻撃範囲に近いということでもある。

「全員、覚悟はしておけ! 突っ込んできたら弓を捨てて迎え撃つ!」

命を下した、そのときである。


***


*イベント発生


***

144 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/04(土) 14:50:37 ID:???

「報告します!」
「どうした!?」

飛び込んできた斥候の血相を変えた様子に、森崎が眉根を寄せる。

「左翼の味方部隊、壊滅した由! 騎士団は本隊が前進を開始しました!」
「なにィ!?」

と驚いてはみたものの、しかし左翼の兵数差は明らかであり、突撃を開始した時点で
壊滅すること自体は想定の範囲内である。
問題は、その早さであった。

「予想より早えな……くそ、もう少しくらい粘れねえのかよ!」
「このまま放っておいたら包囲されるね〜」
「どうする、モリサキ……?」
「……俺らはカネで雇われた傭兵だ。お国のために最後まで命を張る義理はねえ」

森崎の言に、周囲が目を見開く。
目配せの末、代表するようにジェトーリオが進み出た。

「撤退? ヤング隊長と相談しなくていいの〜?」
「詳しいことはこれからだ。とりあえず向こうも状況は掴んでるだろうしな、一旦早馬を」

言いかけた、森崎の耳に入ってきたのは一人の傭兵の驚いたような声である。

「お、おい、アレを見ろ!」
「……?」

声を発した男の周囲に、ざわめきが広がっていく。
怪訝そうに目をやった森崎が、瞠目した。

145 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/04(土) 14:51:43 ID:4nCjssxY
「……!?」

遥か視界の果てから、土煙が上がっている。
大軍勢の、前進であった。

「なんだ、ありゃあ!?」
「援軍か!? どこの部隊だ!」

混乱したように口を開く傭兵たち。
左翼からこの戦場へと迫るのは、まったく想定していない第三の部隊である。
次第にその全容を明らかにしていくその軍勢の、土煙の向こうの旗印を見たネイが、叫ぶ。


*ドロー

第三勢力は → ! card


※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
結果によって展開が分岐します。


スペード・ハート→「黄金の馬……噂のトロサ騎士団、か!?」
ダイヤ・クラブ→「猛る牡牛の旗印……!? 後詰の第五大隊か!」


146 :◆W1prVEUMOs :2012/08/04(土) 14:52:44 ID:???
第三勢力は → ! card

147 :◆W1prVEUMOs :2012/08/04(土) 14:53:47 ID:???
第三勢力は →  クラブ9

148 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/04(土) 15:52:51 ID:???
【リドロー】
第三勢力は →  ハート9

149 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/04(土) 17:54:58 ID:???
【代理消費】>>148 CP1

150 ::2012/08/06(月) 00:15:40 ID:???


151 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 18:10:42 ID:???
***

スペード・ハート→「黄金の馬……トロサ騎士団、か!?」


ネイが確認した旗印。
それはドルファン西部に位置する自治都市、トロサから馳せ参じた騎士団のものであった。

「トロサ騎士団……領主の息子が陣頭指揮を取ってるとかいう、あの部隊か。
 名前は確か、エル……エル・シド……なんだっけか」

一瞬だけ首を捻った森崎が、しかしそれどころではないと悟ったか、すぐに頭を切り替えて呟く。

「しかし連中は全体の左翼を担っていたはずだろう、それがどうしてこんなところに……?」

森崎の驚愕をよそに、駿馬を象る旗を掲げた軍勢は見る間にこの戦場へと雪崩れ込んでくる。
しかし奇妙なのは、その勢いと方向だけではなかった。
最初に気付いたのは、誰だったであろうか。

「おい、あいつら……どんだけいるんだ?」
「百……二百……、まだ増えてくぞ!?」

丘を駆け下りてくるその軍勢は、一部隊や二部隊という規模ではない。
大隊、という単位で括られる、それは数の兵団である。

「お……おいおい、嘘だろ……」

誰かが呆然と呟くのを、森崎もまた同じ気持ちで耳にする。

152 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 18:11:43 ID:???
「五百……いや、千近くいるみたいだね……」
「それ、あいつらのほとんど全軍って話じゃないのか!?」

ジェトーリオが言うのへ、ネイが常の悪態すら忘れて訊き返している。
圧倒的なその数に混乱していたのは、何も敵ばかりではなかった。

「左翼の全軍が……本隊の目の前を突っ切って、こんなところに現れたってのか……?」
「畜生! どうなってんだよ、この戦は!」
「何が起こってんだ、なあ、隊長さん!?」

口々に叫ぶ男たちの問いに、森崎は答えない。
答えられない、というのが正しかった。
しかし、それを顔に出すわけにはいかない。
指揮官の混乱や不安は、瞬く間に隊全体へと伝染する。
敵を目の前にしてのそれは即ち、自ら死神を寝床に招き寄せるに等しい。

「―――落ち着け!」

故に、森崎はそれだけを口にする。
内心をおくびにも出さないよう細心の注意を払いながら、顔だけはふてぶてしく。

「連中がどういう意図でこっちに首を突っ込んで来たのかはわからねえ……だが、気にすんな!
 どうあれ俺たちのやることに変わりはねえんだ、今は目の前の敵だけを見てろ!」

寸分の迷いもないといった様子を、上手く演じられただろうか。
鎧下にじっとりと染みた汗は、暑さのせいではなかった。

153 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 18:13:00 ID:iCfff7uM
*チェック

(魅力・評価)判定

目標値【12】 → ! numnum

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
シーン難易度『110』−(魅力+評価*2)を目標値とし、目標値以上の値が出れば成功。
00が出た場合は難易度にかかわらず成功となります。
結果によって展開が分岐します。

成功→ 森崎の演技が成功。部隊は落ち着きを取り戻す。
失敗→ 森崎の演技は失敗。部隊は混乱に陥る! (攻撃ダメージが80%、防御ダメージが120%になります)


154 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/06(月) 18:13:31 ID:???
目標値【12】 →  77

155 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/06(月) 18:18:31 ID:???
エル・シド……ああ、「お前こそが聖剣(エクスカリバー)」とかそういう……(大間違い

156 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 18:38:32 ID:???
>>155
LCは名作でした。主に魚座がカッコ良かったところとか!

***

成功→ 森崎の演技が成功。部隊は落ち着きを取り戻す。


静寂が降りたのは、一瞬だった。

「……そうだな、モリサキの言う通りだ」

ぽつりと誰かが漏らすと、その声はまるで水面に広がる波紋のように、輪となり鎖となっていく。

「まあ、まさか僕たちを攻撃してくるわけじゃないだろうしね〜」
「皆、俺たちは俺たちの戦いをするぞ!」
「おう!!」

どうやら、即興芝居は観客の心を掴むことに成功したようだった。
内心で胸を撫で下ろしながら、森崎が矢継ぎ早に指示を出す。

「よし! まずは隊列を組み直せ! 正面の敵から目を離すな!
 それから伝令、ヤング大隊長に早馬だ! そら、動け! 動け!」


***

157 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 18:39:33 ID:???
***


味方援軍が現れました。
能力は以下の通りです。


味方援軍:トロサ騎士団
兵数:1000/1200/部隊数:2


味方4 トロサ1
 騎500/600、練度50、士気40(エル・シド・ピエール)

部隊パッシブスキル:
ギャロップ
(指揮下の騎兵および弓騎兵の移動力を+1する)
指揮Lv1
(1ターンに複数のアクティブスキルが使用可能になる。また指揮下にある全ユニットの士気を
 毎ターン+5する)
指揮Lv3
(自身及び移動指示フェイズ時点で周囲2マス以内に存在する全味方ユニットに対し攻撃ダメージ120%、
 防御ダメージ80%、移動+1の補正。このスキルは同様のスキルと効果が重複する)
黄金のカリスマ
(アクティブスキル使用時の練度低下を常に-10する。ピエール固有スキル)


158 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 18:40:34 ID:???
味方5 トロサ2
 馬500/600、練度50、士気40(ナポレオン)

部隊パッシブスキル:
ギャロップ
(指揮下の騎兵および弓騎兵の移動力を+1する)


※援軍出現後のマップは以下となります。
ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha5-2.png


***

159 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 18:41:35 ID:???
***

・移動処理

味方4……スキル使用『流星 ※1』。スキル使用『指揮Lv2 ※2』(対象は味方5)。スキル使用『ヒット&アウェイ ※3』。
東へ移動。射程内に敵影! (ヒット&アウェイ発動中、残り移動力4)
味方5……スキル使用『キャノン ※4』。合同スキル使用『エッフェルアタック ※5』。
東、東、東へ移動。会敵! (ヒット&アウェイ発動中、残り移動力3)

敵1……南東、南東へ移動
敵2……南東、南東へ移動。会敵!
敵3……南西、南西へ移動
敵4……南西、南東へ移動
敵5……北西へ潰走

自軍2……スキル使用『鉄壁』(対象は自軍1)。東へ移動。射程内に敵影!
自軍1……南東へ移動。会敵!

味方1……北西、北西へ移動


※1 このターン、指揮下にある全ての弓騎兵に対し攻撃ダメージ130%、射程+1、移動+1の補正。練度消費30。
※2 このターン、指揮下にある任意の一部隊に対し攻撃ダメージ150%、防御ダメージ70%、移動+2の補正。練度消費25。
※3 このターン、指揮下の全騎兵・弓騎兵に対し、攻撃後に移動力が余っている場合に再移動できる効果。練度消費10。

※4 このターン、自身に対し攻撃ダメージ150%、移動+2の補正。練度消費15。
※5 ターン終了時にピエールおよびナポレオンの指揮するニ部隊が健在の場合、当該二ユニットは
そのターンの移動値分だけ再度移動する。その際、敵ユニットに攻撃することはできない。練度消費25。

160 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 18:46:11 ID:???
***


その戦場には今、千の騎兵を従える男がいた。
黄金の髪を靡かせるその青年を、エル・シド・ピエールという。

「―――行くぞ、ナポレオン」

呟いて愛馬に鞭を入れた瞬間、遠く離れた場所で一人の男が頷いている。
やはり黄金色の髪を、こちらは短く刈り込んだ男の名は、ナポレオン。

「おう、ピエール」

互いに呼び合う二人の、しかし声の聞こえたはずもない。
合図を出したわけでもない。
それでも、男たちの間には確かに通じ合う、呼吸があった。

「これが俺たち―――」
「―――トロサ騎士団だ!」

ほとんど魔術的な精緻を以て、二つの部隊が動き出す。


***

161 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 18:47:20 ID:???
***

◎戦闘処理(NPC)

味方4 vs 敵3


味方4 トロサ1
 騎500/600、練度0、士気40(エル・シド・ピエール)
の射撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比8.33]*[指揮Lv3 1.2]*[流星1.3]=259.896
兵数与ダメージ259、士気与ダメージ51


敵3 第三大隊3
 馬 60/100、練度50、士気22
は反撃できない!


結果:
味方4 トロサ1
 騎500/600、練度0、士気40(エル・シド・ピエール)

敵3 第三大隊3
 馬 0/100、練度50、士気0 *全滅

***

※全滅のため、敵3の移動はキャンセルされます。

※ヒット&アウェイ発動、味方4は戦闘後に南東、南東、南東、南東へ移動。

162 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 18:48:32 ID:???
***

◎戦闘処理(NPC)

味方5 vs 敵4

味方5 トロサ2
 馬500/600、練度10、士気40(ナポレオン)
の突撃!

[兵種25+練度1]*[兵数比6.25]*[指揮Lv3 1.2]*[キャノン1.5]=292.5
兵数与ダメージ292、士気与ダメージ58


敵4 第三大隊4
 歩 80/100、練度50、士気26
の突撃!

[兵種20+練度5]*[兵数比1]*[敵指揮Lv3 0.8]=20
兵数与ダメージ20、士気与ダメージ4


結果:

味方5 トロサ2
 馬480/600、練度10、士気36(ナポレオン)

敵4 第三大隊4
 歩 0/100、練度50、士気0 *全滅


163 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 19:18:31 ID:???
***

※全滅のため、敵4の移動はキャンセルされます。

※ヒット&アウェイ発動、味方4は戦闘後に南東、南東、南東へ移動。


***


正しく、電光石火の出来事である。
それは戦というものを長く知る者であればあるほどに、信じ難い光景であった。

欧州最強を謳われるヴァルファバラハリアンの、鉄の統率を安々と打ち砕いたのは
圧倒的な機動力と、火力である。
常識では考えられぬ距離から放たれた矢は、まるでその鏃に猟犬の牙を宿してでもいるように
正確にヴァルファの兵たちの頭上に降り注ぎ、盾を割ってその頭蓋を粉砕した。
その後ろから突撃した騎兵隊は、文字通り瞬く間に平原を横断し、何一つ対応させぬまま敵陣を蹂躙。
ありとあらゆる命を狩り尽くした暴風は、しかしそこにすら留まらない。

一瞬の交錯を終え戦場を駆け抜けた騎馬の群れは、日が高く登る頃には、常であれば丸一日はかかろうかという
距離を走破していたのである。
その戦場に立つすべての男たちに戦慄を与えながら、黄金の馬の旗印は風にはためいていた。


***

164 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 19:21:36 ID:???
***


「……冗談だよな?」

夢から醒めたように呆然と、ネイが呟く。

「はは……何あれ。バトゥのタタール軍? それともアレキサンダー大王のマケドニア?」

引き攣ったように笑うのはジェトーリオである。
いずれも伝説と化した軍勢の名を挙げるその口調は、冗談じみた色を帯びさせることに失敗している。
彼らの眼前で展開されたのは、それほどに非現実的であった。
誰に話したところで酔漢の戯言と、あるいは戦場帰り特有の誇張に満ちた武勇伝と一笑に付されるような、
そんな荒唐無稽な精強を彼ら、トロサ騎士団は見せつけていた。
しかし、

「―――浮き足立つな!」

腹の底に響くような一喝は、森崎だった。


165 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 19:22:40 ID:???
「前を見ろ! 俺たちの敵は左翼じゃねえ! 正面だ!」
「……!」
「そ、そうだ……!」

ハッと我に返る傭兵たちの手に、既に弓は持たれていない。
代わりにその手にあったのは各々の得物と盾である。

「騎兵がすぐに突っ込んでくるぞ! 気を抜いてる場合か!」

言った森崎もまた長剣を抜き放ち、馬から降りて戦闘態勢を整えている。
この先に待つのは、今までのような一方的な射撃ではない。
刃と刃、穂先と穂先を突き付け合う乱戦である。
その足元には、死が口を開けて愚かな戦士を待っていた。

「前衛、盾構え! 密集して絶対に抜かせるな!」


***

166 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 19:23:47 ID:???
***

◎戦闘処理

敵2 vs 自軍2


敵2 第三大隊2
 馬 82/150、練度50、士気17
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比1]+[ 6 ]=

167 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 19:24:53 ID:iCfff7uM
敵2 第三大隊2
 馬 82/150、練度50、士気17
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比1]+[6]=36
兵数与ダメージ36、士気与ダメージ7


自軍2 傭兵大隊2
 弓150/150、練度0、士気50(森崎有三) 
の突撃!

[兵種10+練度0]*[兵数比1.82]*[地形0.9]+[! dice]=


※! と dice の間のスペースを消して判定して下さい。

168 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/06(月) 19:27:20 ID:???
[兵種10+練度0]*[兵数比1.82]*[地形0.9]+[ 4 ]=


169 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 19:43:27 ID:???
自軍2 傭兵大隊2
 弓150/150、練度0、士気50(森崎有三) 
の突撃!

[兵種10+練度0]*[兵数比1.82]*[地形0.9]+[4]=20.38

兵数与ダメージ20、士気与ダメージ4

結果:
敵2 第三大隊2
 馬 62/150、練度50、士気13

自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 


***

170 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 19:45:04 ID:iCfff7uM
***

*死亡判定


対象(ヴァルファ第三大隊2 部隊長)
損耗率 58%、目標値【8】 → ! numnum


※! と numnum の間のスペースを消して判定して下さい。
 目標値以上で判定回避。
 目標値未満が出た場合は対象キャラクターが死亡します。

***

171 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/06(月) 19:46:31 ID:???
対象(ヴァルファ第三大隊2 部隊長)
損耗率 58%、目標値【8】 →  14

172 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/06(月) 19:56:52 ID:???
ナイス引き!
CP3、EP5を使って>>171を10減算します。

173 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/06(月) 20:03:10 ID:???
sage

174 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/06(月) 20:04:34 ID:???
減らせるんだ。

175 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/06(月) 20:09:51 ID:???
【代理消費】>>172 CP1 EP2

176 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 20:20:02 ID:???
>>175
はい、【数値加算】はダイスの数値をプレイヤー有利になるように
加算もしくは減算することが可能となっています。
名称がわかりづらくて申し訳ありません。
当初は【数値加減算】としていたのですが、見た目も語呂も良くないため
現在の名称に変更しております。

***


※指揮官死亡(ドルファン第四大隊2)


それを不運と、人は云うだろう。
一塊の大鎚となって敵に突撃した、その一瞬。
薄い盾を粉砕し、並べられた槍の穂先を躱した男が、次に見たのはどこまでも青い空と、
そして己に向かって振り下ろされようとする刃である。
馬から振り落とされたのだと男が気付いたときは、既にその鎧の隙間から突き込まれた刃が、
臓腑を深々と抉っていた。

「か、ふ、ぁ……」

漏れた息は濡れている。
せめて一矢を報いようとした手は、ついに敵の黒髪には届かず、地に落ちた。


***

177 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 20:21:32 ID:???
***

「ぐ……」
「うぅ……痛ぇ……畜生、腕が痛ぇよ……」

呻き声が谺する。
ある者は傷を押さえて地に伏せり、ある者は流れ出す血に濡れた手を天へと掲げ、
そしてまたある者は体ごと奇妙な形に捻じれて最早二度と動くこともない。

「被害状況を確認! 点呼急げ! 動ける奴は負傷者に手を貸してやれ!」

森崎自身、前衛の盾が藁葺きの如く吹き飛ばされるのを目にした直後からの記憶が曖昧である。
眼前に迫る巨大な軍馬の蹄を避け、振り下ろされるランスから必死に身を逸らし、
目についた馬の脚に剣を叩きつけながら泥の中を這いずり回って、眼前に落ちてきた敵兵に刃を突き立て、
そうしている内に気が付けば交錯は終わっていた。

「クソ……ッ!! 何人やられた!?」
「三十、いや、もっとか……その内のいくらかは、もう……」

掠り傷を布の切れ端で縛りながら、ネイが答える。
主を失った敵の軍馬の嘶きが、男たちの荒い息と呻き声の間を縫うように響いていた。
振り払うように首を振った森崎に近づいてきたのは、ジェトーリオだった。

「このままやられっぱなしじゃ、ないよね〜?」
「ああ、今度はこっちの番だ……! 俺の隊に手を出したこと、後悔させてやる……!
 全員、敵が戻る前にここを離れるぞ! 連れの仇を討ちたきゃ遅れるな!」

大声で指示を出す森崎の目は怒りと憎悪とに爛々と輝いている。
戦場という病に冒された者の、それは瞳であった。
そして病は、生き延びたすべての者に、感染する。

***

178 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 20:22:34 ID:iCfff7uM
***

◎戦闘処理

自軍2 vs 敵2


自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 
の射撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比1.83]*[地形0.9]*[陣形崩壊 2]+[! dice]=


※! と dice の間のスペースを消して判定して下さい。

179 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/06(月) 20:26:09 ID:???
[兵種20+練度0]*[兵数比1.83]*[地形0.9]*[陣形崩壊 2]+[ 4 ]=

180 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/06(月) 20:29:56 ID:???
あ、自分で引いといてなんですが敵将なんだから殺したほうが良かったか。
間に合うのならば【代理消費】>>172 CP1 EP2

181 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 20:46:56 ID:???
>>180
はい、代理消費の期限は24時間以内ですので問題ありません、承りました。

***

自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 
の射撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比1.83]*[地形0.9]*[陣形崩壊 2]+[4]=69.88
兵数与ダメージ69、士気与ダメージ13


敵2 第三大隊2
 馬 62/150、練度50、士気13
は反撃できない!


結果:
自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 

敵2 第三大隊2
 馬 0/150、練度50、士気0 *全滅

***

182 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 20:47:57 ID:???
***


血と泥とに濡れた矢が、嘶く軍馬の喉元を目掛けて飛び、その太い首を貫く。
どうと倒れる馬から投げ出された兵に、傭兵たちが集って刃を突き立てていく。
命乞いをするように伸ばされた手を、巨大な槌が叩き潰した。
必死に後退りしようとする足を、鎌が大地に縫い止めた。
叫ぶ喉を、短剣が切り裂いて、ようやく一人の敵が死ぬ。

それは原初の狩りである。
効率など知ったことではない。
要領など考えるまでもない。
ただ目の前の獲物の息の根を止め、己が命の糧とする。
それだけの、行為である。


***

※全滅のため、敵2の移動はキャンセルされます。

※敵2が全滅したため、自軍1の戦闘がキャンセルされます。


183 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 20:49:42 ID:???
***


スキル『エッフェルアタック』発動。
味方4、味方5が再移動します。

味方4……南東、南東、南東へ移動。撤退……。
味方5……南東、南東、南東へ移動。撤退……。


***


「進行方向の敵軍殲滅を確認。想定通りだな。……王室への義理立てはもう充分だろう。
 このまま後退する、全軍に通達」

伝説に謳われるような用兵を見せた青年、若きトロサ伯の嗣子が指揮杖を振り上げる。
かん、かん、と。事前に決められた通りに甲高い鐘の音が響き、指令が瞬時に行き渡っていく。

「わかってるぜ、ピエール。ジジイどものつまらん見栄で、大事な兵をこれ以上消耗させられねえからな。
 ……こいつらは俺たちの夢のために鍛え上げてんだ」

一糸乱れぬ動きで進軍を開始する五百の人馬を見た男、ナポレオンがそう呟くと傍らの兵に
顎をしゃくってみせる。
頷いた兵が、やはり鐘を鳴らして後退を知らせるのだった。


***

184 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 20:50:58 ID:???
***


「なにィ!? あいつら……まだ動くのか!?」
「ていうか、後退していくよ〜?」

左翼には既に敵影がない。
この戦場に於いて、残る敵は正面の本隊のみである。
前進すれば、トロサ騎士団の持つ圧倒的な数と機動力で揉み潰すのは容易と見えた。
しかし、黄金の馬の旗は見る間に遠ざかっていく。

「……改めて言いたいんだが、あれ、何だったんだ?」
「さあな……」

ネイの疑問にも、森崎は答える言葉を持たない。
左翼を切り裂いた嵐は、現れたときと同じように幻の如く吹き抜け、消える。


***


・ターン5 終了


***

185 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 20:52:12 ID:???
・ターン6(二日目、昼)

◎マップ提示

ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha6.png


自軍:
自軍1 傭兵大隊1
 馬108/150、練度30、士気43(ヤング・マジョラム)
自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 

味方:
味方1 第四大隊1
 馬100/100、練度5、士気50(カイル・コーツ)


敵軍:
敵1 第三大隊1
 馬200/200、練度50、士気50(疾風のネクセラリア)
敵5 第三大隊5
 歩 22/150、練度50、士気7 *


186 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 20:56:31 ID:iCfff7uM

・ターン6 行動指示フェイズ

***


「よし、残るは敵の本隊だけだな……ここは他の部隊と歩調を合わせるべきか?
 ヤングのおっさんもいきなり突っ込むってことはないだろうしな」

考え込む森崎の纏う革鎧は、返り血を吸い込んでじっとりと重い。
長かった戦も、大詰めを迎えようとしていた。


***


自軍2の行動方向を選択して下さい。
現時点でユニットがいるマスも指定可能ですが、移動処理フェイズ時に進行方向にユニットがいる場合は
移動がキャンセルされますので注意して下さい。
またアクティブスキルを使用する場合にはこの時点で指定して下さい。

その際【行動理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『8/6 24:00』です。


187 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/06(月) 20:58:04 ID:???
******

といったところで、一旦ここまでとさせていただきます。
あまり重要な局面ではないため、期限を短く設定させていただいておりますので
ご注意下さいませ。

お付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。



188 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/06(月) 21:20:33 ID:???
>>175>>180 ありがとうございます。

左へ
本隊と合流したいので前進はしたくないから。

189 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/06(月) 21:34:14 ID:???
左上に移動
ヤング隊が突っ込むとは思えませんが突っ込んだ場合の事を考えてこの位置に移動したいです。

190 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/08/06(月) 21:55:48 ID:???
左上に移動

ある程度詰めておきたい。弓兵は1歩ずつだから

191 :見てる人 ◆S/MUyCtQBg :2012/08/06(月) 23:23:00 ID:???
左上へ移動。
なにはともあれ、味方の近くへ。

192 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/07(火) 03:30:45 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>187の選択については……

>>190 Q513 ◆RZdXGG2sGw様の回答を採用させていただきます!
弓兵は移動力がウィークポイントの一つです。
その点に触れていただいた回答を採用とさせていただきました。
CP3を進呈いたします。

また次点として同様に左上への移動を提示していただいた>>189 さら ◆KYCgbi9lqI様、
>>191 見てる人 ◆S/MUyCtQBg様にもCP1を進呈いたします。


>>188
敵が左上から来ていますが、実はヘックス制のマップですと、この状況で左へ移動しても
敵との距離はあまり変わらないですね。
問題は次ターンの位置取りでしょうか。


193 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/07(火) 03:32:02 ID:???
***

・左上に移動


「よし、今日中に第一分隊と合流するぞ。準備ができ次第、移動を開始する!」

この戦、夜明けと同時に大勢が決する。
そんな予感を胸に、森崎は隊列を取りまとめるのだった。

***

・移動処理


敵1……南東、南東へ移動。
敵5……北西へ潰走。

自軍2……北西に移動。
自軍1……動きませんでした。

味方1……北東、北東へ移動。


***


・ターン6 終了


***

194 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/07(火) 03:33:31 ID:???

・ターン7(二日目、夕方)

◎マップ提示

ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha7.png


自軍:
自軍1 傭兵大隊1
 馬108/150、練度30、士気43(ヤング・マジョラム)
自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 

味方:
味方1 第四大隊1
 馬100/100、練度5、士気50(カイル・コーツ)


敵軍:
敵1 第三大隊1
 馬200/200、練度50、士気50(疾風のネクセラリア)
敵5 第三大隊5
 歩 22/150、練度50、士気7 *


***

195 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/07(火) 03:34:32 ID:???

・ターン7 行動指示フェイズ

***

「……ねえ、本隊が突っ込みすぎてない?」
「向こうだって待っててもジリ貧だってのはわかってんだろ。黙って歩けカミキリムシ」

ジェトーリオが言うのへ、いつもの悪態混じりで答えるネイ。
しかしその先は、いつもとは異なる流れとなった。
ジェトーリオが、更に言い募ったのである。

「そうじゃなくてね、ネイくん」
「黙れ、つってんだろマイマイカブリ!」
「……こっちの本隊のことか?」

二人の会話にぼそりと割って入ったのは森崎だった。
周囲に敵影のない今、再び鞍上の人となっているその姿を見上げて、ジェトーリオが頷いた。

「そ。あそこじゃちょっと危ないよね?」
「……下手すりゃ、夜を待たずに突撃かましかねねえな」

と、手元の簡易的な地図と遙か左方、現在は戦場のほぼ中央でこんもりと小高い丘林となっている辺りに
布陣している本隊とを交互に見やる森崎。

「じゃあ、あいつらがやられたら……」
「右翼総崩れ。まあ、俺たちの負けだな」
「お、おい、大丈夫なのか!?」

慌てたように言うネイに、森崎が眉間に皺を寄せて答える。

196 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/07(火) 03:35:33 ID:???
「大丈夫だ……と、ヤングのおっさんは言ってきてる」
「……? どういうことだ?」
「理由はわからんが、敵本隊は必ず俺たち傭兵隊に向かってくるだろう、とさ」
「なんだろうね〜」

口々に問いかけてくる周囲の男たちへ肩をすくめてみせる森崎。

「ま、何にせよ第一分隊は今日の内には仕掛けねえと言ってきてる。
 若干前進はするが、そこで夜営するってよ。でまあ、肝心の俺たちだが……」


***


自軍2の行動方向を選択して下さい。
現時点でユニットがいるマスも指定可能ですが、移動処理フェイズ時に進行方向にユニットがいる場合は
移動がキャンセルされますので注意して下さい。
またアクティブスキルを使用する場合にはこの時点で指定して下さい。

その際【行動理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『8/7 23:00』です。

197 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/07(火) 03:37:46 ID:393H8gKw
******

自軍内での行動順は任意に設定可能です、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

198 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/08/07(火) 20:31:16 ID:???
左に移動。移動順はヤング隊→森崎隊

ヤング隊は「今日の内には仕掛けない」なら左か左上に一歩移動、と予想
ならそれについていくかたちで。はぐれると直接攻撃を受けるかもしれないし



199 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/07(火) 20:41:35 ID:???
その場で待機
ヤング隊が左か左上に一歩進むと思います。
相手に次のターンで相手に突撃出来ない様に次のターンで攻撃出来る様にこの場で待機します。

200 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/07(火) 22:22:48 ID:???
その場で待機
相手に隣接される危険を避けるため。
また、念のため森の中をキープしておきたい。

201 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/08(水) 19:37:11 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>196の選択については……

>>199 さら ◆KYCgbi9lqI様、>>200 ◆9OlIjdgJmY様の案を採用させていただきます!
非常に難しい選択ですが、分隊長としての判断は「直接攻撃を受けるリスクを避ける」で一致しましたね。
ただ、第一分隊に所属しているトニーニョの安否には気をつけてあげて下さい。
CP3を進呈いたします。


>>198
左への移動では先制の射撃が可能ですが、次ターンで先行する敵の動き方次第では
第一分隊と同時に隣接される危険もありました。
その場合は計算上、どちらの隊にも死亡判定が発生します。
ただ……敵本隊を「殲滅」するには、おそらくそのリスクを負うよりなかったでしょう。


202 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/08(水) 19:38:35 ID:???
***

・その場で待機


「……俺たちは、ここで夜営する。準備しろ」
「え……?」

そう告げた森崎の言葉に、目端の利く幾人かが眉をひそめる。
傍らのネイもまた、その一人であった。

「おいモリサキ、もうちょっと進めば相手が射程に入りそうだぜ……?」
「……何度も言わせんな。ここで待機だ」

話を続ける意思はない、とばかりに突き放した森崎が、下馬すると手近な木に手綱を結わえ始める。
その背にネイが噛み付いた。

「待てよモリサキ! まだ日が沈むには間があるし、先に少しでも削っておかなきゃ
 先行してるヤング教官やトニーニョたちが……」
「ネイくん」

言い募るネイの肩を、ジェトーリオが引く。
その手を煩わしげに振り払ったネイが、尚も続けようとする。

「お前は黙ってろ! おい、聞いてるのか、モリサキ―――」
「ネイくん」

今度の制止は、奇妙に静かな響きを帯びていた。
これまでに聞いたことのないジェトーリオの声に、ネイが思わず振り返る。

203 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/08(水) 19:39:37 ID:???
「……この戦い、勝とうと思うならネイくんの言う通り、僕たちは進むべきだと思うよ」
「なら……!」
「だけどね」

ジェトーリオが、その黒い肌を歪めて、薄く笑む。

「相手がいなくなる頃には、そうだな、僕たちは二人に一人も生き残っちゃいないだろうね」
「……!」
「いま射かければ、敵の狙いは僕たち第二分隊になる。ゴロフは、パルラスは、チェルマークはどうなった?」

淡々と挙げられるのは、先の交戦で斃れた戦士たちの名である。

「僕はネイくんにそうなってほしくないし、モリサキもそう考えた。
 勿論、誰かの骸の上に勝ちを拾うのが僕たちの生業だ。誰も死なずに済むなんて、思っちゃいない。
 だけどね……? いま、僕たちがその『誰か』になる必要は、ないと思うよ」

その表情に悲壮はなく、ただ薄笑いだけが浮かんでいる。
思わず、ネイがその胸倉を掴んだ。

204 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/08(水) 19:40:39 ID:???
「お前……!」
「やめろ、ネイ」

止めたのは森崎である。
外したばかりの、蒸れて湯気の立つ鞍を片手に、ネイを見据える。

「ジェトーリオ、勝手に悪役になろうとするんじゃねえ。そいつは俺の役割だ」
「……」
「俺は分隊長として、最適と信じる判断をする。ネイ、お前の意見は分かった。
 だから、それを踏まえてもう一度言うぜ。第二分隊はこの場に待機、夜営準備。
 ……以上だ」

踵を返す森崎。
背に刺さる舌打ちを甘受するのも、職責の内であった。


***

205 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/08(水) 19:42:10 ID:???


「……第二分隊、追従してきません。現状で待機する模様です」
「そうか」

伝令の報告を受けたトニーニョが告げるのにも、ヤング・マジョラムは小さく頷くだけである。

「宜しいのですか!? 督促を出した方が……」
「構わん。奴も隊を預かる男としての、熟慮の上だろうさ」
「……しかし、それでは我が隊は、」

眉根を寄せるトニーニョを片手で制して、ヤングが暮れゆく空を見上げる。

「我が隊、か。お前は少し入れ込み過ぎる。悪い癖だな」
「……」
「なあ、コンセイソン」
「……?」
「お前に一つ、頼みがある」

雲一つない茜色に照らされる古強者の、その顔に秘められた覚悟を知る者は、まだ誰もいない。


***


206 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/08(水) 19:43:11 ID:???

・移動処理


敵1……南東、東へ移動。
敵5……北西へ潰走。

自軍2……動きませんでした。
自軍1……西に移動。

味方1……北東、北東へ移動。


***


・ターン7 終了


******


・ターン8(二日目、夜)

夜間行動可能ユニット:なし

・ターン8 終了


******

207 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/08(水) 19:45:38 ID:???

・ターン9(三日目、朝)

◎マップ提示

ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha9.png


自軍:
自軍1 傭兵大隊1
 馬108/150、練度30、士気43(ヤング・マジョラム)
自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 

味方:
味方1 第四大隊1
 馬100/100、練度5、士気50(カイル・コーツ)


敵軍:
敵1 第三大隊1
 馬200/200、練度50、士気50(疾風のネクセラリア)
敵5 第三大隊5
 歩 22/150、練度50、士気7 *



208 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/08(水) 19:46:40 ID:za6b5mhs

・ターン9 行動指示フェイズ


***


そして、決戦の朝が来る。


***


自軍2の行動方向を選択して下さい。
現時点でユニットがいるマスも指定可能ですが、移動処理フェイズ時に進行方向にユニットがいる場合は
移動がキャンセルされますので注意して下さい。
またアクティブスキルを使用する場合にはこの時点で指定して下さい。

その際【行動理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『8/9 18:00』です。

209 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/08(水) 19:47:41 ID:???
******

といったところで、少し早いですが本日の更新はこれまでとさせていただきます。
本日もお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

210 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/08(水) 19:56:22 ID:???
ジュトーリオの撹乱は消費練度が表示されてませんが使用可能ですかね?

211 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/08(水) 19:58:37 ID:???
>>210
はい、可能です。
現在使用可能なアクティブスキルは以下の通りです。

ネイ
所持スキル:
鼓舞Lv1(所属する部隊の士気を+10する)

ジェトーリオ
所持スキル:
撹乱Lv1(ランダムで敵一部隊の行動をキャンセルする。成功率は1/3)

212 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/08(水) 20:27:32 ID:???
左上に移動
ジュトーリオの撹乱使用します。
森崎隊の攻撃後出来るなら本隊1を攻撃させてから、ヤング隊に突撃して欲しいですね。

213 :森崎名無しさん:2012/08/08(水) 20:37:37 ID:???
ランダムかぁ。殲滅させときゃ良かったね。

214 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/08(水) 20:39:38 ID:???
その場で待機
練度の関係で相手が先に移動してくるので、迎え撃つ形を取りたいです。

215 :◆W1prVEUMOs :2012/08/08(水) 21:37:33 ID:???
▲戦争のコツ
主人公たちは故国を守る兵士ではなく、あくまでお金で雇われている傭兵です。
勝てそうな戦いで評価とお金を稼ぐことを生業としています。
雇い主は傭兵を便利な駒として使い捨てようとするでしょうが、むざむざそれに従う必要はまったくありません。
強大な敵を相手に立派に討ち死にしたところで涙も拍手もなくまとめて共同墓地に放り込まれるだけですし、
そんな戦いを強いる隊長は見る見るうちに支持を失い、常に背中に気を付けなければならなくなってしまうでしょう。
そうならないよう、「勝てそうな相手に」「無理をせず」戦っていくのがこの世界での上手い生き方と言えます。
仕事は要領よく、余力を残して終えましょう。

戦争パートはこれがキモだな
戦闘になるとどんなに名有りが多く居ても【必ず】兵数ダメージを受けるので常に死亡の恐怖が付きまとう
軽めの部隊目標を達成したら即撤退するというのも賢い生き方かも

216 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 20:20:39 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>208の選択については……

>>212 さら ◆KYCgbi9lqI様の案を採用させていただきます!
あらゆる可能性を検討、追求する姿勢はとても重要ですね。
CP3を進呈いたします。


>>214
はい、待機しても敵はおそらく射程に入ってきますね。
スキルを考慮しなければこの選択で問題ないかと思います。

>>215
はい、この戦争パートがチュートリアルであるというのは各種の流れを体験していただく他に、
ヤング隊の行く末から今後の戦争パートにおける傭兵隊の編成や動かし方をお考えいただければ、
というところでもあります。
GMの動かすヤング隊は、損耗率を顧みずにかなりの深追いをしています。
知略の限りを尽くし、かつ運が味方してようやく勝てるかどうかというバランスであり、
また最終的に勝利を収めるとしても何度かの死亡判定を潜り抜ける必要があったでしょう。
戦争パートにおける「大活躍」は常にそういったリスクと隣り合わせですので、
得られる評価と天秤にかけて判断していただければと思います。


217 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 20:22:08 ID:dFLJQeq2
***

・左上に移動、ジェトーリオ『撹乱』使用。


「夜明け、か。ジェトーリオ、手はずはどうなってる」
「……そろそろ、だと思うけどね〜」

薄靄に煙る平原を見やって言う森崎とジェトーリオである。
そんな二人の様子に、ネイが怪訝な顔を浮かべる。

「……?」


*チェック

スキル成功判定

目標値【67】 → ! numnum

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
スキル固有値を目標値とし、目標値以上の値が出れば成功。
00が出た場合は難易度にかかわらず成功となります。
結果によって展開が分岐します。

成功→ スキル発動! 対象選択へ。
失敗→ 何も起こらない。失敗したようだ……。

218 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/10(金) 20:33:05 ID:???
目標値【67】 →  48

219 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/10(金) 20:38:26 ID:???
【数値加算】
CP12を使用して数値を+20します。

220 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/10(金) 20:40:12 ID:???
代理消費、CP2。

221 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 20:42:07 ID:???
***

成功→ スキル発動! 対象選択へ。


と。
地鳴りのような音が朝の静寂を揺るがしたのは、その時であった。
立て続けに、三回。

「なんだァ!?」

驚いて音の出処へと目を向けたネイが見たのは、遥か彼方、敵陣から濛々と上がる煙である。

「……ビックリした。ホントに成功したみたいだね」
「……。よくやってくれたぜ」

ジェトーリオの言葉に若干の間を置いて、森崎が彼を労う。
目を白黒させたネイが、二人に詰め寄った。

「お、おい、お前ら、何を落ち着き払ってんだ! ……まさか、アレはお前らが!?」
「俺は何もしてねえよ。ジェトーリオが、ちょいとな」
「コイツが!?」
「まあ、ちょいと、ね。砲弾の火薬で仕掛けを」

森崎の口真似をするように言ったジェトーリオが、ネイを見てニヤリと笑う。
その顔に、ネイの表情が変わった。

222 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 20:43:12 ID:dFLJQeq2
「……! お前、まだそんな……!」
「ま〜昔のコトはいいじゃない、ネイくん。今はそれより大事なコト、あるでしょ」

血相を変えるネイを軽くいなしたジェトーリオが、森崎の方へと向き直る。
心得ているとばかりに、森崎があえて話を続けた。

「これで敵は混乱する。昼までは動けねえだろ」
「だといいけどね……え〜っと、仕掛けが上手くいったのは……」


*ドロー

どっち? → ! card


※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
結果によって展開が分岐します。

スペード・ハート→ 敵本隊は混乱に陥っている!
ダイヤ・クラブ→ 潰走する敵部隊が足を止めている!
JOKER→ 敵本隊は大混乱だ! 今日一日は動けない!

223 :◆W1prVEUMOs :2012/08/10(金) 20:49:40 ID:???
どっち? →  ダイヤ8

224 :◆W1prVEUMOs :2012/08/10(金) 20:50:47 ID:???
【リドロー】
どっち? →  クラブ8

225 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/10(金) 20:51:40 ID:???
【リドロー】します
どっち? →  ダイヤJ

226 :◆W1prVEUMOs :2012/08/10(金) 20:54:15 ID:???
もう一回
【リドロー】
どっち? →  クラブA

227 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/10(金) 20:54:49 ID:???
【リドロー】します。最近投票してないからそろそろCPきついなあw
どっち? →  ハート3


228 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/10(金) 21:07:23 ID:???
【リドロー】した人達のCPを1ずつ代行します。

229 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/10(金) 21:21:50 ID:???
ちょっとした希望なのですが
戦争パートだけでも
「>>○○と同意見です」といった投票を解禁することはできないでしょうか?

追従した人はCP獲得なし、EPのみ獲得ということで。
いろいろ複雑ですし、戦争パート。

230 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 22:27:08 ID:???
>>229
なるほど。
日常パートの心情などと違って、戦争パートでは同じ選択をする際に
大きく違った理由は出難いでしょうしね。
この戦争はそろそろ終わりに差し掛かりつつありますが、試験的にその運用を
採り入れさせていただきます。

231 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 22:28:23 ID:???
また>>229で重要なシステム案を提示していただきましたので、CP5を進呈いたします。

***

スペード・ハート→ 敵本隊は混乱に陥っている!


「よし、狙い通りだな」
「敵の本隊はこっちの目の前で釘付け、だね〜」
「お前ら……こんな手を隠してやがったのか」

呆然と言うネイに、ジェトーリオが片目を瞑ってみせる。

「惚れ直した?」
「……やっぱお前は、どうしたってお前だよ」

渋面にもいつもの力がない。
そんな様子を横目に、森崎が停めておいた馬に馬具を付け始める。

「さて……打てる手は打った。あとは出たとこ勝負、だな。……全軍、前進準備!
 敵本隊が射程に入り次第、射撃を開始するぞ!」

もしかしたら、遅きに失したのではないか。
そんな不安も、森崎の中にはある。
しかしまた同時に、それぞれの時点では最善の判断を下してきたという自負もあった。
吉凶の結果が出る時が、迫っていた。


***

232 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 22:29:41 ID:???

・移動処理


敵1……行動をキャンセルされました。
敵5……北西へ潰走。撤退……。

自軍2……北西へ移動。射程内に敵影!
自軍1……動きませんでした。

味方1……北東、東へ移動。会敵!

***

233 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 22:30:42 ID:???

「な……あれはモリサキ隊の仕業だと仰るのですか!?」

仮に設けられた狭い幕舎の中に谺したのは、トニーニョの声である。

「他にいないだろう。俺たちに覚えがないのなら、な」

事も無げに頷いてみせるヤング。

「この森で待ち受けるという作戦は少し先延べになったが……混乱が収まれば、
 奴は再び俺たちに向かってくる。全隊に、気を緩めるなと伝えておけ」
「はい……。しかし、なぜ隊長はそこまで敵の行動を読めるのですか。まるで……」
「まるで昔からよく手の内を知っている相手のようだ、か?」
「……」

沈黙は肯定である。

「フ……俺とて、昔はハンガリアの狼と呼ばれた男だ。いくさ場には色々と断ち切れぬ縁もあるさ」
「……」
「さ、わかったら行け。モリサキたちが作った時間、無駄にするな」
「……はい」

促され、幕舎から出ていくトニーニョ。

「……断ち切れぬ、か」

故にヤングの呟きは、その耳には届かない。

「俺はこの時が来るのを願っていたのか、それとも来ないことを祈っていたのか……。
 貴様はどうだ、なあ、セイルよ」

***

234 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 22:31:47 ID:???

◎戦闘処理

自軍2 vs 敵1


自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 
の射撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比1]+[! dice]=


※! と dice の間のスペースを消して判定して下さい。

235 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/10(金) 22:33:33 ID:???
[兵種20+練度0]*[兵数比1]+[ 6 ]=

236 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 22:59:44 ID:???
自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 
の射撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比1]+[6]=26
兵数与ダメージ26、士気与ダメージ5


敵1 第三大隊1
 馬200/200、練度50、士気50(疾風のネクセラリア)
は反撃できない!

結果:

自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 

敵1 第三大隊1
 馬174/200、練度50、士気45(疾風のネクセラリア)


***

237 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 23:01:28 ID:???

◎戦闘処理(NPC)

味方1 vs 敵1

味方1 第四大隊1
 馬100/100、練度5、士気50(カイル・コーツ)
の突撃!

[兵種25+練度0]*[兵数比1]=25
兵数与ダメージ25、士気与ダメージ5


敵1 第三大隊1
 馬174/200、練度50、士気45(疾風のネクセラリア)
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比1.74]=52.2
兵数与ダメージ52、士気与ダメージ10


結果:

味方1 第四大隊1
 馬48/100、練度5、士気40(カイル・コーツ) *死亡判定発生!

敵1 第三大隊1
 馬149/200、練度50、士気40(疾風のネクセラリア)

238 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 23:02:28 ID:dFLJQeq2
***

*死亡判定


対象(ドルファン第四大隊長 カイル・コーツ)
損耗率 52%、目標値【2】 → ! numnum


※! と numnum の間のスペースを消して判定して下さい。
 目標値以上で判定回避。
 目標値未満が出た場合は対象キャラクターが死亡します。

***

239 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/10(金) 23:03:18 ID:???
対象(ドルファン第四大隊長 カイル・コーツ)
損耗率 52%、目標値【2】 →  90
これで1引いたら大笑いだな

240 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 23:05:12 ID:???
>>239
助かりましたw

***


「俺たちにできるのは、おそらくここまでだ……あとはアンタたち次第だぜ、ヤングのおっさん」
「トニーニョ……死ぬなよ、トニーニョ」
「天運が味方しますように……」

飛び行く矢を見やりながら、それぞれの思いを口にする森崎たち。
彼方では手傷を負った赤い鎧の一団が、とうとうその牙を剥こうとしていた。


***

241 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 23:08:56 ID:???
***


・ターン9 終了


******


・ターン10(三日目、昼)

◎マップ提示

ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha10.png


自軍:
自軍1 傭兵大隊1
 馬108/150、練度30、士気43(ヤング・マジョラム)
自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 

味方:
味方1 第四大隊1
 馬 48/100、練度5、士気40(カイル・コーツ)


敵軍:
敵1 第三大隊1
 馬149/200、練度50、士気40(疾風のネクセラリア)



242 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 23:11:30 ID:???
・ターン10 行動指示フェイズ


***


「ヴァルファの赤備えどもは第一分隊に突っ込んでくる気だ!
 俺たちにできることは―――」


***


自軍2の行動方向を選択して下さい。
現時点でユニットがいるマスも指定可能ですが、移動処理フェイズ時に進行方向にユニットがいる場合は
移動がキャンセルされますので注意して下さい。
またアクティブスキルを使用する場合にはこの時点で指定して下さい。

その際【行動理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『8/12 24:00』です。


***

243 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/10(金) 23:13:07 ID:???
******

といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。
遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。

今週末は少しお休みをいただきまして、次回更新は週明けになるかと思います。
それではまた、次回更新にて。

244 :見てる人 ◆S/MUyCtQBg :2012/08/11(土) 00:08:06 ID:???
乙でしたー。
戦争パート、日常と違って苦手なので、同意見〜と言えると助かります。
余裕のあるときは考えて意見出したいのですが、なかなか難しい時もあるのでw

245 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/08/11(土) 05:25:05 ID:???
右下に移動
理由。第1分隊に攻撃してくるであろう敵1を狙い打つ

しかし、もし攻撃されたら味方1の兵数が0になりそうなんですが。
この戦、ヤングとネクセラリアとの因縁がなかったらもう負けてます……

246 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/08/11(土) 05:55:11 ID:???
森崎視点の選択と理由とは別に、私見。

まあ、自分としましては、これまでの描写から「ネクセラリアが勝利を優先して、
ヤング隊より味方1を狙うことはありえない」とずっとふんでましたけれどね!

247 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/11(土) 10:47:18 ID:???
右下に移動
敵はヤング隊に向かって行くそうなのでこの場所に迎え撃ちたいと思います。

248 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/12(日) 17:26:48 ID:???
右上に移動
敵がヤング隊に向かってくるなら包囲・背後から矢を射ってやるぜと考えて

>>230の件ありがとうございます!

249 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 00:19:09 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>242の選択については……

>>246 Q513 ◆RZdXGG2sGw様、>>247 さら ◆KYCgbi9lqI様の案を採用させていただきます!
セオリーですね。事ここに至れば囲碁でいうヨセ、勝敗を直接左右する一手ですので、
失着のないよう堅実にいきたいところです。
CP3を進呈いたします。
また>>245-246のご指摘ですが、はい、確実に敗北条件を満たしてしまいますねw
首の皮一枚、ヤングの過去に救われた……といった感じでしょうか。


>>248
右上移動のデメリットは、もし万が一(そういうインチキな引っ掛けはなるべくしないように
心掛けてはいますが)敵1が真東に向かって森崎隊に攻撃してきた場合、その後の移動によって
更に隣接しての戦闘が継続してしまう点ですね。
そうなってしまうと非常に厳しい戦いを強いられますので、今回は安全策を採用させていただきました。

システムの件につきましては、むしろ改善案を出していただいたこちらがお礼を申し上げるところです。
重ねてありがとうございました!


250 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 00:21:40 ID:???
>>244
はい、皆様には皆様の生活時間帯などもありますからね。
無理をセず参加できる範囲で楽しんでいただければと思います。
それに伴う改善案なども常時募集しておりますので是非お寄せください。

251 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 00:23:16 ID:???
***

・右下に移動


「このまま森の中を南下する! 第一分隊に仕掛けてくるヴァルファを確実に狙い撃ちするぞ!」

言うが早いか、森崎が馬の腹を軽く足で叩く。
手綱を握る手の、革手袋の中は汗でじっとりと濡れている。
夏の暑さのためばかりではない。
次の交錯で喪われかねぬものを、思うが故であった。

(ヤングのおっさん、トニーニョ……こんなところでくたばるんじゃねえぞ!)



***


・移動処理


敵1……南東へ移動。会敵!

自軍2……南東へ移動。射程内に敵影!
自軍1……南西へ移動。

味方1……南西、南西へ移動。


***

252 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 00:24:16 ID:???

「ヤング……よもや貴様と刃を交える日が来ようとは、な」

陽光の灼熱を映したような真紅の鎧に身を包んだ男が、呟く。
ハンガリア人に特有の緑がかった黒髪の下から覗く瞳は、鷹の如き鋭さで眼前の部隊、
その先頭に立つ男の姿を捉えていた。

「子飼いの兵……よくもこれだけ削ってくれたものだ。狼の牙、鈍ってはいないか」

重い口調とは裏腹に、口元に浮かぶのはしかし、笑みであった。
敵を前に口角を吊り上げ牙を剥く、肉食獣の笑み。
ヤングを狼と呼ぶこの男もまた、獣である。

「あの日に違えた道の行く末……今日ここで確かめてやる! 全軍、正面敵部隊に突撃!
 俺に続け!!」

その背丈ほどもある長大な槍を掲げた男が号令するや、周りの兵が雄叫びを上げる。
全欧最強の一角を担う傭兵団の、突撃が始まった。


***

253 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 00:25:44 ID:???

◎戦闘処理

敵1 vs 自軍1


敵1 第三大隊1
 馬149/200、練度50、士気40(疾風のネクセラリア)
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比1.37]*[地形0.9]+[ 2 ]=

254 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 00:27:03 ID:yygd7N7A

敵1 第三大隊1
 馬149/200、練度50、士気40(疾風のネクセラリア)
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比1.37]*[地形0.9]+[2]=38.99
兵数与ダメージ38、士気与ダメージ7


自軍1 傭兵大隊1
 馬108/150、練度30、士気43(ヤング・マジョラム)
の突撃!

[兵種25+練度3]+[! dice]=

※! と dice の間のスペースを消して判定して下さい。
 

255 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/14(火) 00:28:34 ID:???
[兵種25+練度3]+[ 6 ]=

256 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 00:46:31 ID:???
自軍1 傭兵大隊1
 馬108/150、練度30、士気43(ヤング・マジョラム)
の突撃!

[兵種25+練度3]+[6]=34
兵数与ダメージ34、士気与ダメージ6


結果:

敵1 第三大隊1
 馬115/200、練度50、士気34(疾風のネクセラリア)

自軍1 傭兵大隊1
 馬 70/150、練度30、士気36(ヤング・マジョラム) *死亡判定発生!


