キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【バグサッカー】きれぼしサッカー【やりまーす】

1 :きれぼし ◆fM2NOXdVR. :2012/11/19(月) 23:28:30 ID:???
この作品はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。

ワールドユース大会にて全日本ユースが初優勝してから1週間後の物語、です。


753 :森崎名無しさん:2014/09/07(日) 23:57:45 ID:???
乙でした

754 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/14(日) 19:41:01 ID:???
――――――
―――――――――
―――――――――――――

 東京都中央区聖路加国際病院326号室。
 何者かに狙撃されて入院している片桐を見舞いに、見上は出向いていた。
 病室でのよもやま話での中で、親善試合という名の全日本の代表権を賭けた戦いについて、
当然に話題となり、その話し中に片桐の口から早川あずみの名前が挙がる。

見上「早川あずみ?」
片桐「はい。岬太郎がフランスに留学していた時の日本人学校の同級生で、2年前まではフランスに滞在していました。
   ……見上さん、時間がないので率直に言いますが、今からでも彼女を全日本の代表に登録してください」

見上「…何?」
 耳を疑った。当然だろう。これまで名前を聞いたこともない女の子を、戦力として迎え入れろと言うのだから。

片桐「怪訝になるのも分かります」
 片桐も相手の反応を想定していたらしく、口を開く前にあずみ推挙の理由を語り出す。

片桐「フランス国際Jrユース大会がはじまる少し前に、見上さんも知っている通り岬くんに全日本への
   召集の伝達のため、私はフランスへ出向き岬くんと対面しました。
実はその『初対面』の数日前に、思いかけず岬くんと、早川さんの姿を見る事ができました。
   気付かれないようにこっそりと様子をうかがっていたのですが、
その時に見た岬くんとの1対1との対決で、早川さんは彼と、全く互角に戦っていたのです」


755 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/14(日) 19:50:25 ID:???
見上「岬と互角、だと?」
片桐「信じられないでしょうが、これは本当に私の目で確認した事実です。
   Jrユースとワールドユースでは性別条項のために彼女の参加は認められていませんでしたが、
   少なくともこの『親善試合』ではその心配はいりません」

見上「(この場面、そしてこの表情、嘘をついているようには見えない。だが)1つ、確認したい事がある」
片桐「何でしょう」

見上「その早川という…選手の現在の力量についてだが、今はどうなのだ?岬と互角としても確認できたのは4年前だ。
   4年前は優秀でもどこのクラブにも所属していないフリー…」
片桐「してますよ」
見上「えっ」
片桐「彼女はパリ・サンジェルマンFCのユースクラブであるシャンゼリゼFCに3年間活躍し、
   昨年にはそのサンジェルマンにプロとして契約を結びました。『ガスパール・ルブラン』として」


756 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/14(日) 19:53:53 ID:???
あずみ「お断りいたします」
 本題を切り出したと共に、殆ど間をおかずに見上へと否定的な返事がきた。
 片桐との話を信用した見上は、片桐を介してあずみとの連絡を取り、
 全日本へと加入してもらうべく話を持ちかけたのだが、にべもなく断られてしまった。

見上「随分と迷いなく、断ってくれたものだな」
あずみ「日本サッカー協会からのこのたびの御厚意については、大変深く感謝しております。
    ですが、私にはつけなければいけないけじめがあり、それを果たすまでは、参戦はどうかお許しください」

見上「(ふむ、この様子ではすぐに結論を出していくのは難しそうだ、それなら)
    そのけじめというのはどういったものなのか、少し話してくれないかね」
 相手の決意が固い事を見て取った見上は、一旦相手への情報収集をまず行う事として、話題をわずかに横に逸らした。
 あずみは見上の問いかけを聞くや、キリリとしていた顔に
 わずかながら憂いが漂いはじめた。瞼を閉じてじっと黙った後、ふわりと目を見開き、語りはじめた。

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―――――――――
――――――


757 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/14(日) 20:09:22 ID:???
短いですが、本日はここまでにいたします。

753さん、乙感謝です!

758 :森崎名無しさん:2014/09/15(月) 21:40:50 ID:???
乙です。
次の更新も楽しみにしてます。

759 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:28:09 ID:???
 これより投稿を開始します。私の調子では後1か月はあずみの回想で費やされるでしょうが、
どうか今しばらくお待ちくださることを願っております。
 なお、以下に挙げる情景はあずみの回想のイメージではありますが、この全てを見上監督に
語ったという訳ではない事に注意してください。

758さん、乙感謝です。
あなた方の乙のおかげで人生に潤いが感じられ、幸いです。


760 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:31:40 ID:???
――――――
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―――――――――――――
あずみ「ひい、ふう、みい……」

フランスはパリのとある大通り。フランス国際Jrユース大会が開始されるまで
1か月を切った7月のある日、1組の日本人の少女と少年が歩いていた。

岬「嬉しそうだね」
あずみ「そりゃあそうよ、今日は合わせて1000フランも稼いだんだから!はい、岬くんの分」

半分の500フランを岬に渡した後も、自分の取り分であるフラン札の束に目をらんらんと輝かせている。

岬「(笑顔がこぼれちゃって、本当に嬉しそうだなあ)いつも汚れ仕事を引き受けてくれてありがとう、
   おかげでいつも順調に『資金調達』ができてるよ」

あずみ「いいのいいの、岬くんがいないとこんなに長く続けられなかったんだから
   (岬くんと会ってからの3年間で10万フランも入ったもんね)」

岬「そっか、それならいいんだ。ただ、収入のためとはいえ、退屈だよ、賭け試合って」

あずみ「そうだよねー、チームメイトは勿論、もう随分前から相手側の方も、思いっきり手を抜かないといけなくなったからね」

岬「うん、全力でいくと相手が勝負を諦めて、そして次から
  試合をしなくなっちゃうからね、程々にしないと続けられないよ」

あずみ「確かにそんな試合詰まんないよね。ああいう試合を見てて、あたしも入って
    さっさと試合決めちゃいたいって、いつも思っちゃうんだよね」

岬「うん。だから、これから久しぶりに2人でサッカーする?」
あずみ「うん!」


761 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:34:30 ID:???
 しばらく歩いて、2人はブローニュの森の運動場へたどり着いた。
岬達の通う日本人学校は校庭が異様に狭く、体育の授業の際は毎回バスに乗せられて来ていた場所でもある。
バスを使うほど遠い場所でもあるため、他の同級生が授業以外で来る事はなく、岬とあずみが密会する格好の場所にもなっていた。
 からりとした風がミズナラの葉をゆらし、岬とあずみの体へそよぐ。
あずみは大きく体を伸ばして、涼しい風と穏やかな光を浴びている。

あずみ「んー、ようやく着いた、やっぱりここがいいや。気持ちいいし、余計な事考えなくてすむし」
岬「いつ来てみてもパリとは大違い、別天地みたいだ」

あずみ「ほんとリラックスできるよね、岬くんなんかこの間芝生の上で熟睡してたし」

岬「そう言うあずみちゃんだって隣で一緒に寝てたじゃなかったっけ?髪に草がいっぱい付いていたし……」

あずみ「そうだっけ?まあそんな事よりサッカーよ、はやく、はやく!」

岬「…やれやれ、じゃ、はじめようか。いつものように、まず僕がドリブルで向かっていくよ」

あずみ「オッケー、それじゃ、今度こそ止めてみせるわよ!」


762 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:36:27 ID:???
 荷物を自らの足元に置き、互いに見つめあった後、岬があずみ目がけて走り出した。
あずみの射程範囲内に入ったところで、小刻みな左右のフェイントをし始める。

あずみ「(どっち……?)」

 切り返しの減速などほとんど感じられない、流れるような連続フェイント。
突破されないようにしきりにマークしながら、相手の動きを観察していた。
 左足からボールが離れた。右足はまだ上がっていない。

あずみ「(右からくる!)」
 トラップする気がない以上、蹴り出したボールの勢いに乗って、岬から見て右側から突破を図るに違いない。
そう考えたあずみは重心を傾けはじめる。だが。

岬「(かかった!)」
 あずみが釣り出されたのを見て取った岬は、件の右足でシュートするように、
しかしほんのりと軽いタッチでボールを浮かせ、あずみを飛び越えようとした。


763 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:38:22 ID:???
あずみ「(いけない、抜かれちゃう、なら)えええいっ!」

パアンッ!
ズサアアアアッ!
咄嗟に右肘を芝生に叩きつけ、それを軸に回転し足をボールへと持ち込んだ。

岬「なにィ!(速い!こんな事をおそらく即座に閃いて、そして間に合わせるなんて…でも!)」
バシイッ!

岬「(抜き去る事はできなくても、せめて奪われないようにする)」
あずみ「(と、取れなかった……)」

ポン、ポン、ポン……
岬とあずみの意気が伯仲し、ボールは両者の足からこぼれ、芝生の上を転がって行った。

片桐「(凄い!あのレベルは日本はおろか、同年代のヨーロッパの選手とも引けを取らない。
    それがろくに試合経験もないであろう日本人学校でいるとは……それも、2人も!)」

この光景はたまたま休憩のため公園を訪れていた片桐の目にとまった。
その後1時間にわたる2人の白熱した2人のやり取りを遠くで観察した後、
大急ぎで日本サッカー協会に連絡を取り、岬太郎の全日本入りが決定される事になった。


764 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:40:27 ID:???
 あれやこれやとサッカー勝負が終わった後、2人は売店で買ったソフトクリームを舐めながら、公園内のベンチに腰かけていた。

岬「それにしても随分上手くなったんじゃない、本気を出しても5分5分の勝負になってるよ」

あずみ「まあね。まっ、敵に塩を送り続けたのがいけなかったんじゃない?
    3年間ずっと、岬くんがマンツーマンで色々教えてくれたからよ」

岬「そうかもね。でも、こうして全力で戦える相手と、
  サッカーに関する『いろんな事』を話せる相手が出来たんだから、後悔はしてないよ」

あずみ「そう?良かった。岬くんと出会ってなかったらサッカーで
   『いろんな』楽しい事に出会えなかっただろうし…ありがとね」

 あずみは岬に向かい、ニコリとほほえんで話しかけている。
岬もいつものような万人向けの「天使のほほえみ」ではなく、どこか満足げな笑みをあずみに向けてさらしていた。


765 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:43:19 ID:???
岬「そう言えば、今日は大事な話があるって聞いたけど」
  しばらく和やかに、和気あいあいとして談笑を楽しんだ後、賭け試合の前にあずみから言われた事を思い出して、岬が尋ねた。

あずみ「うん、岬くんJrユース大会が終わったら、日本に帰るんでしょ」

岬「そう、だね。父さんの裏の仕事が、どうも嗅ぎつけられそうな
  気配を感じるって言って、ほとぼりを覚ますために日本へ行く事になりそうだよ。
  折角いくつかのクラブから誘いが来るようになってきたのに……」

あずみ「何とか岬くんだけフランスに残る事はできないの」

岬「フランスに残ったら警察が僕を集中的に監視してくるだろうし、
  そうなったらたとえ無罪となって釈放されてもクラブにはいられなくなるよ、だから僕は日本に行かないと」

 まあ、日本で今後の夢のために人脈作りに励むよと、珍しく岬が声をあげて笑ったが、
あずみにはそれが空しい響きを感じずにはいられなかった。
 場の空気が沈み込む。取り分けあずみは話題が話題であるだけに、なかなか話を切り出せずにいた。
思うところがある事を察した岬は、助け船を出すべく声をかける。


766 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:45:20 ID:???
岬「それで、話ってなんだっけ」

あずみ「う、うん。岬くんが日本に帰る事が分かった後すぐにこんな事言うのはあれだけど……
    あたし、来年からパリのサッカークラブに入る事になったの」

岬「えっ!?」

あずみ「ほんとよ。この間、シャンゼリゼFCの入団テストがあったんだけど、あたしそこで合格したの」

岬「ええー…それは、凄い。いや、そこまで行けるなんて、
  シャンゼリゼっていえばサンジェルマンFCのユースクラブじゃないか」

あずみ「うん。そこで何とかしてサンジェルマンFCにプロ入りして、
    年棒やらなんやらでいっぱい稼いでやるんだ、きっと、やってみせる」

岬「(顔がギラギラしてきたなあ。ん、そういえば)それにしても女の子がやってきて
   大丈夫だった?相当話題になったと思うんだけど」

あずみ「その事なら大丈夫よ。ちょっと待っててね」


767 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:48:48 ID:???
あずみはベンチから荷物を持って立ち上がり、近くの大木へ向かい、
いいって言うまでのぞきに来ないでねと告げた後、木の裏に隠れた。

サワサワ、サワサワ。
わずかに漏れ聞こえる音に、岬は首を傾げる。

岬「(あの布の音は…服を脱ぐ音?何でこんな場所で…)」
 怪訝に思ったが理由も特に分からないまま待っていると、木から白い腕が上下に振られ、
早く来てとやっと聞こえるぐらいの声で呼ばれる。

岬「一体何を…あっ」

やって来た岬が見たのは、胸にサラシをきつく巻いた他は上半身裸の、あずみの姿であった。

岬「あずみ…ちゃん。なんでこんな恰好…」
あずみ「あ、これはまだ途中よ、準備はこれから」

 返事を聞いて岬の頭に、はじめてあずみに対する妄想が湧いた。
もしやこれからサラシも外して生まれたままの姿をさらけ出してくるのではないかと。
だが残念な事に現実の展開はそうならなかった。
あずみはしゃがみこんで荷物から茶髪のかつらを取り出すと、おもむろに自分の頭へとつけていった。


768 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:50:50 ID:???
あずみ「どう?少しは男の子っぽくなった?」
岬「(なるほど、男装してテストを受けたのか、これは…)」

 岬は改めてあずみの姿を見直してみる。
荒々しくビンビンに立った茶色の長髪。ボーイッシュで勝気な表情、サラシに押えてできた平坦な胸。
確かにこうしていれば、男に見えても不思議ではない。

岬「良いと思うよ。随分格好よくなったんじゃない」

あずみ「そう、よかった!女だとばれて他の人に嫌らしく見られたくなかったけど、大丈夫そうね。
    もう名前も付けたんだ、ガスパール・ルブランって言うの。
    小さいころからパリにいてフランス語もちゃんと話せるし、これでばれずに済むよね。
    サッカークラブも性別に分けられてるし、女性クラブはレベルが低くてつまらないから」

岬「これで支障なくサッカーができそうだね。おめでとう、あずみちゃん(僕ももっと勇気を出していれば良かったのかな…?)」


769 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:52:39 ID:???
ホッとした様子でウキウキと話しかけるあずみに対して返事をしながら、一抹の後悔の念が岬に漂ってきた。
やはり自分もフランスに残るべきであったか。そんな事を考えているうちに、再びあずみが話しかけてくる。

あずみ「岬くん……」


先着で
★サッカーと詐欺が結ぶ男女の縁 ! card★
と書き込んで下さい。マークで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。
Eメール欄は空欄にして、IDが表示されるようにしてください。

JOKER・ハートK:「これからうちに行かない?今日は家に親、いないんだ……」
ハート:「んっ」 突然口づけをしてきた!さらに、カードが絵柄になると……
ダイヤ:「私の胸、触ってくれる?」 カードが絵柄になると……
スペード・クラブ:「もう遅くなってきたし、一緒に帰ろ」


770 :森崎名無しさん:2014/09/21(日) 14:55:02 ID:JqtKP4vs
★サッカーと詐欺が結ぶ男女の縁  ダイヤ3
突然の設定なのによく考えてるなあ

771 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:55:36 ID:???
随分と背中がかゆくなる展開になってしまったところで、今日はこれまでにいたします。
いつになったら試合パートに戻れますやら……

772 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/23(火) 17:58:20 ID:???
今日の投稿を開始いたします。このところ仕事の都合で忙しくなりそうなので、
今週来週の投稿は厳しく、再来週もできるかどうか危なくなってきましたが、なにとぞ
お待ちいただける事を願っております。

770さん、お褒めの言葉をありがとうございます。
色々描写不足ではないかと思っていたのですが、思わぬ評価をいただき、大変喜んでおります。
これからも拙作をお楽しみください。

773 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/23(火) 18:00:24 ID:???
★サッカーと詐欺が結ぶ男女の縁  ダイヤ3 ★ 「私の胸、触ってくれる?」
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岬「えっ!?」

あずみ「そう、私の胸、ううん、おっぱいを岬くんの手で触ってほしいのよ、訓練のために」

岬「訓練に……?そうか」

 突拍子もない頼み事に呆然としながらも、あずみの最後の一言で意図を察した。
これからシャンゼリゼに入団した後、練習や試合でのチャージやボールクリア等、
相手との胸への接触は数え切れない程出てくるだろう。
私生活の時でもチームメイトが激励やからかい等で胸にタッチする機会は十分にあり得る。
そんな時に声を上げてしまい、女だとバレるのを避けたいのに違いない。

岬「つまり、これからの不測の事態に備えておきたいってことだね」
あずみ「正解!今のうちに慣れておかないておかないといけないと思って、ね」

 そう言ってあずみはニコニコという擬音が聞こえそうになる程の笑顔を、岬へと向けた。
この笑顔を浴びせられた岬の中に、フツフツと感情がわきたってくる。


774 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/23(火) 18:03:42 ID:???
岬「(これは……)」
 目的は分かった。実行自体はたやすい。だが、岬は彼自身の誇りとも言うべきものが、彼女の以来の実行を躊躇わせていた。

岬「(あずみちゃん、僕を挑発してるな、それもイタズラの方向に……)」
 彼女の口はニマリと大きく横に広がり、木陰でもわかるほどはっきりと、相手の顔つきの変化を楽しんでいるように見えた。
時折これ見よがしにパチリとウィンクをするところは、疑惑を確実なものとさせている。

岬「(だめだだめだ、この3年間で1000人以上のフランス人を籠絡し、
   収益を上げてきたこの岬太郎が、こんな見え見えのイタズラにかかってたまるか)」

 感情を自らの自負心で押さえつけようとする。だがいかに岬が思考明晰であっても、まだ中学生の男の子である。
キリリと引き締まりながらも初々しい顔、
若さをそのままに表した溌剌とした肌、
サラシで押さえつけられながらもかすかに見える胸のふくらみ……
 強烈な刺激が岬の血を熱くする。

岬「(でもあずみちゃんの将来の夢の手助けはしてあげたい、それに2人きりでこんな事を頼むなんてもしかしたらあずみちゃんは……
   いや、だめだ、冷静になれ、岬!)」
 沸騰するほどの激情をかろうじて抑え込み、頭の中でじっと念じはじめる。

岬「(こういう時は数学の公式を思い浮かべろって、父さんが言ってたな。
   数式は真理への道、簡潔な心理は複雑な状況を晴らす光、って。
   円の面積はS=πr2、三平方の定理はa2+b2=c2、二次方程式の解は、x=(-b±√(b^2-4ac))/2a………よし、大丈夫だ)
 数学公式の脳内詠唱により、平静を取り戻す。次にすべき事は、
依頼兼挑発を行ってきたあずみに対し、予想を裏切り期待に沿った行動を返す事だ。
 岬はあずみへと姿勢を向き直しおずおずと右手を彼女の胸へと近づけた。

岬「(あずみちゃん、僕は岬太郎なんだという事を見せてあげるよ)」


775 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/23(火) 18:06:08 ID:???
あずみ「(岬くん、目がじっとあたしの胸にいっちゃって、かわいいなあ)」
 含み笑いが出そうになるのをこらえながら、純情な岬の様子を楽しんでいる。