***

257 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 00:47:50 ID:yygd7N7A
***

*死亡判定


対象(ドルファン傭兵隊1 トニーニョ)
損耗率 53%、目標値【23】 → ! numnum


※! と numnum の間のスペースを消して判定して下さい。
 目標値以上で判定回避。

※※目標値未満が出た場合は、イベントが発生します。
 このイベントはスキル『トニーニョへの加護・A』の発動に優先します。



258 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/14(火) 00:48:11 ID:???
損耗率 53%、目標値【23】 →  76

259 :森崎名無しさん:2012/08/14(火) 00:51:08 ID:???
あと115人削るのは辛いなあ…どうしたもんか。

260 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 00:51:44 ID:yygd7N7A
>>258
セーフ!
厳しい判定が続きますが、是非その調子でお願いいたします!
ただ、この戦争パートに限ってはもし判定に失敗してしまっても……?

***


*死亡判定


対象(ドルファン傭兵隊長 ヤング・マジョラム)
損耗率 53%、目標値【3】 → ! numnum


※! と numnum の間のスペースを消して判定して下さい。
 目標値以上で判定回避。

※※目標値未満が出た場合はイベントが発生します。



261 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/14(火) 01:02:17 ID:???
損耗率 53%、目標値【3】 →  03

262 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/14(火) 01:02:22 ID:???
損耗率 53%、目標値【3】 →  47

263 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/14(火) 01:03:31 ID:???
うははw
「出る時は出るんだよな……」とか書こうとしてフラグ臭いので止めたらw

264 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 01:05:22 ID:???
>>263
目標値「以上」なのでこちらもセーフです!
これで厄払いができたと前向きに考えましょうw


***


「ヤング! ヤング・マジョラム!」

声と共に、通常の槍の穂先に刀を据え付けたような、奇妙に刃の反り返った槍が奔る。
正面から薙がれたそれを、僅かに身を逸らすことで躱したヤングが、すれ違いざまに長剣を振るう。
ぎいん、と硬い音はヤングの剣が槍の柄に弾かれて鳴ったものである。
柄までが鉄でできた槍を軽々と振るう真紅の鎧の男を見やって、ヤングが叫び返した。

「久方振りだな、セイル! ……今はヴァルファ八騎将『疾風』、か!」
「思い出すかよ、ヤング! 茶番の革命に身を投じた、愚かなあの頃を!」

交錯は一瞬。
視線と言葉と、そして刃を叩きつけ合った二騎はすぐに遠ざかり、馬群に消えていく。
最早、率いる兵の数は両軍とも半数を割り込もうとしている。
それでも雌雄を決するには、まだ周囲に邪魔が多すぎる。
そのことを互いに理解しているかのような、刹那の邂逅であった。


***

265 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 01:06:51 ID:yygd7N7A
***


「出し惜しみは無しだ! これから射る一本一本がこの戦を分けると思え!」

森の中、梢のざわめきと虫たちの鳴き声を圧するように森崎の号令が響き渡る。
きりきりと引き絞られた百を超える弦から、一斉に矢が飛んだ。


***

◎戦闘処理

自軍2 vs 敵1


自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 
の射撃!

[兵種20+練度0]+[! dice]=


※! と dice の間のスペースを消して判定して下さい。

266 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/14(火) 01:16:43 ID:???
[兵種20+練度0]+[ 1 ]=

267 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 01:42:24 ID:???
***


その用兵は、いまだ戦場に立つ者の殆どすべてを瞠目させた。
森崎隊の援護射撃によって作られた敵軍の隙、その一点へ向けて総攻撃をかけると見せたその時、
ヤング・マジョラムは、自身の隊に後退を命じたのである。

「……何年経っても一本気は変わらんな、セイル。木を見て森を見ず、目先の感情に衝き動かされる……。
 だから貴様は、いつだって最後に道を誤る……!」

正面の敵に突撃を敢行すると誰もが、もし戦闘に突入していれば相当な不利を強いられたはずの
ヤング隊の傭兵たちですらがそう確信していたにもかかわらず、であった。
退きながら、ヤングが傭兵たちに檄を飛ばす。

「次の攻撃さえ凌げば、この戦は俺たちの勝ちだ! 全員、隊列を崩すな!
 ……生きて、帰るぞ!」

敵陣との間にぽっかりと空いた距離は、果たして勝利を引き寄せるものとなるか。
神のみぞ知る、それは未来であった。


***


・ターン10 終了


***

268 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 01:43:37 ID:???
すみません、>>267の前に以下の1レスが入ります。

***


自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 
の射撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比]+[1]=21
兵数与ダメージ21、士気与ダメージ4


敵1 第三大隊1
 馬115/200、練度50、士気34(疾風のネクセラリア)
は反撃できない!



結果:

自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 

敵1 第三大隊1
 馬 94/200、練度50、士気30(疾風のネクセラリア)


***

269 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 01:45:34 ID:???

・ターン11(三日目、夕方)

◎マップ提示

ttp://www39.atpages.jp/msaki/iriha11.png


自軍:
自軍1 傭兵大隊1
 馬 70/150、練度30、士気36(ヤング・マジョラム)
自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 

味方:
味方1 第四大隊1
 馬 48/100、練度5、士気40(カイル・コーツ)


敵軍:
敵1 第三大隊1
 馬 94/200、練度50、士気30(疾風のネクセラリア)


***

270 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 01:49:50 ID:???

・ターン11 行動指示フェイズ


「何だ!? どうしてヤング隊長たちは退いたんだ!?」

泡を食って狼狽えるネイに、森崎がちらりと目をやってから言う。

「決まってる。……勝つためだ」
「……?」

顔に疑問符を浮かべるネイにはそれ以上を語らず、森崎はぎり、と手綱を握り締める。

(俺たちの射撃が通れば……勝ちは、決まる。ただ、その時は―――)


***


自軍2の行動方向を選択して下さい。
現時点でユニットがいるマスも指定可能ですが、移動処理フェイズ時に進行方向にユニットがいる場合は
移動がキャンセルされますので注意して下さい。
またアクティブスキルを使用する場合にはこの時点で指定して下さい。

その際【行動理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『8/14 23:30』です。


***

271 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 01:51:05 ID:yygd7N7A
******

あとはどうにかして判定を乗り越えるだけ……といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

272 :◆W1prVEUMOs :2012/08/14(火) 10:55:50 ID:???
戦争で一番重要なのは兵数かな
プレイヤー側で兵数を増やすことは出来ないのかなあ

273 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 11:56:41 ID:???
>>272
勿論、戦争のたびに兵数が減っていく一方ではゲームになりませんので
定期的に補充されることにはなっておりますが、そうですね。
プレイヤー側からのアプローチということであれば、訓練時コマンドで
その方向も考えてみますね。
訓練回数のバランスとの兼ね合いもありますので、どういった形とするかは
これから調整させていただきます。

274 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/14(火) 11:58:52 ID:???
うーん、所詮は雇われ兵士だし、難しいんじゃないかな。結局のところ「金がなければ兵士は雇えない」ので。
リアルに即して考えれば「国と予算交渉をする」「傭兵隊内部で資金繰りをする」とかはあるが…。
あと味方全体を増やすという意味ではそれこそ政治の世界の話になって、森崎にはちょっと荷が重いかな。

275 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/14(火) 12:04:06 ID:???
>>274
はい、ですので、おそらく「ゲームとしての最重要パラメータ」である
『評価値』との引き換えという部分が落としどころかなと考えております。
イメージとしては戦功による発言力で上と交渉する、といったところでしょうか。

勿論まだ構想段階のシステムですので、異論ご意見、お待ちしております。

276 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/14(火) 12:09:43 ID:???
非常に現実的ですし、ゲーム的にも面白いと思います。これが導入されると
「稼いだ戦功で兵数をガリガリ増やして突撃して犠牲の代わりに大活躍、
 損耗率からの即死判定はCPEPぶち込んで全力回避して生き残り、
 そうした増やした戦功でまた部隊を強化し……な【血を吐きながら続けるマラソン】」
ができるわけで。そういうルートを通るかどうかは置いておいて、
英雄を目指すなら面白いのではないかと(一将功成りて万骨枯る…)。

277 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/08/14(火) 19:33:57 ID:???
左上に移動

相手の退路をふさぐ位置に動く

278 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/14(火) 20:23:36 ID:???
左下に移動

確実に射程に捉えるにはこの位置に移動する必要があるので。
接近の危険はありますが、それならそれでヤング隊の負担が減りますし。

兵数増員も面白そうですね。
シンプルにCP1で○人増員なんてのもありかと。
増員限界を定めればゲームバランスも保てますし。

279 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/14(火) 20:55:46 ID:???
その場で待機
敵がヤング隊に突撃して来るのであれば移動する必要ないかなと思います。

280 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/14(火) 20:58:55 ID:???
兵数増員も良いですが戦場で生き残った傭兵達が精鋭になっていくってのも面白いかなと思います。

281 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/17(金) 18:18:22 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>270の選択については……

>>278 ◆9OlIjdgJmY様の案を採用させていただきます!
そうですね、このターンで万一森崎隊が攻撃できないと詰みますので、左もしくは左下で正解だと思います。
CP3を進呈いたします。

またシステム案、ありがとうございます。
CPでの増員については少しお手軽に強化できすぎてしまうので、そうですね、仰る通り
「その時点での想定兵数までの補充」とするか、もしくは交換レートを上げるかですね。


>>276
ハードでピーキーな遊び方ですが、面白いですね。
ゲーム戦略の一つとしては充分にありだと思います。
やり過ぎるとゲーム期間が終わる前にギエロン星獣が襲ってくるかも知れませんがw

>>277
相手としても逃げに回ってもじり貧なので後退はしてこないですが、移動が敵からなので
全力で左上に逃げられてしまうと、いずれにせよ射程外になってしまいますね。

>>279-280
敵が地形効果の恩恵を無視して全力で南西に移動してしまうと、森崎隊が攻撃できないまま
ヤング隊が全滅の危機に陥ってしまいます。相手も必死ですね。

またシステム案、ありがとうございます。
なるほど、成長システムは楽しそうですね。
ちまちまクラスチェンジさせていくようなのはGMとしても大好物です。
現在の戦争システムにどう入れ込むかが問題ですが、良い案がありましたら是非!

282 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/17(金) 18:19:24 ID:???
***

・左下に移動


「敵さんは虫の息……この局面、俺たちに射掛けられるのが何より怖いはずだ!
 野郎ども、絶対に逃がすなよ!」

応、の声は少ない。
丸三日を戦い通した男たちは疲弊の極地にあった。
特に初陣、いくさを知らず、付け焼刃でない専門の訓練を受けたというわけでもないごろつきどもは
どんよりと曇った、どこか焦点の合っていない目で遠くを見つめている有様だった。

(限界……か。だが、さすがにもう日をまたぐことはねえ。……どちらが勝つにせよ、だ)

ずるずると足を引きずるようにして動き出す傭兵たちを見やりながら、森崎はそんな確信を抱くのだった。


***


・移動処理

敵1……南西、南西へ移動。会敵!

自軍2……南西へ移動。射程内に敵影!
自軍1……動きませんでした。

味方1……南東、東へ移動。会敵!


***

283 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/17(金) 18:20:24 ID:???
***


「―――巫山戯るなよ、ヤング・マジョラム……!」

ぎり、と噛み締めた唇から鮮血が垂れ落ちる。
怒髪天を衝く勢いで馬を駆るのはセイル・ネクセラリア。
ヴァルファバラハリアン第三大隊の将である。

「いくさを、俺たちのいくさを穢すかよ……野に下り、誇りを忘れたか、ハンガリアの狼が!」

いよいよ勝負をつける時であると臨んだ眼前、その覚悟をあざ笑うように転進したヤングの姿が
その瞼の裏に焼き付いて離れない。
将として、その意味は分かる。
東に位置する弓兵で、こちらを限界まで削ろうというのだ。
だがそれは、

「俺たちの決着など、いくさの勝ち負けの前に価値がないとでもいうか……!
 その思い上がり、正してやろう……ヤング、貴様の首でな!!」

イリハ会戦、最後の猛攻が始まる。


***

284 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/17(金) 18:21:27 ID:???
***

◎戦闘処理

敵1 vs 自軍1


敵1 第三大隊1
 馬 94/200、練度50、士気30(疾風のネクセラリア)
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比1.34]*[地形0.9]+[ 1 ]=

285 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/17(金) 18:23:20 ID:mjNDdThI
敵1 第三大隊1
 馬 94/200、練度50、士気30(疾風のネクセラリア)
の突撃!

[兵種25+練度5]*[兵数比1.34]*[地形0.9]+[1]=37.18
兵数与ダメージ37、士気与ダメージ7



自軍1 傭兵大隊1
 馬 70/150、練度30、士気36(ヤング・マジョラム)
の突撃!

[兵種25+練度3]+[! dice]=

※! と dice の間のスペースを消して判定して下さい。

286 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/17(金) 18:44:51 ID:???
[兵種25+練度3]+[ 6 ]=

287 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/17(金) 19:03:28 ID:???
***

自軍1 傭兵大隊1
 馬 70/150、練度30、士気36(ヤング・マジョラム)
の突撃!

[兵種25+練度3]+[6]=
兵数与ダメージ34、士気与ダメージ6

結果:

敵1 第三大隊1
 馬 60/200、練度50、士気24(疾風のネクセラリア)

自軍1 傭兵大隊1
 馬 33/150、練度30、士気29(ヤング・マジョラム) *死亡判定発生!


***

288 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/17(金) 19:05:14 ID:mjNDdThI
***


*死亡判定


対象(ドルファン傭兵隊1 トニーニョ)
損耗率 78%、目標値【48】 → ! numnum


※! と numnum の間のスペースを消して判定して下さい。
 目標値以上で判定回避。

※※目標値未満が出た場合は、イベントが発生します。
 このイベントはスキル『トニーニョへの加護・A』の発動に優先します。


***

※システムメッセージ※
この判定における【数値加算】は期間を通常より延長し、
「最初の判定が行われてから2時間以内」といたします。

289 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/08/17(金) 19:23:23 ID:???
対象(ドルファン傭兵隊1 トニーニョ)
損耗率 78%、目標値【48】 →  91

290 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/17(金) 22:30:14 ID:mjNDdThI
***


*死亡判定


対象(ドルファン傭兵隊長 ヤング・マジョラム)
損耗率 78%、目標値【28】 → ! numnum


※! と numnum の間のスペースを消して判定して下さい。
 目標値以上で判定回避。

※※目標値未満が出た場合はイベントが発生します。


***
※システムメッセージ※
この判定における【数値加算】は期間を通常より延長し、
「最初の判定が行われてから2時間以内」といたします。

291 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/17(金) 22:31:21 ID:???
損耗率 78%、目標値【28】 →  58

292 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/17(金) 22:46:14 ID:???
***


「ヤング! ヤング、ヤング! 出て来い……!」

欧州最強の一角の名にし負う、それは槍捌きである。
大きく刀身の反った片刃の、東洋圏の刀に近いその穂先が閃くたびに血飛沫が飛び、
骸がどう、と地に落ちる。
見開かれた目に宿るのは憤怒の一色である。
文字通り鬼気迫るその真紅の人馬の前に、敵はない。

しかし、その頭上に降り注ぐものがある。
森崎隊の放った、矢の雨であった。


***

293 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/17(金) 22:47:14 ID:???
皆さん、素晴らしい引きですね!
この感じで最後までお願いいたします!

***

◎戦闘処理

自軍2 vs 敵1



自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 
の射撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比1.9]+[! dice]=


※! と dice の間のスペースを消して判定して下さい。

294 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/17(金) 22:53:02 ID:???
[兵種20+練度0]*[兵数比1.9]+[ 1 ]=

295 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/17(金) 22:55:30 ID:???
ヤング隊の兵の減りが凄いな。

296 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/17(金) 23:44:55 ID:???
>>295
今回の射撃で五分以上に戻しましたね。
次が部隊戦闘としてはラストです!

***


自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 
の射撃!

[兵種20+練度0]*[兵数比1.9]+[1]=39
兵数与ダメージ39、士気与ダメージ7



敵1 第三大隊1
 馬 60/200、練度50、士気24(疾風のネクセラリア)
は反撃できない!



結果:

自軍2 傭兵大隊2
 弓114/150、練度0、士気43(森崎有三) 

敵1 第三大隊1
 馬 21/200、練度50、士気17(疾風のネクセラリア)


***

297 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/17(金) 23:46:07 ID:mjNDdThI
***


「……もう、邪魔はいないぞ、セイル。さあ―――望み通り、決着をつけよう」


***


◎戦闘処理

自軍1 vs 敵1


自軍1 傭兵大隊1
 馬 33/150、練度30、士気29(ヤング・マジョラム)
の突撃!

[兵種25+練度3]*[兵数比1.57]+[! dice]=


※! と dice の間のスペースを消して判定して下さい。

298 :森崎名無しさん:2012/08/17(金) 23:46:48 ID:???
[兵種25+練度3]*[兵数比1.57]+[ 4 ]=

299 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/17(金) 23:46:55 ID:???
[兵種25+練度3]*[兵数比1.57]+[ 5 ]=

300 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 00:18:10 ID:???
自軍1 傭兵大隊1
 馬 33/150、練度30、士気29(ヤング・マジョラム)
の突撃!

[兵種25+練度3]*[兵数比1.57]+[5]=48.96
兵数与ダメージ48、士気与ダメージ9



敵1 第三大隊1
 馬 21/200、練度50、士気17(疾風のネクセラリア)
の突撃!

[兵種25+練度5]*[地形0.9]+[ 3 ]=

301 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/18(土) 00:20:23 ID:???
ぎりぎり全滅は免れた?

302 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 00:23:56 ID:???
敵1 第三大隊1
 馬 21/200、練度50、士気17(疾風のネクセラリア)
の突撃!

[兵種25+練度5]*[地形0.9]+[3]=30
兵数与ダメージ30、士気与ダメージ6


結果:

自軍1 傭兵大隊1
 馬 3/150、練度30、士気23(ヤング・マジョラム) *死亡判定発生!

敵1 第三大隊1
 馬 0/200、練度50、士気11(疾風のネクセラリア) *全滅!



***

303 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 00:25:54 ID:ab6Q1276
>>301
はい、これで戦争パートの勝利条件は達成です。
それでは最後の判定、どうぞ!

***


*死亡判定


対象(ドルファン傭兵隊1 トニーニョ)
損耗率 98%、目標値【68】 → ! numnum


※! と numnum の間のスペースを消して判定して下さい。
 目標値以上で判定回避。

※※目標値未満が出た場合は、イベントが発生します。
 このイベントはスキル『トニーニョへの加護・A』の発動に優先します。


***

304 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 00:27:13 ID:???
追記:
敵1の全滅により強制イベントが発生します。
ヤング・マジョラムへの死亡判定はキャンセルされました。

305 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/08/18(土) 00:45:54 ID:???
対象(ドルファン傭兵隊1 トニーニョ)
損耗率 98%、目標値【68】 →  84

306 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:12:53 ID:???
エクセレント! この最終ターン、神がかった引きでポイントを使わず
自軍を勝利に導いて下さった>>286,289,291,294,299,305の皆様に
それぞれCP1を進呈いたします!

***

*強制イベント (敵本隊壊滅)


「―――ヤング! ヤング・マジョラム!」

荒野を駆ける、敗軍の将がいる。
手勢のすべてを喪い、己自身も無数の手傷を負いながらしかし、追いすがる兵の悉くを斬り捨てて
ただ一騎、因縁浅からぬ男の名を呼ぶその将を、セイル・ネクセラリア。
人は彼を『疾風』と呼んだ。

「ヤング……!」

その二つ名の通りに疾風の如く戦場を駆けるネクセラリアが叫ぶ、その行く手に一人の男がいる。
その鉄鎧は返り血にまみれて赤黒い斑模様に塗り替えられ、髪は乱れ顔は泥と垢とで汚れきり、
しかし、見紛うはずもない。
求めた、敵である。

「……久しぶりだなセイル。どうした、虫の居所が悪いのか?」

迎えるヤングはしかし、口の端を上げて笑みさえを浮かべてみせる。
その余裕に、ネクセラリアが激昂の度合いを増す。

「ヤング! 貴様はどこまで俺を虚仮にする……!」

ぎり、と手綱を引き絞れば駿馬が応えて地を駆ける。
巨躯が、優美に跳ねた。

307 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:13:54 ID:???
「我こそはヴァルファバラハリアン第三大隊長、セイル・ネクセラリア!
 敵将に一騎討ちを所望する!」

叫ぶや、大槍を翳して突っ込むネクセラリア。
ヤングはそれを正面から見据え、

「応!! 我はドルファン王国陸軍、外国人傭兵大隊長ヤング・マジョラム!
 その申し出、受けようぞ!!」

大音声をもって、応えた。
腰の剣はいまだ抜き放たれてすらいない。

「いい度胸だ、ヤング!」

奔るのは茜色の弧である。
夕陽に照らされた、ネクセラリアの槍であった。
風を巻いた刃が、ヤングの騎乗する馬を捉える。
重く濡れた音と、掠れた嘶き。
槍の穂先が、馬の首筋を切り裂いたのである。
否。嘶きは、二つ。

「なにィ……!?」

驚く間もあらばこそ、鐙から足を抜き、鞍上から飛び降りるネクセラリア。
ずうん、と。倒れて足掻くのは、二頭の馬であった。
地響きを立てる愛馬を見やれば、その目に深々と短刀が突き刺さっている。
ヤングの、投擲したものであった。

308 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:15:06 ID:???
「……やってくれるな、ヤング」
「教導官暮らしで衰えていると思ったか?」
「ハンガリアの狼とまで呼ばれたお前が、ドルファンでヒヨコの世話か……見るに堪えん。
 それ以上の生き恥、晒さずに済むようにしてやろう」
「育てるのが鷹の雛なら、その名にも恥じないさ」

言ったヤングが、剣を構える。
ブロードソードとしては刃渡りや柄の長い、片刃の直剣である。
盾を持たぬ軽装は欧州一般のそれとは距離を置くものであったが、しかし下段の構えに隙はない。
迂闊に踏み込めば一刀のもとに斬り捨てんとする威圧感が、その全身に満ちていた。

「ヴァルファの『疾風』の名を耳にしたときは驚いたぞ、セイル。お前らしいとも思ったがな」
「あの下らない革命の後、俺は再びいくさに身を投じた。それだけだ。
 ……そして貴様は、ドルファンという安寧に逃げた!」

吐き棄てるようなネクセラリアの言葉に、ヤングが苦笑する。

「逃げたのはお前だろう、セイル。確かに革命の後に残ったのは下らない鞘当てと醜い利権争いさ。
 俺たちが命を懸けて得たのは結局、密告で地位を奪い賄賂で家を買うような日常だ。
 だから……お前はそれに耐えられなかった」
「……! 違う!」

ネクセラリアが、槍を振りかざして間を詰める。

「俺はクレアを護ったのだ! あいつの父親はボルキア人だった! だから!」
「腐れ豚の大佐殿がクレアを所望した、ボルキア人は革命で奴隷同然にまで落ちたからな」
「豚は言った―――支配層だったボルキア女を犯す度に革命が実感できる、とな!」
「それで斬ったか!」

309 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:16:07 ID:???
振り下ろされる穂先に退くことなく、ヤングがその縦の軌道から半身を逸らしつつ一歩。
下がれば二の槍三の槍が襲う、そのことをヤングは熟知している。
間合いが、槍から剣のそれにまで縮まった。

「斬って悪いか!」
「逃げていれば世話はない! 残されたクレアがどれほど悲しむか、考えもせずに!」

下段から斬り上げるヤングの剣を、しかしネクセラリアが石突で右へと弾く。
そのまま左の肘を支点として逆回しに回転した槍の柄が、ヤングの頭上へと迫る。
すんでのところで上体を反らしたヤングがバックステップ。
二歩を飛び退いて、しかしそこは槍の間合いである。

「ならば貴様はクレアを豚の慰み者に差し出せばよかったというのか!」
「護るということの意味を考えたのかと言っている!」
「貴様にはそれができたというのか!」

電光石火の突きを弾いて一度、踏み込もうとしたヤングの足元が薙ぎ払われる。
重心移動の瞬間を狙われ、下がるのが遅れた。
辛うじて届いた剣先が槍の軌道を僅かに変え、脛を断ち割ろうとしていた刃は
ヤングの膝下を浅く裂くに留まった。
槍の伸びきるのを感じたヤングが、鮮血を噴く足を強引に踏み出す。
右の半身を前に、跳ね上げるような片手の払い。
体重を乗せず遠心力と剣の重量だけで斬撃する、奇策であった。
しかし、浅い。
下がろうとしていたところからの踏み出しは、ほんの拳半個、遠かった。
縦に半円を描くような軌道の剣は、ネクセラリアの顔に届かず、その長い前髪を幾房か切り飛ばすだけである。
そのまま踏み込み、体を入れ替える。
交錯の刹那、柄での打撃は空振り。
互いに三歩を駆け抜けて、振り返る。

310 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:20:36 ID:???
「できたさ……今、クレアを護っているのは、俺だ」
「なにィ……!?」
「今のクレアは俺の妻だ。いつまで恋人気取りでいる」
「フン……風の噂には聞いていたが、横恋慕を実らせて満足か?
 それが貴様の言う、護るということか!」

構えは互いに正眼。
じり、と摺り足が左右に、そして前後に滑り、間合いを僅かずつ変えていく。
ヤングが右に指一本を動けば、ネクセラリアは前に小石ひとつ分。
応じてヤングは剣先を指の腹一つ上へ。ネクセラリアが、元の位置にまで下がる。
息の詰まるような、駆け引きであった。

「―――人を斬って姿を消せば、それで何もかもが解決するとでも思ったか。
 お前は何もわかっちゃいない……残された者の苦しみも、悲しみもな」

呟くような声音には、襞がある。
積み重なった時という、襞であった。

「知った風な口をきくなよ、ヤング」
「言ったろう、今の俺は教導官でな。ガキを見れば説教の一つもしたくなる」
「老いを誇るか、いくさ場で……!」

それきり、互いが口を噤んだ。

「……」
「……」

きいん、と。
周囲の音が消えていく。
一撃必殺の気構えが、互いの内側を満たし、溢れ、辺りを染め上げているかのようだった。
張り詰めた静寂が、その頂点に達した瞬間。

311 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:21:41 ID:???
「―――」

光と光が、交わった。
剣閃が華を咲かせる。
血飛沫という、魅惑の華だ。

「ぐ、ぅ……!」

華はネクセラリアの鎧の隙間、肘や、腿や、或いは腹から咲き乱れて真紅の鎧を更に赤く染め、
そして、

「……か、はっ……」

最も大輪の華は、ヤングの胸から、咲いていた。
鉄の甲冑の継ぎ目を正確に貫き通したその槍が、静かに引き抜かれる。

「……さらばだ、ヤング」

体中の傷、とりわけ腹を割いた深い裂傷からぼたぼたと鮮血を流しながら、細く長い息をついた
ネクセラリアの前、ぐらり、と傾いで。

「―――」

ヤング・マジョラムが、斃れた。


***

312 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:22:48 ID:???

「モリサキ! モリサキ、いるか!?」

その一団が駆け込んできたのは、森崎隊が次の攻撃に備えて準備を整えようとしていた頃のことである。

「どうした……って、トニーニョ!? お前、どうしてここに……!?
 それに、その傷……」

出てくるなり森崎が目を見開く。
傷ついた一団、傭兵たちの先頭に立っていたのはトニーニョである。
そこかしこに巻かれた汚れ布に滲む血は激戦を潜り抜けてきたことを示していたが、
しかし息せき切って走ってきた、その五体に深刻なダメージはないようだった。

「俺のことはいい、それより……!」

荒い呼吸の中、トニーニョが告げた、その内容に一同が絶句する。

「嘘……だろ? ヤングのおっさんが……死ん、だ……?」
「敵の軍勢はあらかた仕留めたが……敵将だけが、止められなかった」
「くっ……!」

その死に衝撃を受ける間など、ありはしなかった。
情報は瞬時に伝わり、全軍に計り知れない動揺をもたらすだろう。
てんでに潰走を始めれば、それこそ取り返しのつかない損害を被ることにもなりかねなかった。

「……わかった。残ってるのは一人だな。トニーニョ、お前はとにかく隊の連中を取りまとめて、」

言いかけた、ときである。

「―――ヤング・マジョラムの子らよ、聞け!!」

戦場に、その声が響き渡った。

313 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:23:49 ID:???
***


「―――ヤング・マジョラムの子らよ、聞け!!」

その声は朗々と響き渡り、いくさ場を駆け抜ける。

「我が名はヴァルファバラハリアン八騎将が一、『疾風』のネクセラリア!
 貴様らが将、ヤング・マジョラムは我が槍で討ち取ったり!
 誰ぞ、仇を討つ気概のある者はおらぬのか! 我はいつでも受けて立つぞ!!」

それはいくさの昂揚に任せた挑発であり、あるいは誰も名乗り出てはこまいという侮蔑であり、
そしてまた、散った勇士への手向けでもあった。

「ヤング……貴様の置き土産、見せてもらうぞ」

呟いたその口元から、つぅ、と血が垂れる。
口腔が切れているものではない。
赤黒い血は、喉の奥から溢れてくるのであった。
周囲には百を超える敵兵、救援など望むべくもなく、愛馬は傍らに事切れている。
腹の傷は臓腑を抉り、既に助からぬことは自分自身がよくわかっていた。
それでも、ネクセラリアは雛鳥の囀りを待つ。


***

314 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:25:06 ID:ab6Q1276
***


「……」

森崎は、じっとその声の主の方を見やっている。

「……モリサキ。俺は、お前に任せる」

トニーニョが、拳を握って森崎の胸鎧を叩きながら言う。
その様子に何を感じ取ったか、慌てたようにネイが口を開いた。

「お、おい。やめとけよ、モリサキ。あのヤング隊長でも勝てなかったんだぞ」
「まあね〜。隊長がこんなことになって、君までやられたら、僕らはオシマイだからね〜。
 そこんとこ、よく考えてほしいかな〜」

仲間たちの口々に言う声を、聞いているのか、いないのか。
しばしの黙考の後に開かれた、その口から出たのは―――


*選択

A「……行ってくるぜ」 一騎討ちに臨む。

B「……後退するぞ」 一騎討ちを回避する。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『8/19 12:00』です。

***

315 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/18(土) 01:26:46 ID:???
******

この後は個人戦闘、それを飛ばせば戦後処理、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

316 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/08/18(土) 05:25:10 ID:???


ここは勝負。ヤングの仇をとりたい

317 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/18(土) 07:40:25 ID:???

こういう時に一騎打ちを受けないで騎士を目指すってのは虫が良すぎる気がします。

318 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/18(土) 07:52:40 ID:???
A
「俺達は傭兵だ。一騎討ちなんて騎士道物語はそれこそ騎士様に任せておけば良い」



って思ったのだけど、森崎は騎士叙勲を目指していたのであった。
ここで撤退してしまっては、生き残っても意気消沈して傭兵隊を除隊・逃げ出す者達が出るかもしれない。
この一騎討ちが傭兵隊の今後を左右することになるはず。
厳しい戦いになるでしょうが、CPEPの注ぎ時というヤツですかねっ

319 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/18(土) 08:08:42 ID:???
A
この一騎打ちはどう考えてもチュートリアル。だから勝てる、勝てるんだ…!
その翌日、ベンチで冷たくなっている森崎が(ry

320 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/18(土) 10:31:23 ID:???

敵将にヤングとの因縁を問い、決着をつけるのが彼への手向けだと考えたから。

敵将は「ヤング・マジョラム」の「子」と叫んでいる。
ヤングを知り、ある程度の好意的感情がなければ「子」とは呼ばないのでは?
また、敵将はセオリー無視でヤング隊に突っ込み、ヤングもそれを予期していた。
これも二人の因縁を裏付ける。

といった推測を森崎もなしうるかと。

321 :◆W1prVEUMOs :2012/08/18(土) 10:59:16 ID:???
A
ネクセラリアは自分がもう助からないのを知っており
それでも雛鳥の囀りを待つのは次の世代を育てることを選んだ友人ヤングの道が正しかったことを胸に眠りたいからだと思うので
ここでは名乗り出ることが重要であり、一騎討ち自体は行われないかもしれない

322 :見てる人 ◆S/MUyCtQBg :2012/08/18(土) 18:46:21 ID:???
A こいつもう死ぬから。最後に友人の大事にした教え子の闘志を見たいんでしょう。
  森崎はそれを本能的に感じ取って、あるいはヤングの仇をうちたいから、挑む。
  自分はもう死にそうなのに、最後までカッコイイ敵にトドメをさしてあげたい気持ちもあると思う。

323 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:34:04 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>314の選択については……

ここは満場一致!
Aを選択された>>316-322の全員の案を採用させていただきます!
それぞれCP3を進呈いたします。


324 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:35:50 ID:???

>>316
そうですね、きっちり仇を討って下さい!

>>317
はい、評価値の面でも、物語的な意味でも、尻尾を巻いて……という選択はありませんでしたね。
そのための休息一回多め、でもあります。

>>318
事前に休息が取れずガッツ残量が少ない場合など、「勝てない勝負」だと確信が持てるケースでは
回避した方がいいですね。
デメリットはありますが、むざむざ入院するよりはマシといえます。
(勿論、できれば避けていただきたいケースです)

ただ今回は、ヤングのイベントが「敵全滅」という有利な状況で発生しているので
かなりラクな戦闘になる……かも知れません。

>>319
ビリーに大苦戦した悪夢が……さ、さすがに大丈夫だと思いたいです!

>>320
はい、旧い因縁、すれ違った男たちの物語に終止符を打って下さいませ。
それができるのは今、森崎だけです!

>>321
死んでいった男、そして死にゆく男の願いを剣に乗せて、堂々と戦って下さい!

>>322
刃を交わすことでしか伝わらない思いを、しっかり伝えていきましょう!

325 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:37:56 ID:???
***


・「……行ってくるぜ」 一騎討ちに臨む。


「なにィ!?」
「……」
「……そうか」

周囲の者たちが、ある者は驚愕し、ある者は眉を顰める中、トニーニョは森崎の目を見つめると、
小さく頷いた。

「勝ってこい、モリサキ」

それだけが、餞別である。


***

326 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:43:58 ID:???


焼けるような土の匂いと、骸から流れ出した血の臭気とが入り混じり、
噎せ返るように濃密ないくさ場の空気を形成している。
その中心に聳え立つのは、一本の槍だ。
天を衝くが如く屹立した、片刃のグレイヴ。
その傍ら、半ば槍と一体化しているかのような静謐に身を置くのが、セイル・ネクセラリア。
真紅の鎧を血の褐色に汚しながら、揺らぐこともなく立つ益荒男である。

「……待たせたな」

そのネクセラリアの前に、男が一人、進み出た。
胸甲から腰当、脛当に至るまで泥に汚れ、無精髭に土気色の顔、そして乱れた黒髪の下には
そこだけが爛々と輝く瞳。
戦士、であった。
右手は両刃の長剣を抜き放ち、空いた左の腕には円盾を着けている。

「名を聞こう」
「―――ドルファン陸軍、外国人傭兵大隊第二分隊長、森崎有三」

応えた男が剣を翳し、続けた。

327 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:44:59 ID:???
「ヴァルファバラハリアンが将、ネクセラリア殿とお見受けする。一手、お手合わせ願いたい」
「……良かろう、ヤングの雛よ」

いつの間にか周囲の兵は数段を退き、二人の他にはただ骸が倒れ伏すのみである。
一騎討ちの行く末を見守る体であった。
それを見届けたネクセラリアが大地に突き立てた槍を抜く。
石突の土を払うと、ぶうんと風を切る音を立てて大きく一回転。

「いざ尋常に―――勝負」

腰を落として、正眼に構えた。


***

328 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:46:01 ID:???

◎個人戦闘


森崎有三
ガッツ:230
ATK:78 DEF:140 SPD:72 Ini:14

発動中パッシブスキル:
受身/個人戦闘時、DEF値を+10する。

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。

VS

疾風のネクセラリア
ガッツ:70
ATK:118 DEF:64 SPD:75 Ini:15

※イベントの効果により全能力値が60%ダウンしています。

***

329 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 00:48:35 ID:xxRncCaM

【ターン1】

・行動選択
攻撃、スキルの内から『8/22 18:00』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。


******

いよいよ戦闘開始、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。

今回は更新が遅くなったため長めに時間をとっておりますが、
個人戦闘のターンごとの行動選択は基本的に1時間程度を期限として
サクサクと進めていこうかと思っております。
それではまた、次回更新にて。

330 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/22(水) 09:29:10 ID:???
スマッシュ使用します。
相手の体力も余りないく、万が一大苦戦して一か八かでスマッシュを使うより序盤で使ってみるのも面白いかなと思います。

331 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/22(水) 12:21:39 ID:???
牽制打を使用します。
これで攻撃がほぼ100%あたりますし
じわじわ削っていけば確実に勝てるガッツ差ですから。

332 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/22(水) 12:39:10 ID:???
とりあえずここは牽制打で。ダメージ具合を測ってからスマッシュ一発で仕留めたら美しいね。

333 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 18:18:08 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>329の選択については……

>>331 ◆9OlIjdgJmY様の回答を採用させていただきます!
そうですね、現時点のガッツ差なら牽制打の連発で詰みが見えているという状況です。
実に冷静な戦術だと思います。
CP3を進呈いたします。


>>330
初手から一気に決めにかかるのも一つの戦術ですね。
ただ、この戦闘は対ボス戦のチュートリアルでもありますので、こういった戦闘での「仕掛け」についても
是非ご注目下さいませ。
具体的には相手のスキル使用タイミングを注視しておいていただくと、この先にも役立つかと!

>>332
残りガッツにある程度の余裕がある場合は「美しい勝ち方」に挑戦してみるのも面白いですね。
描写としても助かりますしw


334 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 18:19:11 ID:xxRncCaM
***

森崎有三
スキル使用『牽制打』:消費ガッツ10

ガッツ:230→220



・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]

森崎
[命中ロール ! numnum] +30

森崎
[ダメージロール ! dice + ! dice]


疾風のネクセラリア
[イニシアチブロール  4 ]
[命中ロール  74 ]
[ダメージロール  5 + 5 ]


***

335 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/08/22(水) 18:20:19 ID:???

森崎
[イニシアチブロール  2 ]



336 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/22(水) 18:36:44 ID:???

森崎
[命中ロール  10 ] +30


337 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/22(水) 18:57:00 ID:???

森崎
[ダメージロール  6 + 3 ]


338 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/22(水) 23:59:52 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 14+2
ネクセラリア 15+4 *先手!


ネクセラリア
・命中処理
75-72 +74 命中!
・ダメージ処理
118-140 +5+5 =10

森崎
・命中処理
72-75 +10+30 命中!
・ダメージ処理
78-64 +6+3 =21

スキル使用『牽制打』:消費ガッツ10
ガッツ:220→210


>>334にてガッツ消費処理を行なってしまいましたが、正しくは「ダメージ処理の後」に
スキル使用によるガッツ消費処理が発生します。申し訳ありません。


ネクセラリアの攻撃は命中! 森崎に10のダメージ!
森崎の攻撃は命中! ネクセラリアに21のダメージ!


***

339 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 00:01:07 ID:???

「……ッ!」

槍と剣が相対したとき、勝敗を決するのはまず第一に間合いである。
如何にしてその間を詰めるか、或いは詰めさせぬかが闘いの枢要であった。
森崎が選んだ初手は、単純である。
正眼の槍、その突きの軌道から身を逸らすように相手の左へ、左へと回り込みながら
にじり足で半歩を埋め、それを二度繰り返して一歩と為した。

「―――」

当然の如く、柄による打撃が森崎を迎え撃たんと振るわれる。
槍の恐るべきは鋭い穂先の突きばかりではない。
遠心力と梃子の原理を利用した打擲は充分に人体を破壊する威力を持つ。
円弧を描いて迫り来るその一撃を、森崎はどう捌いたか。
盾であった。
左の腕に通した円盾を、森崎は槍を受け止めるのでなく、むしろ槍の柄に叩きつけたのである。
強い衝撃が、森崎の腕に走る。
痺れるような感覚に顔を顰めながら、しかし更に間合いを詰めようとした森崎が、思わず瞠目する。

「……!?」

盾を叩きつけられた槍が一瞬、止まっていたのである。
すぐに石突を返しての第二撃、跳ね上げるような打撃が繰り出されるが、しかし、

(傷が、深いのか……)

振り上げられた槍にぬるりと垂れる鮮血を目にして、森崎が悟る。

340 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 00:02:13 ID:???
想定したであろう打撃位置よりも幾分か前での防御で芯をずらしたとはいえ、
円から円に動きを繋ぐのが洋の東西を問わず長柄の基本である。
自ら流れを切るような僅かな停滞など、熟練の槍遣いには考えられぬ。
考えられぬそれをもたらす程に、眼前の男、ネクセラリアの傷は深いのだった。

(なら……!)

下からの槍を半歩を退いて躱した森崎が、その後退に伴う回転を利用して繰り出したのは上段、
敵の顔面を強襲する横薙ぎの剣である。

「……っ!」

常であれば陽動にもならぬ大振り。
しかし相手の動きが案の定、遅い。
辛うじて、といった風に身を反らしたネクセラリアを、森崎の脚が襲う。
爪先に鉄板の埋め込まれたブーツが、真紅の鎧の隙間を狙って伸び、抉るように食い込んだ。

「……ぐ、ぬ……!」

思わず呻き声を上げて、ネクセラリアが後ずさる。
ずるりと抜けた、森崎のブーツの先に鮮血がへばりついた。
鎧の下は、血袋も同然の有様のようであった。


***

341 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 00:03:26 ID:???
森崎有三
ガッツ:210
ATK:78 DEF:140 SPD:72 Ini:14

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。

VS

疾風のネクセラリア
ガッツ:49
ATK:118 DEF:64 SPD:75 Ini:15

***

342 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 00:04:51 ID:CDkvTPFs
【ターン2】

・行動選択
攻撃、スキルの内から『8/23 0:45』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。

***

343 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/23(木) 00:28:07 ID:???
牽制打を使います。
スマッシュ一発で倒すのもほぼ不可能なので、素直にあとニ発で。

344 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 00:48:37 ID:???
ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>342の選択については……

>>343 ◆9OlIjdgJmY様の回答を採用させていただきます!
さすがにこの深夜に短時間区切りは厳しいものがありましたね。
その条件下でもしっかりとご回答いただきまして、誠にありがとうございます。
CP3を進呈いたします。

345 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 00:49:39 ID:???
***


1ターン目、牽制打の「攻撃ダメージを70%とする」効果が発揮されておりませんでした。
正しくは14ダメージとなりますが、プレイヤー側有利となるジャッジミスにつき
遡っての訂正はせず、このまま継続させていただきます。


森崎有三
スキル使用『牽制打』


・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]
森崎
[命中ロール ! numnum]
森崎
[ダメージロール ! dice + ! dice]


ネクセラリア
[イニシアチブロール  2 ]
[命中ロール  25 ]
[ダメージロール ! dice + 3 ]

***

346 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/23(木) 01:11:31 ID:???

森崎
[イニシアチブロール  5 ]
森崎
[命中ロール  78 ]
森崎
[ダメージロール  6 + 5 ]


347 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/23(木) 01:26:41 ID:???
余計なお世話かもしれませんが、ネクセラリアのを。
[ダメージロール  1 + 1 ]

348 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 01:33:37 ID:???
>>347
ありがとうございます。
何故か手元のテンプレに謎のスペースが挿入されておりました…。
334からの数時間に一体何が!?w

349 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 01:34:59 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 14+5 *先手!
ネクセラリア 15+2


森崎
・命中処理
72-75 +78+30 命中!
・ダメージ処理
(78-64 +6+5)*0.7 =16

スキル『牽制打』:消費ガッツ10
ガッツ 210→200

ネクセラリア
・命中処理
75-72 +25 空振り…
・ダメージ処理
-

森崎の攻撃は命中! ネクセラリアに16のダメージ!
ガッツ49→33
※ガッツ半減によりイベント発生!

ネクセラリアの攻撃は空振り!


350 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 01:36:16 ID:???
******

おや? ネクセラリアのようすが……といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

351 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 17:31:18 ID:???
***


胴への鋭い突きを、前に出した右足を軸に回避。
続いて払い、と見せかけた短いモーションからの二段突を、今度はバックステップで躱す森崎。
開いた距離に、三つ目の突きが来る。
風を巻き、正中線を狙って伸びてくる、それこそが森崎の待っていた攻撃である。
誘った、といっても過言ではなかった。

(……これなら!)

踏み込めば、一直線に貫かんとする槍は、森崎の脇を僅かに掠めて後ろへと逸れていく。
盾を使うことすらない、見切り。
それを可能としていたのは言うまでもなく相手、ネクセラリアの動きの鈍りであった。
時を追うごとに突きは遅く、払いは鈍重になっていく。
今や、その穂先の動きは森崎の目に完全に捉えられている。
二歩、踏み込んでの片手突き。

「……っ」

重い手応えは、剣先がネクセラリアの真紅の鎧、その胸元を抉ったものである。
刃はそのまま鎧に弾かれ、しかし森崎は体制を崩すこともなく剣を引いた。
間合いの内側ぎりぎりからの変則的な攻撃には、鎧を纏った敵を一刀に屠るだけの威力など
もとより望むべくもない。
ただ敵の構えを崩し、間合いを揺さぶり、一撃、一撃をとどめへの布石としていく。
それが狙いである。

「……賢しいぞ、小童ッ!」

352 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 17:32:22 ID:???
叫んだネクセラリアが、石突近くまで長く持った槍を大きく振るう。
遠心力による打撃、というよりは間合いを取るための薙ぎ払いであった。
落ち着いて飛び退き、その軌道から逃れた森崎に、ネクセラリアが口を開いた。

「モリサキ……だったか。攻め手が、緩いな」
「……」

対する森崎は応えない。
半身で円盾を翳し、急所を隠しつつ慎重に構えを取る。

「深手を負った相手に、勝負を急ぐことはないと、そう踏んだか」
「……」

じり、と摺り足が、ほんの足の爪半分ほどの間を詰める。

「成る程、いい判断だ。剣筋も悪くない。ヤングの見込んだだけのことは、ある。
 ……だが、大事なことを、教わっていなかったようだ」

そこまでを言ったネクセラリアが、ふと言葉を切って息をつく。
汗が、その精悍な頬を伝って顎から垂れた。
流れる内に血を掬い、薄く赤を帯びた汗だ。

「今からそれを、教えてやる。―――獣は手負いが、最も恐ろしいということを、な」

ぎり、と。
槍を構えたネクセラリアの手が、鳴った。

「学んで、死ね」


***

353 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 17:35:30 ID:???
***


ネクセラリア
イベントスキル発動『ボルキアニ』
種別:パッシブ
効果:ATK値を以下の二通りの内、高い方に設定する。
・+20
・相手のDEF+10


***

354 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 17:36:45 ID:CDkvTPFs
***


森崎有三
ガッツ:200
ATK:78 DEF:140 SPD:72 Ini:14

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。

VS

疾風のネクセラリア
ガッツ:33
ATK:150※ DEF:64 SPD:75 Ini:15

※スキル『ボルキアニ』の効果で森崎のDEF値+10となっています。


***

【ターン3】

・行動選択
攻撃、スキルの内から『8/23 19:00』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。

***

355 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/23(木) 17:51:46 ID:???
一撃必殺の範囲には入ってきたし、ここでスマッシュで。

356 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/23(木) 18:24:22 ID:???
スマッシュを使用します。
そろそろ決着をつけたいですね。

357 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/23(木) 18:57:57 ID:???
スマッシュを使用します。
ダイスで8くらいなら、加算込みで出せるかなと。

358 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 19:07:48 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>354の選択については……

>>355 傍観者  ◆YtAW.M29KM様の回答を採用させていただきます!

一撃必殺を狙うには(14+『8』)*1.5ということで、ダメージロールで8以上。
かなり有利な勝負ですが、前提はまず命中させることですね。
CP3を進呈いたします。

また同様にスマッシュ利用を提案いただいた>>356 さら ◆KYCgbi9lq様、
>>357 ◆9OlIjdgJmY様にも次点としてCP1を進呈いたします。


>>356
そうですね。逆に仕留めきれないと、また何かが起こるかも…?

>>357
ポイントによるバックアップを計算に入れるなら、ほぼ確実に勝負を決することができるでしょう。
華麗に決めて下さいませ!


359 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 19:09:28 ID:CDkvTPFs
森崎有三
スキル使用『スマッシュ』


・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]

森崎
[命中ロール ! numnum]

森崎
[ダメージロール ! dice + ! dice]


疾風のネクセラリア
[イニシアチブロール  5 ]
[命中ロール  66 ]
[ダメージロール  2 + 3 ]


***

360 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/23(木) 19:19:43 ID:???
森崎
[イニシアチブロール  1 ]

361 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/23(木) 19:35:23 ID:???

森崎
[命中ロール  09 ]

362 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/23(木) 19:37:20 ID:???

森崎
[ダメージロール  3 + 5 ]


363 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/23(木) 19:39:18 ID:???
命中には数値いくら足りない?

364 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 19:41:25 ID:???
>>363
72-75+9=6 ですので、
あと25(ポイント使用*5)の上昇で命中になりますね。

365 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/23(木) 19:43:53 ID:???
あえて加算しないのもありかと。
次当てればいい話ですし。

366 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/23(木) 19:51:54 ID:???
【数値加算】CP15を使って命中の数値を25上げます。
次のターンまで行くと相手が何か仕掛けて来そうに見えるので勝負つけたいと思います。

367 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/23(木) 19:51:59 ID:???
今回は加算見送っても大丈夫なようでしたら次に全てを賭ける方向で良いでしょうか?

>>358によると長引くと何かが起こってしまいそうですが

368 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/23(木) 19:56:32 ID:???
おっと、それでは【代理消費】します。
CP3EP10で数値加算25中15分を担当します。
これでささら ◆KYCgbi9lqIの消費はCP6でよいでしょうか。

369 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/23(木) 19:59:33 ID:???
っと、代理消費の場合はあくまで消費したCPを肩代わりするのみで
CPをEPで代用は出来ませんでしょうか?

370 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 20:06:20 ID:???
>>369
はい、CPによる消費はCPでのみ代理可能となっています。

371 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/23(木) 20:15:14 ID:???
それでは>>368の【代理消費】を訂正しまして
>>366からCP9肩代わりさせて頂きます。

372 :◆W1prVEUMOs :2012/08/23(木) 20:19:37 ID:???
CPはなるべく温存した方がいいと思うので
【数値加算】EP25するので
>>366を取り下げてもらえませんか

こういうのはありですか?

373 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/23(木) 20:23:40 ID:???
わかりました。GMさんが良ければ取下げます。そしてEP10を【代理消費】します。

374 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 20:30:05 ID:???
>>372
難しいところですが、当事者間の合意であると確認できるようであれば、
ルール外の特例としてその都度判断いたします。
今回は>>373にて、さら ◆KYCgbi9lqI様の同意が確認されましたので
ご提案を承認させていただきます。

ただしケースによっては他プレイヤーのポイント利用方法についての介入ともなり得ますし、
また事実上のCP⇔EPの交換にも利用できてしまうので、あまり乱用はなさらないように
お願い申し上げます。

375 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/23(木) 20:34:15 ID:???
>>372からEP5【代理消費】します。

すみません、命中ロール引いた私の判断が鈍かったのもありますね。

376 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 20:37:21 ID:???
今回の裁定結果を整理いたします。

>>361に対する【数値加算】は、現時点で>>372 ◆W1prVEUMOs様のEP25消費による
25点の加算が行われています。
またそれに対し>>373 さら ◆KYCgbi9lqI様がEP10、>>375 源氏 ◆rLDAH8Hy8Y様がEP5を
それぞれ【代理消費】されています。

GMの判断遅延もあり複雑な処理となってしまいましたが、皆様におかれましては
ご容赦、またご理解いただきますようお願い申し上げます。
それでは処理を再開いたします。

377 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 20:39:08 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 14+1
ネクセラリア 15+5 先手!


ネクセラリア
・命中処理
75-72 +66 命中!
・ダメージ処理
150-140 +2+3 =15


森崎
・命中処理
72-75 +9 +25 命中!
・ダメージ処理
(78-64 +3+5)*スマッシュ1.5 =33

スキル『スマッシュ』
消費ガッツ:10
残りガッツ 185→175

ネクセラリアの攻撃は命中、森崎に15のダメージ!
森崎の攻撃は命中、ネクセラリアに33のダメージ!

森崎の勝利!

***

378 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/23(木) 20:45:03 ID:???
******

終わってみれば完全勝利、といったところで一旦ここまでとさせていただきます。
後ほど、勝利の描写から再開いたします。

戦後処理では評価値が現時点で得られる最高値に近くなりそうな予感……!