あずみ「(それに手も震えちゃって、そう言えば昔から女の子への詐欺はしてこなかったし、
     意外とそういうところはウブなのかな?ほーら岬くん、あたしのおっぱいはここですよー、
     あと20センチ、あと15センチ、あと10…)」

ピタッ。

突如岬の手が止まる。それ気づくか否かの間にに急加速し、手をいっぱいに広げあずみの左胸を掴んだ。

あずみ「きゃっ!」
 油断をしていたあずみは思わず声を上げる。岬に対しても口を開こうとしたが、
その直前、岬の指が動き始め、サラシ越しに胸を揉みはじめた。

あずみ「あっ!……うんっ、岬くん、ちょっと、待って」

岬「えっ、待ってって、僕はあずみちゃんの願いができるだけかなえられるようにしようと努めてるだけだけど」

あずみ「え、でも、だからって揉まなくても」

岬「あずみちゃん、男の子同士のからかいやイタズラって結構きびしいよ。
  殴るような勢いで背中を叩いたり、こっそり後ろからカンチョーを繰り出してくるようなのだってあるんだから、
  これ位の事に慣れておかないと、あっという間にバレちゃうよ。それに」

岬はあずみの顔を見つめる。

岬「あずみちゃんが可愛かったから。ごめんね」


776 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/23(火) 18:07:44 ID:???
あずみ「えっ」

はさりと風が吹いて枝を揺らす。照らし出された光に映されたあずみの顔は、ポッと赤くなっていた。

あずみ「(あっ、いや、おっ、おちつけあずみ、岬くんが口八丁で誰からも受け入れられるのはあたしがよく分かっているでしょう!
     そんな岬くんの手なんか、あたしにはお見通し……)」
 あずみが葛藤している間に顔はしっとりと深くなり、夕焼けの赤い光ではごまかせないまでに染まっていった。

岬「(ほんとに可愛いなあ、あずみちゃん)やっぱり僕じゃだめだよ、羞恥心はもっと別の方法で取り除いて……」

あずみ「待って!(あっ!)」
 手を放そうと力を緩めた岬の手を、あずみが反射的に両手でつかみ止める。

あずみ「(言っちゃった…)放さないで、もっと触っていって……揉んでも、いいから」
岬「で、でもこんな事を外でこれ以上は……」
あずみ「いいから触って!女の子にこんな事を言わさないでよ!」

ヤケになって大声で叫んだ後、大声と話の内容で恥ずかしくなり、あずみはうつむきかける。

岬「じゃあ、触るよ」
あずみ「……訓練だからね……」

下を向いて独り言のようにつぶやく。さわさわとあずみの胸がさすられていくうち、あずみの顔もゆっくりと上がっていく。
元の位置に戻ってみたあずみの顔は、含み笑いでも照れ顔でもない、まっすぐに岬を見つめる、真剣な面持ちとなっていた。


777 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/23(火) 18:10:36 ID:???
私事のためしばらく中座いたします。
続きの投稿はしばらくお待ちください。

778 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/23(火) 18:43:54 ID:???
高緯度の夏のパリも日が陰り、空が黒くなっていく。
岬とあずみは既に「訓練」を終え、木陰から出て、公園の出口へと向かっていた。

岬「あずみちゃん」
あずみ「なに?」
 その途中の人通りの少ない小道で、岬があずみへと話しかける。

岬「実を言えばこのところ、少し落ち込んでいたんだ。もう少ししたらサッカー先進国のフランスから日本へ帰る。
  その日本のサッカーで漏れ伝わってきた情報を聞けば、翼くんのいる南葛中は大会を2連覇して、
  大空翼ありとその名前を轟かせているらしい。
  今年の大会も優勝してJrユースでも活躍したら、ブラジルあたりからスカウトがくるかもしれない」

あずみ「翼くんって、岬くんが小学生の時のチームメイトだっけ」
岬「そう。僕よりずっと上手かったよ。たぶん今でも実力は上じゃないかな。それ以外にも、少なくても僕と同じ位強い人がいっぱいいる。
  彼らも活躍次第では海外に行ける可能性がゼロじゃない。だけど僕はゼロなんだ」
 岬の声調は沈痛な響きを帯びている。どうしようもない事柄に、合わせるようにあずみの表情も暗くなる。


779 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/23(火) 18:47:06 ID:???
岬「そして日本で伸び悩んで、翼くんや他の海外行きの人、そしてあずみちゃんに追い越されていく。
  追いつこうとしても追いつけず、じっとみんなを見ているばかり、そう思っていたんだ」
 大きくため息を吐きだす。その後にあずみに向けた岬の顔は、表情が改まり、目に力を入れて気合を入れようとしていた顔だった。

岬「でも、今日のあずみちゃんとのやり取りで、思うところがあったんだ。
  僕は勇気が足りなかったかもしれない。諦めていたのかもしれないって。
  だから、日本に行っても諦めない。そしてチャンスをつかんだら、
  指が避けても歯が砕けても、どんな事をしてでも手に取って放さない。そうする事にしたよ」

あずみ「そっか……大した事はできないけど、岬くん、頑張ってね」

岬「ありがとう、少し楽になったよ」
 言葉の通り晴れやかさが顔に現れ出る。そう話をしているうちに、小道の終わりが見えてくる。
小道を抜けると道は広がり、そう遠くないうちに出口に出る事ができるだろう。


780 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/23(火) 18:48:51 ID:???
あずみ「岬くん」
 小道をあと少しで抜けようというところで、あずみは岬を呼んだ。

あずみ「岬くん、さっきの『訓練』だけど、これからもあたしの胸を触ってくれる?」

岬「えっ」

あずみ「揉んでもいいからね。あたしも、1人になってもフランスで頑張る。
    もう一度会った時に『クラブチームにいた意味が無い』なんて言われないようにしないといけないから」

岬「あずみちゃん…」
 告白とも解釈できるようなあずみの発言に対し、わずかに考え、返事を出す

岬「分かった、これからは、あずみちゃんの将来のため意志を果たすため、胸を触らせてもらうよ」

あずみ「ひどい、そんな言い方ある?結構一大決心だったのよ」

岬「ああ、ごめん。確かに、そうだ」

あずみ「いいのいいの、怒ってないから。さあ、早く帰ろう」
 そう言って岬の手を握り、出口に向かって走り出した。
出口を抜けても家までは遠い。たっぷりと2人は一緒にいられるであろう。


781 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/23(火) 18:54:40 ID:???
今日はここまでにいたします。
そして回想はこれからも続くでしょう。
すっかり試合が脇に置かれてしまっているような……
もうしばらくお待ちください。

782 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 14:57:49 ID:U/2HFWPs
 瞼を閉じた数瞬の間に、岬との楽しかった日々が瞼の裏に蘇ってくる。
岬への感情を少しずつ高ぶらせながら、その後の自らの歩みに思いを馳せる。

あずみ「(そうしてあたしは岬くんと別れて、シャンゼリゼに入った。最初ははっきり言ってお金目当てだったけど、
   厳しい練習や大会に向けて頑張っているうちに、そんな事はどうでもよくなっちゃったんだっけ。
    強くなっていけるのが楽しかった。強敵を下して勝つのが誇らしかった。
    なにより、全力で戦いあった事を語り合い、喜び合える仲間と出会えた事が、一番、うれしかった)」

 青春であり彼女の人生最良の日々を振り返り心をあたためていった後、あずみはシャンゼリゼ在籍中の事を、見上に向けて話し始めた。
あずみの脳裏に2年前のクープ・デ・レ・エキップ・ジェネス(ユースチームカップ)決勝戦の光景が浮かぶ……

783 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 15:00:20 ID:U/2HFWPs
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放送「さあ、クープ・デ・レ・エキップ・ジェネス決勝戦もいよいよ大詰め、後半ロスタイムに入りました!
   シャンゼリゼとボルドーのスコアは2−2、今年の優勝はシャンゼリゼか、それとも3年連続でボルドーのものとなるでしょうか?
   現在ボールはシャンゼリゼのエドモンくん、そこにボールを奪わんとクロードくんが向かっていく!」

エドモン「どけっ!」
クロード「どけって言われてどく奴がいるかよっ!」

バチィッ!
ボオンッ……

放送「おおっとこれはボールがこぼれた、ボールはフィールド中央、
   ピエールくんとルブランくんの一騎打ちとなる模様!両チームのキャプテン同士の勝負もこれが最後となるでしょう!」

ピエール「ハッ…ハッ…!(体が、重い!あと3分、いや1分でいい、ここで勝たねば!)」

ジラルダン「(やべえ、キャプテンはもう限界だ)」
アンギーユ「(攻めも守りもキャプテンが奮闘していたからなあ)」
ミッシェル「(ここで取られたら間違いなくまたナポレオンが決めてくる、そうなったら終わりだ!なにせ……)」

アモロ「(逃げちゃだめだ止めなきゃボルドーが優勝できないそれにはゴールを守らないと
     そしたらメガキャノンシュートがまたやってくるぴえーるぴえーるたすけてぴえーる))」

ミッシェル「(キーパーがこれだからなあ…本当に代表キーパーなのかコイツ?)」
ボリス「(もうだめなのか、いや、相手だって……)」


784 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 15:01:40 ID:U/2HFWPs

あずみ(ルブラン)「はあっ、はあっ…!(苦しい、もう少しだから、あたしの肺、あたしの心臓、我慢してっ!)」
イノサン「(キャプテン、もう歩くのもやっとだってんのに……それにしても今のキャプテン、なんか色っぺえ)」

ピエール「(低い球か、相手にとっては得意な球筋。だが、いくしかない!)ハアッ!」
あずみ(ルブラン)「(ここでボールを取られたら終わりよ、絶対に勝つ!)たあっ!」

バシイッ!
グブアアアッ!

ピエール「ぐっ…!(だ、駄目だ、とうとう低い浮き球の競り合いで、ルブランに勝てなかった!)」
あずみ(ルブラン)「(や、やった、ボールを取った、あとは早く前に……)うっ!?」

放送「ピエールくん吹き飛ばされる!最後のキャプテン対決はルブランくんが制する!
   しかしそのルブランくんもついに力尽きたか、膝をついたまま動けなくなってしまった!」

あずみ(ルブラン)「(ま、まだ、ダメよ、ここで立ち上がって走り出さないとダメなのに、脚が、上がらない!早く、早く…)」

ナポレオン「こっちだ、俺にボールをよこせ!」
あずみ(ルブラン)「(そうだ、ナポレオンだ、ここであれをすればいい)分かった、それっ!」クィッ

ナポレオン「(あのサインは…)おっしゃ、これで決勝戦もハットトリック達成だ!」
ジラルダン「(やべえ、やっぱり来た!)」
アンギーユ「(なんとしても、絶対に止めるんだ!)」
ミッシェル「(ここで決められたら終わりだ!)」
ボリス「(止めさえすればこっちにチャンスが来るんだ!)」


785 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 15:03:19 ID:U/2HFWPs
放送「ルブランくん倒れこみかけたとは思えない程に高くパスを上げる!これにナポレオンくんが飛びつこうとするも、
   ボルドーの守備陣が総出で襲いかかる!この囲みの中でナポレオンくん、ノートラップキャノンの態勢に入り…」

ナポレオン「……なあんてな!」

パシュウッ!

ジラルダン・アンギーユ・ミッシェル・ボリス「なにィ!(ナポレオンが、パスだって!?)」

放送「こ、これは!?シュートかと思いきやこれはモーリスくんへのパスだった!ボルドーのDFは全く反応もできない!」

ナポレオン「速く撃て!コースががら空きだ!」
モーリス「お、おう!」
ピエール「(まずい、フリーで、それもアモロとの1対1にさせてしまった!しかも……)」

アモロ「(あわわ、ピエールがDFの背に隠れてサインが見えないよう!)」
モーリス「おりゃあ!」
アモロ「う、うわーっ!」

バシュッ!
スパアアアッ!
ピイイイイイッ!
ピッ、ピッ、ピイイイイッ!

放送「決まったーっ!!シャンゼリゼが決勝点を挙げる!決めたのはまさかのモーリスくん!
   そして試合終了のホイッスル!シャンゼリゼ対ボルドー、3−2、
   ついにシャンゼリゼが悲願の初優勝を果たしましたーっ!」


786 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 15:05:19 ID:U/2HFWPs
ナポレオン「いよっしやああああああああああーっ!」
ルブラン「やったーっ!」
エドモン「優勝だ!」
イノサン「俺達が、ボルドーに勝てた!」
あずみ(ルブラン)「(や、やった……やっと勝てた、あたし達がボルドーに、ピエールに勝てたんだ…!)」

放送「ご覧くださいこのシャンゼリゼ達の爆発的な歓喜を!
   無理もありません、シャンゼリゼFCはサンジェルマンFCの下部組織とはいえ、ここ十年来成績が不振を極めておりました。
   2年前に初めて決勝戦に進出するも3−0と完敗、
   翌年にはナポレオンくんを加えて再び挑むもボルドーの組織力の前に4−3で敗れました。
   そうした宿敵との戦いにようやく勝利したのです、この喜びようも無理はないでしょう。おっと!?」

ナポレオン「おっしゃーっ!」
あずみ(ルブラン)「う、うわっ!」
放送「ナポレオンくん、キャプテンのルブランくんを高々と持ち上げた!」


787 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 15:06:49 ID:U/2HFWPs
ナポレオン「やったなキャプテンさんよ!ようやくピエールに目にもの見せてやったぜ」
あずみ(ルブラン)「あ、ああ(そう、ようやく3年かかって、フランス1になったのよ。
          これでどこに行っても互角に戦える、そして、岬くんにも……)」

マルク「昔は弱小クラブだったのに、凄えな、キャプテンって」
ドミニック「俺達の事をたくさん助けてくれたからな、よくやるよ」
ジュスト「俺とルブラン、どうしてこんなに差がついた……」
アルベール「(いやお前は昔からザルだっただろーが)」
カルダン「(よくこんなので2失点で済んだよな…ルブランにおんぶにだっこしてたようなもんだろ……ん、あれは)」


788 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 15:08:56 ID:U/2HFWPs
ナポレオン「ピエール?泣き言を言いに…お前が言うはずもないな、どうした?」
ピエール「少し、ルブランと話したくてきた、ルブランをおろしてくれないか」
ナポレオン「ん、キャプテンにか?ほらよ」

ナポレオンは高上げ中のキャプテンをおろし、ピエールに向かい合わせる。

あずみ(ルブラン)「ピエール」
ピエール「ルブラン……」

互いの視線が交差し、ピエールから発せられた言葉は……

先着で
★ピエールの観察眼 ! card★
と書き込んで下さい。マークで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。
Eメール欄は空欄にして、IDが表示されるようにしてください。

ハートK:「ルブラン、もしかして君は……女性ではないか?」 
JOKER:ハートK +ピエールは片膝を地につけあずみ(ルブラン)の手を取り……
それ以外:「不思議だ、負けはしたが、どこか心良い」


789 :森崎名無しさん:2014/10/11(土) 15:13:26 ID:???
★ピエールの観察眼  JOKER


790 :森崎名無しさん:2014/10/11(土) 15:14:57 ID:???
なんとなく俺ならJOKER引けるなと確信してたら本当に
やっちったああああああああああwwwwww
さっすが俺wwww

791 :森崎名無しさん:2014/10/11(土) 15:16:14 ID:???
って、ID空白だった、もったいない・・・すみませんでした

792 :森崎名無しさん:2014/10/11(土) 15:20:49 ID:lZklxhQ2
★ピエールの観察眼  ダイヤ4

793 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 15:43:26 ID:U/2HFWPs

>>790・791
 初めて見た時はID欄に気づかず、AAよろしくブッと吹き出してしまいました。
これが有効であった場合、ピエールとあずみがフィールド上で婚約する事になっていました……
私としても大変残念ですが決まりですので、断腸の思いで「それ以外」での流れで話を進めさせていただきます。
 この「ピエール×あずみ」……埋めネタとしてJOKERが有効になった場合のアナザーストーリーを書いてみたいです。
超遅筆故、いつになるかは分かりませんが。
 ただいま続きを執筆しております。次の投稿までしばらくお待ちください。
また、都合により今日以降の執筆が予告なくできなくなるかもしれない事をご了承ください。


794 :森崎名無しさん:2014/10/11(土) 16:45:51 ID:???
乙です
うう・・・岬の全裸に続いて二度もやらかしてしまった・・・

795 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 18:12:05 ID:U/2HFWPs
★ピエールの観察眼  ダイヤ4 ★ 「不思議だ、負けはしたが、どこか心良い」
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あずみ(ルブラン)「(ピエール……まるで子供みたいに目が輝いているわ。ひとかけらの穢れもない澄んだ瞳。
           あたしが岬くんに出会わなかったら、本気でピエールに惚れてたかもしれない)」
ピエール「こんな気持ちになれたのはJrユースの日本戦以来だ。いい試合ができて良かった。ありがとう、ムッシュー・ルブラン」

スッ。

あずみ(ルブラン)「(手を差し出してきた。ピエール、あたしもあなたのお蔭でサッカーの楽しさ、美しさ、
           素晴らしさを知る事ができたわ、ありがとう)
           ああ、こっちこそありがとう、ムッシュー・ピエール」

ガシッ!

放送「両キャプテンが今ガッチリと握手しました!これまで3年間を振り返りますと、
   まるでシャンゼリゼとボルドーのために、この大会が用意されていたような、因縁の戦いも終わりました!
開催まで1年を切ったワールドユース、彼らがフランス代表として世界に羽ばたく日が待ち遠しくて仕方ありません!」

ピエール「ワールドユースではきっと、君も選ばれるだろう。今度こそ、フランスが優勝を得られるはずだ
    (実力はルブランの方が上だ……レ・ブルーのキャプテンは彼の方がふさわしいかもしれない)」
あずみ(ルブラン)「うん、一緒に優勝をめざそうね(ワールドユースかあ、世界中のライバル達と、正面から戦えるんだ。
          岬くんと敵として戦ってみるのも、面白いかもね)」


迫りくる大舞台での戦いに思いを馳せるあずみ。今度こそ自分の実力を世界に向けて発揮できると心が高鳴り出す。
だがまたしても、試合どころか舞台に足をつける事さえままならず、はるかかなたから様子を眺めるばかりとなってしまった。


796 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 18:38:09 ID:U/2HFWPs

あずみ「なんでですか、監督!どうして私の代表選出が取り消されたんですか!」

 初優勝を成し遂げた決勝戦から数か月後。
一度はフランスユース代表に選ばれたが、昨日にその内定を取り消す旨の通知が送付された。
合宿地合流まであと数日という段階での突然の発表であり、監督相手にも関わらず、激高して相手に向かった。
シャンゼリゼの監督は半信半疑といった態でしぱしぱと目を瞬かせながら、あずみについての真実を、ぬるりと吐いた。

監督「その理由は、身に覚えがある筈じゃないかね、ガスパール・ルブラン、いや、マドモアゼル・アズミ・ハヤカワ」

あずみ「!」

 あずみは驚愕した。3年間隠し通してきたあずみの秘密が、ばれたのだ。
現在はチームメイト等周囲の人間とごく自然に交わり疑われる事もなく、
本人もその秘密をふとすれば忘れかけていた程であったために、衝撃は大きかった。

監督「私もはじめて上層部から聞いた時は驚いたよ。フランス人だと思っていた選手が女性、それも外国人というんだからね。
   代表選出の際に名簿登録の関係上、君達の情報をチェックしてたんだが、その内容に不備があって、
   そこでいろいろ調べたら、君の本当の正体が分かった、という次第なんだ」