379 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/23(木) 20:58:34 ID:???
乙です!
>>372からEP5【代理消費】します。

380 :◆W1prVEUMOs :2012/08/23(木) 21:38:01 ID:???
>>374
乱用しないように心がけます

>>373>>375>>379
代理消費ありがとうございます


381 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:42:14 ID:???
***


神速、と。
たとえばその槍捌きを見る者があれば、そう呼んだかもしれなかった。

「……ッ!?」

先程までならば見切って躱せたはずの突きが、今は森崎の胸甲を掠めて抉る。
盾に当てて容易く弾けたはずの薙ぎが、当てた腕ごと圧し折らんとする勢いで森崎を吹き飛ばす。

「―――アァァッ!!」

裂帛の気合が、ネクセラリアの喉から溢れて轟いた。
その咆哮に合わせるように、槍の速度が更に一段、上がる。
身を捩った先に蛇のような動きで襲い来る槍の柄を辛うじて剣の鍔で止めた森崎が、
次の刹那、怖ろしいまでの寒気を感じて大地に身を投じるように屈んだ。
ほとんど本能、脊椎反射による動きである。
それが、森崎の命を救った。
一瞬前まで森崎の首があった場所を、茜色の光が薙ぎ払う。
夕陽を反射する、槍の穂先であった。

382 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:43:17 ID:???
「ちィ……ッ!」

低い姿勢のまま、森崎が剣を横に振るう。
ネクセラリアの膝を狙った一閃は、しかし虚しく空を切る。
代わりに降ったのは、骨を砕くような突き降ろしである。
たまらず転がった森崎の脇を石突が抉り、大地を穿った。
二撃、三撃、必死に転がる森崎が、ついに槍の間合いを抜ける。

「……!」

回転の勢いのまま飛び起きた森崎が闇雲に翳した剣に、重い衝撃。
案の定、追撃が繰り出されていたのだった。
しかし今度は先ほどよりも間合いが遠い。
一度止めた突きが、払いに繋げられる距離ではなかった。
槍が、一旦引かれる。

「……それが本気、かよ」

ぜぇ、と乱れた呼吸の向こう、腹の奥から競り上がるようなものを無理矢理に飲み込んで、
森崎が声を出す。
見た目は、無傷。
泥にまみれ、鎧は傷つき、体に開く風穴と隣り合わせの、無傷であった。
そんな森崎に、

「……く、くく」

思わず、といった風にネクセラリアが漏らしたのは笑い声である。

383 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:44:18 ID:???
「クク……ハハ、ハハハハ!」
「何が……おかしい」

憮然と言う森崎の前、構えた槍の穂先は一寸たりとも動かさずに哄笑してみせたネクセラリアが、

「楽しい、楽しいな……!」
「なにィ!?」

目を剥いた森崎の前で、続ける。

「ここまで、ここまでやれるか、ヤングの育てた戦士は!
 ならば俺も応えよう! 疾風と称された、この槍の冴えを以て!」

そう言い放つや、ネクセラリアの表情が変わる。
形は、笑みのまま。しかしその性質だけが、決定的に変容していく。
その眼から、すう、と光が消えた。
否。消えたのは、眼に宿る光の、ただ闘争という二文字を除いたすべてである。

(何か……ヤバいのが、来る)

危険を察知したのは森崎の、戦士としての本能であっただろうか。
構えは一見、特段の変哲もない正眼。
しかしこれまでとは、気迫の練りが違う。

「やらせねえ……ッ!」

振り絞るように言った森崎の構えは、上段。
それまで用いていた西洋剣術とは一線を画す、奇妙な構えである。
右手側、真っ直ぐに立てた剣を大きく耳の辺りにまで翳し、円盾を着けた左手をその柄に添える。
自然、円盾に下方の視界を極端に遮られる格好となるが、森崎は気にした風もなく
その姿勢のまま細く静かに息を吸い、吐く。

384 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:45:44 ID:???
「ただ一撃の、疾さに賭ける……東洋の剣、か。面白い」

一目、森崎の構えから狙いを見て取ったネクセラリアが、そう呟いて口角を上げる。
間合いは、槍のそれよりも更に外。

「その剣、我が槍よりも疾く、在れるか!」
「試してみるさ―――命懸け!」

互いに踏み出せば、詰まる間は合わせて二歩。
槍が、雷光の如く、伸びる。
森崎が更に踏み込むその胸を目掛けて一直線、だが同時、天より落ち来るのは、森崎の刃。
剣を支えるは右手の一本、半身を一杯に伸ばした姿勢からの振り下ろし。
刃の先に届いた方が、勝つ。
その刹那、

「―――く、かは……ッ」

血飛沫が、飛び散った。
槍の刺さるより、剣の断ち割るより、一瞬だけ、早く。
紅い華は、ネクセラリアの口から、漏れていた。
槍の穂先が、僅かに一寸足らず、ぶれる。
それが文字通り、生死を分けた。

「……ぇぇぇ、ァァァァァァッッ!!」

槍は森崎の胸を甲ごと真一文字に切り裂くに留まり、
そうして森崎の、全身の気迫を込めた刃が、ネクセラリアの肩口から心の臓までを、
真っ二つに断ち切った。

385 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:50:05 ID:???
「―――、」

末期、茜色の空を仰いだネクセラリアが、何かを口にしようとして声にならず、
ゆっくりと傾ぎ、自らの血溜まりに口づけるように、伏した。
それが疾風と呼ばれた男の、死に様である。
そして彼こそは、このいくさ場に立つヴァルファバラハリアンの、最後の一人であった。

ゆらゆらと沈みゆく夕陽の下、歓声はない。
ただ疲れきった勝鬨だけが、風に乗って響く。


いくさが、終わった。


******

386 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:51:15 ID:???

◎損害処理

[総参戦兵数【300】−残存兵数【117】]/3 = 死亡人数【61】名
騎馬損耗数【147】

傭兵団員数【300→239】
所有騎馬数【200→53】


◎戦果処理

部隊目標(敵5の撃破):達成
評価値:10

戦術目標(敵1の殲滅):達成
評価値:20

敵ユニット撃破数:3
評価値:9

公約{分隊員(名前あり)から戦死者を出さない。(達成難易度:易)}:達成
評価値:5

一騎討ち:勝利
評価値:15


合計獲得評価値:59

387 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/24(金) 02:52:15 ID:???
******

ご、ごじゅうきゅう……合わせて、この段階で評価69ですか。
しばらくは対人関係の判定が自動成功し続けそうな高さですw

喪ったものは大きい、しかし得たものもまた大きな戦いとなりました、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。

次回は戦後処理による称号獲得描写から、8月度に入ります。
7月は消化にリアル一ヶ月かかった計算ですね……ペースアップを目標に頑張ります。
それではまた、次回更新にて。


388 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/24(金) 12:58:06 ID:???
この戦争で得られる評価値はベストに近いみたいだね。

389 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/24(金) 13:17:31 ID:???
CPEPをかなりぶち込んで、ダイス目もかなり良くて(ダメージ系はほとんど4-6しか出てない)、
チュートリアルで、かつNPC(ヤング)が自滅覚悟レベルの特攻をして…でようやくこれだからねえ。
勝って兜の緒を締めよ、の気分で行きたいかな。
もちろん、選択肢で頑張っていたみんなの活躍が一番大きかったと思うけど(俺は基本黙ってたし)

390 :◆W1prVEUMOs :2012/08/25(土) 11:54:00 ID:???
>>216
> 知略の限りを尽くし、かつ運が味方してようやく勝てるかどうかというバランスであり、
> また最終的に勝利を収めるとしても何度かの死亡判定を潜り抜ける必要があったでしょう。

だから勝って兜というか名有りが何人か死んでも仕方ないと思ってるなあ

391 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/25(土) 12:00:54 ID:???
五割死亡判定で01とか出しちゃったらCPEPぶち込むのも無理があるしねー。

392 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/25(土) 12:05:40 ID:???
名有りもこれから増えるだろうし厳しい決断しなくちゃいけない事もあるんでしょうね。

393 :◆W1prVEUMOs :2012/08/25(土) 12:09:57 ID:???
森崎入院だけは全力回避ってことになるかな
入院のペナルティを見ると立て直せる気がしない

394 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/25(土) 13:56:41 ID:???
一騎打ちで負けないよう、ガッツ管理が重要ですね。

395 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:25:39 ID:???
>>388
公約の難易度による上乗せ分以外はほぼ満点を獲得していますね。
素晴らしいです!

>>389
GMの想定していた最適解からですら手損がおそらくニ手分くらいという、
驚異的な高効率で戦争パートを乗り切っていただきましたからね。
率直に言ってネクセラリア隊の撃破は困難であろうと考えておりましたので、
この結果は手放しに賞賛させていただきます!

>>390
引用先はあくまで今回のヤング隊のような戦い方をすれば、という話ではありますが、
もし今後そういった完全勝利、戦功評価満点を狙っていくのであれば似た状況にはなっていくでしょう。
ただゲーム全体としてはそこまで高い水準の評価値を要求するわけではありませんので、
考え方としてはいわゆる「やりこみ」の一種となるかもしれません。

>>391
そうですね、所属隊員の多い部隊で死亡判定が発生するとダイスの事故率も跳ね上がってしまいますし、
ポイントにも限界が出てきてしまうかもしれません。
今回、苦しい判定できっちり高い目を出していただいたことで、膨大な量のポイント投入が
避けられたのは今後に向けて大きかったと思います。


396 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:26:46 ID:???
>>392
ネームドキャラについては順次追加していく予定ですが、ご贔屓キャラがいた場合は
万が一の事態に備えてある程度ポイントに余裕をもたせるのも一手ですね。

>>393
はい、入院してしまうとかなり厳しいです。
翌月訓練が休憩に固定されるためガッツは強制的に200回復しますが、
様々なデメリットがありますので、できる限り避けてくださいね。

>>394
ちなみに今回、もし戦況が悪い状態(ヤングの判定失敗/全滅)でイベントが発生した場合は
ネクセラリアのパラメータダウンは50%となっていました。
つまり、今回実際に戦った数値が1.25倍になる計算ですね。
7月訓練時に残りガッツが100前後だとちょっと怖いかな、と言った意味がわかっていただける…かも?w


397 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:28:20 ID:???
***


「よっ、モリサキ! 傷の具合はどうだ?」
「ネイか。……先生の話じゃ、明日には出られるってよ」

質素な病室の静寂を破った褐色の肌の優男に、森崎が笑みを向ける。
腰掛けるのは木組みの粗末なベッドではあったが、シーツは虫も湧いていない清潔なものだった。
ドルファン王立病院。
世界に冠たる文化先進国スィーズランドの様式を模して設立された、学園と並ぶドルファン文化の粋である。
この病院の存在こそが、ドルファンをして南欧随一の医療技術を維持させている。

「傷も……ほれ。もう薄皮が張ってるんだぜ」
「うわ! 男の胸なんざ見たくねえって! しまえ、しまえ!」

上着をめくり上げてみせた森崎に、ネイが顔を顰めて手を振る。
森崎の胸、既に包帯も取れた傷痕には確かに桃色の薄皮が張っていたが、しかし真一文字に刻まれた痕は
どこまでも深く、それが消えることは生涯なかろうと思わせた。

「トニーニョはどうしてる?」
「ああ、もうすっかりいつも通りだぜ。俺たちにも鍛錬しろって喧しいくらいだ」
「そうか。あいつらしいな」

仏頂面の友人は、森崎に先がけて日常に復帰している。
それを聞いて安堵した森崎が、低い天井を仰いだ。

「……もう、一週間か」
「あー……」

398 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:32:41 ID:???
言われ、ネイもまた小さく息をついて窓を見やる。
開け放たれた窓の外には夏空が広がっていた。

「……生きてる、なあ」
「生きてるな。酒も美味い。女の子も可愛い。生きてるぜ、俺」

そう言ったネイの長く伸ばした前髪を、微かにそよぐ風が揺らす。
ニヤリと笑って、森崎が言った。

「俺のおかげだぜ。感謝しろよ」
「しょってらあ。その分隊長サマが病院送りになってりゃ世話ないぜ」

軽い冗談を交わし合って、笑う。

「―――生きてんなあ、ちくしょう」

六十一人と、一人。
死者の名は、出さない。
降りた静寂を、窓の外から聞こえてくる蝉の声が埋める。
欧州でこれほど蝉が鳴くのは南欧マルタギニア海の沿岸くらいだという。
蝉しぐれ、とでもいうような鳴き声の波に、ぼんやりと思い起こされるのは
遥か遠い故郷の光景だっただろうか。

「……そうだ。可愛い女の子といえば、モリサキ」
「あァ? 何が、といえば、だ」

沈黙を無理に破るように唐突に話題を変えたネイに、森崎が片眉を上げる。

「いや……ここんとこ、お前のこと、よく聞かれるんだよ。
 ヴァルファをやっつけた東洋人ってどんな人? カッコいい? ……ってさ」
「へぇ。それで、何て?」

399 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:33:49 ID:???
大袈裟に肩をすくめてみせるネイに、森崎が尋ねる。
ネイはといえばおどけた様子で、

「ま、俺の半分……いや足元くらいにはイイ男かな、って伝えてるぜ。ちゃんと」
「こいつ!」

森崎の振り上げた拳から逃れるように、ネイが笑って飛び退く。

「ハハッ、すっかり『話題の人』ってわけだ。明日っからは町中でおちおち小便もできないぜ」
「しねえよ! ……いや、そうでもねえか……」
「へべれけでぶっ倒れたりとか、四股かけて怒り狂ったコたちに追っかけ回されたりもな」
「全部お前のことじゃねえか!」
「いやいや、俺は四股程度で下手はこかないぜ」
「自慢顔で言うな……」

呆れ顔で言った森崎に軽く手を振って、踵を返したネイが言葉だけを続ける。

「ま、そんな面白おかしい毎日を送れるのも、無事に生き延びたからってワケだ。
 戦場じゃ色々言っちまったが……これからもその調子で頼むぜ、『隊長』!」
「おう、……ん?」

病室から出ていくネイの背を見送りながら、森崎が違和感に首を捻る。

「あいつ……今、何て言った?」


******

400 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:34:56 ID:???
******


※称号が『ウワサの人』になりました。

スキル『准騎士候補』を獲得しました。
種別:パッシブ
消費ガッツ:-
効果:全ヒロインの好感度が一段階アップする。


******


※称号が『話題の人』になりました。

スキル『青騎士候補』を獲得しました。
種別:パッシブ
消費ガッツ:-
効果:全ヒロインの好感度が一段階アップする。特殊なイベント以外でもドルファン城に入城できる。


******



   『イリハ会戦』(了)



.

401 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:36:03 ID:???

*D26.8月
フレーバーテキスト


◎イリハの傷

「ヴァルファ、シンラギ対陣続く……か」
『こんなこと言う日が来るとは思わなかったけど……シンラギ様々、だねえ』

ふわふわと飛ぶピコの言葉に、森崎が新聞から顔を上げて大きく伸びをする。
戦場で負った傷はすっかり癒えていたが、鈍った身体はまだ戻りきっていなかった。

「シンラギなんぞに救けられるたあ……ケッ、情けなくて涙も出ねえや」
『上海でもカフカスでも散々やられたからね』
「うるせえよ! ラダックじゃあ勝っただろうが!」
『南葛では戦うこともできなかったくせに』
「……」
『……ごめん』

シンラギ、正式な名称をシンラギククルフォンというその組織は、東洋圏に拠点を置く軍事結社である。
ちなみにククルフォンとはウズベク地方に伝わる猿の妖怪を指す。
軍事活動部門を右陣、テロ活動を行う部門を左陣、政治活動部門を本陣と呼び習わし、
右陣では紅東軍団、紫南軍団などが東洋圏の大きな戦役で勇名を轟かせている。
流浪の傭兵たる森崎もまた、何度も苦渋を飲まされた相手であった。
今回プロキアに雇用されたのはその右陣、紫南軍団と呼ばれる一団である。

「……ま、実際イリハはひでえ負け戦だったからな。連中がテラ北河を渡ろうとしてなけりゃ
 ヴァルファは取って返したりしなかったし、そうなりゃ追い討ちで俺らは間違いなく全滅してた」

402 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:37:04 ID:???
森崎たち外国人傭兵大隊の活躍によりヴァルファ第三大隊を壊滅に追い込んだ
ドルファン軍右翼であったが、戦線を押し込むことはできなかった。
辛勝を収めた傭兵大隊には追撃の余力は残されていなかった上に、後詰の第三、第五大隊は
とうとう右翼に投入されることはなかったのである。
原因は、左翼である。
森崎たちの至近、即ちドルファン軍右翼に現れた大軍、トロサ騎士団。
彼らが本来担当していたのが、左翼であった。

「まさか担当正面をまるっきり放棄して転進してるなんざ、思わねえだろ普通……」
『あのまま街道通って帰っちゃったんだっけ、あの人たち』
「ああ……地元まで引き返して、『将帥の負傷により』だか何だかって言い訳の書面寄越したらしいぜ」
『何しに来たんだろうね……』
「さあな。おそろしく強かったのはこの目で見たが……何がしたかったのかは、正直さっぱりだ」

大穴の開いた左翼から雪崩込んだ敵軍により、ドルファン本隊である中央、第二大隊は
側面からの攻撃に対応しきれず、半包囲の窮地に陥った。
慌てて投入された後詰の軍勢では、一度傾いた形勢を覆すには至らない。
ほとんど総崩れとなった本隊は多数の死傷者を出しながら右翼の残存部隊とともに交通の要衝、
中部ウエールの北まで撤退を余儀なくされる。
迫るヴァルファの第二、第五大隊の勢いにウエールの陥落すら時間の問題と思われたとき、
もたらされたのは北部国境戦線の一報である。
シンラギ・プロキアの混成軍が、ヴァルファ本隊を迂回して国境であるテラ北河の渡河を企図し、
大規模に展開しているというものであった。
南北の二正面に兵力の大半を割いているヴァルファとしては、拠点である都市ダナンへの強襲は
絶対に避けねばならぬ事態である。
かくしてヴァルファの侵攻部隊は転進、ドルファン側は残存兵力の全滅とウエールの陥落を
辛くも免れたのだったが、局地戦での勝利を無に帰す、事実上の大敗であった。

403 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:38:12 ID:???
「今、こうして生きてんのもシンラギと……あとはまあ、ヤングのおっさんのおかげ、ってか。
 あのとき向こうの傷が開いて槍が滑らなけりゃ、真っ二つになってたのは俺の方だったろうからな」
『……』

武骨にして口の悪かったハンガリア人の顔を思い出したのか、ピコが眉尻を下げて黙りこむ。
と、湿度の高い沈黙が降りかけた部屋の空気を吹き飛ばすように、森崎が笑ってみせた。

「暗い顔すんな! 俺たちゃ切った張ったで飯食ってんだ、おっさんや他のくたばった連中と
 俺らの違いなんざ、昨日死んだか明日死ぬかって程度のもんよ。
 んなこたあ、初陣の前に女奢られて腰振ってるヒヨっ子だって弁えてるぜ」
『うん……そうだね』
「しっかし、情けねえのは騎士団の連中だ」

うっすらと浮かんだ涙をこしこしと手の甲で擦るピコの頭をひと撫でして、森崎が話の向きを変える。

「指令は聞かねえわ、陣形も戦略もなしに突っ込んじゃあ無駄に死人を出して逃げ帰るわ……。
 ああクソ、敵として相手したかったぜ……馬も武具も選り取り見取り、おまけに貴族の子弟となりゃ
 捕虜にして身代金も取り放題だったのによ……」
『ヴァルファは大儲けしたんだろうねえ』

潰走した第ニ大隊の生存者は半数強。
右翼でヴァルファと交戦し壊滅した第四大隊に至っては参戦した兵の七割近くが死亡するという
凡そ考えられない被害を出していたドルファン正規軍であったが、その死者の殆どは歩兵や従卒といった
平民階級の者たちである。
騎兵、即ち騎士階級とみなされる者の多くは殺害されることなく拿捕され、多額の身代金と引換に
ドルファンへと帰還を遂げていた。

404 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:39:35 ID:???
「俺たち傭兵は片っ端からぶっ殺されちゃあ身ぐるみ剥がれて捨てられるだけ、
 良くて奴隷として売っぱらわれるのが関の山だってのに、不公平な話だぜ」
『でもお金が払えなかった家の人は、捕虜にされてもやっぱり殺されちゃったんでしょ?』
「まあな……騎士とは名ばかりで、恩給暮らしをしてるような没落貴族も多いみたいだからな。
 腕もねえ、カネもねえのに気合だけで戦場に出た時点で、三途の川を渡るのは決まってたようなもんだ」
『ふ〜ん……それにしてもこの戦争、これからどうなるんだろうねえ……』

ふわりと飛んだピコが、森崎の手に腰掛けて新聞を覗き込む。

「さあな……プロキアとシンラギ次第ってとこじゃねえか」
『ドルファンの騎士にも頑張ってもらわないとね』
「まあ、自由騎士どもでなけりゃ少しはマシだと思いたいぜ。
 いつまでも俺らだけで孤軍奮闘ってんじゃ割りに合わねえからな……」

言って窓の外を見る森崎。
夏の陽射しは朝から真白く街を照らしている。

「さ……今日は、葬式だ」

首都城塞を覆う熱波は、収まる気配もない。


******

405 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:40:36 ID:???

*D26.8 「気のいい話題の人」森崎有三
訓練所イベント

******


葬送の列は長く、足取りは重い。
幾十もの棺を担ぐ二百余の男たちが纏うのは例外なく黒衣である。

「……」

無言のまま歩む黒衣が担ぐ棺には、実のところ遺骸など入っていない。
撤退に撤退を重ねた負け戦に、戦死した者たちを後送する余裕などありはしなかった。
そしてまた、真夏のことである。
生き延びた者たちが再び戦場跡に赴いたとき、形を保っている骸などあるはずもない。
そもそもが鎧や剣など金目の物は敵兵や賊、付近の住民によって剥ぎ取られ、残った骸は
誰彼かまわず山積みにされている状況であった。
腐り融けた肉の山を掻き出して供養する習慣は、西欧にない。
代わりに棺に入っていたのは、死者たちが生前に使っていた形見の品々だった。
それはたとえば古びた銅貨であったり、僅かに中身の残った安酒の瓶であったり、
或いは馴染みの娼婦の肌着であったりと、形見といっても宿舎住まいの傭兵の身の上、
他愛もないものばかりである。

「……」

からり、からりと。
がらんどうの棺から、他愛もない中身の転がる、他愛もない音がする。
黒衣の男たちは、無言である。


***

406 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:41:37 ID:???

「……終わった、な」

海を望む断崖の上、広い墓地の片隅にある古ぼけた石碑と、その脇の真新しい墓碑を見やって、
森崎が息をつく。
葬儀を終え、周囲には既に人の姿はない。
暮れなずむ夕陽に照らされた古い石碑は、戦死者の慰霊碑である。
個別の名を刻まれることもない、墓とすら呼べぬ古今合同の碑であった。
骸のない棺はようやく葬儀を終え、少し離れた場所に形だけ埋葬されている。
本来であれば土に還り骨だけとなるまでは静かに眠らせるものであったが、何しろ彼らは骸がない。
数日後には再び掘り起こされ、形見の品が納骨堂へと納められる手はずだった。

「……墓が作ってもらえるのはおっさんだけ、か」

慰霊碑の隣、新しい墓碑に刻まれる名はヤング・マジョラム。
正規軍大尉であった彼にのみ、遺族には恩給が支払われ、また隊葬としての経費も支給されている。
しかし、そのヤングとて骸が墓に眠るわけではなかった。
棺に入っているのは苛烈な追撃の中、辛うじて持ち帰れた彼の愛剣とマントのみである。
寡婦となったのであろう女性の、葬儀の間中そのマントを抱き締め震えていた背中を、森崎は思い起こす。

「……」

その悲しみを、推し量ることはできない。
共有することも、できない。
流れのいくさ働きを生業とする森崎が、轡を並べた男たちの死に抱くのは悲しみではなかった。
そうであってはならぬと、自らに任じてもいた。
故に、森崎はただ踵を返す。
その墓に勝利を捧げることも、復讐を誓うこともない。

「あばよ、おっさん」

407 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:42:38 ID:???
それだけを告げ、歩き出した森崎の前。
歩を遮るように立つ、影があった。

「ユーゾー・モリサキさん、ですネ?」
「……?」

いきなり名を呼ばれ、森崎が眉根を寄せる。
立っていたのは壮年の男である。

「おっト、そう警戒しないでくださイ。怪しい者ではありませン」
「……」

そう告げた男の、しかし怪しさはこれ以上ない程である。
灰金色の頭髪を丁寧に油で撫でつけたオールバックに、几帳面に切り揃えられた顎髭と、
首から上はひとかどの伊達男といった風情。
しかし、その服装たるや惨憺たる有様である。
素肌の上に直接着ていると思しき、乱暴に二の腕までまくり上げられたシルクのシャツはまだ許せる。
ボタンを上からいくつ開けているのか、筋骨隆々たる胸元が大きくはだけているのも、
不快ではあったが男所帯の傭兵団ではまだ見慣れたものといえた。
が、そこに農夫の如き朽葉色の麻ズボンが合わされると、これは奇妙を通り越してひたすらに胡散臭い。

「……何者だ、あんた」
「オゥ、ひどい距離を感じマス……」

大袈裟に肩をすくめた男が、訛りの強い語尾でそう言うと、ため息をつく。
しかし森崎は警戒を解かない。
葬儀帰りのこと、帯剣こそしていなかったが、徒手空拳でまるきり戦えぬというわけではない。
黒衣の下、そっと固めた拳はいつでも繰り出せるように油断なく構えられていた。


408 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:43:42 ID:???
そも、中継貿易の拠点として雑多な人種の入り混じるドルファン王都においては格別に
意識されることも少ないが、服装とはその人間の所属する組織や階級をも表すものである。
流行や文化を追う富裕層の若者であればともかく、人品卑しからぬ壮年の男性が、
どの層に身を置いているのかもわからぬような風体をしているのは、それ自体が
侮蔑と警戒の対象としてくれと大声で叫びながら歩いているようなものであった。

「……」
「マジョラム大尉のコト、残念でシタ。お悔やみ申し上げマス」
「……?」

唐突に頭を垂れ、そう言った男に森崎が戸惑ったような表情を浮かべる。
決して葬儀に参列しにきたわけではなかろう服装の男が、しかし弔辞を述べる。
その意図を量りかねていた。
そもそも内輪のこと、先の戦から日も経ったこの日に葬儀を行うことを知る者はそう多くはない。
傭兵大隊の関係者か、或いは、

「申し遅れまシタ。私、バウミール・ルーカスといいマス。陸軍外局編成部、階級はカーネル、デス」
「……陸軍? それもカーネル……相当のお偉いさんってことか? あんたが……?」

ルーカスと名乗った男の語る身分と、その風体の差異に森崎がじろじろと男を睨めつける。

「カーネルと言ってモ、傭兵の皆サンと同格でないとキチンとした話をしにくいという理由デス。
 今回の皆サンはフリーですが、傭兵団の単位で雇い入れれば、隊長サンは皆カーネル扱いですからネ」
「……」
「要はハクつけの階級デス。実権は全然ありまセン。HAHAHA!!」
「……」
「まだ疑ってマスか? 心配いりまセン、モリサキさん。アナタにはこれから、私と一緒に
 王城に来ていただきマス。正門顔パスなら、きっと信用してもらえマスね」

409 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:44:48 ID:???
では参りましょウ、とやはり訛りの強い語尾でそう告げたルーカスが踵を返して歩き出すのを、
森崎が慌てて呼び止める。

「ちょ、ちょっと待て! 待ってくれ! 王城!? 軍の本部から呼び出しがかかってるってことか!?」
「ハイ、その通りデスが、何か?」

事も無げに言ってのけるルーカス。

「何か? じゃねえよ! 今更責任問題ってか!? 勘弁しろよ、おい!」

森崎が泡を食ったのも無理はない。
先の大敗を受け、騎士団では第二・第四大隊長が共に更迭の憂き目にあっている。
その段でいけば、分隊長という低い役職とはいえ部隊責任者である森崎が王城に呼び出されるということは
何らかの責めを負わされるものと考えるのも自然であった。

「責任? あー……責任といえば、責任デスが……」
「……!」
「ユーゾー・モリサキ。編成部はイリハ会戦の結果を受け、アナタに―――」
「アーアー、聞こえなーい!」

耳に手を当てて抵抗する森崎。
そんな森崎の様子に怪訝そうな顔をしたルーカスが、告げる。

「アナタに、外国人傭兵大隊の隊長就任を要請いたしマス」
「アーアー……へ?」

きょとん、とする森崎に、ルーカスが小さくため息をついて首を振り、
まるで幼子を諭すように繰り返す。

「ですかラ、アナタに新隊長を務めていただきたいのデス、モリサキ」
「……なにィ!?」


410 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:46:25 ID:???
***



事務手続きは簡便なものであった。
予め用意されていた何枚かの書類に署名をした、それだけである。



******


※称号が『気のいい傭兵隊長』になりました。

スキル『部隊指揮』を獲得しました。
種別:パッシブ
消費ガッツ:-
効果:戦争パートで傭兵大隊の指揮ができるようになり、幾つかのパラメータが追加される。
   また訓練パートの項目が開放される。


******

411 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:47:26 ID:35jxfBfg

*D26.8月
訓練選択

『今月は何をするの? これまでとは少し変わってるから、注意してね!』

森崎有三
称号:気のいい傭兵隊長

個人パラメータ:
ガッツ175
剣術68 馬術10 体術62 魅力78 評価69
(ATK78 DEF140 SPD72 ini14)

部隊パラメータ:
兵数239 騎馬53 練度30

所属隊員:
トニーニョ(威圧Lv1)
ネイ(鼓舞Lv1)
ジェトーリオ(撹乱Lv1)


剣術・馬術・体術・魅力・礼法・墓守・休憩・部隊訓練・陳情の中から『二種類』選んで下さい。
(※隊長就任により、部隊訓練・陳情が可能になっています)

412 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:48:35 ID:35jxfBfg
※システムメッセージ※

新システム『陳情』について説明いたします。
これは軍上層部とかけ合って兵員の臨時増強や騎馬の優先供給を要請するものです。
評価値を消費して、それぞれの数値を増やす形式になります。
具体的なレートは以下の通りとなります。

兵数増強:兵100につき評価値20
騎馬供給:騎馬100につき評価値5

『陳情』を選ぶ際には上記を参考に、何をいくつ要請するのかを付記してください。
兵員と騎馬を同時に陳情することも可能です。

注意:
このコマンドを使用しなくても、兵員や騎馬は定期的に供給されます。
また本作において、戦争パート以外で評価値を得る手段は極めて限られていますし、
評価値は様々な判定において比重が大きく設定されています。

※システムメッセージここまで※


同じ訓練を二つ選んでも構いません。
また個人訓練の内、剣術・馬術・体術を選んだ場合は、所属する隊員の中から
共に訓練する相手を一人だけ選ぶことができます。
所持スキルの強化・変化や、イベントによる称号取得が起こる可能性があります。

その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。
期限は『8/28 18:00』です。

413 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:50:11 ID:35jxfBfg
>>412訂正です。
期限は『8/28 23:00』とさせていただきます。
申し訳ございません。

414 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 00:55:50 ID:???
******

何だかあっさり隊長に就任してしまいましたが…? といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。


415 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/28(火) 01:17:08 ID:???
陳情で兵数や騎馬を補充した場合、軍からの定期的な供給はなくなるんですかね?

416 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 12:17:34 ID:???
>>415
いいえ、陳情による補充は定期供給とは別の枠としてカウントされます。

417 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/28(火) 19:05:42 ID:???
馬術 陳情 兵数増員100 騎馬補充100
馬術が手付かずなのでそろそろ訓練した方が良いと思います。兵数が少しでも多い方が戦争に有利ですので増員したいです。
騎馬補充は先の戦闘で騎馬はかなり有効でしたので少しでも多い方が良いと思いました。

418 :◆W1prVEUMOs :2012/08/28(火) 19:10:37 ID:???
馬術・馬術
馬術が低いので補いたい
しばらく対人関係の判定が自動成功し続けそうな評価値を対価に『陳情』するのは勿体無いかな

419 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/08/28(火) 19:36:13 ID:???
馬術・休憩
隊長が馬に乗れないとしまらないので。それとガッツは高めにもっておきたい
すぐには合戦はないだろうけれど、個人戦はいつあるかわからないので

420 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/28(火) 19:41:42 ID:???
馬術・馬術
訓練効果アップのスキルが発動中なので、訓練判定のあるものを。
その中でも低い馬術を一気に上げたいです。

421 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/28(火) 21:34:09 ID:???
投票時は気づかなかったけど

>9月/収穫祭:豊作を祝うお祭りです。剣術大会や馬術大会、武闘大会が開催されます。

それぞれ剣術・馬術・体術に対応してそうですね。

422 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 23:33:03 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>412の選択については……

>>420 ◆9OlIjdgJmY様の回答を採用させていただきます!
そうです、なにぶん前スレのことではありますが、夏至祭の『幸運の星』効果は
「来月(7月)から3ヶ月間」ですので、9月までは積極的な訓練推奨なのでした。
よくご指摘いただきました!
CP3を進呈いたします。

また次点としまして、同様に馬術訓練*2を推していただきました>>418 ◆W1prVEUMOs様にも
CP1を進呈いたします。


>>417
おお、早速の大胆な陳情ですね。
実際兵数100はかなりの戦力増強ですし、たとえ全滅しても66%は次戦で使えるので
戦力面だけで考えるなら終盤で行うより次の戦争パート前にやってしまう方が効率的です。
騎馬にしても歩兵部隊と比較して採り得る戦術の幅が大きく広がりますしね。
…ただここだけの話、来月には最初の定期供給がありますので、その数値を見ていただいてから
再度ご判断いただいても遅くはないかもしれません!

>>419
そうですね、まだ余裕があるといえばありますが、100を割ってしまうと
突然の戦闘に対応できなくなってしまう可能性もありますので、ご注意くださいませ。

>>421
鋭いご指摘、ありがとうございます。
その通り、収穫祭では「3つのパラメータの内、最も高いもの」に自動的にエントリーされます。
実は戦争以外で評価値を稼ぐ(……といっても、戦争と比べれば微々たるものですが)
数少ないチャンスでもありますので、積極的に狙っていくのも有効かもしれません。

423 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/28(火) 23:34:12 ID:35jxfBfg
***

*訓練ダイス

※訓練は前後半に分かれています。
★マークごとにお一人づつ、!と numnumの間のスペースを消してダイスを引いてください。
目標値【30】に対しプラスマイナス30以内で成功、プラス31以上で大成功、マイナス31以下で失敗となります。
大成功時は成果が1.5倍、失敗時は0.5倍となります。


前半(馬術)1
! numnum + ! numnum + ! numnum =

前半(馬術)2
! numnum + ! numnum + ! numnum =

後半(馬術)1
! numnum + ! numnum + ! numnum =

後半(馬術)2
! numnum + ! numnum + ! numnum =


424 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/08/28(火) 23:37:01 ID:???

前半(馬術)1
53  +  16  +  53 =

425 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/28(火) 23:37:48 ID:???

前半(馬術)2
26  +  34  +  42 =

426 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/08/28(火) 23:39:55 ID:???

後半(馬術)1
94  +  41  +  29 =

427 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/29(水) 00:07:00 ID:???

後半(馬術)2
96  +  23  +  77 =

428 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/29(水) 00:13:13 ID:???
【数値加算】
424の右にEP10消費して+10、63にして大成功へ

429 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/29(水) 00:23:34 ID:???

>>428
今回は特に影響が小さいので認めさせていただきますが、【数値加算】は原則として
当該判定から15分以内にお願いしております。
期限後に結果が大きく変わってしまうと描写をやり直さなくてはならないという
GMの実際的な都合によるルールで恐縮至極ですが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。


******


*訓練結果

前半(馬術)1
53  + 16 + 53(+10) = 大成功1 成功2 失敗0

前半(馬術)2
26  + 34 + 42 = 大成功0 成功3 失敗0

→大成功1 成功5 失敗0


後半(馬術)1
94  + 41 + 29 = 大成功1 成功2 失敗0

後半(馬術)2
96  + 23 + 77 = 大成功2 成功1 失敗0

→大成功3 成功3 失敗0


***

430 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/29(水) 00:25:00 ID:???

皆様、ダイスロールありがとうございます。
それぞれEP1を進呈いたします。
結果が出揃いましたところで、ひとつご報告を。

この後で個人訓練を共にする相手を選択していただくのですが、このシステムですと
「訓練選択→相手選択」で一日余計に時間がかかってしまうため、次回からは
訓練選択時に「誰と訓練するか」も含めて記載していただく形式とさせていただきます。
不手際をお詫び申し上げます。

それでは改めまして。


***

431 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/29(水) 00:26:02 ID:???
*D26.8月
訓練相手選択


訓練内容
前半:馬術
後半:馬術


所属隊員:
トニーニョ(威圧Lv1)
ネイ(鼓舞Lv1)
ジェトーリオ(撹乱Lv1)


前半・後半の訓練を共に行う相手を、それぞれ所属隊員から選んでください。
所持スキルの強化・変化や、イベントによる称号取得が起こる可能性があります。
前後半を通して同じ相手を選択することも可能です。

また共同訓練は行わないことも可能です。
その場合はその旨をご回答ください。

その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『8/29 23:00』です。

432 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/29(水) 00:29:06 ID:aTaI8lmk
******

訓練効率に影響はありませんし、また失敗ペナルティなども特にありませんが
スキルの「変化」が困る場合などを考慮して共同訓練をしないという選択肢を
設けました…といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

433 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/08/29(水) 00:31:17 ID:???
申し訳ない、以後注意します

434 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/08/29(水) 00:33:59 ID:???
>>433
いえいえ、細かいルールまで把握しているのはGMだけで充分です。
…それすらたまに怪しいくらいですので、何かあれば是非ご指摘くださいませw

435 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/08/29(水) 10:09:21 ID:???
前半ジュトーリオ
後半トニーニョ
ジュトーリオに関しては撹乱のスキルを教えて欲しいです。
トニーニョは、威圧が強化されたらどうなるのかってのも見てみたいです。

436 :◆W1prVEUMOs :2012/08/29(水) 21:24:36 ID:???
前半ジェトーリオ
後半ジェトーリオ
先の戦いでは撹乱に助けられたので効果範囲・確率を上げておきたい

437 :◆9OlIjdgJmY :2012/08/29(水) 21:25:24 ID:???
前半トニーニョ
後半ネイ

部隊の副隊長的ポジションになるであろうトニーニョとまず話しておきたい
その次はやっぱりネイかな、キャプ森的に考えて。

438 :森崎名無しさん:2012/08/29(水) 23:09:28 ID:???
前スレ埋まっていないけどどうしましょうか?

439 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:02:03 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>431の選択については……

>>437 ◆9OlIjdgJmY様の選択を採用させていただきます!
まず関係の重い方から固めていく、というのは一つの手法ですね。
CP3を進呈いたします。


>>435
申し訳ありません、スキルの強化や変化は「隊員の所持スキル」に限ってのことで、
森崎のスキルには特に影響を与えません……。
ただ「撹乱」はパラメータを上げていけば取得できますので、そちらを目指しましょう!
隊員スキルは、今回の更新を見ていただければお分かりになるかと思いますが、
レベルが上がるとかなり明確に強化されます。
基本的にはLv3が上限となっていますが、場合によってはその先にも……?

>>436
はい、撹乱は狙いが絞れると一気に強くなりますね。
早めに強化してしまえば、状況次第では一方的な攻撃が可能です。


前スレについてはGMが適当に埋めておきますね。

440 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:03:07 ID:???
***

//馬術1


「うわっと、と……と!」

演習場の一角に設けられた林の中、情けない声を上げたのは森崎有三である。

「ふう……相変わらず慣れないぜ、馬ってやつは」
「お前が怖がるからだ。馬は乗り手の怯えを敏感に読むからな」

鞍上、バランスを崩しかけた森崎に言うのはトニーニョだった。
共に腕を磨こうと、森崎の誘ったものである。
しかし馬とのコミュニケーションの初歩で四苦八苦する森崎に比べ、仏頂面の白人は
僅かな体重移動と手綱捌きだけでいとも容易く馬を操っているように見える。
こうも腕が違うと、共同訓練というより個人教授に近い。

「ちぇっ……要はナメられてるってことかよ」
「かもな」
「お前にゃそんな素振りも見せやしねえのにな……何かこう、特別な手綱とか使ってるんじゃねえか?
 桂剥きの人参でできてるとかよ」
「……」
「……? おい、トニーニョ」

お前の努力が足りないんだ。
馬鹿なことを言っていないで鍛錬に戻るぞ。
そんな、いつも通りの説教臭い返しを期待した森崎の軽口は、しかし無言によって粉砕される。
見れば、トニーニョはぼんやりと木々の向こうを見ているようだった。
常らしからぬ様子に眉根を寄せた森崎が声をかける。

441 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:04:24 ID:???
「トニーニョ、おい、トニーニョって!」
「……ああ。すまん、聞いている」
「いや、聞いてるじゃなくてよ……まあ、いいや」

肩をすくめる森崎に、

「……」
「……」

トニーニョは、再び黙り込んでしまう。

「……どうしたんだって、聞いてもいいか」
「……」

ともすれば不機嫌に見られがちな仏頂面に、今は何か違う色が浮かんでいるように見えて
森崎が問うのへ、トニーニョは答えず馬の腹を軽く蹴る。
行け、の合図に歩みだしたトニーニョの馬が、すぐに速歩にまで加速した。

「お、おい……! 待てって!」

慌てて後を追おうとする森崎は、だがすっかり馬に見くびられている。
手綱を引けば首を振られ、腹を蹴れば振り落とされそうになり、その内に相手をするのが
面倒になったのか、仕方がないとばかりにのろのろと歩を進める馬に頭を抱えながら
どうにかトニーニョの消えた方へと鼻を向ければ、果たして仏頂面はすぐ茂みの向こう側にいた。
森崎たちを待っていたのかどうか、その悄然とした様子からは窺えない。

「俺は、」

442 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:06:36 ID:???
トニーニョ、と声をかけるよりも早く、ぼそりと呟く声。

「俺は自分が赦せずにいる」

その声は独り言じみていて、ひどく聞き取りづらい。
森崎に向けて語っているのではないようでもあった。

「俺にもっと……もっと力があれば、隊長を、隊の皆を死なせずに済んだのではないかと、
 そればかりを考えている。あの日から、毎日、毎晩。ずっとだ」
「お前、それは……」

言いかけた森崎を遮るように、トニーニョが首を振って続ける。

「わかっている。俺一人の力で変わる戦況などない。百人、千人の敵を相手にできるはずもない。
 無駄で、無為で、無様な後悔だ。唾棄すべき思い上がりですらある。
 それでも考えずにはいられない。考えていなければ、忘れてしまうからだ」

ふと息をついて、トニーニョが天を見上げる。
木漏れ日が、その顔を斑模様に照らす。
ざわめく梢の向こうに何を見ているのか、森崎にはわからない。

「俺はな、モリサキ」

やがて視線を下ろしたトニーニョの、木漏れ日を集めて霞んでしまったような灰色の瞳が、
森崎を見やる。

「かつて毎晩のように見ていた悪夢を、最近、ほとんど見なくなった。
 見られなく、なったんだよ」

言って、口の端を上げる。
無理やりに作られたその笑みは、決して届かないどこかに向かって泣くような、ひどくねじれた笑い方のように、思えた。

443 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:07:43 ID:efdvYoTg

※ガッツが20減少。
馬術が26上がりました。

現在のガッツ:155
剣術:68 馬術:36 体術:62 魅力:78 評価:69
ATK:104 DEF:140 SPD:98 ini:19



***

*チェック

トニーニョとの関係が一定値に達したため、スキルが強化される可能性があります。

目標値【10】 → ! numnum

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
目標値以上の値が出れば成功しスキルが強化されます。
00が出た場合はスキルが変化します。

成功→ 威圧Lv2(周囲3マス以内にいる敵全部隊の士気を-10する)

00→ 追撃Lv1
(兵数ダメージロールに5か6の目が出た際、もう一度だけ1D6を振ってその数値を加算する。
 ただし【数値加算】による変更後の出目は対象にならない)


***

444 :源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/09/01(土) 12:50:35 ID:???
目標値【10】 →  89

445 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:54:08 ID:???
***


トニーニョのスキルが「威圧Lv2」に強化されました。


***

446 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:55:14 ID:???

//馬術2


「しっかし、あん時ぁ驚いたぜ。お前がいきなり変なおっさん連れてきたと思ったら、
 『このモリサキが皆サンの新しい隊長デ〜ス! そこんトコ、よろしくお願いしマ〜ス!』だもんな」

褐色の優男が、言って快活に笑う。
ネイが口真似をしてみせたのは、森崎の隊長就任を知らせたときのルーカスである。

「ああ……俺だっていきなりのことで、何がなんだかわかんなかったぜ。
 正直今も、実感は薄いんだ」

ややぎこちなく手綱を握りながら答える森崎。
戸惑いは、事実である。

「ま、ゴーカな式典も、御前会議! とか信任投票! なんてのも、なかったしな。
 隊長歓迎の宴会はやったけどよ」
「単に俺を口実にした飲み会だっただろ……」

宿舎の広間に買い込んだ安酒を並べただけの宴席を思い出して、森崎がゲンナリとした顔をする。

「ま、それは言いっこなしだぜ」
「いいけどよ……」
「ところで、隊長ってどんなことしてんだ?」

突然、ネイがそんなことを訊ねてくる。
情報収集に余念がない、というべきだろうか。
苦笑した森崎は、しかし首を捻るのだった。

447 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:56:42 ID:???
「いや……それが、基本、まだ何もしてねえ」
「なにィ!?」

驚愕するネイに、森崎が困ったように告げる。

「人員と物資の確認、それからルーカス大佐の持ってきた書類にサインして……ってくらいでよ。
 他の教官たちは上の雇いだから、とりあえずヤングのおっさんの頃と同じように、つー感じかな。
 正直、隊長室なんて部屋だけあてがわれても、何していいのかわかんねえんだよ」
「……まあ、俺らもヤング教官が普段どんな仕事してたのか、よく知らねえからなあ」

しみじみ言う。

「ルーカス大佐もそこら辺、補佐してくれるヤツを寄越すとは言ってたけどよ……」
「まだ来てないのか?」
「……『こちらも色々てんてこ舞いデス! もうちょっと待っててくだサイ』だとよ。
 ま、俺ら外様が後回しにされるのは慣れてるけどな」

肩をすくめる森崎。
わかるぜ、とその肩を叩いたネイが、ふと続ける。

「ていうか、代わりの隊長ってのはてっきりまた騎士団から派遣されるんだとばっかり思ってたぜ」
「俺もそう思ってたんだけどよ」

頷いた森崎が、

「ルーカス大佐が言うには、イリハの件で上は相当揉めてるんだと」
「負け戦の責任のなすりつけ合いだろ?」
「まず、それだ」
「他にもあるのか?」
「いや、ドルファンと向こうさんじゃ、同じ一個大隊でも規模が違いすぎるってんでよ。
 平時ならそれでも誤魔化しは効いてたが、戦場に出ちまうと、な」
「あー……」

448 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:58:55 ID:???
イリハ会戦の惨状を思い起こしたか、ネイが遠い目をする。

「ヴァルファの半分くらいだったもんなあ……」
「ああ。それで騎士団の大規模な再編成やら、退役騎士の招集、戦時増員なんかも検討してるらしい」
「なるほど……こっちに回すような指揮官の余りはいねえってことか」
「そういうこった。将校としての訓練受けてる騎士なんざ、ただでさえ少ないからな」

言った森崎に、ネイが得心したように首肯する。

「ならまあ、隊長のお鉢はお前に回ってくるわな、モリサキ」
「よせよ。ガラじゃねえ」
「何言ってやがる。前第二分隊長、それも八騎将殺しの英雄サマじゃねえか」
「あれは……ヤングのおっさんのおこぼれみてえなもんで、」
「知ってるよそんなこた!」

ぴしゃりと言い切られた。

「けどまあ、上は実際の戦場見てるわけでも、まして人柄見て決めるわけじゃないんだからよ。
 結果と実績からしてお前を選ぶに決まってんだろ」
「人柄見られたら選ばれねえ、みたいな言い方だな……」
「そりゃそうだろ、問題児!」
「ぐむぅ……」

大笑いしながらネイが言うのに、森崎は唸るしかない。

449 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 13:00:14 ID:efdvYoTg
「ま、俺らとしちゃお偉い騎士様が派遣されてくるよりよっぽど助かるけどな。
 俺らの流儀を知ってる奴が上にいる方が色々やりやすい」
「おいおい、ヤバいことは勘弁してくれよ……何かありゃ、俺がひっかぶることになるんだからよ」
「いきなり日和ってんじゃねえよ!」

ゆっくりと歩ませる馬上、そう軽口を叩いてネイが笑う。
のどかな空気の中、森崎はふと、先日のトニーニョの様子を思い出すのだった。

(そういえば……トニーニョのこと、ネイなら何か知ってるかな)



*選択

A トニーニョのことをネイに相談する。

B それとなく聞くに留める。

C やっぱりやめておこう。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『9/1 23:00』です。

450 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 13:01:28 ID:???
******

といったところで、一旦これまでとさせていただきます。
それではまた、次回更新にて。

451 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/01(土) 13:12:29 ID:???
A
こういうのはきちんと話を回した方がいい。
ただ、ネイはすぐにトニーニョを問い詰めにいきそうなタイプでもあるから、
そこはちゃんと釘を差したいところだけど。

452 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/01(土) 14:20:25 ID:???
【ピココール】
トニーニョの事を相談するにしても、はっきりと相談内容を言った方が良いのか、それとなく聞いた方が良いのか、どう思う?


453 :ピコ ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 15:35:52 ID:???
>>452
そうだねえ……ネイなら、トニーニョの深い事情も知ってるとは思うけど。
ただ個別に事情を聞いて判断する、っていう以上のこと……誰かに相談するっていうのは、
こっちの下駄を半分、相手に預けるっていうことでもあるんだよ。
それは……ある意味、対等の目線で話すっていうことだよね。

悪いこととは言わないけど、キミは隊長、彼らはそうじゃない……。
全部が全部、対等でいるのは……危険なことも、あるかもしれないね。

454 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/01(土) 18:07:24 ID:???
B確かに部下と対等だとまずいかも知れませんね。
でもトニーニョの事も放って置けないですのでトニーニョの事をよく知ってるはずのネイから情報を得たいと思います。
それに出来るなら隊長として傭兵仲間として力になれるものなら協力したいなと思います。

455 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/01(土) 22:02:54 ID:???

空気読み&気配りのめっちゃ上手そうなネイなので
それとなくで大丈夫かなと。

456 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:37:04 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
更新期間が開いてしまい申し訳ありません。
次の選択まで、と考えていたらテキスト量が膨れ上がりまして……などという言い訳はこの辺りで。
それでは早速、>>449の選択については……

>>454 さら ◆KYCgbi9lqI様の選択を採用させていただきます!
はい、集めた情報をどう判断し、どう動いていくのかはこの先の話ですが、
それが森崎とトニーニョにとって最善の方法になればいいですね。
CP3を進呈いたします。


>>451
それも一つの解決法ですね。
是非の問題ではありませんが、今回はこういった選択を採用させていただきました。
今後の立場によっては、明確な正解のない選択も増えていくかもしれません。
すべては皆様のご回答の説得力次第、というところでもあります。

>>455
はい、ネイは日常的な場面では色々と察してくれますね。
とはいえ、そう簡単に事情のすべてを話してくれるわけではありませんが。


457 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:38:04 ID:???
***

B それとなく聞くに留める。


(……搦め手からいくか)

トニーニョの様子がおかしいのは明らかだった。
しかし同時にまた彼自身の言葉から分かるのは、それが精神的な部分に根ざした
ひどくデリケートな問題であるということでもあった。
情報の少ない現時点で彼と親しいネイに事情を明け透けにするのは、親しい人物であるからこそ
躊躇われるようにも、森崎には思えた。

「そういや……最近のトニーニョ、どうしたんだ?」
「あ? なんかやらかしたのか?」

遠まわしな訊ね方に、直球の返答が戻ってくる。
どうしたものかと思いながら、森崎は言葉を選ぶ。

「いや、そうじゃねえけどよ……ここんとこ、どうもボーっとしてるっつーか、な。
 アイツにゃ集中してもらわねえと困るわけよ、こっちも」
「ま、いい加減な隊長サマにはきっちりした女房役が必要だしな」
「うるせえ!」
「つってもなあ……あ」

と、何かに気付いたようなネイが、しかし眉根を寄せて手綱を引き、馬の歩みを止める。
珍しく考え込むような表情に、森崎があまり良い予感を覚えないままやはり馬を止め、重ねて訊いた。

458 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:39:05 ID:???
「何か、あったのか?」
「もしかして、『また』……か」
「……?」

ぽそり、と口にしたネイの声音は苦々しい。
目を閉じて大きなため息をつく、そんなネイの表情を森崎は見たことがない。

「ったく……いい加減、慣れろっての……」
「何だよ、それ」

口の中だけで呟くような言い方に焦れた森崎が言うのへ、ネイが小さく首を振る。

「いや……まあ、なんつーか……トニーニョのヤツは、『ご主人様』を亡くすのが……。
 昔のコトで、ちょっとな」
「……」

あからさまに言葉を濁したネイの様子は、話せるのはここまで、と口以外の部分で雄弁に語っている。
今はまだこれ以上踏み込めないと判断した森崎が、口を真一文字に引き結んで天を仰ぐ。
しばしの沈黙の後、軽く頷いたネイがぽん、と森崎の肩を叩いて馬の腹を蹴る。

「まあ、俺の方でも気をつけとくよ。ヤバそうなら早めに報告、入れるからさ」
「お、おう。……よろしくな」

片手を上げて遠ざかるネイの後ろ姿を、森崎は見る。
鞍上の長い黒髪は、まるでその背にこびりついた過去という黒雲のように、ゆらゆらと揺れていた。

459 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:40:06 ID:???
※ガッツ20減少。
 馬術が30上がりました。

現在のガッツ:135
剣術:68 馬術:66 体術:62 魅力:78 評価:69
ATK:134 DEF:140 SPD:128 ini:25


※ネイとの関係が上がりました。
 スキルLvの上昇確率は現在-30%のため判定は行われません。

******


※称号が『気のいい見習い騎兵』になりました。

スキル『チャージ』を獲得しました。
種別:部隊パッシブ
消費ガッツ:-
効果:指揮下の騎兵の兵種打撃力を+5する。


******

460 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:41:07 ID:???

*D26.8月 「気のいい見習い騎兵」森崎有三
メインイベント


『overreach yourself』



「オウ、そこを行くのはモリサキさんではありませんカ!」
「げっ……」

石造りの白い町並みは、照り返しで道行く者をじりじりと焼く。
夏も盛りの昼下がり、汗を流しながらキャラウェイ通りを歩く森崎の耳に飛び込んできたのは陽気な声である。
ここ一週間ですっかり聞き慣れた感のあるその声の主を瞬間的に脳裏に浮かべて、思わず顔をしかめる森崎。
振り返れば、果たしてそこに立っていたのはバウミール・ルーカス。
軍部と傭兵大隊を繋ぐ役職にある男である。

「ちょうど良かったデス。これからそちらに伺うところでシタ」
「ルーカス大佐……今日は休みのはずだぜ」
『相変わらずヘンなカッコだね、このオジサン』

露骨に嫌な顔をする森崎の肩を親しげにバンバンと叩く男の服は、どこから調達したものか、
炎天下にもかかわらず長くぞろりとしたガウンのような上着を羽織っている。
大きく前の開いた上着の下には、どうやら軍服を着込んでいるように見えた。
ピコの漏らす通り、目にする度に頭を抱えたくなるような珍奇な服装のセンスは
今日も存分に発揮されているようだった。

「HAHAHA、管理職に休日なんてあってないようなモノですネ。それと、モリサキさん」
「……何だよ」

おそろしいことをさらりと言ってのけたルーカスが、森崎が身構えるのへ、ずいと迫る。

461 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:42:10 ID:???
「ルーカス!」
「……?」
『うわあ……顔、濃いなあ』

唐突に自らの名を呼んだその意図がわからず、森崎が目を瞬かせる。
暑苦しいほどに近づいてきたルーカスが、続けた。

「ワタシのことはルーカスと呼び捨てにしてくだサイ、お願いしたはずデス!」
「……いや、そういうわけにもいかねえだろ」

そのことか、と半ば安堵しながら言う森崎。

「一応、俺らの雇い主なんだからさ。大体アンタだって俺のこと、さん付けじゃねえか」
「当然デス! 言ってみれば皆さんは大事なビジネスパートナーですからネ。呼び捨てなんてできまセン」
『……』
「……はは」
「オウ、オリエンタルスマイル! 東洋の奥義ですネ!」

もはや苦笑するしかない森崎に、屈託のない笑顔を向けるルーカス。
どこまでが本気なのか、皆目検討がつかない。

「……で、何の用だって?」

掴みどころのない親父だ、と辟易しながら、森崎が尋ねる。

「ハイ、そうでシタ。今日はモリサキさんに、もう一人のビジネスパートナーを紹介したかったのデス!」
「もう一人の……?」

首を捻る森崎に、

「―――もう、いいかしら?」

462 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:43:11 ID:???
かけられる声があった。
ルーカスの背後、その大柄な身体に隠れるようにしていた影が、すっと歩み出てくる。
妙齢の女性である。
一目で東洋系であると分かる、服装と化粧であった。
襟とおくみのついた裾の長い帯留めの上着は夏らしく若草色と浅葱色でまとめられ、
足首までをゆったりと覆う空色のスカートには美しい刺繍が施されている。

『襦裙……? 珍しいね、中華のお客さんかな?』

ピコが言う中華、正しい国号を中華皇国というその国は、東洋圏に覇を唱える一大帝国である。
極東から欧州にまで流れてきた森崎としても、その文化様式程度は当然知っている。
襦裙とはその中華皇国の女性が纏う服のことであった。

『ていうかそうすると、ルーカスさんのヘンなカッコって、漢服なのかな……前、開いちゃってるけど』
(……まあ、あの上着にボタンはないからな。オビっつーベルトを締めるんだぜ、ルーカスさん)

ピコの呆れたような声に内心だけで返答した森崎が、改めて女性を見やる。
細面の整った顔立ちの、しかしその頂点に君臨するのは鋭い眼差しである。
アーモンド型の黒い瞳を彩るのは中華独特の鮮やかな紅。
燃えるような化粧に、決して負けぬ煌めきを放つ瞳であった。
己というものを世に誇れる者たちの持つ、特有の煌めき。
その自信は経験によるものか、あるいは実績に裏打ちされたものであったか。

『びっじ〜ん。キミ、気をつけてよね』
(確かに、一筋縄じゃいきません、って顔だぜ……)

肩に垂らした長い黒髪が、黄金色の繊細な耳飾りと共にさらりと揺れる。
甘く漂う香気は麝香だろうか。
ラインの出ないゆったりとした服装の下について思わず妄想逞しくしそうになる白く細い首が
微かに傾げられ、艶やかに紅をさした唇は上弦の月の形で笑んでいる。
美しく、そしてまた自分の価値を熟知しているであろう女性であった。

463 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:44:15 ID:???
「この人、は……?」
「傭兵大隊の酒保商人、許商会の代表さんデス」
『酒保……って、いつも売店開いてる、あれ?』

知らず生唾を飲み込んで聞いた森崎に、ルーカスがあっさりと答える。
酒保商人とは、軍を相手取って総合的な商売を行う商人である。
行軍に随伴してその名の通りの酒や食料の販売、武器弾薬の補充や補修のみならず
芸人、詩人、娼婦といった娯楽の提供から炊事洗濯などの日常サービスまで
およそありとあらゆるものを取り扱う、いわば戦場における生命線であった。

「酒保……? 先月まではニコラ爺さんがやってただろ」
「彼は地元で雇った小売商よ。実際にドルファンの傭兵大隊で酒保を担当してるのは私たち許商会」

短い期間ではあったが何度か世話になった、人の良さ気な老爺の顔を思い浮かべる森崎に、
直接答えたのは女性である。

「ニコラさんが引退して田舎の娘夫婦と同居するっていうんで、これからは私が直接、
 貴方たちの面倒見ようってわけ。
 ようやく本格的な戦争が始まって、仕事もこれまでとは比べ物にならないほど大口になりそうだしね」

そう言って、白くたおやかな手を差し出す女性。

「徽商・許商会、許子先の娘、許陽子(スー・ヤンズゥ)よ。よろしくね」
「森崎有三だ。こちらこそよろしく頼む」
「期待してるわよ、八騎将討伐の隊長さん?」

握り返した手を離さずに言う女性に小さく肩をすくめて、森崎が話題を変える。

「で、徽商……てーと、やっぱ中華の商人か」
「見ての通りね」

微笑むと手を離し、長い袂を夏の風に揺らして、優雅に中華風の礼をしてみせる女性。

464 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:45:16 ID:???
「父の商会は塩が本業。でも最近は本国の情勢が荒れ気味で、貿易のうまみが大きくなってきててね。
 色々手広く扱ってるんだけど、娘の私がドルファンでの名代ってわけ」

へえ、と頷いた森崎を、陽子と名乗った女性がじっと見つめる。
悪戯っぽく細められた目にどぎまぎとする森崎に、陽子がそっと耳打ちするように、言う。

「って言っても、子先は養父でね。……私、本当は貴方と同じ国の生まれなのよ」
「そう、なのか?」

驚いたように訊く森崎に、陽子が笑って頷く。

「ええ。ヤンズゥは中華の読み方。元の名前はヨーコ……っていうの」
「陽子……さん?」

何気ない一言である。
森崎としては、ただ相槌を打っただけのつもりであった。
しかし、陽子の反応は激烈だった。

「んー……! その発音、素敵っ!」
「ちょ、陽子さ……!?」

ぱあっ、と花の開くような満面の笑みを浮かべるやいなや、何と森崎に抱きついてきたのである。
絹の滑るような肌触りとその向こう側のやわらかく温かい感触、そして麝香の甘い香りが、
同時に森崎の顔を包む。

「ぐ、ぐむむ……!」
「オウ、許小姐は情熱的ですネー」

突然のことに、思わず唸ることしかできずにいる森崎。
他人事のように言うルーカスの声が、ひどく遠い。

465 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:46:16 ID:???
「あ、ごめん、つい!」

ぎゅう、と胸に抱えていた森崎の頭を慌てて解放した陽子が、小さく舌を出す。
茶目っ気のある仕草が意外と似合っている。

「ほら、ちゃんと名前呼んでもらえるのってすっごく久しぶりだし、……やっぱり嬉しいから。
 お姉さん、調子に乗っちゃった」

もしかすると、それほど歳は離れていないのかもしれない。
そんなことを考える森崎の前で居住まいを正した陽子が、改めて礼をする。

「貴方の隊の酒保を任されたのも、素敵な縁ね。今後とも許商会をご贔屓に、森崎くん!」
「ああ……こっちからも頼むぜ、陽子さん」

答礼を返す森崎の前に、

「で、早速だけど」

どこから出したものか。
ぴらり、と陽子が差し出したのは紙の束である。

「え……?」
「はい、じゃまずこれ、目を通してみて?」
「あの」
「ちゃんとした数字は後で出すから、今はこんなざっくりした書面でごめんね」
「いや、その」

ざっくりした、というわりには異様に分厚い紙束を押し付けられ、目を白黒させる森崎。

「これがこっちでざっと出した、不足してると思われる物資のリスト。でこっちが見積り、
 ここからここまでが去年の納入実績で、こっちは大隊の予算と突き合わせた今後の提案書……」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ!」

466 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:47:17 ID:???
慌てて陽子を押しとどめる森崎。

「あら、どうしたの?」
「いきなり言われても何がなんだかわかんねえよ!」

悲鳴のような声音で抗議する森崎に、しかし陽子はしれっとした顔で言う。

「このくらいの書類仕事はサクッと片付けなきゃダメよ。
 これからはこういうこと、貴方が全部やっていかなきゃいけないのよ? 隊長さん」
「いや……でもよ、物事には手順とか、修練とか、な」

しどろもどろに言う森崎。
その様子にくすりと微笑んだ陽子が、森崎の手から紙束を取り上げた。

「うふふ。ま、新米隊長さんに免じて、今日はこの辺で勘弁してあげる」
「助かるよ……」

胸を撫で下ろす森崎に、しかし陽子の追撃が待っていた。

「じゃあ明日、改めて隊長室の方へお邪魔するわね」
「なにィ!?」
「再見、また明日♪」

わざとらしく中華風の別れを告げると、陽子は振り返りもせずに去っていく。
その迷いのない足取りは、雄弁に再訪を告げていた。

「オウ、待ってくだサイ、許小姐! 私もご一緒しマス!
 それではモリサキさん、明日から頑張ってくださいネ」

それまでニヤニヤと森崎たちのやり取りを眺めていたルーカスが言って走り去るのへ
適当に返事を返しながら、森崎は暗澹たる気持ちを抱えて歩き出すのだった。

467 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:48:24 ID:???
******


「うう……明日っから数字の山が襲ってくるのか……。いきなり気が重いぜ……」
『あはは、まあ頑張ってね』

くるりと舞う相方に返事も返さず、とぼとぼと俯いて歩く森崎の目には周囲の光景が映っていない。
もしきちんと周りを見ながら歩いていれば、あるいは違う未来が待っていたかもしれない。
だが今この時、森崎に待っていたのは甲高い呼び声とふわりとした感触であった。

「―――お兄ちゃんっ!」
「うおぅっ!?」

唐突な接触に奇妙な声を上げて飛び退こうとした森崎だったが、しかし左腕に絡みつく
人肌の温もりは離れない。
視線を下ろせば、ふわふわと鼻先をくすぐる蜂蜜色の髪が目に入る。
その髪の主に思い至って、森崎が思わず天を仰いだ。

「ロリィ……。お前、いきなり何してんだ!」
「えっへへ〜。お兄ちゃん見つけたから、走ってきちゃった」
「そか……」

がっくりと肩を落とす森崎。
トニーニョと共にこの少女に振り回されたのは、戦の前だったか。
苦い記憶に眉根を寄せる森崎の様子を、それでも少女は斟酌しない。

468 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:49:24 ID:???
「ねえねえ、聞いたよ! 戦争でいっぱい、カツヤクしたんだよね!
 すっご〜い! カッコいいねえ〜!」
「おう、ありがとな……」

大きな瞳をきらきらと輝かせながら賞賛の雨を降らせるロリィに適当な礼を返しながら、
森崎がふと辺りを見回す。

「そういえば、今日はレズリーは一緒じゃないのか?」
「え、お姉ちゃん? いるよ?」

あっさりと返される。
しかし、もう一度見渡してもキャラウェイ通りの人波にレズリーの姿は見当たらない。
これまでの経緯を鑑みても、ロリィがこうも積極的にスキンシップを求めていれば
罵声の嵐と軽侮の視線がセットで送りつけられていてもよさそうなものだった。
それが、ない。

「あれ? さっきまでいたのに……どうしたんだろ、おトイレかな?」
『……キミ、ちょっとこの子にキョーイク、してあげた方がいいんじゃないかな』
「……ロリィ、女の子がそういうこと言っちゃダメだぞ」

ピコの助言通り、頭痛を抑えるようにこめかみを揉み解しながら忠告する森崎に、
えぇ、と抗議の声を上げてロリィが尋ねる。

「じゃ、おトイレ行くとき、オトナはなんて言うの?」
「そういうときはな、ちょっとお花を汲みに……あれ、違ったか、花を踏みに……ってのも
 何かおかしいな、ええと……」
「―――お花を摘みに行ってきます、だ。ちゃんと覚えときな」

背後から響いたのは、呆れたような声である。

469 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:50:25 ID:???
「あ、お姉ちゃん!」

ロリィが指差すのに振り返れば亜麻色の髪と、やや吊り上がった瞳。
レズリー・ロピカーナその人である。
しかし今日はなぜか、その鋭い瞳が右に左に泳いでいる。

「おう、レズリー。夏至祭以来だな」
「よ、よぅ、モリサキ。……無事だったみたいだな」
「ま、ちったあ怪我もしたけどな。おかげさんで、もう大丈夫だぜ」

むん、と力こぶを作ってみせれば、ロリィがわあいとはしゃいでその腕にぶら下がる。
その様子にまた一悶着あるか、と身構えた森崎の眼前、しかしレズリーは頷いただけである。

「そ、そうか。それは何よりだ。……ち、よりによって余計なときに出てきやがって……」
「……?」

目を逸らしながらぼそりと呟く、その声はよく聞こえない。

「ん? 何か言ったか?」
「な、何でもないよ! そ、それより一躍時の人って感じだよな、アンタ」
「はァ?」

いかにも唐突な話題変換に、森崎が片眉を上げる。
しかしレズリーはといえば、そんな森崎の態度を無視するように言葉を続けるのだった。

470 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:52:34 ID:???
「戦争で大活躍だったんだってな、隊長にもなったって聞いたぜ、街の噂の的だよ」
「おい、レズリー……?」
「忙しそうだな、きっと忙しいんだろうな、うんそうだろ、この後も予定がびっしりだよな」
「いや、別に……」
「忙しいって言えよ!」
「いきなりキレんなよ……」

どうにも挙動が怪しい。
記憶の中のレズリーという少女はもっと大人びた、森崎自身にはやけに噛み付いてくるものの
どこか冷めた印象を与える存在のはずだった。

「お前今日、ヘンじゃないか……?」
「何がだよ!」

怒鳴り返すレズリー。
そういうところがだよ、と言いかけた森崎よりも早く、ロリィが口を開いた。

「お兄ちゃん、オトナはこれから『ヨルノマチニクリダス』んだよね!」
「はぁ!?」

予想外の単語に、脳内での変換が遅れる。
ヨルノマチニクリダス。
よるのまちに、くりだす。
夜の街に、繰り出す。

「なるほど……」

ようやく語意を掴んだ森崎が、見上げるロリィに肩をすくめる。

「……あのなロリィ。まだ日も高いし、そもそも今日は俺、別にそんな予定……痛ッ!?」

471 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:53:35 ID:???
痺れるような激痛が、森崎の舌を止めた。
痛覚は、足先からやってきていた。
滲む涙を拭って見やれば、そこにはレズリーの履くアンクルブーツ。
どうやら踵で思い切り踏まれたらしい。

「お、お前な……」
「黙ってろ!」

針のような視線と刺すような言葉。
これでこそレズリー、と妙な納得をした森崎の目に、きらきらと煌めくものが映る。
手を組んでこちらを見上げる、ロリィの瞳であった。

「お洒落なバーかあ……」

その光は、燦々と降り注ぐ陽光を反射しているだけではない。
ある特定の年代にしか見えない、鏡には映らぬ憧憬という光を集めて煌めく、それは瞳であった。

「いいなあ、ロリィも行きたいなあ……」
「や、だから、何を言って……」
「ちょっと、アンタ!」

足を踏んだままのひどく近しい、体温を如実に感じる距離でレズリーが鋭く囁く。

「……頼む。話、合わせてくれよ」

目線は合わせようとせず、しかし切実な口調で言うレズリー。

「つってもお前、俺には何のことだかさっぱり……」
「いいから!」

言って森崎を突き放すようにしたレズリーが、ロリィに向き直る。

472 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:54:36 ID:???
「ロ、ロリィはまだ子供だから酒場には入れないんだ。大人になってからな」
「そうなんだあ……でもお姉ちゃんとかお兄ちゃんは、いっつも行ってるんだよね?」
「そ、そうだよ。アタシらくらいになれば、もう顔パスさ。な?」

と、そこで言葉を切ってちらりと森崎に目線を送るレズリー。
額に汗の珠が浮かんでいるのは、暑さのためばかりではあるまい。

「……そういうことか」

ようやく合点がいったように頷き、小さくため息をつく森崎。
その間にも、ロリィの憧れに満ちた瞳は攻勢を続ける。

「じゃあ、じゃあ、もしかして、『いつもの』とか言っちゃうの?」
「と、当然だね」
「わあ! お姉ちゃん、カッコいい〜!」
「はは……そ、それほどでもないよ」

引きつったように笑うレズリー。

「ねぇねぇ、『いつもの』って言うと、何が出てくるの?」
「え!? ……そ、それはお前、アレだよ……お酒の、」
「お酒の?」
「えーと、ほら……」

口ごもったレズリーが、森崎にちらちらと目配せをする。

(……どうしたもんかな)

しばし逡巡した森崎が、やがて口を開く―――

473 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:56:42 ID:qowjHo82

*選択

A 「ワインだろ。ヴァン=トルキア産の赤がお気に入りだって言ってたじゃないか」 助け舟を出す

B 「最近はアドヴォカートにハマってるって言ってなかったか?
   ……あれ? ところでアドヴォカートって何だっけ、レズリー?」 悪ノリする


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『9/7 24:00』です。


******


余談ながらGMは日本酒党、田酒・獺祭・酔鯨といったところがお気に入りです。
といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

474 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/07(金) 10:20:12 ID:???
Aレズリーに恩を売りつつ、俺はワインも良いがビールの方が好きだがね、と自らの趣向を言っておきたいですね。

475 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/07(金) 23:35:41 ID:???
A 以前トニーニョに釘を刺されてますし、あまりからかわないであげようかなと。

476 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/11(火) 23:37:01 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>473の選択については……

>>474 さら ◆KYCgbi9lqI様の回答を採用させていただきます!
森崎、何気に朝からビール呑んだりしてますからね。
もっともこの時代には気軽に使える氷も冷蔵庫もありませんから常温ですけど……。
今でも日本以外ではそういう呑み方をする国も多いと聞きます。
CP3を進呈いたします。


>>475
そうですね、人を呪わば穴二つと言いますし、あまり弱り目に祟り目状態を楽しんでいると
思わぬしっぺ返しがくることもあるかもしれません。

477 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/11(火) 23:38:12 ID:???
***


A 「ワインだろ。ヴァン=トルキア産の赤がお気に入りだって言ってたじゃないか」 助け舟を出す



「ワインだろ。ヴァン=トルキア産の赤がお気に入りだって言ってたじゃないか。
 ま、俺はビール党だからな。レズリーとはよく意見がぶつかるよ」

森崎がそう言うと、レズリーがぶんぶんと首肯する。

「え、あ、そ、そうだね。やっぱり赤だよ。ヴァン=トルキアの。夏だし」

そうだな、夏だな、といかにも適当に相槌を打ってやる森崎の呆れたような視線にも、
レズリーはまるで気付く様子がない。
この間の鋭さと勘の良さはどこかに置き忘れてきたのか、と内心で肩をすくめる森崎の前で
ロリィが瞳を輝かせて頷く。

「ふーん、やっぱりお姉ちゃん、オトナだね! でもケンカはダメ、だよ?」
「わ、わかったかい? じゃあ、アタシたちは行きつけの店に……」

と、森崎に目配せしてそそくさと立ち去ろうとしたレズリーの腕に、ぽすんとロリィが飛び込んだ。

「ロリィ、お店まで着いてってあげるね!」
「え……」

478 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/11(火) 23:39:12 ID:???
その引きつった表情を見るに、ロリィを煙に巻いた後は実際に店に入らずに
済ませるつもりだったようである。
この分ではそもそも、入る店の目星がついているかどうかも怪しい。
詰めの甘い少女に小さく首を振ると、森崎が率先して歩き出し、振り返って声をかける。

「ほら、それじゃ行くぜ。二人共」
「え、……あ」
「うん!」

夏空の下、ロリィの元気な返事だけが、高らかに響いた。


***

479 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/11(火) 23:40:18 ID:???

「……周りの目が白いんだが」

窓のない半地下の店内では、夕刻にもまだ早い時分から幾組かの客がグラスを傾けている。
客といっても仕事にあぶれ、酒に溺れるという類の酔漢ではない。
避暑に軽くアルコールを嗜む富裕層の婦人とその従者や、あるいは商談を交わしているらしき
異国の商人たちなど、落ち着いた佇まいの店に相応しい人々である。
陽が落ちれば雇いの音楽家による演奏が始まり、酒そのものや店の雰囲気を味わう客層も
姿を見せ始めるだろう。
キャラウェイ通り北、『砂丘の星』亭はそういった店だった。

「アタシだって、もう帰りたいよ……」
「つまらん見栄を張るからだ」

森崎たち腰掛けるのはカウンター席である。
振り返らなければ他の客の様子は見えないが、しかし背中越しに感じる視線は気のせいではないだろう。
原因は隣に座る少女、レズリーであった。

「はあ……」

大きなため息に艶はなく、ただ緊張と疲労が口から漏れただけという体である。
ぐったりと丸めた背中を唐突に伸ばしたかと思うときょろきょろと周りを見やり、
内装を睨み、わざわざ振り返って他の卓の客と目を合わせては慌てて向き直る、
そんなことを繰り返している。
まずカウンター席に座らせるまでが一苦労、座らせても一向に面倒が収まらぬ。

480 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/11(火) 23:41:19 ID:???
「いいからちょっと落ち着け」

ため息をつきたいのはこっちだ、と思いながら森崎が言う。
レズリーという少女、実際の歳よりも上に見える端正な顔立ちである。
もとより背も高く、発育もいい。
今日の服装とてアースカラーをベースにしてタイトなレザーのベストでまとめた、
強気な女性らしさを前面に押し出したものである。
堂々としていれば決して奇異の視線を集めるような外見ではないはずだったが、
何しろ挙動が不審なことおびただしい。
結果的に周囲の耳目を一身に集中させてしまっているのだった。

「うぅ……そんなこと言われてもさ」
「ったく……」

形のいい、少し薄い唇が今ばかりは力なく半開きになっているのへ眉根を寄せた森崎に、
カウンターの中から店主らしき男が注文を聞いてくる。

「何にしましょう」
「あー、そうだな……」

気分的には盛大に深酒をして憂さを晴らしたくもあったが、そうもいかない。
明日には執務机に積まれるだろう書面の山と、陽子の悪魔じみた笑顔が脳裏をよぎる。
そもそも隣の少女を、心ならずもエスコートせねばならぬ立場であった。

「それじゃ、」

適当に軽いアルコールを頼もうとした森崎だったが、それを制するように上がる声があった。

「―――い、いつもの!」

言わずと知れた、レズリーである。

481 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/11(火) 23:42:20 ID:???
一瞬で周囲の空間を制圧した沈黙の中、もしかしたらこの少女は極度に緊張に弱い質なのだろうか、
などとぼんやり思考した森崎が、困ったように視線を向けてくる店主に苦笑を返す。

「……何かソフトドリンク、出してやってくれ。俺にはエール」
「かしこまりました」


***


「……ロリィのやつが、あんなこと言うから。引きずられただけだからな」

グレープジュースの満たされたグラスを前にして、レズリーがぶすりとした顔で呟く。
森崎が何かを口にする前に先手を打ったつもりらしいが、さすがにその段は通らない。
首を振った森崎が、常温の麦酒で喉を湿らせながら言う。

「初めての店であんな注文、通じるわけねえだろ……」
「だから、わかってるよ! そんなこと! もういいだろ!」

語調は強いが、森崎を睨む目には力がない。

「……そういうアンタは、随分慣れてるみたいじゃないか」
「そうでもねえよ。普段来るのはこんな高い店じゃなくて、安い呑み屋だし。
 ま、それでも商売柄、色んな国の色んな場所に顔は出してっからな」
「……ふぅん」

482 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/11(火) 23:43:21 ID:???
しばらく、静かにグラスを傾ける時間が続いた。
陶器のカップではなくグラスを使う辺りは高級店の面目躍如といったところだったが、
レズリーという少女、そこには何の反応も示さない。
普段からグラスを使い慣れているのであれば、それなりに裕福な家庭に育ったのだろう。
豪農、商人、あるいは役人、高級軍人。
はすっぱな口調、手のかかった服装。
手がかりは少なく、正解を知りたいわけでもない。
単に、時間を潰したかっただけである。
そんな風に益体もない想像を巡らせる森崎の沈黙を破ったのは、カウンターに頬杖をついた少女だった。

「退屈」
「……お前なあ」

じろりと森崎。

「ガキみたいなこと言うなよ」
「ヘン、どうせアタシはガキ扱いされてるじゃないか。
 出されるのはワインやシードルどころかこんなジュースだしさ」

手がつけられない。
本当に、強気で尖った少女はどこへ消えたのかと、麦酒を口に含んで香りを楽しみながら
森崎が低い天井を仰ぐ。
もしかしたら、と思う。
普段ロリィという子供じみた存在と接している分、どこかで無理をしているのかもしれない。
今日の浅はかな背伸びなどその典型だろうし、あんなことを続けていれば疲れもしよう。
森崎の知る友人という概念とは随分と違う、奇妙な関係。
ふと、それが気になった。

483 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/11(火) 23:47:03 ID:wGdJhpqU

*選択

A「なあ、どうしていつもロリィと一緒にいるんだ?」 軽く聞いてみる。

B(……まあ、いいか) 黙っている。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『9/12 23:00』です。


******


地中海性気候に加えてカミツレ山脈を抱え水資源の豊富なドルファン城塞では
子供がアルコールを嗜む習慣があまりないという設定で、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。


484 :◆W1prVEUMOs :2012/09/12(水) 18:48:23 ID:???

二人の関係の背景に少し切り込みたいから

485 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/12(水) 19:49:05 ID:???
A ここまで個性が違うと疑問に思うのはおかしくないと思います。

486 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/12(水) 21:12:05 ID:???
A 緊張をほぐすにもいい話題でしょうから。

487 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/13(木) 00:59:00 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>483の選択については……

>>484 ◆W1prVEUMO様の回答を採用させていただきます!
はい、レズリーとロリィ、いずれを知るにせよ二人の関係は重要になってきます。
なかなか通り一遍ではいかないかもしれませんが、若い子たちには寛容な態度で接してあげて下さいね。
CP3を進呈いたします。


また、>>485 さら ◆KYCgbi9lqI様、>>486 ◆9OlIjdgJmY様の回答も
本編に反映させていただきますので、それぞれCP1を進呈いたします。

>>485
そうですね、個性、価値観、その他にも色々なものが違う二人です。
森崎が関わることでそれらがどう表面化してくるか、がこの先のお話になります。

>>486
はい、いつものルーティンを行うことでいつものペースを取り戻すのは常套手段ですね。
尖った態度まで一緒に戻ってきてしまう可能性があるのは、森崎にとっては痛し痒しですがw

488 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/13(木) 01:00:03 ID:???
***

A「なあ、どうしていつもロリィと一緒にいるんだ?」 軽く聞いてみる。


森崎の問いに、しかしレズリーは不思議そうな顔で訊き返す。

「どうして、って……何さ」
「すげえ仲、良さそうだろ。友達っていうか、もうそれこそ姉妹みたいにさ。
 趣味とか、あんまり共通点もなさそうなのに」
「……」

少女の吊り上がった目が、一瞬だけ森崎を見てから中空へと視線を彷徨わせる。

「……さあ。わかんないね、いつの間にか懐かれてたって感じだし……」
「へぇ。いつ頃から一緒だったんだ?」
「あの子が学園に入ってきてからだから……って、なんでそんなこと、知りたがるのさ」

怪訝そうな、というよりは不審げな鋭い視線が返ってくる。
日常の光景を思い出すことで、若干いつもの調子を取り戻しつつあるようだった。
思いもかけない効果だったが、緊張を解くには適した話題だったのかもしれない。
言い繕っている風には聞こえないよう気をつけながら、森崎が続ける。

「いや、お前たちってこう、個性が全然違うっていうか……性格なんか正反対っぽいだろ。
 ちょっと気になっただけだよ」
「……ふぅん」

手元のグラスを弄ぶレズリーの目は、まだ白い。
矛先を逸らせる切り口を、森崎は探す。

489 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/13(木) 01:01:06 ID:???
「それにしたって、何で一緒にいるのか分からないってこた、ないだろ」
「そうだね―――」

ふと考え込むようにグラスを置き、カウンターについた手を顎の下で組んで、レズリーが言葉を切る。
僅かな沈黙を挟んで、レズリーが浮かべたのは苦笑である。

「アタシはほら、こんなだから」

と、肩をすくめた表情は、つい先程までとはうって変わって、ひどく大人びている。
一瞬ごとに違う顔を見せる少女という生き物に片眉を上げた森崎が、麦酒をぐびりと喉に流し込む。

「年下の子たちには、勘違いして熱を上げてくれる子なんかもいてね。
 けど、なんていうか……やっぱり壁があるんだよ。向こうが勝手に作る壁がさ」
「……」

首を振ったレズリーの肩が揺れ、隣に座る森崎に、微かに触れる。

「そういう子たちが見てるのは結局、アタシ自身じゃない……アタシと同じ顔をした、何かなんだ。
 近づいてよく見れば、違いがわかる。わかればアタシは、悪人扱いさ」
「悪人?」
「勘違いさせて、憧れてたアタシの、そうでなきゃならない振る舞いと違うことをして、
 心にきらきら輝いてた理想像をぶっ壊すんだ。これは、裏切りってもんだろう」
「……」

視線が、絡みつく。

490 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/13(木) 01:02:52 ID:TWs/dt2c

*選択

A 否定する。

B 肯定する。

C 沈黙する。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を、またAとBを選ぶ際は【どのように】否定または肯定するかを
必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『9/13 23:00』です。


******


久々の手段付記型選択肢ですが、まだまだ失敗のデメリットは小さいので
お気軽にどうぞ、といったところで本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

491 :◆W1prVEUMOs :2012/09/13(木) 20:12:08 ID:???
B
「確かに裏切りだ、でもこれで合点がいった
お前がいい女なのはその理想像を壊さないように努力してきたからなんだな」

否定して開放させてあげたいけどロリィとの仲が壊れるかもしれないので、よいしょもしつつ肯定を…
Bが地雷でこのまま決まってしまうのが怖いのでA案もどなたか

492 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/13(木) 20:35:52 ID:???
A 寄ってくる女の子達の理想を壊してしまう事に対して自分を悪人と思うって事自体悪人じゃないな。
本当の悪人はそんな事を気付きもしないし、気にもしないからな。
この商売の経験上から来るもんだがねと軽く言っといてあげたいと思います。

493 :見てる人 ◆S/MUyCtQBg :2012/09/13(木) 22:15:54 ID:???
A
裏切りだけど、同時に裏切られてもある。その点ではイーブンだね。
でもレズリーは努力して、相手の期待に応えようともしてる。優しい人だ。凄いよ。
ただ、たまには素直になることも大事。じゃないと疲れちゃうからね。
そーだ、たまには思いっきり悪人っぽいこともしちゃおうぜ。夜遊びとかさ。

494 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/13(木) 22:18:57 ID:???
A 「そりゃあ勘違いする方が100%悪い。傭兵なら真っ先に死ぬタイプだな。」

まだ話の途中なので、軽い相槌程度に「お前は悪くない」と言いたいので。

495 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/14(金) 19:06:08 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>490の選択については……

>>492 さら ◆KYCgbi9lqI様の回答を採用させていただきます!
王道の返しながら、三行目、あえて印象を軽くするフォローが心憎いですね。
年上の機微、といった感じで今の森崎というキャラにぴったりハマります。
CP3を進呈いたします。


また今回は手段付記型選択肢、初の本格稼働ということで難しい部分もあったかと思いますが、
皆様しっかりと回答をご用意いただきましてありがとうございます。
それぞれCP1を進呈いたします。

496 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/14(金) 19:07:27 ID:???
>>491
今のレズリーは慣れない場の雰囲気に酔っているところがありますので、
関係が一気に進展してすぐにロリィとの仲が壊れるようなことは、まだないでしょう。
もし森崎が人物称号的にワル〜い男だったら、その限りではなかったでしょうが……。

こういった人間関係についての手段付記型選択肢では、選択自体にはあまり成功/失敗を
設定しないようにするつもりです(あからさまに見えている地雷を除いて、ですがw)。
それよりはやはり、内容が決め手になりますね。
相手が言われたがっていることを言ってあげるのもよし、あえて反対側から揺さぶって
リアクションを引き出すもよし、いずれにせよ重要なのは説得力になってきます。

>>493
さ、最後の一行に悪いオトナがいる……!w
現在の森崎はモラル値が高いのでちょっとそこまで踏み込めない部分はありますが、
「>努力して、相手の期待に応えようともしてる」は大変鋭いですね。
レズリーにとって重要なポイントで、この先の展開へちょっと先回りされた感すらあります。

>>494
はい、話の途中というのはその通りで、方向性としてはばっちりなのですが、
混ぜっ返しと取られてしまうとレズリーはまた機嫌を損ねてしまうかもしれません。
話を引き出すことに目標を絞るなら、沈黙するのも悪い手ではありませんでしたね。

497 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/14(金) 19:08:28 ID:???
***

A 否定する。(>>492


「悪人……ねえ」
「何だよ、その言い方」

カウンターの向こう、店主の手元で磨かれるグラスをぼんやりと見ながら言う森崎に、
レズリーが目を細める。気にした風もなく、森崎が続けた。

「俺からすりゃ、そうは思えない、って話さ」
「……!」
「理想を壊して、裏切って……だから悪人、ってか」

気色ばむレズリーを宥めるように、殊更ゆっくりと森崎が言う。

「……そういう風に見られるのは、仕方ないだろ」

呟いたレズリーが、森崎から視線を外してカウンターに目を落とした。

「それだよ」
「……それ?」
「仕方ない、ってのさ」
「……」

顔が映るほどに磨き込まれたカウンターばかりを見つめて俯く少女に、ため息を一つ。
森崎が手振りだけで店主に麦酒の追加をオーダーしてから、口を開く。

498 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/14(金) 19:09:30 ID:???
「自分が悪いと言われて、仕方ないと思う。それはお前、悪人の考え方じゃねえよ」
「……」

レズリーは、顔を上げない。
ほとんど空になったグラスの縁を指で何度もなぞりながら、黙っている。

「どうしようもねえクズ、救いようのねえ悪党……その手の連中は、そんな風には考えねえ。
 手前ぇのやりたいようにやることが当たり前、やらねえヤツが馬鹿なんだと、こうだ」
「……」
「連中はな、だから自分が悪いなんてこれっぽっちも思ってねえ。気付きすら、しねえんだよ。
 悪いと言われりゃ怒るか嗤うか、だ。仕方ない、なんて思えるのは―――」

思わせぶりに切った森崎の言葉を、

「……悪人なんかじゃない、って言いたいのかい」

僅かな沈黙を挟んで、レズリーが引き取った。
顔を、上げる。

「モリサキ」

背筋を伸ばして森崎の横顔を見据えるレズリーの目には、怒りに近い炎の色と
消沈と諦念を湛えた泉の色と、幾つもの感情がぐるぐると渦を巻いている。

「アタシを……慰めてる、つもりかい」
「いンや」

切り込むような声音に、森崎の即答は短く、軽い。
顔を向けぬまま小さく口角を上げたその表情は、少女の感情を容易くいなす。

499 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/14(金) 19:10:31 ID:???
「商売上の経験、ってやつさ。そうご大層なもんじゃねえよ」
「……」

いなされた感情の渦が、潮が引くように少女の瞳から消えていく。
それでも、視線だけは森崎の横顔から離れない。
じっと、見つめる。
森崎は、見返さない。

「……」
「……」

先に口を開いたのは、レズリーだった。

「―――ロリィの話だったね」

何かを振りきるように、視線を切って言う。

「あの子にはさ……ないんだ。そういう、アタシを通して、アタシじゃない誰かを見てるって感じが。
 だから、アタシにまとわりついて、アタシのことをよく知ったって、裏切られたとは思わないでくれる。
 今ここにいるアタシ自身を見て、だけどそれでも、懐いてくれてる。
 そういう子だから、一緒にいられる……のかな」

そこまでを言って、レズリーがふと息をつく。
僅かに空いた間に、店主が麦酒を満たしたグラスを、無言で森崎の方へ寄越した。
受け取ったその手でくい、と酒を流し込む森崎。

500 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/14(金) 19:11:32 ID:???
「だから……」

と、そんな森崎に何を言うでもなく続けたレズリーの声音が、ふと変わる。
低く篭った、しかしどこか熱に浮かされたような、独白じみた声。

「だからこそアタシは、あの子を裏切っちゃいけない。期待に応えなくちゃいけない。
 あの子が本当のアタシを見てるなら、アタシは、もっと、もっと―――」

そこまでを呟いたレズリーが、はっとしたように顔を上げた。
目線だけで回りを見回すと、森崎と視線が絡まる。

「と、とにかく」
「……?」

どこかバツが悪そうに顔を背けながら、レズリーがグラスを手に取った。

「あの子と一緒にいるのが、今のアタシたちには当たり前の形だってだけ。
 アンタにどう見えてるかは知らないけどね」

一方的に話を打ち切ると、僅かに残ったグラスの中身を飲み干した。
口の端から紫色の滴がつう、と垂れたのには、気づいていないようだった。


***

501 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/14(金) 19:12:35 ID:???

「それより、なんか面白いことないのかい」
「あんまりキョロキョロするなっての。ったく……仕方ねえな」

とん、とグラスを置いたレズリーが言う。
話題を変えてほしいと書いてあるその顔に、森崎が顎をしゃくってみせた。

「あっちの卓、見てみろ」

森崎の示した店の一角には、他とは違う雰囲気を漂わせる調度が並んでいる。
何か模様を書いた布が敷かれた大きめのテーブルや豪華な装飾を施された飾り椅子。
燐光石による間接照明の色までが、他とは変えられているようだった。
品の良い薄暗さに調節された店内に比べ、その一角だけは僅かに黄色と紅色が強い。

「……あれ、何だい?」
「カード卓だよ。この店じゃそっち系もやってるみたいだ」
「そっち系って……賭け事!?」

思わず、といった風に声を上げたレズリーに、森崎が反射的に顰めた眉間を揉みほぐす。

「だから大声出さないでくれ、恥ずかしいから」
「……悪かったよ」
「こういう店じゃ、手汗だらけの汚い札を目ぇ血走らせて賭けるヤツはいねえ。
 あくまで余興、嗜み程度って感じだな」

拗ねたように言う少女にひとつ息をつくと、森崎が立ち上がる。

「子供の前でギャンブルってのもアレだが……ま、小銭程度ならいいだろ」
「誰が子供だ! ……って、ちょっと待てってば」

502 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/14(金) 19:13:37 ID:???
歩き出したのは、カード卓の置かれた一角の方だった。
つい今しがた自分が口にしたことを忘れたように言い返すレズリーだったが、
しかし慌てて席を立つと森崎を追いかけてくる。

「遊ばせてもらえるかい」
「―――いらっしゃいませ。承ります」

卓のある一角には専任のディーラーが立っている。
とはいえ、あくまでバーの余興であり専業のカジノというわけではない。
卓ごとにディーラーがつくわけではなく、少なくともこの時間は一人で全体を回すようだった。
執事を思わせるモノトーンの略装に身を包んだディーラーを一目見て、

「え……?」

森崎の動きが止まった。
そんな森崎を目にしたディーラーもまた、

「あ……」

凍りついたように、固まる。
そこに立っていたのは、女性である。
品の良い所作と、端正だが常に伏せられがちな表情。
暗緑色の瞳が帯びる憂いを隠すように、長い睫毛が瞬く。
森崎が、光に透かすと緑を帯びるハンガリア系特有の黒髪を長く伸ばしたその女性を見知ったのは、
つい先日のことだった。
言葉を交わしたわけではない。
森崎が目にしたのは、ただその背中である。
血と泥とに汚れたマントを抱き締め震える、黒い背中。

「……マジョラム、さん」
「……」

503 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/14(金) 19:16:49 ID:???
思い出すのはヤングの葬儀。
涙にくれていた寡婦が、そこにいた。

「……知り合い?」

重い空気にただならぬものを感じ取ったのか、レズリーがそんな風に訊ねてくる。
森崎の返答は―――


*選択

A 「……ちょっと、な」 言葉を濁す。

B 「前の隊長の……奥さんだ」 説明する。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『9/15 18:00』です。


******


悪い男よりズルい男の方がタチが悪い気もしなくもありません、
といったところで本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

504 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/14(金) 19:27:40 ID:qxkqhA8w
おっと、一応ageておきましょうか。

505 :◆W1prVEUMOs :2012/09/14(金) 21:51:59 ID:???

世話になった人の奥さんだし、きちんとした方が失礼がないかなと

506 :見てる人 ◆S/MUyCtQBg :2012/09/15(土) 00:42:52 ID:???
B
隠す理由がないからね。ヒロインはどっちだ、って話なのでw
ヒロインに隠し事は悪い印象与えそうだし。

507 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/15(土) 08:00:26 ID:???
B ヤングは良い隊長でしたし、その奥さんをヒロインに紹介しつつ、奥さんと話してみたいです。

508 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/15(土) 08:04:34 ID:???
A
ヤングの死で森崎の受けたダメージってそんなに軽くないんじゃないかな、と。
突然目の前に現れたら、思わず関係性を隠してしまいそうな気がする。ショックが大きすぎて。

509 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/15(土) 12:51:55 ID:???
B 聞けるものなら、夫妻とネクセサリアの因縁について聞いておきたいから。

510 :森崎名無しさん:2012/09/15(土) 22:11:52 ID:???

世界観的にどうなのかは分からないけれども、
「夜の酒場で、この前の戦で戦死した傭兵隊長の妻がディーラーをしている」
という事実を大にして話すのは、レズリーを含めた他の客から哀れみの視線を投げかけられそうなので。

511 :D ◆wSerlfzosE :2012/09/15(土) 22:13:31 ID:???

世界観的にどうなのかは分からないけれども、
「夜の酒場で、この前の戦で戦死した傭兵隊長の妻がディーラーをしている」
という事実を大にして話すのは、レズリーを含めた他の客から哀れみの視線を投げかけられそうなので。


トリップ入れ忘れ(ノ∀`)

512 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/15(土) 22:14:44 ID:???
なるほど、その発想はなかった。
…しかし残念、このスレの投票には時間制限があるんだ…。

513 :D ◆wSerlfzosE :2012/09/15(土) 22:28:19 ID:???
Oh...し、知ってたんだから!ちょっといい思いつきを自慢したくなっただけなんだからね!

514 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/15(土) 22:36:01 ID:???
考えもしなかったな。

515 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 21:58:51 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、 >>503の選択については……

>>508 傍観者  ◆YtAW.M29KM様の回答を採用させていただきます!
成る程、そういう意味合いで関係を隠してしまう…というのは想定外でしたが、
言われてみれば実に頷ける話ですね。
すとんと落ちてくるものがありました。
CP3を進呈いたします。


516 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 21:59:52 ID:???
>>505
そうですね。
後を継いだ立場ということもありますし、礼を失することのないようにしたいところです。

>>506
この方、原作ではしっかりヒロインの一員なんですよ。
本作では諸処あって攻略対象外とさせていただきましたが……魅力的なキャラクタですね。

>>507
はい、ヤングの記憶を共有、補完できる相手ですので、そちらに興味があれば
今後も接触の機会を作って掘り下げていくことはできますね。

>>509
そうですね、物語としては存在しているんですが、ただいかんせん今は相手の仕事場なので、
深い思い出話をするには微妙なシチュエーションかもしれません。
今後も選択によっては個別に接触する機会がありますので、その際には是非。

>>511
申し訳ありません、今回は期限外となってしまいます……。
ただ、ご回答自体はとても的確でして、実際のところ選択肢Aは本来、そのご回答で
仰られる通りのベクトルを意図して設定させていただいたものです。
この時代、寡婦がいわゆる夜の店で商売をすることは文化風俗として珍しくありませんが、
(むしろ珍しくないだけに)当然のように「そういう目」で見られてしまいますからね。
期限内であれば次点としてCP1を進呈してしまいたいくらいです。
次回のご参加を是非ともお待ちしております!

517 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 22:00:54 ID:???
***

A 「……ちょっと、な」 言葉を濁す。


隠すほどのことではない。
一言、二言説明すれば済む話であった。
それでも、森崎はそれを口にすることを躊躇った。
たとえばそれが生業であると、何度も越えてきた経験であると整理をつけたはずの感情。
そういうものをしまい込んだ箱の蓋は存外に緩く、不意を打たれれば口を開けてしまいそうで、
だから森崎は、曖昧な言葉に感情を埋めて、衝動を受け流そうとする。
しかし無論のこと、そんな機微が事情も何も知らぬ少女に伝わるはずもない。
苛立ったように目を細めるレズリー。

「……何、それ」
「ここで話すようなことじゃねえ」
「……っ!」

口にした瞬間に、後悔する。
断ち切るような口調は、反発しか生まない。
もっとうまいやり方はいくらでもあった、はずだった。
反省に昇華する前の後悔は、何の役にも立たなかった。
案の定、レズリーの表情が変わる。
険悪、を絵に描いたような視線が、森崎を射貫く。

「へえ……コドモの前じゃ言えないような関係ってわけ」
「……」

付き合っていられない、とばかりに口を閉ざして首を振る森崎。

518 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 22:01:55 ID:???
感情的になりすぎていると、理解はしていた。
この対応では状況が悪化することは火を見るより明らかで、それでも止められない。
今このとき、人としての器を満たしているのは自分の心を守るための緩衝材。
その他のものは、注がれるそばから溢れ、零れ落ちていく。
どこか他人事のようにそんなことを感じる森崎の顔には、未加工のままの拒絶と苛立ちが浮かんでいる。
レズリーが気色ばんで何かを言おうとした瞬間、

「……モリサキさん、でよかったかしら」

ディーラーの女性が、静かに声を発していた。
しん、と。
空気が、変わる。
人ひとりいない湖のような声音が、圧倒的な寂莫と静謐を以て場を支配し、
ただの一瞬で棘や刃や、何かを傷つける概念の何もかもを奪い去っていた。

「いいのよ、気を遣ってもらわなくて」

森崎の名を呼んだ女性が、そう言って微かに笑う。
眉尻を下げた、少し困ったようにも見える、音のない笑み。

「いや、あの……」

森崎が女性との関係について言葉を濁したのは、決して気遣いゆえではなかった。
ただ、自らの中の癒えきらぬ傷から咄嗟に目を背けた、それだけである。
そこへ微笑を向けられ、森崎は二重の気まずさに会話の接ぎ穂を見失う。

「それに、そんな言い方をされたらその子だってきっといい気分じゃないわ」
「……」

レズリーに向き直った女性の顔には、やはり幽かな笑みがある。
秋の夜の煙雨のようなその表情を前に、レズリーから瞬く間に昂ぶりが失われていくのが分かった。
毒気を抜かれたような少女に、女性が一歩近づくと、名乗る。

519 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 22:04:22 ID:???
「ごめんなさい、嫌な気分にさせてしまって」
「……」
「私、クレア・マジョラムと申します。主人はこちらのモリサキさんがお勤めしている
 外国人傭兵隊の、前の隊長だったの」
「前の……って、……あ」

何かに気付いたように、レズリーが表情を曇らせる。
前隊長がイリハ会戦で戦死したという報は、どうやら耳にしているようだった。
一瞬、レズリーが森崎の方を見やる。
交わした目線は、森崎の態度の幾ばくかを察したように、既に怒りの色もない。
そのまま力なく項垂れてしまう少女に、クレアと名乗った女性が言葉をかけた。

「主人は……ヤングは、自分の仕事をしただけ。私だって、軍人の妻だもの。
 いつかこういう日が来るかもしれないって、覚悟はしていたわ」
「……」
「だから、そんな顔をしないで。ね」

穏やかに言われ、それでも何も返せないレズリーの手が、ぎゅう、と色が変わるほどに
握り締められるのを見て、ひとつ息をつくと、森崎が口を開く。

「マジョラムさんは……」
「クレアでいいわ」

淡色の微笑に滲むのは、やはり淡色の、しかし掬えば粘るような、情動の波紋である。
マジョラムという姓で呼ばれるとき、込められる意味は余人に計り知れぬ。
察して、言い直す森崎。

「クレアさん……は、どうしてこの店に……?」
「変かしら」
「いえ……そういうわけじゃ」

520 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 22:05:23 ID:???
言った森崎の顔は、しかし困惑を隠しきれずにいたのだろう。
その表情を見たクレアが、くすりと笑っていた。
それまでの慈雨の如き微笑ではない、人としての日常に浮かぶ笑み。
それが合図だったかのように、声音からも近寄り難いような静謐の色が消えていく。

「私も、ずっと家にばかり篭ってちゃいけないって言われて……知り合いのやっているこのお店で、
 お手伝いをさせてもらっているの」
「そう……だったんですか」
「主人の恩給があるから、お金が必要というわけではないのだけれど」

言ったクレアが、テーブルに指をついてチップを弄る。

「でも、ディーラーって……」
「これでも若い頃は色々と、ね?」

意味深に片目を閉じてみせたクレアの艶に、森崎の心拍数が跳ね上がる。
隣の少女に気取られなかったかと横目でちらりと見やれば、しかし少女もまたクレアに見入っていた。
ほっと息をついた森崎にクレアがチップを弾くと、真新しいカードを手にとって掲げる。

「私のことはいいのよ。それより、カードを楽しみに来たのでしょう?」
「あ、いや……」
「ここで引き返されたら、私がお客様を追い返したみたいに思われてしまうわ」

悪戯っぽく言ったクレアが、慣れた手捌きでカードをシャッフルすると、
小さく首を傾げて提案する。

521 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 22:06:25 ID:???
「そうね……シンプルに、ブラックジャックなんてどうかしら」
「あ……ええ。じゃ、それで……」

流れに飲まれたように返事をしてしまう森崎。

「そちらのお嬢さんも、彼を応援してあげてね」
「は、はい」

そして、勝負が始まった。


***

522 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 22:07:29 ID:???

◎基本ルール
ディーラーとプレイヤーとのカード勝負です。
複数名がプレイヤーとしてエントリー可能です。
手順に従ってカードを引き、手元のカードの点数が合計で21に近い方が勝ちとなります。

カードの点数は、2〜10は数字通りとなりますが、絵札(K、Q、J、JOKER)はすべて10と数えます。
Aは特殊なカードで、11もしくは1の有利な方として数えます。

また本ゲームでは賭け金の勝利分をEPに変換することが可能です。
まずプレイヤー個々に$10ずつ貸与されます。
ゲーム終了時の収支決算の際に$10は回収されますが、残りの勝ち分を$1=EP1として変換します。
もし収支がマイナスとなった場合でも、参加いただいたプレイヤーの皆様には
それぞれEP1を進呈いたします。

523 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 22:08:30 ID:???