あずみ「そ、そんな…それじゃあ、あたしは……」
監督「ああ、心配しなくていい、そんなに怖がることじゃない」
 顔面蒼白となっていたあずみに対し、なぐさめるように監督は話しかける。


797 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 18:40:22 ID:U/2HFWPs
監督「心配はないんだ、君を解雇しようという訳じゃない、サンジェルマンも君とプロ契約を結ぶつもりだ。
   ただ、外国人女性がワールドユースに参加する事はルール上出来ないし、マスコミに嗅ぎつけられると色々とまずくなる。
   だから君の代表選出を取り消した、というのが上の決定なのだよ」

あずみ「で、でも!あたしは今まで活躍してきました!
    クープ・デ・レ・エキップ・ジェネスでチームを初優勝に導いたんです!
    ここであたしが出ないとなったら、それこそマスコミが……」

監督「その事だが、君はしばらく日本に行ってもらう事になった」
あずみ「に、日本へ!?そんな事は一言も…」
監督「無理もない、これは今朝私の方に通知されたばかりだからなあ、この書類を見てほしい」

 手渡された文書を手に取る。血色が乏しくなっている顔がますます蒼白になり、手が小刻みに震えはじめた。
あずみのそうした様子から目をわずかにそらして、監督は話を再びはじめる。

監督「君は選手生命に関わる大怪我をしたという事で代表を辞退する事になっている。
   その間は元の姿に戻っていてもいいが、万が一の事を考え、しばらく日本にいて身を潜めてもらう事になったよ」

 ここまで監督が話した時、あずみの腰がストンと落ち、床に尻餅をついた。
その後監督が何を話し、いつ部屋を出て荷繕いをしたか、後になっても全く思い出せなかった。

あずみ「(またあたしの挑戦の舞台は消えてしまった……)」

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798 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 18:44:10 ID:U/2HFWPs
あずみ「…そしてご存じのようにフランスはワールドユース本大会で予選落ち。
    フランスユースメンバーは帰国後散々に非難され、罵倒され、こき下ろされました。
    私が出ていればここまでフランスのチームメイト達が苦しむことはなかったんです。
    なんとしても私はフランスサッカーに、そしてフランスユースのみんなに罪を償っていかないといけないんです。
    ですから、全日本に参加するという訳にはいきません」

見上「(決心は固い、現時点での心変わりは無理だろう。ならせめて今の危機を乗り切ることに注力した方がよさそうだ)
    頼む、君が全日本に対し何の義理もない事は分かっている。
    フランスサッカーに対し深い思い入れと責任感を抱いている事も分かった。
    だが今日本サッカーは危機に瀕している。
    せめて1回でもいい、日本のサッカーの未来を守るために、君の力を貸してくれないだろうか」

あずみ「(日本の、サッカー……)」
 監督に懇願されて、再びあずみの脳裏に記憶が蘇る。
ワールドユース優勝直後の、久しぶりの岬との対面が、まざまざと思い出されていた。


799 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/11(土) 18:48:02 ID:U/2HFWPs
今日はここまでにいたします。

>>794
乙感謝です。
是非今後ともこちらへ参加してもらって、神引きによるカオスを呼び寄せてくれると
大変面白くなってくれるでしょう。また再びのJOKER訪問をこちらも祈っております。

800 :森崎名無しさん:2014/10/12(日) 18:18:22 ID:???
更新お疲れ様です。いつも楽しく見ています。
提案なのですが、判定時のID表示については、次の判定からどちらでもOK、という事にしてはいかがでしょうか。
そうしたら、本スレや他の外伝スレの感覚でsageて書き込みした場合も有効になって、引き直しや混乱を避ける事ができますし。
検討して頂ければ幸いです。
(もちろん、実際にそうするかどうかはスレ主様の自由なので、駄目でしたらそれで大丈夫です)

801 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/13(月) 18:07:27 ID:EnDlCHiY
800さん、ご提案感謝いたします。
これまでは二重投稿などによって特定の人しか投票できない事を恐れて
メール欄を空欄にしていましたが、ここのスレはそんな心配をするほど投稿はありませんでした。
なので、とりあえず今回のような1回で決まるカード分岐については、
これからはどちらでも良いという事にいたします。

本日は投稿できませんが、これからもきれぼしサッカーをお楽しみください。

802 :800:2014/10/13(月) 19:26:42 ID:???
検討していただき、提案を受け入れて下さりありがとうございます。
次の更新を楽しみにしています。

803 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/19(日) 15:50:53 ID:Uz8zwCLY
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 時計の針は再び12時を過ぎ、カチンという音が深夜の公園にしみわたった。
帰国直後のあずみと岬は、他の選手やサポーター達と別れて、東京都内のとある公園にやって来ている。
林立するオフィスビルの間に位置する場所という事もあり、大都市の中心地にも関わらず、光は乏しく2人の他に通る人もいなかった。

あずみ「(なぜ岬くんは、こんなところにあたしを呼び出したんだろう)」
 この公園に到着するまで、あずみは帰国前ブラジルでのワールドユース優勝後に
 岬の口からここでの密会を告げられてから、ずっと考え続けていた。
 ブラジルの対面時に聞かされてからは理由を問いただす機会もなく一切がわからないまま、
どんな事情でこんな見知らぬ場所で2人きりにならなければならないかを考えていた。

あずみ「(そもそも岬くんはまだ姿もみせてない)」
 ただ1人で深夜の公園で相手を待っているうち、もしかして置いてけぼりにされたのか
 とさえ思っていた時、暗闇の遊歩道から岬が現れた。

岬「お待たせ」
あずみ「あっ、岬くん!遅いじゃない、女の子をこんな時間にこんな所で待たせるなんて」
岬「ごめん、東京で電車を乗り間違えちゃったんだ」
あずみ「そう?ま、仕方ないか、迷路みたいなあの路線図をすいすい行ける方がどうかしてるよ」

 ようやく現れた岬に対しあずみは口を尖らせるも、心細さから解放された安心感ですぐ穏やかになり、岬を出迎えた。
岬も肩掛けバックを脇に抱えたまま、あずみに向かって走り出した。


804 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/19(日) 15:52:04 ID:Uz8zwCLY

 数分後、途中の自販機で買った缶コーヒーを手にしながら、2人は公園のベンチに腰かけていた。
互いの肩は触れそうになるほど近い。缶を開けて口につけ、ふーっと一息ついたところで、岬はあずみに話しかけた。

岬「ようやく人心地がついた気がするよ。東京とはいえ、自分の国に帰って来れたし、あずみちゃんにも会えたし」

あずみ「あたしに?ブラジルでも短いとはいえ会えたし、それに岬くんには山岡さんがいるじゃない」

岬「いやいや、こうして落ち着いて面と向き合えはできなかったし、美子の事はこっちで何とかする。
  あずみちゃんは一切、心配しなくていいんだ」

あずみ「ふーん、もうあたしなんかどーでもいーんじゃないのー、やっぱ男って、スレた年増より物知らずな小娘の方がいーのかねー」

岬「違う違う、美子が実の妹だって事はあずみちゃんだって知っているじゃないか。そんな事はしない。
  僕がここであずみちゃんと会うのは、僕達のこれからの将来のためなんだ」

あずみ「ふーん、ん、って、将来!?(これは……)」


805 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/19(日) 15:55:20 ID:Uz8zwCLY

 真剣な面持ちとなってあずみの顔を見る岬を見て、遭遇前に想定していたある予想を思い返した。

 
 もしかして、岬くんはあたしにプロポーズをしてくれるのではないかと。

 
 4年前に離れ離れになるまでの3年間、お金儲けのパートナー、詐欺仲間、そしてフットボーラーとしてのライバルとして、
裏表なく自分をさらけ出し苦楽を共にするうちに、岬に対して強い信頼感と安心感、そして敬意を抱くようになっていた。

あずみ「(一緒にいるときは同業者としての連帯感、仲間意識なんだと思っていたけれど、違ってた。
     あたしは岬くんの事が、好きになっていたんだ)」

 ドキドキと心臓の鼓動が高まっていく。岬に悟られてしまいそうな気がして、
ことさらに神妙な顔つきで岬を見つめながら、相手の言葉を心待ちに待っている。
しかし、岬が発した言葉は、思いもよらない言葉だった。

岬「僕がキャプテンとなる新生『サッカー全日本代表』に力を貸してくれないか」

あずみ「……へ?(って、新生『サッカー全日本代表』?そもそも、岬くんがキャプテンって……)」
 予想とは違った、ときめきもロマンスも何もない話題に一瞬ポカンとなるが、3年間パートナーとして活躍しただけはあり、
すぐさま話の疑問点に着目し、声を挙げた。


806 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/19(日) 15:57:36 ID:Uz8zwCLY

あずみ「一体何の話?新生『サッカー全日本代表』って、どういうあれ?それに岬くんがキャプテンって、
    南葛高校は別にして、そんな素振り今までしてこなかったのに」

岬「これまではそのための準備期間だったから、なるべく目立たないようにしただけだよ。
  そしてこれからようやく、計画を実行に移す時が来たんだ。この計画に沿って僕が全日本のキャプテンになる過程で、
  今いるほとんどの全日本の選手は僕が見つけた選手と入れ替わる事になる。その時の外部からの混乱の調整にその後の試合参加と、
  フィールド内外で僕のパートナーになってほしいんだ」

あずみ「ちょ、ちょっと待って、今いる選手って、森崎くんとか、翼くんとか、そういう選手ってこと?」

岬「そう。そういった今いる選手に代えて僕の仲間達を引き入れて、
  僕が全権を握れるような全日本にするんだよ。勿論サッカーレベルを落とさずにね」

あずみ「な、なんでそこまでの事を」
 するのかと岬に問いかけようして、岬の表情に驚き口を閉ざした。
あずみの目に映る岬の顔が、隠し続けてきた秘密を口に出す時に出る背徳的な快感が、暗闇と相まって邪悪な色相を帯びていたからだ。