◎ゲームの流れ

1.プレイヤー側、ベット。賭け金を自由に設定します。
 ゲームに勝利した場合は賭け金の倍額の払い戻しとなります。

2.ディーラーがカードを1枚引きます。

3.プレイヤーがそれぞれカードを2枚引きます。
 この時点でプレイヤーの点数が21であれば「ナチュラル21」として賭け金の2.5倍の払い戻し権利を得ます。
 ただし手順5でディーラーもナチュラル21だった場合は引き分けとなりますのでご注意ください。

4.プレイヤーはそれぞれ、ヒット(カードを追加する)またはスタンド(点数を確定する)を選択します。
 点数が21を超えなければ何回でもヒットすることができますが、21を超えてしまうとバースト、
 つまり自動的に負けとなってしまいます。賭け金はこの時点で没収されます。

5.プレイヤーが全員スタンドした(点数が確定した)後、ディーラーは2枚目を開きます(※)。
 ディーラーはプレイヤー側の点数にかかわらず自分の点数が17以上になるまで追加でカードを
 引かなければならず、また17以上になった時点で自動的にスタンドします。
 Aと6の組み合わせ(17もしくは7とカウントできる)の場合は17と数え、ディーラーはスタンドします。
 プレイヤーとディーラーが同じ点数の場合には引き分けとなります。
 ディーラーがバーストした場合、スタンドしたプレイヤーは自動的に勝利となります。

※この時点でディーラーが21(ナチュラル21)であればプレイヤー側の自動敗北となります。
 3枚目以降のヒットで点数が21となっていた場合でも負けとなりますのでご注意ください。
 ただしプレイヤーもナチュラル21だった場合は引き分けとなります。

6.1〜5を1ゲームとして5ゲーム行い、収支を決定します。
 プレイヤー側で最も勝っている方の収支がプラスであればイベントは成功となります。

524 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 22:09:59 ID:Sj1xz2ns


◎特殊ルール
ダブルダウンあり。
スプリット、インシュランス、サレンダーは採用しません。

ダブルダウン:
最初の2枚のカードを見てから、「ベットを2倍」にしてもう1枚だけカードを引くことができます。
引けるのは1枚だけで、更に追加して引くことはできません。
手順4のヒットorスタンドの際に宣言してください。
ただしディーラーがナチュラル21だった場合は追加した賭け金も没収されますのでご注意ください。


******


というわけで、今から30分ほどプレイヤーを募集いたします。
参加を希望される方はその旨をご記入下さい。
もしエントリー数が0であれば明日以降に順延となります。

525 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 22:49:06 ID:???
参加を希望しようと思ったのですが、もう30分すぎてしまってますね。
というか、一人で挑むのは荷が重いw

526 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 22:54:48 ID:???
>>525
もしよろしければイベントとは別のエキジビションということで試遊していただけますでしょうか?
まずは3ゲームほどで。

527 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 23:03:09 ID:???
分かりました。BJはほぼ未経験なので、不手際があったら申し訳ありません。

528 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:08:56 ID:???
いえいえ、簡単なゲームですので、お気軽に。
ではとりあえず、スタートいたしますね。

>>527
あなたは$10を持っています。
23:15までに1〜10まで、好きな数でベットを宣言して下さい。


529 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 23:11:17 ID:???
では、3でベットを。

530 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:12:40 ID:???
はい、それではディーラーが一枚、カードを引きます。

ハート3

531 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:13:55 ID:???
次にプレイヤーの方に2枚、カードを引いていただきます。

! card
! card

※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。

532 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 23:15:01 ID:???
ハートK
ハートJ

533 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:17:16 ID:???
おお…この場合は絵札を10と数えますので、合計20となります。
次にヒットorスタンドを決めますが、

ディーラーは「3+?」
プレイヤー様は「10+10」
(21を超えたらその時点で負け)

という情報を元に、カードを追加で引くか止めるかを決めます。
あまり迷う余地がない場面ですが一応、宣言をどうぞw

534 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 23:17:51 ID:???
もちろんスタンドでw

535 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:18:52 ID:???
はいw
次にディーラーが2枚目のカードを引きます。
ディーラーは自分の点数が17以上になるまで追加でカードを引かなければならず、
また17以上になった時点で自動的にスタンドします。

JOKER

536 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:19:54 ID:???
なんという無駄JOKER……。
ここで13なので、更にヒットします。
9、10、絵札が出たらバーストです。

クラブ10

537 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:22:32 ID:???
ディーラーのバーストです。
スタンドしているプレイヤーの方は勝利となります。

賭け金の$3*2=$6が払い戻しとなります。
おめとうございます!

それでは、ゲームの流れを掴んでいただいたところで第二ゲームです。
現在の持ち金は$13です。
自由にベット宣言をお願いいたします。

538 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 23:24:26 ID:???
では6でベットを。

539 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:25:33 ID:???
なかなかのギャンブラーですね!
ではディーラーの一枚目です。

ダイヤA

540 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:26:37 ID:???
ディーラーにAが来ている場合、プレイヤーの方はピンチと言えます。
ではプレイヤーの方に2枚、カードを引いていただきます。

! card
! card

※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。

541 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 23:27:26 ID:???
ダイヤ7
ハートA

542 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:28:39 ID:???
おお…これは非常に判断の難しい局面です。
ヒットorスタンド、決断をお願いいたします!


543 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:30:16 ID:???
ちなみにこの場合、Aは11と数えて合計は18点です。
ディーラーに7が来た場合はドロー。
8〜絵札で負けとなります。

544 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 23:33:30 ID:???
今度はヒットで!

545 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:35:11 ID:???
その前のめり精神に敬意を表します!
では3枚目、どうぞ!

! card

※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。


546 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 23:36:00 ID:???
ハートQ

547 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:37:30 ID:???
この場合はAを1と数え直し、7+1+10=18点となります。
22点以上となった場合はバーストですので、1〜3までのみセーフです。

ヒットorスタンド?

548 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 23:38:51 ID:???
スタンドです。

549 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:40:39 ID:???
はい、それではディーラーが2枚目を引きます!

ダイヤ9


550 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:43:15 ID:???
A+9で20点となりましたので、ディーラー勝利です。
賭け金$6は没収されます!

それでは、最終ゲームに入らせていただきます。
現在の持ち金は$7です。
ベット宣言をどうぞ(今ようやく気づいたんですが、これ最終戦で負けてたら
ノータイムで全賭け一択ですね、本番では修正しますw)!

551 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 23:46:08 ID:???
もちろん全掛けでw

552 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:48:25 ID:???
ですよね〜w
ではオール・オア・ナッシングの最終戦、まずはディーラーから!

ハート10

553 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:49:26 ID:???
我ながらなかなかの引きでした。
それではプレイヤーの方に2枚、カードを引いていただきます。
どうぞ!

! card
! card

※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。


554 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 23:50:27 ID:???
スペード5
ダイヤJ

555 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:52:06 ID:???
現在15点です。
ディーラーは10+?…さあ、ギャンブラー魂の結論やいかに!

ヒットorスタンド?

556 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/16(日) 23:54:57 ID:???
ヒットで!

テストプレイ的にはバーストしておくのもありかとw

557 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/16(日) 23:56:42 ID:???
素晴らしい決断ですw
それでは……どうぞ!

! card

558 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 00:01:43 ID:???
と め る !

クラブ9

559 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 00:08:28 ID:???
お〜っと! ◆9OlIjdgJmYくん ふっとばされた〜!!
見事にバーストです!w

賭け金$7は没収されます。
最終ゲームが終わりましたので収支を計算します。

最終収支:$0

見事なギャンブル魂を見せていただきました……!
それでは参加していただいた◆9OlIjdgJmY様にはEP1と、
試遊でシステム上の欠陥を浮き彫りにしていただいたことにCP1を進呈いたします。

本日は遅くまでのお付き合い、誠にありがとうございました!

560 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 00:11:17 ID:???
******

それでは改めまして、本日の更新はこれまでとさせていただきます。
BJ参加を希望される方は明日18時までに参加可能な時間帯を書いてみて下さいね。
ゲーム自体は19〜20時頃か、23時〜0時頃を予定しております。

遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

561 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 00:13:15 ID:???
イベント成功のためには守りに入るべきでしたねw

楽しかったですが、参加者を上手く集められるかがネックですね。

562 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 00:15:37 ID:???
23時〜0時頃なら参加できるかもしれません。

563 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 00:15:39 ID:???
はい、お一人様でもこのパートのシナリオ進行は問題ないのですが、
せっかくなら大勢集まっていただいた方が楽しいですからね。
皆様のご参加をお待ちしております。

564 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 08:58:50 ID:???
ルールもわかりやすそうなので、時間の都合が合えば参加したいと思います。

565 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 18:03:07 ID:???
>>564
23時〜でもご参加はいただけますでしょうか?
難しいようであれば19時&23時の二部構成も検討させていただきますが。

566 :森崎名無しさん:2012/09/17(月) 18:32:55 ID:???
23時からだと参加出来ると思います。

567 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 18:43:47 ID:???
それでは、今回は23:00からの開催とさせていただきますね。
では、また後ほど。

568 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:00:44 ID:SVT5i/P6
はい、それでは時間となりましたので開始させていただきます。

******

卓についた森崎たちを前に、クレアが尋ねる。

「まず、今回のプレイヤーは……何人だったかしら?」


*選択

参加を希望されるプレイヤーの方はまずエントリーをして下さい。
期限は本日23:10です。

569 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:02:13 ID:???
参加します。よろしくお願いします。

570 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:07:17 ID:???
参加します。

571 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/17(月) 23:08:39 ID:???
折角なので参加します

572 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:12:13 ID:???
>>569-271
ご参加ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。

***

「―――参加するプレイヤーは三人ね。
 それではゲームを始めます。第一ゲーム、それぞれの持ち金はこうなっているわ」


★ さら ◆KYCgbi9lqI様 $10
★ ◆9OlIjdgJmY様 $10
★ 傍観者  ◆YtAW.M29KM様 $10


「では皆様、ベットをお願いします」

言ったクレアが、卓についたプレイヤーそれぞれの手元に置かれたチップを見やる。


*選択
プレイヤーの方は賭け金を設定して下さい。
第一ゲームでの賭け金は自由に設定していただいて構いません。
期限は『本日23:16』です。


***


573 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/17(月) 23:12:54 ID:???
$3

574 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:13:46 ID:???
$3

575 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:13:48 ID:???
3枚賭けます。

576 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:14:48 ID:???

基本的なルールは>>522-523となっておりますが、修正があります。
修正は以下の文章中、『』内の追加となります。


1.プレイヤー側、ベット。賭け金を設定します。
『賭け金の上限は、第一ゲームでは自由です。
 第二ゲーム以降は

a.$5
b.直前のゲームで賭けた枚数(ダブルダウン宣言前)

 の内で高い方を上限といたします』

 ゲームに勝利した場合は賭け金の倍額の払い戻しとなります。

577 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:15:49 ID:???
***

「ベットは揃ったわね。それでは、まずこちらのアップカードから」

クレアの指が、山札からカードをめくる。

ダイヤ3

「はい、これがこちらの一枚目。それでは、カードを配るわね」


さら ◆KYCgbi9lqI様 
! card
! card



◆9OlIjdgJmY様 
! card
! card



傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
! card
! card



※プレイヤーの方はそれぞれ、 ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。


578 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/17(月) 23:16:36 ID:???

傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
ハートA
スペード5


579 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:16:44 ID:???
◆9OlIjdgJmY様 
ダイヤ8
スペード5

580 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:17:21 ID:???

さら ◆KYCgbi9lqI様 
ハート4
スペード3


581 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:17:57 ID:???
***


「皆様、それぞれの点数から、三枚目を追加するか、ここで止めるか。
 それともダブルダウンを宣言するか、選んで下さいね」

言ったクレアの目が、プレイヤー一人ずつのそれを捉え、細められる。

「―――ヒット or スタンド?」


***

582 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:20:14 ID:???
*選択
プレイヤーの方はヒット、もしくはスタンドを宣言して下さい。
期限は本日23:25です。


***

583 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/17(月) 23:20:16 ID:???
ヒット。

584 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:20:17 ID:???
ヒットします。

585 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:22:50 ID:???
スタンドで。

586 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:23:32 ID:???
***

「ヒットは……2人ね。それではカードを配ります」


傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
! card



さら ◆KYCgbi9lqI様 
! card


※プレイヤーの方はそれぞれ、 ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。


***

587 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:24:40 ID:???

さら ◆KYCgbi9lqI様 
スペードQ


588 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/17(月) 23:25:48 ID:???

傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
クラブ2


589 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:27:59 ID:???
***

「現在の得点はこうなっているわ」

さら ◆KYCgbi9lqI様 4+3+10=17
傍観者  ◆YtAW.M29KM様 A+5+2=18

「さあ、四枚目に挑戦するのかしら……?」

カードを配り終えたクレアが重ねて問う。

「―――ヒット or スタンド?」

*選択
スタンドしていないプレイヤーの方はヒット、もしくはスタンドを宣言して下さい。
期限は本日23:30です。


***

590 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/17(月) 23:28:23 ID:???
スタンド

591 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:28:40 ID:???
スタンド。

592 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:29:01 ID:???
***

「残るプレイヤー全員のスタンドを確認しました。
 それでは、こちらのホールカードをオープンします」

クレアが、伏せられた二枚目を開ける。

ハートK

***

593 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:30:11 ID:???
***

3+10=13

「17点に届かないので、もう一枚オープンしますね」

スペード2

***

594 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:31:41 ID:???
***

13+2=15

「17点に届かないので、四枚目をオープンしますね」

スペード10

***

595 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:32:55 ID:???
***

「おめでとうございます」

クレアが静かに微笑んで、頭を下げる。

「ディーラーの私がバーストしましたので、
 スタンドを宣言された皆様、即ち―――

さら ◆KYCgbi9lqI様
◆9OlIjdgJmY様
傍観者  ◆YtAW.M29KM様

以上の方は勝利となります。賭け金の倍額を払い戻しますね」


596 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:34:18 ID:???
「それでは第二ゲーム、それぞれの持ち金はこうなっています」

//

さら ◆KYCgbi9lqI様 $13
◆9OlIjdgJmY様 $13
傍観者  ◆YtAW.M29KM様 $13


「では皆様、ベットをお願いします」

言ったクレアが、卓についたプレイヤーそれぞれの手元に置かれたチップを見やる。


*選択
プレイヤーの方は賭け金を設定して下さい。
賭け金の上限は
a.$5
b.直前のゲームで賭けた枚数(ダブルダウン宣言前)
の内、高い方となります。
期限は『本日23:38』です。


***

597 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/17(月) 23:34:51 ID:???
$5

598 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:35:47 ID:???
5枚賭けます。

599 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:36:13 ID:???
$2

600 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:37:07 ID:???
***

「ベットは揃いましたね。それでは、こちらのアップカードから」

クレアの指が、山札からカードをめくる。

スペード7


「はい、これがこちらの一枚目。カードを配るわね」


さら ◆KYCgbi9lqI様 
! card
! card



◆9OlIjdgJmY様 
! card
! card



傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
! card
! card



※プレイヤーの方はそれぞれ、 ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
***

601 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/17(月) 23:37:22 ID:???

傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
ダイヤA
クラブJ


602 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:37:35 ID:???
◆9OlIjdgJmY様 
ハートA
ダイヤ3

603 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:38:10 ID:???

さら ◆KYCgbi9lqI様 
スペード7
ダイヤ6


604 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:40:15 ID:???
***


「まあ、ナチュラル21!」

驚いたようにクレアが目を見開く。

「傍観者  ◆YtAW.M29KM様、おめでとうございます。
 ディーラーがナチュラル21でなければ、2.5倍の払い戻しとなります。
 この場合はアップカードから、自動的勝利となりますわ」


***

605 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/17(月) 23:41:11 ID:???
わーい、初手BJなんて久しぶりだw

606 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:41:15 ID:???
***


「他の皆様は、それぞれの点数から、カードを追加するか、ここで止めるか。
 それともダブルダウンを宣言するか、選んで下さいね」

言ったクレアの目が、プレイヤー一人ずつのそれを捉え、細められる。

「―――ヒット or スタンド?」

*選択
プレイヤーの方はヒット、もしくはスタンドを宣言して下さい。
期限は『3分後』です。


***

607 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:41:39 ID:???
ヒット

608 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:41:51 ID:???
ヒットします。

609 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:42:34 ID:???
***

「ヒットは……2人ね。それではカードを配ります」


さら ◆KYCgbi9lqI様 
! card



◆9OlIjdgJmY様 
! card


※プレイヤーの方はそれぞれ、 ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。

***

610 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:43:15 ID:???

さら ◆KYCgbi9lqI様 
ハート3


611 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:43:25 ID:???
◆9OlIjdgJmY様 
ハート6

612 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:44:34 ID:???
***

「現在の得点はこうなっているわ」

ディーラー 7+?

さら ◆KYCgbi9lqI様 7+6+3=16
◆9OlIjdgJmY様 A+3+6=20

傍観者  ◆YtAW.M29KM様 B.J!

「さあ、四枚目に挑戦するのかしら……?」

カードを配り終えたクレアが重ねて問う。

「―――ヒット or スタンド?」

*選択
スタンドしていないプレイヤーの方はヒット、もしくはスタンドを宣言して下さい。
期限は『3分後』です。

***

613 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:44:49 ID:???
スタンド

614 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:45:02 ID:???
スタンド。

615 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:45:37 ID:???
***

「―――残るプレイヤー全員のスタンドを確認しました。
 それでは、こちらのホールカードをオープンします」

クレアが、伏せられた二枚目を開ける。

クラブJ

***

616 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:47:06 ID:???
***

「私の得点は―――7+10で、17点ね。
 皆様の得点は……」

さら ◆KYCgbi9lqI様 7+6+3=16
◆9OlIjdgJmY様 A+3+6=20
傍観者  ◆YtAW.M29KM様 B.J!

「おめでとうございます」

クレアが静かに微笑んで、頭を下げる。

◆9OlIjdgJmY様
傍観者  ◆YtAW.M29KM様

「以上の方は勝利となります。◆9OlIjdgJmY様には賭け金の倍額、
 傍観者  ◆YtAW.M29KM様には2.5倍を払い戻しますね」


617 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:48:34 ID:???
「それでは第3ゲーム、それぞれの持ち金はこうなっています」


★ さら ◆KYCgbi9lqI様 $8
★ ◆9OlIjdgJmY様 $15
★ 傍観者  ◆YtAW.M29KM様 $21


「では皆様、ベットをお願いいたします」

言ったクレアが、卓についたプレイヤーそれぞれの手元に置かれたチップを見やる。


*選択
プレイヤーの方は賭け金を設定して下さい。
賭け金の上限は
a.$5
b.直前のゲームで賭けた枚数(ダブルダウン宣言前)
の内、高い方となります。
期限は『5分後』です。


***

618 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:49:08 ID:???
5枚賭けます。

619 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/17(月) 23:49:47 ID:???
$5
一応、ゲーム勝利は確定したんだけど、折角なら大勝ちしたい。

620 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:51:50 ID:???
2枚賭けます

621 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:52:57 ID:???
***

「さら ◆KYCgbi9lqI様は大胆な賭け方をなさいましたね。
 良い風が吹くことをお祈りしております。
 傍観者  ◆YtAW.M29KM様、当方も受けて立たせていただきますわ。
 ◆9OlIjdgJmY様は手堅く参りましたわね。
 それでは、まずこちらのアップカードから」

クレアの指が、山札からカードをめくる。

クラブ2


「はい、これがこちらの一枚目。それでは、カードを配るわね」


622 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:53:58 ID:???


さら ◆KYCgbi9lqI様 
! card
! card



◆9OlIjdgJmY様 
! card
! card



傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
! card
! card



※プレイヤーの方はそれぞれ、 ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
***

623 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:54:22 ID:???

さら ◆KYCgbi9lqI様 
スペードQ
スペード5


624 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/17(月) 23:54:36 ID:???

傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
ハート5
スペード10


625 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:54:46 ID:???
◆9OlIjdgJmY様 
ダイヤ2
クラブ6

626 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:55:09 ID:???
***


「皆様、それぞれの点数から、カードを追加するか、ここで止めるか。
 それともダブルダウンを宣言するか、選んで下さいね」

言ったクレアの目が、プレイヤー一人ずつのそれを捉え、細められる。

「―――ヒット or スタンド?」

*選択
プレイヤーの方はヒット、もしくはスタンドを宣言して下さい。
期限は『3分後』です。


***

627 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:56:25 ID:???
ヒットします。

628 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/17(月) 23:56:26 ID:???
スタンド

629 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/17(月) 23:56:58 ID:???
スタンド。

630 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:57:16 ID:???
***

「ヒットは……1人ね。それではカードを配ります」


◆9OlIjdgJmY様 
! card


※プレイヤーの方はそれぞれ、 ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。

***

631 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:58:07 ID:???
◆9OlIjdgJmY様 
スペードA

632 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:58:45 ID:???
***


「現在の得点はこうなっているわ」

ディーラー 2+?

◆9OlIjdgJmY様 2+6+A=19 

さら ◆KYCgbi9lqI様 10+5=15 スタンド
傍観者  ◆YtAW.M29KM様 5+10=15 スタンド

「さあ、四枚目に挑戦するのかしら……?」

カードを配り終えたクレアが重ねて問う。

「―――ヒット or スタンド?」

*選択
スタンドしていないプレイヤーの方はヒット、もしくはスタンドを宣言して下さい。
期限は『3分後』です。


***

633 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/17(月) 23:59:19 ID:???
スタンド

634 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/17(月) 23:59:50 ID:???
***

「―――残るプレイヤー全員のスタンドを確認しました。
 それでは、こちらのホールカードをオープンします」

クレアが、伏せられた二枚目を開ける。

スペードK

***

635 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:00:51 ID:???
***

2+10=12

「あら。17点に届かないので、もう一枚オープンしますね。
 ……バーストしなければいいのだけれど」

ハートJ

***

636 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:01:57 ID:???
「おめでとうございます」

クレアが静かに微笑んで、頭を下げる。

「ディーラーの私がバーストしましたので、
 スタンドを宣言された皆様、即ち―――

さら ◆KYCgbi9lqI様
◆9OlIjdgJmY様
傍観者  ◆YtAW.M29KM様

以上の方は勝利となります。賭け金の倍額を払い戻しますね。
……もう、二回目のバーストなんてお恥ずかしい限りですわ」

637 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:03:23 ID:???
「それでは第4ゲーム、それぞれの持ち金はこうなっています」

★ さら ◆KYCgbi9lqI様 $13
★ ◆9OlIjdgJmY様 $17
★ 傍観者  ◆YtAW.M29KM様 $26


「……お強いですわね。ですが勝負は最後までわからないもの。
 では皆様、ベットをお願いいたします」

言ったクレアが、卓についたプレイヤーそれぞれの手元に置かれたチップを見やる。


*選択
プレイヤーの方は賭け金を設定して下さい。
賭け金の上限は
a.$5
b.直前のゲームで賭けた枚数(ダブルダウン宣言前)
の内、高い方となります。
期限は『5分後』です。


***

638 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:04:29 ID:???
3枚賭けます

639 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/18(火) 00:04:56 ID:???
$5
あ、勘違いしてた。3ゲームは昨日だけなのね。まあいいや。

640 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 00:05:15 ID:???
$5

641 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:06:38 ID:???
>>639
昨日のエキジビションは試遊として3ゲームで行なっておりましたが、
本日は5ゲームを予定しております。
もしお時間のご都合などありましたら、仰っていただければ
その時点での清算とさせていただきます。

642 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/18(火) 00:07:27 ID:???
大丈夫ですよー。

643 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:08:18 ID:???
***

「そろそろ汚名返上といきたいところですが……皆様、ベットは揃いましたね。
 それでは、まずこちらのアップカードから」

クレアの指が、山札からカードをめくる。

ダイヤ10

「はい、これがこちらの一枚目。それでは、カードを配るわね」


さら ◆KYCgbi9lqI様 
! card
! card



◆9OlIjdgJmY様 
! card
! card



傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
! card
! card


※プレイヤーの方はそれぞれ、 ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
***

644 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:08:39 ID:???

さら ◆KYCgbi9lqI様 
スペードA
ダイヤA


645 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 00:09:21 ID:???
◆9OlIjdgJmY様 
ダイヤ2
ダイヤ7

646 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/18(火) 00:09:24 ID:???

傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
ダイヤ10
クラブ3


647 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:11:29 ID:???
***

「あら、さら ◆KYCgbi9lqI様、Aのペアなんて珍しいですわ。
 当方ではスプリットが行えないのが残念ですね」

開かれたカードを見て少し驚いたように言ったクレアが、他のプレイヤーに目を向ける。

「それでは皆様、それぞれの点数から、カードを追加するか、ここで止めるか。
 それともダブルダウンを宣言するか、選んで下さいね」

言ったクレアの目が、プレイヤー一人ずつのそれを捉え、細められる。

「―――ヒット or スタンド?」

*選択
プレイヤーの方はヒット、もしくはスタンドを宣言して下さい。
期限は『3分後』です。


***

648 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:12:01 ID:???
ヒット

649 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 00:12:04 ID:???
ヒットします。

650 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/18(火) 00:12:16 ID:???
ヒット
確かに、ダブルAからなら迷わずスプリットだよねw

651 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:13:20 ID:???
***

「ヒットは……全員ですね。それではカードを配ります」


さら ◆KYCgbi9lqI様 
! card



◆9OlIjdgJmY様 
! card



傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
! card


※プレイヤーの方はそれぞれ、 ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。

***

652 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:13:48 ID:???

さら ◆KYCgbi9lqI様 
クラブA


653 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/18(火) 00:14:12 ID:???

傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
ハートA


654 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 00:14:54 ID:???
◆9OlIjdgJmY様 
スペード6

Aですぎw

655 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:17:42 ID:???
***

「……滅多にないことで申し遅れましたが、当方では5カードを採用しております。
 つまり、5枚目のカードをヒットした時点でバーストしなければ、負けても1.5倍の払い戻し。
 勝利時の払い戻しは3倍となります。
 ……こほん。現在の得点はこうなっております」

ディーラー 10+?

さら ◆KYCgbi9lqI様 A+A+A=13
◆9OlIjdgJmY様 2+7+6=15
傍観者  ◆YtAW.M29KM様 10+3+A=14

「さあ、四枚目に挑戦するのかしら……?」

カードを配り終えたクレアが重ねて問う。

「―――ヒット or スタンド?」

*選択
スタンドしていないプレイヤーの方はヒット、もしくはスタンドを宣言して下さい。
期限は『3分後』です。


***

656 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:18:20 ID:???
ヒット

657 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/18(火) 00:19:00 ID:???
ヒット

658 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 00:20:16 ID:???
ヒット

659 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:20:59 ID:???
***

「全員が四枚目のヒットなんて珍しいですわ。それではカードを配ります」


さら ◆KYCgbi9lqI様 
! card



◆9OlIjdgJmY様 
! card



傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
! card


※プレイヤーの方はそれぞれ、 ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。

***

660 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:21:25 ID:???

さら ◆KYCgbi9lqI様 
クラブ8


661 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/18(火) 00:22:00 ID:???

傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
スペード8


662 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 00:22:39 ID:???
◆9OlIjdgJmY様 
ハート3

663 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:23:50 ID:???
4枚目で21って珍しくない?

664 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/18(火) 00:24:53 ID:???
少なくとも私は初めて見たw

665 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:25:27 ID:???
***


「現在の得点はこうなっております」

ディーラー 10+?

さら ◆KYCgbi9lqI様 A+A+A+8=21 or 11
◆9OlIjdgJmY様 2+7+6+3=18
傍観者  ◆YtAW.M29KM様 10+3+A+8=22

「傍観者  ◆YtAW.M29KM様は残念、バーストですわね」

小さく頭を下げたクレアが、問う。

「さあ、それでは残りのお二人、五枚目に挑戦するのかしら……?」
 さら ◆KYCgbi9lqI様はスタンドで通常の21が確定、もしヒットしても
バーストの可能性はありませんが、ディーラーとの勝負で1.5倍の戻しとなることがあります。
 ―――ヒット or スタンド?」

*選択
スタンドしていないプレイヤーの方はヒット、もしくはスタンドを宣言して下さい。
期限は『3分後』です。


***

666 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 00:26:27 ID:???
スタンドで。

667 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:27:10 ID:???
ヒット

668 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:28:24 ID:???
***

「それではさら ◆KYCgbi9lqI様、5カードチャレンジですわ。
 良い巡りあわせのありますように」


さら ◆KYCgbi9lqI様 
! card



669 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:29:05 ID:???

さら ◆KYCgbi9lqI様 
ハートA


670 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:32:09 ID:???
「これは…本当に珍しいですわね」

並べられた5枚のカードを見て、クレアが感嘆したように言う。
Aが四枚、8が一枚。

「合計は12ですが…少なくとも、1.5倍の払い戻しは保障されます。
 バーストのリスクがありますので6枚目のチャレンジはお勧めいたしませんが、
 いかがいたしますか?」

*選択
スタンドしていないプレイヤーの方はヒット、もしくはスタンドを宣言して下さい。
期限は『3分後』です。

671 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:33:21 ID:???
スタンドでお願いします。バーストしそうなので。

672 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:34:29 ID:???

極めて珍しい状況を見せていただく光栄に浴しましたので、
さら ◆KYCgbi9lqI様にはこの時点でCP1を進呈いたします!


***

「―――残るプレイヤー全員のスタンドを確認しました。
 それでは、こちらのホールカードをオープンします」

クレアが、伏せられた二枚目を開ける。

ハート7

***

673 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:36:24 ID:???
***

「私の得点は―――10+7で、17点ね。
 皆様の得点は……」

さら ◆KYCgbi9lqI様 A+A+A+8+A=12 5カード!
◆9OlIjdgJmY様 2+7+6+3=18
傍観者  ◆YtAW.M29KM様 バースト

「おめでとうございます」

クレアが静かに微笑んで、頭を下げる。

「◆9OlIjdgJmY様は勝利となります。賭け金の倍額を払い戻しますね。
 またさら ◆KYCgbi9lqI様は5カード達成につき、賭け金の1.5倍を払い戻します」


674 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:37:58 ID:???
「それでは最終、第5ゲーム。それぞれの持ち金はこうなっています」

★ さら ◆KYCgbi9lqI様 $18
★ ◆9OlIjdgJmY様 $22
★ 傍観者  ◆YtAW.M29KM様 $21


「私、後で店主に叱られてしまいそうですわ。
 ……では皆様、ベットをお願いいたします」

ため息混じりに言ったクレアが、プレイヤーそれぞれの手元に置かれたチップを見やる。


*選択
プレイヤーの方は賭け金を設定して下さい。
賭け金の上限は
a.$5
b.直前のゲームで賭けた枚数(ダブルダウン宣言前)
の内、高い方となります。
期限は『5分後』です。


***

675 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/18(火) 00:39:01 ID:???
$5
死ぬときは前のめりで御座る

676 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:39:03 ID:???
5枚賭けます

677 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 00:39:51 ID:???
$5

678 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:41:32 ID:???
***

「傍観者  ◆YtAW.M29KM様、大きく勝たれている方の仰ることではありませんわ」

苦笑して、クレア。

「他の皆様も、ベットは揃いましたね。それでは、まずこちらのアップカードから」

クレアの指が、山札からカードをめくる。

ハート2


「はい、これがこちらの一枚目。それでは、カードを配るわね」

679 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:42:52 ID:???

さら ◆KYCgbi9lqI様 
! card
! card



◆9OlIjdgJmY様 
! card
! card



傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
! card
! card



※プレイヤーの方はそれぞれ、 ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。

***

680 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 00:43:29 ID:???
◆9OlIjdgJmY様 
クラブ2
ハート6

681 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:43:31 ID:???

さら ◆KYCgbi9lqI様 
クラブ5
ハート6


682 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/18(火) 00:43:43 ID:???

傍観者  ◆YtAW.M29KM様 
クラブK
JOKER


いやあ、ここで1枚賭けとかで逃げ切りは図らない、ってことですよw
リアル賭けだったらこういうのはやらないw

683 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:45:11 ID:???
***


「8,11,20……皆様、本当に素晴らしい運をお持ちになってらっしゃいますね。
 さて、それぞれの点数から、カードを追加するか、ここで止めるか。
 それともダブルダウンを宣言するか、選んで下さいね」

言ったクレアの目が、プレイヤー一人ずつのそれを捉え、細められる。

「―――ヒット or スタンド?」

*選択
プレイヤーの方はヒット、もしくはスタンドを宣言して下さい。
期限は『3分後』です。


***

684 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:45:49 ID:???
ヒット

685 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 00:46:12 ID:???
ヒット

686 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/18(火) 00:46:19 ID:???
スタンド。

687 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:46:56 ID:???
***

「ヒットは……2人ね。それではカードを配ります」


さら ◆KYCgbi9lqI様 
! card



◆9OlIjdgJmY様 
! card


※プレイヤーの方はそれぞれ、 ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。

***

688 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 00:47:36 ID:???
◆9OlIjdgJmY様 
ハート9

689 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:47:50 ID:???

さら ◆KYCgbi9lqI様 
スペード9


690 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:49:29 ID:???
***


「現在の得点はこうなっております」

ディーラー 2+?

さら ◆KYCgbi9lqI様 5+6+9=20
◆9OlIjdgJmY様 2+6+9=17
傍観者  ◆YtAW.M29KM様 10+10=20 スタンド

「……私、今日は皆様に手も足も出ませんわ。
 ともあれ、四枚目に挑戦するかしら……?」
 ―――ヒット or スタンド?」

*選択
スタンドしていないプレイヤーの方はヒット、もしくはスタンドを宣言して下さい。
期限は『3分後』です。


***

691 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 00:50:13 ID:???
スタンド

692 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 00:50:59 ID:???
スタンド

693 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:51:17 ID:???
***

「―――残るプレイヤー全員のスタンドを確認しました。
 それでは、ホールカードをオープンします。
 何もまだ負けと決まったわけではありませんものね」

クレアが、伏せられた二枚目を開ける。

ハート4

***

694 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:52:17 ID:???
***

2+4=6

「17点に届かないので、もう一枚オープンしますね」

ハートA

***

695 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:53:25 ID:???
***

「私の得点は―――2+4+Aで、17点ね。
 皆様の得点は……」

さら ◆KYCgbi9lqI様 5+6+9=20
◆9OlIjdgJmY様 2+6+9=17
傍観者  ◆YtAW.M29KM様 10+10=20

「おめでとうございます」

クレアが静かに微笑んで、頭を下げる。

さら ◆KYCgbi9lqI様
傍観者  ◆YtAW.M29KM様

「以上の方は勝利となります。賭け金の倍額を払い戻しますね。
 ◆9OlIjdgJmY様はドローとなりますので、賭け金をお返しいたします」


696 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:55:39 ID:???
「最終結果を発表いたします。

★ さら ◆KYCgbi9lqI様 $23
★ ◆9OlIjdgJmY様 $22
★ 傍観者  ◆YtAW.M29KM様 $26

 以上となります。
 皆様、お強い方ばかりで……私など相手になりませんでしたわね」

***

※最終結果から10を引いた数が、それぞれのEPに加算されます。

697 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 00:58:29 ID:???
******

えー、率直に申し上げまして、よもやここまでフルボッコにされるとは
まったく想定しておりませんでしたw
GMは賭け事に向いておりません……。

といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。
イベントは成功と判定されましたので、この後はその描写から再開させていただきます。

予定していた時間を大きく超過しまして申し訳ありません。
夜遅くまでお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

698 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/18(火) 00:59:23 ID:???
プレイヤー側の引きが安定してましたねw おやすみなさい。

699 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/18(火) 01:05:39 ID:???
おつかれさまです。
このEP何に使おうかなw

700 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/18(火) 01:07:48 ID:???
乙です。結構貯まってますね。

701 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/18(火) 01:09:35 ID:???
>>698
5ゲーム行なって
さら ◆KYCgbi9lqI様が3勝2敗(内、敗け一回は5カードでの事実上勝利)、
◆9OlIjdgJmY様が4勝1分け無敗、
傍観者  ◆YtAW.M29KM様が4勝1敗と、
一応ディーラー側が僅かに有利なはずのゲームなのにもかかわらず
圧倒的な勝率を収められましたからね……w

>>699
打てる手が増えるというのはそれだけで有利ですからね。
どうぞ様々な局面で活用して下さいませ。

>>700
はい、ポイントは明日の日中にも最新のものに更新しておきます。

702 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/20(木) 18:24:27 ID:???
***


「……ふぅ。後でマスターに謝らなくっちゃ」

ゲームの終わった卓からは三々五々、客が席を立っていく。
その満足気な後ろ姿を見やりながらため息をついたのはクレアであった。
何となれば、プレイヤー全員が倍額以上の払い戻しとなるディーラーの大敗である。
そして卓にはもう一人、その勝利の栄光を得た男がいた。
森崎有三である。

「すごいじゃないか! アンタ、結構やるんだな!」
「ま、それほどでもねえよ」

目を輝かせ、興奮気味に語るレズリーに口の端を上げてみせた森崎が、卓の向こう、
細い指を頬に当てて落胆するクレアの方へと向き直る。

「ありがとうございました。いいゲームでした」
「こちらこそ、お楽しみいただけたのなら何よりだわ」

と折り目正しく礼を返したクレアが、森崎の後ろに立つ少女にちらりと目をやって付け加える。

「そちらのお嬢さんにも喜んでいただけたみたいだし、ね」
「はは……お陰様で」

悪戯っぽい表情のクレアを、森崎は愛想笑いで迎撃する。
特段の他意はない、女性特有の面白がり方なのだろうと直感していた。
変にからかわれれば気疲れするのはおそらく自分一人である。

703 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/20(木) 18:25:30 ID:???
「それより、このチップですけど……」
「ああ、向こうの注文を清算するときに、勘定に加えさせていただくわね」

やはり深く固執する気はなかったようで、話題の転換はあっさりと成功した。
森崎の手元に積まれたチップを数え、伝票らしき紙に書きつけたクレアが苦笑して言う。

「それにしても、強いのね……その道でも食べていけそうなくらい」
「いやあ、時の運て奴ですよ」
「謙遜は東洋の方の美徳ね、『ギャンブラー』さん」
「よして下さいって」

照れたように頭を掻く森崎に、クレアが向ける微笑はまるで幼子を見るようにやわらかく、
温かいものだった。


******


※称号が『気のいい一級ギャンブラー』になりました。

スキル『一か八か・C』を獲得しました。
種別:パッシブ
消費ガッツ:-
効果:戦闘・戦争を除く! numnum判定の際、目標値が75以上の場合にダイスロールの数値を+10する。


******

704 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/20(木) 18:26:34 ID:???

「なあ、モリサキ!」
「ん?」

と、会話の途切れた途端に興奮冷めやらぬ様子で割り込んできたのはレズリーである。

「次!」
「……次?」

首を傾げる森崎に、レズリーが地団駄を踏む。

「鈍いやつだな! だから、次はアタシもやってみたいって言ってんだよ!」
「お前が? えーっと……」


*選択

A 「ダメだ、学生に賭け事なんかさせられるか」却下する。

B 「ちょっとだけだぞ」容認する。

C 「……どうでしょう?」クレアに判断を委ねる。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『9/20 23:00』です。

705 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/20(木) 18:27:51 ID:bMWZGb6o
******

といったところで、一旦ここまでの更新です。
あまり深刻な結果をもたらさない分岐なので期限は短めに設定しております。
ご注意下さいませ。

706 :◆W1prVEUMOs :2012/09/20(木) 21:30:39 ID:???

森崎はAほど固くはないと思う
Cは情けない

707 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/20(木) 21:50:17 ID:???
Bクレアが悪い人ではないし、遊びの範囲内なら良いんじゃないでしょうか。

708 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/20(木) 22:10:50 ID:???
C 賭けなしorチップは森崎持ちでもいいですか?
という意味のどうでしょうということで。

「ギャンブル」はさせたくないと森崎は考えるかな、と。

709 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 00:33:16 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>704の選択については……

>>708 ◆9OlIjdgJmY様の回答を採用させていただきます!
おお、選択肢の文解釈をひねってきましたね。
本来であればCを選んでいた場合はクレアさんの無条件却下にあっていましたが、
この条件付けならかなり有利な選択肢を設定させていただきます。
こういうテクニック、GMとしては大歓迎です。
CP3を進呈いたします。


>>706
そうですね、まだ礼法はそこまで高くありませんし。
とはいえ実は今ボーダーライン上でして、Aが選ばれていればその時点で人物称号が変わっていました。
ちなみに変化後の称号は「親切な」となっておりまして、ここまでいくとかなり善人属性が強くなりますね。

>>707
はい、子供から巻き上げるような大人気のないことはしないでしょうね。
ただまあ、少額から始めても次第に金銭感覚が瓦解していくのが賭博の怖さでもありますが。


710 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 00:34:16 ID:???
***

C 「……どうでしょう?」クレアに判断を委ねる。


「まず、お前が自分の金を賭けるのはナシ」
「えぇー」
「えー、じゃない」

案の定、不満の声を上げたレズリーに森崎が首を振る。

「どうしてもやりたきゃ、俺のチップでやれって言ってんだ」
「いいよ、そんなの……」
「でなきゃ、この話はご破算だ」

森崎がそう言ったのは単純な理由だった。
鉄火場の醍醐味は、痛みである。
今日の酒代、明日の食い扶持がじりじりと、あるいは一瞬で消えてなくなるかもしれないという
ひりつくような痛みこそが、博打の魔性だ。
その痛みによって生まれる傷を、勝ちという仮初めの薬が癒す。
膿を流し肉を繋ぎ、血を固め薄皮を張り、酷い傷を瞬く間に快復させる、
その奇跡のような体験は深く記憶に刻まれるのだ。
しかしそれは、実際には治らぬ傷の、ただ苦痛だけを消す薬である。
薬の効き目が切れれば、人はまた傷に苦しみ、奇跡を求めて薬を得ようとする。
その螺旋が、博打という泥沼であった。
故に、森崎は告げたのである。
自らの懐が痛まなければ、人は本当の意味で傷を負うことはない。
そうなれば螺旋の泥沼に嵌り込む危険も少なくなるというのが、森崎の考えであった。

711 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 00:35:30 ID:6SH/EfKY
「……わかったよ、それでいいよ」
「よし。んじゃ、これだけな」

言った森崎が、チップを数枚だけ取り分けると、席をレズリーに譲る。

「すいません、クレアさん。そんな感じなんで……。
 どうでしょう、一回だけ相手してやってもらえませんか」
「そうねえ……」

躊躇うクレアが、森崎と、そして既に正面に座っているレズリーの、
期待と不安が綯い交ぜになった顔を交互に見やって、腕を組む。



*ドロー

教育上…… → ! card


※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
結果によって展開が分岐します。

スペード・ハート・ダイヤ→ 「一回だけよ」ゴーサインが出た。
クラブ→ 「やっぱり、お嬢さんにはちょっと……」アウト!

JOKER→
「ちょっと、遊ばないなら席空けてくれないかしら……って、あ」どこかで見覚えのある女性に怒られた……?


712 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 01:02:13 ID:???
******

8月終了までもうほんの一息、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。


713 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/21(金) 01:06:07 ID:???
教育上…… →  クラブK

714 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/21(金) 01:07:21 ID:???
正直、そんな気がしてたで御座る…。CP払って引き直します。
教育上…… →  スペード9

715 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/21(金) 01:33:51 ID:???
>>714にCP3を代理消費します。

716 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 12:17:25 ID:???
***

スペード・ハート・ダイヤ→ 「一回だけよ」ゴーサイン。


「やった!」
「ありがとうございます、クレアさん。ご面倒かけちまって……」
「いいえ。こういうのは、変に抑えると隠れてでもやりたくなってしまうものですから。ね?」
「はは……」

にっこりと笑顔を向けられ、気まずそうに頬を掻くレズリー。
そんなレズリーに、背後に立った森崎が言う。

「じゃ、勝っても負けても恨みっこなし。ズルズル続けるのもなし。いいな?」
「わーかってるって、もう! うるさいなあ」

小言のように念を押す森崎に煩わしげに手を振ると、レズリーが卓に身を乗り出す。
尻尾があればぶんぶんと勢い良く振り回されていそうなその様子に苦笑したクレアが、
しかし一瞬で営業用の微笑以外を表情から消すと、カードデッキを手に取って構える。

「では、始めます」

こうして、レズリーのギャンブル初体験が開始されたのだったが―――


717 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 12:18:48 ID:6SH/EfKY

*ドロー

ビギナーズ……? → ! card


※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
結果によって展開が分岐します。

スペード・ハート→ 「楽しいな、これ!」 ビギナーズラック炸裂! 勝ったレズリーは喜んでいる。
ダイヤ・クラブ→ 「も、もう一回だ!」 負けて思いっきり熱くなっている……。
JOKER→ 「……もうチップ置く場所ないんだけど」 女賭博師の誕生である。


718 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/21(金) 12:21:24 ID:???
ビギナーズ……? →  ダイヤ9

719 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/21(金) 12:27:36 ID:???
【リドロー】
ビギナーズ……? →  クラブ10

720 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/21(金) 12:29:17 ID:???
たいして重要では、ない気もするんですが。

721 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 14:16:53 ID:???
>>720
はい、レズリーの性格付けに若干の影響はしますが、展開に大きく関わるわけではありませんね。

***

ハート・ダイヤ・クラブ→ 「も、もう一回だ!」 負けて熱くなっている……。


「―――クラブの10。……バーストですね」

最終ゲーム、ラストコールである。
残った全額を賭けての勝負が失敗に終わったことを告げる、破滅の鐘であった。

「そんな……」
「まあ、負けるときはこんなもんだ。気が済んだろ」

羅紗の引かれた緑色の卓の上、呆然とカードを見つめるレズリーに肩をすくめる森崎。
しかし、レズリーは立ち上がろうとしない。
ふるふると震えたかと思うと、決然と顔を上げ、叫ぶように言う。

「……も、もう一回! もう一回、勝負だ!」
「おい、レズリー!」

念を押したはずの約束をあっさりと破られ、思わず声を荒げる森崎を抑えたのは、
卓を挟んだクレアがちらりと向けた視線である。
口を噤んだ森崎に代わるようにレズリーを見つめるクレア。
真正面からの目に怯みながら、しかしレズリーが縋るように口を開いた。

「な、なあ……頼むよ、負けっぱなしじゃ悔しいんだ。もう一度だけ、」
「ふふ、いけません」

優しい口調の、しかしレズリーの懇願を断ち切るような、きっぱりとした即答。

722 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 14:17:54 ID:???
「……」
「……ですよね」

不満気に口を尖らせたレズリーだったが、しかしそれ以上は食い下がろうとしない。
子供の駄々をどう片付けたものかと思案していた森崎が、ほっと胸を撫で下ろす。
森崎一人の説得であれば強い反発が返ってきたかもしれなかったが、クレアという人物には
こういうとき、ある種の強制力とでもいうべきものが備わっているようだった。

「つーか、もうすぐ日が暮れちまうぜ」
「え……そんな時間?」

この機を逃してなるかとばかりに帰り支度を促す森崎に、レズリーが目を丸くする。
窓のない半地下の店内では外の明るさが分からず、定期的に刻限を知らせる鐘の音も聞こえない。
自然、時間間隔も曖昧になってくるのだった。

「そうね。そろそろ、夜の仕込みが終わる頃じゃないかしら」
「だってよ……って、」

クレアが頷くのに振り返る森崎を迎えたのは、少女の上目遣いである。

「……もう、帰んなきゃダメか?」

一瞬、森崎が息を呑む。
僅かに頬を染めて眦を下げ、哀願するように言うその姿態は、おそらくは無意識のうちに
行なっているものであったろうが、驚くほど効果的に女というものを使いこなしている。

「お前なあ……」

媚態、と言い表されるであろう少女の表情に、盛大なため息を漏らす森崎。

723 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 14:18:54 ID:???
「今、俺がどんな風にその台詞を受け取ったか知ったら、きっと激怒するんだろうな」
「……?」

言われたレズリーはといえば、やはり意味を取りかねているらしい。
怪訝そうな顔をするばかりであった。

「―――モリサキさん」

そんな二人の間にすう、と滲むような声は、クレアである。
心臓を爪の先で引っかかれるような悪寒に、森崎が飛び上がって返事をする。

「は、はいっ!?」
「きちんと、お家まで送ってあげて下さいね」

肯定をのみ要求する、それは絶対者の微笑である。
森崎の背筋を、冷や汗が垂れ落ちる。

「は、はは……はい、勿論ですって」
「お願いね」

引きつった顔で何度も頷く森崎に、クレアから無言の威圧感が引いていく。

「……また、改めてご挨拶にでも伺いますんで」
「そんな、気にしないでいいのよ。お仕事、頑張って下さいね」
「はい」

迷いなく、頷く。
それは取りも直さず、ヤング・マジョラムの後継者として隊を率いていくということである。
一縷の躊躇も許されない問いと、答えであった。

724 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 14:19:55 ID:???
「それじゃ……。ほら、帰るぞ」

頭を下げた森崎が、レズリーを促すと少し離れたカウンターの向こうに声をかける。

「勘定、頼むわ」
「かしこまりました。……こちらになります」

間髪を入れず歩み寄ってきた店主が、森崎に伝票を渡す。
その末尾に記された数字を見た森崎が、

「げ」

一瞬、絶句した。
その様子に、森崎の手元を覗き込もうとするレズリー。

「……いくらだったんだい?」
「いや、まあ……気にすんな」

咄嗟に紙片を裏返す森崎に、レズリーが口を尖らせる。

「隠すことないじゃないか」
「痩せ我慢したがってる男には、させておいてやるもんだぜ」
「何だい、それ」

眉根を寄せるレズリーに、森崎が一度首を振ると、改めて退店を促す。

「いいから。ほら、先に出てな」
「あ、こら、押すなって! もう、分かったから!」
「……ふぅ」

どうにかレズリーを扉の外に追いやると、森崎が疲れきったように肩を落として店主へと向き直った。

725 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 14:20:56 ID:???
「これで、足りるかい」

腰に下げた、財布代わりの革袋から十数枚の銀貨を取り出すと、
店主の恭しく掲げる皿へと並べてみせる森崎。

「……はい、承ります。ありがとうございました」
「さっきの勝ち分がすっ飛んで、まだこれかよ。とほほ……」

銀貨の種類と枚数を瞬時に見分け、深々と頭を下げる店主に背を向けると、森崎が力なく
片手を振って扉の方へと歩み出す。

「またご贔屓に」

背にかけられる店主の声は、軽くなった財布を安々と突き抜けて森崎の精神に突き刺さる。
押し出されるように、ため息が漏れた。

(……けど、まあ)

しかし、と。
重厚な扉を押し開けて、隙間から流れ込んでくる夏の夜の匂いを感じながら、
森崎は階上できっと不機嫌そうな顔をしているであろう少女を思い浮かべる。
今日という一日。
これまでとは違う、様々な表情を見せたレズリーという少女。
その代価としては、この出費も決して高くはないのかもしれない。
そんな風に、森崎は思うのだった。



   『overreach yourself』(了)


.

726 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/21(金) 14:25:02 ID:???

*D26.9月
フレーバーテキスト選択

*ドロー


今月の巻頭特集は → ! card


スペード→ 情報「ダナン造反疑惑」
ハート→ 日常「燐光石と悪代官」
ダイヤ→ 情報「ヴァン=トルキア継承戦争」
クラブ→ 歴史「ハンガリア革命」
JOKER→ 視点「老婦人の憂鬱」


※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
 このドローでの分岐は順不同です。JOKERを除いてカード序列による有利・不利は特にありません。


******


といったところで、一旦ここまでの更新とさせていただきます。
9月の訓練所イベントでは兵数補充と、そして皆様から案を頂いた追加ネームドキャラが登場します。
それではまた、次回更新にて。

727 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/21(金) 14:53:48 ID:???
今月の巻頭特集は →  クラブ3
久しぶりに選択肢JOKERを拝みたいのう

728 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:03:32 ID:???
>>727
せっかく用意したものですし、いつか陽の目を見てほしいですねw
******

◎ハンガリア革命


ハンガリア共和国は新興国家である。
革命によって王政を打破し、議会共和制を敷いた。
旧国名をボルキア王国という。

このボルキア王国、人口で多数を占めていたのはハンガリア人であったが、
支配階層にあったのはボルキア人であった。
ボルキア人とはハンガリア人と祖を一にしながら、かつて北西熱帯圏に覇を唱えた
アマーズィーグ人の血脈を受け継ぐ人種である。
彼らは血統による貴族主義を貫き、長らく多数派のハンガリア人を支配した。
しかし近年、同じ南欧のゲルタニアで成功した市民革命を目の当たりにすることにより、
不遇をかこっていたハンガリア人には革命への火種が燻っていた。

きっかけとなったのは、テロリズムである。

ボルキア王都ナオネトで起きた、政府施設連続爆破事件。
犯行声明はなく、動機も犯人もいまだ杳として知れぬその事件で、一人の男が死んだ。
フェルナンド・E・ルシタン。
ボルキア王国皇太子、次期国王となるはずであった青年である。
国王を筆頭とするボルキア人支配層はこれを当然の如くハンガリア人によるものと断定した。
報復は、苛烈であった。
国内で左派とされていた組織の関係者、ハンガリア系の文化人、知識層が軒並み検挙され、
相次いで壮絶な獄死を遂げた。
そうしてこれが、結果的にボルキア王国の致命傷となる。
ハンガリア人の怒りに火がついたのである。
革命戦争が、始まった。

729 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:04:34 ID:???
国軍士官の四分の一、下士官の半数強、兵卒に至っては八割を占めるハンガリア人が
雪崩をうって革命軍に参加した。
膨大な兵力差に焦りを覚えた王権派は隣国に救援を要請したものの、先のゲルタニア革命戦争への
介入失敗で手痛い打撃を受けたプロキアはこれを無視。
同じく介入に失敗し、加えてボルキアとは西洋圏−マルタギニア交易の中継点として
鎬を削っていたドルファンもまた、国内安定を優先するとの名目で出兵を拒絶する。

このとき港の実権を握っていた富裕商人層の多くはボルキア系であり、ハンガリア系商人は
その傘下に過ぎなかった。
ドルファンの介入を操作したのは、このハンガリア系商人である。
彼らは、革命政権が成立した暁には銀の輸入に高率の関税を設定するとドルファンに打診した。
事実上、西洋圏航路からの全面撤退宣言である。
これにドルファン海運局交易顧問、ベイラム・オーリマンが呼応。
王室会議に強く働きかけ、遂に出兵拒否に漕ぎ着けたのであった。

王権派は残る隣国ヴァン=トルキアに望みを託すものの、地域領主による自治意識の強い
ヴァン=トルキアの足並みは一向に揃わなかった。
西部諸侯は旧来よりボルキア王国との地縁・血縁による関係が深く、救援要請に対して
即時の出兵を主張したが、財政上の問題から軍事行動を倦厭する東部諸侯は対応を留保。
ようやく連合議会での採決に持ち込まれたのが王都ナオネト陥落の前日という有様であった。

ナオネト陥落の翌週、革命軍の拠点ボルドーを新たな首都としてハンガリア暫定政府が発足。
国王以下、王位継承権十七位までの男子は処刑台の露と消えた。
暫定政府は亡命に成功した一部貴族の引渡しを周辺諸国へ求めたものの、これは悉く拒絶される。
南欧の慣習法上、血縁関係にある貴族を見捨てることは領有地の所有権を放棄するに等しいと
一般的に考えられており、引渡しの拒絶は無理からぬことであった。


730 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:05:47 ID:???