807 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/19(日) 16:02:35 ID:Uz8zwCLY

あずみ「(こ、こんな岬くんの顔は初めて見た……)」

岬「簡単な事だよ、これから確実に訪れるチャンスを全てものにするためさ」
 あずみの驚愕を斟酌せず岬は立ち上がり、両腕を広げて語り出した。

岬「全日本はワールドユースで優勝した。日本サッカー史上破天荒の快挙に日本中がわきたっている。
  その勢いを受けて日本のプロリーグ設立も秒読み段階まで進んでいる。設立となれば
  観戦収入のみならず、広告料や放送料、プロ選手としてのフットボーラーの資産価値発生……
  莫大なお金がサッカー界に入り込んでくるんだ。こんな良い機会は2度とない、絶対に、ものにしてみせる」

ここまで滔々と、岬にしては珍しく相手の表情を見る事もなく、思うままを語り続ける。

岬「『久しく卑賤の位、困苦の地により、世を非り利を悪み、自ら無為に託す。此れ士の情に非ざるなり』僕の好きな言葉だ。
   チャンスが目の前にありながらちっぽけな事に囚われて掴もうとしないのは馬鹿さ」

 話が進んでいくにつれ、岬の表情は得意然とした様子となっていく。
それとは対照的に、あずみの表情は険しさを増していった。顔の厳しさを隠そうとせずに、岬へ尋ねる。

あずみ「少し聞きたい事があるんだけど」


808 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/19(日) 16:10:06 ID:Uz8zwCLY
岬「何」

あずみ「今いる選手はどうするの、翼くんとか、森崎くんとか」
岬「どうするかって。ま、役に立ちそうなら『手直し』して使い直すかな。ダメなら『処分』さ」

あずみ「『手直し』、『処分』?一体何をする気なの、今まで一緒に戦ってきた仲間なんでしょ、
    そんな仲間を裏切るなんて、何にも感じないの?」
岬「まだあずみちゃんが僕達の仲間に加わると決まっていない以上、1つ目の質問には答えられないな。
  2つ目については、フフッ」

鼻で小気味良く笑い、なぜそんな分かりきった事を聞くかと言いたげに笑みを浮かべる。

岬「何も感じないね。彼らは僕の夢をかなえるための道具だった。その夢への道はワールドユース優勝で開かれた。
  そうなったらもう道具はいらないさ。不要な道具はどこかにしまっておく、使い難い道具は直すか、捨てるかさ」

あずみ「そう。もう1つ聞きたいんだけど」
岬「どうぞ」
あずみ「本当にあなたは岬くん?フランスであたしと一緒にサッカーを楽しんでいた、岬くんなの?」
岬「そうさ。一緒にサッカーを楽しみ、一緒に金儲けの算段をし、一緒に立身を目論んでいたなか……」

バチィン!!

岬が返事を返しきる前に、あずみの平手打ちが岬の頬を激しく打ち払った。
あずみ「地獄に落ちろ」
 切り捨てるように打ち出した、あずみの怒りを共にして。


809 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/19(日) 16:11:50 ID:Uz8zwCLY
岬「今、何て言ったのかな」
 おやと不思議な、予想外の反応だったと言いたげな様子で、目を丸くして岬は尋ねる。

あずみ「地獄へ落ちろって言ったのよ。サッカーを、共に戦ってきた仲間達を、今までサッカーに費やしてきた自分の人生を
    そこまで足蹴にできる奴なんて、地獄以外にいてほしくないわ」

岬「ふうん」
 打たれた事を確認するようにそっと左手を頬に当てながら、やや呆れがちに答える。

岬「あずみちゃんも、随分詰まらない人になったね」
あずみ「えっ、な、何を…」
岬「そんな常識を大切にするようになって、随分と小さくなったような気がするよ。
  ま、こういう事を言う人にこれ以上の言葉の説得は無駄か」
 ふうと溜め息をついた後、バッグからサッカーボールを取り出して地に置き、足で踏みつける。

岬「こうなったら、僕の実力を見て考えてもらうしかないかな。僕のいう事が本当に実現できるという事を
  理解してもらわなくちゃ、言葉で納得させても仕方ないからね」

あずみ「あたしと勝負する気?悪いけど、岬くんじゃあたしに勝てないわ。
    岬くんもあたしがフランスでどれだけ頑張ったか、知っているんでしょう」

岬「勿論さ、ピエールを抑えてチームを優勝に導いたんでしょ。相当強くなったらしいね」

あずみ「そうよ、そして岬くんは日本にいて力が鈍った。はっきり言ってあたしの敵じゃないわ」


810 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/19(日) 16:20:03 ID:Uz8zwCLY

岬「ふうん、それはワールドユースの僕の働きぶりを見ての判断かい、困るなあ……」
 やれやれといいたげに軽く笑った後、岬は両手を握りしめ、全身に力を籠めはじめる。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!

 ビンビンと空気が張り詰め、岬からは得体のしれぬ圧迫感が発せられた。

あずみ「な…な……なにこれ、岬くんから、力が……!?」
岬「これから僕のパートナーになってもらうというのに、判断力が鈍ってきてる。
  僕はね、ワールドユースの間、退屈で仕方なかったんだ」

 自信をみなぎらせてあずみを傲然と見返す岬。そうしているうちに地面がかすかに揺れ始め、
岬から発せられるパワーはますます大きくなる。

岬「周りに合わせるために力加減をしていかないといけなかったからね…はっ!」
 掛け声をかけると同時に、岬から風が発せられ、四方の木々は激しく枝を揺さぶった。
力を持て余すように軽く腕を振った後、ギロリとあずみに向きなおす。

岬「気をつけなよ。ここまで力を出してしまった以上、手加減というものができないからね」
 あずみに向かって猛然と挑みかかる岬。岬の変貌に戸惑いながらも、あずみは狂った野望を抑えに向かった。


811 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/19(日) 16:21:46 ID:Uz8zwCLY
先着(順番通りではない書き込みは無効、1人1選手ずつ、Eメール欄は空欄)で
★岬 ドリブル 77(! card) +(! dice +! dice)=★
★あずみ タックル 76(! card) +(! dice +! dice)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→岬、苦もなくあずみを抜き去る。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。数値が高いほど岬優勢。
≦−2→岬からあずみがボールを手に入れるが……

【補足・補正・備考】
岬:ダイヤで「クライフターン(+4)」、ハートで「華麗なドリブル(+3)」、スペードで「アルマジロドリブル(+2)」
あずみ:ダイヤで「クレセントタックル(+2)」、
   「スキル・ファンタジスタ(2D6が2の場合12扱い、3の場合11扱い)」、
   「スキル・仕込みナイフ(全接触プレイで吹飛係数1、ただしクラブで必ず反則になる)」


812 :森崎名無しさん:2014/10/19(日) 16:22:43 ID:TGu2m49s
★岬 ドリブル 77( クラブ4 ) +( 5 + 6 )=★

813 :森崎名無しさん:2014/10/19(日) 16:23:34 ID:XuTqkAJo
★あずみ タックル 76( ハート10 ) +( 4 + 2 )=★

814 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/19(日) 16:34:10 ID:Uz8zwCLY

事もなく岬があずみを抜き去ったところで、投稿はここまでといたします。
来週は仕事の都合により、投稿ができなくなる可能性が高くなってしまいました。
次の投稿で回想がようやく終わり、さらにその次で試合を再開できると思いますので、
もうしばらくお待ちください。

815 :森崎名無しさん:2014/10/20(月) 03:55:20 ID:7FF6Un+g
乙です、久しぶりに再開されていたので、10月以降の分を読みましたが、
ここまで本格的な因縁のストーリーになるとは・・・。(あずみ×ピエールは惜しかった・・・)
続きがすごく楽しみです。
待ってますので、次回以降もよろしくです。

816 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/26(日) 17:24:35 ID:F1fcXhjk
これより、どこまで続くか分かりませんが、投稿を行わせていただきます。

815さん、乙ありがとうございます。
こちらとしては展開を急ぎすぎて稚拙になったと思っていたのですが、
少しホッといたしました。
サッカー選手としての早川あずみの背景など、元々あるはずのないものですから、
723さんの発案を元に、色々と考えてこのようになりました。

それでは、きれぼしサッカーをお楽しみください。


817 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/26(日) 17:25:56 ID:F1fcXhjk

★岬 ドリブル 77( クラブ4 ) +( 5 + 6 )=88★
★あずみ タックル 76( ハート10 ) +( 4 + 2 )=82★
≧2→岬、苦もなくあずみを抜き去る。
------------------------------------------------------------

ギュン!

岬との視線が合う。そうあずみが感じた時には、手が届きそうになるまで距離を詰められていた。

あずみ「(な、なにこれ速い!)えいっ!」

それでも咄嗟に右足を繰り出し、ボールごと岬を薙ぎ払おうとする。
スピードは岬と互角、少なくともこの急加速は食い止められるはずだった。

ビュワッ!

あずみ「そ、そんな!」

だが、岬の足はさらに急加速し、あずみの足がボールに触れる直前にチップキックでかわして抜き去った。
あまりにも呆気なく抜き去られたあずみは呆然としたまま、力量差を信じられずボールを見つめ続けていた。

岬「分かってくれた?僕が選手としても日本を率いる実力があるってことに」
勝って当然とばかりに平然として話しかける。今だショックを隠し切れずにいるあずみに対し、慰めるような口調で言を重ねる。

岬「そんなに驚かないでよ、僕だって全力で向かっていったんだ。あずみちゃんも100%の力を出していたら危なかったんだから」

あずみ「(嘘だ!岬くんはあの時何の技も使わなかった、それなのに全く歯が立たなかった。強い!)ど、どうして……」

岬「どうしてって、さっきも言ったようにただ全力を出しただけさ。あずみちゃんだって十分すぎる程強いよ」


818 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/26(日) 17:28:35 ID:F1fcXhjk

フッとしたほほえみを浮かべ、あずみへと向かっていく岬。ポケットから紙切れを取り出し、あずみへと差し出す。
岬「改めて聞くよ、ぜひ、僕に力を貸してほしい。日本サッカーを手に入れるための手助けをしてほしい、僕を支えてほしい」

あずみは、岬からの申し出に対し、何も言葉を返さず、身じろぎも、まばたきすら忘れたかのように、ピクリとも動かなかった。
あまりにも予想外の事態が続き過ぎてオーバーヒートを起こしてしまっていた。

しばらくして意識が覚醒し理性が頭にめぐりなおした時、反射的にあずみは岬の右手ごと紙切れを打ち払う。

あずみ「嫌よ!あたしは、こんなこそこそとした事で自分を卑しくしてまでサッカーをしたくない!」

岬「そんなに、嫌かい」

あずみ「ええ、絶対に嫌!岬くん」
 かつての恋人の変貌、堕落ぶりの嘆きを身にまとい、何とか陰謀をやめるように懇願する。

あずみ「あたしも全日本に入って表から裏から岬くんをサポートする、
    キャプテンになれるように努力するしサッカー協会で影響力を発揮できるような事は何でもするわ、
    だからそんな馬鹿な事はやめて!」

岬「それはできない。この無二のチャンスをものにするには時間が少ない。そんな悠長なことはできないさ」

あずみ「なら!」

ギッと拳を握り、目を見開き、柳眉を逆立てて、叩きつけるように宣言する。

あずみ「岬くんとはもう敵同士よ。絶対に仲間になんてならない、絶対にあなたの野望はあたしが叩きつぶす!」


819 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/26(日) 17:30:51 ID:F1fcXhjk

そう言い切った後、あずみは背を向け一目散に走り去った。
心臓が破れる程激しく走るあずみの頬からは、キラキラとした雫が街灯の光を照らして光っている。

あずみ「(バカ、バカ、バカ!バカ!!)」

岬への怒りが、憤りが、悲しみが、愛憎様々な感情がせめぎ合って、とめどなくあずみの頬を濡らしていく。
そうして走り続けていくうちにそうした感情が収斂していき、1つの決意として固められていった。

あずみ「(岬くんの欲望はあたしが止めるんだ!ほかの人に潰される前に、せめてあたしが……)」
 
後に公言するようにけじめをつけるためか、岬への愛が残っていたためか。
どちらにしろ、あずみはこれ以後、岬に対する未練はなくなり、
大げさな表現を用いれば、サッカーの未来を守ろうとする1人の闘士となった。


*あずみ、岬の感情が以下のようになりました。
あずみ→(敵意)→岬
岬→(パートナー)→あずみ


820 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/26(日) 17:35:02 ID:F1fcXhjk

カビラ「……き、きれぼしJAPAN、尾崎000000000に代わりまして………岬太郎、岬太郎くん、となります」
信藤「えっ!?岬くんは、全日本の選手では…」

あずみ「(やっぱり…岬くんは日本を、みんなを裏切るつもりなんだ!)」

観客席から突然の交代を目の当たりにし、暗然とした気持ちとなる。あの告白は事実だった。
そしてそれがわかってからの行動は早かった。沸き立つ観客を押しのけながら
全日本ユースの控室へ向かい、岬への挑戦を受ける事を決めたのだった。

そうした事情は当然、全日本の控えメンバー達が知る筈がない。
室内はどよめきかえるも、見上の一言で場は静まる。

見上「突然の登場、そして岬とのつながりから不安に思うのも無理はない。だが、私は早川を信じる」
 こう簡潔に、だがはっきりと決意を述べた監督に対し、控え選手達は……


先着で
★選手達の異議申し立て ! card★
と書き込んで下さい。マークで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。

ダイヤ・JOKER:若林「(見上さんがこの場で短慮をするとは思えん、だが)交代について、一言」(さらに分岐)
ハート・スペード:特にみな異論はなかった
クラブ: 中里「早川嬢、拙者と1つ手合せ願いたいでござる」
クラブA:高杉「早川さん、アンタ本当に大丈夫だろうな!?」(さらに分岐)


821 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/10/26(日) 17:37:08 ID:F1fcXhjk
こちらの私用により、いったん席を離れます。今日はこれまでと
なってしまう可能性が高くなってしまいますが、なにとぞご了承ください。

822 :森崎名無しさん:2014/10/26(日) 17:39:54 ID:99suLD0+
★選手達の異議申し立て  ダイヤ6

823 :森崎名無しさん:2014/10/26(日) 17:41:34 ID:???
★選手達の異議申し立て  スペード4

824 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 09:46:03 ID:fI+EWlbE
★選手達の異議申し立て ダイヤ6 ★ 若林「(見上さんがこの場で短慮をするとは思えん、だが)
                      交代について、一言」(さらに分岐)
------------------------------------------------------------------------------------------------
若林「監督」
 抗議をしようとする高杉を押しとどめた後、見上に対し異議を申し立てた。

若林「交代をするにあたって、出場してまだ10分もたっていない早田を交代させるのは非合理的過ぎます。
   早川さんが交代するに足る選手としても、代えるべき選手は他にいるのでは」

見上「そうだとしたら、若林は誰を代えるべきだと思う」

若林「それは……」


★早田の代わりとなる腹案 ! card★
と書き込んで下さい。マークで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。

ダイヤ: 若林「若島津です。見たところ相手は空中戦に強い選手はいなさそうですから」
ハート:若林「中山です。彼の体力は乏しくなっています」
スペード・クラブ:ダイヤ+若林「森崎を代えてください、もはや、満足に戦える力は残っていません」
JOKER:ハート+若林「見上さんが出ればいいでしょう」見上「えっ」


825 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 09:49:56 ID:???
★早田の代わりとなる腹案  JOKER

826 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 09:53:21 ID:???
ちょwww。めちゃくちゃカオスなんだが

827 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 10:12:46 ID:fI+EWlbE
「ピエールの時にJOKER出たからしばらくは出てこないだろう」と思って
ヘンテコな選択肢を適当に出した結果がこれだよ!

きれぼしJAPANというカオスの化身を扱っておきながらカオティックな展開が
大の苦手なスレ主に、どこまでのものが書けますやら……
続きをこれより書きますので、少々お待ちください。

828 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 10:42:09 ID:fI+EWlbE
★早田の代わりとなる腹案  JOKER ★ハート+若林「見上さんが出ればいいでしょう」見上「えっ」
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------

若林「早田ではなく中山を代えるべきです。森崎と同様、彼も献身的にシュートブロックに向かってきました。
   あれほどの猛攻に全て向かった以上、
   体力の枯渇も時間の問題です。早田を代えるよりは合理的でしょう」

見上「確かにそうかもしれんな。その森崎は中山以上に疲労しているだろうが、それはどうする」
 
若林に交代させるつもりで何気なく言った一言。それについて若林は答える。

若林「見上さんが出ればいいでしょう」










見上「えっ」











829 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 10:50:10 ID:fI+EWlbE

若林「(え、な、なんであんな事言った!?)」
 
突然の、自分でも全く思っていなかった言葉が意思に反するかのように口から出て愕然とする。
GKを自分に代えてくれと言おうとした時、舌と口だけが
別人のものになったかのごとく動き出して、突拍子もない発言が発せられてしまったのだ。



紐緒(車中)「いけない、バグスイッチ1つ、切り忘れてた。
       このスイッチは会話・文書とかのテキスト関連のバグスイッチ。ま、大丈夫でしょう」




訳も分からぬ若林の言葉に対し見上は……


先着で
★見上監督の決断 ! card★
と書き込んで下さい。マークで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。


JOKER: ダイヤ絵柄+さらにセービングスキルが 0 個解放される!
ダイヤ絵柄:見上「ふっ、さすがは源三、私の真の力を見抜いているとは」突然、見上の体が光に包まれ始め…(さらに分岐)
ダイヤ・ハート:見上「(遠まわしに諌めてきたか、確かに、早田を変える必要はなかった)」(さらに分岐)
スペード: 見上「分かった。中山の代わりとして、早川を入れる。若林、お前はGKだ」中山→あずみ、森崎→若林
クラブ:見上「GKを代えろと遠まわしに伝えた事にしておく、若林、行け。」 早田→あずみ、森崎→若林
クラブA:見上「何をふざけた事を言っている。まだ森崎は元気じゃないか」 早田→あずみ


830 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 10:57:29 ID:???
★見上監督の決断  ダイヤK

831 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 11:07:35 ID:fI+EWlbE
地蔵菩薩(じりだいこぼさつ)
「助けて!あまりのカオス展開にスレ主が息をしてないの!(AA略)」

えー…早川あずみ登場時のように、見上についても
せりあい、パンチング値、高い・低い浮き球補正(若干の修正あり)を
決定し、そのうえでGKを交代させるかを判断したいと思います。
次の投稿まで少々お待ちください。


832 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 11:21:11 ID:fI+EWlbE
これより見上の能力値を決定したいと思います。

★競り合い 70+! dice★
★パンチング 70! dice+! dice+! dice★
★高い浮き球 ! dice/2★ 
★低い浮き球 ! dice/2★(端数切り上げ)
★見上のガッツ ! card ★
JOKER:990、さらにスキル・ダイナモを持っていた!
ダイヤ:900。
ハート:850。
スペード:800。
クラブ:750。
クラブA:600。

各項目1つにつき1人が投稿するようにしてください。IDの有無は問いません。

833 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 11:25:24 ID:???
★競り合い 70+! dice★
すごいカオスだw

834 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 11:36:09 ID:???
★競り合い 70+ 6