またこのとき、爵位を持たぬ中流ボルキア人の多くが迫害を恐れ、難民として大量に
ドルファンやヴァン=トルキアへ流入したため、無数の摩擦を引き起こしている。
このボルキア難民による混乱は南欧諸国、特にドルファン王室会議においては
アレルギーとなって尾を引き、後に新たな、そして大きな社会問題の引き金となった。


(※歴史『ハンガリア革命戦争』がオープンされました)


******

731 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:06:47 ID:???

*D26.9 「気のいい一級ギャンブラー」森崎有三
訓練所イベント


ドルファン陸軍第一総合訓練所、運動場。
ただの荒野と呼ぶより他にないそこに、三百に近い数の男たちが集っている。
人種も外見も統一感のない彼らこそが、外国人傭兵大隊であった。

「総員二百八十九名、揃っている」

傍らに立つトニーニョが灰色の瞳で言うのへ頷いて、森崎有三が眼前の男たちを見回す。
すう、と息を吸うと、

「―――地獄へようこそ、新入りどもォ!!」

腹の底から、声を出した。

「俺は隊長のユーゾー・モリサキ! 明日には聞くのも嫌になる名前だ、よォく覚えとけ!」

言って、前列に立った男たちを睨みつける森崎。
どよめき、互いに目を見合わせる者。
果敢に睨み返してくる者。
我関せずと視線すら動かさない者も、中にはいた。

『うわー、見事にバラッバラ……使えなそーだね』

くるりと森崎の頭上を回ったピコが呆れたように漏らすのを、森崎は内心だけで首肯する。

732 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:07:48 ID:???
『……ま、もっとも、キミたちもちょっと前まではこんなもんだったけどさ』

散々な言われようの面々は、この九月に新規入隊を遂げた傭兵たちである。
その数、五十。
軍馬と共に編成部が調達した、補充要員であった。

『確か、三ヶ月に一度はこうやって補充されるって話だったけど……。
 このままじゃ、数合わせにしかなんないね。ビッシビシ鍛えてやんないと!』

むん、と小枝のような腕に爪の先ほどの力こぶを作ってみせる相棒は、
無論のこと実際の訓練で何をするでもない。
数百の耳目が集まる中、呆れた顔を表には出さないように気をつけながら、
森崎が通り一遍の説明と恫喝を終える。

(さて、この中で使えそうなのは……っと)

居並ぶ男たちをざっと見渡す森崎の目が、一人の男に吸い寄せられた。
ほとんどがゴロツキ同然の荒くれ者どもの中、その男だけが異彩を放っている。

「アイツは……?」

733 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:08:52 ID:ULGpoErA

*ドロー

戦える男、出てこいや! → ! card

スペード→ 小柄だが、がっしりとした体型の男だ。なぜか楊枝を咥えている。
ハート→ 静かに佇む青年だ。しかし淡い金髪の下から覗く目は氷のように冷たい……。
ダイヤ→ 老境に達しつつある古強者のようだ。濃い色眼鏡で表情は見えない。
クラブ→ 凄まじい巨漢だ! アラブ系のようだが、頭のアレは……髷か? 
JOKER→ 上記よりランダムで二名!

※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
 このドローでの分岐は順不同です。JOKERを除いてカード序列による有利・不利は特にありません。
 

734 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/24(月) 18:09:44 ID:???
戦える男、出てこいや! →  JOKER
カルツと・・あと誰だっけ(おい

735 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/24(月) 18:10:59 ID:???
JOKER出たね。

736 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/24(月) 18:18:31 ID:???
行った先から拝んじゃったねえ。

737 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:20:26 ID:???
>>734
なんという引きの強さ……!
いや感服いたしました、CP2を進呈いたします。
ちなみに他はレヴィン、見上、バルカンとなっております。

>>735
驚きましたw
そんなわけで、改めて「二人」を選んでいただくことになりますね。


*ドロー


戦える男一人目、出てこいや! → ! card



戦える男二人目、出てこいや! → ! card


スペード→ 小柄だが、がっしりとした体型の男だ。なぜか楊枝を咥えている。
ハート→ 静かに佇む青年だ。しかし淡い金髪の下から覗く目は氷のように冷たい……。
ダイヤ→ 老境に達しつつある古強者のようだ。濃い色眼鏡で表情は見えない。
クラブ→ 凄まじい巨漢だ! アラブ系のようだが、頭のアレは……髷か? 
JOKER→ 更に一名追加! 難易度調整にGMが泣くぞ!

※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
 二人目で同じスートが出た場合は引き直して下さい。

 このドローでの分岐は順不同です。JOKERを除いてカード序列による有利・不利は特にありません。

738 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/24(月) 18:22:16 ID:???

戦える男一人目、出てこいや! →  スペード7

じゃあおかわりで(おい

739 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/24(月) 18:24:26 ID:???

戦える男二人目、出てこいや! →  スペード6


740 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/24(月) 18:27:32 ID:???

戦える男二人目、出てこいや! →  ハート4


741 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 18:44:07 ID:???
ドローありがとうございます。
おかわりがなくて安心しましたw

カルツとレヴィンに決定したところで、一旦ここまでとさせていただきます。
それではまた後ほど。

742 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/24(月) 20:28:54 ID:???
騎馬の補充も50ですかね?

743 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 20:52:28 ID:???
>>742
はい、システム的にはこの後で表記されますが、兵数・騎馬数とも50ずつ増加しています。
但し新兵の加入によって部隊練度が15下がり、現在値は15となっています。

744 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 23:39:37 ID:???
***

JOKER→ 上記よりランダムで二名!

スペード→ 小柄だが、がっしりとした体型の男だ。なぜか楊枝を咥えている。
ハート→ 静かに佇む青年だ。しかし淡い金髪の下から覗く目は氷のように冷たい……。


「アイツは……?」

森崎がまず目をつけたのは、頑丈そうな体躯を持った男である。
金髪を短い角刈りにしたその男は背丈こそ決して大きくはなかったが、
分厚い胸板と盛り上がった肩は十二分に存在感を発揮している。
この訓練所に来てまで素浪人のように楊枝を咥えているのが不気味といえば不気味であったが、
何らかのジンクスを頑なに守り続けるのは戦場に立つ者には珍しくない。
この男にとっての楊枝もその類であろうと無理やりに自分を納得させた森崎がふと気づく。

(あの角刈りの陰……何だ? 嫌な気配がする……)

それは、微かな悪寒である。
風に撫でられた肌の、ほんの一瞬だけ粟立つような怖気。
その元を辿ると、そこには一人の青年がいる。
一見、何の変哲もない細身の青年だ。
人形のように端正な、感情の起伏の薄そうな顔立ち。
森崎の恫喝じみた挨拶を聞いていたのかいないのか、伏し目がちに立ち尽くすその姿は
学究の徒を名乗っても違和感がない。
故に、森崎も一度はその青年を見過ごしていた。
しかし、

『……怖い目、だね』
(間違いない。アイツだ、今の……殺気の主は)

745 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 23:40:39 ID:???
ふわりと、肩に舞い降りたピコが言う。
ひとたび気がついてしまえば物憂げな表情の奥、瞳の底に燃える青白い鬼火を見誤ることはない。
それは、何かを捨てた者の目だ。
決して捨ててはならぬ何かを捨ててしまった者にぽっかりと空いた、虚だった。

「アイツ、は……」
「―――ステファン・レヴィン、そ、それから……ヘルマン・カルツ、ですね。
 レヴィンはスウェーデン出身、前歴不詳。カルツはオースティニア出身、傭兵としての経験は豊富、
 と身上書にはあります」
「うお!?」

思わず声に出した森崎の呟きに、即答を返す者がいた。
青年の方を凝視していた森崎が驚いて声の方へと視線を移す。

「ん? トニーニョ……な、わけねえか」
「……どういう意味かは聞かないでおく。モリサキ、お前に用があるそうだ」

いつもの仏頂面に、更に数本の皺を増やして言うトニーニョの後ろ。
小さな、人影があった。

「ん? お前は……」
『どこから迷い込んだ子?』

森崎が危ういところで飲み込んだ言葉を、ピコが容赦なく吐き出す。
誰にも聞こえないのが救いであった。
一歩進み出たそれは、ほとんど少年である。
僅かに潤んだ、大きな栃色の瞳。
あどけない表情に、やわからそうな頬。
さらりとした栗毛が、初秋の風に揺れた。
しかし彼が外見そのままの少年でないことは、その服装が物語っている。

746 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 23:42:04 ID:???
『……軍服?』

墨染の黒は、ドルファン陸軍制式の略装である。
戦時の強制徴募を除けばドルファンに少年兵は存在せず、またそういった兵に貸与されるのは
せいぜいが安物の胴丸と盾、長槍だけであった。
個別の略装など与えられるはずもない。
ならばその黒装を纏う以上は満年齢にして十八を越えている。
男子であれば、少年とは既に呼べぬ歳である。

「何だ、ルーカス大佐の使いか?」
「あ、いえ、失礼いたしました!」

怪訝そうに軍装を見やる森崎に、慌てて姿勢を正す青年。

「本日付けで外国人傭兵大隊に配属となりました、か、カイル・マクライオンと申します!
 大佐からは、た、隊長の補佐として、事務関連を担当するよう仰せつかっています!」

頬を紅潮させながら述べるその姿は、軍務よりも丁稚奉公がよく似合う。

『手代さんにもまだちょっと早そうだね』
「……あー、大佐の言ってた補佐役か。やっと来たんだな」

執務机を埋め尽くす書類の山と陽子の売り込み攻勢を思い出してげんなりとした顔をする森崎。
その表情を不満と捉えたか、カイルと名乗った青年はひどく萎縮したように、言う。
傍から見れば、素浪人が小僧に絡んでいるような絵面である。

「す、すみません! 色々と事前に知っておかなきゃいけないことが多くて、
 た、大佐のところで手ほどきを受けていまして、それで……」
「それで、配属が遅れたってか」

森崎にしてみれば、単なる事実確認である。
しかしカイルはどうやらそれを譴責と受け取めたようで、ほとんど泣きそうな顔になりながら、続ける

747 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 23:43:09 ID:???
「も、申し開きの言葉もありません……。で、ですが、傭兵の中にはあまり、
 こういう仕事のできる人がいないらしくって……、それで僕が、あの、僕、故郷では
 商売の手伝いなんかもしていまして、」
『あ、本当に丁稚どんだったんだ』

しどろもどろに釈明を試みるカイルに、頭上で呑気にピコが言う。
ふと気付いたように、森崎がカイルへと尋ねる。

「故郷で商売……ってーとお前、もしかして軍部の人間じゃないのか?」
「は、はい、僕も傭兵です、隊長!」
「何だ、そうかよ。ならその軍服は……」
『掠めてきたとかだったら、ちょっと驚くよね。―――ひゃあっ』

茶々を入れるピコを無言で払いのけると、森崎が促す。

「あ、あの、僕は職務上、向こうの軍令部にも出入りしなきゃいけないので それで大佐から、
 特別に制服を支給されて……」
「ああ、軍令部は王城の隅っこだもんな。平服じゃ色々マズいか」
「は、はい。隊長くらい有名な方なら、構わないんでしょうけど……」
「いや、結構じろじろ睨まれるぜ。正直、あんまり顔出したくない場所だ」

隊長就任以来、顔合わせなどを行うために幾度か足を運んだ記憶を思い起こす森崎。
正門は文字通りの門前払い、物資搬入の勝手口へ通され、白眼視と嘲笑を浴びながら
狭く汚れた通路を行き来したのは良い思い出ではない。

748 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 23:44:14 ID:???
「まあ、普段着で行っちまったからなあ……」
「あの、隊長……隊長にも、士官用の礼装と略装、用意されているはずなんですが……」
「へ」
「え……?」

目を丸くする森崎と、その反応にやはり大きな瞳を見開くカイル。

「は、はは……」
「あは、あはは……」

カイルの愛想笑いは、見事に乾ききっている。
膨大な仕事量がその双肩にのしかかりつつあることを、早くも悟ったようだった。



※兵数が50、騎馬数が50増加しました。
 部隊練度が15低下しました。


749 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 23:45:15 ID:???
******


『ヘルマン・カルツ』『ステファン・レヴィン』が傭兵団に加入しました。
所持スキルはそれぞれ以下の通りです。

カルツ:針鼠Lv1
効果:
使用ターン、所属部隊の防御ダメージを80%とし、本来受けるはずのダメージの20%を
相手に反射する。

レヴィン:破壊Lv1
効果:
使用ターン、所属部隊の攻撃で発生した死亡判定について、目標値を+10する。


******


『カイル・マクライオン』が傭兵団に加入しました。
このキャラクターは戦場に出撃しません。


******

750 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 23:46:16 ID:???

*D26.9月
 訓練選択

『今月は何をするの?』

森崎有三
称号:気のいい一級ギャンブラー

個人パラメータ

現在のガッツ:135
剣術:68 馬術:66 体術:62 魅力:78 評価:69
ATK:134 DEF:140 SPD:128 ini:25

部隊パラメータ

兵数:289 騎馬:103 練度:15

所属隊員:
トニーニョ(威圧Lv2)
ネイ(鼓舞Lv1)
ジェトーリオ(撹乱Lv1)
カルツ(針鼠Lv1)
レヴィン(破壊Lv1)


751 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 23:48:04 ID:ULGpoErA

剣術・馬術・体術・魅力・礼法・墓守・休憩・部隊訓練の中から『二種類』選んで下さい。
同じ訓練を二つ選んでも構いません。
また「剣術・馬術・体術」を選んだ場合は部隊員と共同訓練が可能です。
誰と訓練をするのかも付記して下さい。

その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。
期限は『9/25 23:00』です。


******

コピペミスで句点が抜けてしまってああ恥ずかしい、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

752 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/24(月) 23:53:21 ID:ULGpoErA
>>751訂正です。
選べる行動選択肢に『陳情』が抜けていました。
申し訳ありません。

陳情については>>412をご覧下さいませ。

753 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/09/25(火) 18:10:07 ID:???
部隊訓練・休憩

部隊訓練でどれだけ上がるか把握しておきたいので
それと、ガッツは高めに保っておきたいので

754 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/25(火) 19:13:56 ID:???
体術ジュトーリオ 陳情 兵士100騎馬50の増加
体術に関しては数値が低くなってきましたし、ジュトーリオとも話がしたいです。
兵数が多い方が有利だと思いますし騎馬数も少し足りない様に思いますので陳情します。評価値25は勿体ない気もしますが。

755 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/25(火) 20:49:23 ID:???
剣術 ジュトーリオ
剣術 カルツ

判定上昇スキルの恩恵&剣術大会があるかもなので。
スキル強化で兵数を補えたらなおよし、傍観者さんの神引きで固有キャラ増えましたし。

756 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/26(水) 18:09:44 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>751-752の選択については……

>>755 ◆9OlIjdgJmY様の回答を採用させていただきます!
はい、夏至祭で得た『幸運の星』の効果は今月が最終月となりますので、
ばっちり稼いでおきたいですね。
収穫祭に備えて現状で一番高いパラメータである剣術が選ばれているのも
非常に効率的なプレイスタイルだと思います。
ただ残りガッツが100を切りますので、その点には注意してあげて下さいね。


>>753
訓練成功率UPと収穫祭がなければ鉄板の選択でした。
部隊練度は打撃力・スキルと戦争のかなり重要な部分に関わるパラメータですので、
計画的に上昇させたいところです。
そのためにも上昇量の把握は重要ですね。

>>754
定期供給ではまだ不足、という判断ですね。
確かに兵を100追加するだけで戦争ではだいぶ有利に、そして何より死亡判定が遠くなりますからね。
二ヶ月連続の陳情選択ということですし、ちょっとだけヒントを。
現状の政治情勢ですと、次回の戦争パートはかなり間が空いて来年の春くらい……となります。
特定のフレーバーテキスト選択でJOKERが出ると若干前後したりしなかったり……?

また騎馬も陳情されているのは意外でしたが、陳情での補充単位は100ずつとなっておりますので
それも含めて次回以降の参考にして下さいませ。


それと一点、皆様に申し上げておきたいのですが……ネイにくっついてる彼は「ジェ」トーリオですw
いえまあ、キャプ森本編とも違うキャラ付けですし、もしかしたら本名はジュトさんというまったくの別人……との
可能性も微レ存ですが、とりあえず登録名は『ジェトーリオ』となっております!
「仕方ないさ、どうせ僕、パルメイラスじゃないしね……」と拗ねてしまう前に皆様、何卒宜しくお願いいたしますw

757 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/26(水) 18:10:45 ID:AfjlHluY
******


*訓練ダイス

※訓練は前後半に分かれています。
★マークごとにお一人づつ、!と numnumの間のスペースを消してダイスを引いてください。
目標値【30】に対しプラスマイナス30以内で成功、プラス31以上で大成功、マイナス31以下で失敗となります。
大成功時は成果が1.5倍、失敗時は0.5倍となります。


前半(剣術 ジェトーリオ)1
! numnum + ! numnum + ! numnum =

前半(剣術 ジェトーリオ)2
! numnum + ! numnum + ! numnum =

後半(剣術 カルツ)1
! numnum + ! numnum + ! numnum =

後半(剣術 カルツ)2
! numnum + ! numnum + ! numnum =



******

758 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/26(水) 18:18:52 ID:???

前半(剣術 ジェトーリオ)1
49  +  61  +  33 =


759 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/26(水) 18:32:16 ID:???
左の数値をEP12使って61にします。

760 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/26(水) 19:06:43 ID:???

前半(剣術 ジェトーリオ)2
07  +  57  +  95 =


761 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/09/26(水) 19:08:45 ID:???
EP5使って真ん中の数字を62に。

762 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/26(水) 19:24:48 ID:???
後半(剣術 カルツ)1
23  +  80  +  23 =


763 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/26(水) 23:36:18 ID:???
後半(剣術 カルツ)2
02  +  11  +  11 =

764 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/26(水) 23:41:45 ID:???
焦れて二回引いてこの出目…
なんかごめんなさい

759、761のEPを4ずつ代理消費します。

765 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/26(水) 23:48:02 ID:???
引きは仕方ないですよ。

766 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/27(木) 13:07:13 ID:???
>>759
申し訳ありません、ルール上ではEP5につき数値加減5(最低単位が5ずつ)となっておりまして、
EP15の使用で左の数値を大成功範囲の64にするということでよろしいでしょうか?

767 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/27(木) 15:15:05 ID:???
はい。結構です。

768 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/27(木) 19:34:35 ID:???
>>764
さら ◆KYCgbi9lqI様も仰っているように(ありがとうございます)、ダイスロールは時の運。
幸運の星の効果で成功扱いということで、通常時から考えれば何と2倍の効果です! と、前向きに。

******


*訓練結果

前半(剣術 ジェトーリオ)1
64  +  61  + 33 = 大成功2 成功1 失敗0

前半(剣術 ジェトーリオ)2
07  +  62  + 95 = 大成功2 成功1 失敗0

→大成功4 成功2 失敗0


後半(剣術 カルツ)1
23  +  80  + 23 = 大成功1 成功2 失敗0

後半(剣術 カルツ)2
02  +  11  + 11 = 大成功0 成功3 失敗0

→大成功1 成功5 失敗0


******

769 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/27(木) 19:35:36 ID:???
***

//剣術 ジェトーリオ


酷暑も徐々に和らぎ始めた九月のこと。
屋内鍛錬場では、いつものように森崎が剣を振るっている。
片手には円盾、上体には鉄の胸甲をつけた武装姿での稽古である。

「百二十八、百二十九、」
『今、何刻だい』
「うるさい黙れ―――百三十」

すっかり退屈して茶々を入れてくる相方を邪険に振り払いながら続ける森崎の、背後。
すう、と影から滲み出すような声が、した。

「―――やあ、モリサキ」
「うお!?」
『ひゃあ!』

何の気配もなく耳元から響いた声に、思わず抜き身の剣を持ったまま飛び上がる森崎。
反射的に手にした刃を横薙ぎに、背後へと向ける。
と、

「ちょ、待った! 僕、僕だってば!」

慌てたような声は、背後の人物である。
無抵抗を示すように両手を挙げたその焦茶色の肌の持ち主は、

「……ジェトーリオ?」
「そう、ジェトーリオくん。斬らなくても大丈夫。……だから剣、下ろしてもらえないかな」

770 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/27(木) 19:36:37 ID:???
ジョゼ・トゥーリオ。
トニーニョやネイと共に西洋圏からやってきた、傭兵大隊の一員である。

「ったく……驚かせんなよ」
『もう、びっくりするなあ!』
「僕だってまさか、練習場で味方にばっさりいかれそうになるとは思わなかったよ……」
「……スマン」

黒人特有の、ぷくりと厚い唇を尖らせるジェトーリオに森崎が頭を下げる。

「まあ、その様子だと身体はすっかりいいみたいだね」
「おかげさんでな……そういや、他の二人はどうした?」

森崎が尋ねたのは、ネイとトニーニョのことである。
この三人はいつも行動を共にしているような印象があった。
無論トニーニョが夏至祭に現れたように、実際にはそれぞれの時間というものがあるのだろうが、
それにしても常日頃からネイに文字通り密着しているジェトーリオがこうして一人でいるところは
少なくとも森崎はほとんど見かけたことがない。

「ネイくんは走り込み……の途中で見かけた女の子と遊びに行ったよ。トニーニョは知らない」

問われたジェトーリオが、さらりと答える。
ネイと共にいる時とは違い、感情の抑揚があまり感じられない口調である。

「あの野郎……」
『ていうか、絶対それを狙って外まで走りに行ったよね』

この訓練場は軍事演習用の広大な敷地を確保している。
外周を走るだけでも相当な距離で、敷地を出てまで走る必要は全くない。
そして訓練場の中には、一部の軍事務官を除いて女性というものはほとんど存在しなかった。
帰ってきたら鍛錬メニュー三倍だ、と決意する森崎が、はたと何かに気づいたように、
ジェトーリオへと問いを重ねる。

771 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/27(木) 19:37:37 ID:???
「お前はついていかなかったのか?」
「女の子、ついうっかり始末しちゃったら隊長の君に迷惑かかるけど……構わなかったかい?」

さらりとした、回答だった。
感情の起伏は、やはり薄い。
しかし、その言葉の意味はどこまでも重く、粘ついたものである。

『うわあ……』
「……」
「……」

溜息ともつかぬ声を漏らしたピコが、逃げるように屋内鍛錬場の高い天井の隅まで舞い上がる。
羽を持たぬ森崎は、ただ沈黙するより他になかった。

「……そ、そうか」

暫しの後、かろうじてそれだけを口にする森崎。

「……」
「……」

手持ち無沙汰であった。
普段はネイを挟んでいたために意識することはなかったが、二人きりになると
見事に話題が続かない。

『ねえ〜』

と、遠くから相方の声。
目線だけを動かすと、ピコが何やら身振りでジェトーリオの方を指している。

『せっかくの機会だし、普段は聞きにくいことでも聞いてみれば〜?』
(ぬ、そうだな……)

772 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/27(木) 19:39:15 ID:eHhfXuAk
言いながら決して近づいてこようとしないピコに眉根を寄せた森崎は―――


*選択

A 「お前……ネイとどういう関係なんだ?」 禁断の花園に切り込んだ!

B 「なあ、最近トニーニョと話したか?」 先月のこともある。それとなく……。

C 「俺が隊長って……お前はどう思ってるんだ?」 辛口の批評も覚悟するぞ。

D 「……」 まあいいか。黙々と訓練を続ける。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『9/28 0:00』です。

******

神秘のベールに包まれた男の秘密、その一端が明らかに!?
といったところで、早いですが本日の更新はこれまでとさせていただきます。
お付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

773 :◆W1prVEUMOs :2012/09/27(木) 23:37:28 ID:DRyJxWfI

聞かないと始まらない

774 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/09/27(木) 23:40:44 ID:???
A二人の出会いを軽く聞いてみたいですね。

775 :◆9OlIjdgJmY :2012/09/27(木) 23:51:16 ID:???
B ネイについて踏んではいけない地雷だったら怖いのでw

776 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/01(月) 19:29:46 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>772の選択については……

>>773 ◆W1prVEUMOs様の案を採用させていただきます!
はい、その通りです。
他に付け加えることのない、シンプルにして真理に近いお答えです。
CP3を進呈いたします。

また>>775 ◆9OlIjdgJmY様のご回答につきまして、こちらも実はその通りです!
この選択肢、アッー的なコメディ処理ではなく、踏み込まなくてもいい、しかし切り抜ければ
将来的にそれなりの見返りはある…かもしれない地雷原です。
幸い人物称号と魅力値、評価値の高さで危険な枝が概ね内部的に処理されておりますが、
そうでなければリスクが高いのでBが採用でしたね。
次点としてCP1を進呈いたします。


>>774
聞くとあまり軽くない話が始まってしまいますw
金がほしい・暴れたい・前科持ちで行き場がないという、アンケート断トツの1位2位3位とは
別の理由で傭兵稼業をやっている面子は多かれ少なかれ、過去に色々ありますね。

777 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/01(月) 19:30:49 ID:???
***

A 「お前……ネイとどういう関係なんだ?」


『うわ、そこ行くの!?』

ピコが驚くのも無理はない。
それは、傭兵大隊の中でも最もアンタッチャブルな話題と言っても過言ではなかった。
ネイとジェトーリオ。
追うジェトーリオ、振り払うネイ。
これまで、彼らの関係をあえて掘り下げる者はいなかった。
何となれば、男色は明白な死罪である。
教会に発覚すれば、即座に告発されることは疑いない。
故に、大隊の人間は彼らの仲について深く考えることをやめたのである。
もしかしたら、邪推するようなものではないのかもしれなかった。
しかし万が一にも不安が的中してしまったとすれば、それは先送りできぬ問題として浮上する。
解決を、図らねばならなくなる。

(……だが、答えを出しさえしなければ)

確定さえしなければ、問題として処理する必要もない。
知らなかった。気づかなかった。思いもかけないことだった。
そういう位相に押し込めておけば、隠匿の罪に問われることもない。
死して神の御前に立つとき、嘘を告解することもせずに済む。
実利的な側面だけでなく、信仰を持つ者たちの精神衛生上も、考えぬことが一番だったのである。
彼らの関係は見たまま「そういうかたちのもの」であり、それ以上でもそれ以下でもない。
それが傭兵大隊の総意であり、不可侵の結論であった。
森崎の問いは、その一線をやすやすと越えるものだったのである。

「―――知りたいの? 本当に?」

778 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/01(月) 19:31:53 ID:???
「う……」

気圧されたように、森崎が喉の奥から音が漏れる。
何故、こんなことを聞いてしまったのか。
そんな後悔がせり上がってきそうになって、森崎は下腹に力を込めた。
決まっている。知るためだ。
ジェトーリオという男を、ネイという男を知るためだ。
知ってどうするのか、それはまだ分からない。
それでも、知らねば何も始まらない。
理解とは、何も耳に心地良いことばかりではない。
時には茨を素手で掴むように、痛みや傷を負うこととてあろう。
それでも知りたいと、森崎は思ったのだ。
だが。だが、悔めば、恐れれば、それは単なる好奇心に堕する。
痛みを負う覚悟もなく人に踏み込む、そういうものに成り果てる。
それを自分に許せる男に、なりたくはなかった。
故に森崎は下腹に力を込め、気圧されかけた心を奮い立たせ、ジェトーリオの
黒曜石の瞳を、半ば睨むように見つめ返す。
音のないせめぎあいは、長い長い数秒。

「……なんて、ね」

先に息を抜いたのは、ジェトーリオである。

「そんな怖い顔、しないでよ。実際のところ、そう御大層に言えるようなものじゃないんだ。
 ただ昔から一緒にいるっていうだけでね」

つい、と視線を逸らしたジェトーリオが、採光窓から射し込む細い光を見上げる。
大地の色をした髭も生えていない肌を、こちらは目を逸らさず見つめながら、森崎が問う。

「幼馴染み……ってやつか?」

779 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/01(月) 19:32:54 ID:???
「ううん、違うよ」

何気ない問いに、何気なく首を振る。

「僕たちが生まれた場所は……そうだな、このドルファンとスィーズランドくらいには離れてる」
「そりゃまた……ほとんど違う国だな」
「まあ、そうだね。こっちの人に言わせれば、国っていうほどのものじゃないらしいけど」

軽く笑うジェトーリオ。
色のない笑みだった。

「僕たちはね、モリサキ」

そういう笑みを浮かべる人間を、森崎はよく知っている。

「僕とネイくんは、違う国に生まれて、違う国で育って、そうして―――」

それは癒えぬ傷の、

「同じ人間にね、売られたんだ」

目に見えぬ血を拭う者たちの、笑みだ。


780 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/01(月) 19:38:23 ID:9fpfJ3lc

*選択

A 同情する。

B 無言を貫く。

C 憐れむ。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『10/2 18:00』です。


******


ここ、人物称号とネイとの関係、これまでの選択(つまり森崎の人格)次第では
A〜Dくらいまでの手段選択肢という極悪難易度になっていた可能性もありましたw
といったところで本日の更新はこれまでとさせていただきます。
お付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

781 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/01(月) 19:57:44 ID:???
【ピココール】
この質問自体がジェトーリオを傷つけてる可能性があるけども、どういう反応が隊長として相応しいと思う?

782 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/01(月) 20:13:01 ID:???
うーん、多分Bだと思うんだけど(同情すると憐れむは【上から見てる】意味で同じ事)、自信がないなあ。
ピココールに対する回答次第では、ヒントコールも辞さない所存。これは重要と見た。

783 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/01(月) 20:17:46 ID:???
Cだけは間違ってる様な気がしますね。

784 :ピコ ◆ALIENo70zA :2012/10/01(月) 20:57:22 ID:9fpfJ3lc
>>781
不幸は、どこにでもあるよ。このご時世だもの。
ジェトーリオが言うようなことだって、珍しくないよね。
キミの周りにだって、生まれた頃からいっくらでもあった話じゃない。

だけど、じゃあ彼はどうしてこんな話をしたんだろう。
キミが何を聞いたら、こんな答えが返ってきたんだっけ?
…たとえば今、キミが今の話でジェトーリオを可哀想だと思ったりするのなら、
それは『もう一人』も同じように扱う、っていう風にとられる…のかもしれないね。
だとしたら多分、それは…彼自身に何を言うよりも、敏感に反応されちゃうんじゃないかな。

785 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/01(月) 21:04:14 ID:???
…念のため、【ヒントコール】。
私は「同情と憐れむのはこの場合同じ事(上から目線で見ている=侮辱している)なので、
ジェトが悪感情を抱かない選択肢は「無言を貫く」しかない」
と考えていますが、この予想は正しいですか?
正解を聞くような使い方はマズイかと思いましたので、こういうやり方に。

786 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/01(月) 22:44:49 ID:9fpfJ3lc
>>785
極めて的確な状況の捉え方であると回答いたします。
一点、「侮辱」というよりは「違う位相から物を見ている≒観念の共有が
困難であることを改めて確定させる」というようなニュアンスでしょうか。
ですので、悪感情といっても憤りよりは決定的な失望に近いものとなりますね。

787 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/01(月) 23:34:14 ID:???
なるほど、思ってたよりもうちょっとジェトは大人でしたか。
ではまあ、Bに投票いたします。理由は>>785の通り。

788 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/02(火) 14:22:07 ID:???

【ピココール】に【ヒントコール】を聞き、B以外の選択肢は選ぶのが難しい様に思いました。

789 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/03(水) 19:25:56 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>780の選択については……

>>787 傍観者  ◆YtAW.M29KM様の案を採用させていただきます!
ほとんどヒントコールを使うまでもなく答えを出していただいていたようで、お見事です。
ちなみにズバリ正解だけを聞いていただくのも(あまりエレガントではありませんが)、
システム的には有りといえば有りですw
CP3を進呈いたします。


>>788
はい、ここまでくるとそうなってしまいますよねw
勿論ヒント他を吟味した上で、あえて同情するのだ! 理由は〜〜だから!
というのも、充分な説得力があれば押し通すことはできます。

790 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/03(水) 19:26:57 ID:???
***


B 無言を貫く。


ジェトーリオの語ったそれは、ありふれた不幸だ。
ありふれて、だが無感情にやり過ごすことのできぬ、不幸だった。
森崎の中にも、ぐるぐると渦を巻く様々な感情は沸き起こっている。
しかしそのすべてを飲み込んで、森崎は沈黙を守った。

「……」
「お、さすがだね。そういうとこ、嫌いじゃないよ」

同情を寄せることもできただろう。
不幸を憐れみ、共に悲しむこともできただろう。
たとえばそうやって感情を切り分けて、誰とでも共有しやすい形に加工して贈り合うのが
真っ当な世の中というものであるのかもしれない。
しかしそうしてしまったとき、その世の中に、彼らはいなくなる。
黒壇のような肌の男や、褐色の肌の優男は、真っ当なものたちの中から、いなくなるのだ。
それは、線を引くということだ。
不幸という泥のついた者と、そうでない自分たちとの間に線を引いて、その線を挟んで
話をするということに他ならなかった。
故に、森崎は無言を貫いた。
そういう扱われ方を許容する寛容、あるいは愚鈍をジェトーリオという男に求めることは、できなかった。

「……ま、そんな感じで、ね」

森崎の沈黙に何を悟ったか、肩をすくめてジェトーリオが続けた。

「色々あったけど、それからはずっと一緒にいる」

791 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/03(水) 19:27:58 ID:???
『えらく邪険にされてるけどね』

間髪入れずに混ぜ返したのは、いつの間にか舞い戻ってきていたピコである。
思わず眉根を寄せて中空に目をやった森崎に、黒壇の青年は相好を崩す。

「あっはは、その割にネイくんのあの態度は何だ、って顔だね。
 ま、不思議に思うのも無理ないけどさ」
「……」
『ありゃ』

勘違い、とも言い切れぬ勘違いではあったが、ともあれ森崎はピコをひと睨みするだけで
ジェトーリオが言葉を紡ぐに任せる。

「ネイくんはね、僕が嫌いなんじゃない。おっと、これは負け惜しみでも、悪あがきでもないよ。
 純然たる事実さ。彼は僕を嫌ってなんかいない。そうじゃないんだ」

黒い肌の中、そこだけは薄桃色をした唇の間から、黄ばんだ乱杭歯が覗く。
薄く笑っているようだった。

「彼はね―――怯えてるんだ。怖いんだよ。僕が」

弓型に細められた黒曜石の瞳が、結晶から削りだされた刃のように煌めいた。
皮を裂き肉を抉る、刃。

「僕といると、古い傷が開くんだ。だからあんな風につれなくして、目を逸らしたがる。可愛いね」

傷、と。
ジェトーリオは言った。
その意味を語るつもりはないと、表情が告げていた。

「だけど、それでも構わない」

792 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/03(水) 19:28:59 ID:???
悪鬼と聖母の間に生まれた子のように微笑んで、黒壇の青年が天井を見上げる。

「僕はネイくんに好かれたいわけでも、彼と触れ合いたいわけでもない。
 受け入れてほしいとも思わない」

そこには一筋の光が射している。
採光窓から漏れる、白く清らかな陽光だ。

「僕はね。ただ、誰よりも近くで見ていたいんだ。誰よりも」

誰よりも。
生きたまま異教徒を焼く兵がその胸に免罪符を抱えるように、ジェトーリオはその言葉を口にする。

「だって、彼はあんなにも―――綺麗なんだから」


***

793 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/03(水) 19:30:00 ID:+DoZ10Oo

*スキルアップチェック

ジェトーリオとの関係が一定値に達したため、スキルが強化される可能性があります。
目標値は対象キャラクターとの関係によって増減します。

目標値【95】 → ! numnum

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
目標値以上の値が出れば成功しスキルが強化されます。
00が出た場合はスキルが変化します。

成功→ 撹乱Lv2
(ランダムで敵二部隊の行動をキャンセルする。確率はそれぞれ30%。
 陣形崩壊中の敵部隊は効果対象から除外される)

00→ 恐慌Lv1
(このターンの間、戦場全体の士気増減処理を通常の200%にする。
 この効果はスキルによる増減にも適用される)


***

794 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/03(水) 19:58:47 ID:???
目標値【95】 →  04

795 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/03(水) 20:15:04 ID:???
***


※スキルは変化しませんでした。


***

※ガッツが20減少。
剣術が32上がりました。


現在のガッツ:115
剣術:100 馬術:66 体術:62 魅力:78 評価:69
ATK:166 DEF:172 SPD:128 ini:25

******


※称号が『気のいい剣士』になりました。

スキル『シールドワーク』を獲得しました。
種別:アクティブ
消費ガッツ:0
効果:このターンの攻撃ダメージを必中で5、防御ダメージを50%にする。


******

796 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/03(水) 20:16:05 ID:???

//剣術 カルツ


「よう、隊長さん」

新規に配属された傭兵たちを並べ、それぞれの得物を振らせていたときのことである。
ナイフや鉈や、果ては丸太を適当に削ったような棍棒を得意げに振り回す荒くれどもに
内心で頭を抱えていた森崎に声をかけてくる男がいた。
金髪を短く刈り込んだ、背丈は低いががっしりとした体躯を持つ男。

「ん? お前は……」
「こうして話すのは初めてじゃの。ワシゃ、ヘルマン・カルツいうモンじゃ」
『イモみたいな顔した人だね』

相手から見えないのをいいことにくるりと顔の周りを巡ってみせたピコの言葉は、的を射ている。
食習慣のない欧州では見かけないが、東洋圏では馴染みの深い芋特有の土臭さとごつごつとした造形、
そして同時に素朴さと温かみを感じさせる顔立ちをしているのが、カルツという男だった。
要はお世辞にも美男とはいえないが、愛嬌のある男である。

「得物は……戦斧か。随分と使い込んでるな」
「おう、分かるかい」

カルツが立つその脇で地に突き立てられているのは、およそ胸丈ほどまでもある両手斧である。
当世風の長柄は持たず木製の太い握りと巨大な斧頭だけで構成された、質実剛健を
絵に描いたような得物であった。
鎧の上から敵を斬り潰すその重量たるや、刀剣の比ではない。
それを得意とするカルツという男、小柄でありながらおそるべき腕力と体幹を秘めていることは
疑いようがなかった。

797 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/03(水) 20:17:05 ID:+DoZ10Oo
「よろしく頼むぜよ、隊長さん」

奇妙な訛りは男の故郷に由来するものだろうか。
言いながら手を差し伸べてきたカルツに、森崎がその巌のような手を握り返した瞬間である。

「ぐっ……!?」

その手に、凄まじい重圧がかかっていた。



*握手比べ

体術判定

目標値【48】 → ! numnum

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
難易度【ターン係数50+やや難60】−(体術62)を目標値とし、目標値以上の値が出れば成功。
00が出た場合は難易度にかかわらず成功となります。
結果によって展開が分岐します。

成功→ ナメられてたまるか! カルツに負けない力で握り返す!
失敗→ 力負け! 思わず悲鳴が漏れる!

798 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/03(水) 20:27:15 ID:???
目標値【48】 →  48

他のスレで色々認識違いに苦しんだもんで、安全策をとりたかったんですよw

799 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/03(水) 20:33:43 ID:???
危ない…。D100でピッタリは心臓に悪いのう。

800 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/04(木) 00:32:34 ID:???
>>798
迷ったときや困ったときの命綱、それがEP/CPです!
どんどん活用して下さいませ。

***

成功→ ナメられてたまるか! カルツに負けない力で握り返す!


試されている、と直感した。
隊長を名乗るのが、己が命を預けるに足る男か。
カルツはそれを試しているのだ。

「ぐぬ……ぐうぬぬ……っ!」
「お? ほう……」

他愛もない勝負だ。
負けたからといって隊長の座を追われるわけではない。
それでも、森崎は渾身の力をその手に込める。

「ふぬ……ぐぅ、おおぉ……!」
「く……ぬ、むぅん……」

傍目には異様な光景に映ったことであろう。
男二人、手を握り合ったまま顔を真っ赤に染め、脂汗を浮かべながら唸り声を漏らしている。
意地の張り合いを終わらせたのは、目に見えぬ小さな手である。

801 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/04(木) 00:33:36 ID:???
『はい、そこまで!』
「うおっ!? っと、とと……」

ぺちん、と。
ピコの小さな手で不意に頬を叩かれ、思わず脱力する森崎。
同時に、握られていたカルツの手からも力が抜けるのが分かった。
息をつくと、急に視界が広くなっていくような感覚。
充血していた目から血が引いていくのだった。

「ふう……」
「ハハハ、なかなかやりよるのう、隊長さん」

小さな虫が目の前を無数に飛び回っているようなノイズ混じりの視界の中で、
芋のような男が涼しい顔で笑っている。
先ほどまでの形相が嘘のようだった。

「……お前、まだ本気出してなかっただろ」
「まあ、ちょっとしたお遊びやき。許しとおせ」

言って快活に笑うと、ばしんと森崎の肩を叩くカルツ。

「痛ぇよ! こんの馬鹿力!」
「ガッハハ、そんくらいの方が頼れるろうが」
『豪快なおっちゃんだねえ……』

ピコの呆れたような呟きは無論、カルツには届かない。
上機嫌のまま傍らに突き立てていた戦斧を片手であっさりと持ち上げると、
そのまま肩に担いでみせるカルツ。
ぶうん、と巨大な質量が大気を押しのける音が後からついてくるようだった。

802 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/04(木) 00:34:37 ID:???
「……まあ、そうだな」
「ところで隊長さんよ」

板金鎧でも両断しそうな大斧の迫力に頷いてみせた森崎に、カルツが唐突に話題を変える。

「おんし、こん国の軍がまた徴募かけよるゆう話、聞いちょるかい」
「……? そりゃ、お前らだってそれでここにいるんじゃねえか」

先のイリハ会戦でも多くの将兵を失ったドルファン軍である。
傭兵の徴募は定期的に行なっているという話だった。

「いやの。ワシら、確かにスィーズランドで徴募に応じてこん国に来たんじゃが」
「だろ」

スィーズランドは永世中立を標榜する国家である。
文化的・軍事的にも世界の最先端を担っている大国であり、欧州の熟練した傭兵や
大手の傭兵団はその殆どが同国のギルドに登録することで各地の戦場へと斡旋されている。
中立国ゆえに地域紛争の当事国同士が互いにスィーズランド経由で傭兵を雇用することも
日常茶飯事であり、他ならぬ森崎自身も、そしてイリハで対峙した欧州最強といわれる傭兵団、
ヴァルファバラハリアンもまたスィーズランドの傭兵ギルドに登録されている。

「それがどうも、ドルファンゆう国はワシらの他にも、西洋圏で大規模な徴募を
 かけちゅうゆう噂があってのう」
「西洋圏で? ……まあ、ない話じゃねえだろ。現に俺らの仲間にも何人かいるぜ」

トニーニョやネイ、ジェトーリオの顔を思い浮かべながら言う森崎に、
しかしカルツは尚も胡乱げな顔で続ける。

「それが何でも、百や二百じゃきかんゆう話でな」
「なにィ……?」

803 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/04(木) 00:35:49 ID:???
カルツの告げた数に耳を疑う森崎。
今回の徴募で新規に配属されたのが五十人。
それを含めても、現在の傭兵大隊の規模が三百弱である。

「ってそりゃ、俺らの他にもう一大隊作れそうな規模じゃねえか」
「そうやき、隊長なら何ぞ知っちゅうかと」
「……聞いてねえな、少なくとも俺は」

偽りない、本音である。

「ほうか。ま、噂は噂やき。何にせよ、これから宜しくの、隊長さん」

あっさりと頷くと、カルツは斧を肩に担いだまま有象無象の群れに戻っていく。
その背を見送る森崎の手はいまだ腫れの引かぬまま、じんじんと疼いていた。

「……頼りにしてえよ、実際」


***

※ガッツが20減少。
剣術が26上がりました。

※※カルツのスキルLvの上昇確率は現在-40%のため判定は行われません。


現在のガッツ:95
剣術:126 馬術:66 体術:62 魅力:78 評価:69
ATK:192 DEF:198 SPD:128 ini:25

******

804 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/04(木) 00:38:35 ID:???
******

ジャガイモがこの近辺の食卓に上るまではもう少し時間が必要です、
といったところで本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。

次回は9月のメインイベントから再開となります。
収穫祭がありますので、イベント自体は短めになる予定です。
それではまた、次回更新にて。

805 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/12(金) 20:19:10 ID:???
******


*D26.9月 「気のいい剣士」森崎有三
メインイベント

『元気!』



「う〜ん……」
『どうしたの? 馬車に轢かれた蛙みたいな声出して』

初秋の陽射しはまだまだ肌を刺激する。
日陰に入れば実感できる涼しさが夏の終わりを告げていたが、森崎有三には
それを堪能する余裕はないようだった。
ピコが訊くのへ、森崎が渋面を作りながら言う。

「いや、なんつーか。俺、この道に呪われてる気がしてよ……」
『あー、まあ……ね』

森崎が歩いているのは、学園通りの並木道である。
傍らには学園の高い塀が決して不審者の侵入を許さぬとばかりに聳え立つ、
朝夕には登下校の学生たちで溢れかえるであろうその道をしみじみと眺めて
森崎が深いため息をつく。
ソフィアの婚約者を名乗る男、ジョアンと初めて遭遇したのもこの道すがらであれば、
犬に吠えられていたロリィを助けて騒動に巻き込まれたのもこの近辺である。

『ていうか、大抵は女のコ絡みだね。しかも若くて可愛い』
「……」

事実を否定もできずにごほんと咳払いをした森崎が、何事もなかったように辺りを見回す。

806 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/12(金) 20:20:11 ID:???
「……ま、しかし今日は大丈夫だろ。誰もいねえし」

森崎の言葉通り、時間帯によっては混雑する道も今は閑散としている。
時折通りすがる乗合馬車の、蹄と車輪が石畳を噛む音が森崎の耳に響いてくるだけだった。

『登校時間はもう終わってるからね。重役出勤なんてキミも偉くなったもんだよ』
「嫌味な言い方すんな! 軍令部に呼び出されてただけだろうが! ほら、あれ! あの書類!」
『はいはい、お疲れ様〜』
「くっそう……人の苦労も知らないで」
『知ってるけどね』

地団駄を踏む森崎にちろりと小さな舌を出すと、白い雲も長閑な空に舞い上がったピコが
くるりと輪を描いてみせる。

『ていうか、前見て歩きなよ。馬車に轢かれるよ』
「大丈夫だって。こうやって見渡す限り誰もいねえんだから。
 ははっ、俺を何かに巻き込む運命ってやつがあるなら、是非とも底力を見せてもらいたいもんだね」

言って両手を挙げた森崎が、石畳の上で軽いステップを踏む。

『またそうやって、調子に乗ってると危ないからね!』
「どうなるってんだ? 右見て、左見て、前と後ろも問題なし―――」

と。
森崎の視界にふと影がさしたのは、その瞬間である。
右でも左でも、前後でもないそれは、

「―――ちくしょう! 上だったかよ!」

不意を突かれた森崎が、しかし咄嗟に見上げたその視界に映ったのは、
ふわりと広がるチェック柄の布と小麦色の肌である。

807 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/12(金) 20:22:23 ID:PaEHKKCc

*チェック

(体術+剣術)判定

目標値【16】 → ! numnum

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
難易度【ターン係数50+やや難60】−{(体術+剣術)/2=94}を目標値とし、目標値以上の値が出れば成功。
00が出た場合は難易度にかかわらず成功となります。
結果によって展開が分岐します。

成功→ 落ちてきたものを咄嗟に受け止める!
失敗→ 落ちてきたものを華麗に避ける!


******


なんと一週間のブランクという体たらくには申し開きのしようもありません……!

808 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/12(金) 20:30:36 ID:???
目標値【16】 →  15
中世ヨーロッパにジャガイモとトマトはなく、中世日本に醤油はない…というのは結構面白いポイントだよね。

809 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/12(金) 20:31:47 ID:???
…EP5を支払います。いきなりこれか!w

810 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/12(金) 20:34:51 ID:???
あと何人ぐらいヒロイン出て来るんだろう?

811 :◆W1prVEUMOs :2012/10/12(金) 20:42:49 ID:???
正ヒロイン候補は五人と言ってたけど、今まで出てきた女性の誰がヒロインで誰が脇役なのか自分には分からない(笑)

812 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/12(金) 21:08:19 ID:???
>>808
トマトのないイタリア料理やポテトのないドイツ料理は、今からだと想像できませんね。
まあ、そもそも料理と呼べるほど食材にバリエーションを持てたのはある程度以上の
富裕層だけかもしれませんが。

>>810-811
正ヒロインはソフィア、レズリー、ロリィ、それから今まさに出てきた娘と、
来月に初お目見えする娘で打ち止めですね。
原作だとこれまでに出てきたキャロル、スー、クレアさん(と、一応ノエル)なども
ヒロインなのですが、本作ではサポートキャラとして登場いただいております。


813 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/12(金) 21:09:50 ID:???
それと万が一全ヒロインの攻略に失敗した場合でも、ピコだけは森崎から離れません!w


***

成功→ 落ちてきたものを咄嗟に受け止める!


「くっ……、っと!」

森崎がそれを受け止めようとしたのは、頭上に差す影の主が女学生であると瞬時に認識した故である。
濃紅色のチェック柄は、学園に通う生徒のスカートの布地であった。

『何でそんなこと覚えてるのさ!』

相方が鋭く指摘するのを聞き流しながら森崎が腰を落とし、両手を差し出す。
足を下に落ちてくるそれを掬うように片腕を差し入れ、切っ先を受け流すようにその軌道を逸らし、
傾いだ上体を、空いた腕で支える。
重量は、ひと一人分。
支えるだけの力を、森崎という男は十二分に持っている。
ふわり、と。
流れるように、その落下物は一切の衝撃なく、森崎の腕の中に収まっていた。

「……ふう」
「……?」

一仕事終えた感で息をつく森崎の眼前。
ほんの拳ひとつ、ふたつの間を空けた向こうに、きょとんとした顔がある。
少年のように襟足で短く切り揃えた髪は栃栗色。
大きく見開かれた瞳は黒に近かったが、吐息を感じるような距離で覗けば濃紺であることがわかる。
そのごく近い顔が、事態を理解できずにいる空隙から驚愕へと変わるのは正しく一瞬のことだった。

814 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/12(金) 21:10:52 ID:???
「―――え、えぇっ!? わわ、なに、きゃぁっ!?」
「あ、こら、暴れるな!」
『いや、驚くでしょ。実際』

遠くから他人事のように言うピコに内心で舌打ちしながら、森崎が腕の中の少女を宥めようとする。

「下ろす! いま下ろすから暴れんな!」
「いや、やだ、はな、離して! なに!?」
「ええい、くそっ……うわっ!?」
「きゃあっ!?」

どすんと重い音は、森崎の腕から解放された少女が石畳の上に落下した音である。

「いったたた……」
「だから暴れんなっつったのに……」

呻きながら腰を擦る少女に、森崎が呆れたように漏らす。
そんな声が聞こえたか、少女がきっと森崎を見上げると、口を開いた。

「もう! 何なのさ、キミは!」
「そりゃこっちの台詞だ!」

さすがに言いがかりも甚だしいと、間髪入れずに言葉を返す森崎。

「いきなり落ちてきたのを受け止めてやったんだろうが! つーかお前は一体何なんだ!
 一体どっから降ってきた!?」
「う……」

森崎の剣幕に圧されたか、あるいは痛いところを突かれたのか。
少女の表情から見る間に勢いが失われていく。
ちらりと目をやったのは、傍らの高い壁である。

815 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/12(金) 21:11:53 ID:???
「……お前、学園の生徒だろ」
「え、あ……ははは」
「笑ってごまかそうとするな! つーか、まさかこの壁の上から飛び降りたのか……」

言って森崎が見上げる壁は、彼自身の背丈よりも高い。
自衛意識の現れであろうか、忍び返しの類こそ設置されてはいなかったが、それでも
森崎が腕を伸ばして飛び上がったとしても届かないような位置に、その縁はあった。

「ま、まあ、その……」

と、少女が口ごもった、その時。

「―――ショースキーさん! まだそこにいますね!」

高い塀の向こうから響いたのは、女性の声である。

「おや、この声はいつぞやの……」
『キミが鼻の下を伸ばしてた……』
「やばっ! オルガ先生!」

そうそう、そんな名前だった、と頷いた森崎の手を、がしりと掴むものがある。
小麦色の肌と少し高めの体温。
眼前の少女の手に他ならなかった。

「とにかく、ここはマズいから! こっち!」
「お、おい!? 何で俺を引っ張る!?」
「いいから!」

森崎の声には聞く耳持たず、少女は走りだす。
必然、森崎も共に走る形となった。

816 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/12(金) 21:12:54 ID:???
『やっさしー。別に振り払ってもいいのに』
「……まあ、大体こんなことになるとは思ってたんだよ」

くるりくるりと頭の周りを回りながら冷やかす相方にもごもごと答えながら、
森崎は手を繋いだまま前を走る少女を見やる。
短い髪が風に靡いて、毛先がふるりふるりと揺れていた。

(つーか……足、早いな)

年端もいかぬ少女である。
しかし日々教練で鍛え抜いている森崎に勝るとも劣らない足を持っているようだった。
無論森崎とてただ早く走るための鍛錬を積んでいるわけではないにせよ、その事実は単純な感心に値した。
しかも僅かながら次第に顎の上がり始めた森崎と比べて、少女の息遣いはまだ小気味のいい律動を
刻んだままでいる。

(……元気なこった)

森崎が初秋に出会った少女の、それが第一印象であった。


***

817 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/12(金) 21:14:39 ID:???
******

といったところで、短いながら本日の更新はこれまでとさせていただきます。
一週間空いたんだから書き溜めておけ! というお声が聞こえてくるようです…。
ともあれ、お付き合いありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

818 :◆W1prVEUMOs :2012/10/12(金) 21:22:19 ID:???
乙でした
> それと万が一全ヒロインの攻略に失敗した場合でも、ピコだけは森崎から離れません!w
ピコ→森崎に恋愛感情ありそうなんだよなあ。嫉妬っぽい言動もあるし
ピコルートも欲しいw

819 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/13(土) 13:31:43 ID:???
>>818
ラスト近くで全ヒロインをフりまくれば、夢のピコEDに……!
まあ、そうでなくともかの小さな相方の出番は全編に渡りますのでw
ちなみに重い場面や桃色な場面では空気を読んで静かにしていますが、
森崎が一人になるとひょっこり出てきて茶化したり慰めたりしてくれています。


***


「するってーと、お前」
「ハンナ。ハンナ・ショースキー」

ショートカットの少女が言うのは、学園から走りに走って大通りを二つも隔てた北側の
フェンネル運動競技公園、通称・運動公園の整備された芝生の端に座り込み、肩で息をしていた森崎が
どうにか呼吸を整えた後である。

「で、そのショースキー女学生は」
「ハンナでいいよ。苗字はあんまり好きじゃないんだよね。
 お爺ちゃんが移民ってだけで結構ヤな思いしたみたいでさ。
 あ、ボクはそんな経験ないんだけどね。アハハ!」

あっけらかんと言い放つ少女。
快活なのか、単に物事を深く考えない質なのかは判然としない。
しかし森崎が引っかかったのは、また別の点である。

「……ボク?」
「ん? あれ、やっぱり気になる?」
「いや、まあ、俺の稼業も大概変人揃いだから、言われりゃそういうもんかって感じだが」

口ごもりつつ言う森崎の肩を、ハンナがばちんと叩いて笑う。

820 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/13(土) 13:32:44 ID:???
「アッハハ、それじゃボクが変人みたいじゃない!」
「……」
『そこで黙るんだね』

ピコの茶化す通り、沈黙はある種の場合において雄弁な肯定となる。
だがハンナという少女はそれを斟酌することはないようだった。

「昔っからの癖でさ。ボク、お姉ちゃんが一人いるんだけど」
『今度は語りはじめたよ』
「そのお姉ちゃんていうのがまた、お人形さんみたいな人でね! 自分もすっごく可愛いんだけど、
 もう可愛いものが大好きで、リボンとかフリルとか、ああいうのが部屋にも溢れてんの」
「はあ……」
「で、小さい頃のボクはお人形さんみたいなお姉ちゃんの、そのまたご愛用のお人形扱い!
 いやー、そりゃもうフリッフリに飾られてさ。うぅ、今思い出すと寒気がするよ」
「その話、まだ続くのか」

ぶるり、と大袈裟に身を震わせてみせたハンナに、深い溜息をついて森崎。

「すぐ終わるって! で、ちっちゃいボクは思ったね。可愛くなくなれば、お姉ちゃんに
 嫌われるんじゃないか。そうしたらお人形から卒業できるんじゃないか、ってね。
 実際、これが名案! ボクって言うようになって、男の子みたいな遊びをしてたら
 リボンもフリルも似合わないって、お姉ちゃんが匙を投げてくれたんだよ」
「そうか、そうか」
『いい天気だねえ』

青空に浮かぶのは、夏の名残の小さな入道雲である。
広い芝生を吹き抜ける風も実に爽やかだった。

「ま、それ以来ボクは自分のことをボクっていうようになったわけ。
 どう、わかってくれた?」
「ああ、よく分かった。とりあえず話を元に戻してもいいかな」
『一歩も進んでないからね』

821 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/13(土) 13:33:45 ID:???
首を振り振り森崎が言うのへ、ハンナがきょとんとした顔で訊き返す。

「元の話ってなんだっけ?」
「……俺がどうしてこんな目に遭ってるのかと、俺がどうしてこんなところにいるのかと、
 ついでに俺がどうして昼日中からこんなに疲れなきゃいけないのかって話だ」

ぐったりとした顔で告げる森崎。

「……とにかくお前、ハンナは、いつものように授業をサボろうと学園の塀を乗り越えたところ、
 何だか知らんがカッコいいお兄さんに抱き止められた、と」
「訂正。自主練に行こうとしたら、何だか知らないけど外人の不審者に抱きつかれてたんだよ」
『見解の相違だねえ』

肩をすくめて言うハンナは、しかし既に言葉ほどの嫌悪感を示してはいない。

「不審者ってお前、突然人の上に落ちてきたヤツに言われたくないんだが」
「うっ……そりゃあ、よく確認せずに飛び降りたボクも悪いけどさ……」

長い時間を走っている内に混乱から立ち直り、客観的に状況が整理できていたものか、
ハンナが怯んだように言葉を濁す。
ここぞとばかりに、森崎が反撃に移ろうと―――



822 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/13(土) 13:36:29 ID:???
*選択

A 「もし事故ってたらどう責任を取るつもりだ」 攻撃するぞ。

B 「あんなとこから飛び降りて、怪我でもしたらどうするんだ」 むしろ相手の身を案じるぞ。

C 「クッ……今頃になって痛みが……! こりゃ、骨が折れてるかもしれねえ」 当たり屋だぞ。
  (必要CP:10)


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『10/13 23:00』です。


******


ちなみにショースカヤとならないのは移民三世で呼称慣習が形骸化しているからです、
といったところで、本日の更新は一旦これまでとさせていただきます。
お付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。


823 :◆W1prVEUMOs :2012/10/13(土) 17:19:06 ID:???

流行のツンデレとかではなくボーイッシュな同性感覚で付き合えるヒロインだと思いました
そんな娘の好感度を上げればツンのない純粋なデレが見れそうなので

824 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/13(土) 18:59:33 ID:???
B怪我してからでは遅いので年上の人間として注意を促すのが良いと思います。

825 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/17(水) 18:35:22 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>822の選択については……

>>823 ◆W1prVEUMOs様の案を採用させていただきます!
おめでとうございます、そしてありがとうございます。
そのレスで、数ヶ月後のハンナの運命が大きく変わりました。
GMの蒙きを啓いていただいたことに敬意を表し、通常のCP3に加えて更に3点を進呈いたします。


>>824
はい、大きな怪我というのは健康な人間が考えているよりずっと深刻な影響を
心身に与えるものですから、きちんと言っておきたいところですね。


826 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/17(水) 18:36:22 ID:???
***

B 「あんなとこから飛び降りて、怪我でもしたらどうするんだ」


反撃に移ろうとした森崎の口をついて出たのは、しかし意外な言葉である。

『うわ、お人好しがいる!』
「……」

言って即座に手の届かない高さまで逃げる相方をじろりとひと睨み、目線を戻した森崎を
こわごわと見返して、少女が口を開く。

「で、でもほら、幸い無事みたいだし……あの、痛いところとかないよね」
「違う」

ぺたぺたと森崎の肘あたりを触りながら言うハンナの取り違えを、森崎が即座に正す。

「……え?」
「俺じゃない、お前のことだ。女の子が危ないことするんじゃない」
「……?」

きょとんとしたハンナが、

「え、あ……!」
「……」

しばらく考えた後、ようやく何を言われているか気づいた様子で目を見開く。
同時、火箸にでも触ったように、森崎から手を離した。


827 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/17(水) 18:37:49 ID:???
「あの、あの、でもさ!」
「でも、なんだ」
「ぼ、ボクいつもああやって抜けだしてるし、ほら、あのくらいへっちゃらなんだから!」
「……」
「え、えへへ……」

戸惑ったように目を左右に泳がせたハンナの口から飛び出すのは、弁明ともつかぬものである。
誤魔化そうとした笑いがひきつるのを真っ直ぐに見ながら森崎が、すう、と息を吸った。

「―――へっちゃらなんだから、じゃない!」
「わあっ!」

怒鳴り声に、ハンナが反射的に首をすくめる。

「昨日はいい、今日も大丈夫、だがもし明日、塀の上でバランスでも崩したらどうする!」
「ぅ……」
「飛び降りる先だって石畳だ! 柔らかくもなけりゃ平らでもない!
 転んで膝っ小僧すりむく程度じゃ済まないんだぞ!」
「……」

猛烈な勢いで叱られるハンナは、既に俯いて顔も上げない。

「洟垂れの子供じゃないんだ。足をやっちまった奴がどういう風に扱われるのか、
 わからないわけじゃないだろ!?」
「……う、うん……」

828 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/17(水) 18:38:50 ID:???
森崎の言葉は実感を伴ったものである。
いくさを生業とする者は、当然ながら生死の境を彷徨うような怪我を負うものも多い。
一命を取り留めたとしても酷い後遺症が残るようであれば仕事を続けることはできなかった。
中でも悲惨なのは四肢、とりわけ足に重篤な障害を負った者たちである。
酷い出血や開放骨折で切断するしかなかったもの、誤って馬や車輪に踏み潰されたもの、
あるいは何らかの衝撃で関節部の骨を複雑に折ったもの、要因は様々であるが、
もはやまともに歩けぬという一点で、彼らは共通している。
歩けぬ者に務まる仕事は、ない。
運良く支えてくれる親族がいれば生きてはいけようが、それらの一生の重荷となる。
そうしてそれもなければ天から金やパンの降るわけもなく、ただひとり野垂れ死ぬのみであった。
彼らを抱える受け皿は、この世に存在しなかった。

「……ごめん、なさい」
「俺に謝っても仕方ねえだろ。つまんねえことで何もかんも台無しにしねえように気をつけろって話だ」
「……はい」
『お、素直でよろしい』

肩を落としたハンナに、ふるりと舞い降りたピコが頷いたのも束の間。

「……で、でも!」
『あら、あんまり素直じゃないかも』

ハンナが、決然と顔を上げて言う。
僅かに潤んだ瞳は、叱られたことにか、それとも怒鳴られたことにか。
否。

「つまんない理由で抜け出してたわけじゃ、ないから。……それだけは、違うから」

その目に宿るのは、もっと強く美しい、何かだ。
たとえば明日や、たとえば希望や、そういうものを真っ直ぐに見るときにも、涙は滲む。

829 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/17(水) 18:39:53 ID:???

「速くなりたい」

その言葉は、だから結晶だ。
混じりけのない思いの、形になって透き通った音を立てる、そういうものだ。

「もっと、もっと。速く走りたいんだ。誰よりも」
「……」

走る、と。
そのことを告げるとき、ハンナの瞳はより一層の輝きを帯びる。
何を指して言うのか、詳しいことは森崎にはわからない。
わからないが、ハンナにとってそれがこの世で最も尊ぶべきものであるとは、理解できた。

「学校で机に向かってると、わーって。胸のところ、ぐしゃぐしゃにしたくなって。
 こんなことしてるときじゃないって。走らなきゃって思えて、走らなきゃ置いてかれるから」

ハンナの手が、握り締めた制服に皺を作る。
たん、たん、と。感触を確かめるような足踏みが、平らに均された芝生を叩く。

「負けたくない。追いつきたい。勝ちたい。だけど」
「……」
「何していいのかわかんなくって、ただがむしゃらに走るしかできなくって。
 だったら、ボクの時間ぜんぶ、それに使わなきゃって思ったら、もう我慢できなくて」
「……それで学校、抜けだしたか」

森崎の問いかけに、こくりと頷くハンナ。
ため息をついた森崎が、その潤んだ瞳を見返して、言った。

「あのな、ハンナ―――」

830 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/17(水) 18:41:53 ID:XxV5YV8+

*選択

A「学生の本分は勉強だ。それさえできない奴に他のことができるか」

B「鍛錬はやり過ぎりゃいいってもんじゃないんだ」

C「だったら尚更、怪我なんてしてる場合じゃないだろ」


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『10/17 24:00』です。


******


セーフティネットって素敵ですよね…といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
お付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

831 :◆W1prVEUMOs :2012/10/17(水) 20:21:05 ID:???

今の行動に成果が無いことを示して無茶をやめさせる
上から押さえつける選択ではなくやめる理由(逃げ道)を作ってあげたい
実際、置いていかれる不安からただただ走っているだけでは技術も身に付かないでしょうし

832 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/17(水) 21:35:45 ID:???
B速く走る為には休養も大切だ。それに速く走る為って言っているが食べる物に気を使ってるのか?
又は体の効率的な動かし方を知ってるのか?
それを知るためにも勉強ってのは結構大切なんだぞと勉強も早く走る為に役立つ事を教える。

833 :◆9OlIjdgJmY :2012/10/17(水) 23:58:12 ID:???
B
森崎の自戒の念もこめて。

834 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:17:53 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>830の選択については……

>>833 ◆9OlIjdgJmY様のご回答を採用させていただきます!
はい、ヤングとの絡みですね。
数カ月前のことをよく覚えていて下さいました!
がっつり本編に盛り込ませていただきます。
CP3を進呈いたします。

また>>831 ◆W1prVEUMOs様、>>832 さら ◆KYCgbi9lqI様のご回答も
それぞれの切り口がなるほどと思わせるもので、本編に反映させていただきました。
CP1ずつを進呈いたします。


835 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:18:54 ID:???
***

B「鍛錬はやり過ぎりゃいいってもんじゃないんだ」


「……え?」

頭ごなしの否定を覚悟していたものか、ハンナが肩透かしを受けたように森崎を見る。

「ちょっと前、な」

そんなハンナをじっと見つめ、森崎が重い口を開く。

「俺も、今のお前みたいな落とし穴に嵌ってたんだ。ただ焦って、闇雲に剣を振ってた」
「……」
「怖かったんだ。こんな、鈍った腕で戦えるのか。次の戦場で屍晒すのは俺じゃないか。
 そんな嫌な想像から逃げるみてえに身体を虐めてた」
「でも、それは……」

ハンナが、森崎の目を見て言いかけた言葉を収める。

「ある人に無理やり休まされたら、途端にぶっ倒れたよ。身体の方はとっくに限界超えてたのに、
 言われるまで気づかなかったんだな。間抜けな話さ」
「……」

森崎が自嘲気味に口の端を上げて、続ける。

「あのまま続けてたら、きっと酷い怪我をしてた。肘か、背中か、腰か、その全部かもな。
 それこそ、もう剣を握れないような怪我、だ」
「……!」

836 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:19:58 ID:???
言った森崎がその、古傷とタコとで奇妙に固くごつごつと変質した拳に目をやると、
握り、開いて、軽く肩をすくめてみせる。

「そうでなくたって、結果に繋がらねえ鍛錬で無駄に疲れきって、肝心の戦場でくたばってたかもしれねえな。
 頭ン中に靄がかかってると、そういうことが見えねえんだよ」
「……」

すっかり黙りこんでしまったハンナに、森崎が視線を戻すと、言う。

「……あん時、俺が止めてもらえたのは巡り合わせだ。
 そういう人に会えたから、俺はまだここにこうしていられる」

今は亡き男の、当時は理不尽と思えた背中を思い返しながら。

「だからな、ハンナ。巡り合わせ……俺の故郷じゃ縁、つーんだがよ」
「エン……」

その響きを繰り返したハンナに、森崎が一つ頷く。

「その『縁』で今日、お前と会った俺が言うぜ」
「……」
「焦りに背中押されるような鍛錬はやめな。そいつはいつか、お前自身を傷つける」

無人の公園の、さわさわと芝生をざわめかせる涼風が、吹き抜ける。
風に靡く髪が目にかかるのも構わず、真っ直ぐに自身を見返すハンナに、森崎が告げる。

「目標を定めて、計画を立てろ。今日のことを朝になってから決めるな。
 お前は一年後にどうなっていたい? 半年後には? 来月はどうだ?
 そういう風に考えていけば、しなけりゃならないことは向こうから見えてくる」
「……」

こくりと、神妙な表情でハンナが頷く。

837 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:21:01 ID:???
「怠るな。無駄を省け。疲れのどん底で無闇にやる鍛錬なんざ無駄の骨頂だ」
「……はい!」

うん、ではなく。
はい、と。
打てば響くような返事に、森崎がぽんとハンナの肩をひとつ叩いた。

「それとな、ハンナ。学校もサボってないでちゃんと行け。
 お前、読み書き以上の学問なんざ何の役に立つ、なんて思ってるだろ」
「う……」

図星を突かれたか、ハンナの神妙な顔がたちまちに崩れる。

「俺だってそこまで学のある方じゃねえ、そう偉そうなことは言えないが……ありゃな、頭を使う練習だ」
「……?」

怪訝そうな顔のハンナ。
どう説明をしたものかと、森崎が身振りを交えながら慎重に言葉を選んでいく。

「走るってことに絞ったって、どう身体を動かすか、どう鍛えるか、どう練習を組み立てるか、
 どう時間を使ってどういう戦略を練るか……頭使わなきゃならんことはいくらでもある」
「……」
「学問が面倒だって奴はな、段々そういう、考えること自体が面倒だって思うようになる。
 いざって時に、必要なことを見聞きして覚えるってことができなくなるんだよ」

ぴしり、と森崎がハンナを指さして言う。
眼前に突き付けられたその指を、寄り目になりながら見つめるハンナに、森崎が続ける。

「わかるか? 大事なのは、どんな学を積むかじゃねえ。頭の使い方を覚えてこいってこった。
 必要だと言われたことを頭に刻んで忘れねえ癖を、わざわざつけさせてくれるってんだから
 ありがてえ話じゃねえか。それも日々の鍛錬、だぜ」
「う〜……はい」

838 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:22:14 ID:???
しばらく唸っていたハンナが、僅かに肩を落としながら首肯するのを見やって苦笑した森崎が、
ふと空を見上げる。
初秋の太陽は既に天頂近くまで昇っていた。

「……おっと、つい長々と説教しちまったな」

よっと、と声を上げながら立ち上がる森崎。
長時間座り込んでいた腰が痺れたように痛むのを揉みほぐす。

「ま、俺が言いたいのはそれだけだ。後はお前次第だ、頑張んな」
「―――ちょっと、待って!」

片手を上げ、立ち去ろうとした森崎を止めたのは、声だけではない。
ハンナの手が、がっちりと森崎のズボンの裾を掴んでいた。

「……まだ、何かあんのか」
「あの、……その、お願いが」
「お願いィ?」
『ふぁ……話、終わった? って』

今の今までどこをふらついていたものか、欠伸をしながらふわりと舞い降りてきたピコが
縋りつくハンナを見下ろして、呆れたように言う。

『……あたし、この先どうなるか、大体わかる気がするよ。言ってあげようか』
「……」

いらん、と目線だけで答えると、森崎がハンナの言葉を待つ。

「さっきの話……鍛錬の。戦場に出る、っていうし。それと、その髪……」

ハンナが見上げるのは、森崎の黒髪である。
陽光の下でもなお漆黒を保つ髪は、南欧ではやはり珍しい。

839 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:23:15 ID:???
「ね、こないだの戦いで活躍したっていう傭兵の隊長さん……だよね」
「あー、まあ、活躍したかどうかは知らんが……傭兵は、傭兵だ。今は隊長でもある……が」
『またまた、照れちゃって』
「……」
『わあっ! 何するのさ!』

退屈していたのかやかましく茶々を入れるピコを、何気なく腕を伸ばす仕草を装って追い払う森崎。
暗闘に気づいた風もなく、ハンナが何度も頷く。

「……やっぱり」
「だったらどうした」

しばらく森崎を見上げたままでいたハンナが、森崎から手を離して立ち上がる。
と、意を決したように口を開いた。

「練習、みてほしいんだ」
「……は?」

予想外の言葉に、思わず訊き返してしまう森崎。

「ボクの練習。走るとこ、見てほしい。それで、直せるところがあったら教えてほしいんだ」
「なにィ!? 何で俺が……」
『まあ、競技は素人だしねえ』

懲りずにまとわりつく相方の言葉も、今度ばかりは正論である。
しかしハンナは訥々と続ける。

840 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:24:15 ID:???
「ボク、ずっと独りで練習してるから……教えてくれる人もいないし。
 今の練習でいいのか悪いかも、よくわかんなくなってきてて、それで焦ってたんだ。
 ……でも、だからさっきの話、こう、ずーんって響いたんだよ!」

言ったハンナが、森崎の手をとって、縋るように言う。
意識しているわけでもないだろうが、距離は互いの身体の温もりを感じるほどに程近い。

「ね、お願い! 一回、一回みてくれるだけでもいいから!
 これも……『エン』だと思って!」



*選択

A 「しゃーねえ……乗りかかった船だ!」 快諾する。

B 「ったく……一度だけでもいいんだな?」 渋々承諾する。

C 「俺、忙しいんだってば……」 一応抵抗してみる。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『10/18 24:00』です。


841 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/18(木) 18:25:26 ID:9+77bZxM
******

森崎、年上モード。といったところで、
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
お付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

842 :森崎名無しさん:2012/10/18(木) 21:29:16 ID:???
A一度だけって事なので快諾してあげた方が良いと思います。
本来は陸上専門の人に観て貰わないといけないんだぞと言っといてあげたいと思います。

843 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/18(木) 21:30:17 ID:???
A一度だけって事なので快諾してあげた方が良いと思います。
本来は陸上専門の人に観て貰わないといけないんだぞと言っといてあげたいと思います。

844 :◆W1prVEUMOs :2012/10/18(木) 22:35:46 ID:???

この縁をこれから何度も出会う縁にするために

845 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:39:57 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>840の選択については……

>>843 さら ◆KYCgbi9lqI様のご回答を採用させていただきます!
「気のいい」森崎らしい返答ですね。
ただ世の常として、一生のお願いというものほど何度でも来るものでして…w
ともあれCP3を進呈いたします。


>>844
はい、この出会いもきっと強い縁となるでしょう。
というかこの先しばらくはハンナともう一人絡みのイベントが続いたりします。
収穫祭を挟んだりはしますけど。

846 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:41:07 ID:???
***

A 「しゃーねえ……これも乗りかかった船だ!」


森崎がそう口にした瞬間、ハンナの笑顔が弾けた。
夏の太陽のような、直視するには眩しい笑顔である。

「やった! ありがとう、……え〜っと、」
「森崎。森崎有三だ。ったく、名前も知らない奴に頼むなよ」

半ば呆れながら言う森崎に、

「ありがと、モリサキコーチ!」
「なにィ!?」

抱きつかんばかりの勢いでハンナが喜んでいる、その目の前で森崎は何気ない呼称に愕然とする。

「コーチ、だと……?」
「え? だって教えてくれるんだからコーチでしょ?」
『あ〜あ……ま、いつものことだけどね』

何かおかしいかな、と一切の疑問を持たない顔で訊き返すハンナに、
森崎が慌てたように答える。

「いや、だから俺、素人だっつーの。コーチなんて呼ばれるような目も知識もねえよ!
 それでもよけりゃ一度くらいのアドバイスはしてやるけどな、ホントは専門家に見てもらった方が、」
「お金がない」
「う……」

にべもない返事である。

847 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:42:08 ID:???
「そういう人はだいたい、貴族とかお金持ちに雇われちゃうんだよ。
 ボクなんかには会ってもくれない」
「そ、そんなもんか……」
『まあ、プロは報酬で動くものだからねえ』

二の句が継げず森崎が黙るのへ、ピコがその肩に舞い降りてぽむぽむと頬を叩く。
慰めているつもりなのか、からかっているのかは判然としない。
考えてみれば、そう不思議な話でもなかった。
森崎自身、より良い条件を求めて流浪する傭兵である。

「ま、ないものねだりしてても仕方ないし! 練習始めよ、コーチ!」
「慣れねえなあ……せめてモリサキって呼んでくれねえかな」

あっけらかんと言い放つハンナが、森崎の手をとって公園の半ばへと歩き出そうとする。
ほとんど引きずられながら呟いた森崎に、ハンナが振り返った。

「ん? 何か言った、コーチ?」
『諦めが肝心だよ、コーチ!』
「もういいや……」

深いため息は諦念と、気分の切り替えの合図である。
顔を上げた森崎の表情には既に暗さは残っていない。

「けどな、練習つっても、俺まだ何にも知らねえぞ。走るってことしか聞いてねえ」
「うん、そうだね。じゃ、まず軽く説明しておくよ」
「そうしてくれ」

頷いて、森崎へと向き直るハンナ。


848 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:43:10 ID:???
「走るっていっても、ボクがやってるのはマラソンとかじゃなくてね。
 六アルパンの短距離走なんだ」
「六アルパン……てえと、凡そ四町か」

聞いた距離を、森崎は自身に馴染みのある単位に換算しようとする。
それを耳にしたハンナが、胡乱げに聞き返す。

「シチョウ?」
「ああ、俺の故郷での長さの数え方だ」
「ふぅん、面白いね」
『九分の一里くらいかあ。……それって短い距離っていうかな?』
「まあ、大体わかった。続けてくれ」

言われたハンナが、今度は森崎から数歩離れて広大な芝生の向こう側を指した。

「この公園……走る以外にも色んな競技ができるようになってるんだけどね。
 あの真ん中くらいに、芝生が切れてるところがあるでしょ?」
「ああ……確かに」
「あそこが、トラック。ボクたちの戦場」

ハンナの指差す先、運動公園の中心近く。
大きな楕円を描くように芝生が途切れ、赤土が覗いている。

「あれの縁をぐるっと一周するのが、ちょうど六アルパン」
「そりゃ、わかりやすくて助かるな」

なるほど、と森崎が頷く。
となればコースの構成は長い直線だけでなく、二度の大きな曲線を含むことになる。
距離からしても瞬発力だけでなく持久力、そして曲線をいかにしてスピードを落とさずに
曲がりきるかという技術も求められる、難しい競技であろうことが想像できた。

849 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:44:10 ID:???
と、そんなことを考える森崎にハンナが何気なく説明を継続する。

「スポーツの祭典で使うのは、競技場の中にあるトラックだけどね。大きさは同じなんだ」
「ちょっと待て、スポーツの祭典って?」

さらりと出てきた単語に、森崎が引っかかる。
一瞬、怪訝そうな顔をしたハンナがすぐに合点がいったというように首を縦に振った。

「……ああ、そっか。コーチは傭兵さんだから、この春にドルファンに来たんだよね。
 なら知らないのも無理はないね」

うんうん、とひとり頷いたハンナが、どこか得意げな顔で続ける。

「毎年十一月に、そういう催しがあるんだよ。スポーツの競技会。
 王室主催で、すっごく大掛かりなんだ!」

両手を広げ、大袈裟な身振りを交えて言うハンナ。

「何日もかけて、色んな競技……ボクがやってる競争や、マラソン、水泳、ナインピンズ、
 やり投げ、幅跳び、高飛び、フットボール……とにかく色んなもので一番を競うんだよ。
 首都城塞だけじゃなくて、この国全部から選手が集まってくるんだから!
 で、舞台は―――あそこ」

目を輝かせながら言ったハンナが、びしりと指さしたのは広大な運動公園の遥か向こう、
森崎が立つのとは反対側に位置する、巨大な建造物である。

「あれは……確か」
『スタジアム、だね』

850 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:45:11 ID:???
その石造りの白い巨体は、遠く距離を隔てた場所からでもひどく目立つ。
伝統的なオリンピア様式を模した、ドルファン文化の雄。
堂々たる聳えこそが、ドルファン王立運動競技場。
通称、スタジアムである。

「ボクが目指すのは」

と、ハンナがそのスタジアムをじっと見つめながら言う。

「あそこで一等になることなんだ。……今まで、一度も取れたことはないけど」
「あー……っと、ハンナ」

森崎が、何らかの思いに耽ろうとするハンナを引き戻すように声をかけた。
気になることが、あったのである。

「お前、その祭典に出るのは今年が初めてってわけじゃないんだよな?」
「うん。去年までは子供の部だったけどね。今年からは平民女性の部」
『子供の部は平民とそれ以外の区別、ないのかな』

くるりくるりと中空を舞いながらピコが疑問を口にするが、森崎にとっては
それ以上に聞かなければならないことがあった。
言葉を選ぶように、唇を湿らせながら言う。

「で……その。これは一応、教えるための参考にするんで気を悪くしないでほしいんだが」
「二等」

先回りされた。
あっさりとした、それは湿り気のない回答である。

851 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:46:50 ID:???
「ボクがどのくらいの位置にいるのか、でしょ。コーチだもん、聞くのは当たり前。
 怒ったり拗ねたりなんて、しないよ」
「……」

ハンナという少女、こと競技が絡むと森崎の想像をあっさりと踏み越えるところがある。
それ以外のときに見せる姿とはまるで違う人間がそこにいるようですらあった。
思わず言葉を失った森崎を前に、ハンナが淡々と、告げる。

「子供の部で、二番目。去年も、一昨年も、その前も。ボクはこの国で二番目だった。
 大人の部でどうなるかはわかんないけど……このままだと、多分、同じ」

国全体から選手が集まるという競技会で、二等。
門外漢の森崎からすれば、それが意味するのは栄光であるように思える。
しかし、少女の顔に喜悦の色は一切浮かんでいない。
代わりにそこにあったのは、情念である。
灰の中にちろちろと燃える熾火のような、触れれば肌を焼く、炎。

「それは……」
「去年もその前も、ボクの上で一等になってるのは一人だけ。同い年なんだ。
 だから今年はあいつも大人の部に出てくる」

あいつ、と呼ぶとき、ハンナの口角がぎり、と引き絞られる。
牙を剥く獣。あるいは、戦士。
そういうものを彷彿とさせる、それは少女という衣を脱ぎ去った競技者の顔である。

「ボクは、あいつに勝ちたい。勝って、一等になりたいんだ」
「あいつ、ってのは」

852 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:47:50 ID:???
ごくり、と。
生唾を飲みながら訊いた森崎の姿を、ハンナの目は映さない。
映さないまま、どこかここではない遠くを見つめ、少女はその名を口にする。


「―――リンダ・ザクロイド。ボクより速い、この国でたったひとりの女だよ」


******

853 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:48:53 ID:???
※システムメッセージ※

ハンナの練習はミニゲーム形式で行われます。
結果によってハンナにスキルを覚えさせることができます。
基本的には本戦に備えたテストプレイとなりますので成功や失敗はありませんが、
初練習の結果によってハンナのレース特性が判明します。
また練習後に覚えられるスキルは判明した特性と選択によって異なるものになります。

競技は6アルパン(約420m)の徒競走となっており、ゲーム的には1アルパンごと、
6つのセクションで判定を行いながらスコアを稼いでいくシステムとなります。
本戦ではゴール時点で最もスコアが高い(=タイムがいい)選手が優勝となります。

それぞれのセクションは

1.スタート
2.コーナー1
3.バックストレート1
4.バックストレート2
5.コーナー2
6.ホームストレート

という名称となっております。
またセクションごとの基本スコア判定式は

セクションスコア=基礎値*{1+(! numnum/100)}

※端数切り捨て。また00は100として扱う。

となっています。
つまりダイスの目によって基礎値の1.01〜2.00倍のスコアが出ることになります。
またここに各種スキルの補正が加わり、セクションスコアとなります。
それぞれのセクションスコアがすべて加算されることで、最終的なスコアとなります。

854 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:50:22 ID:???
******

「よし、とにかく走ってるところを見なきゃ始まらねえ」
「うん、そうだね……っと」
「うぉい!? お前、何やってんだ!」

森崎が慌てるのも無理はない。
頷いたハンナがシャツのボタンに手をかけると、だしぬけにそれを上から外し始めたのである。
ベストがするりと肩から落とされ、ぷちぷちと白いシャツがはだけるとハンナの小麦色の鎖骨が
見る間にあらわになっていく。

「わ、おい、そういうのは……!」
「へへ……すぐ練習できるように、制服の下に着ておいたんだ。……って、何やってんの?」
『……ばか』

背中を向け、何も見ないように亀のように蹲った森崎に突き刺さるのは、相方の冷たい一言であった。

***

「……うん、こんなもんかな」

入念な柔軟体操とウォームアップを終え、ハンナが森崎に声をかける。

「じゃ、始めるよ。しっかり見ててね」
「おう。全力を見せてくれ」

森崎の言葉に、ニヤリと口の端を上げるハンナ。

「言われなくたって!」

悪戯っぽく笑ってみせたハンナの顔から、しかし一歩ごとに笑みが抜けていく。
スタート位置に近づくその身が纏うのは、一種独特の気配である。

855 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:51:31 ID:???

(いい気合じゃねえか。伊達や酔狂じゃねえ。
 こいつはこいつなりに命、張ってる……ってわけだ)

森崎の見守る前で、ハンナが屈むようにスタートの姿勢を取る。
合図はない。号砲もない。
二人の他には誰の姿も見当たらない広大な公園の、音のないトラックで、刹那。
少女がスタートを切った。


******


エントリーNo.1
ハンナ・ショースキー
基礎値:94
特性:不明
スキル:なし
PBスコア:846(D25.11 スポーツの祭典 本戦)


参考値
子供の部 歴代1位記録:947 (D25.11、リンダ・ザクロイド)


******

856 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 18:52:37 ID:l/JwoCrA

*スタート

セクションスコア1= 94*{1+(! numnum/100)}

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
00は100として扱います。

基本ルールは>>853となります。

857 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/19(金) 19:01:12 ID:???
セクションスコア1= 94*{1+( 73 /100)}

858 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 19:18:45 ID:l/JwoCrA

 
セクションスコア1= 94*{1+(73/100)} =162


「ふむ……スタートに問題はないみたいだな。体の起こし方もスムーズだ」
『……結局ノリノリだよね、キミ』

疾走するハンナの一挙手一投足も見逃すまいと、顎に手を当てながら鋭い眼差しを向ける森崎に、
傍らにふわふわと舞うピコは小さな肩をすくめて白い目を向けるのだった。
既に第一コーナーに入りつつあるハンナは無論、そんなやり取りを知るはずもない。


*コーナー1

セクションスコア2= 94*{1+(! numnum/100)}

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
00は100として扱います。

スタート:162
計:162


859 :◆W1prVEUMOs :2012/10/19(金) 19:38:26 ID:???
セクションスコア2= 94*{1+( 41 /100)}

860 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 19:58:27 ID:l/JwoCrA

セクションスコア2= 94*{1+(41/100)}=132


「ん……? カーブはあまり得意じゃないのか」

森崎が漏らしたのは、ハンナが第一コーナーを半ばまで過ぎたあたりのことである。
快調なスタートは裏腹に、微妙な失速が見て取れた。

「体重移動が甘いんだな……体幹の捻りが浅いから曲がろうとしても無駄に力を持ってかれちまう」
『キミ……詳しいね』
「まあ、その手の体捌きについちゃこっちも専門みたいなもんだからな」

などと話す間にも、ハンナはコーナーを抜けてバックストレートに入ろうとしている。


*バックストレート1

セクションスコア3= 94*{1+(! numnum/100)}

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
00は100として扱います。

スタート:162
コーナー1:132
計:294


861 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/10/19(金) 20:22:19 ID:???
セクションスコア3= 94*{1+( 39 /100)}

862 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 21:08:04 ID:l/JwoCrA

セクションスコア3= 94*{1+(39/100)}=130


「立て直しが今ひとつだな……やっぱりカーブの失速が響いてるぜ」

バックストレート前半、傾いだ上体を起こしつつ加速に乗っていくべき直線で、
ハンナはまだトップスピードに乗りきれていないように森崎には見えた。

「苦手意識が根付く前に何とかしたいところだが……ううむ、難しいな」
『……一度だけ、ってね。まあ、いいけど』



*バックストレート2

セクションスコア4= 94*{1+(! numnum/100)}

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
00は100として扱います。


スタート:162
コーナー1:132
バックストレート1:130
計:424

863 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/19(金) 21:42:04 ID:???
セクションスコア4= 94*{1+( 06 /100)}

864 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/19(金) 22:21:27 ID:l/JwoCrA

セクションスコア4= 94*{1+(06/100)}=99


「……厳しいな」
『うーん、疲れてきたのかな?』

森崎とピコとがほぼ同時に目を見交わす。
ハンナの足運びは、それほどに乱れていた。

「なまじスタートが良すぎたか……?」
『そういうものなの?』
「ま、俺らは嫌ってほど重い鎧やら何やら担いでひたすら走るだけだから、
 確かなことは言えねえが……自分のペースを守れなくなるってのは、怖いぜ」
『ふぅん……』

バックストレートから曲線を辿って近づいてくるハンナの顔は、苦しげに歪んでいる。


*コーナー2

セクションスコア5= 94*{1+(! numnum/100)}

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
00は100として扱います。


スタート:162
コーナー1:132
バックストレート1:130
バックストレート2:99
計:523

865 :◆W1prVEUMOs :2012/10/19(金) 23:22:39 ID:???
セクションスコア5= 94*{1+( 60 /100)}

866 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/20(土) 00:03:58 ID:IfuaKHGs

セクションスコア5= 94*{1+(60/100)}=150


「お……?」
『あら、頑張るねえ』

コーナー突入前にはストライドも安定せず、もはや限界かと見えたハンナであったが、
しかしそこからの伸びは森崎をして目を見張らせるものがあった。
崩れかけたフォームが最終コーナーに入った途端、見違えるように整ったのである。
それは最後の意地であったろうか、それとも限界の果てに身体が覚えた日頃の反復練習が顔を覗かせたものか。

「よし、そのまま立て直せ……! 最後のスパートだ!」

森崎の待つゴールラインまで、あと僅かである。


*ホームストレート

セクションスコア6= 94*{1+(! numnum/100)}

※ ! と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。
00は100として扱います。


スタート:162
コーナー1:132
バックストレート1:130
バックストレート2:99
コーナー2:150
計:673


867 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/10/20(土) 00:04:28 ID:???
セクションスコア6= 94*{1+( 19 /100)}

868 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/20(土) 01:25:25 ID:???

セクションスコア6= 94*{1+(19/100)}=111


スタート:162
コーナー1:132
バックストレート1:130
バックストレート2:99
コーナー2:150
ホームストレート:111
計:784


***


しかし、復調もそこまでだった。
最後の直線に差し掛かるや、ハンナは足取りを乱す。
再び大きく失速したのである。

「……っ!」

ようやくにしてゴールラインを超えた途端、糸が切れたように倒れかけるハンナ。
その身体が土に塗れるより一瞬早く、駆け寄った森崎が抱き止める。

869 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/20(土) 01:26:42 ID:???
「……っと! 大丈夫か、ハンナ!」
「へ、へへ……」

小麦色の肌を垂れ落ちる汗に、森崎の腕にぐったりと体重を預けるハンナが滑り落ちそうになる。
かろうじて抱え直したその身体は、内に秘めた熱をすべて解き放つように熱い。

「おい、大丈夫か!?」
「ちょっと……、はりきり、すぎた……かな」

荒い呼吸の中で無理やりに笑みの形を作ってみせる、その紅潮した顔が痛々しかった。

「あは……。コーチにいいとこ……みせたくて」
「馬鹿! ……大事なときほど平常心、だ」
「はぁい……」

渋面を作る森崎の腕の中、首肯しようとして身じろぎするハンナ。
何はともあれ少女を休ませるべく、森崎はその肩を抱えるようにして芝生へと移動する。

「……」
「……」

懐中から取り出した手拭いを芝生に敷くと、その上にハンナを寝かせる森崎。
そのまま静かに呼吸を整えていたハンナが上体を起こしたのは、しばらく後のことである。

「……ふぅ」
「もう起きて大丈夫か?」
「うん、平気。……ありがと、コーチ」

少し照れくさそうに言うハンナに、森崎が深々とため息をついて首を振る。

870 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/20(土) 01:27:43 ID:???
「ったく……お前、一人でも今みたいにぶっ倒れてたのか」
「うん……まあ。えへへ」
「えへへ、じゃない!」

森崎の一喝に、雷に打たれたように身をすくめるハンナ。

「うぅ……ごめんなさい」
「あの距離だ、気ぃ入れて一本走るだけでもキツいってのはわかるが……」
「はい……今日、コーチに言われたことは忘れないよ。もう無茶な追い込み方はしない」

しゅん、と項垂れたハンナだったが、しかしすぐに顔を上げると森崎ににじり寄って言う。

「……で、コーチ!」
「何だなんだ、……暑苦しいっての」

鼻先を掠めるほどに近づいてくるハンナの額を押し返す森崎。
どうもこの少女の距離感には馴染めない、と辟易するその眼前で、きらきらと煌めくのは瞳である。

「どうだった!?」
「どうって、あー……」

聞かれていることはわかっている。
走りを見ろ、というのは単に見物しろという意味ではない。

『さっき、散々あれこれ言ってたじゃない』

声は森崎の頭のすぐ後ろから響いてきた。
どうやら後ろ髪にぶら下がっているらしい小さな相方の言葉に、森崎はハンナのレースを思い返す。

871 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/20(土) 01:28:50 ID:???
(そうだな……)

今から思えば、スタートは実に好調だったといえる。
しかしそれが仇となったのかカーブで崩れ、バックストレートではスタミナを使い果たして失速。
最終コーナーで僅かに持ち直すものの、その気力は長続きせず直線でも伸び悩んだ。

(これらから判断するに―――)

ハンナは『持久力に不安』があり『第一コーナーが苦手』である。
しかし反面『スタートが得意』で『逆境での根性』も備えている、といえるだろう。

******


※ハンナの特性が決定しました。

『スタート得意』:スタートでのスコア倍率が10%アップします。
『逆境での根性』:ダイスが20以下だった場合、次のセクションでのスコア倍率が30%アップします。
『第一コーナーが苦手』:コーナー1でのスコア倍率が10%ダウンします。
『持久力に不安』:バックストレート2のスコア倍率が10%ダウンします。


******

これらを踏まえた、森崎のアドバイスは―――


872 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/20(土) 01:34:09 ID:IfuaKHGs
*選択

A 長所を伸ばすようにアドバイスする:『スタート得意』
(特性効果を30%にします)

B 長所を伸ばすようにアドバイスする:『逆境での根性』
(特性効果を「ダイスが30以下だった場合」に強化します)

C 短所を克服するようにアドバイスする:『第一コーナーが苦手』
(マイナス補正が消え、当該セクションのダイスに10加算されます)

D 短所を克服するようにアドバイスする:『持久力に不安』
(マイナス補正が消え、、当該セクションのダイスに10加算されます)


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『10/20 23:00』です。


******


レースのバランス調整に結構時間を取られました…といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。


873 :◆W1prVEUMOs :2012/10/20(土) 14:15:46 ID:???

システム的メリットは数値加算を減らせられることで
個人的には勝負根性があるキャラが好きだから

874 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/20(土) 18:31:28 ID:???
A初めのアドバイスとしては、長所を伸ばす方が良い様に思います。短所を直そうとすると萎縮してしまうかも知れない。

875 :◆9OlIjdgJmY :2012/10/20(土) 22:02:59 ID:???
C
スタートが得意でも第一コーナーですぐ失速するんじゃ宝の持ち腐れだ!とか。
あと、数値加算するかどうかは終盤に判断したいので、前半でスコアを稼げるように。

876 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/22(月) 18:33:56 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>872の選択については……

>>873 ◆W1prVEUMOs様のご回答を採用させていただきます!
なるほど、確かに数値加算の検討には強いスキルかもしれません。
CP3を進呈いたします。

また>>875 ◆9OlIjdgJmY様の、勝負の行方を見極めてからポイントをつぎ込むかを
判断するためという考え方も実に合理的ですね。
次点としてCP1を進呈いたします。
ハンナのスキルアップの機会はこれが最後ではありませんので、
次の機会にも検討してみて下さいね。


>>874
初心者に対するコーチングの基本としてはその通りですね。
いいところを探して褒めながらうまいこと技術的な修正を施していくのが肝心です。

877 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/22(月) 18:34:57 ID:???
***

B 長所を伸ばすようにアドバイスする:『逆境での根性』
(特性効果を「ダイスが30以下だった場合」に強化します)


「ハンナ。俺が見たところ、お前には幾つかの欠点がある」
「う……」

突然の指摘に、ハンナが面食らったようにのけぞった。
そんなハンナを前に腕組みをしたまま、森崎は重々しく続ける。

「だが、それ以上に光るものが、お前には備わっているように思えた。それは……」
「それは?」

緊張の面持ちで森崎の言葉を待つハンナ。
こくり、と小さく喉が動いた。
たっぷりと間をとって、森崎が口を開く。

「それは―――根性だ」
「え」

一瞬、訪れた静寂はハンナの意識の空隙であっただろうか。

「え……ええー!?」

引いた波が再び押し寄せるように、ハンナが叫ぶ。
がしりと、森崎の腕を掴んだ手に込められる力が当惑の度合いを示していた。

878 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/22(月) 18:35:58 ID:???
「こ、根性って、それ精神論っていうんじゃ……そうじゃなくて、もっとこう、
 テクニック的なものとか、東洋に伝わる秘密の奥義とか、そういう……」

ぎりぎりと腕を締め付けながら食ってかかるハンナに、森崎がすうと息を吸うと、雷を落とす。

「―――ばかもーん!!」
「うわっ」

飛び退くように手を離したハンナに、森崎が向き直ると真面目な顔を作る。
何かを察したか、ハンナもまた居住まいを正して森崎に正対した。
頷いて、続ける。

「俺は短距離走については素人だ。技術的なことを言っても的外れかもしれねえ。
 だがな、こと誰かと戦うって点についちゃ、これでも日々タマ張ってる本職よ」
「……」
「その俺が言うぜ。お前の走りで一番の武器になるのは、その向こうっ気の強さだ」

向こうっ気、と口の中で呟くハンナ。
浮かぶ困惑は、隠しきれていない。

「お前、さっきの走りだけどな。向こう正面でもうヘロヘロだっただろう」
「う……はい」
「それで、どうだ。そのままへばったか。もうダメだ、諦めようと思ったか」
「そんなわけ、ない!」

即答だった。
答えに迷う余地がないという、それは一直線の声音。

「走ってれば苦しいのは当たり前だよ。足だって胸だってお腹だって頭だって、
 全部ぜんぶ笑っちゃうくらい痛いよ。だけど、そこからなんだから!」
「ほう、何がそこからだ」

879 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/22(月) 18:37:11 ID:???
探るように尋ねる森崎に、ハンナが決然と言い放つ。

「勝負だよ! 勝負はそこから始まるんだ! 苦しくて、痛くて、だからって
 そこで諦めたら、ボクより前にいるやつには絶対に追いつけない!」
「そうだな」
「だから、ボクは諦めたりなんかしたこと、ないよ! 足が動かなくなっても、
 気持ちだけは……って、え?」

なおも何かを言い募ろうとしたハンナだったが、森崎があっさりと頷いたのに一足遅れで気付き、
戸惑いの表情を浮かべる。
そんなハンナに、森崎がにやりと笑って言った。

「それだよ。それがお前の武器だ。苦しいとき、どん底だろうと限界だろうと
 絶対に食らいついてやるって気持ちの強さが、ハンナ、お前を育てたんだ」
「……そう、かな」
「おう」

困惑を拭いきれぬハンナの背中を押すように、森崎がはっきりと頷く。

「だから、磨きな。手前ぇの胸や腹や頭ン中にある武器ってのは、磨いてやらなきゃ錆びついちまう。
 けどな、丁寧に手入れしてやれば、いつまでだってお前を助けてくれるもんなんだぜ」

ぐっと拳を握り、森崎がハンナの眼前に突き出す。

「戦えよ、ハンナ。お前の武器と一緒に」
「……はい。……はい!」

返事は二度。
一度目は、噛み締めるように。
二度目は、拳と共に。

「頑張んな。俺も、遠くから気にはかけてるからよ」

880 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/22(月) 18:40:03 ID:???
こつりと、拳のぶつかる音と感触。
その小気味良さを最後に、森崎が立ち上がる。

「はい! また今度、お願いしますっ!」
「おうよ。……って、なにィ!?」

尻についた芝生を払っていた森崎が、ハンナの言葉に目を剥いた。
思わず振り返ったその眼前にあったのは、しかし悪戯っぽい笑みである。

「あははっ、冗談だよ! 忙しい隊長さんに、あんまり迷惑かけらんないもんね」
「勘弁してくれよ……」

安堵のため息をついた森崎に、ハンナもまた立ち上がって真っ直ぐに森崎を見据えると、言う。

「今日教わったこと、全部。一つも、忘れないよ。それで、ボクなりにやれるところまでやってみる。
 ……怪我とか無茶はしないようにするからね」
「ああ、そいつはくれぐれも頼むぜ」

頷いた森崎に、ハンナが今度ははにかんだような笑顔を浮かべる。

「でも、再来月のスポーツの祭典は見に来てよね! 絶対だからね!」
「覚えとくよ」
「うん!」

しっかりと頷く姿を見届けて踵を返した森崎の背に、ハンナの声が響く。

「じゃ、またね! コーチ! 本当にありがとっ!」

それは、一時の別れの合図である。
片手だけを上げて応えた森崎の頬を、芝生を渡る風が爽やかに撫でるのだった。

881 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/22(月) 18:41:04 ID:???



   『元気!』(了)



******


※ハンナの特性が変化しました。

『逆境での根性』→『逆境でのド根性』
効果:ダイスが30以下だった場合、次のセクションでのスコア倍率が30%アップします。


******

882 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/22(月) 18:42:08 ID:???

*D26.9月
月次イベント:収穫祭


九月下旬。
寝苦しい夜をもたらしていた残暑も和らぎ、人の眠りの深くなる頃合いである。
休日ともなれば鳥の声が聞こえても、陽射しが窓から頬を撫でても、もう一眠りの魅惑は際限がない。
いつまでもそんな惰眠を貪ろうとする森崎有三を襲ったのは、

『今日は! 収穫祭っ!』
「んあ……?」

小さな相方の、容赦のない突撃であった。
いまだ覚醒しきらぬ森崎の頭の周りをぐるぐると回りながら、甲高い声ではしゃいでいる。

『ねえねえ、誰を誘うの、ねえ!』
「……何、そのテンション」

ぼんやりと頭を掻いた森崎の、半目で言うのを気にした風もなくピコが両手を挙げて答える。

『だってお祭りだよ! パーっといかなきゃ!』
「こっちは仕事で疲れてんだけど……」
『何いってんの!』

もごもごと言う森崎に、ピコがその眼前で止まると、腰に腕を当てて言う。
お説教モード、とは小さな相方本人の談である。

883 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/22(月) 18:43:08 ID:???
『キミ、傭兵大隊の代表で剣術大会に出るって決まってるんだから!
 晴れ舞台に寝ぼけ眼で行くつもり!?』
「ああ……そういや、そんなこと押し付けられたんだっけ……。
 くそう、たまの休みくらいちゃんと休ませろよ」
『もう! ばっちり活躍すればますますキミや隊の評判も高まるんだから!』

ぷりぷりと怒ってみせる相方に、森崎が渋々ながら寝台から身を起こす。
閉めきった雨戸の隙間から射す陽が、狭い宿舎の部屋を横切って壁を照らしている。
外は快晴のようであった。

『ね、早く着替えようよ!』
「うう……だるい」

雨が降れば中止になったかもしれないのに、などと益体もないことを考えながら
のろのろと手近にあったシャツを着込む森崎。
その間も待ちきれないというように忙しなく翅を動かしていたピコが、
ようやく着替えを終えた森崎の髪を引きながら言う。

『で! 誰を誘うのさ!』
「誰って……」
『せっかくだから誰か誘っていこうって、昨日話してたじゃない!』

頬をぺちぺちとその小さな手のひらで叩いてくるピコを指先で押しのけながら、森崎が首を捻る。

「そうだっけか……?」
『そうだったの! ね、キミのカッコいいとこ、見せちゃおうよ!』
「んー。そうだなあ、じゃ……」

884 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/22(月) 18:45:48 ID:D6gsMymc

*選択

好きな人物を収穫祭に誘えます。
収穫祭ではパラメータに応じて剣術・体術・馬術の大会に出場することになります。
活躍に応じて評価値などが上がります。
今回森崎がエントリーしているのは「剣術大会」です。
誰を誘いますか?