835 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 11:37:50 ID:???
★パンチング 70 621

836 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 11:40:31 ID:???
★高い浮き球  1 /2★

837 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 11:42:21 ID:???
★低い浮き球  1 /2★

838 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 11:46:35 ID:???
★見上のガッツ  スペードK

839 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 12:05:44 ID:???
見上さんって、実はザルキーパーなんじゃ…

840 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 12:25:38 ID:???
としだからかな

841 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 13:18:48 ID:fI+EWlbE

見上さんは結局のところ、日本サッカー暗黒期のサッカー選手ですし
こんなものでしょう。これでもフランスユース代表キーパーと互角でしょうし(震え声)

それでは、どこまで続くか分からない投稿を再開いたします。


842 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 13:21:10 ID:fI+EWlbE
★見上監督の決断  ダイヤK ★:見上「ふっ、さすがは源三、私の真の力を見抜いているとは」
                   突然、見上の体が光に包まれ始め……(さらに分岐)
--------------------------------------------------------------------------------------------

見上「ふっ、さすがは源三、私の真の力を見抜いているとは」

若林「すみませんかんと……はっ?」

若林らしからぬ間抜けな声が出る。頓珍漢な事を言ってどうなるかとヤキモキしているなか、
相手からはさらに斜め上の回答が出てきて、若林を含む周囲の感情は混迷の度を増していった。

見上「小さい頃からGKとして開花しただけの事はある。素晴らしい観察力だ。今こそ見せよう、私の力を!」

見上は立ち上がり、左膝を曲げたまま脚を垂直に上げ、さらに両腕を横に広げて十字の形を取り、叫びだした。

見上「ムーンライトパワー!」

飛翔 「説明しよう!」

飛翔 「見上監督は自身に秘められたスイッチを解除する事で、若かりし日の力を取り戻す事ができるのだ!」

リンコン 「このスイッチは精神的なものだから、解除にこれといった面倒のいらない優れものだ!」

ヤラ 「なお、監督以外にも精神的スイッチをもっている選手はいる!
      これから出てくるかどうかはカード運次第だ!すぐ出てきそうな気もするがな!」

若林「(誰だお前ら、どこから来た?)」


843 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 13:27:52 ID:fI+EWlbE

ヤラ「心配無用、我らは君達の心理に映し出された幻影(イリュージョン)!現実の彼らとは一切関係が無いので安心したまえ!」
飛翔「そしてすぐに俺達も掻き消えるのだ!」
リンコン「それでは良い試合を、ハローそして!」

ヤラ・飛翔・リンコン「グッドばない!」

謎の幻達が言いたい事を言い放って消えた頃、見上は自分の実力を誇示し、悦に入っていた。

ヤング見上「せりあいは76、パンチングは79、浮き球補正は高低ともに1、ガッツは800!
      戻ったぞ、若返ったのだ!私は再びフィールドに立ぁーつ!」

フハハハハと高笑いを上げる見上に対し、呆れ顔で若林が見上に声をかける

若林「監督、パンチングで79というと、若島津のノーマルなパンチングと同じですよ」
ヤング見上「ハハハハ……は?」

若林「しかも何か技があるという訳ではないようですから、現状ではきれぼしJAPANの攻撃を止めるのは
   極めて厳しいのではないですか。森崎を使い続ける方が交代枠が残る分マシです」

ヤング見上「な、なんだと、折角力を出したのだぞ」

援護を求めようと他の全日本控え選手達を向く。だが、彼らは皆見上に対し痛い人を見る目、
生温かい目を向けるばかりで、到底フォローを回してくれそうになかった。

シュン……

暗に全員から反対される形となり、落ち込みながらヤング見上は普通の見上に戻った。


*全日本選手の見上に対する感情が以下のようになりました。
全日本選手→(痛い人)→見上


844 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 13:29:06 ID:fI+EWlbE
見上「……で、早川の代わりに入るのは……」
あずみ「(あ、話変えた。この監督、大丈夫かしら)」


先着で
★黒歴史に悶える見上監督 ! card★
と書き込んで下さい。マークで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。
Eメール欄は空欄にして、IDが表示されるようにしてください。

ダイヤ・ハート:見上「交代するのは若島津だ!」 見上さん八つ当たり気味?
スペード・クラブ:見上「交代するのは中山だ」 もう冷静になっていた
クラブA:見上「いや、当初の通り早田にする」 面子を取ろうとしてしまった


845 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 13:33:07 ID:fI+EWlbE
私用が発生したことにより、いったん投稿を中断いたします。
もしかしたら今日は投稿できなくなるかもしれませんが、どうかご了承ください。

846 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 13:38:41 ID:byGrkO4c
★黒歴史に悶える見上監督  スペード8

847 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 14:28:25 ID:???
飛翔が二回も出てるwww

848 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 18:51:42 ID:fI+EWlbE
おっと、飛翔がぶんれいね。

きっと中国4000年の歴史には分身の術に値する神仙術があるのでしょう(適当)
それではこれより投稿を再開します。



★黒歴史に悶える見上監督  スペード8 ★ 見上「交代するのは中山だ」 もう冷静になっていた
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

見上「交代するのは中山だ。相手のシュートはDFのブロックなど紙屑同然にさせてしまう。
   それなら撃たせる前に対処するまでだ。そしてGKについてだが……」


先着で
★GKの交代判定を用意するのを忘れてました ! card★
と書き込んで下さい。マークで分岐します。!とcardの間のスペースは埋めてください。

ダイヤ・ハート・スペード:見上「若林、行ってくるんだ」
クラブ: 見上「いや、この試合、森崎を外す訳にはいかん(く、口が勝手に……!?)」
クラブA・JOKER:「いや、この試合、森崎を外す訳にはいかん」


849 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 18:53:19 ID:???
★GKの交代判定を用意するのを忘れてました  ハート2

850 :森崎名無しさん:2014/11/01(土) 21:00:33 ID:???
見上さん輝いてんなw

851 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 21:19:00 ID:fI+EWlbE

★GKの交代判定を用意するのを忘れてました  ハート2 ★見上「若林、行ってくるんだ」
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

若林「はい」


途中幾つかの混乱があったものの大過なく事を済ませ、フィールドへと向かうあずみと若林の姿を後ろから見上は眺めていた。

見上「(早川の突然の参加は細々とした『トラブル』のお蔭で、どうにか誤魔化せた。
    岬よ、何も対策を練っていないとでも思ったのかね。
    日本代表というものは盗むものでも奪うものでもない事を教えてやる)」

あずみ「(裏切りを止められなかった時点で、未練など消え失せたわ。裏切り者は全力で叩き潰す!)」

若林「(絶対に勝つ、でないと何のために4年間、血のにじむ程鍛えぬいてきたか分からん)」

両者がフィールドに現れようとしていた頃、スタジアムでは、放送による全日本の交代アナウンスが行われていた。



852 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 21:21:27 ID:fI+EWlbE

カビラ「えー、前半30分を回り、全日本は選手を2人入れ替える模様です。
    まずはキーパー、森崎くんに代わりまして若林くんを投入するようです」

森崎「(ゲッ、交代かよ、確かにもう碌なプレーは出来そうにないけどよ……)」

信藤「森崎くんは既に3回も立て続けで殺人的なシュートを受け続けていますから、この交代も仕方ないでしょう」

カビラ「そうですね。続いてですが、んん」

交代選手を確認して、思わぬ相手に若干、言いよどんだ。

カビラ「今日何回目のサプライズとなったでしょうか、全日本、中山くんに代わりまして、
    早川あずみさん投入の意向、相手側の中沢さんに続き、このフィールドに2人目の女性選手が現れました」

淡々とした、だが2度目であるとは言え、衝撃的な内容の放送に対し、スタジアム内に少しずつどよめきが広がりはじめる。
特にあずみを知っている人間にとっては、気が気でない。

ゆかり「え、え、え?」
久美「早川さんって、確か前に押しかけてきた……」
ゆかり「そ、そうよ、山岡さんと仲の悪かった、あの早川さんよ!
   (だだ大丈夫なの、あの人、岬くんの昔の彼女だったんでしょ、また裏切ったりしないよね?)」

当然ながら全日本の選手達も交代の意図をつかみかね、ただ互いの顔を見やるばかりであった。

若林「(戸惑っているな、それも当然か)よしみんな聞け。時間が無いから手短に言う。
    まずは森崎、もう体力がないだろう、これからは代わりに俺がゴールを守る」

森崎「……チッ、ブラジル戦みたく崩れるんじゃないぜ」

若林「分かっている。そしてこれ(あずみ)についてだが」


853 :きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/11/01(土) 21:24:29 ID:fI+EWlbE

選手の共通疑問ともいうべき存在に対し、若林は答える。正確には、返答を聞く事もなく話し続けた。

若林「質問に答える暇はないから一言だけ言う。この早川は、監督の言う事が正しければ、中山より、
   いやこの場にいる俺達より、強い選手かもしれんという事だ」

全日本フィールダー達「な、なにィィィィィィッ!」

控室の様子をリフレインしたかのように、フィールド上の選手達の間にも驚愕が広がる。
選手「え、ウソだろ……」「中山より、上!?」「高校選手権でも一度も出てこなかった筈では……」
  「サッカー経験あるのか?海外サッカーでも名前を見た事が無いぞ」

あずみ「みんな、聞いて」

ざわめく選手達に呼びかけて場を静かにした後、語り出す。

あずみ「確かにあたしはこれまで『早川あずみ』としては一度も活躍してこなかった。
    信じられなくて当然の話だけど、今まではフランスで男装してサッカーをしていたのよ。
    ガスパール・ルブランとして」

三杉「ガスパール・ルブラン!?」
松山「し、知っているのか三杉?」

知っている、そうオウム返しのようにつぶやきながら、今だ信じられぬとばかりにあずみを見つめながら、語る。


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0ch BBS 2007-01-24