A ソフィア
B レズリー
C ロリィ
D ハンナ
E その他
(傭兵仲間やサブキャラ、誰も誘わないなど、内容を明記して下さい。
 熱意があれば「クレアさんが働く店のマスター」でも構いません。
 ゲーム的なメリットは一切ありませんがw)

※不在・多忙などで断られた場合は「誘いに応じる可能性のあるキャラからランダム」で決定されます。


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『10/22 23:00』です。

885 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/22(月) 18:47:14 ID:???
******

当然ながら、連絡が取れなそうな人を誘うのはリスキーです、
といったところで本日の更新はこれまでとさせていただきます。
お付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

886 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/22(月) 21:12:42 ID:???
B単純に誘っても来てくれないかも知れませんのでロリィと一緒に来ても良いよと軽く言ってあげるとレズリーも来やすいと思います。

887 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/23(火) 13:54:30 ID:???
ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>884の選択については……

>>886 さら ◆KYCgbi9lqI様のご回答を採用させていただきます!
今回は単一回答ながら……なんという心憎い気配り!
これで心理的ハードルはがくんと下がりますね、というわけでこの後の展開から
「レズリーが来ない」をなくしておきました。
CP3を進呈いたします。

888 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/23(火) 13:55:36 ID:???
***

B レズリー


「んー……なら、レズリーかな」
『……ふぅん』

何気なく口にした森崎を、ピコが思わせぶりに腕を組んでじろじろと見やる。

「何だよ、その顔」
『べっつにぃ〜』

にやにやと笑っているのか、呆れているのか、それとも怒っているのかすら判然としない、
顔という器に様々な感情を溢れる寸前まで詰め込んだような表情のまま肩をすくめると、
ピコはふわりと天井近くまで舞い上がって降りてこようとしない。

「……ちぇ」

聞こえよがしに舌打ちした森崎だったが、それ以上の舌戦には応じようとしない相方に、
その後は無言で身支度を整える。

「せっかくの祭りにいつもの武装ってのも虚しいな……」

話題を振っても、天井から返る声はない。
わしゃわしゃと頭を掻いた森崎が、ため息をついて言う。

「……じゃ、行くからな。いつまでもへそ曲げてると置いてくぞ」
『……』


889 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/23(火) 13:57:04 ID:???
扉の方へと向かう森崎の背に、はたはたと薄い翅のはためく気配。
無言のまま、しかし着いてくるようではあった。


***


「―――さて、来るかな」
『待ちぼうけで大会に遅れたりしてね』
「お前なあ……まだ機嫌悪いのかよ」

呆れたように首を振る森崎が立つのは、行き交う人で溢れるサウスドルファンの大通りである。
環状馬車の乗合駅から歩いてすぐ、目印にした店の前で壁に寄りかかる森崎の独り言じみた言葉は
喧騒にかき消されて奇異に思われることもない。

「言伝屋め、ちゃんと手紙は届けたんだろうな」
『心配なら自分で直接行けば良かったのに』
「剣ぶら下げた東洋人がいきなり訪ねてきたら家族が驚くだろ」
『もう、変なトコには気を遣うんだから……教会で自宅まで調べてる時点でびっくりだよ』

森崎の言う言伝屋とは、その名の通り、手紙や言葉などを目的の人物に伝えることを
生業とする者である。
郵便と違い個人業であり、その場での請負と素早い伝達を特徴としている。
逢引の打ち合わせに使われることも常であり、今日のように大きな催しがある日などは
繁忙を極めている。

「さて、時間はもうそろそろヤバいんだが……」

890 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/23(火) 13:58:50 ID:5J8SB532
天頂近くまで昇った日を見て、森崎が呟く。
昼の鐘が鳴るまで、そう間はなかろうと思えた。
それまでには剣術大会の受付を済ませておかなければならない。
傭兵大隊の代表という立場もあり、飛び入りの参加者と違って多少の融通は効くにせよ
あまりに遅れれば隊の看板に傷をつけることにもなる。

「うーむ……お?」
『あ。あれ……』

唸っていた森崎とピコが、ほぼ同時に気づく。
人波の向こう、次第に近づいてくる姿は―――


*ドロー

ぎりぎり到着! → ! card


※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
結果によって展開が分岐します。

スペード・ハート→ レズリーだ。ちょっと照れくさそうにしているぞ。
ダイヤ・クラブ→ レズリーだ。……おや? ロリィも一緒だぞ。
JOKER→ レズリーだ。……なんだかえらく可愛らしい格好をしているぞ。


******


それほど大袈裟なイベントではありませんので、お気楽に…といったところで
一旦ここまでとさせていただきます。

891 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/23(火) 14:47:18 ID:???
ぎりぎり到着! →  ダイヤ7
JOKERを引けという声が聞こえた…

892 :◆W1prVEUMOs :2012/10/23(火) 20:20:03 ID:???
> 今回は単一回答
ピコ本命の私にはゲーム的なメリットを考えたら投票できませんでしたw

893 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/24(水) 17:32:41 ID:???
ソフィアだったら、どうなってたのかな?

894 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/24(水) 18:09:49 ID:???
>>891
ドローありがとうございます。
一念、届かず残念でした!

>>892
なるほど、納得ですw

>>893
高難度の手段付記型選択肢(どうやって連絡を取り/連れ出すか)に続く形となっていましたね。
ほぼ失敗してランダムになっていたでしょうが、もし成功していればソフィア関連のイベントが
大幅に前倒しとなる可能性もありました。

895 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/24(水) 18:10:51 ID:???
***

ダイヤ→ レズリーだ。……おや? ロリィも一緒だぞ。


「くぁ……やっぱりか」
『まあ、手紙にもそう書いちゃったしねえ』

森崎が僅かに肩を落としたのは、レズリーの隣に大きなクリーム色のリボンが揺れるのを見た瞬間である。

『―――宜しければ御友人をお誘いの上、お越しいただければ幸いです、ってね。
 ま、この逃げ道がなければ来てくれなかったかもしれないし、仕方ないね』
「……何か嬉しそうじゃないか、お前」
『そんなことありませ〜ん。じゃ、ガンバって!』
「あいつめ……」

ひらひらと手を振って中空へと舞い上がる相方を見やって小さく舌を打った森崎が、
しかし天高い太陽を見て思い出す。

「……おっと、時間がないんだった。お〜い、こっちだ!」

声で気づいたように、少女たちが森崎の方を向く。
瞬間、ぱっと満面の笑みを浮かべたのがロリィ、複雑そうな顔をしてみせたのがレズリーである。
二人は人ごみをかき分け、近づいてくる。

「わ〜い、お兄ちゃんだ!」
「こら、ロリィ。人が多いんだから走るんじゃない」
「は〜い。……えへへ、レズリーお姉ちゃんに怒られちゃった」

言われながらも森崎の眼前まで駆け寄り、ぺろりと舌を出してみせたロリィは、
夏至祭で見たときとは雰囲気が違う。

896 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/24(水) 18:11:52 ID:???
「今日はフリフリじゃな……あ、いや、……クラシックな服だな」
「えへへ、わかる?」

鮮やかな色調にフリルやレースを散りばめた、いかにも少女趣味といったワンピースから一変、
今日はひどく慎ましやかな服装である。
長いスカートが足元までを覆うオリーブグリーンのワンピースに、白を基調とした膝丈のエプロン。
くちなし色の大きなスカーフが首元から肩までを隠すように包んでいた。
南欧の文化的には時代を百年、二百年は遡ったような装束である。

「収穫祭は、昔からこういう格好をするんだよ! お姉ちゃんだって、ほら」
「おいロリィ、引っ張るな……って何だよ、アンタ」
「ほぅ……」

ロリィの言葉通り、レズリーが纏うのもまた常のように尖った服ではない。
細身の体を落ち着いた色調の赤いワンピースと干草染めのエプロンが包み、
亜麻色の波打つ髪はミントグリーンのリボンで一つにまとめられて枇杷茶のスカーフにふわりと乗っている。

「……じ、じろじろ見るな!」
「ね、お姉ちゃんもお揃いなんだから!」
「そうだな……」

口を開いた森崎が―――

897 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/24(水) 18:13:42 ID:FY/fbtZE
*選択

A「二人とも、似合ってるぞ」

B「そういうのも可愛いな、ロリィ」

C「シックな格好もいいじゃないか、レズリー」

D「蘇芳に萌葱……萩の襲か。秋らしいな、レズリー。ロリィは白にあをで葉菊だな」(必要CP:1)


森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。
期限は『10/24 23:00』です。


******

ちなみにDは礼法チェックでぎりぎり出現した選択肢です、といったところで
短いですが本日の更新はこれまでとさせていただきます。
お付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

898 :◆W1prVEUMOs :2012/10/24(水) 21:54:27 ID:???
A
森崎は結構気を遣うタチなので片方だけ褒めることはしないかなと

899 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/24(水) 22:35:57 ID:???
Aせっかく応援に来てくれたんだから、二人とも褒めておいた方が良いと思います。

900 :◆9OlIjdgJmY :2012/10/24(水) 22:58:33 ID:???

反則気味ですが会話の流れからすると

「そういうのも可愛いな、ロリィ」
=「レズリーのそういう格好も可愛いな、お前もそう思うだろ、ロリィ」

と二人してレズリーを持ち上げる風にとれなくもないのでw

901 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/25(木) 00:45:55 ID:???
いける、今日はまだ更新いける……というか、次がまた変なところで止まってしまうと
続きが書けなくて困るので無理にでも行く……!
というわけで。


皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>897の選択については……

>>898 ◆W1prVEUMOs様、>>899 さら ◆KYCgbi9lqI様、お二方の案を採用させていただきます!
はい、まったく仰る通りです。
こういうのは八方美人ではなく、当然の礼儀といいますね。
男性側も二人組であればまた違ってきますが。
CP3を進呈いたします。

また>>900 ◆9OlIjdgJmY様の案も、非常にGM好みの捻り方です。
上手いことロリィの機嫌を損ねずにレズリーを推していく手法、いいですね。
今回は若干苦しいのでw 次点としてCP1、更にこういった捻り方への推奨としてCP1を加えて進呈いたします。


902 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/25(木) 00:46:56 ID:???
***


A「二人とも、似合ってるぞ」


それは森崎にしてみれば、何気ない挨拶のようなものである。
誘ったのが自分である以上、女性を立てるのは当然という心得であった。
反応は、両極端だった。

「な……!」
「うん! 可愛いでしょ!」

一人は強張った表情を浮かべ、一人は花のような笑顔を作った。
前者、言わずと知れたレズリーが慌てたように食ってかかる。

「こ、心にもないこと言うなよ!」
「いや、実際。普段は格好いい感じだけどさ。そういう……なんつーかな。
 家庭的ってのも合ってるんじゃないかと思うぜ」
「……!」

さらりと言ってのけた森崎にも、多少の悪戯心はある。
しかし二の句が継げず、折角の端正な顔立ちを困惑と怒りと、それから幾つかの感情で
塗りたくったまま立ち尽くすレズリーの姿に、やり過ぎたかと反省してフォローを入れようと
口を開きかけた瞬間。

「そうだ、お兄ちゃん!」
「……? 何だ、ロリィ」

903 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/25(木) 00:47:57 ID:???
唐突に声を上げたのはロリィである。
ととっ、と三歩ばかり駆け出すと、くるりと森崎に向き直ってスカートの裾を摘み上げる。
にっこり笑って言うことには、

「今日は、お誘いいただいて、ありがとうございます!」
「おう、ちゃんと言えるなんて偉いな」

可愛らしい淑女の礼に、笑みを返して言う森崎。
嬉しそうに再び駆け寄ってきたロリィが、ぺたりとレズリーに抱きついた。
呪いが解けたように、レズリーがはっとしてロリィを見やる。

「へへー。レズリーお姉ちゃんに、そう言うんだぞって教えてもらったの!」
「ロリィ……それは言っちゃダメだってば」
「……?」

思わず天を仰ぐレズリーと、苦笑する森崎。
それを見たロリィが不思議そうな顔をする。
ひどく和やかな空気の中、ちらりと日の高さを見た森崎が大仰な身振りで言う。

「さて、お嬢様方。そろそろ参りましょうか」
「わ〜い、ロリィ、お嬢様だって!」
「……気持ち悪い喋り方すんな」

904 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/25(木) 00:48:58 ID:???
予想通りの対照的な反応に、にやりと笑って歩き出す森崎。
何気なく人波をかき分けるその後ろから、二人の着いてくる足音が聞こえた。

「はは、カッコいいとこ見せるけど、惚れんなよ?」
「えっへへ、楽しみ〜」
「……うるさい、バカ!」

背中から響く声の主がどんな顔をしているのか、森崎には見えない。


******

905 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/25(木) 00:50:00 ID:???
******

※システムメッセージ※
収穫祭での「○○大会」は剣術・馬術・体術の内、その時点で最も高いパラメータで
自動的にエントリーされます。
難易度及び判定内容、報酬はどの大会であっても変わりません。

大会はトーナメント制で行われ、判定は1〜3回戦、準々決勝までが能力チェック。
準決勝、決勝戦は個人戦闘形式で行われます。
なお、収穫祭での戦闘で使用するガッツは通常のガッツとは別個のパラメータとして扱い、
0になっても入院ペナルティが発生することはありません。

******

*チェック

(剣術)判定

一回戦難易度【ターン係数50+成功前提0】−(剣術126)
目標値【0】 → 自動成功

ニ回戦難易度【ターン係数50+容易20】−(剣術126)
目標値【0】 → 自動成功

三回戦難易度【ターン係数50+通常40】−(剣術126)
目標値【0】 → 自動成功

準々決勝難易度【ターン係数50+やや難60】−(剣術126)
目標値【0】 → 自動成功

******

906 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/25(木) 00:51:30 ID:???


「……ハン、こんなんじゃ肩慣らしにもならねえな」

サウスドルファンの広場に、剣術大会の会場として設けられたステージがどよめいている。
その中心にしてどよめきの対象は、他ならぬ森崎有三であった。

「ほら、審判さん。頼むぜ」
「あ、そ……そこまで! しょ……勝者、ユーゾー・モリサキ!!」

森崎自身に促され、審判の男が片手を上げて宣言する。
小さく息をついた森崎が剣を収め、ステージから降りていこうとするその時になって、
ようやく会場から歓声が上がった。

「う……うわあああ!!」
「すげえ! 何だありゃ!?」
「あいつがイリハでヴァルファを倒した東洋人だってよ!」

歓声は、瞬く間に爆発的な勢いを得て会場を包み込んでいく。
観客が一時声援を送ることも忘れ、息を呑んだのも無理はなかった。
これまでの四戦を見渡して、森崎と刃を三合打ち合わせた者は誰もいない。
文字通りの鎧袖一触であった。

「すごい! お兄ちゃん、すご〜い!!」
「ふ、ふん……やるじゃないか」

関係者ということで観客席の最前列に席を用意された二人に軽く手を振ると、
森崎が控え室として設置された天幕の中へと戻っていく。



907 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/25(木) 00:53:27 ID:???
***

『これでベスト4……あとは準決勝と決勝戦だね』
「ま、ここまでは楽勝だったが……この先は、そうはいかねえかもな」

ふわりと肩に乗ってきた小さな相方に向かって、森崎が呟く。
天幕の中に戻ってきた勝者は、森崎が四人目。
即ち、準決勝に残った最後の一人である。
ぴりりとした空気を発するのは、それぞれ距離を置いて座る三人の男たちであった。

「……」
『次に当たるのは……あの人だよね』

言ったピコが小さな指で指し示すのは、天幕の入口近くに腰を下ろした森崎の正面。
漆黒の板金鎧に身を包んだ巨躯である。
得物はその背後に立てかけられた長大なハルバード。
鋭い目線に赤茶けた髭を蓄えた、いかにも剛勇無双といった風情の男であったが、
篭手だけを外したその手に握られているのは、何ともこの場にそぐわぬ代物である。

「……いや。盃って」
『お酒……呑んでるよね、あのおじさん』
「カール・フェルドマン。騎士団代表で『黒騎士』の称号を持ってるらしいぞ」
『……騎士団代表、ねえ』
「の、はずなんだが……」

ぼそりと口の中だけで答えた森崎の眼前、湯呑みのような盃を一気にあけると、
傍らに置かれた壺からまたどくどくと琥珀色の液体を注ぎ込んでいる。

「……明和の大虎かよ。まあ、余裕があるのは確かみたいだな……」

言った森崎が、次に目をやったのは向かって左。
静かに目を閉じている男である。

908 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/25(木) 00:54:30 ID:H96KMhgc
一見すればただ座しているだけに思えるが、しかし森崎はその静かな佇まいの中に
確かな鍛錬の証を見て取っていた。

『クラウディオ・メオン……だっけ?』
「個人でエントリーしてるみたいだな。西洋圏出身らしいが……さすがにここまで残ってるだけはある。
 見た感じ、立ち居振る舞いに隙はねえ。いい感じに気合いも乗ってるぜ」
『ふうん。油断はできないんだね』
「ああ。それで、あいつと当たるのが―――」

森崎が、向かって右に目線を移す。
そこに座っていたのは、


*ドロー

四天王最後の一人 → ! card


※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
結果によって展開が分岐します。

スペード→ 個人で参加していたネイだ。話しかけてくるぞ。
ハート→ 個人で参加していたカルツだ。こちらを見て不敵に笑ったぞ。
ダイヤ→ 確か以前に埠頭で見かけたスキンヘッドだ。長棍を磨いているぞ。
クラブ→ 個人で参加していたレヴィンだ。血まみれの大剣を眺めている……。
JOKER→ あれは……ジョアン・エリータス!?

909 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/25(木) 01:03:58 ID:???
四天王最後の一人 →  ダイヤ7
二回引きなおせるし…。

910 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/25(木) 01:05:06 ID:???
一回くらいは引き直しますか、リドローで。
四天王最後の一人 →  ダイヤK

911 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 17:47:53 ID:???
***

ダイヤ→ 確か以前に埠頭で見かけたスキンヘッドだ。長棍を磨いているぞ。


天幕の隅でこちらに背を向け、得物らしき棍を磨いている男。
顔は見えなかったが、その禿頭と背格好、そして何より特徴的な得物を見紛うことはない。

『あの人、キミがこの国に来た日に会った……』
「トサカ野郎の兄貴……だな。名前は何て言ったっけか」

夕暮れの埠頭。
ソフィアに絡んでいたチンピラを叩きのめした森崎の前に悠然と立ちはだかった男である。
実際に刃を交えることこそなかったが、ただならぬ棍捌きは印象に強く焼き付いている。

『ええと……確か、元地区警備隊の、地廻りのサム……だったかな』
「……よく覚えてるな」
『えっへん。ところで地廻り、って?』

むふー、と得意げな顔で胸を張ってみせた小さな相方に、森崎が説明する。

「まあ、俺らの郷でいう目明かしみたいなもんだ」
『要するに権力の狗、兼ヤクザだね』

身も蓋もない言い草に、森崎が苦笑する。

「……ま、元ってからには、そっからイヌを取っ払ってやんな」
『単なるヤクザじゃない』
「今はな。まあ、聞いた頃には分からなかったが、地区警備隊……区警といやあ
 軍の中でもこの首都城塞市中の犯罪取り締まりを担当してる隊だ」
『ふうん。……大したことなさそうじゃない』

912 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 17:48:57 ID:???
何を想像したのか、ピコが怪訝そうな表情で言うのへ森崎がため息をつく。

「おいおい、相手はこそ泥や引ったくりだけとは限らねえんだぞ。
 火付け、押し込み、殺しの捜査、武器弾薬の密輸にテロ、麻薬まで区警の領分だ。
 最前線は命懸け、実戦経験じゃそこらの騎士なんぞ足元にも及ばねえだろうぜ」
『で、あのサムって人は最前線にいたの?』
「知らねえよ、んなこた」
『……』
「ま、ここまで残ってんだ。運もあるかも知れねえが……それだけじゃねえ、ってことさ」

と、森崎が肩をすくめてみせたとき。

「準決勝、第一試合の出場者の方、お願いいたします」

外からかけられた声は、進行を担当する係員のものである。

「おっと……もう出番か」
『なんで最後に試合したキミが第一試合なんだろうね。不公平じゃない?』
「ま、言っても仕方ねえだろ」

不満気なピコの頭を指先でひと撫でして、森崎が立ち上がる。
がしゃり、と金属的な音が響いたのは、天幕の対角線上。
同じように立ち上がった男の、板金鎧が擦れ合って鳴った音である。
がしゃ、ごしゃ、と耳障りな、しかし森崎にも聞き慣れた喧しい音が近づいてくる。

「おう、貴様が噂の東洋人か!」

野太い声の主が、森崎の眼前で立ち止まる。
薄暗い天幕の中、漆黒の鎧に走る無数の傷と修繕の痕が見えた。

913 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 17:49:58 ID:???
「……!」
『うわ……おっきい』

森崎とて、南欧の人間と比べても決して背の低い方ではない。
しかし眼前の男は、その森崎よりも頭一つ分以上の差をつける巨漢であった。
全身を覆う鎧のせいもあろうが、肩幅や胸板は森崎の倍はあろうかとさえ思える。

「……」
「ん? どうした、これから戦う者と交わす言葉はないか?
 グアッハハハ、いかんぞ、あまり硬くなってはいざという時に力が出ん!」

蓄えた赤髭を揺らしながら豪快に呵ってみせた、男の全身から漂うのは強烈なアルコール臭である。
森崎はその匂いに辟易して口を開けないというのが正しい。

「しかし貴様、聞いていたより若いな! その若さで隊を任されるとは、大したもんだ」
『うわ、ぐいぐい来るねこの人』
「……」
「何だなんだ、覇気がないぞ! 気付けに一杯やるか?」

顎で指した先には先ほどまで絶え間なく傾けていた壺と盃。

「いや……」
「まあいい、せいぜい祭りの舞台を楽しもうではないか!」

かろうじて断りを入れた森崎を、侮るでもなく蔑むでもなく、ただ言葉通り楽しそうに呵って見やり、
男は先に天幕の入り口を潜って外に出ていく。

「……やりづれえ」
『ま、頑張って。ほら!』

僅かに肩を落とした森崎の頬に、小さな拳で気合い一発。
相方に頷いて、森崎もまた男の後を追う。

914 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 17:50:59 ID:???
***


広場の熱狂は既に最高潮に達している。
午後の陽射しを跳ね返すような歓声が、天幕から出た森崎に浴びせかけられる。
今更緊張を覚えるでもなく、心地良さすら感じながら舞台の中央へと歩み出る森崎。

「―――先程までの戦い、見せてもらった」

声は正面、漆黒の鎧の男である。
兜こそ被っていないが、全身をくまなく覆う板金鎧を纏いながら呼吸を乱すこともない。
手にしたハルバードの穂先が、陽光にぎらりと照り映える。

「ヴァルファの『疾風』を仕留めたのも偶然ではないらしいな! 実に面白い!」

ぐぁ、とひとしきり呵った男が、ハルバードを軽く持ち上げ、石突をステージに叩きつける。
重く低い音が、響く歓声を貫いて森崎の耳に届いた。

「だがまあ、こちらにも一応、背負う看板というものがあってな。
 そう安々と勝ちは譲れんのよ」

言った男の顔に、すう、と。
哄笑のかたちはそのままに、しかし愉悦とは違う色が、満ちていく。

「ドルファン騎士団、第五大隊長カール・フェルドマン」
「……ドルファン陸軍、外国人傭兵大隊長、森崎有三だ」

男の名乗りに、森崎が応える。
歓声は壁となり、二人の男を押し包んでいる。
審判役の男の声は、もはや聞こえない。
身振りで開始を合図するのが、見えた。

915 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 17:52:00 ID:???

「いざ、参る―――!」

男の斧槍が、大気を切り裂いた。


******

森崎有三
ガッツ:50
ATK:192 DEF:198 SPD:128 ini:25

発動中パッシブスキル:
受身/個人戦闘時、DEF値を+10する。

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。
シールドワーク/ 0/攻撃ダメージを必中で5、防御ダメージを50%にする。

vs

カール・フェルドマン
ガッツ:50
ATK:208 DEF:185 SPD:106 ini:21

※収穫祭の個人戦闘は模擬戦となります。
 ガッツは固定値で50となり、0になっても入院ペナルティが発生することはありません。
 また連戦となりますが、消耗したガッツは試合ごとに最大値の50まで回復します。

******

916 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 17:54:29 ID:T629/RBU

【ターン1】

・行動選択
攻撃、各種スキルの内から『10/26 20:00』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。


******

といったところで、一旦ここまでとさせていただきます。

917 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/26(金) 18:37:23 ID:???
牽制打 強敵みたいですので確実に当てたいです。

918 :森崎名無しさん:2012/10/26(金) 19:58:41 ID:???
通常攻撃
ガッツ50なのでスキルは使いたくないです

919 :◆9OlIjdgJmY :2012/10/26(金) 20:00:08 ID:???
918です。すみません

920 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 20:30:46 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>916の選択については……

>>918-919 ◆9OlIjdgJmY様の案を採用させていただきます!
はい、短期決戦になりますからね。
CP3を進呈いたします。

>>917
SPD値の差が22ありますので、まあ九割は当たってくれる…はずです。
いい引きに期待しましょう!

921 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 20:32:48 ID:???
・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]

森崎
[命中ロール ! numnum]

森崎
[ダメージロール ! dice + ! dice]



黒騎士フェルドマン
[イニシアチブロール  2 ]
[命中ロール  46 ]
[ダメージロール  2 + 3 ]


922 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/26(金) 20:46:51 ID:???

森崎
[イニシアチブロール  2 ]


923 :ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/10/26(金) 20:49:41 ID:???

森崎
[命中ロール  58 ]

924 :森崎名無しさん:2012/10/26(金) 21:05:04 ID:???

森崎
[ダメージロール  4 + 6 ]


925 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/26(金) 21:07:03 ID:???

森崎
[ダメージロール  5 + 1 ]

間違えた・・目が良かっただけにもったいない

926 :森崎名無しさん:2012/10/26(金) 21:24:52 ID:???
SPDのおかげで外れたけどATKとDEFの差から攻撃を食らえば確定10+ダメージロール分かあ
このシステムだと回避の達人、万一命中しても少なめのCPEP消費で無かったことに出来るように
SPDをゴリゴリ上げるといいんじゃないかと思う

927 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 22:37:13 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 25+2 先攻!
敵 21+2


森崎
・命中処理
22+58=80 命中!
・ダメージ処理
7+6=13

フェルドマン
・命中処理
-22+46=24


森崎の攻撃は命中、13ダメージ!
フェルドマンの攻撃は空振り!


***

928 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 22:39:45 ID:???

「そォ、れッ!」

掛け声とともに振り回された斧槍が、森崎の間合いの外から迫る。
磨き上げられた斧の横薙ぎにぎらりと煌めくのをすんでのところで躱した森崎の背に、
たらりと冷たい汗が流れる。

(……命のやり取り、じゃねえんだよな?)

本当に寸止めをする気があったのだろうか。
いちどきに跳ね上がった鼓動を胆力で鎮めつつ、森崎が一歩を踏み込む。
狙いは大振りで体勢を崩したフェルドマンの、空いた横腹である。
分厚い装甲の上から叩いたところで剣を傷めるのは森崎の方。
ならば、と絞った軌道は鎧の継ぎ目だった。

「……ぬぅ!」

が、フェルドマンとてやはり歴戦の勇士である。
咄嗟に片足を引いて半身になると、なんと森崎の刃をその鎧を纏った腹で正面から受けてみせたのであった。

「なにィ!?」
「フゥ……効かんな、若いの!」
「無茶苦茶しやがって……祭りで死んでもしらねえぞ!」

言い捨てた森崎が飛び退いて間合いを取り直すのへ、フェルドマンがにい、と口の端を上げて応える。

「望むところよ!」


***

929 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/26(金) 22:40:51 ID:T629/RBU
***


森崎有三
ガッツ:50
ATK:192 DEF:198 SPD:128 ini:25

発動中パッシブスキル:
受身/個人戦闘時、DEF値を+10する。

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。
シールドワーク/ 0/攻撃ダメージを必中で5、防御ダメージを50%にする。

vs

カール・フェルドマン
ガッツ:37
ATK:208 DEF:185 SPD:106 ini:21


***

【ターン2】

・行動選択
攻撃、各種スキルの内から『10/26 24:00』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。

930 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/26(金) 22:49:07 ID:???
攻撃 もう少し通常攻撃で削った方が良いと思います。

931 :◆9OlIjdgJmY :2012/10/26(金) 23:23:53 ID:???
攻撃
まあ他のスキルを使う理由はないですし。

932 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 00:05:25 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>929の選択については……

>>930 さら ◆KYCgbi9lqI様、>>931 ◆9OlIjdgJmY様、お二方の案を
採用させていただきます!
まあそうなりますよね、といったところでw

933 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 00:06:26 ID:???

・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]

森崎
[命中ロール ! numnum]

森崎
[ダメージロール ! dice + ! dice]



黒騎士フェルドマン
[イニシアチブロール  5 ]
[命中ロール  40 ]
[ダメージロール  2 + 4 ]

***

934 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/27(土) 00:11:06 ID:???

森崎
[イニシアチブロール  3 ]

935 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/27(土) 00:12:07 ID:???

森崎
[命中ロール  97 ]

936 :◆9OlIjdgJmY :2012/10/27(土) 00:17:23 ID:???

森崎
[ダメージロール  3 + 5 ]

937 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 01:00:25 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 25+3 先攻!
敵 21+5


森崎
・命中処理
22+97=119 命中!
・ダメージ処理
7+8=15

フェルドマン
・命中処理
-22+40=18



森崎の攻撃は命中! 15ダメージ!
フェルドマンの攻撃は空振り!


***

938 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 01:01:26 ID:???

「くっそ……ンなとこで全身鎧とか、大人げねえんだよ!」
「なぁに、来年は貴様も着けてくれば良いではないか」

ぐぁ、と哄いながらフェルドマンの振るう長柄の穂先が森崎の胸甲を掠めて嫌な音を立てる。

「ちっ……!」

舌打ちする森崎。
先ほどの一撃で出入りの呼吸は読まれている。
懐に飛び込もうとすれば穂先での薙ぎ払い、さもなければ石突での打撃が待っているのだった。
といって先刻、眼前の男がやってみせたように鎧で受け止めるという真似などできるはずもない。
圧倒的な重量差は胸甲ごと肋骨の三、四本を持っていくだろう。
円盾にしても正面から受ければ厳しい。
せいぜいが薙ぎ払いの軌道を逸らす程度が関の山であった。

「となれば、搦め手だ!」
「むぅ……!?」

森崎が構えを変える。
正眼から、下段。
警戒したフェルドマンが牽制の突きを放ってくるのを冷静に読んで、打点から身を外しつつ
半歩を踏み込んだ森崎が、手首から先だけを返すように刃を振るう。
必要なのは破壊力ではない。

「膝……空いてるぜ!」
「ぐぅッ!?」

939 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 01:02:26 ID:???
長柄の得物、それも重量のある斧槍を振るう男の軸足はそう容易く動かせない。
小さな円軌道を描いた剣先が、フェルドマンの鎧に覆われた膝を横合いから叩いていた。
関節の破壊を狙ったものでは、勿論ない。
手先で振った剣にそこまでの力はなかった。
森崎の目的は、単に男の重心を崩すことにある。

「それだけのガタイに鎧、長柄と一式揃ってんだ、足捌きにゃ気を遣うだろ!」
「ちィ……!」

巨躯を支える軸足にかかる下向きの力を、斜めに逸らす。
無論、言うほど容易いことではない。
タイミングと力加減、打撃の角度が合わさって初めて可能となる一撃であり、
それを成し遂げるだけの力が森崎に備わっているということであった。
軽快な金属音と共に、ぐらりと漆黒の鎧が揺れた。

「……ここだ!」

好機と見た森崎が剣を引き、更に踏み込む。


***

940 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 01:03:42 ID:???

森崎有三
ガッツ:50
ATK:192 DEF:198 SPD:128 ini:25

発動中パッシブスキル:
受身/個人戦闘時、DEF値を+10する。

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。
シールドワーク/ 0/攻撃ダメージを必中で5、防御ダメージを50%にする。

vs

カール・フェルドマン
ガッツ:22
ATK:208 DEF:185 SPD:106 ini:21


***

【ターン3】

・行動選択
攻撃、各種スキルの内から『10/27 12:00』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。


941 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 01:04:44 ID:WnjuaPdA
******

この辺はもうちょっとシステマチックにサクサク進めたほうがいいんでしょうか、
といったところで迷いつつ、本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

942 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/27(土) 09:45:56 ID:???
攻撃 スキル使わなくても良いかと思います。

943 :◆9OlIjdgJmY :2012/10/27(土) 11:48:51 ID:???
攻撃
あえてスマッシュしなくてもいいかなと

描写を省いてサクサクでもいいと思いますし
描写は対戦が終了してからまとめてでもいいと思います。

944 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 12:20:42 ID:???

皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>941の選択については……

>>942 さら ◆KYCgbi9lqI様、>>943 ◆9OlIjdgJmY様、お二方の案を採用させていただきます!
ガッツが拮抗していればともかく、敵が外し続けて楽勝ムードですからね。
それぞれCP3を進呈いたします。


また描写についてですが、1ターンごとに間延びさせても仕方ありませんし、
これからは原則として「戦闘終了後にまとめて描写」とさせていただきます。
また敵がスキルなどを使ってくる場合は、そのターンの前に注意喚起として
数行程度の短い描写を入れたいと思います。
運用について貴重なご意見をいただきました◆9OlIjdgJmY様にはCP1を進呈いたします。
ありがとうございました!

945 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 12:21:43 ID:???
***

・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]

森崎
[命中ロール ! numnum]

森崎
[ダメージロール ! dice + ! dice]



フェルドマン
[イニシアチブロール  1 ]
[命中ロール  08 ]
[ダメージロール  5 + 3 ]


946 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 12:22:44 ID:WnjuaPdA
age忘れ、失礼しました。
…それにしても出目が良くない黒騎士さん。
酔いが回ってきたのでしょうかw

947 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/27(土) 12:26:43 ID:???

森崎
[イニシアチブロール  5 ]

948 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/27(土) 13:27:10 ID:???

森崎
[命中ロール  75 ]

949 :◆W1prVEUMOs :2012/10/27(土) 14:13:36 ID:???

森崎
[ダメージロール  2 + 6 ]

950 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 14:59:03 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 25+5 先攻!
フェルドマン 21+1


森崎
・命中処理
22+75=97 命中!
・ダメージ処理
7+8=15

フェルドマン
・命中処理
-22+8=-14


森崎の攻撃は命中し15ダメージ!
フェルドマンの攻撃は空振り!


***

951 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 15:00:05 ID:???
***

森崎有三
ガッツ:50
ATK:192 DEF:198 SPD:128 ini:25

発動中パッシブスキル:
受身/個人戦闘時、DEF値を+10する。

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。
シールドワーク/ 0/攻撃ダメージを必中で5、防御ダメージを50%にする。

vs

カール・フェルドマン
ガッツ:7
ATK:208 DEF:185 SPD:106 ini:21

***


【ターン4】

・行動選択
攻撃、各種スキルの内から『10/27 16:30』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。


952 :◆W1prVEUMOs :2012/10/27(土) 15:45:43 ID:???
攻撃
牽制打で確実に当てることも考えたけど
ピンゾロが出るとギリギリ1足りないので

953 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/27(土) 16:18:53 ID:???
攻撃 スキル使わなくても大丈夫でしょう。

954 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 17:01:45 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>951の選択については……

>>952 ◆W1prVEUMOs様、>>953 さら ◆KYCgbi9lqI様、お二方の案を採用させていただきます!
ピンゾロが出る確率は1/36……2.8%くらいなんですけど、体感だと引いれはいけないときに限って
引いてしまうような気がしますよね。
次が命中すれば勝利確定です。92%を信じましょう!
CP3を進呈いたします。

……なんとなくボーナスステージ的な様相を呈していますが、
稼げるときには稼いでしまうことをGMとしては推奨いたしますw

955 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 17:03:11 ID:WnjuaPdA
***

・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]

森崎
[命中ロール ! numnum]

森崎
[ダメージロール ! dice + ! dice]



フェルドマン
[イニシアチブロール  1 ]
[命中ロール  65 ]
[ダメージロール  3 + 5 ]

956 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/27(土) 17:12:32 ID:???

森崎
[イニシアチブロール  2 ]


957 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/27(土) 17:22:22 ID:???

森崎
[命中ロール  32 ]

958 :◆W1prVEUMOs :2012/10/27(土) 17:29:49 ID:???
森崎
[ダメージロール  6 + ! dice]

959 :◆W1prVEUMOs :2012/10/27(土) 17:30:52 ID:???
森崎
[ダメージロール  2 + 2 ]

960 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 17:50:38 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 25+2 先攻!
フェルドマン 21+1


森崎
・命中処理
22+32=54 命中!
・ダメージ処理
7+4=11

フェルドマン
・命中処理
-22+65=43 命中!
・ダメージ処理
10+8=18


森崎の攻撃は命中し11ダメージ!
森崎の勝利!

***

961 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 17:51:49 ID:???

踏み込んだ森崎が、体勢を崩した漆黒の騎士の肩口を一直線に突く。
やはり鎧の継ぎ目を狙った一撃である。
急所を前に刺突を寸止めすれば、それで勝利が宣告されるはずであった。
しかし。

「させぬッ……!」
「!?」

フェルドマンとて、むざむざと敗北を待つ男ではない。
森崎の剣先が己が左の肩を狙うものと認め、更には槍の引き戻しが間に合わぬと見てとるや、
なんと黒騎士、斧槍を投げ出すように片手を放し、その鉄の篭手に包まれた腕を剣の腹へと
叩きつけるように外側へと弾いたのである。

「ふン……!」
「っ!」

鉄は鉄を斬れぬ。
嫌な音を立てながら、森崎の突きが流れる。
互いに体が開いた刹那、血相を変えて横っ飛びに退いたのは森崎であった。
間一髪。
その細身の体躯があった場所を吹き抜けたのは、黒騎士が片手一本で引き戻してみせた
鈎斧の分厚い刃である。
おそるべきは板金鎧を纏いながらそれをやってのける膂力であったが、反撃はそこまでだった。

「これで―――詰みだッ!」
「……!」

962 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 17:52:50 ID:???
フェルドマンから見て左側、視界の端まで退いた森崎が疾風一陣、再度の踏み込みで
横薙ぎに剣を振るい、黒騎士の喉元へと刃を止めてみせたのであった。
左の腕は流れきり、右の手は胴近くまで槍を引き戻していたフェルドマンに、
それを防ぐ術はなかった。
険しい表情を浮かべたのは、一瞬。
すぐに力を抜くと、槍の穂先をだらりと下げた。

「……俺の、負けだな」
「……」

もごもごと揺れる赤髭の向こうから漏れた言葉に、森崎もまた剣を引く。
一瞬遅れて、審判役の男が片手を高々と上げ、宣言した。

「そこまで! 勝者、ユーゾー・モリサキ!」

観衆が破裂するような声を上げたのは、更にその後である。
息を呑むような一瞬の攻防が終わったのだと、ようやく気がついたようだった。

「おおお!! すっげえぞ、あの東洋人!」
「モリサキ! 傭兵隊長モリサキか! 覚えたぜ!!」
「騎士団の代表に勝っちまった!!」

口々に興奮を告げるその声は大きなうねりとなって会場を包む。
心地よくその声を受け止めていた森崎に、す、と差し出されたのは黒い篭手だった。
フェルドマンが、握手を求めていた。

「負けた、負けた! 強いなァ、貴様!」
「あんたこそな。先に一撃もらってたら、勝負は分からなかっただろうぜ」
「ぐぁはは、それも時の運か!」

がしりと、冷たい鉄の感触と手を結んだ森崎が言うのへ、フェルドマンが哄う。

963 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 17:54:00 ID:???
「では、貴様の武運を祈る! 俺は一足先に残念会といかせてもらうぞ!
 今度は旨い酒でも酌み交わそうではないか!」

言って歩み去る黒騎士の、がしゃりがしゃりと音を立てる鎧姿を見送りながら、
森崎が誰ともなしに呟く。

「……もしかして、酔っ払ってなきゃあんだけ大振りすることもなかったんじゃねえか?」


***


天幕の中、一息ついた森崎の耳に歓声が飛び込んでくる。
どうやら準決勝の第二試合が終わったようだった。

「さて……結果は、どうなったかな」
『えーっと、あのサムっていうヤクザと、メオンって人だよね。
 キミはどっちが勝ったと思う?』

肩に乗ったピコが問うのに、森崎が低い天井を見上げると僅かに思案気な顔をする。

「そうだな、俺の見立てじゃ……」

964 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 17:55:04 ID:WnjuaPdA

*ドロー

もう一つの準決勝 → ! card

※ ! と card の間のスペースを消してカードを引いて下さい。
結果によって展開が分岐します。


スペード→ メオン、善戦。サムもそれなりの打撃を受けたようだ。
ハート・ダイヤ→ メオン、敗退。サムはあまりダメージを負っていないようだ。
クラブ→ メオン、瞬殺。サムはまったくの無傷だ。
JOKER→ メオン、よもやの大勝利! 元区警ェ……。


***

965 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/27(土) 17:59:52 ID:???
もう一つの準決勝 →  スペード8
そろそろダイヤ以外が引きたいのう

966 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 18:33:33 ID:???
>>965
呪いが解けたようで何よりですw
厄介な相手ですが、これで少し楽になりましたね。

***

スペード→ メオン、善戦。サムもそれなりの打撃を受けたようだ。


「俺の見立てじゃ、あのハゲがギリギリ上回ってるな」
『え、そうなの?』
「トサカ野郎と違って、兄貴の方は色んな意味でカタギじゃねえ」

かつて一度だけ対峙した、蛇のような目を思い起こしながら森崎が告げる。

「相当使うぜ、ありゃあ」
『ふうん……でも、さっきはメオンって人も褒めてたじゃない』
「ああ。あの西洋圏人もいい鍛え方してたからな。ま、紙一重ってとこだろ」
『上から目線〜』

じとりとピコが睨むのへ片眉だけを上げた森崎が、天幕の外の気配に気付く。

967 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 18:34:37 ID:???
「おっと、噂をすれば……だぜ」
『……あ、本当だ。言った通り』

控え室たる天幕に戻ってきたのは、スキンヘッドの男だけである。
袖のまくり上げられた腕や顔のあちこちに痣が見て取れる男が、無言のまま
森崎の前を通り過ぎると、どさりと座って荒い息をつく。

『……メオンって人に、結構やられたみたいだね』
「その相手さんは戻ってくる気配がねえな。……病院直行ってとこか」
『うわあ……』

こそこそと話す森崎の言葉が聞こえているのかいないのか。
サムはただ低く薄暗い天井を仰ぐように姿勢を崩すと、目を閉じて深く息をついている。


***


「―――それではこれより、本年度剣術大会の決勝戦を行います。双方、……」

審判役の男が進行の口上を述べるのを音として聞きながら、森崎は正面を睨んでいる。
サムという男、結局あれから一度も口を開いていない。
時折起き上がったかと思えば得物の長棍を磨き、森崎の方へは目もくれなかった。
その男が今、ちろちろと舌を出し入れする蛇を想起させる細い目で森崎を見やり、
にんまりと口で弧を描いている。


968 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 18:35:45 ID:???
「……」
「よう、久しぶり……とでも言おうか? 東洋人」

眼前に相対して初めて、サムが言葉を紡いだ。
やはり森崎のことを忘れてはいないようであった。

「春先にゃ、済まなかったな」
「……」

謝罪とも取れる言葉を口にしながら、男の目はしかし、温度を感じさせない光を宿している。

「弟の礼だってのによ。喧嘩ァ、途中で止まっちまってたもんな。悪ィ、悪ィ」

にやにやと、およそ善人とは対局にあるような笑みを浮かべながら言うサムのすぐ脇で、
ひょう、と手にした棍が回転する。
指先だけで、背丈ほどもある棒を自在に回しているようであった。

「こっちこそ悪いな、最近忘れっぽくてよ……確か、手前ぇを簀巻きにして
 運河に叩ッ込むって話だったか?」

長剣を鞘から抜き放ちつつ、森崎が何気ない風を装って言う。
皮一枚の下には、既に獣が解き放たれる時を今か今かと待っていた。
その顔と言葉とを見たサムは、何を言い返すでもない。
ただ、

「ひゃは」

と、嗤った。


******

969 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 18:37:41 ID:???


森崎有三
ガッツ:50
ATK:192 DEF:198 SPD:128 ini:25

発動中パッシブスキル:
受身/個人戦闘時、DEF値を+10する。

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。
シールドワーク/ 0/攻撃ダメージを必中で5、防御ダメージを50%にする。

vs

地廻りのサム
ガッツ:50
ATK:128 DEF:175 SPD:140 ini:28

スキル:
???

******


【ターン1】
・行動選択
攻撃、各種スキルの内から『10/27 20:00』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。

970 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 18:42:21 ID:???
と、そろそろスレの残りも少なくなって参りましたので、
次スレのタイトルも併せて募集させていただきます。
『異邦人モリサキ』の3スレッド目と分かるようであればその他の形式は自由、
このスレッドの形式を踏襲していただいても、
まったく独自に考案していただいても構いません。


971 :◆W1prVEUMOs :2012/10/27(土) 18:45:28 ID:???
シールドワーク
サムはATKが低いので森崎に攻撃は通らない(スキル???は不安要素だけど)
なのでシールドワーク×10でチクチクハメ殺す

972 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/27(土) 18:47:59 ID:???
攻撃 ガッツが50しかないので牽制打を今使うのは勿体ない気がします。

973 :◆W1prVEUMOs :2012/10/27(土) 19:14:23 ID:???
ああ、ATK−DEFの最低値は0でダイス2つ分は通るのか
では攻撃に変更します

974 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 23:28:02 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>969の選択については……

>>972 さら ◆KYCgbi9lqI様のご回答を採用させていただきます!
そうですね、ノーダメージでも5ターンでスタミナ切れしてしまいますし、
様子を見ながら作戦を変えていく感じでしょうか。
CP3を進呈いたします。

>>973
はい、そういう意味でSPD型は厄介な敵となっています。
ガッツに余裕があれば手早く片付けられないだけなんですけどね。

975 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 23:29:03 ID:WnjuaPdA
***

・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]

森崎
[命中ロール ! numnum]

森崎
[ダメージロール ! dice + ! dice]


地廻りのサム
[イニシアチブロール  4 ]
[命中ロール  11 ]
[ダメージロール  6 + 1 ]

***

976 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/27(土) 23:33:09 ID:???

森崎
[イニシアチブロール  6 ]


977 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/27(土) 23:58:43 ID:???
森崎
[命中ロール  24 ]

978 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/28(日) 00:17:28 ID:???

森崎
[ダメージロール  5 + 3 ]

979 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 00:22:21 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 25+6
サム 28+4 先攻!


サム
・命中処理
12+11=23

森崎
・命中処理
-12+24=12


サムの攻撃は空振り!
森崎の攻撃は空振り!


******

980 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 00:24:38 ID:t1Y5hHSs

森崎有三
ガッツ:50
ATK:192 DEF:198 SPD:128 ini:25

発動中パッシブスキル:
受身/個人戦闘時、DEF値を+10する。

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。
シールドワーク/ 0/攻撃ダメージを必中で5、防御ダメージを50%にする。

vs

地廻りのサム
ガッツ:50
ATK:128 DEF:175 SPD:140 ini:28


******

【ターン2】
・行動選択
攻撃、各種スキルの内から『10/28 1:00』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。


ところで皆様、一応>>975などではイニシアチブ&命中/ダメージと
ダイスロールをお二人様で回せるようにしておりますので、ご利用下さいね。

981 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/28(日) 00:28:08 ID:???
攻撃 焦らず戦いたいです。

982 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 01:13:22 ID:???
ご回答ありがとうございます。
それでは早速>>980については……

>>981 さら ◆KYCgbi9lqI様の案を採用させていただきます!
状況は1ターン目と変わらず。
さてこのターンはどうなりますか!
CP3を進呈いたします。

983 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 01:14:31 ID:???
***

・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]
[命中ロール ! numnum]
[ダメージロール ! dice + ! dice]



地廻りのサム
[イニシアチブロール  5 ]
[命中ロール  67 ]
[ダメージロール  1 + 2 ]


984 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/28(日) 01:27:22 ID:???

森崎
[イニシアチブロール  6 ]
[命中ロール  96 ]
[ダメージロール  5 + 2 ]


985 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 02:16:37 ID:???
***

・イニシアチブ処理
森崎 25+6
サム 28+5 先攻!


サム
・命中処理
12+67=79 命中!
・ダメージ処理
0+3=3


森崎
・命中処理
-12+96=84 命中!
・ダメージ処理
17+7=24


サムの攻撃は命中し3ダメージ!
森崎の攻撃は命中し24ダメージ!


***

986 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 02:17:39 ID:???


「は……は、はァ……! 痛ぇ……やっぱ喧嘩は痛ぇな、ガイジン!」

だらり、と額から垂れ落ちた血を舐め取る舌は、その目と同じく蛇を思わせる細く長いものである。
ちろりと舌を出し入れするサムが、

「なら……次は、こいつだ」

その手の中で、長棍をぐるりぐるりと回していく。
初めはゆっくりと、しかし次第にその速度を増していく回転は、遂にはその先端を
視認することさえ難しい域にまで達する。

「躱せるもんなら、やってみな!」

左右天地、打撃の出処は変幻自在の棍が、疾る。


***

イベントスキル発動:『蛇の操棍』
種別:パッシブ
効果:SPD値を5プラス、攻撃ダメージを1d6プラスする。
発動条件:ダメージが入った次のターンより永続。

***

987 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 02:18:45 ID:t1Y5hHSs

森崎有三
ガッツ:47
ATK:192 DEF:198 SPD:128 ini:25

発動中パッシブスキル:
受身/個人戦闘時、DEF値を+10する。

アクティブスキル:
(名称/消費ガッツ/効果)
牽制打/10/そのターンの攻撃ダメージを70%とし、命中値を+30する。
スマッシュ/10/攻撃の最終ダメージを150%として計算する。
シールドワーク/ 0/攻撃ダメージを必中で5、防御ダメージを50%にする。

vs

地廻りのサム
ガッツ:26
ATK:128 DEF:175 SPD:145 ini:28

発動中スキル:
蛇の操棍/SPD値を5プラス、攻撃ダメージを1d6プラスする。

******


【ターン3】
・行動選択
攻撃、各種スキルの内から『10/28 15:00』までに、どれか一つを選択して下さい。
その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。

988 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 02:21:27 ID:???
******

メオンの間接的なサポートが効いてます、といったところで
本日の更新はこれまでとさせていただきます。
夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。
それではまた、次回更新にて。

989 :◆W1prVEUMOs :2012/10/28(日) 11:10:52 ID:???
牽制打とCPEP注ぎ込みでとにかく攻撃を当てる
牽制打での最低与ダメージが13だからこれを2ターン繰り返せば倒せる
あとはサムのダメージロールがへたれるのを祈る

990 :傍観者  ◆YtAW.M29KM :2012/10/28(日) 11:26:26 ID:???
SPD上がっちゃったからなあ…。確かに次は牽制打でいいかな。
そのあとはサムの動き次第。牽制打からのシールドワーク×3もありでしょ。

991 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/28(日) 11:40:40 ID:???
CPEP注ぎ込むならスマッシュで勝負決めるってのも有りかも。

992 :さら ◆KYCgbi9lqI :2012/10/28(日) 13:16:54 ID:???
攻撃 通常攻撃で押したいです。
【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】

993 :◆9OlIjdgJmY :2012/10/28(日) 13:31:46 ID:???
攻撃 一発当てれば済む話なので。
【部隊を】異邦人モリサキ3【整える】

994 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 15:37:18 ID:???
皆様、ご回答ありがとうございます。
それでは早速、>>987の選択については……

>>989 ◆W1prVEUMOs様の案を採用させていただきます!
はい、最悪の場合でもEP8単位の投入で封殺できますので、期待値としては最善手だと思われます。
8単位使わなければいけない確率は1/10000ですしね。
CP3を進呈いたします。


>>990
そうですね、このターンでのサムの攻撃が思いきりヘタれた場合はそれも一手です。
いきなり本気出してくる可能性もなくはありませんがw

>>991-992
スレタイ案、ありがとうございます。
成功率が5割を切ってしまいますので、失敗すると若干ストレスフルかもしれません。

>>993
スレタイ案、ありがとうございます。
最近は比較的好調ですが、初戦でその一発を外し続けた悪夢もありますからねw



また、新スレッドを立てさせていただきました。
当スレッドもギリギリまで使用いたしますので、万一誘導前に1000到達してしまった場合は
適宜新スレッドにて書き込みを続けていただきますようお願いいたします。

【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
ttp://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1351405569/

995 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 15:38:57 ID:???
***

森崎 スキル使用『牽制打』


・ダイスロール
★マークごとに一人づつ、! と dice、numnum の間のスペースを消して
森崎の行動ダイスを引いてください。


森崎
[イニシアチブロール ! dice]

森崎
[命中ロール ! numnum] +30

森崎
[ダメージロール ! dice + ! dice]



地廻りのサム
[イニシアチブロール  3 ]
[命中ロール  39 ]
[ダメージロール  4 + 4 ]

996 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 15:41:18 ID:???
地廻りのサム スキル使用『蛇の操棍』
[ダメージロール  5 ]

997 :◆9OlIjdgJmY :2012/10/28(日) 15:52:01 ID:???
森崎
[イニシアチブロール  4 ]

998 :森崎名無しさん:2012/10/28(日) 16:20:35 ID:???
森崎
[命中ロール  06 ] +30

999 :◆W1prVEUMOs :2012/10/28(日) 16:21:45 ID:???
森崎
[命中ロール  27 ] +30

1000 :異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/28(日) 16:38:36 ID:???
では、ダメージロールは次スレにてお願いいたします。
皆様、次スレでもどうぞ宜しくお願いいたします。

【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
ttp://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1351405569/

1001 :1001:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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